JP3879988B2 - 排ガス浄化用触媒とその製造方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンなどからの排ガス中に含まれるHC(炭化水素),CO(一酸化炭素)及びNOx (窒素酸化物)などのガス状成分を浄化するとともに、PM(Particulate Matter)を効率よく酸化浄化できる排ガス浄化用触媒とその製造方法に関し、詳しくは両端が開口した複数のセルをもつハニカム構造のストレートフロー型の排ガス浄化用触媒とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガソリンエンジンについては、排ガスエミッションの厳しい規制とそれに対処できる技術の進歩とにより、排ガス中の有害成分は確実に減少している。しかし、ディーゼルエンジンについては、有害成分がPMとして排出されるという特異な事情から、規制も技術の進歩もガソリンエンジンに比べて遅れている。
【0003】
現在までに開発されているディーゼルエンジン用排ガス浄化装置としては、大きく分けてトラップ型の排ガス浄化装置と、オープン型の排ガス浄化装置とが知られている。このうちトラップ型の排ガス浄化装置としては、コーディエライトなどのセラミック製の目封じタイプのDPFが知られている。このDPFは、例えば SAE810114などに記載されているように、セラミックハニカム構造体の複数のセルが、排ガス下流端が目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流端が目詰めされた流出側セルと、からなる複数のセルをもつものであり、セル隔壁の細孔で排ガスを濾過してセル隔壁にPMを捕捉することで排出を抑制するいわゆるウォールフロー型のものである。
【0004】
一方、オープン型の排ガス浄化装置は、ガソリンエンジンからの排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒と同様に、両端が開口した複数のセルをもつハニカム構造のストレートフロー型であり、セル隔壁にコートされた触媒層に接触したPMを浄化するものである。
【0005】
しかしDPFでは、PMの堆積によって圧損が上昇するため、何らかの手段で堆積したPMを定期的に除去してDPFを再生する必要がある。そこで従来は、圧損が上昇した場合にバーナや電気ヒータ等で加熱して、あるいは高温の排ガスを供給して、堆積したPMを燃焼させることでDPFを再生することが行われている。しかしながらこの場合には、PMの堆積量が多いほど燃焼時の温度が上昇し、それによってDPFが溶損する場合もある。
【0006】
そこで近年では、DPFのセル隔壁にアルミナなどからコート層を形成し、そのコート層に白金族貴金属などを担持した触媒層をもつ連続再生式DPFが開発されている。この連続再生式DPFによれば、セル隔壁の細孔中に捕捉されたPMが貴金属の触媒活性によって酸化燃焼するため、捕捉と同時にあるいは捕捉に連続して燃焼させることでDPFを再生することができる。そして触媒活性は比較的低温で生じること、及び捕捉量が少ないうちに燃焼できることから、DPFに作用する熱応力が小さく破損が防止されるという利点がある。
【0007】
すなわちストレートフロー型のPM浄化用触媒では、圧損は低いものの、浄化されずに排出されるPM量が多いという問題がある。一方、ウォールフロー型のPM浄化用触媒では、排ガスがセル隔壁を通過する際にPMを濾過する構造であるために、ストレートフロー型のPM浄化用触媒に比べて圧損が大きいという欠点がある。
【0008】
また特開2002-35583号公報には、表面を凹凸形状として比表面積を大きくしその凹凸部分に貴金属を担持した燃焼触媒装置をDPFの上流側に配置した排ガス浄化システムが記載されている。このような構成とすることで、上流側の燃焼触媒装置で未燃燃料やHCなどガス状成分を浄化することができ、下流側のDPFによってPMを捕捉することができる。
【0009】
しかしながら特開2002-35583号公報に開示の装置であっても、凹凸形状の粗さはせいぜい1μm程度であるので、上流側の燃焼触媒装置ではPMを捕捉して浄化することは困難であり、下流側にDPFが必須となる。したがってDPFを必須とすることから、圧損が大きいという問題は解決することができない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、圧損を小さくするとともにPMを効率よく浄化できる触媒とすることを目的とする。
