JP2003326162A - 排ガス浄化用触媒とその製造方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒とその製造方法

Info

Publication number
JP2003326162A
JP2003326162A JP2002132639A JP2002132639A JP2003326162A JP 2003326162 A JP2003326162 A JP 2003326162A JP 2002132639 A JP2002132639 A JP 2002132639A JP 2002132639 A JP2002132639 A JP 2002132639A JP 2003326162 A JP2003326162 A JP 2003326162A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust gas
heat
resistant particles
catalyst
catalyst layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002132639A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3879988B2 (ja
Inventor
Kenji Arakawa
健二 荒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2002132639A priority Critical patent/JP3879988B2/ja
Publication of JP2003326162A publication Critical patent/JP2003326162A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3879988B2 publication Critical patent/JP3879988B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】圧損を小さくするとともに、PMを効率よく浄
化できる触媒とする。 【解決手段】両端開口の複数のセルをもつハニカム構造
のストレートフロー型の基材のセル隔壁10の少なくとも
一部に、触媒層3の厚さより粒径が大きな粗大粒子を含
む耐熱性粒子2を固着するとともに、セル隔壁10の表面
に貴金属を含む触媒層3を形成した。セル11内を流れる
PMは粗大粒子に衝突して流動が妨げられ、停滞して一
旦捕捉された状態となり、停滞したPMは触媒層3と接
触する確率が高まり、貴金属によって酸化浄化される

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンなどからの排ガス中に含まれるHC(炭化水素),CO
(一酸化炭素)及びNOx (窒素酸化物)などのガス状成
分を浄化するとともに、PM(Particulate Matter)を
効率よく酸化浄化できる排ガス浄化用触媒とその製造方
法に関し、詳しくは両端が開口した複数のセルをもつハ
ニカム構造のストレートフロー型の排ガス浄化用触媒と
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリンエンジンについては、排ガスエ
ミッションの厳しい規制とそれに対処できる技術の進歩
とにより、排ガス中の有害成分は確実に減少している。
しかし、ディーゼルエンジンについては、有害成分がP
Mとして排出されるという特異な事情から、規制も技術
の進歩もガソリンエンジンに比べて遅れている。
【0003】現在までに開発されているディーゼルエン
ジン用排ガス浄化装置としては、大きく分けてトラップ
型の排ガス浄化装置と、オープン型の排ガス浄化装置と
が知られている。このうちトラップ型の排ガス浄化装置
としては、コーディエライトなどのセラミック製の目封
じタイプのDPFが知られている。このDPFは、例え
ば SAE810114などに記載されているように、セラミック
ハニカム構造体の複数のセルが、排ガス下流端が目詰め
された流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流端
が目詰めされた流出側セルと、からなる複数のセルをも
つものであり、セル隔壁の細孔で排ガスを濾過してセル
隔壁にPMを捕捉することで排出を抑制するいわゆるウ
ォールフロー型のものである。
【0004】一方、オープン型の排ガス浄化装置は、ガ
ソリンエンジンからの排ガスを浄化する排ガス浄化用触
媒と同様に、両端が開口した複数のセルをもつハニカム
構造のストレートフロー型であり、セル隔壁にコートさ
