JP5260982B2 - ハニカムフィルタ - Google Patents

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本発明は、ハニカムフィルタに関する。
バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出されるスス等のパティキュレート(以下、PMともいう)が、環境や人体に害を及ぼすことが近年問題となっている。そこで、排ガス中のPMを捕集して、排ガスを浄化するフィルタとして多孔質セラミックからなるハニカム構造体を用いたハニカムフィルタが種々提案されている。
また、このようなハニカムフィルタにおいては、排ガスを浄化するための触媒が担持されることがあるが、この場合、触媒を担持させる領域に触媒担持層が形成され、触媒担持層に触媒が担持される。
特許文献1には、排ガスを流入させる側(ガス流入側)に触媒が多く担持され、排ガスを流出させる側(ガス流出側)に触媒が少なく担持されているか、あるいは、ガス流入側にのみ触媒が担持され、ガス流出側に触媒が担持されていない炭化珪素製ハニカムフィルタ及びこのようなハニカムフィルタが排ガス流路に設置された排ガス浄化システムが開示されている。
また、特許文献2には、ハニカムフィルタのガス流入側からガス流出側に向かって段階的又は連続的に、触媒担持量が順次小さくなるように構成したハニカムフィルタが開示されている。
特許文献1、2に開示されたハニカムフィルタは、通常、ハニカムフィルタでは高温の排ガスを流した際にガス流入側の温度に比べてガス流出側の温度が高温になる傾向にあるため、ハニカムフィルタのガス流出側に担持させた触媒の量が少なくてもPMの燃焼が充分に行われることに着目して作製されたハニカムフィルタである。
特許文献1、2に開示されたハニカムフィルタにおいては、ガス流出側に担持させる触媒の量を減らしてコストダウンを図ることができる。
また、担持させる触媒の量を減らすことによって、初期圧力損失を低下させることができる。
特開2003−154223号公報 特開2003−161138号公報
また、ハニカムフィルタでは、通常、高い再生限界値(PMを補集して燃焼させた場合にフィルタにクラックが生じることのない、PMの補集量の最大値)を備えることが望ましいと考えられている。なぜなら、再生限界値が低いハニカムフィルタを用いた排ガス浄化システムでは、頻繁に再生処理を行う必要があり、内燃機関の燃費が悪化するという問題があるためである。
しかし、従来のハニカムフィルタにおいては、再生限界値について何ら考慮がされておらず、再生限界値の点で改善の必要があった。
そこで、本発明者らは、さらに高い再生限界値を備えるハニカムフィルタを提供すべく、鋭意検討を重ねた。
その結果、まず、ハニカムフィルタのガス流出側端面からハニカムフィルタの全長の少なくとも10%の領域に触媒担持層を形成せず、この少なくとも10%の領域の熱伝導率をハニカムフィルタの触媒担持層が形成された領域の熱伝導率に比べて高くすることにより、ガス流出側端面近傍からの放熱が確実に進行し、この場合、ガス流出側の温度上昇が抑制されるため、ハニカムフィルタのガス流入側とガス流出側との温度差に起因する熱衝撃が発生しにくく、ハニカムフィルタの再生限界値が高いものとなることを見出した。
また、ハニカムフィルタに触媒を担持させた場合、触媒が担持されている領域では、流入したガスの反応により熱が発生するため、触媒が担持されている領域における発熱量は、触媒が担持されていない領域に比べて大きくなる。そして、触媒が担持されている領域が狭すぎると、狭い領域で大量に熱が発生することとなる。さらに、触媒担持層が形成されている領域は、触媒担持層が形成されていない領域に比べて熱伝導率が低いため、放熱が起こりにくい状態にある。
そのため、触媒が担持された触媒担持層が形成された領域が狭いと、その領域と他の領域との温度差が非常に大きくなり、その結果、ハニカムフィルタに大きな熱衝撃が加わることとなる。
これに対して、本発明者らは、触媒担持層を形成する領域を、ガス流入側端面からハニカムフィルタの全長の90%の領域のうち、ハニカムフィルタの全長の25%以上の領域とすることにより、狭い領域で大量の熱が発生し、大きな熱衝撃がハニカムフィルタに加わることが防止され、ハニカムフィルタの再生限界値が高いものとなることを見出した。
さらに、本発明者らは、上述したような所定の領域にのみ触媒担持層が形成されたハニカムフィルタについて、PMを補集した後のハニカムフィルタの状態を観察した。すると、驚くべきことに、ガス流入側に比べてガス流出側にPMが多く補集されている現象が認められた。
そして、本観察結果のようにハニカムフィルタのガス流出側にPMが多く捕集された状態でハニカムフィルタの再生処理を行うと、ガス流出側の温度がガス流入側に比べて高くなり、ハニカムフィルタのガス流入側とガス流出側との温度差が大きくなるため、ハニカムフィルタに加わる熱衝撃が大きくなってクラックが生じやすくなるものと考えられた。
このことから、ハニカムフィルタのガス流出側にPMが多く捕集されることは、ハニカムフィルタの再生限界値を低下させる原因となると推定された。
さらに、本発明者らは、ハニカムフィルタのガス流出側にPMが多く捕集される原因について検討を重ねた。その中で、ガス流入側領域とガス流出側領域のセル壁についてそれぞれのガス透過係数を測定したところ、両領域のセル壁のガス透過係数に顕著な差異が認められ、ガス流入側のセル壁のガス透過係数はガス流出側のセル壁のガス透過係数と比べてかなり小さくなっていた。
ガス透過係数は、ハニカムフィルタのセル壁をガスが通るときの通過のし易さを表すパラメータであり、ガス透過係数が高いほどセル壁をガスが通過しやすくなることから、ガス透過係数の低いガス流入側のセル壁では排ガスがセル壁を通過しにくくなっていることが推定され、排ガスの多くはガス流出側のセル壁を通過しているものと予想された。
そして、多くの排ガスが通過したセル壁には多くのPMが捕集されることから、本発明者らは、ハニカムフィルタのガス流入側とガス流出側でのセル壁のガス透過係数の差異がハニカムフィルタのガス流出側のセル壁にPMが多く捕集される原因であると推定した。
これらを踏まえて、本発明者らは、ハニカムフィルタの再生限界値を高めるには、ハニカムフィルタのガス流入側とガス流出側でのセル壁のガス透過係数の差異を小さくして、ハニカムフィルタのガス流出側からガス流入側に向かって、PMができるだけ均一に捕集されるようにすればよいことに想到し、本発明を完成した。
すなわち、請求項1に記載のハニカムフィルタは、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、上記セルのいずれか一方の端部が封止された柱状のハニカム焼成体からなり、一方の端面側から流入したガスが他方の端面側から流出するハニカムフィルタであって、
上記ハニカムフィルタには、そのガス流出側端面から上記ハニカムフィルタの全長の10%の領域には触媒担持層が形成されておらず、