【0011】
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化用触媒の特徴は、両端が開口した複数のセルをもつハニカム構造のストレートフロー型の基材と、基材のセル隔壁の少なくとも一部に固着された耐熱性粒子と、セル隔壁の表面に形成され貴金属を含む触媒層とよりなり、耐熱性粒子は触媒層の厚さより粒径が大きな粗大粒子を含み、耐熱性粒子はそれぞれがセル隔壁又は触媒層に直接固着した単層状態であることにある。耐熱性粒子の粒径は50〜 300μmであることが望ましい。
【0012】
また本発明のもう一つの排ガス浄化用触媒の特徴は、両端が開口した複数のセルをもつハニカム構造のストレートフロー型の基材と、セル隔壁の表面に形成され貴金属を含む触媒層と、触媒層の表面の少なくとも一部に固着された粒径が50〜 300μmの耐熱性粒子と、よりなり、耐熱性粒子はそれぞれが触媒層に直接固着した単層状態であることにある。
【0013】
そして本発明の排ガス浄化用触媒を製造する本発明の製造方法の特徴は、両端が開口した複数のセルをもつハニカム構造のストレートフロー型の基材のセル隔壁の少なくとも一部の表面に固定剤を塗布し固定剤層を形成する塗布工程と、セル内に耐熱性粒子を充填し固定剤層に耐熱性粒子を均一に付着させる付着工程と、セル内から余剰の耐熱性粒子を排出した後に、耐熱性粒子が付着したセル隔壁表面に酸化物粉末と貴金属とからなる触媒層を形成する触媒層形成工程と、を含むことにある。
【0014】
上記製造方法において、付着工程では、基材を振動させることで耐熱性粒子を均一に付着させることが望ましい。
【0015】
また付着工程と触媒層形成工程の間に、固定剤層を固化して耐熱性粒子を固着する固着工程を行うことが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の排ガス浄化用触媒では、触媒層の厚さより粒径が大きな粗大粒子を含む耐熱性粒子が、基材のセル隔壁の少なくとも一部に固着されている。したがってセル内には粗大粒子又は表面に触媒層をもつ粗大粒子が突出しているため、セル内を流れるPMは粗大粒子に衝突して流動が妨げられ、停滞して一旦捕捉された状態となると考えられる。そして停滞したPMは触媒層と接触する確率が高まり、貴金属によって酸化浄化されるために、高いPM浄化性能が発現される。そしてセル内に粗大粒子が突出していても、基本的にストレートフロー型であるので、DPFに比べて圧損が小さい。
【0017】
したがって本発明の排ガス浄化用触媒によれば、高いPM浄化能と小さな圧損の両性能が両立する。
【0018】
またもう一つの排ガス浄化用触媒では、触媒層の表面の少なくとも一部に、粒径が50〜 300μmの耐熱性粒子が固着されている。したがって上記と同様の作用によって高いPM浄化能と小さな圧損の両性能が両立する。
【0019】
基材は、両端が開口した複数のセルをもつハニカム構造のストレートフロー型をなし、例えば排ガス浄化用触媒に用いられているコージェライトなどの耐熱性セラミックスから形成されたモノリス基材、あるいは金属箔からなる平板と波板を交互に積層したメタル基材などを用いることができる。そのセル密度、体積などは特に制限されず、用途などに応じて選択される。
【0020】
耐熱性粒子は、排ガス中で安定した耐熱性を有すればよく、アルミナ,ジルコニア,チタニア,シリカなどの無機酸化物からなるもの、窒化ケイ素,炭化ケイ素などのセラミックスからなるもの、あるいは比較的融点の高い金属からなるものを用いることができる。
【0021】
この耐熱性粒子は、粒径が50〜 300μmのものを用いることが好ましい。セル隔壁に形成される触媒層の厚さにはばらつきがあり、また触媒層はセルの角部には厚く平らな部分には薄く形成される傾向にあるので、粒径を50〜 300μmとすれば触媒層の厚さより粒径が大きな粗大粒子が必ず含まれるようになる。粒径が50μmより小さいとPMを一旦捕捉する作用が発現されず、PM浄化能が低下する。また粒径が 300μmを超えると、セル内に占める粗大粒子の体積が大きくなり、目詰まりによって圧損が増大してしまう。
【0022】
耐熱性粒子は基材のセル隔壁又は触媒層の少なくとも一部表面に固着されている。その固着している位置は特に制限されないが、耐熱性粒子が固着されている部分ではPM浄化能は発現されるものの、触媒層の貴金属がPMに覆われるために、HC,CO,NOx などのガス状成分の浄化能が低下する。一方、耐熱性粒子が固着されていない平坦部では、PMの酸化速度はHCなどのガス成分の酸化速度より遅いために、未浄化のPMが排出されてしまう。したがって耐熱性粒子の固着位置によって、発現される特性が変化する。
【0023】
例えば排ガス流の上流側に位置する上流部にのみ耐熱性粒子を固着させると、上流部でPMを浄化し、下流部ではHCなどのガス状成分を浄化することができる。また排ガス流の下流部にのみ耐熱性粒子を固着させると、HCなどのガス状成分の酸化によって上流部の温度が上昇しやすいので、低温始動時の浄化性能の悪化を抑制することができ、低温域からPMを浄化することができる。さらに上流部と下流部の間の中央部に耐熱性粒子を固着させれば、入口及び出口の開口面積が大きいので、圧損の低下をより抑制することができる。
【0024】
そして基材の外周部に位置するセル隔壁に耐熱性粒子を固着すれば、HCなどのガス状成分の浄化能が向上し、中心部に位置するセル隔壁に耐熱性粒子を固着すれば、中心部は温度が高いので捕捉されたPMをより効率よく浄化することができる。
【0025】
耐熱性粒子の固着密度は特に制限されないが、固着密度が低いとPMが一旦捕捉される作用の発現が困難となるので固着密度は高いことが望ましく、細密的に固着されていることが望ましい。また耐熱性粒子の上にさらに耐熱性粒子が固着すると、セル内の目詰まりが生じるため好ましくない。したがって耐熱性粒子は、それぞれがセル隔壁又は触媒層に直接固着した単層状態であることが望ましい。
【0026】
触媒層は、アルミナなどの多孔質担体と、多孔質担体に担持された貴金属とから構成される。多孔質担体としては、アルミナ,チタニア,ジルコニア,セリア,シリカなどの酸化物あるいはこれらから選ばれる複合酸化物を用いることができる。また貴金属としては、Pt,Rh,Pd,Irなどから選択して用いることができるが、酸化活性が高いPtを少なくとも用いることが望ましい。
【0027】
触媒層における貴金属の担持量は、 0.5〜5重量%の範囲が好ましい。担持量が 0.5重量%より少ないとPM浄化能の発現が困難となり、5重量%より多く担持すると担持密度の増大によって貴金属に粒成長が生じる恐れがある。
【0028】
触媒層は少なくともセル隔壁の表面に形成されていればよいが、耐熱性粒子の表面にも形成されていることが好ましい。これにより一旦捕捉されたPMと貴金属との接触確率がさらに向上し、PM浄化能が向上する。この場合、耐熱性粒子が存在する位置における突出高さが50〜 300μmとなるようにすることが好ましい。また、耐熱性粒子の表面に触媒層が形成されていない場合には、耐熱性粒子に貴金属を担持することで同様の効果が発現される。
【0029】
触媒層の厚さは、セルの開口面積によっても異なり、また厚くするほど浄化活性は向上するが、一般に10〜 200μmの範囲とすることが好ましい。10μmより薄いと貴金属の担持密度が高くなるために粒成長によって活性が低下する恐れがあり、 200μmより厚くすると、基材に固着された耐熱性粒子の突出高さが相対的に低下してPMを一旦捕捉する作用の発現が困難となるばかりか、圧損も増大してしまう。
【0030】
なお圧損の増大を抑制する観点から、耐熱性粒子及び触媒層を形成した後のセルの開口面積が、元のセルの開口面積の30%以上であることが望ましい。
【0031】
上記した本発明のPM浄化用触媒を製造する本発明の製造方法では、先ず塗布工程において、ストレートフロー型の基材のセル隔壁の少なくとも一部の表面に固定剤を塗布し固定剤層を形成する。固定剤としては、後述の触媒層形成工程における焼成まで耐熱性粒子を固定できればよく、一時的に固定できるもの、あるいは持続的に固定できるもののどちらも使用できる。一時的に固定できる固定剤としては、ポリビニルアルコールなどの各種有機接着剤、各種粘着剤などを用いることができる。また持続的に固定できる固定剤としては、アルミナゾル,ジルコニアゾルなどのセラミックスゾル、あるいは無機接着剤を用いることができる。
【0032】
固定剤を塗布するには、固定剤の溶液中に基材を浸漬し、エアブロー又は吸引によって余分な溶液を除去する方法によって行うことができる。このようにすれば、溶液の濃度調整によって形成される固定剤層の厚さを制御することができ、都合がよい。
【0033】
次の付着工程では、セル内に耐熱性粒子を充填し固定剤層に耐熱性粒子を均一に付着させる。均一に付着させるためには、充填途中にあるいは充填後に基材を振動させることが好ましい。これによりセル壁面に耐熱性粒子を細密的に付着させることができる。振動させるには、基材を上下又は左右に振動させる方法、あるいは基材を回動又は揺動させて振動させる方法で行うことができる。
【0034】
触媒層形成工程では、耐熱性粒子が付着したセル隔壁表面に酸化物粉末と貴金属とからなる触媒層が形成される。触媒層の形成は、アルミナなどの多孔質担体の粉末をバインダと共にスラリーとし、それをウォッシュコートして焼成後に貴金属を担持すればよい。あるいは多孔質担体の粉末に貴金属を予め担持した触媒粉末をウォッシュコートした後に焼成してもよい。貴金属の担持は、吸着担持法、含浸担持法など公知の方法を採用することができる。
【0035】
なおウォッシュコート時に、耐熱性粒子が付着している状態を維持していれば、その時点で耐熱性粒子がセル隔壁に固着していなくても、触媒層形成工程における焼成時に固着させることができる。例えば固定剤が有機質であれば、焼成時に焼失するとともに、耐熱性粒子を触媒層で覆うことで固着させることができる。また固定剤がアルミナゾルなどであり、その粘着性によって耐熱性粒子が付着している場合は、触媒層形成工程における焼成時にアルミナゾルがアルミナとなることによって耐熱性粒子を固着させることができる。しかし固着強度が弱くなったり、ウォッシュコート時にアルミナゾルが溶出する場合もあるので、付着工程と触媒層形成工程の間に固定剤層を固化して耐熱性粒子を固着する固着工程を行うことが望ましい。
【0036】
触媒層の表面に耐熱性粒子を固着させるには、スラリーをウォッシュコートした後に耐熱性粒子をウェットコート層に付着させ、その後に乾燥・焼成することで行うことができる。貴金属の担持は、耐熱性粒子の付着の前後どちらでもよいが、耐熱性粒子を付着後に焼成されたコート層に担持するのが好ましい。このようにすれば耐熱性粒子の表面にも貴金属を担持することができ、PMの浄化活性がさらに向上する。
【0037】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
【0038】
(実施例1)
図1に本実施例の排ガス浄化用触媒の拡大断面図を示す。この排ガス浄化用触媒は、コーディエライトからなるハニカム状の基材1と、基材1のセル隔壁10の表面に固着したアルミナ粒子2と、セル隔壁10及びアルミナ粒子2の表面に形成された触媒層3とから構成されている。以下、この排ガス浄化用触媒の製造方法を説明して構成の詳細な説明に代える。
【0039】
先ずコーディエライト製の円柱形状の基材1(直径 100mm,長さ 100mm,セル密度 400/in2 )を用意した。この基材1には、両端が開口した複数のセル11が形成されている。
【0040】
この基材1を、5重量%の濃度のアルミナゾル水溶液に浸漬し、引き上げて余分な溶液を吸引除去した。これによりアルミナゾル層がセル隔壁10の表面全体に形成され、その塗布量は基材1の1リットルあたり20gである。
【0041】
続いて平均粒子径 100μmのアルミナ粒子よりなる粉末を用意し、セル11内に充填した。そして基材1を各種方向に動かして振動させ、セル11内にアルミナ粉末を均一に充填した。その後、アルミナゾル層に付着していないアルミナ粒子をセル11から排出し、アルミナ粒子が付着した基材1を 500℃で60分間加熱してアルミナゾル層を固化させアルミナ粒子2をセル隔壁10の表面に均一に固着させた。
【0042】
その後、平均粒径5μmのアルミナ粉末50重量部と、アルミナゾル(固形分5重量%)を2重量部と、水50重量部とからなるスラリーを調製し、アルミナ粒子2が固着された基材1を浸漬後引き上げて余分なスラリーを吸引除去し、 120℃で 120分間乾燥後 500℃で 120分間焼成してセル隔壁10表面にアルミナコート層を形成した。続いて所定濃度のジニトロジアンミン白金水溶液の所定量をアルミナコート層に含浸させ、 120℃で 120分間乾燥後 500℃で 120分間焼成して、アルミナコート層にPtを担持した触媒層3を形成した。触媒層3は基材1の1リットルあたり 100g形成され、Ptは基材1の1リットルあたり 1.5g担持されている。
【0043】
(実施例2)
図2に示すように、基材1の排ガス流れ方向の上流側半分にアルミナ粒子2を固着したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の排ガス浄化用触媒を調製した。上流側半分にアルミナ粒子2を固着するには、基材1の上流側半分部のみアルミナゾル水溶液に浸漬し、その後実施例1と同様に行えばよい。
【0044】
(実施例3)
基材1の排ガス流れ方向の下流側半分にアルミナ粒子2を固着したこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の排ガス浄化用触媒を調製した。下流側半分にアルミナ粒子2を固着するには、基材1の下流側半分部のみアルミナゾル水溶液に浸漬し、その後実施例1と同様に行えばよい。
【0045】
(実施例4)
図3に示すように、基材1の排ガス流れ方向の上流側端面から25cmの位置から75cmの位置まで、つまり中央部の長さ50cmの部分のみにアルミナ粒子2を固着したこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の排ガス浄化用触媒を調製した。このようにアルミナ粒子2を中央部に固着する場合は、基材1全体をアルミナゾル水溶液に浸漬した後に、上・下流部25mmを水で洗浄してゾル層を除去し、その後実施例1と同様に行えばよい。
【0046】
(実施例5)
図4に示すように、基材1の軸中心から径方向70mm以上の外周部にのみアルミナ粒子2を固着したこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の排ガス浄化用触媒を調製した。外周部のみにアルミナ粒子2を固着するには、マスキングテープを直径70mmの円形にカットしたものを用い、基材1の両端面の中央部に貼付けた後にアルミナゾル水溶液を含浸させ、その後実施例1と同様に行えばよい。
【0047】
(実施例6)
図5に示すように、基材1の軸中心から径方向70mm以内の中心部にアルミナ粒子2を固着したこと以外は実施例1と同様にして、実施例6の排ガス浄化用触媒を調製した。マスキングは実施例5と同様にして行った。
【0048】
(比較例1)
アルミナゾルの塗布工程とアルミナ粒子の付着工程を行わず、触媒層3のみを形成したこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の排ガス浄化用触媒を調製した。
【0049】
(比較例2)
セル隔壁10の気孔率が50%であること以外は実施例1と同様の基材1の両端を交互にそれぞれ市松状にコーディエライト粉末で目詰めして栓を形成し、DPFを調製した。そしてこのDPFを用い、アルミナゾルの塗布工程とアルミナ粒子の付着工程を行わず、触媒層3のみを形成したこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の排ガス浄化用触媒を調製した。
【0050】
(比較例3)
平均粒子径 100μmのアルミナ粒子からなる粉末20重量部と、平均粒径5μmのアルミナ粉末30重量部と、アルミナゾル(固形分5重量%)5重量部と、水50重量部とからなるスラリーを調製し、実施例1と同様の基材1を浸漬後引き上げて余分なスラリーを吸引除去し、 120℃で 120分間乾燥後 500℃で 120分間焼成してセル隔壁10表面にアルミナ層を形成した。そして実施例1と同様にしてアルミナ層にPtを担持し、比較例3の排ガス浄化用触媒を調製した。
【0051】
この比較例3の触媒では、平均粒子径 100μmのアルミナ粒子は触媒層3を介してセル隔壁10に固着された状態となっているが、スラリー中での沈殿などによって不均一な分布となっている。さらに吸引除去の際に排出されたアルミナ粒子も多い。
【0052】
<試験・評価>