れた触媒層に接触したPMを浄化するものである。
【0005】しかしDPFでは、PMの堆積によって圧
損が上昇するため、何らかの手段で堆積したPMを定期
的に除去してDPFを再生する必要がある。そこで従来
は、圧損が上昇した場合にバーナや電気ヒータ等で加熱
して、あるいは高温の排ガスを供給して、堆積したPM
を燃焼させることでDPFを再生することが行われてい
る。しかしながらこの場合には、PMの堆積量が多いほ
ど燃焼時の温度が上昇し、それによってDPFが溶損す
る場合もある。
【0006】そこで近年では、DPFのセル隔壁にアル
ミナなどからコート層を形成し、そのコート層に白金族
貴金属などを担持した触媒層をもつ連続再生式DPFが
開発されている。この連続再生式DPFによれば、セル
隔壁の細孔中に捕捉されたPMが貴金属の触媒活性によ
って酸化燃焼するため、捕捉と同時にあるいは捕捉に連
続して燃焼させることでDPFを再生することができ
る。そして触媒活性は比較的低温で生じること、及び捕
捉量が少ないうちに燃焼できることから、DPFに作用
する熱応力が小さく破損が防止されるという利点があ
る。
【0007】すなわちストレートフロー型のPM浄化用
触媒では、圧損は低いものの、浄化されずに排出される
PM量が多いという問題がある。一方、ウォールフロー
型のPM浄化用触媒では、排ガスがセル隔壁を通過する
際にPMを濾過する構造であるために、ストレートフロ
ー型のPM浄化用触媒に比べて圧損が大きいという欠点
がある。
【0008】また特開2002-35583号公報には、表面を凹
凸形状として比表面積を大きくしその凹凸部分に貴金属
を担持した燃焼触媒装置をDPFの上流側に配置した排
ガス浄化システムが記載されている。このような構成と
することで、上流側の燃焼触媒装置で未燃燃料やHCなど
ガス状成分を浄化することができ、下流側のDPFによ
ってPMを捕捉することができる。
【0009】しかしながら特開2002-35583号公報に開示
の装置であっても、凹凸形状の粗さはせいぜい1μm程
度であるので、上流側の燃焼触媒装置ではPMを捕捉し
て浄化することは困難であり、下流側にDPFが必須と
なる。したがってDPFを必須とすることから、圧損が
大きいという問題は解決することができない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑みてなされたものであり、圧損を小さくするとと
もにPMを効率よく浄化できる触媒とすることを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の排ガス浄化用触媒の特徴は、両端が開口した複数の
セルをもつハニカム構造のストレートフロー型の基材
と、基材のセル隔壁の少なくとも一部に固着された耐熱
性粒子と、セル隔壁の表面に形成され貴金属を含む触媒
層とよりなり、耐熱性粒子は触媒層の厚さより粒径が大
きな粗大粒子を含むことにある。耐熱性粒子の粒径は50
〜 300μmであることが望ましい。
【0012】また本発明のもう一つの排ガス浄化用触媒
の特徴は、両端が開口した複数のセルをもつハニカム構
造のストレートフロー型の基材と、セル隔壁の表面に形
成され貴金属を含む触媒層と、触媒層の表面の少なくと
も一部に固着された粒径が50〜 300μmの耐熱性粒子
と、よりなることにある。
【0013】そして本発明の排ガス浄化用触媒を製造す
る本発明の製造方法の特徴は、両端が開口した複数のセ
ルをもつハニカム構造のストレートフロー型の基材のセ
ル隔壁の少なくとも一部の表面に固定剤を塗布し固定剤
層を形成する塗布工程と、セル内に耐熱性粒子を充填し
固定剤層に耐熱性粒子を均一に付着させる付着工程と、
セル内から余剰の耐熱性粒子を排出した後に、耐熱性粒
子が付着したセル隔壁表面に酸化物粉末と貴金属とから
なる触媒層を形成する触媒層形成工程と、を含むことに
ある。
【0014】上記製造方法において、付着工程では、基
材を振動させることで耐熱性粒子を均一に付着させるこ
とが望ましい。
【0015】また付着工程と触媒層形成工程の間に、固
定剤層を固化して耐熱性粒子を固着する固着工程を行う
ことが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の排ガス浄化用触媒では、
触媒層の厚さより粒径が大きな粗大粒子を含む耐熱性粒
子が、基材のセル隔壁の少なくとも一部に固着されてい
る。したがってセル内には粗大粒子又は表面に触媒層を
もつ粗大粒子が突出しているため、セル内を流れるPM
は粗大粒子に衝突して流動が妨げられ、停滞して一旦捕
捉された状態となると考えられる。そして停滞したPM
は触媒層と接触する確率が高まり、貴金属によって酸化
