JP6084500B2 - 排ガス浄化フィルタ及び排ガス浄化フィルタの製造方法 - Google Patents

排ガス浄化フィルタ及び排ガス浄化フィルタの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、排ガス浄化フィルタ及び排ガス浄化フィルタの製造方法に関する。圧力損失の増加が良好に抑制され、再生時における燃焼温度の最高値が低い排ガス浄化フィルタ及び排ガス浄化フィルタの製造方法に関する。
従来、排ガス中に含まれる粒子状物質の捕集効率の向上を目的として多孔質の隔壁上に多孔質の表面捕集層が形成されたハニカム構造体が知られている。この表面捕集層は、排ガス中の粒子状物質(以下、「PM」、「パティキュレート」ともいう)が隔壁内へ侵入することを防ぐ層であり、隔壁よりも小細孔のものである。
このような表面捕集層を有するハニカム構造体は、この表面捕集層上に触媒が担持され、排ガス浄化用のフィルタ(排ガス浄化フィルタ)として使用されている。この排ガス浄化フィルタとしては、例えば、表面捕集層を排ガス浄化フィルタの全長方向に一定の厚さで形成しているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、排ガス浄化フィルタとしては、排ガス浄化フィルタの排出端面に向かうに従って表面捕集層が厚くなるものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−167366号公報 国際公開第2011/125766号
しかしながら、特許文献1に記載の排ガス浄化フィルタは、圧力損失の増加が抑制されるなどの利点があるが、圧力損失の増加を抑制することに更なる改善の余地があった。特許文献2に記載の排ガス浄化フィルタは、圧力損失を十分に抑制できていなかった。
そのため、圧力損失の増加が更に抑制された排ガス浄化フィルタの開発が切望されていた。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものである。その課題とするところは、圧力損失の増加が良好に抑制され、再生時における燃焼温度の最高値(最高温度)が低い(即ち、スートマスリミットが高い)排ガス浄化フィルタ及びこの排ガス浄化フィルタの製造方法を提供する。
本発明によれば、以下に示す、排ガス浄化フィルタ及び排ガス浄化フィルタの製造方法が提供される。
[1] 一方の端面である流入端面から他方の端面である流出端面まで延びて排ガスの流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造部と、前記ハニカム構造部の所定の前記セルである入口セルの前記流出端面側の開口部と残余の前記セルである出口セルの前記流入端面側の開口部とに配設された目封止部と、前記ハニカム構造部の前記隔壁の、前記入口セル側の表面に配置された複数の細孔を有する表面捕集層と、前記表面捕集層の表面、前記表面捕集層に形成された前記細孔の内面、及び、前記隔壁の、前記出口セル側の表面からなる群より選択される少なくとも一の面に担持された排ガス浄化用の触媒と、を備え、前記ハニカム構造部の前記流出端面から、前記セルの延びる方向における前記流出端面からの距離が50mmの位置までの前記流出端面側の部分である触媒担持低減部と、前記触媒担持低減部以外の部分である前記流入端面側の部分である流入側部とを有し、前記触媒担持低減部における前記触媒の担持量が、前記流入側部における前記触媒の担持量より小であり、前記表面捕集層は、前記触媒担持低減部における厚さが前記流入側部における厚さより厚くなっており、前記触媒が、前記ハニカム構造部の前記隔壁の、前記出口セル側の表面のみに担持され、前記触媒担持低減部に前記触媒が担持されていない排ガス浄化フィルタ。
一方の端面である流入端面から他方の端面である流出端面まで延びて排ガスの流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造部と、前記ハニカム構造部の所定の前記セルである入口セルの前記流出端面側の開口部と残余の前記セルである出口セルの前記流入端面側の開口部とに配設された目封止部と、前記ハニカム構造部の前記隔壁の、前記入口セル側の表面に配置された複数の細孔を有する表面捕集層と、前記表面捕集層の表面、前記表面捕集層に形成された前記細孔の内面、及び、前記隔壁の、前記出口セル側の表面からなる群より選択される少なくとも一の面に担持された排ガス浄化用の触媒と、を備え、前記ハニカム構造部の前記流出端面から、前記セルの延びる方向における前記流出端面からの距離が50mmの位置までの前記流出端面側の部分である触媒担持低減部と、前記触媒担持低減部以外の部分である前記流入端面側の部分である流入側部とを有し、前記触媒担持低減部における前記触媒の担持量が、前記流入側部における前記触媒の担持量より小であり、前記表面捕集層は、前記触媒担持低減部における厚さが前記流入側部における厚さより厚くなっており、前記触媒が、前記ハニカム構造部の前記隔壁の、前記出口セル側の表面に担持されており、且つ、前記触媒が、前記表面捕集層の表面、及び前記表面捕集層に形成された前記細孔の内面に担持され、前記表面捕集層の表面、及び前記表面捕集層に形成された前記細孔の内面において前記触媒担持低減部に前記触媒が担持されていない排ガス浄化フィルタ。
] セラミック材料を含有する坏土をハニカム形状に成形し、焼成して、一方の端面である流入端面から他方の端面である流出端面まで延びて排ガスの流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造部を作製するハニカム構造部作製工程と、作製した前記ハニカム構造部の所定の前記セルである入口セルの前記流出端面側の開口部と残余の前記セルである出口セルの前記流入端面の開口部とに目封止用スラリーを充填し、乾燥させて、前記ハニカム構造部に目封止部が配設された目封止ハニカム構造部を作製する目封止ハニカム構造部作製工程と、前記目封止ハニカム構造部における前記ハニカム構造部の前記隔壁の前記入口セル側の表面に微細原料粒子を塗布し、焼成して、前記ハニカム構造部の前記隔壁の前記入口セル側の前記表面に複数の細孔を有する表面捕集層が形成された捕集層付きハニカム構造部を作製する捕集層付きハニカム構造部作製工程と、前記捕集層付きハニカム構造部における前記ハニカム構造部の前記出口セルの前記流出端面側の端部に筒状の筒状部材を配置して、筒状部材付きハニカム構造部を作製する筒状部材付きハニカム構造部作製工程と、前記筒状部材付きハニカム構造部における前記ハニカム構造部の少なくとも前記隔壁の前記出口セル側の表面に排ガス浄化用の触媒を含有する触媒用スラリーを塗工し、乾燥させて、少なくとも前記ハニカム構造部の前記隔壁の前記出口セル側の前記表面に前記触媒を担持させて、排ガス浄化フィルタを作製する排ガス浄化フィルタ作製工程と、を有し、前記筒状部材付きハニカム構造部作製工程において、前記筒状部材が、前記ハニカム構造部の前記出口セルの、前記セルの延びる方向に直交する断面における形状と同じ形状の外周面を有し、前記ハニカム構造部の前記出口セルと嵌り合うものである排ガス浄化フィルタの製造方法(第1の排ガス浄化フィルタの製造方法)。
] 前記筒状部材が、側壁に複数の貫通孔が形成され、一方の端部から他方の端部に向かうに従って前記側壁に形成される前記貫通孔の数が増加する貫通孔形成筒状部材であり、前記筒状部材付きハニカム構造部作製工程において、前記貫通孔形成筒状部材を、前記貫通孔形成筒状部材の前記貫通孔の数が少ない側の端部を前記ハニカム構造部の前記流出端面側に向けて配置する前記[]に記載の排ガス浄化フィルタの製造方法。
] セラミック材料を含有する坏土をハニカム形状に成形し、焼成して、一方の端面である流入端面から他方の端面である流出端面まで延びて排ガスの流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造部を作製するハニカム構造部作製工程と、作製した前記ハニカム構造部の所定の前記セルである入口セルの前記流出端面側の開口部と残余の前記セルである出口セルの前記流入端面の開口部とに目封止用スラリーを充填し、乾燥させて、前記ハニカム構造部に目封止部が配設された目封止ハニカム構造部を作製する目封止ハニカム構造部作製工程と、前記目封止ハニカム構造部における前記ハニカム構造部の前記隔壁の前記入口セル側の表面に微細原料粒子を塗布し、焼成して、前記ハニカム構造部の前記隔壁の前記入口セル側の前記表面に複数の細孔を有する表面捕集層が形成された捕集層付きハニカム構造部を作製する捕集層付きハニカム構造部作製工程と、前記捕集層付きハニカム構造部における前記ハニカム構造部の前記流出端面上にフィルムを配置し、前記フィルムを前記出口セル内の所定の位置まで押し込んだ後、前記所定の位置で前記フィルムの先端に孔を形成して、前記ハニカム構造部の前記隔壁の表面の一部が前記フィルムにより被覆されたフィルム付きハニカム構造部を作製するフィルム付きハニカム構造部作製工程と、前記フィルム付きハニカム構造部における前記ハニカム構造部の少なくとも前記隔壁の前記出口セル側の表面に排ガス浄化用の触媒を含有する触媒用スラリーを塗工し、乾燥させて、少なくとも前記ハニカム構造部の前記隔壁の前記出口セル側の前記表面に前記触媒を担持させて、排ガス浄化フィルタを作製する排ガス浄化フィルタ作製工程と、を有する排ガス浄化フィルタの製造方法(第2の排ガス浄化フィルタの製造方法)。
本発明の排ガス浄化フィルタは、触媒担持低減部における触媒の担持量が、流入側部における触媒の担持量より小である。排ガス浄化フィルタは、入口セルの流出端面側の端部における排ガスの流速が速いため、この部分における触媒の担持量が多いと、圧力損失が増大する原因となる。そこで、本発明の排ガス浄化フィルタによれば、上記のように、触媒担持低減部における触媒の担持量が、流入側部における触媒の担持量より小であるため、圧力損失の増加が良好に抑制される。また、本発明の排ガス浄化フィルタによれば、触媒担持低減部における触媒の担持量が、流入側部における触媒の担持量より小であるため、入口セルの流出端面側の端部に堆積する煤の量が低減される。そのため、本発明の排ガス浄化フィルタによれば、再生時における燃焼温度の最高値(最高温度)が低くなる。即ち、本発明の排ガス浄化フィルタは、スートマスリミットが高くなる。
第1の排ガス浄化フィルタの製造方法によれば、筒状部材付きハニカム構造部作製工程を有するため、本発明の排ガス浄化フィルタにおける一実施形態の排ガス浄化フィルタを簡易に製造することができる。
第2の排ガス浄化フィルタの製造方法によれば、フィルム付きハニカム構造部作製工程を有するため、本発明の排ガス浄化フィルタにおける一実施形態の排ガス浄化フィルタを簡易に製造することができる。