上記ハニカムフィルタのガス流入側端面から上記ハニカムフィルタの全長の90%の領域のうち、上記ハニカムフィルタの全長の25%〜90%の領域には触媒担持層が形成され、
上記ハニカムフィルタの上記触媒担持層が形成されていない領域の熱伝導率は、上記ハニカムフィルタの上記触媒担持層が形成された領域の熱伝導率に比べて高く、
上記ハニカムフィルタの上記触媒担持層が形成されていない領域のセル壁のガス透過係数をk1(μm)とし、上記ハニカムフィルタの上記触媒担持層が形成された領域のセル壁のガス透過係数をk2(μm)としたときに、
下記式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする。
(k1−k2)≦0.5・・・(1)
1.0≦k1≦1.5・・・(2)
この請求項1に記載のハニカムフィルタでは、ガス透過係数k1とk2とが(k1−k2)≦0.5の関係を満たすように両領域のセル壁のガス透過係数を調整している。
ガス透過係数kと圧力損失ΔP(kPa)との間には、以下の式(3)に示す関係が成立する。
Figure 0005260982
ここで、Qはガス流量(m/s)、μはガス粘度、Vtrapは有効ハニカム構造体容積(m)、aはセル幅(m)、Wsはセル壁厚(m)、Lはハニカム構造体の外径(m)、ζは圧縮/膨張慣性損失係数と呼ばれ、ハニカム構造体の両端面でガスの流通断面積が不連続に変化することに起因したパラメータであって、主にハニカム構造体の両端面の開口率や形状によって定まるパラメータ、ρはガス密度(kg/m)、Fは定数(28.454)である。このうち、Vtrap、a、Ws、L及びζは、ハニカム構造体の形状によって定まり、μ及びρは、温度とガス種により一意に定められる。
式(3)は、両辺をQで除して整理することによって、以下の式(4)で表されるような、ΔP/Qに対するQの一次式とすることができる。
Figure 0005260982
ガス透過係数kは、この式(4)を用いることによって求めることができる。
図1は、Qを横軸、ΔP/Qを縦軸に取ってプロットしたグラフの一例である。
ガス透過係数kを求めるためには、ガス流量Qを数通りに変化させて圧力損失ΔPを測定し、図1に示すように、Qを横軸、ΔP/Qを縦軸としてグラフ上にプロットする。すると、このプロットはほぼ直線となるため、QとΔP/Qとの関係を図1に示すような近似直線で表すことができる。そして、この近似直線と縦軸との交点から、切片の値を求めることができる。
そして、上記測定において、式(4)中のガス透過係数k以外の変数は測定条件やハニカム構造体の構造によって定まる既知量であることから、式(4)は、定数A、C、Cを用いて以下の式(5)で表される。
Figure 0005260982
すなわち、図1に示すプロットから求めた切片の値は、(C/k+C)で表されることとなり、ガス透過係数kを算出することができる。
この請求項1に記載のハニカムフィルタによると、触媒担持層が形成された領域(ガス流入側)及び触媒担持層が形成されていない領域(ガス流出側)のセル壁のガス透過係数の差が0.5μm以下となるように両領域のセル壁のガス透過係数を調整している。
請求項1に記載の発明によると、上記ガス透過係数の差をこのような範囲に制御しているので、ガス流入側のセル壁を排ガスが通過する際の排ガスの通過のし易さと、ガス流出側のセル壁を排ガスが通過する際の排ガスの通過のし易さとの差異を小さくすることができる。
従って、セル壁を通過する排ガスのうち、触媒担持層が形成された領域、すなわちガス流入側のセル壁を通過する排ガスの割合を高くすることができるため、ガス流入側のセル壁にもPMを多く補集させることができる。
その結果、ガス流出側のセル壁に補集されるPMの量を相対的に少なくすることができ、PMを燃焼させた際のガス流入側とガス流出側の温度差が小さくなるために、再生時にクラックが生じにくくなって、再生限界値の高いハニカムフィルタとすることができる。
また、触媒担持層が形成されていない領域のセル壁のガス透過係数k1が1.5μmを超えると、PMの補集効率が低下してしまうために望ましくない。また、k1が1.0μm未満であると、圧力損失が高くなりすぎるために望ましくない。
また、請求項1に記載のハニカムフィルタにおいては、ハニカムフィルタのガス流出側端面からハニカムフィルタの全長の10%の領域には触媒担持層が形成されておらず、ハニカムフィルタの触媒担持層が形成されていない領域の熱伝導率は、ハニカムフィルタの触媒担持層が形成された領域の熱伝導率に比べて高くなっている。
このようにガス流出側端面からハニカムフィルタの全長の10%の領域を熱伝導率の高い部材からなる領域とすることにより、ガス流出側端面近傍からの放熱を促進させることができる。その結果、ハニカムフィルタのガス流出側の温度上昇が防止されるため、ハニカムフィルタのガス流入側とガス流出側との温度差に起因する熱衝撃が発生しにくく、再生限界値の高いハニカムフィルタとすることができる。
また、触媒が担持されているとガスの反応による発熱が生じるため、触媒が担持されている領域は、触媒が担持されていない領域と比べて発熱量が大きくなる。さらに、触媒担持層が形成された領域は、触媒担持層が形成されていない領域に比べて、熱伝導率が低いため、放熱が起こりにくくなっている。そのため、触媒が担持されている領域が狭すぎる場合には、狭い領域で大量の熱が発生し、触媒担持層の上に触媒が担持された領域と、触媒担持層が形成されていない領域との温度差がより大きくなり、ハニカムフィルタに加わる熱衝撃が大きくなる。
これに対し、請求項1に記載のハニカムフィルタのように、流入側端面からハニカムフィルタの全長の25%以上の領域に触媒担持層を形成した場合には、触媒を担持させた際に触媒が担持されている領域が狭すぎず、触媒担持層の上に触媒が担持された領域と、触媒担持層が形成されていない領域との温度差が大きくなりすぎないため、再生限界値の高いハニカムフィルタとすることができる。
このように、請求項1に記載のハニカムフィルタでは、触媒担持層が形成された領域と触媒担持層が形成されていない領域のセル壁のガス透過係数が望ましい範囲に制御されており、さらに、触媒担持層が特定の領域に形成されている。そのため、請求項1に記載のハニカムフィルタは、高い再生限界値を備えることとなる。
請求項2に記載のハニカムフィルタは、上記触媒担持層に触媒が担持されている。
請求項2に記載のハニカムフィルタでは、上記触媒担持層に担持された触媒によって排ガス中の有害成分の浄化を行うことができる。
請求項3に記載のハニカムフィルタは、上記ハニカムフィルタの上記触媒担持層が形成されていない領域の熱伝導率が、上記ハニカムフィルタの上記触媒担持層が形成された領域の熱伝導率の1.3〜5.0倍である。
請求項3に記載のハニカムフィルタでは、ハニカムフィルタの触媒担持層が形成されていない領域は、ハニカムフィルタの触媒担持層が形成された領域の熱伝導率の1.3〜5.0倍の熱伝導率を有しているため、ハニカムフィルタのガス流入側とガス流出側の温度差に起因する熱衝撃の発生が抑制されることとなる。そのため、請求項3に記載のハニカムフィルタは、より高い再生限界値を備えることとなる。