浄化されるために、高いPM浄化性能が発現される。そ
してセル内に粗大粒子が突出していても、基本的にスト
レートフロー型であるので、DPFに比べて圧損が小さ
い。
【0017】したがって本発明の排ガス浄化用触媒によ
れば、高いPM浄化能と小さな圧損の両性能が両立す
る。
【0018】またもう一つの排ガス浄化用触媒では、触
媒層の表面の少なくとも一部に、粒径が50〜 300μmの
耐熱性粒子が固着されている。したがって上記と同様の
作用によって高いPM浄化能と小さな圧損の両性能が両
立する。
【0019】基材は、両端が開口した複数のセルをもつ
ハニカム構造のストレートフロー型をなし、例えば排ガ
ス浄化用触媒に用いられているコージェライトなどの耐
熱性セラミックスから形成されたモノリス基材、あるい
は金属箔からなる平板と波板を交互に積層したメタル基
材などを用いることができる。そのセル密度、体積など
は特に制限されず、用途などに応じて選択される。
【0020】耐熱性粒子は、排ガス中で安定した耐熱性
を有すればよく、アルミナ,ジルコニア,チタニア,シ
リカなどの無機酸化物からなるもの、窒化ケイ素,炭化
ケイ素などのセラミックスからなるもの、あるいは比較
的融点の高い金属からなるものを用いることができる。
【0021】この耐熱性粒子は、粒径が50〜 300μmの
ものを用いることが好ましい。セル隔壁に形成される触
媒層の厚さにはばらつきがあり、また触媒層はセルの角
部には厚く平らな部分には薄く形成される傾向にあるの
で、粒径を50〜 300μmとすれば触媒層の厚さより粒径
が大きな粗大粒子が必ず含まれるようになる。粒径が50
μmより小さいとPMを一旦捕捉する作用が発現され
ず、PM浄化能が低下する。また粒径が 300μmを超え
ると、セル内に占める粗大粒子の体積が大きくなり、目
詰まりによって圧損が増大してしまう。
【0022】耐熱性粒子は基材のセル隔壁又は触媒層の
少なくとも一部表面に固着されている。その固着してい
る位置は特に制限されないが、耐熱性粒子が固着されて
いる部分ではPM浄化能は発現されるものの、触媒層の
貴金属がPMに覆われるために、HC,CO,NOx などのガ
ス状成分の浄化能が低下する。一方、耐熱性粒子が固着
されていない平坦部では、PMの酸化速度はHCなどのガ
ス成分の酸化速度より遅いために、未浄化のPMが排出
されてしまう。したがって耐熱性粒子の固着位置によっ
て、発現される特性が変化する。
【0023】例えば排ガス流の上流側に位置する上流部
にのみ耐熱性粒子を固着させると、上流部でPMを浄化
し、下流部ではHCなどのガス状成分を浄化することがで
きる。また排ガス流の下流部にのみ耐熱性粒子を固着さ
せると、HCなどのガス状成分の酸化によって上流部の温
度が上昇しやすいので、低温始動時の浄化性能の悪化を
抑制することができ、低温域からPMを浄化することが
できる。さらに上流部と下流部の間の中央部に耐熱性粒
子を固着させれば、入口及び出口の開口面積が大きいの
で、圧損の低下をより抑制することができる。
【0024】そして基材の外周部に位置するセル隔壁に
耐熱性粒子を固着すれば、HCなどのガス状成分の浄化能
が向上し、中心部に位置するセル隔壁に耐熱性粒子を固
着すれば、中心部は温度が高いので捕捉されたPMをよ
り効率よく浄化することができる。
【0025】耐熱性粒子の固着密度は特に制限されない
が、固着密度が低いとPMが一旦捕捉される作用の発現
が困難となるので固着密度は高いことが望ましく、細密
的に固着されていることが望ましい。また耐熱性粒子の
上にさらに耐熱性粒子が固着すると、セル内の目詰まり
が生じるため好ましくない。したがって耐熱性粒子は、
それぞれがセル隔壁又は触媒層に直接固着した単層状態
であることが望ましい。
【0026】触媒層は、アルミナなどの多孔質担体と、
多孔質担体に担持された貴金属とから構成される。多孔
質担体としては、アルミナ,チタニア,ジルコニア,セ
リア,シリカなどの酸化物あるいはこれらから選ばれる
複合酸化物を用いることができる。また貴金属として
は、Pt,Rh,Pd,Irなどから選択して用いることができ
るが、酸化活性が高いPtを少なくとも用いることが望ま
しい。
【0027】触媒層における貴金属の担持量は、 0.5〜
5重量%の範囲が好ましい。担持量が 0.5重量%より少
ないとPM浄化能の発現が困難となり、5重量%より多
く担持すると担持密度の増大によって貴金属に粒成長が
生じる恐れがある。
【0028】触媒層は少なくともセル隔壁の表面に形成
されていればよいが、耐熱性粒子の表面にも形成されて
いることが好ましい。これにより一旦捕捉されたPMと
貴金属との接触確率がさらに向上し、PM浄化能が向上
する。この場合、耐熱性粒子が存在する位置における突