本発明の排ガス浄化フィルタの一の実施形態を模式的に示す断面図である。 図1に示す排ガス浄化フィルタの表面捕集層の厚さと触媒の担持量とを模式的に示す説明図である。 本発明の排ガス浄化フィルタの一の実施形態の製造方法における筒状部材付きハニカム構造部作製工程を説明する模式図である。 図3に示す排ガス浄化フィルタの流出端面を模式的に示す平面図である。 本発明の排ガス浄化フィルタの一の実施形態の製造方法に用いる筒状部材を模式的に示す斜視図である。 本発明の排ガス浄化フィルタの他の実施形態の製造方法に用いる筒状部材を模式的に示す側面図である。 本発明の排ガス浄化フィルタの更に他の実施形態の製造方法におけるフィルム付きハニカム構造部作製工程を説明する模式図である。 本発明の排ガス浄化フィルタを製造する方法においてチューブ状部材を配置した状態を模式的に示す断面図である。 図8に示すチューブ状部材を模式的に示す斜視図である。 本発明の排ガス浄化フィルタの更に他の実施形態を模式的に示す断面図である。 図10に示す排ガス浄化フィルタの製造方法を説明する模式図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
[1]排ガス浄化フィルタ:
本発明の排ガス浄化フィルタの一実施形態としては、図1に示す排ガス浄化フィルタ100を挙げることができる。排ガス浄化フィルタ100は、多孔質の隔壁15を有するハニカム構造部10と、このハニカム構造部10のセル2内に配設された目封止部12と、隔壁15の表面に形成された表面捕集層14と、ハニカム構造部10に担持された排ガス浄化用の触媒を含む触媒層16と、を備えている。ハニカム構造部10は、一方の端面である流入端面11aから他方の端面である流出端面11bまで延びて排ガスの流路となる複数のセル2を区画形成する隔壁15を有している。目封止部12は、ハニカム構造部10の所定のセル2である入口セル2aの流出端面11b側の開口部と残余のセル2である出口セル2bの流入端面11aの開口部とに配設されている。表面捕集層14は、ハニカム構造部10の隔壁15の、入口セル2a側の表面に配置され、複数の細孔を有している。触媒は、表面捕集層14の表面、表面捕集層14に形成された細孔の内面、及び、隔壁15の、出口セル2b側の表面からなる群より選択される少なくとも一の面に担持されている。更に、排ガス浄化フィルタ100は、ハニカム構造部10の流出端面11bから、セル2の延びる方向における流出端面11bからの距離が50mmの位置までの流出端面11b側の部分である触媒担持低減部21を有している。また、排ガス浄化フィルタ100は、触媒担持低減部21以外の部分である流入端面11a側の部分である流入側部22を有している。そして、排ガス浄化フィルタ100は、触媒担持低減部21における触媒の担持量が、流入側部22における触媒の担持量より小である。そして、表面捕集層は、前記触媒担持低減部における厚さが前記流入側部における厚さより厚くなっており、そして、排ガス浄化フィルタは、触媒が、ハニカム構造部の隔壁の、出口セル側の表面のみに担持され、触媒担持低減部に触媒が担持されていない。
このような排ガス浄化フィルタ100は、圧力損失の増加が良好に抑制され、再生時における燃焼温度の最高値(最高温度)が低いものである。具体的には、排ガス浄化フィルタ100のような排ガス浄化フィルタは、入口セル2aの流出端面11b側の端部における排ガスの流速が速いため、この部分における触媒の担持量が多いと、圧力損失が増大する原因となる。そこで、排ガス浄化フィルタ100は、上記のように、触媒担持低減部21における触媒の担持量が、流入側部22における触媒の担持量より小であるため、圧力損失の増加が良好に抑制される。また、排ガス浄化フィルタ100は、上記のように触媒担持低減部21における触媒の担持量が、流入側部22における触媒の担持量より小であるため、入口セル2aの流出端面11b側の端部に堆積する煤の量が低減される。そのため、排ガス浄化フィルタ100は、再生時における燃焼温度の最高値(最高温度)が低くなる。排ガス浄化フィルタ100は、スートマスリミットが高くなる。図1は、本発明の排ガス浄化フィルタの一の実施形態を模式的に示す断面図である。
排ガス浄化フィルタは、その製造工程において目封止部を配設した後に表面捕集層を形成する場合、流出端面側の端部における厚さがこの部分以外の部分よりも厚くなる傾向がある。即ち、上記の順で排ガス浄化フィルタを作製すると、通常、図1に示す排ガス浄化フィルタ100のように、表面捕集層14の触媒担持低減部21における厚さが流入側部22における厚さより厚くなる。このような排ガス浄化フィルタ100は、上述したように入口セル2aの流出端面11b側の端部における排ガスの流速が速いにもかかわらず、流出端面11b側の端部(触媒担持低減部21)における厚さがこの部分以外の部分よりも厚い。そのため、排ガス浄化フィルタ100のような排ガス浄化フィルタは、表面捕集層の厚さが流入端面側から流出端面側まで一定である排ガス浄化フィルタに比べて圧力損失が大きくなる。そこで、担持させる触媒の量が同じである場合には、触媒を、ハニカム構造部の隔壁の出口セル側の表面のみに担持されることが好ましい。このようにすることにより、排ガス浄化フィルは、圧力損失の増加が更に良好に抑制され、再生時における燃焼温度の最高値(最高温度)が更に低くなる。
本発明の排ガス浄化フィルタは、上述したように、触媒担持低減部における触媒の担持量が、流入側部における触媒の担持量より小であり、この場合、例えば触媒担持低減部に触媒が担持されていないようにすることができる。このように触媒担持低減部に触媒が担持されていないと、触媒担持低減部に触媒が担持されることに起因して生じる圧力損失の増大を防止することができる。即ち、本発明の排ガス浄化フィルタの圧力損失の増大を良好に防止することができる。
図1に示す排ガス浄化フィルタ100は、触媒が、ハニカム構造部10の隔壁15の出口セル2b側の表面のみに担持されており、触媒担持低減部21には触媒が担持されていないものである。図2は、図1に示す排ガス浄化フィルタ100の表面捕集層14の厚さと触媒の担持量とを模式的に示す説明図である。図2に示すように、図1に示す排ガス浄化フィルタ100は、触媒担持低減部21(目封止部12が配設されている部分を除く)における厚さがこの部分以外の部分(流入側部22)よりも厚く、触媒担持低減部21には触媒が担持されていない。このような排ガス浄化フィルタ100は、触媒担持低減部21における厚さがこの部分以外の部分よりも厚いが、触媒担持低減部21には触媒が担持されていないため、圧力損失の増大を防止することができる。
本発明の排ガス浄化フィルタは、触媒担持低減部における触媒の担持量が、ハニカム構造部の流出端面に近づくに従って段階的に減少するものであってもよい。このような排ガス浄化フィルタは、流出端面に近づくに従って段階的に減少するため、圧力損失の増大を良好に防止することができる。また、流出端面に近づくに従って触媒の担持量を段階的に減少させることは、入口セルを区画形成する隔壁の表面に触媒を担持する場合、以下のように簡易に触媒を担持させることができる。即ち、触媒の濃度が異なる触媒用スラリー中に数段階に分けて浸漬させ(図11参照)、その際の触媒用スラリーの高さ(液面)を調整するのみで所望の担持量で触媒を担持することができる。そのため、触媒を担持させる際に、筒状部材などによって隔壁の表面を覆う必要がなく簡易に作製することができる。「ハニカム構造部の流出端面に近づくに従って段階的に減少」させるとは、例えば、以下のように設定することができる。即ち、触媒担持低減部を、ハニカム構造部のセルの延びる方向に3等分して、ハニカム構造部の中央側から順に、A領域、B領域、C領域とする。このとき、A領域の担持量を、流入側部に担持された触媒量の80%とし、B領域の担持量を、A領域に担持された触媒量の80%とし、C領域の担持量を、B領域に担持された触媒量の80%とする。このようにして、ハニカム構造部の流出端面に近づくに従って段階的に触媒の担持量を減少させることができる。
また、上述したように、排ガス浄化フィルタは、その製造工程において目封止部を配設した後に表面捕集層を形成する場合、流出端面側の端部における厚さがこの部分以外の部分よりも厚くなる傾向がある。この場合、担持させる触媒の量が同じであるときには、上述したように、触媒を、ハニカム構造部の隔壁の出口セル側の表面のみに担持してもよいが、別の態様として、以下の態様とすることもできる。即ち、触媒を、表面捕集層の表面、表面捕集層の細孔の内面、及び、隔壁の出口セル側の表面のいずれにも担持させることができる。この場合、触媒は、ハニカム構造部の隔壁の出口セル側の表面の全面に担持され、且つ、表面捕集層の表面及び表面捕集層に形成された細孔の内面においては触媒担持低減部に触媒が担持されないことが好ましい。このようにすると、入口セルにおいても触媒による排ガスの浄化を行うことができるため、浄化効率が向上する。
[1−1]ハニカム構造部:
ハニカム構造部10の隔壁15の厚さは、100〜550μmであることが好ましく、150〜470μmであることが更に好ましく、250〜400μmであることが特に好ましい。上記隔壁の厚さが100μm未満であると、隔壁の強度が不足するとともに、排ガス中の粒子状物質の捕集効率が低下するおそれがある。一方、550μm超であると、圧力損失が増加するおそれがある。
ハニカム構造部10の隔壁15の気孔率は、30〜80%であることが好ましく、35〜75%であることが更に好ましく、37〜67%であることが特に好ましい。上記気孔率が30%未満であると、圧力損失が増加するおそれがある。一方、80%超であると、隔壁の強度が低下してしまうおそれがある。ここで、本明細書において「気孔率」は、水銀ポロシメータで測定した値である。
ハニカム構造部10の隔壁15の平均細孔径は、3〜30μmであることが好ましく、5〜25μmであることが更に好ましく、7〜23μmであることが特に好ましい。上記平均細孔径が3μm未満であると、圧力損失が増加するおそれがある。一方、30μm超であると、PMの捕集効率が低下するおそれがある。ここで、本明細書において「平均細孔径」は、水銀ポロシメータで測定した値である。
ハニカム構造部10のセル密度は、15〜65セル/cmであることが好ましく、20〜60セル/cmであることが更に好ましく、24〜55セル/cmであることが特に好ましい。上記セル密度が15セル/cm未満であると、PMの捕集効率が低下するおそれがある。一方、65セル/cm超であると、圧力損失が増加するおそれがある。
ハニカム構造部10の形状は、円柱状、楕円柱状、四角柱状、六角柱状などをとすることができる。これらの中でも、円柱状、四角柱状が好ましい。