請求項4に記載のハニカムフィルタにおいては、上記ハニカムフィルタの主成分が、炭化物セラミックス、窒化物セラミックス、金属と炭化物セラミックスの複合体、金属と窒化物セラミックスとの複合体のいずれかからなる。
また、請求項5に記載の発明は、上記ハニカムフィルタの主成分が、炭化ケイ素からなる。
ハニカムフィルタの主成分となる上記材料はいずれも熱伝導率が高いため、請求項4及び5に記載のハニカムフィルタは、きわめて高い再生限界値を備えることとなる。
(第一実施形態)
以下、本発明の一実施形態である第一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図2は、本発明のハニカムフィルタの一例を模式的に示す斜視図であり、図3(a)は、本発明のハニカムフィルタを構成するハニカム焼成体の一例を模式的に示す斜視図であり、(b)はそのA−A線断面図である。
ハニカムフィルタ100では、図3(a)、(b)に示すようなハニカム焼成体110がシール材層(接着剤層)101を介して複数個結束されてセラミックブロック103を構成し、さらに、このセラミックブロック103の外周にシール材層(コート層)102が形成されている。
ハニカム焼成体110は、多孔質炭化ケイ素を主成分とし、ハニカム焼成体110には、多数のセル111がセル壁113を隔てて長手方向(図3(a)中、aの方向)に並設されており、セル111のいずれかの端部が封止材112で封止されている。従って、ガス流入側端面21側が開口したセル111に流入した排ガスGは、必ずセル111を隔てるセル壁113を通過した後、ガス流出側端面22側が開口した他のセル111から流出するようになっている。
従って、セル壁113がPM等を捕集するためのフィルタとして機能する。
本実施形態のハニカムフィルタにおいては、ハニカムフィルタの触媒担持層が形成されていない領域のセル壁のガス透過係数をk1(μm)とし、ハニカムフィルタの触媒担持層が形成された領域のセル壁のガス透過係数をk2(μm)としたときに、
下記式(1)及び(2)の関係を満たしている。
(k1−k2)≦0.5・・・(1)
1.0≦k1≦1.5・・・(2)
また、ハニカムフィルタ100では、ハニカムフィルタ100の所定の領域に、白金(Pt)触媒が担持されたアルミナからなる触媒担持層10が形成されている。従って、ハニカムフィルタ100の触媒担持層10が形成されていない領域の熱伝導率は、ハニカムフィルタ100の触媒担持層10が形成された領域の熱伝導率に比べて高いこととなる。
また、触媒担持層に触媒を担持させることにより、排ガス中の有害成分の浄化、及び、PMの燃焼を促進することができる。
この触媒担持層10が形成されている所定の領域について図面を用いて説明する。
図4(a)〜(d)は、それぞれ所定の領域に触媒担持層が形成されたハニカム焼成体の一例を模式的に示す断面図である。
詳細には、ハニカム焼成体の全長Lに対して(a)は、ガス流入側端面21から25%の領域に触媒担持層10が形成され、(b)は、ガス流入側端面21から25〜50%の領域に触媒担持層10が形成され、(c)は、ガス流入側端面21から50%の領域に触媒担持層10が形成され、(d)は、ガス流入側端面21から90%の領域に触媒担持層10が形成されたハニカム焼成体を示している。
なお、ハニカムフィルタの全長はハニカム焼成体の全長と等しい。
図4(a)〜(d)に示すハニカム焼成体においては、いずれもハニカム焼成体110の全長Lに対してガス流出側端面22から10%の領域(図4(a)〜(d)中、領域B)には触媒担持層10が形成されていない。そして、ハニカム焼成体110の全長Lに対してガス流入側端面21から90%の領域(図4(a)中、領域A)のうち、ハニカム焼成体110の全長Lの25%〜90%の領域(図4(a)〜(d)中、領域C)には、触媒担持層10が形成されている。
触媒担持層10が形成されている領域Cは、図4(a)、(c)、(d)のようにガス流入側端面21から連続して設けられていてもよいし、図4(b)のようにガス流入側端面21から離間した位置から連続して設けられていてもよい。
そして、触媒担持層10はセル壁113の表面に形成されていてもよいし、セル壁113の内部に形成されていてもよい。
また、本実施形態においてハニカムフィルタの触媒担持層の形成されていない領域の熱伝導率は、上記ハニカムフィルタの触媒担持層が形成された領域の熱伝導率に比べて高くなるように設定されており、さらに具体的には、ハニカムフィルタの触媒担持層の形成されていない領域の熱伝導率は、上記ハニカムフィルタの触媒担持層が形成された領域の熱伝導率の1.3〜5.0倍とすることが望ましい。
両領域の熱伝導率は、それぞれ図3(b)に示すガス流入側測定部位31、ガス流出側測定部位32のセル壁に対する熱伝導率を測定することによって求められる。
以下、本実施形態のハニカムフィルタの製造方法について説明する。
まず、セラミック原料として平均粒子径の異なる炭化ケイ素粉末と有機バインダと造孔剤とを乾式混合して混合粉末を調製するとともに、液状の可塑剤と潤滑剤と水とを混合して混合液体を調製し、続いて、上記混合粉末と上記混合液体とを湿式混合機を用いて混合することにより、成形体製造用の湿潤混合物を調製する。
この際、セラミック原料及び造孔剤の粒子径を変更し、また、各原料の配合割合を調節することによって、触媒担持層が形成されていない領域のセル壁のガス透過係数を好ましい範囲に制御することができる。
続いて、上記湿潤混合物を押出成形機に投入する。
上記湿潤混合物を押出成形機に投入すると、湿潤混合物は押出成形により所定の形状のハニカム成形体となる。
次に、ハニカム成形体の両端を切断装置を用いて切断する切断工程を行い、ハニカム成形体を所定の長さに切断し、切断したハニカム成形体を乾燥機を用いて乾燥する。次いで、ガス流入側端面が開口するセル群のガス流出側の端部、及び、ガス流出側端面が開口するセル群のガス流入側の端部に、封止材となる封止材ペーストを所定量充填し、セルを目封じする。このセルの目封じの際には、ハニカム成形体の端面(すなわち切断工程後の切断面)に目封じ用のマスクを当てて、目封じの必要なセルにのみ封止材ペーストを充填する。
このような工程を経て、セル封止ハニカム成形体を作製する。
次に、セル封止ハニカム成形体中の有機物を脱脂炉中で加熱する脱脂工程を行い、得られたハニカム脱脂体を焼成炉に搬送し、焼成工程を行ってハニカム焼成体を作製する。
この際、焼成条件を調節することによって、触媒担持層が形成されていない領域のセル壁のガス透過係数を好ましい範囲に制御することができる。
そして、得られたハニカム焼成体の側面に、シール材層(接着剤層)となるシール材ペーストを塗布してシール材ペースト層を形成し、このシール材ペースト層の上に、順次他のハニカム焼成体を積層する工程を繰り返して所定数のハニカム焼成体が結束されたハニカム焼成体の集合体を作製する。なお、シール材ペーストとしては、例えば、無機バインダと有機バインダと無機繊維及び/又は無機粒子とからなるものを使用することができる。