出高さが50〜 300μmとなるようにすることが好まし
い。また、耐熱性粒子の表面に触媒層が形成されていな
い場合には、耐熱性粒子に貴金属を担持することで同様
の効果が発現される。
【0029】触媒層の厚さは、セルの開口面積によって
も異なり、また厚くするほど浄化活性は向上するが、一
般に10〜 200μmの範囲とすることが好ましい。10μm
より薄いと貴金属の担持密度が高くなるために粒成長に
よって活性が低下する恐れがあり、 200μmより厚くす
ると、基材に固着された耐熱性粒子の突出高さが相対的
に低下してPMを一旦捕捉する作用の発現が困難となる
ばかりか、圧損も増大してしまう。
【0030】なお圧損の増大を抑制する観点から、耐熱
性粒子及び触媒層を形成した後のセルの開口面積が、元
のセルの開口面積の30%以上であることが望ましい。
【0031】上記した本発明のPM浄化用触媒を製造す
る本発明の製造方法では、先ず塗布工程において、スト
レートフロー型の基材のセル隔壁の少なくとも一部の表
面に固定剤を塗布し固定剤層を形成する。固定剤として
は、後述の触媒層形成工程における焼成まで耐熱性粒子
を固定できればよく、一時的に固定できるもの、あるい
は持続的に固定できるもののどちらも使用できる。一時
的に固定できる固定剤としては、ポリビニルアルコール
などの各種有機接着剤、各種粘着剤などを用いることが
できる。また持続的に固定できる固定剤としては、アル
ミナゾル,ジルコニアゾルなどのセラミックスゾル、あ
るいは無機接着剤を用いることができる。
【0032】固定剤を塗布するには、固定剤の溶液中に
基材を浸漬し、エアブロー又は吸引によって余分な溶液
を除去する方法によって行うことができる。このように
すれば、溶液の濃度調整によって形成される固定剤層の
厚さを制御することができ、都合がよい。
【0033】次の付着工程では、セル内に耐熱性粒子を
充填し固定剤層に耐熱性粒子を均一に付着させる。均一
に付着させるためには、充填途中にあるいは充填後に基
材を振動させることが好ましい。これによりセル壁面に
耐熱性粒子を細密的に付着させることができる。振動さ
せるには、基材を上下又は左右に振動させる方法、ある
いは基材を回動又は揺動させて振動させる方法で行うこ
とができる。
【0034】触媒層形成工程では、耐熱性粒子が付着し
たセル隔壁表面に酸化物粉末と貴金属とからなる触媒層
が形成される。触媒層の形成は、アルミナなどの多孔質
担体の粉末をバインダと共にスラリーとし、それをウォ
ッシュコートして焼成後に貴金属を担持すればよい。あ
るいは多孔質担体の粉末に貴金属を予め担持した触媒粉
末をウォッシュコートした後に焼成してもよい。貴金属
の担持は、吸着担持法、含浸担持法など公知の方法を採
用することができる。
【0035】なおウォッシュコート時に、耐熱性粒子が
付着している状態を維持していれば、その時点で耐熱性
粒子がセル隔壁に固着していなくても、触媒層形成工程
における焼成時に固着させることができる。例えば固定
剤が有機質であれば、焼成時に焼失するとともに、耐熱
性粒子を触媒層で覆うことで固着させることができる。
また固定剤がアルミナゾルなどであり、その粘着性によ
って耐熱性粒子が付着している場合は、触媒層形成工程
における焼成時にアルミナゾルがアルミナとなることに
よって耐熱性粒子を固着させることができる。しかし固
着強度が弱くなったり、ウォッシュコート時にアルミナ
ゾルが溶出する場合もあるので、付着工程と触媒層形成
工程の間に固定剤層を固化して耐熱性粒子を固着する固
着工程を行うことが望ましい。
【0036】触媒層の表面に耐熱性粒子を固着させるに
は、スラリーをウォッシュコートした後に耐熱性粒子を
ウェットコート層に付着させ、その後に乾燥・焼成する
ことで行うことができる。貴金属の担持は、耐熱性粒子
の付着の前後どちらでもよいが、耐熱性粒子を付着後に
焼成されたコート層に担持するのが好ましい。このよう
にすれば耐熱性粒子の表面にも貴金属を担持することが
でき、PMの浄化活性がさらに向上する。
【0037】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。
【0038】(実施例1)図1に本実施例の排ガス浄化
用触媒の拡大断面図を示す。この排ガス浄化用触媒は、
コーディエライトからなるハニカム状の基材1と、基材
1のセル隔壁10の表面に固着したアルミナ粒子2と、セ
ル隔壁10及びアルミナ粒子2の表面に形成された触媒層
3とから構成されている。以下、この排ガス浄化用触媒
の製造方法を説明して構成の詳細な説明に代える。
【0039】先ずコーディエライト製の円柱形状の基材
1(直径 100mm,長さ 100mm,セル密度 400/in2 )を
用意した。この基材1には、両端が開口した複数のセル