上記した各触媒を触媒コンバータにそれぞれ配置し、エンジンベンチにて2L直噴ディーゼルエンジンの排気系にそれぞれ取り付けた。そしてそれぞれ 1500rpm×30Nmで運転し、始動時から 120分間のPM浄化率と、始動時から 120分後の圧損を測定した。PM浄化率は、触媒前後のPM濃度を測定して算出した。また圧損は触媒コンバータ前後の排ガスの圧力差を測定した。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
Figure 0003879988
【0054】
表1より、各実施例の触媒は各比較例の触媒に比べてPM浄化率が高く、PM浄化性能に優れていることが明らかである。一方、比較例1の触媒では、粗大粒子が固着されていないために圧損は小さいものの、PM浄化率が低い。また比較例2の触媒では、PM浄化率はある程度高いものの、DPF構造であるために圧損が大きい。そして比較例3の触媒では、粗大粒子はある程度固着されているものの、その分布が不均一であり複層に固着されている部分も存在するために目詰まりが生じて圧損が大きく、PM浄化率も低くなっている。
【0055】
【発明の効果】
すなわち本発明の排ガス浄化用触媒によれば、HC,CO,NOx などのガス状成分のみならずPMの浄化性能にも優れ、しかも圧損が小さい。そして本発明の製造方法によれば、このように優れた特性をもつ排ガス浄化用触媒を容易にしかも安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の排ガス浄化用触媒の要部拡大断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例の排ガス浄化用触媒の模式的断面図である。
【図3】本発明の第4の実施例の排ガス浄化用触媒の模式的断面図である。
【図4】本発明の第5の実施例の排ガス浄化用触媒の正面図である。
【図5】本発明の第6の実施例の排ガス浄化用触媒の正面図である。
【符号の説明】
1:基材 2:アルミナ粒子(耐熱性粒子) 3:触媒層
10:セル隔壁 11:セル

Claims (6)

  1. 両端が開口した複数のセルをもつハニカム構造のストレートフロー型の基材と、該基材のセル隔壁の少なくとも一部に固着された耐熱性粒子と、該セル隔壁の表面に形成され貴金属を含む触媒層とよりなり、
    該耐熱性粒子は該触媒層の厚さより粒径が大きな粗大粒子を含み、該耐熱性粒子はそれぞれが該セル隔壁又は該触媒層に直接固着した単層状態であることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 前記耐熱性粒子の粒径は50〜 300μmである請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 両端が開口した複数のセルをもつハニカム構造のストレートフロー型の基材と、該セル隔壁の表面に形成され貴金属を含む触媒層と、該触媒層の表面の少なくとも一部に固着された粒径が50〜 300μmの耐熱性粒子と、よりなり、
    該耐熱性粒子はそれぞれが該触媒層に直接固着した単層状態であることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  4. 両端が開口した複数のセルをもつハニカム構造のストレートフロー型の基材のセル隔壁の少なくとも一部の表面に固定剤を塗布し固定剤層を形成する塗布工程と、
    該セル内に耐熱性粒子を充填し該固定剤層に該耐熱性粒子を均一に付着させる付着工程と、
    該セル内から余剰の該耐熱性粒子を排出した後に、該耐熱性粒子が付着した該セル隔壁表面に酸化物粉末と貴金属とからなる触媒層を形成する触媒層形成工程と、を含むことを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法。
  5. 前記付着工程では、前記基材を振動させることで前記耐熱性粒子を均一に付着させる請求項4に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
  6. 前記付着工程と前記触媒層形成工程の間に、前記固定剤層を固化して前記耐熱性粒子を固着する固着工程を行う請求項4に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
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