次に、このハニカム焼成体の集合体を加熱してシール材ペースト層を乾燥、固化させてシール材層(接着剤層)とする。その後、ダイヤモンドカッターを用いてハニカム焼成体の集合体に切削加工を施してセラミックブロックとし、セラミックブロックの外周面にシール材ペーストを塗布し、シール材ペーストを乾燥固化させてシール材層(コート層)を形成することによりハニカムフィルタとする。
次に、上記ハニカムフィルタの所定の領域にアルミナからなる触媒担持層を形成し、さらに上記触媒担持層に白金触媒を担持させる。具体的には、下記(a)及び(b)の処理を行う。
(a)アルミナ粒子を含むアルミナ溶液中に、ハニカムフィルタをガス流入側端面とする面を下にして、触媒担持層を形成する所定の領域がアルミナ溶液中に漬かるようにハニカムフィルタを浸漬し、ハニカムフィルタの所定の領域に選択的にアルミナ粒子を付着させる。
その後、ハニカムフィルタを110〜200℃で2時間程度乾燥させ、乾燥後のハニカムフィルタを500〜1000℃で加熱焼成することにより、ハニカムフィルタの所定の領域に触媒担持層を形成する。
この際、アルミナ粒子の粒子径を調節することによって、触媒担持層が形成された領域のセル壁のガス透過係数を好ましい範囲に制御することができる。
(b)次に、白金を含有する金属化合物の溶液中に、ガス流入側端面とする面を下にして、触媒担持層を形成した所定の領域が溶液中に漬かるようにハニカムフィルタを浸漬し、浸積後のハニカムフィルタを乾燥させ、乾燥後のハニカムフィルタを不活性雰囲気下、500〜800℃で加熱焼成することにより触媒担持層に触媒を担持させる。
なお、(a)及び(b)に示した方法は、ハニカムフィルタのガス流入側端面から連続して設けられた触媒担持層を形成し、この触媒担持層に触媒を担持する方法であるが、図4(b)に示したようなガス流入側端面から離間した位置から連続して設けられた触媒担持層を形成し、この触媒担持層に触媒を担持させる場合には、例えば、下記のような方法を用いればよい。
即ち、上記(a)の工程を行う前に、ハニカムフィルタのガス流入側の触媒担持層を形成しない領域を、シリコーン樹脂でコーティングしておき、アルミナ粒子として白金付きアルミナ粒子を用いて、上記(a)の工程の乾燥処理までを行い、その後、さらに300℃程度まで加熱してシリコーン樹脂を融解させて除去し、続いて、上記(a)の工程の加熱焼成処理を行った後、ハニカムフィルタに残留したシリコーン樹脂を酸で溶解除去する。
以下、本実施形態のハニカムフィルタの作用効果について列挙する。
(1)触媒担持層が形成された領域(ガス流入側)及び触媒担持層が形成されていない領域(ガス流出側)のセル壁のガス透過係数の差が0.5μm以下となるように両領域のセル壁のガス透過係数を調整している。
ガス透過係数の差をこのような範囲に制御しているので、ガス流入側のセル壁を排ガスが通過する際の排ガスの通過のし易さと、ガス流出側のセル壁を排ガスが通過する際の排ガスの通過のし易さとの差異を小さくすることができる。
従って、セルに流入した排ガスのうち触媒担持層が形成された領域のセル壁を通過する排ガスの割合を高くすることができるため、ガス流入側のセル壁にもPMを多く捕集させることができる。
その結果、本実施形態のハニカムフィルタでは、ガス流出側のセル壁に捕集されるPMの量を相対的に少なくすることができ、PMを燃焼させた際のガス流入側とガス流出側の温度差を小さくすることができる。
(2)触媒担持層が形成されていない領域のセル壁のガス透過係数k1を1.5μm以下としているため、PM捕集効率の高いハニカムフィルタとすることができる。
(3)触媒担持層が形成されていない領域のセル壁のガス透過係数k1を1.0μm以上としているため、圧力損失の低いハニカムフィルタとすることができる。
(4)ガス流出側端面からハニカムフィルタの全長の10%の領域には触媒担持層が設けられておらず、上記領域は熱伝導率の高い部材からなる領域であるため、ガス流出側端面近傍からの放熱を促進させることができる。その結果、ガス流出側の温度上昇が防止されるため、ハニカムフィルタのガス流入側とガス流出側との温度差に起因する熱衝撃を緩和させることができる。
(5)ガス流入側端面からハニカムフィルタの全長の25%以上の領域に触媒が担持された触媒担持層が形成されているため、触媒が担持されている領域は充分に広い。従って、再生処理において、ハニカムフィルタの狭い領域で大量の発熱が生じることを防止することができる。
(6)触媒担持層が形成された領域と触媒担持層が形成されていない領域のセル壁のガス透過係数を望ましい範囲に制御することと、触媒担持層を望ましい領域に形成させることとの相乗効果によって再生限界値が向上する。
そのため、再生限界値の高いハニカムフィルタとすることができる。
以下、本発明の第一実施形態をより具体的に開示した実施例を示すが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
以下の実施例、参考例及び比較例では、触媒担持層が形成されていない領域のセル壁のガス透過係数k1及び触媒担持層が形成されている領域のセル壁のガス透過係数k2を異なる値に設定したハニカムフィルタを製造し、また、触媒担持層の形成範囲を変化させてハニカムフィルタを製造して、各特性を測定した。
なお、各実施例等において製造した、触媒担持層を形成する前のハニカムフィルタを基材ということとする。
(実施例1)
(ハニカム焼成体の作製)
平均粒子径22μmを有する炭化ケイ素の粗粉末52.8重量%と、平均粒子径0.5μmの炭化ケイ素の微粉末22.6重量%とを混合し、得られた混合物に対して、平均粒子径20μmのアクリル樹脂2.1重量%、有機バインダ(メチルセルロース)4.6重量%、潤滑剤(日本油脂社製 ユニルーブ)2.8重量%、グリセリン1.3重量%、及び、水13.8重量%を加えて混練して湿潤混合組成物を得た後、押出成形を行い、図3(a)に示した形状と略同様の形状の、セルの目封じをしていない生のハニカム成形体を作製した。
次いで、マイクロ波乾燥機を用いて上記生のハニカム成形体を乾燥させ、ハニカム成形体の乾燥体とした後、上記生成形体と同様の組成のペーストを所定のセルに充填し、再び乾燥機を用いて乾燥させた。
ハニカム成形体の乾燥体を400℃で脱脂し、常圧のアルゴン雰囲気下2150℃、3時間の条件で焼成を行うことにより、気孔率が45%、平均気孔径が13.0μm、大きさが34.3mm×34.3mm×150mm、セルの数(セル密度)が300個/inch(46.5個/cm)、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の炭化ケイ素焼結体からなるハニカム焼成体を製造した。
(ハニカムフィルタの製造)