11が形成されている。
【0040】この基材1を、5重量%の濃度のアルミナ
ゾル水溶液に浸漬し、引き上げて余分な溶液を吸引除去
した。これによりアルミナゾル層がセル隔壁10の表面全
体に形成され、その塗布量は基材1の1リットルあたり
20gである。
【0041】続いて平均粒子径 100μmのアルミナ粒子
よりなる粉末を用意し、セル11内に充填した。そして基
材1を各種方向に動かして振動させ、セル11内にアルミ
ナ粉末を均一に充填した。その後、アルミナゾル層に付
着していないアルミナ粒子をセル11から排出し、アルミ
ナ粒子が付着した基材1を 500℃で60分間加熱してアル
ミナゾル層を固化させアルミナ粒子2をセル隔壁10の表
面に均一に固着させた。
【0042】その後、平均粒径5μmのアルミナ粉末50
重量部と、アルミナゾル(固形分5重量%)を2重量部
と、水50重量部とからなるスラリーを調製し、アルミナ
粒子2が固着された基材1を浸漬後引き上げて余分なス
ラリーを吸引除去し、 120℃で 120分間乾燥後 500℃で
120分間焼成してセル隔壁10表面にアルミナコート層を
形成した。続いて所定濃度のジニトロジアンミン白金水
溶液の所定量をアルミナコート層に含浸させ、 120℃で
120分間乾燥後 500℃で 120分間焼成して、アルミナコ
ート層にPtを担持した触媒層3を形成した。触媒層3は
基材1の1リットルあたり 100g形成され、Ptは基材1
の1リットルあたり 1.5g担持されている。
【0043】(実施例2)図2に示すように、基材1の
排ガス流れ方向の上流側半分にアルミナ粒子2を固着し
たこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の排ガス
浄化用触媒を調製した。上流側半分にアルミナ粒子2を
固着するには、基材1の上流側半分部のみアルミナゾル
水溶液に浸漬し、その後実施例1と同様に行えばよい。
【0044】(実施例3)基材1の排ガス流れ方向の下
流側半分にアルミナ粒子2を固着したこと以外は実施例
1と同様にして、実施例3の排ガス浄化用触媒を調製し
た。下流側半分にアルミナ粒子2を固着するには、基材
1の下流側半分部のみアルミナゾル水溶液に浸漬し、そ
の後実施例1と同様に行えばよい。
【0045】(実施例4)図3に示すように、基材1の
排ガス流れ方向の上流側端面から25cmの位置から75cmの
位置まで、つまり中央部の長さ50cmの部分のみにアルミ
ナ粒子2を固着したこと以外は実施例1と同様にして、
実施例4の排ガス浄化用触媒を調製した。このようにア
ルミナ粒子2を中央部に固着する場合は、基材1全体を
アルミナゾル水溶液に浸漬した後に、上・下流部25mmを
水で洗浄してゾル層を除去し、その後実施例1と同様に
行えばよい。
【0046】(実施例5)図4に示すように、基材1の
軸中心から径方向70mm以上の外周部にのみアルミナ粒子
2を固着したこと以外は実施例1と同様にして、実施例
5の排ガス浄化用触媒を調製した。外周部のみにアルミ
ナ粒子2を固着するには、マスキングテープを直径70mm
の円形にカットしたものを用い、基材1の両端面の中央
部に貼付けた後にアルミナゾル水溶液を含浸させ、その
後実施例1と同様に行えばよい。
【0047】(実施例6)図5に示すように、基材1の
軸中心から径方向70mm以内の中心部にアルミナ粒子2を
固着したこと以外は実施例1と同様にして、実施例6の
排ガス浄化用触媒を調製した。マスキングは実施例5と
同様にして行った。
【0048】(比較例1)アルミナゾルの塗布工程とア
ルミナ粒子の付着工程を行わず、触媒層3のみを形成し
たこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の排ガス
浄化用触媒を調製した。
【0049】(比較例2)セル隔壁10の気孔率が50%で
あること以外は実施例1と同様の基材1の両端を交互に
それぞれ市松状にコーディエライト粉末で目詰めして栓
を形成し、DPFを調製した。そしてこのDPFを用
い、アルミナゾルの塗布工程とアルミナ粒子の付着工程
を行わず、触媒層3のみを形成したこと以外は実施例1
と同様にして、比較例2の排ガス浄化用触媒を調製し
た。
【0050】(比較例3)平均粒子径 100μmのアルミ
ナ粒子からなる粉末20重量部と、平均粒径5μmのアル
ミナ粉末30重量部と、アルミナゾル(固形分5重量%)
5重量部と、水50重量部とからなるスラリーを調製し、
実施例1と同様の基材1を浸漬後引き上げて余分なスラ
リーを吸引除去し、 120℃で 120分間乾燥後 500℃で 1
20分間焼成してセル隔壁10表面にアルミナ層を形成し
た。そして実施例1と同様にしてアルミナ層にPtを担持