ハニカム構造部10(排ガス浄化フィルタ100)のセルの延びる方向の長さは、50〜450mmとすることができる。また、排ガス浄化フィルタ100の端面が円形である場合、端面の直径は、70〜400mmとすることができる。
ハニカム構造部は、複数のハニカムセグメントからなる接合体であってもよい。即ち、ハニカム構造部は、複数のハニカムセグメントの集合体と、これらのハニカムセグメントを互いに接合する接合材からなる接合部とを備えるものであってもよい。
[1−2]目封止部:
目封止部12は、上述したように、ハニカム構造部10の所定のセル2である入口セル2aの流出端面11b側の開口部と残余のセル2である出口セル2bの流入端面11aの開口部とに配設されている。目封止部は、流入端面側及び流出端面側のいずれかの端部でセルを目封止するように形成されている限り、その配置状態は特に限定されるものではない。例えば、目封止部12は、図3に示すように、入口セルと出口セルとが交互に配置されるように配設されることが好ましい。
[1−3]表面捕集層:
表面捕集層は、排ガス中の粒子状物質を捕集し、粒子状物質が隔壁の細孔内部へ侵入することを阻止するための層である。隔壁の細孔内部に粒子状物質が浸入すると、細孔内に粒子状物質が堆積し、粒子状物質が堆積することに起因して圧力損失が生じる可能性がある。そのため、表面捕集層を備えることにより、圧力損失の上昇を抑制することができる。
表面捕集層の気孔率は、40〜95%であることが好ましく、45〜95%であることが更に好ましく、50〜95%であることが特に好ましい。上記気孔率が40%未満であると、PMが堆積していない状態における圧力損失が増大するおそれがある。一方、95%超であると、表面捕集層の強度が低下するため、排ガスの流れや熱サイクルにより表面捕集層が剥離するおそれがある。
表面捕集層の平均細孔径は、0.2〜10μmであることが好ましく、1〜8μmであることが更に好ましく、3〜5μmであることが特に好ましい。上記平均細孔径が0.2μm未満であると、PMが堆積していない状態における圧力損失が増大するおそれがある。一方、10μm超であると、捕集性能が低下するおそれがある。
表面捕集層は、ハニカム構造部の全部の入口セル内に形成されていてもよいし、ハニカム構造部の一部の入口セル内に形成されていてもよい。ハニカム構造部の一部の入口セル内にのみ表面捕集層を形成する場合、ハニカム構造部の中央部に位置する入口セル内に形成することが好ましい。例えば、ハニカム構造部が、複数のハニカムセグメントからなる接合体である場合、中央部に位置するハニカムセグメント(接合体の外周面を構成しないハニカムセグメント)の入口セルを区画形成する隔壁の表面に表面捕集層を形成することができる。ハニカム構造部の中央部に位置する入口セル内に表面捕集層を形成すると、排ガス浄化フィルタの再生時における最高温度を効果的に低くすることができる。即ち、排ガス浄化フィルタ(ハニカム構造部)の中央部には排ガスが多く供給されることから、この中央部に排ガス中の煤が溜まり易い。そのため、この中央部における温度が、再生時における最高温度となり易いが、上記構成であればこの中央部における圧力損失の増加を良好に抑制しているため、煤が溜まり難く、排ガス浄化フィルタの再生時における最高温度を効果的に低くすることができる。
[1−4]触媒:
触媒としては、例えば、三元触媒、NO吸蔵還元触媒、酸化触媒、金属置換ゼオライトを主成分とするNO選択還元触媒などを挙げることができる。
触媒の平均担持量は、5〜200g/Lであることが好ましく、10〜120g/Lであることが更に好ましく、20〜70g/Lであることが特に好ましい。上記触媒の平均担持量が5g/L未満であると、排ガス浄化フィルタにより排ガスを十分に浄化することができなくなるおそれがある。一方、200g/L超であると、圧力損失が増大するおそれがある。なお、「触媒の平均担持量」とは、排ガス浄化フィルタ全体における触媒の担持量であることを意味する。即ち、「触媒の平均担持量」は、「触媒担持低減部」または「流入側部」のみに着目したときの「触媒の担持量」を示すのではない。例えば、排ガス浄化フィルタにおいて、触媒を担持した後、セルの延びる方向に直交する方向に切断し、切断品を得る。その後、得られた切断品の質量を測定して、触媒を担持する前の質量との差から、各々の切断品における触媒の担持量を算出し、全部の切断品における触媒の担持量の平均値を「触媒の平均担持量」とする。なお、各切断品の触媒担持前の質量は、同一条件で排ガス浄化フィルタ用担体(触媒を担持する前の担体)を準備し、その後、触媒を担持しないで切断を行った後、各々の切断品の質量を測定して得られる値である。その際、排ガス浄化フィルタ用担体の両端部には目封止部が配設されているため、その他の部分よりも長さあたりの質量が目封止部の質量分だけ重くなっている。従って、上記両端部での触媒の担持前と触媒の担持後の質量を同じ部分かつ同じ「切断長さ」で切断する必要がある。「切断長さ」は、切断品におけるセルの延びる方向の長さのことである。
[2]第1の排ガス浄化フィルタの製造方法:
第1の排ガス浄化フィルタの製造方法は、セラミック材料を含有する坏土をハニカム形状に成形し、焼成して、ハニカム構造部を作製するハニカム構造部作製工程を有する。ハニカム構造部は、一方の端面である流入端面から他方の端面である流出端面まで延びて排ガスの流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するものである。第1の排ガス浄化フィルタの製造方法は、作製したハニカム構造部に目封止用スラリーを充填し、乾燥させて、ハニカム構造部に目封止部が配設された目封止ハニカム構造部を作製する目封止ハニカム構造部作製工程を有する。目封止用スラリーは、ハニカム構造部の所定のセルである入口セルの前記流出端面側の開口部と残余のセルである出口セルの流入端面の開口部とに充填する。第1の排ガス浄化フィルタの製造方法は、目封止ハニカム構造部におけるハニカム構造部の隔壁の入口セル側の表面に微細原料粒子を塗布し、焼成して、捕集層付きハニカム構造部を作製する捕集層付きハニカム構造部作製工程を有する。捕集層付きハニカム構造部は、ハニカム構造部の隔壁の入口セル側の表面に複数の細孔を有する表面捕集層が形成されたものである。第1の排ガス浄化フィルタの製造方法は、捕集層付きハニカム構造部におけるハニカム構造部の出口セルの流出端面側の端部に筒状の筒状部材を配置して、筒状部材付きハニカム構造部を作製する筒状部材付きハニカム構造部作製工程を有する。この筒状部材付きハニカム構造部作製工程において、筒状部材は、ハニカム構造部の出口セルの、セルの延びる方向に直交する断面における形状と同じ形状の外周面を有し、ハニカム構造部の出口セルと嵌り合うものである。第1の排ガス浄化フィルタの製造方法は、筒状部材付きハニカム構造部におけるハニカム構造部の少なくとも隔壁の出口セル側の表面に触媒用スラリーを塗工し、乾燥させて、排ガス浄化フィルタを作製する排ガス浄化フィルタ作製工程を有する。触媒用スラリーは、排ガス浄化用の触媒を含有するものである。排ガス浄化フィルタは、少なくともハニカム構造部の隔壁の出口セル側の表面に触媒を担持している。
この排ガス浄化フィルタの製造方法によれば、筒状部材付きハニカム構造部作製工程を有するため、上述した本発明の排ガス浄化フィルタにおける一実施形態(例えば図1に示す排ガス浄化フィルタ100)の排ガス浄化フィルタを簡易に製造することができる。
[2−1]ハニカム構造部作製工程:
セラミック材料としては、コージェライト、炭化珪素、再結晶SiC、ムライト、アルミナ、チタン酸アルミニウムなどを挙げることができる。
坏土は、押出成形法、射出成形法、プレス成形法等でハニカム形状に成形することができる。
[2−2]目封止ハニカム構造部作製工程:
ハニカム構造部に目封止用スラリーを充填するには、以下のように行うことができる。まず、ハニカム構造部の所定のセルの一方の端面(流入端面)の一部にマスクを施し、この端面側の端部を、目封止用スラリーが貯留された貯留容器中に浸漬して、マスクをしていないセルに目封止用スラリーを充填する。同様にして、ハニカム構造部の残余のセルの他方の端面(流出端面)の一部にマスクを施し、この端面側の端部を、上記目封止用スラリーが貯留された貯留容器中に浸漬して、マスクをしていないセルに目封止用スラリーを充填する。
目封止用スラリーは、隔壁(ハニカム構造部)を形成する坏土と同じ材料を用いてもよいし、異なる材料を用いてもよい。具体的には、上記セラミック材料、界面活性剤、及び水を混合し、必要に応じて焼結助剤、造孔材等を添加してスラリー状にしたものを用いることができる。
目封止用スラリーの乾燥は、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等で行うことができる。
目封止ハニカム構造部は、複数の目封止ハニカムセグメントからなる接合体であってもよい。具体的には、複数の目封止ハニカムセグメントと、これらの目封止ハニカムセグメントを互いに接合する接合材からなる接合部と、を備えるものであってもよい。接合材としては、従来公知のものを適宜採用することができる。
[2−3]捕集層付きハニカム構造部作製工程:
隔壁の入口セル側の表面に微細原料粒子を塗布する方法としては、以下の方法を挙げることができる。例えば、目封止ハニカム構造部の流入端面側から、表面捕集層を形成するための微細原料粒子を含む原料ガス(例えば、空気)を供給してハニカム構造部の入口セルを区画形成する隔壁の表面に上記微細原料粒子を堆積させる方法である。
[2−4]筒状部材付きハニカム構造部作製工程:
本工程に用いる筒状部材は、図5に示すように、四角柱状で筒状の筒状部材25を用いることができる。この筒状部材25は、図3,4に示すように、ハニカム構造部10の出口セル2bの、セル2の延びる方向に直交する断面における形状と同じ形状の外周面25aを有し、ハニカム構造部10の出口セル2bと嵌り合うもの(図5参照)である。図3は、本発明の排ガス浄化フィルタの一の実施形態の製造方法における筒状部材付きハニカム構造部作製工程を説明する模式図である。図4は、図3に示す排ガス浄化フィルタの流出端面を模式的に示す平面図である。図5は、本発明の排ガス浄化フィルタの一の実施形態の製造方法に用いる筒状部材を模式的に示す斜視図である。
このように筒状部材を用いると、筒状部材を配置した部分に触媒が担持されることを容易に防止することができる。
筒状部材25は、貫通孔25bの延びる方向の長さが50mmであるものを用いることが好ましい。貫通孔の延びる方向の長さを50mmとすることにより、1つの出口セルにおけるハニカム構造部の触媒担持低減部となる部分の隔壁表面の全部を覆うことができるため、この部分に触媒が担持されることを防止することができる。即ち、この筒状部材によれば、触媒担持低減部に触媒が担持されていない排ガス浄化フィルムを作製することができる。