平均繊維長20μmのアルミナファイバ30重量%、平均粒子径0.6μmの炭化ケイ素粒子21重量%、シリカゾル15重量%、カルボキシメチルセルロース5.6重量%、及び、水28.4重量%を含む耐熱性のシール材ペーストを用いてハニカム焼成体を多数接着させ、さらに、120℃で乾燥させ、続いて、ダイヤモンドカッターを用いて切断することにより、シール材層(接着剤層)の厚さ1mmの円柱状のセラミックブロックを作製した。
次に、上記シール材ペーストを用いて、セラミックブロックの外周部に厚さ0.2mmのシール材ペースト層を形成した。そして、このシール材ペースト層を120℃で乾燥して、外周にシール材層(コート層)が形成された直径143.8mm×長さ150mmの円柱状のハニカムフィルタを製造した。
製造したハニカムフィルタ(ハニカム焼成体)の原材料の平均粒子径、原材料の組成、焼成温度を表1に示す。また、製造したハニカムフィルタの特性を表2に示す。
本実施例で製造したハニカムフィルタ(ハニカム焼成体)は、表1及び表2に示す基材1〜8のうち、基材3に該当する。
なお、表2における「セル構造」の欄には、セル壁の厚さ(mil)とセル密度(個/inch)を示している。
Figure 0005260982
Figure 0005260982
(触媒担持層の形成)
平均粒子径0.9μmのγ−アルミナ粒子を充分量の水と混合して攪拌し、アルミナスラリーを作製した。このアルミナスラリー中にハニカムフィルタをガス流入側端面を下にして、その全長の33.3%の領域(ガス流入側端面から50mmの領域)まで浸漬し、1分間保持した。
続いて、このハニカムフィルタを110℃で1時間加熱する乾燥工程を行い、さらに700℃で1時間焼成する焼成工程を行って、ハニカムフィルタのガス流入側端面からハニカムフィルタの全長の33.3%の領域に触媒担持層を形成した。
このとき、触媒担持層の形成量が、ハニカムフィルタのうち触媒担持層が形成されている領域の体積1リットルあたり60gとなるように、アルミナスラリーへの浸漬と乾燥工程、焼成工程を繰り返し行った。
(白金触媒の担持)
ジニトロジアンミン白金硝酸溶液([Pt(NH(NO]HNO、白金濃度4.53重量%)溶液中に、ハニカムフィルタををガス流入側端面を下にして、その全長の33.3%の領域まで浸漬し、1分間保持した。
続いて、このハニカムフィルタを110℃で2時間乾燥し、窒素雰囲気中500℃で1時間焼成することによって触媒担持層に白金触媒を担持させた。
触媒の担持量は、触媒担持層であるアルミナ20gに対して白金が3g担持されるようにした。
以上の工程によって、アルミナからなる触媒担持層が所定の領域に形成され、触媒担持層に白金触媒が担持されたハニカムフィルタを製造した。
このようにして製造したハニカムフィルタに対して、以下の測定を行った。
(ガス透過係数の測定)
ハニカムフィルタを触媒担持層が形成されている領域と触媒担持層が形成されていない領域との境界で、ハニカムフィルタの長手方向と垂直な方向に切断した。
そいて、切断面に露出したセルのうち、もう一方の端部が封止されていないセルに上記生成形体と同様の組成のペーストを充填し、乾燥機を用いて乾燥させた。
これにより、触媒担持層が形成されている領域のみを有し、セルのいずれか一方の端部が封止されたガス流入側圧力損失測定用ハニカムフィルタと、触媒担持層が形成されていない領域のみを有し、セルのいずれか一方の端部が封止されたガス流出側圧力損失測定用ハニカムフィルタを作製した。
ガス流入側圧力損失測定用ハニカムフィルタ及びガス流出側圧力損失測定用ハニカムフィルタの圧力損失を、図5に示したような圧力損失測定装置210を用いて測定した。
この圧力損失測定装置210は、送風機211の排気ガス管212に、ハニカムフィルタ100を金属ケーシング213内に固定して配置し、ハニカムフィルタ100の前後の圧力を検出可能になるように圧力計214が取り付けられている。
そして、送風機211からの排ガスのガス流量を一定にして運転し、運転開始から5分後の差圧(圧力損失)を測定した。
そして、送風機211からの排ガスのガス流量を変化させた際の各ガス流量Qに対する圧力損失ΔPを測定し、図1に示すようにQを横軸に、ΔP/Qを縦軸にとったグラフを作成して切片の値を算出した。
そして、この切片の値からガス流出側のセル壁のガス透過係数k1及びガス流入側のセル壁のガス透過係数k2を求めた。
(熱伝導率の測定)
図3(b)に示すように、ハニカムフィルタのセル壁の一部を切り出してガス流入側測定部位31及びガス流出側測定部位32とし、各測定部位のセル壁の熱伝導率をレーザーフラッシュ法によって測定した。
(再生限界値の測定)
図6に示したように、ハニカムフィルタをエンジンの排気通路に配置して排ガス浄化装置とし、再生限界値を測定した。
排ガス浄化装置220は、主に、ハニカムフィルタ100、ハニカムフィルタ100の外方を覆うケーシング221、ハニカムフィルタ100とケーシング221との間に配置された保持シール材222から構成されており、ケーシング221の排ガスが導入される側の端部には、エンジン等の内燃機関に連結された導入管224が接続されており、ケーシング221の他端部には、外部に連結された排出管225が接続されている。なお、図6中、矢印は排ガスの流れを示している。
上記エンジンを回転数3000min−1、トルク50Nmで所定の時間運転し、所定量のPMを捕集した。その後、エンジンを回転数4000min−1、フルロードにして、フィルタ温度が700℃付近で一定になったところで、エンジンを回転数1050min−1、トルク30NmにすることによってPMを強制燃焼させた。
そして、この再生処理を行う実験を、PMの捕集量を変化させながら行い、フィルタにクラックが発生するか否かを調査した。そして、クラックが発生しない最大PM量を再生限界値とした。
(PM厚み差の測定)
再生限界値の測定に用いた排ガス浄化装置220を運転して、ハニカムフィルタにPMを10g/L捕集させた。その後、ハニカムフィルタを排ガス浄化装置220から取り出し、ガス流入側端面からハニカムフィルタの長手方向に25mmの位置と100mmの位置でハニカムフィルタをその長手方向に垂直な方向に切断した。
この2ヶ所の切断位置は、ハニカムフィルタの長手方向に対する、触媒担持層が形成された領域、及び、触媒担持層が形成されていない領域それぞれの中心にあたる。
図7は、ハニカムフィルタの切断面におけるPMの厚み計測方法を模式的に示す拡大断面図である。
図7には、ハニカムフィルタの切断面の一部を拡大して電子顕微鏡(SEM)で観察した様子を模式的に示しており、図7で中央に示したセル111を構成するセル壁113にはPM115が捕集されている。
このとき、捕集されたPM115の厚みを、セル壁113の表面から捕集したPM115の表面までの距離、すなわち図7中でtで示す厚みとして定めた。
上記のように定めたPMの厚みを、ハニカムフィルタのガス流入側の切断位置及びガス流出側の切断位置において測定した。
そして、本実施例のハニカムフィルタでは、ガス流出側のセル壁に捕集されたPMの厚みはガス流入側のセル壁に捕集されたPMの厚みと比べて厚くなっていた。そして、ガス流出側のセル壁に捕集されたのPMの厚みとガス流入側のセル壁に捕集されたのPMの厚みの差を「PM厚み差」として求めた。