し、比較例3の排ガス浄化用触媒を調製した。
【0051】この比較例3の触媒では、平均粒子径 100
μmのアルミナ粒子は触媒層3を介してセル隔壁10に固
着された状態となっているが、スラリー中での沈殿など
によって不均一な分布となっている。さらに吸引除去の
際に排出されたアルミナ粒子も多い。
【0052】<試験・評価>上記した各触媒を触媒コン
バータにそれぞれ配置し、エンジンベンチにて2L直噴
ディーゼルエンジンの排気系にそれぞれ取り付けた。そ
してそれぞれ 1500rpm×30Nmで運転し、始動時から 120
分間のPM浄化率と、始動時から 120分後の圧損を測定
した。PM浄化率は、触媒前後のPM濃度を測定して算
出した。また圧損は触媒コンバータ前後の排ガスの圧力
差を測定した。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】表1より、各実施例の触媒は各比較例の触
媒に比べてPM浄化率が高く、PM浄化性能に優れてい
ることが明らかである。一方、比較例1の触媒では、粗
大粒子が固着されていないために圧損は小さいものの、
PM浄化率が低い。また比較例2の触媒では、PM浄化
率はある程度高いものの、DPF構造であるために圧損
が大きい。そして比較例3の触媒では、粗大粒子はある
程度固着されているものの、その分布が不均一であり複
層に固着されている部分も存在するために目詰まりが生
じて圧損が大きく、PM浄化率も低くなっている。
【0055】
【発明の効果】すなわち本発明の排ガス浄化用触媒によ
れば、HC,CO,NOx などのガス状成分のみならずPMの
浄化性能にも優れ、しかも圧損が小さい。そして本発明
の製造方法によれば、このように優れた特性をもつ排ガ
ス浄化用触媒を容易にしかも安定して製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の排ガス浄化用触媒の要部拡
大断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例の排ガス浄化用触媒の模
式的断面図である。
【図3】本発明の第4の実施例の排ガス浄化用触媒の模
式的断面図である。
【図4】本発明の第5の実施例の排ガス浄化用触媒の正
面図である。
【図5】本発明の第6の実施例の排ガス浄化用触媒の正
面図である。
【符号の説明】
1:基材 2:アルミナ粒子(耐熱性粒子)
3:触媒層 10:セル隔壁 11:セル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/10 B01D 53/36 ZAB 104B Fターム(参考) 3G091 AA18 AB02 BA13 BA15 GB01X GB05W GB06W GB07W GB10X GB17X 4D048 AA06 AA13 AA14 AA18 AB01 AB05 BA03X BA06Y BA07Y BA08Y BA10Y BA30X BA39Y BA41X BB02 BB16 BB17 4G069 AA03 BA01A BA01B BA02A BA04A BA05A BA13A BA13B BA17 BB02A BB02B BB11A BB15A BC75A BC75B BD05A CA02 CA03 CA07 CA09 CA18 EA19 EA27 EB12Y EB14Y EC28 EC29 ED06 FA03 FB14 FB15 FB19 FB20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端が開口した複数のセルをもつハニカ
    ム構造のストレートフロー型の基材と、該基材のセル隔
    壁の少なくとも一部に固着された耐熱性粒子と、該セル
    隔壁の表面に形成され貴金属を含む触媒層とよりなり、
    該耐熱性粒子は該触媒層の厚さより粒径が大きな粗大粒
    子を含むことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 【請求項2】 前記耐熱性粒子の粒径は50〜 300μmで
    ある請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 【請求項3】 両端が開口した複数のセルをもつハニカ
    ム構造のストレートフロー型の基材と、該セル隔壁の表
    面に形成され貴金属を含む触媒層と、該触媒層の表面の
    少なくとも一部に固着された粒径が50〜 300μmの耐熱
    性粒子と、よりなることを特徴とする排ガス浄化用触
    媒。
  4. 【請求項4】 両端が開口した複数のセルをもつハニカ
    ム構造のストレートフロー型の基材のセル隔壁の少なく
    とも一部の表面に固定剤を塗布し固定剤層を形成する塗