筒状部材の開口面積は、出口セルの開口面積により適宜設定することができるが、0.16mm以上とすることができる。筒状部材の開口面積が、0.16mm未満であると、触媒用スラリーをセル内に充填することが困難になるおそれがある。
筒状部材の側壁の厚さは、適宜設定することができ、0.2mm以上とすることができる。0.2mm未満であると、筒状部材の側壁の厚さが薄くなりすぎるため筒状部材が潰れ易くなり、筒状部材を出口セル内に配置し難くなるおそれがある。
筒状部材の材質としては、例えば、金属、プラスチック(合成樹脂)、アルミナ、コージェライトなどを挙げることができる。
筒状部材は、図6に示すように、側壁27に複数の小貫通孔28が形成され、一方の端部26aから他方の端部26bに向かうに従って側壁27に形成される小貫通孔28の数が増加する貫通孔形成筒状部材26とすることもできる。この貫通孔形成筒状部材を用いることによって、触媒担持低減部における触媒の担持量がハニカム構造部の流出端面に近づくに従って段階的に減少される排ガス浄化フィルタを簡易に作製することができる。この貫通孔形成筒状部材を用いる場合、本工程において、貫通孔形成筒状部材を、貫通孔形成筒状部材の小貫通孔の数が少ない側の端部をハニカム構造部の流出端面側に向けて配置する。
貫通孔形成筒状部材は、「触媒担持低減部に相当する部分」には、「触媒担持低減部に相当する部分」以外の部分よりも広い間隔で小貫通孔が分布して形成されていることが好ましい。また、貫通孔形成筒状部材は、「触媒担持低減部に相当する部分」以外の部分の小貫通孔が、各側面に形成され且つ1つの側面に2〜6個形成されていることが好ましい。「広い間隔で小貫通孔が分布して形成」は、貫通孔形成筒状部材の一方の端部と他方の端部とを結ぶ方向において、「触媒担持低減部に相当する部分」に形成される小貫通孔の間隔よりも広い間隔で小貫通孔が分布して形成されていることを意味する。
なお、図3は、本工程において、筒状部材25を配置した筒状部材付きハニカム構造部60を、筒状部材25を配置した側の端部を上方に向け、筒状部材25を配置した端部とは反対の端部側には蓋となる板状部材50を配置した状態を示している。
[2−5]排ガス浄化フィルタ作製工程:
本工程において、触媒用スラリーは、排ガス浄化用の触媒を含有するものである。触媒としては、例えば、三元触媒、NO吸蔵還元触媒、酸化触媒、金属置換ゼオライトを主成分とするNO選択還元触媒などを挙げることができる。触媒用スラリーは、触媒以外に、貴金属、触媒助剤、貴金属保持材料などを含有していてもよい。貴金属としては、例えば、白金、ロジウム、パラジウムなどを挙げることができる。触媒助剤としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、セリアなどを挙げることができる。
触媒用スラリーを塗布する方法は、従来公知の方法を採用することができる。例えば、セル内に触媒用スラリーを充填して触媒用スラリーコート層を形成する方法を挙げることができる。
触媒用スラリー(触媒用スラリーコート層)は、100〜200℃、1〜5時間の条件で乾燥させ、その後、400〜600℃、1〜5時間の条件で焼成することができる。
[3]第2の排ガス浄化フィルタの製造方法:
第2の排ガス浄化フィルタの製造方法は、筒状部材付きハニカム構造部作製工程に代えてフィルム付きハニカム構造部作製工程を有すること以外は上述した第1の排ガス浄化フィルタの製造方法と同様の方法で製造する方法である。即ち、ハニカム構造部作製工程、目封止ハニカム構造部作製工程、捕集層付きハニカム構造部作製工程、及び、排ガス浄化フィルタ作製工程は、上述した第1の排ガス浄化フィルタの製造方法の各工程と同様の処理をすることができる。
このような第2の排ガス浄化フィルタの製造方法は、フィルム付きハニカム構造部作製工程を有するため、上述した本発明の排ガス浄化フィルタにおける一実施形態の排ガス浄化フィルタを簡易に製造することができる。
以下に「フィルム付きハニカム構造部作製工程」について説明する。
フィルム付きハニカム構造部作製工程では、まず、捕集層付きハニカム構造部作製工程で作製した捕集層付きハニカム構造部におけるハニカム構造部の流出端面上にフィルムを配置する。「フィルム」としては、厚さが5〜30μmのものを用いることができる。「フィルム」の材質は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンなどの合成樹脂からなるものを挙げることができる。「フィルム」は、出口セル内に押し込んだ際に伸長するものであることが好ましい。具体的には、「フィルム」の物性は、例えば破断伸び率が100〜2000%であることが好ましい。
次に、このフィルム30を出口セル2b内の所定の位置まで押し込んだ後、「所定の位置」でフィルム30の先端に孔31を形成する(図7参照)。このようにして、ハニカム構造部の隔壁の表面の一部がフィルムにより被覆された「フィルム付きハニカム構造部」を作製する。なお、「所定の位置」とは、捕集層付きハニカム構造部(ハニカム構造部)のセルの延びる方向におけるハニカム構造部の流出端面からの距離が50mmの位置のことである。フィルムをセル内に押し込む手段としては、フィルムをセル内に押し込むことが可能なものであれば特に制限はなく、例えば、棒状の部材を挙げることができる。具体的には、針金、釘、ドライバーなどを挙げることができる。図7は、本発明の排ガス浄化フィルタの更に他の実施形態の製造方法におけるフィルム付きハニカム構造部作製工程を説明する模式図である。
フィルムの先端に孔を形成する方法としては、針金などを用いて出口セル内の所定の位置までフィルムを押し込んだ後、このフィルムの移動を規制しつつ上記針金などを更にセル内に押し込むことによりフィルムの先端を破断させる方法を挙げることができる。
[4]その他の排ガス浄化フィルタの製造方法:
上述した第1及び第2の排ガス浄化フィルタの製造方法以外の製造方法としては、以下の方法A〜Eなどを挙げることができる。
[4−1]方法A:
方法Aとしては、第1の排ガス浄化フィルタの製造方法における筒状部材付きハニカム構造部作製工程において、図8に示すように、筒状部材に代えて図9に示すチューブ状部材33を用いる方法を挙げることができる。チューブ状部材33は、出口セル2bと嵌り合うものであり、流出端面11bから目封止部12までの長さと同じ長さのものを用いることが好ましい。チューブ状部材33は、側壁33aに複数の小貫通孔33bが形成されている。これらの小貫通孔33bが形成されることにより、触媒用スラリーをチューブ状部材33内に注入すると、小貫通孔33bを通って触媒用スラリーがチューブ状部材33から排出される。小貫通孔33bの形成位置や数は、適宜設定することができるが、「触媒担持低減部21に相当する部分」には小貫通孔33bを形成しないか、または触媒スラリーの流入側の端面33cに近づくに従って小貫通孔33bの数を減少させることができる。
チューブ状部材は、「触媒担持低減部に相当する部分」には、「触媒担持低減部に相当する部分」以外の部分よりも広い間隔で小貫通孔が分布して形成されていることが好ましい。また、チューブ状部材は、「触媒担持低減部に相当する部分」以外の部分の小貫通孔が所定の割合で形成されていることが好ましい。即ち、チューブ状部材を、このチューブ状部材の延びる方向に等間隔で6個の領域に分割したとき、1つの領域には、周方向に等間隔で4〜8個の小貫通孔が形成されていることが好ましい。「広い間隔で小貫通孔が分布して形成」は、チューブ状部材の一方の端面と他方の端面とを結ぶ方向において広い間隔で小貫通孔が分布して形成することを意味する。
チューブ状部材の開口面積は、出口セルの開口面積により適宜設定することができるが、0.16mm以上とすることができる。チューブ状部材の開口面積が、0.16mm未満であると、触媒用スラリーをセル内に充填することが困難になるおそれがある。
チューブ状部材の壁の厚さは、適宜設定することができ、0.2mm以上とすることができる。0.2mm未満であると、チューブ状部材の壁の厚さが薄くなりすぎるためチューブ状部材が潰れ易くなり、チューブ状部材を出口セル内に配置し難くなるおそれがある。
チューブ状部材の材質としては、例えば、金属、プラスチック(合成樹脂)、アルミナ、コージェライトなどを挙げることができる。図8は、本発明の排ガス浄化フィルタを製造する方法においてチューブ状部材を配置した状態を模式的に示す断面図である。図9は、図8に示すチューブ状部材を模式的に示す斜視図である。
このように筒状部材に代えてチューブ状部材を用いると、流入端面から流出端面までの領域に担持させる触媒の担持量の調整を容易に行うことができる。そのため、例えば、流入端面から流出断面までを複数の領域に分割したとき、流入端面から流出断面までの各領域における触媒の担持量が段階的となるように調整することができる。
ここで、筒状部材は、上述したように、ハニカム構造部の出口セルの、セルの延びる方向に直交する断面における形状と同じ形状の外周面を有し、ハニカム構造部の出口セルと嵌り合うものである。そのため、筒状部材によれば、出口セルを区画形成する各隔壁の表面を完全に覆うことができるので、「触媒担持低減部」に触媒を担持させないこととする場合に好適に用いることができる。また、筒状部材に小貫通孔が形成している場合に、精度良く所望の量の触媒を担持させることができる。即ち、筒状部材が隔壁の表面を完全に覆わない状態であると、筒状部材と隔壁との間に隙間が生じてしまい、触媒の担持量を精度良く調節することが難しくなることがある。一方、チューブ状部材は、上記筒状部材のようにハニカム構造部の出口セルと嵌り合うものではないため、出口セルを区画形成する各隔壁の表面を完全には覆うことがない。即ち、チューブ状部材は、側壁の所定の箇所に複数の小貫通孔が形成された円筒状のものであることが好ましい。そして、出口セル内に挿入した際、セルの延びる方向に直交する断面において、チューブ状部材の外周面で描かれる図形(小貫通孔は無いものと仮定する)は出口セルの内接円となることが好ましい。このようなチューブ状部材を用いると、チューブ状部材を出口セル内に挿入する際に、チューブ状部材と出口セルを区画形成する隔壁との間で生じる摩擦力が小さく、チューブ状部材を出口セル内の全部に容易に挿入して配置することができる(図8参照)。
図8は、本発明の排ガス浄化フィルタを製造する方法においてチューブ状部材を配置した状態を模式的に示す断面図である。図9は、図8に示すチューブ状部材を模式的に示す斜視図である。
[4−2]方法B:
方法Bとしては、「筒状部材を配置すること」に代えて「クリームを塗布したこと」以外は上述した第1の排ガス浄化フィルタの製造方法と同様の方法で製造することができる。即ち、まず、第1の排ガス浄化フィルタの製造方法と同様にして、捕集層付きハニカム構造部を作製する。次に、作製した捕集層付きハニカム構造部の出口セルの流出端面側の端部の隔壁表面にクリームを塗布する。次に、「クリームを塗布した捕集層付きハニカム構造部」を、この排ガス浄化フィルタの流出端面となる端面が上方となるように配置する。次に、「クリームを塗布した捕集層付きハニカム構造部」の出口セル内に排ガス浄化用の触媒を含有する触媒用スラリーを排ガス浄化フィルタの流出端面となる端面まで充填し、触媒用スラリーコート層を形成した後、乾燥させる。このとき、塗布したクリームによって、クリームが塗布された隔壁の表面には上記触媒用スラリーが塗布されないことになる。そのため、得られる排ガス浄化フィルタについて触媒担持低減部における触媒の担持量を低減させることができる。なお、塗布したクリームは、触媒用スラリーコート層を形成した後の乾燥処理により除去されるものであることが好ましい。
クリームとしては、市販の「白色ワセリン」(日本薬局方)などを用いることができる。
出口セルの流出端面側の端部の隔壁表面にクリームを塗布する方法としては、例えば、以下のような方法を採用することができる。まず、捕集層付きハニカム構造部の出口セルの流出端面に、ハケ、筆、爪楊枝、フォームなどを用いてクリームを塗る。その後、上記流出端面から2〜30cm離れた位置から、ヘアドライヤー等で40〜100℃程度の温風を上記流出端面に当てる。このようにすることで、出口セル内にクリームを侵入させ、出口セルの所望の位置までクリームを到達させることができる。また、別の方法としては、まず、上記流出端面にクリームを塗った捕集層付きハニカム構造部を、上記流出端面を下方に向けた状態で、熱した板(例えば、ホットプレート、お好み焼き用の鉄板)の上に置く。その後、捕集層付きハニカム構造部を、その流出端部(捕集層付きハニカム構造部の流出端面側の端部)が40〜100℃程度となるように熱する。このようにすることでも、出口セル内の所望の位置までクリームを到達させることができ、流出端部の隔壁の表面にクリームを塗布することができる。なお、処理時間(温風を当てる時間、熱した板に置いている時間)は、適宜決定すればよいが、1〜30分程度が好ましい。1つの出口セルに塗布するクリームの量は、例えば、2〜30gとすることができる。
クリームを塗布する方法(方法B)によれば、筒状部材のような部品を作製する手間が掛からないため、より簡易に排ガス浄化フィルタを作製することができる。
[4−3]方法C:
方法Cとしては、「筒状部材を配置すること」に代えて「ロウを塗布したこと」以外は上述した第1の排ガス浄化フィルタの製造方法と同様の方法で製造することができる。即ち、まず、第1の排ガス浄化フィルタの製造方法と同様にして、捕集層付きハニカム構造部を作製する。次に、作製した捕集層付きハニカム構造部の流出端面が下方に位置するように配置する。その後、捕集層付きハニカム構造部の下に火のついた蝋燭を配置し、10〜100分間、放置する。このようにして、捕集層付きハニカム構造部の出口セルの流出端面側の端部の隔壁表面にロウを付着させる。このロウは、捕集層付きハニカム構造部の流出端面側の方が捕集層付きハニカム構造部の内側に比べて高密度に付着することになる。即ち、このロウは、捕集層付きハニカム構造部の流出端面から捕集層付きハニカム構造部の内側(中央部)に向かうに従って付着量が減少し、捕集層付きハニカム構造部の内側(中央部)に向かうに従ってロウが付着していない部分の割合が大きくなる。
次に、「ロウが付着した捕集層付きハニカム構造部」を、この排ガス浄化フィルタの流出端面となる端面が上方となるように配置する。次に、「ロウが付着した捕集層付きハニカム構造部」の出口セル内に排ガス浄化用の触媒を含有する触媒用スラリーを排ガス浄化フィルタの流出端面となる端面まで充填し、触媒用スラリーコート層を形成した後、乾燥させる。このとき、付着したロウによって、ロウが付着した隔壁の表面には上記触媒用スラリーが塗布されないことになる。そのため、得られる排ガス浄化フィルタについて触媒担持低減部における触媒の担持量を低減させることができる。なお、付着したロウは、触媒用スラリーコート層を形成した後の乾燥処理により除去される。
ロウを付着させる方法(方法C)によれば、筒状部材のような部品を作製する手間が掛からないため、より簡易に排ガス浄化フィルタを作製することができる。
[4−4]方法D:
方法Dとしては、筒状部材付きハニカム構造部作製工程を採用しないこと以外は上述した第1の排ガス浄化フィルタの製造方法と同様の方法で製造することができる。即ち、まず、第1の排ガス浄化フィルタの製造方法と同様にして、捕集層付きハニカム構造部を作製する。次に、捕集層付きハニカム構造部を、排ガス浄化フィルタの流出端面となる端面が上方となるように配置する。次に、捕集層付きハニカム構造部の出口セル内に排ガス浄化用の触媒を含有する触媒用スラリーを充填し、触媒用スラリーコート層を形成する。この触媒用スラリーは、排ガス浄化フィルタの流出端面となる端面まで充填する。次に、「触媒用スラリーコート層を形成した捕集層付きハニカム構造部」の出口セルの開口部に向かって圧縮空気を吹き付ける。その後、この「触媒用スラリーコート層を形成した捕集層付きハニカム構造部」の流出端部の隔壁表面に付着した触媒用スラリーを吹き飛ばし、乾燥させる。このようにして触媒担持低減部における触媒の担持量を低減させた排ガス浄化フィルタを作製することができる。
圧縮空気を吹き付ける条件は、適宜設定することができる。例えば、20〜150℃の空気を、「触媒用スラリーを塗工した捕集層付きハニカム構造部」の流出端面から10〜100mm離間させた噴射ノズルにより噴射させる条件とすることができる。圧縮空気の噴射時間は、5〜300秒とすることができる。
このような圧縮空気を吹き付ける方法(方法D)によれば、筒状部材のような部品を作製する手間が掛からないため、より簡易に排ガス浄化フィルタを作製することができる。
[4−5]方法E:
方法Eとしては、図10に示す排ガス浄化フィルタ200を製造する方法を挙げることができる。図10に示す排ガス浄化フィルタ200は、触媒を含む触媒層16が、表面捕集層14の表面及び表面捕集層14に形成された細孔の内面のみに担持されていること以外は、排ガス浄化フィルタ100と同様の構成を有している。図10は、本発明の排ガス浄化フィルタの更に他の実施形態を模式的に示す断面図である。
図10に示す排ガス浄化フィルタ200は、筒状部材付きハニカム構造部作製工程及び排ガス浄化フィルタ作製工程(触媒を担持させる工程)以外は上述した第1の排ガス浄化フィルタの製造方法と同様の方法で製造することができる。即ち、まず、第1の排ガス浄化フィルタの製造方法と同様にして、捕集層付きハニカム構造部を作製する。次に、作製した「捕集層付きハニカム構造部」におけるハニカム構造部の隔壁の入口セル側の表面に排ガス浄化用の触媒を担持させる。「捕集層付きハニカム構造部におけるハニカム構造部の隔壁の入口セル側の表面に排ガス浄化用の触媒を担持させる」方法は、以下の方法が挙げられる。まず、図11に示すように、捕集層付きハニカム構造部40の一方の端面41(流入端面11aとなる端面)側から「流入側部に相当する位置」まで排ガス浄化用の触媒を含有する触媒用スラリー45に浸漬させる。このようにして「捕集層付きハニカム構造部」におけるハニカム構造部の隔壁の入口セル側の表面に上記触媒用スラリーを塗工し、その後、乾燥させる。「流入側部に相当する位置」とは、セルの延びる方向における流出端面(流出端面11bとなる端面)からの距離が50mmの位置のことである。図11は、図10に示す排ガス浄化フィルタの製造方法を説明する模式図である。
上記の方法(方法E)によれば、図10に示す排ガス浄化フィルタ200を簡易に製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[表面捕集層の厚さ]
排ガス浄化フィルタをセルの延びる方向に平行に切断して得られる切断面における表面捕集層の厚さ(μm)を、マイクロスコープ(ニコン(NIKON)社製の「NEXIVVMR−1515」)を用いて測定する。測定倍率は100倍とする。
[触媒担持量]
排ガス浄化フィルタについて、触媒を担持させる前の質量を測定した上で、この排ガス浄化フィルタに触媒を担持させる。その後、排ガス浄化フィルタを、セルの延びる方向に直交する方向に所定の位置で切断して切断品を得る。その後、各々切断品の質量の測定を行い、触媒を担持させる前の排ガス浄化フィルタにおける切断品に相当する質量との質量差を算出することにより、排ガス浄化フィルタの排出端面からの各位置における触媒の担持量を測定する。なお、触媒担持前の質量は、同一条件で触媒を担持しない排ガス浄化フィルタ用担体を、触媒担持前の質量の測定用に予め1個準備し、この担体について、触媒を担持したものと同一長さ及び同一数に切断し、これらの切断品の質量を測定して得た。
(実施例1)
セラミックス原料として、SiC粉、金属Si粉を80:20の質量割合で混合し、これに、成形助材としてメチルセルロース及びヒドロキシプロポキシメチルセルロース、造孔材として澱粉と吸水性樹脂、界面活性剤及び水を添加して混練した。その後、真空土練機により坏土を作製した。
得られた坏土を押出成形機を用いて、一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁と最外周に位置する外周壁とを有するハニカム成形体を成形した。得られたハニカム成形体を、熱風乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥し、その後、両端部を切断して所定の長さとした。
その後、酸化雰囲気下にて420℃で5時間かけて脱脂した。その後、不活性雰囲気下(具体的には、アルゴンガスの雰囲気下)にて1430℃で2時間焼成して、SiC結晶粒子がSiで結合された多孔質のハニカム焼成体(ハニカム構造部)を作製した(ハニカム構造部作製工程)。このハニカム焼成体の平均細孔径は14μmであり、気孔率は41%であった。なお、平均細孔径及び気孔率は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
作製したハニカム焼成体の所定のセルである入口セルの流出端面側の開口部と残余のセルである出口セルの流入端面の開口部とに目封止用スラリーを充填した。その後、目封止用スラリーを充填したハニカム焼成体を乾燥させ、その後、上記焼成条件と同じ条件で焼成した。このようにして、ハニカム構造部に目封止部が配設された目封止ハニカム構造部(ハニカムセグメント)を作製した(目封止ハニカム構造部作製工程)。このようなハニカムセグメントを複数(16個)作製した。ハニカムセグメントは、底面が一辺36mmの正方形であり、セルの延びる方向における長さが180mmであった。ハニカムセグメントは、隔壁の厚さが0.38mmであった。
作製したハニカムセグメントを、縦4個×横4個の並びになるようにして組み合わせるとともに、各ハニカムセグメントを互いに接合材で接合して四角柱状の接合体(ハニカム接合体)を得た。なお、接合材としては、10質量%の水、45質量%の炭化珪素、45質量%のコロイダルシリカからなるものを用いた。接合材の厚さは、1mmであった。
その後、ハニカム接合体の外周部を切削し、外周面に外周コート材を塗布して乾燥させて円柱状のハニカム接合体を得た。
次に、得られたハニカム接合体におけるハニカム構造部の隔壁の入口セル側の表面に表面捕集層を形成した。具体的には、まず、表面捕集層を形成するための微細原料粒子として、SiCからなるものを準備した。次に、この微細原料粒子を、流動層中で空気中に浮遊した状態にさせた。その後、この浮遊状態の微細原料粒子を含む空気を、ハニカム接合体の一方の端面(流入端面となる側の端面)側から毎分400リットル/分の吸引流量の条件でセル中に供給した。このようにして、浮遊状態の微細原料粒子を隔壁の入口セル側の表面に堆積させて(塗布して)、この表面に微細原料粒子からなる層(表面層)を形成した。表面層を形成した(堆積させた)微細原料粒子の重さ(製膜量)は、ハニカム接合体の体積1リットル当たり5.5gであった。そして、表面層を形成した後、ハニカム接合体を1300℃で2時間熱処理(焼成)することにより、微細原料粒子を融着させて固定して、複数の細孔を有する表面捕集層を形成した。このようにして、ハニカム構造部の隔壁の入口セル側の表面に複数の細孔を有する表面捕集層が形成された捕集層付きハニカム構造部を作製した(捕集層付きハニカム構造部作製工程)。
次に、この捕集層付きハニカム構造部の出口セル(表面捕集層が形成されていないセル)の流出端面(上記「浮遊状態の微細原料粒子を含む空気」を供給した側とは反対の端面)側の端部に筒状の筒状部材を配置した(筒状部材付きハニカム構造部作製工程)。このようにして、筒状部材付きハニカム構造部を作製した。筒状部材としては、捕集層付きハニカム構造部(ハニカム構造部)の出口セルの、セルの延びる方向に直交する断面における形状と同じ形状の外周面を有し、捕集層付きハニカム構造部の出口セルと嵌り合うものを用いた(図3〜図5参照)。
次に、捕集層付きハニカム構造部に触媒を担持させて排ガス浄化フィルタを作製した。具体的には、まず、貴金属として白金を含有し、活性アルミナ及び酸素吸蔵剤としてセリアを更に含有する触媒スラリーを調製した。なお、白金、活性アルミナ及びセリアの質量比は、白金:活性アルミナ:セリア=1:80:20とした。次に、筒状部材付きハニカム構造部(ハニカム構造部)の隔壁の出口セル側の表面に上記触媒スラリーを塗布して触媒コート層を形成した。具体的には、筒状部材付きハニカム構造部の流出端面を上方に向けて配置し、この状態で、筒状部材付きハニカム構造部の出口セル内に上記触媒スラリーを充填した。このとき、捕集層付きハニカム構造部の出口セルの流出端面側の端部には、筒状部材が配置されているため、この筒状部材によって覆われている部分の隔壁表面には触媒が塗布されないことになる。触媒コート層を形成した後、上記筒状部材を取り除き、120℃、2時間で乾燥させ、その後、550℃、1時間で焼成することにより、排ガス浄化フィルタを作製した。なお、排ガス浄化フィルタの体積1リットルあたりの白金の量は0.05gであった。
得られた排ガス浄化フィルタは、セルの延びる方向における長さが180mmの円柱状であり、両端面の直径はそれぞれ143.8mmであった。
得られた排ガス浄化フィルタについて、以下の方法で、「PM圧力損失」、「比較例1または7との圧力損失比率」、及び「スートマスリミット」の各評価を行った。結果を表3,6に示す。
[PM圧力損失]
排ガス浄化フィルタに、2.27Nm/分の流量で200℃の空気を流し、排ガス浄化フィルタの流入端部と流出端部とにおける空気の圧力を測定する。流入端部の圧力から流出端部の圧力を差し引いた値をPM圧力損失とした。結果を表3,6に示す。
[比較例1または7との圧力損失比率]
上記[PM圧力損失]の評価後、比較例1または7におけるPM圧力損失に対する割合(%)を算出した。実施例1,8,11,12、参考例2〜7,9,10、比較例2〜6においては、比較例1におけるPM圧力損失に対する割合(%)であり、実施例13、参考例14,15、比較例8,9においては、比較例7におけるPM圧力損失に対する割合(%)である。
「比較例1または7におけるPM圧力損失に対する割合」が70%以下のときを「良好(OK)」とする。「比較例1または7におけるPM圧力損失に対する割合」が70%を超えるときを「不合格(NG)」とする。結果を表3,6に示す。
[スートマスリミット]
排ガス浄化フィルタに煤(スート)を堆積させて再生(煤の燃焼)する操作を、煤の堆積量を増加させながら繰り返し行い、クラックが発生する煤量を確認する。具体的には、まず、排ガス浄化フィルタの外周に、把持材としてセラミック製の非熱膨張性マットを巻き、ステンレス鋼(SUS409)製のキャニング用缶体に押し込んで、キャニング構造体とする。その後、ディーゼル燃料(軽油)を燃焼させることにより発生させた煤を含む燃焼ガスを、排ガス浄化フィルタの流入端面から入口セル内に流入させ、流出端面から流出させることによって、煤を排ガス浄化フィルタ内に堆積させる。そして、一旦、25℃まで冷却する。その後、排ガス浄化フィルタの流入端面から680℃の高温ガスを流入させて排ガス浄化フィルタ内の煤を燃焼させる。そして、煤が燃焼することにより排ガス浄化フィルタの圧力損失が低下したときに上記高温ガスの流量を減少させることによって、煤を急燃焼させる。その後、排ガス浄化フィルタにおけるクラックの発生の有無を確認する。
このスートマスリミットの評価は、煤の堆積量が排ガス浄化フィルタの容積1リットル当り4g(4g/L)から始め、クラックの発生が認められるまで、0.5(g/L)ずつ増加して、繰り返し行う。クラック発生時の煤量(g/L)を、スートマスリミット(SML)とする。なお、このスートマスリミットの評価においては、排ガス浄化フィルタを2個作製し、これら2個の測定結果の平均値を、SMLの値とした。
スートマスリミットの評価は、以下の基準で行った。スートマスリミット(クラック発生時の煤量)が11.5g/Lを超える場合は「良好(A)」とした。スートマスリミット(クラック発生時の煤量)が10.5〜11.5g/Lである場合は「可(B)」とした。スートマスリミット(クラック発生時の煤量)が10.5g/L未満である場合は「不可(C)」とした。
なお、表1,4中、「表面捕集層の形成部分(セグメント)」の欄は、表面捕集層を有するハニカムセグメントについて示している。「表面捕集層の形成部分(セグメント)」の欄中、「全セグメント」は、全てのハニカムセグメントが表面捕集層を備えていることを示す。「中央4セグメント」は、縦4個×横4個となるように配置された16個のハニカムセグメントのうち、内側に位置する4つのハニカムセグメントのことを示す。即ち、16個のハニカムセグメントからなるセグメント集合体の外周面を構成する12個のハニカムセグメント以外の4個のハニカムセグメントのことを示す。つまり、「中央4セグメント」は、これら4個のハニカムセグメントには、表面捕集層が形成されており、その他のハニカムセグメントには表面捕集層が形成されていないことを意味する。「1セグメントのみ」は、縦4個×横4個となるように配置された16個のハニカムセグメントのうち、内側に位置する4つのハニカムセグメントのうちの任意の1つのハニカムセグメントのみに表面捕集層が形成されていることを示す。「製膜量」の欄は、1つのハニカムセグメントに形成された表面捕集層の、ハニカムセグメント1リットル当たりのグラム数を示す。「表面捕集層厚さ(μm)」の欄は、排ガス浄化フィルタの流出端面からの各距離(表1においては、20mm、35mm、50mm、70mm、100mm、160mm)における表面捕集層の厚さ(μm)を示す。「表面捕集層平均厚さ(μm)」の欄については、「0−50mm」は、触媒担持低減部における表面捕集層の平均厚さ(μm)を示している。また、「50mm<」は、触媒担持低減部以外の部分である流入側部における表面捕集層の平均厚さ(μm)を示している。
表2,5中、「触媒担持位置」の欄における「出口側隔壁のみ」は、隔壁の出口セル側の表面のみに触媒を担持させたことを示す。「入口側隔壁のみ」は、隔壁の入口セル側の表面(即ち、表面捕集層の表面、表面捕集層に形成された細孔の内面、またはこれらの両方)のみに触媒を担持させたことを示す。「入口側隔壁」は、隔壁の入口セル側の表面(即ち、表面捕集層の表面、表面捕集層に形成された細孔の内面、またはこれらの両方)に触媒を担持させていることを示す。「出口側隔壁」は、隔壁の出口セル側の表面に触媒を担持させていることを示す。「出口側隔壁のみ(表面捕集層セグメントのみ)」は、表面捕集層が形成されたハニカムセグメントのみに触媒を担持させ、且つ、このハニカムセグメントにおける隔壁の出口セル側の表面のみに触媒を担持させたことを示す。
表2,5中、「触媒低減方法」の欄における「筒状部材」は、筒状部材付きハニカム構造部作製工程において図5に示すような筒状部材を用いたことを示す。「貫通孔形成筒状部材」は、筒状部材付きハニカム構造部作製工程において、側面に複数の貫通孔が形成された筒状部材(貫通孔形成筒状部材)(図6参照)を用いたことを示す。「チューブ」は、触媒を担持させる際にチューブ状部材を用いたこと示す。「フィルム」は、触媒を担持させる際にフィルムを用いたこと示す。「浸漬」は、図11に示すように触媒用スラリー内に排ガス浄化用フィルタを浸漬させて、入口セルを区画形成する隔壁の表面に触媒を担持させたことを示す。
「触媒の担持量(g/L)」の欄は、排ガス浄化フィルタの流出端面からの各距離(表2においては、20mm、35mm、50mm、70mm、100mm、160mm)における触媒の担持量(g/L)を示す。「触媒の平均担持量(g/L)」の欄については、「0−50mm」は、「触媒担持低減部」における触媒の平均担持量(g/L)を示している。また、「50mm<」は、「触媒担持低減部以外の部分である流入側部」における触媒の平均担持量(g/L)を示している。
Figure 0006084500
Figure 0006084500
Figure 0006084500
参考例2)
筒状部材に代えて貫通孔形成筒状部材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして排ガス浄化フィルタを作製した。貫通孔形成筒状部材は、具体的には、貫通孔の延びる方向の長さが50mmであり、四角柱状で筒状のものを用いた。この貫通孔形成筒状部材は、「触媒担持低減部に相当する部分」には「触媒スラリーの流入側の端面」に近づくに従って小貫通孔の数が減少されて形成されていた。また、これ以外の部分(均等部分)には、貫通孔形成筒状部材の全長方向において均等な間隔で小貫通孔が形成されていた。具体的には、「触媒担持低減部に相当する部分」には、各側面の全部に小貫通孔が形成され且つ1つの側面には1つの小貫通孔が形成されていた。均等部分には、以下のように小貫通孔が形成されていた。均等部分を、貫通孔形成筒状部材の全長方向に4等分したとき、「触媒担持低減部に相当する部分」から最も遠い領域には、各側面に4つの小貫通孔がそれぞれ形成されていた。そして、上記「最も遠い領域」の次に遠い領域には、各側面に2つの小貫通孔がそれぞれ形成され、更に次に遠い領域には、各側面に1つの小貫通孔がそれぞれ形成されていた。「触媒担持低減部に相当する部分」に最も近い領域には、小貫通孔が形成されていなかった。
作製した排ガス浄化フィルタについて、「PM圧力損失」、「比較例1または7との圧力損失比率」、及び「スートマスリミット」の各評価を行った。結果を表3に示す。
参考例3)
筒状部材に代えてチューブ状部材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして排ガス浄化フィルタを作製した。チューブ状部材は、具体的には、金属製のものを用いた。また、チューブ状部材は、出口セルと嵌り合う直径を有しており、捕集層付きハニカム構造部の流出端面から目封止部までの長さと同じ長さであった。このチューブ状部材は、「触媒担持低減部に相当する部分」には「触媒スラリーの流入側の端面」に近づくに従って小貫通孔の数が減少されて形成されていた。また、これ以外の部分(均等部分)には、チューブ状部材の全長方向において均等な間隔で小貫通孔が形成されていた。具体的には、「触媒担持低減部に相当する部分」には、以下のように小貫通孔が形成されていた。「触媒担持低減部に相当する部分」を、チューブ状部材の全長方向に6等分の領域としたとき、各領
域には、周方向に等間隔で2個の小貫通孔が形成されていた。均等部分には、以下のように小貫通孔が形成されていた。「均等部分」を、チューブ状部材の全長方向に6等分の領域としたとき、各領域には、周方向に等間隔で6個の小貫通孔が形成されていた。
作製した排ガス浄化フィルタについて、「PM圧力損失」、「比較例1または7との圧力損失比率」、及び「スートマスリミット」の各評価を行った。結果を表3に示す。
参考例4)
「筒状部材を配置すること」に代えて「クリームを塗布したこと」以外は、実施例1と同様にして排ガス浄化フィルタを作製した。クリームは、具体的には、白色ワセリン(日本薬局方)を用いた。白色ワセリンの塗布は以下のようにして行った。まず、筆先が細い筆を用いて1つのセル当たり3gの白色ワセリンを捕集層付きハニカム構造部の端面に塗った。その後、捕集層付きハニカム構造部の端面に、この端面から10cm離れた位置からヘアドライヤーで70℃の温風を30分間当てることでセル内に白色ワセリンを浸入させた。このようにして、捕集層付きハニカム構造部の端面から50mmまでの領域にある隔壁の表面に白色ワセリンを塗布した。
作製した排ガス浄化フィルタについて、「PM圧力損失」、「比較例1または7との圧力損失比率」、及び「スートマスリミット」の各評価を行った。結果を表3に示す。
参考例5)
「筒状部材を配置すること」に代えて「ロウを塗布したこと」以外は、実施例1と同様にして排ガス浄化フィルタを作製した。ロウを塗布する方法は、流出端面から5cm離れた位置に25本の蝋燭(亀山社製の「ロウソク」)を配置し、30分間放置することにより隔壁の表面にロウを塗布する方法を採用した。
作製した排ガス浄化フィルタについて、「PM圧力損失」、「比較例1または7との圧力損失比率」、及び「スートマスリミット」の各評価を行った。結果を表3に示す。
参考例6)
実施例1と同様にして、捕集層付きハニカム構造部を作製した。その後、この捕集層付きハニカム構造部におけるハニカム構造部の隔壁の出口セル側の表面に「排ガス浄化用の触媒を含有する触媒用スラリー」を塗工した。次に、触媒用スラリーを塗工した捕集層付きハニカム構造部の流出端面に向かって圧縮空気を吹き付け、「触媒用スラリーを塗工した捕集層付きハニカム構造部」の流出端部の隔壁表面に付着した触媒用スラリーを吹き飛ばした。その後、この「触媒用スラリーを塗工した捕集層付きハニカム構造部」を乾燥させて排ガス浄化フィルタを作製した。なお、圧縮空気を吹き付ける条件は、流出端面から5cm離れた位置から流出端面の中心に向かって20℃の圧縮空気を、噴射ノズル(ノズル径50mm)を動かすことなく1分間吹き付けることとした。
作製した排ガス浄化フィルタについて、「PM圧力損失」、「比較例1または7との圧力損失比率」、及び「スートマスリミット」の各評価を行った。結果を表3に示す。
参考例7)
表1,2に示す条件を満たすようにしたこと以外は参考例3と同様にしてチューブ状部材を用いて排ガス浄化フィルタを作製した。
作製した排ガス浄化フィルタについて、「PM圧力損失」、「比較例1または7との圧力損失比率」、及び「スートマスリミット」の各評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例8)
実施例1と同様にして、捕集層付きハニカム構造部を作製した。即ち、実施例1と同様にして、ハニカム構造部作製工程、目封止ハニカム構造部作製工程、及び捕集層付きハニカム構造部作製工程を行った。その後、作製した捕集層付きハニカム構造部(ハニカム構造部)の流出端面を覆うようにこの流出端面上にフィルムを配置した。その後、このフィルムを出口セル内の所定の位置まで針金を用いて押し込んだ。その後、フィルムの移動は規制しつつ上記針金を更にセル内に押し込むことにより上記「所定の位置」でフィルムの先端に孔を形成した。このようにしてハニカム構造部の隔壁の表面の一部がフィルムにより被覆されたフィルム付きハニカム構造部を作製した(フィルム付きハニカム構造部作製工程)。その後、フィルム付きハニカム構造部におけるハニカム構造部の隔壁の出口セル側の表面に排ガス浄化用の触媒を含有する触媒用スラリーを塗工し、乾燥させた(排ガス浄化フィルタ作製工程)。このようにして排ガス浄化フィルタを作製した。
なお、「所定の位置」は、捕集層付きハニカム構造部(ハニカム構造部)のセルの延びる方向におけるハニカム構造部の流出端面からの距離が50mmの位置とした。フィルムは、旭化成ホームプロダクツ社製の「サランラップ(登録商標)」(厚さ12μm)を、縦300mm、横300mmの大きさにして用いた。
作製した排ガス浄化フィルタについて、「PM圧力損失」、「比較例1または7との圧力損失比率」、及び「スートマスリミット」の各評価を行った。結果を表3に示す。
参考例9,10)
実施例1と同様にして、捕集層付きハニカム構造部を作製した。即ち、実施例1と同様にして、ハニカム構造部作製工程、目封止ハニカム構造部作製工程、及び捕集層付きハニカム構造部作製工程を行った。その後、作製した捕集層付きハニカム構造部(ハニカム構造部)の流入端面側の端部を、排ガス浄化用の触媒を含有する触媒用スラリー内に浸漬させた(図11参照)。このとき、捕集層付きハニカム構造部(ハニカム構造部)を上記触媒用スラリーに浸漬させる位置は、ハニカム構造部のセルの延びる方向における流出端面からの距離が50mmの位置とした。次に、作製した捕集層付きハニカム構造部におけるハニカム構造部の隔壁の出口セル側の表面の全部に排ガス浄化用の触媒を含有する触媒用スラリーを塗工し、乾燥させた(排ガス浄化フィルタ作製工程)。このようにして排ガス浄化フィルタを作製した。この排ガス浄化フィルタは、入口セルを区画形成する隔壁の表面には流入側部に触媒が担持され、出口セルを区画形成する隔壁の表面の全部に触媒が担持されていた。
作製した排ガス浄化フィルタについて、「PM圧力損失」、「比較例1または7との圧力損失比率」、及び「スートマスリミット」の各評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例11,12)
表1,2に示す条件を満たすようにしたこと以外は実施例1と同様にして排ガス浄化フィルタを作製した。
作製した排ガス浄化フィルタについて、「PM圧力損失」、「比較例1または7との圧力損失比率」、及び「スートマスリミット」の各評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例1)
表面捕集層を形成せず、且つ、触媒の担持量を低減させる方法を採用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして排ガス浄化フィルタを作製した。
作製した排ガス浄化フィルタについて、「PM圧力損失」、「比較例1または7との圧力損失比率」、及び「スートマスリミット」の各評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例2)
実施例1と同様にして、ハニカム構造部を作製した。その後、実施例1と同様にしてこのハニカム構造部の隔壁の入口セルの表面に表面捕集層を形成して表面捕集層形成ハニカム構造体を得た。その後、実施例1と同様にして、この表面捕集層形成ハニカム構造体の所定のセルの流出端面の開口部と残余のセルの流入端面の開口部とに目封止用スラリーを充填し、乾燥させて、目封止部が配設された表面捕集層形成ハニカム構造体を作製した。その後、実施例1と同様にして、「目封止部が配設された表面捕集層形成ハニカム構造体」に触媒を担持させて排ガス浄化フィルタを作製した。
作製した排ガス浄化フィルタについて、「PM圧力損失」、「比較例1または7との圧力損失比率」、及び「スートマスリミット」の各評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例3〜6)
表1,2に示す条件を満たし、一方、触媒の担持量を低減させる方法を採用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして排ガス浄化フィルタを作製した。
作製した排ガス浄化フィルタについて、「PM圧力損失」、「比較例1または7との圧力損失比率」、及び「スートマスリミット」の各評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例13)
表4,5に示す条件を満たし、且つ、両端面の直径が172.0mmの円形でセルの延びる方向における長さが250mmの円柱状としたこと以外は、実施例1と同様にして排ガス浄化フィルタを作製した。
作製した排ガス浄化フィルタについて、「PM圧力損失」、「比較例1または7との圧力損失比率」、及び「スートマスリミット」の各評価を行った。結果を表6に示す。
Figure 0006084500
Figure 0006084500
Figure 0006084500
参考例14)
表4,5に示す条件を満たし、且つ、両端面の直径が172.0mmの円形でセルの延びる方向における長さが250mmの円柱状としたこと以外は、参考例2と同様にして排ガス浄化フィルタを作製した。
作製した排ガス浄化フィルタについて、「PM圧力損失」、「比較例1または7との圧力損失比率」、及び「スートマスリミット」の各評価を行った。結果を表6に示す。
参考例15)
表4,5に示す条件を満たし、且つ、両端面の直径が172.0mmの円形でセルの延びる方向における長さが250mmの円柱状としたこと以外は、参考例3と同様にして排ガス浄化フィルタを作製した。
作製した排ガス浄化フィルタについて、「PM圧力損失」、「比較例1または7との圧力損失比率」、及び「スートマスリミット」の各評価を行った。結果を表6に示す。
(比較例7)
表面捕集層を形成せず、且つ、触媒の担持量を低減させる方法を採用しなかったこと以外は、実施例13と同様にして排ガス浄化フィルタを作製した。
作製した排ガス浄化フィルタについて、「PM圧力損失」、「比較例1または7との圧力損失比率」、及び「スートマスリミット」の各評価を行った。結果を表6に示す。
(比較例8)
表4,5に示す条件を満たし、且つ、両端面の直径が172.0mmの円形でセルの延びる方向における長さが250mmの円柱状としたこと以外は、比較例2と同様にして排ガス浄化フィルタを作製した。
作製した排ガス浄化フィルタについて、「PM圧力損失」、「比較例1または7との圧力損失比率」、及び「スートマスリミット」の各評価を行った。結果を表6に示す。
(比較例9)
表4,5に示す条件を満たし、一方、触媒の担持量を低減させる方法を採用しなかったこと以外は、実施例13と同様にして排ガス浄化フィルタを作製した。
作製した排ガス浄化フィルタについて、「PM圧力損失」、「比較例1または7との圧力損失比率」、及び「スートマスリミット」の各評価を行った。結果を表6に示す。
実施例1,8,11,12,13の排ガス浄化フィルタは、比較例1〜9の排ガス浄化フィルタに比べて、圧力損失の増加が良好に抑制され、再生時における燃焼温度の最高値(最高温度)が低いことが確認できた。
本発明の排ガス浄化フィルタは、自動車等から排出される排ガスを浄化するフィルタとして使用することができる。本発明の排ガス浄化フィルタの製造方法は、自動車等から排出される排ガスを浄化するフィルタの製造方法として採用することができる。
2:セル、2a:入口セル、2b:出口セル、10:ハニカム構造部、11a:流入端面、11b:流出端面、12:目封止部、14:表面捕集層、15:隔壁、16:触媒層、21:触媒担持低減部、22:流入側部、25:筒状部材、25a:外周面、25b:貫通孔、26:貫通孔形成筒状部材、26a:一方の端部、26b:他方の端部、27:側壁、28:貫通孔、30:フィルム、31:孔、33:チューブ状部材、33a:側壁、33b:小貫通孔、33c:触媒スラリーの流入側の端面、40:捕集層付きハニカム構造部、41:一方の端面、45:触媒用スラリー、50:板状部材、60:筒状部材付きハニカム構構造部、100,200:排ガス浄化フィルタ。

Claims (5)

  1. 一方の端面である流入端面から他方の端面である流出端面まで延びて排ガスの流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造部と、
    前記ハニカム構造部の所定の前記セルである入口セルの前記流出端面側の開口部と残余の前記セルである出口セルの前記流入端面側の開口部とに配設された目封止部と、
    前記ハニカム構造部の前記隔壁の、前記入口セル側の表面に配置された複数の細孔を有する表面捕集層と、
    前記表面捕集層の表面、前記表面捕集層に形成された前記細孔の内面、及び、前記隔壁の、前記出口セル側の表面からなる群より選択される少なくとも一の面に担持された排ガス浄化用の触媒と、を備え、
    前記ハニカム構造部の前記流出端面から、前記セルの延びる方向における前記流出端面からの距離が50mmの位置までの前記流出端面側の部分である触媒担持低減部と、前記触媒担持低減部以外の部分である前記流入端面側の部分である流入側部とを有し、前記触媒担持低減部における前記触媒の担持量が、前記流入側部における前記触媒の担持量より小であり、
    前記表面捕集層は、前記触媒担持低減部における厚さが前記流入側部における厚さより厚くなっており、
    前記触媒が、前記ハニカム構造部の前記隔壁の、前記出口セル側の表面のみに担持され、
    前記触媒担持低減部に前記触媒が担持されていない排ガス浄化フィルタ。
  2. 一方の端面である流入端面から他方の端面である流出端面まで延びて排ガスの流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造部と、
    前記ハニカム構造部の所定の前記セルである入口セルの前記流出端面側の開口部と残余の前記セルである出口セルの前記流入端面側の開口部とに配設された目封止部と、
    前記ハニカム構造部の前記隔壁の、前記入口セル側の表面に配置された複数の細孔を有する表面捕集層と、
    前記表面捕集層の表面、前記表面捕集層に形成された前記細孔の内面、及び、前記隔壁の、前記出口セル側の表面からなる群より選択される少なくとも一の面に担持された排ガス浄化用の触媒と、を備え、
    前記ハニカム構造部の前記流出端面から、前記セルの延びる方向における前記流出端面からの距離が50mmの位置までの前記流出端面側の部分である触媒担持低減部と、前記触媒担持低減部以外の部分である前記流入端面側の部分である流入側部とを有し、前記触媒担持低減部における前記触媒の担持量が、前記流入側部における前記触媒の担持量より小であり、
    前記表面捕集層は、前記触媒担持低減部における厚さが前記流入側部における厚さより厚くなっており、
    前記触媒が、前記ハニカム構造部の前記隔壁の、前記出口セル側の表面に担持されており、且つ、前記触媒が、前記表面捕集層の表面、及び前記表面捕集層に形成された前記細孔の内面に担持され、前記表面捕集層の表面、及び前記表面捕集層に形成された前記細孔の内面において前記触媒担持低減部に前記触媒が担持されていない排ガス浄化フィルタ。
  3. セラミック材料を含有する坏土をハニカム形状に成形し、焼成して、一方の端面である流入端面から他方の端面である流出端面まで延びて排ガスの流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造部を作製するハニカム構造部作製工程と、
    作製した前記ハニカム構造部の所定の前記セルである入口セルの前記流出端面側の開口部と残余の前記セルである出口セルの前記流入端面の開口部とに目封止用スラリーを充填し、乾燥させて、前記ハニカム構造部に目封止部が配設された目封止ハニカム構造部を作製する目封止ハニカム構造部作製工程と、
    前記目封止ハニカム構造部における前記ハニカム構造部の前記隔壁の前記入口セル側の表面に微細原料粒子を塗布し、焼成して、前記ハニカム構造部の前記隔壁の前記入口セル側の前記表面に複数の細孔を有する表面捕集層が形成された捕集層付きハニカム構造部を作製する捕集層付きハニカム構造部作製工程と、
    前記捕集層付きハニカム構造部における前記ハニカム構造部の前記出口セルの前記流出端面側の端部に筒状の筒状部材を配置して、筒状部材付きハニカム構造部を作製する筒状部材付きハニカム構造部作製工程と、
    前記筒状部材付きハニカム構造部における前記ハニカム構造部の少なくとも前記隔壁の前記出口セル側の表面に排ガス浄化用の触媒を含有する触媒用スラリーを塗工し、乾燥させて、少なくとも前記ハニカム構造部の前記隔壁の前記出口セル側の前記表面に前記触媒を担持させて、排ガス浄化フィルタを作製する排ガス浄化フィルタ作製工程と、を有し、
    前記筒状部材付きハニカム構造部作製工程において、前記筒状部材が、前記ハニカム構造部の前記出口セルの、前記セルの延びる方向に直交する断面における形状と同じ形状の外周面を有し、前記ハニカム構造部の前記出口セルと嵌り合うものである排ガス浄化フィルタの製造方法。
  4. 前記筒状部材が、側壁に複数の貫通孔が形成され、一方の端部から他方の端部に向かうに従って前記側壁に形成される前記貫通孔の数が増加する貫通孔形成筒状部材であり、
    前記筒状部材付きハニカム構造部作製工程において、前記貫通孔形成筒状部材を、前記貫通孔形成筒状部材の前記貫通孔の数が少ない側の端部を前記ハニカム構造部の前記流出端面側に向けて配置する請求項に記載の排ガス浄化フィルタの製造方法。
  5. セラミック材料を含有する坏土をハニカム形状に成形し、焼成して、一方の端面である流入端面から他方の端面である流出端面まで延びて排ガスの流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造部を作製するハニカム構造部作製工程と、
    作製した前記ハニカム構造部の所定の前記セルである入口セルの前記流出端面側の開口部と残余の前記セルである出口セルの前記流入端面の開口部とに目封止用スラリーを充填し、乾燥させて、前記ハニカム構造部に目封止部が配設された目封止ハニカム構造部を作製する目封止ハニカム構造部作製工程と、
    前記目封止ハニカム構造部における前記ハニカム構造部の前記隔壁の前記入口セル側の表面に微細原料粒子を塗布し、焼成して、前記ハニカム構造部の前記隔壁の前記入口セル側の前記表面に複数の細孔を有する表面捕集層が形成された捕集層付きハニカム構造部を作製する捕集層付きハニカム構造部作製工程と、
    前記捕集層付きハニカム構造部における前記ハニカム構造部の前記流出端面上にフィルムを配置し、前記フィルムを前記出口セル内の所定の位置まで押し込んだ後、前記所定の位置で前記フィルムの先端に孔を形成して、前記ハニカム構造部の前記隔壁の表面の一部が前記フィルムにより被覆されたフィルム付きハニカム構造部を作製するフィルム付きハニカム構造部作製工程と、
    前記フィルム付きハニカム構造部における前記ハニカム構造部の少なくとも前記隔壁の前記出口セル側の表面に排ガス浄化用の触媒を含有する触媒用スラリーを塗工し、乾燥させて、少なくとも前記ハニカム構造部の前記隔壁の前記出口セル側の前記表面に前記触媒を担持させて、排ガス浄化フィルタを作製する排ガス浄化フィルタ作製工程と、を有する排ガス浄化フィルタの製造方法。
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