(捕集効率の測定)
図8に示したような捕集効率測定装置230を用いてPMの捕集効率を測定した。図8は、捕集効率測定装置の説明図である。
この捕集効率測定装置230は、2L(リットル)のコモンレール式ディーゼルエンジン231と、エンジン231からの排ガスを流通する排ガス管232と、排ガス管232に接続されアルミナマットを巻いたハニカムフィルタ100を固定する金属ケーシング233と、ハニカムフィルタ100を流通する前の排ガスをサンプリングするサンプラー235と、ハニカムフィルタ100を流通した後の排ガスをサンプリングするサンプラー236と、サンプラー235、236によりサンプリングされた排ガスを希釈する希釈器237と、希釈された排ガスに含まれるPMの量を測定するPMカウンタ238(TSI社製、凝集粒子カウンタ3022A−S)とを備えた走査型モビリティ粒子径分析装置(Scanning Mobility Particle Sizer SMPS)として構成されている。
次に、測定手順を説明する。エンジン231を回転数が2000min−1、トルクが47Nmとなるようにエンジン231を運転し、エンジン231からの排ガスをハニカムフィルタ100に流通させた。このとき、ハニカムフィルタ100を流通する前の排ガス中のPM量Pと、ハニカムフィルタ100を通過した後の排ガス中のPM量PとをPMカウンタ238を用いて把握した。そして、下記計算式を用いて捕集効率を算出した。
捕集効率(%)=(P−P)×100/P
(ハニカムフィルタの圧力損失の測定)
上述した圧力損失測定装置210を用いて、ガス透過係数の測定において測定した方法と同様にしてハニカムフィルタの圧力損失を測定した。
この際、送風機211を排ガスのガス流量が750m/hになるように運転し、運転開始から5分後の差圧(圧力損失)を測定した。
実施例1で製造したハニカムフィルタの基材、触媒担持層の形成範囲、形成位置及び形成量並びに触媒担持層の形成に用いたアルミナ粒子の粒子径を表3に、ガス透過係数及び熱伝導率、PM厚み差、再生限界値、圧力損失及び捕集効率の測定結果について表4にまとめて示した。
なお、触媒担持層の形成位置はガス流入側端面の位置を0mm、ガス流出側端面の位置を150.0mmとして、ガス流入側からの距離(mm)で示しており、実施例1においてはガス流入側端面から50.0mmの領域に触媒担持層が形成されているため、「0〜50.0」と示している。
また、触媒担持層の形成量は、ハニカムフィルタのうち触媒担持層が形成されている領域の体積1リットルあたりの形成量として示した。
(実施例2、比較例1)
実施例1と同じ基材3を作製し、触媒担持層を形成する際に用いるγ−アルミナ粒子の平均粒子径を表3に示すように変更して触媒担持層を形成した以外は実施例1と同様にしてハニカムフィルタを作製した。
これらのハニカムフィルタについても実施例1と同様に各特性の測定を行い、これらの結果をまとめて表4に示した。
Figure 0005260982
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表3及び表4は、ガス流入側のガス透過係数k2を変化させた場合のハニカムフィルタの特性を示す表であり、表3及び表4中では、最上段の実施例1から最下段の比較例1まで、ガス流入側のガス透過係数k2が大きい順に示している。
このとき、ガス流出側のガス透過係数k1は1.2μmで一定であり、常にガス透過係数k2よりも大きいので、(k1−k2)の値はガス流入側のガス透過係数k2が大きいほど小さくなる。
表4の結果から、ガス流入側とガス流出側のガス透過係数の差と、再生限界値及びPM厚み差との関係をプロットした図を図9に示す。
表4及び図9から、ガス流入側とガス流出側のガス透過係数の差が0.5μm以下であると再生限界値は6.6g/L以上と高くなっていた。
また、ガス流入側とガス流出側のガス透過係数の差が0.5μm以下であるとPM厚み差が小さくなっていた。
このことから、ガス流入側とガス流出側のガス透過係数の差を0.5μm以下とすることによってガス流出側のセル壁に捕集されるPMの量を相対的に少なくすることができ、再生限界値の高いハニカムフィルタとすることができた。
(実施例3、4、比較例2、3)
混合組成物中の炭化ケイ素の粗粉末の平均粒子径、原材料の組成並びに焼成温度を表1に示すように変更して、表2に示すような特性を有する基材1、2、4、5を作製した。
これらの基材1〜5は、それぞれガス流出側のガス透過係数k1が0.9〜1.6μmと異なっている。
これらの基材に対して実施例2と同様に平均粒子径が1.5μmであるγ−アルミナ粒子を用いて触媒担持層を形成して表5に示すようなハニカムフィルタを製造した。
これらのハニカムフィルタについても実施例1と同様に各特性の測定を行い、これらの結果をまとめて、実施例2の結果とともに表6に示した。
Figure 0005260982
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表5及び表6は、ガス流出側のガス透過係数k1を変化させた場合のハニカムフィルタの特性を示す表であり、表5及び表6中では、最上段の比較例2から最下段の比較例3まで、ガス流出側のガス透過係数k1が小さい順に示している。
このとき、実施例3、2、4ではガス流出側のガス透過係数k1が1.0〜1.5μmであり、圧力損失が低く、捕集効率の高いハニカムフィルタとすることができた。
一方、比較例2ではガス流出側のガス透過係数k1が0.9μmと小さいため圧力損失が10.9kPaと高くなっており、比較例3ではガス流出側のガス透過係数k1が1.6μmと高いために捕集効率が68%と低くなっていた。
(実施例5〜7、比較例4、5)
実施例1と同様にしてハニカムフィルタ(基材3)を作製し、これらの基材に対して実施例1と同様に平均粒子径が0.9μmであるγ−アルミナ粒子を用いて触媒担持層を形成した。この際、ハニカムフィルタをスラリー中に浸漬する深さを変更して表7に示すようにハニカムフィルタの全長の20〜100%の範囲に触媒担持層を形成した。
また、アルミナスラリーへの浸漬、乾燥、焼成を繰り返す回数を変更して、ハニカムフィルタのうち触媒担持層が形成されている領域の体積1リットルあたりの触媒担持層の形成量が、表7に示す量となるようにした。これは、触媒担持層の形成量が、ハニカムフィルタ全体の体積1リットルあたり20gとなるように定めた形成量である。
そして、触媒担持層を形成した領域と同じ領域に触媒を担持させた。
これらのハニカムフィルタについても実施例1と同様に各特性の測定を行い、これらの結果をまとめて、実施例1の結果とともに表8に示した。
Figure 0005260982
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表7及び表8は、触媒担持層を形成する範囲を変化させた場合のハニカムフィルタの特性を示す表であり、表7及び表8中では、最上段の比較例4から最下段の比較例5まで、触媒担持層の形成範囲が狭い順に示している。
表8の結果から、触媒担持層の形成範囲と再生限界値の関係をプロットした図を図10に示す。
表8及び図10から、ガス流入側触媒担持層の形成範囲が25〜90%であると再生限界値は6.3g/L以上と高くなっており、ガス流入側触媒担持層の形成範囲が20%の場合及び100%の場合は再生限界値が3.7又は3.3g/Lと低くなっていた。
すなわち、本発明で規定する範囲に触媒担持層を形成することによって再生限界値の高いハニカムフィルタとすることができた。
(参考例1)
触媒担持層を形成する際に用いるγ−アルミナ粒子の平均粒子径を表9に示すように0.5μmとした以外は実施例5と同様にしてハニカムフィルタを製造した。
このハニカムフィルタについても実施例5と同様に各特性の測定を行い、これらの結果をまとめて、実施例5の結果とともに表10に示した。
Figure 0005260982
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参考例1で製造したハニカムフィルタは、ガス流入側測定部位での熱伝導率に対するガス流出側測定部位での熱伝導率の比が5.03倍と高くなっており、再生限界値が5.9g/Lとやや低くなっていた。
(比較例6、7、8)
混合組成物中の炭化ケイ素の粗粉末の平均粒子径、原材料の組成並びに焼成温度を表1に示すように変更することによって平均気孔径、気孔率及びガス流出側のガス透過係数k1を制御し、押出成形時に用いる金型の設計を変更することによってセル構造を制御し、表2に示す特性を有する基材6〜8を作製した。これらの基材6〜8に対し、ゾル−ゲル法を用いて、表11に示すような範囲にγ―アルミナからなる触媒担持層を形成し、触媒を担持させてハニカムフィルタを製造した。
これらのハニカムフィルタについても実施例1と同様に各特性の測定を行い、これらの結果をまとめて表12に示した。
Figure 0005260982
Figure 0005260982
これらのハニカムフィルタは従来知られていたハニカムフィルタであるが、比較例6及び比較例7に記載のハニカムフィルタにおいてはガス流出側のガス透過係数k1が小さくなっており圧力損失が大きくなっていた。また、比較例8のハニカムフィルタにおいてはガス透過係数の差(k1−k2)が大きく再生限界値が低くなっており、また、ガス流入側のガス透過係数k2が大きくなっていることから捕集効率が低くなっていた。
(第二実施形態)
第一実施形態においてハニカムフィルタは、複数のハニカム焼成体がシール材層(接着剤層)を介して複数個結束された構成を有するが、本実施形態に係るハニカムフィルタは、1つのハニカム焼成体から構成されているハニカムフィルタである。
本明細書中では、前者のようなハニカムフィルタを集合型ハニカムフィルタといい、後者のようなハニカムフィルタを一体型ハニカムフィルタということとする。
このような一体型ハニカムフィルタを製造する場合は、押出成形により成形するハニカム成形体の大きさが、集合型ハニカムフィルタを製造する場合に比べて大きい以外は、集合型ハニカムフィルタを製造する場合と同様の方法を用いて、ハニカム成形体を作製する。その後は第一実施形態の集合型ハニカムフィルタを製造する方法と同様にして一体型ハニカムフィルタを製造することができる。
なお、一体型ハニカムフィルタの主な構成材料としては、耐熱衝撃性に優れたコージェライトやチタン酸アルミニウムを用いることが望ましく、本実施形態においても、第一実施形態の作用効果(1)〜(6)を発揮することができる。
(他の実施形態)
本発明のハニカムフィルタの形状は、図1に示した円柱状に限定されるものではなく、楕円柱状、多角柱状等の任意の柱の形状であればよい。
本発明のハニカムフィルタの気孔率は、30〜70%であることが望ましい。
ハニカムフィルタの強度を維持することが可能であるとともに、排ガスがセル壁を通過する際の抵抗を低く保つことができるからである。
これに対し、気孔率が30%未満であると、セル壁が早期に目詰まりを起こすことがあり、一方、上記気孔率が70%を超えるとハニカムフィルタの強度が低下して容易に破壊されることがある。
なお、上記気孔率は、例えば、水銀圧入法、アルキメデス法、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定等、従来公知の方法により測定することができる。
上記ハニカムフィルタの長手方向に垂直な断面におけるセル密度は特に限定されないが、望ましい下限は、31.0個/cm(200個/in)、望ましい上限は、93個/cm(600個/in)、より望ましい下値は、38.8個/cm(250個/in)、より望ましい上限は、77.5個/cm(500個/in)である。
上記ハニカムフィルタの構成材料の主成分は、炭化ケイ素に限定されるわけではなく、他のセラミック原料として、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、金属と窒化物セラミックの複合体、金属と炭化物セラミックの複合体等であってもよい。
また、上述したセラミックに金属ケイ素を配合したケイ素含有セラミック、ケイ素やケイ酸塩化合物で結合されたセラミック等のセラミック原料も構成材料として挙げられる。
上記ハニカムフィルタの構成材料の主成分は、第一実施形態のような集合型ハニカムフィルタでは、炭化ケイ素が特に望ましい。
耐熱性、機械強度、熱伝導率等に優れるからである。
また、炭化ケイ素に金属ケイ素が配合されたもの(ケイ素含有炭化ケイ素)も望ましい。
湿潤混合物における炭化ケイ素粉末の粒子径は、ガス流出側のガス透過係数k1を望ましい範囲に制御することができれば特に限定されないが、後の焼成工程を経て作製されたハニカム焼成体の大きさが、ハニカム成形体の大きさに比べて小さくなる場合が少ないものが望ましい。例えば、1.0〜50μmの平均粒子径を有する粉末100重量部と0.1〜1.0μmの平均粒子径を有する粉末5〜65重量部とを組み合わせたものが望ましい。
湿潤混合物における有機バインダは特に限定されず、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等が挙げられる。このなかでは、メチルセルロースが望ましい。有機バインダの配合量は、通常、セラミック粉末100重量部に対して、1〜10重量部が望ましい。
湿潤混合物を調製する際に使用する可塑剤や潤滑材は、特に限定されず、可塑剤としては、例えば、グリセリン等が挙げられる。また、潤滑剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系化合物等が挙げられる。
潤滑剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル等が挙げられる。
なお、可塑剤、潤滑剤は、場合によっては、湿潤混合物に含まれていなくてもよい。
また、湿潤混合物を調製する際には、分散媒液を使用してもよく、分散媒液としては、例えば、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられる。