    布工程と、 該セル内に耐熱性粒子を充填し該固定剤層に該耐熱性粒
    子を均一に付着させる付着工程と、 該セル内から余剰の該耐熱性粒子を排出した後に、該耐
    熱性粒子が付着した該セル隔壁表面に酸化物粉末と貴金
    属とからなる触媒層を形成する触媒層形成工程と、を含
    むことを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記付着工程では、前記基材を振動させ
    ることで前記耐熱性粒子を均一に付着させる請求項4に
    記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記付着工程と前記触媒層形成工程の間
    に、前記固定剤層を固化して前記耐熱性粒子を固着する
    固着工程を行う請求項4に記載の排ガス浄化用触媒の製
    造方法。
JP2002132639A 2002-05-08 2002-05-08 排ガス浄化用触媒とその製造方法 Expired - Fee Related JP3879988B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002132639A JP3879988B2 (ja) 2002-05-08 2002-05-08 排ガス浄化用触媒とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002132639A JP3879988B2 (ja) 2002-05-08 2002-05-08 排ガス浄化用触媒とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003326162A true JP2003326162A (ja) 2003-11-18
JP3879988B2 JP3879988B2 (ja) 2007-02-14

Family

ID=29696101

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002132639A Expired - Fee Related JP3879988B2 (ja) 2002-05-08 2002-05-08 排ガス浄化用触媒とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3879988B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005224666A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Cataler Corp フィルタ触媒およびその触媒層の解析方法
JP2006110431A (ja) * 2004-10-13 2006-04-27 Nippon Steel Corp 浄化性能に優れた触媒担持用メタル担体
WO2006137558A1 (en) * 2005-06-20 2006-12-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Catalyst for purifying exhaust gases and process for producing the same
JP2007038143A (ja) * 2005-08-03 2007-02-15 Toyota Motor Corp 排ガス浄化用触媒の製造方法
JP2008029910A (ja) * 2006-07-26 2008-02-14 Toyota Motor Corp モノリス触媒およびその製造方法
JP2011167582A (ja) * 2010-02-16 2011-09-01 Ngk Insulators Ltd ハニカム触媒体
JP2019171294A (ja) * 2018-03-28 2019-10-10 日本碍子株式会社 ハニカム構造体

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005224666A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Cataler Corp フィルタ触媒およびその触媒層の解析方法
JP4526276B2 (ja) * 2004-02-10 2010-08-18 株式会社キャタラー フィルタ触媒およびその触媒層の解析方法
US8465703B2 (en) 2004-02-10 2013-06-18 Cataler Corporation Filter catalyst and method of analyzing a catalytic layer thereof