さらに、湿潤混合物中には、成形助剤が添加されていてもよい。
成形助剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が挙げられる。
さらに、湿潤混合物には、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
添加する造孔剤の粒子径を調整することによって、ハニカムフィルタのガス透過係数を調整することができる。
バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等が挙げられる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
また、湿潤混合物中の有機分の含有量は10重量%以下であることが望ましく、水分の含有量は8〜30重量%であることが望ましい。
セルを封止する封止材ペーストとしては特に限定されないが、後工程を経て製造される封止材の気孔率が30〜75%となるものが望ましく、例えば、湿潤混合物と同様のものを用いることができる。
シール材ペーストにおける無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機バインダのなかでは、シリカゾルが望ましい。
シール材ペーストにおける有機バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。有機バインダのなかでは、カルボキシメチルセルロースが望ましい。
シール材ペーストにおける無機繊維としては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等のセラミックファイバー等を挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機繊維のなかでは、アルミナファイバが望ましい。
シール材ペーストにおける無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等を挙げることができ、具体的には、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素からなる無機粉末等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化ケイ素が望ましい。
さらに、シール材ペーストには、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等が挙げられる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
上記触媒担持層を形成する材料としては、比表面積が高く触媒を高分散させて担持させることのできる材料であることが望ましく、例えば、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ等の酸化物セラミックが挙げられる。
これらの材料は、単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
この中でも、250m/g以上の高い比表面積を有するものを選択することが望ましく、γ−アルミナが特に望ましい。
上記アルミナからなる触媒担持層を形成する方法は、第一の実施形態において説明した方法に特に限定されるものではなく、ハニカムフィルタをアルミニウムを含有する金属化合物の溶液、例えば、硝酸アルミニウムの水溶液などに含浸して、ゾル−ゲル法によりセル壁にアルミナ膜を被膜させ、ハニカムフィルタを乾燥、焼成する方法を用いてもよい。
上記触媒担持層の表面に担持させる触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属が望ましく、このなかでは、白金がより望ましい。また、その他の触媒として、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、バリウム等のアルカリ土類金属を用いることもできる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
Qを横軸、ΔP/Qを縦軸にプロットした結果の一例を示すグラフである。 本発明のハニカムフィルタの一例を模式的に示す斜視図である。 (a)は、本発明のハニカムフィルタを構成するハニカム焼成体の一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。 (a)〜(d)は、それぞれ所定の領域に触媒担持層が形成されたハニカム焼成体の一例を模式的に示す断面図である。 圧力損失測定装置の説明図である。 再生限界値を測定する際に使用する排ガス浄化装置の断面図である。 ハニカムフィルタの切断面におけるPMの厚み計測方法を模式的に示す拡大断面図である。 捕集効率測定装置の説明図である。 各実施例及び比較例におけるガス流入側とガス流出側のガス透過係数の差と再生限界値及びPM厚み差との関係を表す図である。 各実施例及び比較例における触媒担持層の形成範囲と再生限界値との関係を表す図である。
符号の説明
10 触媒担持層
21 ガス流入側端面
22 ガス流出側端面
100 ハニカムフィルタ
110 ハニカム焼成体
111 セル
112 封止材
113 セル壁
G 排ガス

Claims (1)

  1. 多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、前記セルのいずれか一方の端部が封止された柱状のハニカム焼成体からなり、一方の端面側から流入したガスが他方の端面側から流出するハニカムフィルタであって、
    前記ハニカムフィルタは、主成分が炭化ケイ素からなり、
    前記ハニカムフィルタには、そのガス流出側端面から前記ハニカムフィルタの全長の10%の領域には触媒担持層が形成されておらず、
    前記ハニカムフィルタのガス流入側端面から前記ハニカムフィルタの全長の90%の領域のうち、前記ハニカムフィルタの全長の25%〜90%の領域には触媒担持層が形成され、
    前記触媒担持層は、アルミナからなり、
    前記触媒担持層には白金触媒が担持されており、
    前記ハニカムフィルタの前記触媒担持層が形成されていない領域の熱伝導率は、前記ハニカムフィルタの前記触媒担持層が形成された領域の熱伝導率の1.3〜5.0倍であり、
    前記ハニカムフィルタの前記触媒担持層が形成されていない領域のセル壁のガス透過係数をk1(μm)とし、前記ハニカムフィルタの前記触媒担持層が形成された領域のセル壁のガス透過係数をk2(μm)としたときに、
    下記式(1)及び(2)を満たすことを特徴とするハニカムフィルタ。
    (k1−k2)≦0.5・・・(1)
    1.0≦k1≦1.5・・・(2)
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