JP2006110431A (ja) * 2004-10-13 2006-04-27 Nippon Steel Corp 浄化性能に優れた触媒担持用メタル担体
WO2006137558A1 (en) * 2005-06-20 2006-12-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Catalyst for purifying exhaust gases and process for producing the same
KR100914279B1 (ko) * 2005-06-20 2009-08-27 도요타 지도샤(주) 배기가스정화촉매 및 그 제조방법
JP2007038143A (ja) * 2005-08-03 2007-02-15 Toyota Motor Corp 排ガス浄化用触媒の製造方法
JP4661437B2 (ja) * 2005-08-03 2011-03-30 トヨタ自動車株式会社 排ガス浄化用触媒の製造方法
JP2008029910A (ja) * 2006-07-26 2008-02-14 Toyota Motor Corp モノリス触媒およびその製造方法
JP2011167582A (ja) * 2010-02-16 2011-09-01 Ngk Insulators Ltd ハニカム触媒体
JP2019171294A (ja) * 2018-03-28 2019-10-10 日本碍子株式会社 ハニカム構造体
JP6993919B2 (ja) 2018-03-28 2022-01-14 日本碍子株式会社 ハニカム構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JP3879988B2 (ja) 2007-02-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100814570B1 (ko) 벌집형 구조체
JP3560408B2 (ja) ディーゼル排ガス浄化フィルタおよびその製造方法
JP3862458B2 (ja) ハニカム構造体
US20070140928A1 (en) Low pressure drop coated diesel exhaust filter
JP2004105792A (ja) 排ガス浄化フィルタ触媒及びその製造方法
JP5775512B2 (ja) ハニカムフィルタ及びハニカムフィルタの製造方法
US7947102B2 (en) Soot filter
JP2011104524A (ja) 触媒担持フィルタ、及び排ガス浄化システム
JP5096978B2 (ja) ハニカム触媒体
JP2010269205A (ja) 排ガス浄化用触媒
JP2001327818A (ja) セラミックフィルター及びフィルター装置
JP2009160547A (ja) 排ガス浄化用触媒とその製造方法
JP2003265964A (ja) 排気ガス浄化用の触媒担持フィルタ
JP2004076717A (ja) 排ガス浄化フィルタと排ガス浄化用触媒及びその製造方法
US11090642B2 (en) Honeycomb structure for supporting catalyst and production method therefor
JP2004058013A (ja) 排ガス浄化触媒
JP2002054422A (ja) セラミック製フィルター及びその製造方法
JP2002349234A (ja) ディーゼル排ガス浄化フィルタ
JP4471621B2 (ja) ハニカム構造体
JP3879988B2 (ja) 排ガス浄化用触媒とその製造方法
JP4426381B2 (ja) ハニカム構造体及びその製造方法
JP5714372B2 (ja) ハニカムフィルタの製造方法
JP2007136357A (ja) 排ガス浄化用触媒の製造方法
JP4357776B2 (ja) 排ガス浄化ハニカム構造体
JP4369097B2 (ja) コーティング材、ハニカム構造体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060718

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060919

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061020

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061102

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees