JP2009160547A - 排ガス浄化用触媒とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒金属とPMとが接触し易くする。
【解決手段】スラリー中に含まれたカーボン粉末を焼失させることで、表面からセル隔壁12の細孔2内へ突出する立体構造部30を触媒担持層3に形成した。
立体構造部30によって触媒担持層3の表面粗さが粗くなり、PMが捕捉されやすくなる。さらに細孔2は立体構造部30によって区画されるため、細孔径が小さな複数の小細孔が集まった構造となり、捕捉されたPMと触媒成分との接触面積が増大する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ディーゼル排ガスなどに含まれる粒子状物質(以下、PMという)を効率よく燃焼でき、強制再生時におけるフィルタ基材の熱損傷を抑制できる排ガス浄化用触媒とその製造方法に関する。
ガソリンエンジンについては、排ガスの厳しい規制とそれに対処できる技術の進歩とにより、排ガス中の有害成分は確実に減少している。一方、ディーゼルエンジンについては、有害成分がPM(炭素微粒子、サルフェート等の硫黄系微粒子、高分子量炭化水素微粒子( SOF)等)として排出されるという特異な事情から、ガソリンエンジンの場合より排ガスの浄化が難しい。
そこで従来より、セラミック製の目封じタイプのハニカム体(ディーゼルパティキュレートフィルタ(以下 DPFという))が知られている。この DPFは、セラミックハニカム構造体のセルの開口部の両端を例えば交互に市松状に目封じしてなるものであり、排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、流入側セルと流出側セルを区画するセル隔壁とよりなり、セル隔壁の細孔で排ガスを濾過してPMを捕集する。
しかし DPFでは、PMの堆積によって排ガスの圧力損失(以下、圧損という)が上昇するため、何らかの手段で堆積したPM(主にスート)を定期的に除去して再生する必要がある。そこで従来は、圧損が上昇した場合に高温の排ガスを流してPMを燃焼させることで DPFを再生することが行われている。例えば DPFの上流側に酸化触媒を配置し、HCやCOの多い排ガスを供給して酸化触媒における反応熱で排ガス温度を上昇させ、その高温の排ガスを DPFに供給することで堆積したPMを酸化する方法が知られている。しかしながらこの場合には、PMの堆積量が多いと加速度的な燃焼が生じ、時には熱暴走が生じて DPFの中心部や下流側端部に熱損傷が生じる場合がある。
そこで近年では、例えば特公平07−106290号公報に記載されているように、 DPFのセル隔壁の表面にアルミナなどからコート層を形成し、そのコート層に白金(Pt)などの触媒金属を担持したフィルタ触媒が開発されている。このフィルタ触媒によれば、捕集されたPMが触媒金属の触媒反応によって酸化燃焼するため、捕集と同時にあるいは捕集に連続して燃焼させることでフィルタ触媒を連続的に再生することができる。そして触媒反応は比較的低温で生じること、及び捕集量が少ないうちに燃焼できることから、フィルタ触媒に作用する熱応力が小さく破損が防止されるという利点がある。
また特開平09−094434号公報には、セル隔壁のみならず、セル隔壁の細孔内にも触媒金属を担持したコート層を形成したフィルタ触媒が記載されている。細孔内にも触媒金属を担持することで、PMと触媒金属との接触確率が高まり、細孔内に捕集されたPMも酸化燃焼させることができる。
ところがフィルタ触媒においても、触媒金属が活性化する前の低温域ではPMが堆積する。また高温域であっても、運転状況によって多量のPMが急激にフィルタ触媒に流入した場合には、触媒金属による酸化燃焼が追いつかずPMが堆積する場合がある。そしてPMの堆積が進行すると、触媒金属と接触しないPMが存在するようになり、そのようなPMは酸化燃焼されず堆積状態が保持されるため、圧損が上昇するという不具合がある。
このように圧損が上昇したフィルタ触媒には、堆積したPMを燃焼して除去する強制再生を行う必要があり、一般にはフィルタ触媒前後の排ガス圧力から圧損を検知して強制再生のタイミングを見極める方法などが用いられている。しかしフィルタ触媒内でPMが偏って堆積すると、圧損がさほど上昇しなくても部分的には熱損傷が生じる量に堆積が進行している場合があり、PMの堆積量を精度高く検知することは困難であった。
このような不具合を防止するために、特開2003−225575号公報には、 DPFの特定部位のセル隔壁に粒径1μm以下の多孔質酸化物と貴金属とを含む触媒層を有するフィルタ触媒が記載されている。この触媒層は、粒径が細かいために10μm以下の細孔に優先的に充填され、形成された触媒層によって細孔径が小さくなっている。このためPMが堆積した場合に圧損が上昇し易くなり、PMの堆積を堆積初期に検知することができる。
特公平07−106290号公報 特開平09−094434号公報 特開2003−225575号公報
近年の排ガス規制の強化に伴い、 DPFあるいはフィルタ触媒においては微細なPMも捕捉する必要があり、セル隔壁中の細孔径は小さくなる傾向にある。そのためPMは益々堆積し易くなり、圧損の上昇の抑制が重要な課題となっている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、触媒成分とPMとが接触し易くすることで、PMを効率よく酸化除去できる排ガス浄化用触媒を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化用触媒の特徴は、排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、流入側セルと流出側セルを区画し多数の細孔を有する多孔質のセル隔壁とを有するウォールフロー構造のフィルタ基材と、
セル隔壁の少なくとも細孔内表面に形成された、酸化物担体と酸化物担体に担持された触媒成分とよりなる触媒担持層と、を備え、触媒担持層は、触媒担持層の表面から突出する立体構造部を有することにある。
本発明の排ガス浄化用触媒では、触媒担持層は触媒担持層の表面から突出する立体構造部を有している。したがって立体構造部によって触媒担持層の表面粗さが粗くなり、PMが捕捉されやすくなる。さらに細孔内は立体構造部によって空間が区画されるため、見掛け上は細孔径が小さな複数の小細孔が集まった構造となる。したがって、細孔内に捕捉されたPMと触媒成分との接触面積が増大し、貴金属などの触媒作用によってPMが効率よく酸化燃焼する。
このことにより圧損の上昇が抑制されるとともに、PMが堆積した場合に圧損が上昇し易くなり、PMの堆積を堆積初期に検知することができるため、強制再生時の熱損傷を防止することができる。
また触媒担持層の下層に、第2の酸化物担体と第2の酸化物担体に担持された貴金属とよりなる下触媒担持層をさらに有すれば、貴金属をより均一に分布させることができるため、PMをさらに効率良く酸化燃焼することができる。
本発明の排ガス浄化装置は、フィルタ基材と、フィルタ基材のセル隔壁の細孔内表面に形成された触媒担持層とからなる。このうちフィルタ基材は、排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、流入側セルと流出側セルを区画し多数の細孔を有する多孔質のセル隔壁とをもつ従来の DPFと同様のウォールフロー構造のものである。
フィルタ基材は、金属フォームや耐熱性不織布などから形成することもできるし、コージェライト、炭化ケイ素などの耐熱性セラミックスから製造することもできる。例えば耐熱性セラミックスから製造する場合、コージェライト粉末を主成分とする粘土状のスラリーを調製し、それを押出成形などで成形し、焼成する。コージェエライト粉末に代えて、アルミナ、マグネシア及びシリカの各粉末をコージェライト組成となるように配合することもできる。その後、一端面のセル開口を同様の粘土状のスラリーなどで市松状などに目封じし、他端面では一端面で目封じされたセルに隣接するセルのセル開口を目封じする。その後焼成などで目封じ材を固定することでハニカム構造のフィルタ基材を製造することができる。流入側セル及び流出側セルの形状は、断面三角形、断面四角形、断面六角形、断面円形など、特に制限されない。
セル隔壁は、排ガスが通過可能な多数の細孔をもつ多孔質構造である。セル隔壁に細孔を形成するには、上記したスラリー中にカーボン粉末、木粉、澱粉、樹脂粉末などの可燃物粉末などを混合しておき、可燃物粉末が焼成時に焼失することで細孔を形成することができ、可燃物粉末の粒径及び添加量を調整することで細孔の径と細孔容積を制御することができる。この細孔により流入側セルと流出側セルは互いに連通し、PMは細孔内に捕集されるが気体は流入側セルから流出側セルへと細孔を通過可能となる。
本発明の排ガス浄化装置は、フィルタ基材のセル隔壁の少なくとも細孔内表面に触媒担持層を有している。触媒担持層は、セル隔壁の内部の細孔内表面ばかりでなく、セル隔壁の表面にも形成することが望ましい。この触媒担持層は、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、あるいはこれらから選ばれる複数種からなる複合酸化物の一種又は混合物などから選ばれる多孔質酸化物を担体とし、この担体に貴金属などの触媒成分を担持してなるものである。
触媒担持層の層厚は、数nm〜数10μmの範囲が好ましい。層厚が数nmより薄いと貴金属が粒成長して劣化し易くなり、数10μmより厚くなると圧損が上昇するため好ましくない。
触媒成分である貴金属としては、酸化活性の高いPtを少なくとも含むことが望ましい。またPd、Rhなど、他の貴金属をさらに担持してもよい。貴金属の担持量は、フィルタ基材の1リットルあたり 0.1〜5gの範囲とすることが好ましい。担持量がこれより少ないと活性が低すぎて実用的でなく、この範囲より多く担持しても活性が飽和するとともにコストアップとなってしまう。また貴金属を担持するには、貴金属の硝酸塩などを溶解した溶液を用い、吸着担持法、含浸担持法などによって担持させることができる。
また触媒成分として、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属などをさらに担持することもできる。これらの触媒成分によってPM酸化活性がさらに向上する。
本発明の最大の特徴は、触媒担持層は、触媒担持層の表面から突出する立体構造部を有することにある。立体構造部とは、棘状の突起、あるいはその突起どうしが互いに交絡した網目構造などをいい、層状の触媒担持層の表面から少なくとも細孔内に向かって突出している。したがって細孔は、立体構造部によって空間が区画された状態となり、見掛け上は細孔径が小さな複数の小細孔が集まった構造となる。
この立体構造部は排ガスの透過を許容するので、圧損の上昇を抑制しつつPMの捕集効率が増す。さらに、立体構造部によってセル隔壁は平均細孔径が小さくなっているので、粒径の小さなPMも捕捉することが可能となる。そして細孔内に捕捉されたPMと触媒成分との接触面積が増大するためPMの酸化効率が向上し、またPMの堆積を堆積初期に検知することができるため、強制再生時の熱損傷を防止することができる。
PMは、一次粒子径は数nm〜数10nmであるが、一般には凝集して粒径が数μm〜数10μmの二次粒子となっている。したがって触媒におけるセル隔壁の細孔は、この二次粒子を捕捉できる程度の細孔分布を有すればよい。しかし立体構造部をもつ触媒担持層を形成することで細孔径が小さくなり、気孔率も変化するので、触媒担持層の形成前後で細孔分布を最適に調整することが望ましい。
すなわち触媒担持層の形成前におけるセル隔壁の気孔率は40〜70%であることが望ましい。また触媒担持層の形成前におけるセル隔壁の平均細孔径は6〜30μmであることが望ましい。そして触媒担持層の形成後におけるセル隔壁の気孔率は38〜60%であることが望ましく、触媒担持層の形成後におけるセル隔壁の平均細孔径は5〜22μmであることが望ましい。気孔率又は平均細孔径をこの範囲に調整することで、触媒担持層を 100〜 200g/L形成しても圧損の上昇を抑制することができ、PMをさらに効率よく捕集することができる。
すなわち、気孔率の大きなフィルタ基材を用いながら、気孔率が小さく粒径の小さなPMも捕捉できるフィルタ触媒を形成することができる。したがって汎用品の安価なフィルタ基材を用いつつ、性能が向上したフィルタ触媒とすることができ、コスト面で有利となる。
触媒担持層の下層には、第2の酸化物担体と第2の酸化物担体に担持された貴金属とよりなる下触媒担持層を予め形成しておくことが望ましい。このようにすれば、貴金属をより均一に分布させることができるため、PMをさらに効率良く酸化燃焼することができる。
下触媒担持層に用いられる第2の酸化物担体は、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、あるいはこれらから選ばれる複数種からなる複合酸化物の一種又は混合物などから選ばれる粉末を用いることができる。また貴金属は、Pt、Pd、Rhなどを用いることができる。第2の酸化物担体あるいは貴金属は、上記した触媒担持層と同種のものを用いてもよいし、異種のものであってもよい。
なお下触媒担持層の形成後におけるセル隔壁の気孔率は40〜65%であることが望ましく、下触媒担持層の形成後におけるセル隔壁の平均細孔径は5〜25μmであることが望ましい。
触媒担持層に立体構造部をもつ排ガス浄化用触媒を製造する本発明の製造方法は、酸化物担体粉末と、加熱により焼失する焼失性粉末と、を少なくとも含むスラリーをセル隔壁の細孔内に導入する導入工程と、細孔内に導入されたスラリーを加熱して焼失性粉末を焼失する焼失工程と、を含む。
酸化物担体粉末は、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、あるいはこれらから選ばれる複数種からなる複合酸化物の一種又は混合物などから選ばれる粉末である。また焼失性粉末としては、カーボン粉末、樹脂粉末、ワックス粉末、澱粉、木粉など焼失可能な有機物粉末を用いることができる。酸化物担体粉末は、平均粒径を2nm〜1μmの範囲とすることが望ましい。また焼失性粉末の粒径は、セル隔壁の細孔に入る径であるが、酸化物担体粉末の平均粒径より大きいことが望ましく、平均粒径を8nm〜15μmの範囲とすることが望ましい。
スラリーは、酸化物担体粉末と、焼失性粉末と、水などの分散媒とを少なくとも含み、必要に応じてアルミナゾル、セリアゾルなどのバインダが添加される。そして導入工程では、このスラリーがセル隔壁の細孔内に導入される。例えばフィルタ基材の流入側端面をスラリー中に浸漬し、流出側端面側から吸引することでスラリーをセル隔壁の細孔内に導入することができる。またフィルタ基材の流入側セル内にスラリーを圧入し流出側セルから排出してもよい。
このときスラリーの粘度、吸引又は圧入の程度を調整し、最適な量のスラリーが細孔内に進入した状態とすることが望ましい。例えば流入側セルにスラリーを供給し流出側セルから吸引する方法で導入工程を行う場合には、吸引の負圧を調整することで細孔内に導入されるスラリー量を調整することが望ましい。
そしてセル隔壁の細孔内にスラリーが所定量導入された状態で、乾燥し焼成することで、焼失性粉末が焼失するとともに酸化物担体粉末どうしが焼結する。これにより酸化物担体粉末からなるコート層が形成されるとともに、焼失性粉末の焼失跡にコート層から細孔内に突出した立体構造部が形成される。
またスラリーが充填されることで閉塞される細孔が生じたとしても、焼失性粉末の焼失によって生じたガスが逃げることで他の細孔あるいはセル通路と連通するので、圧損には影響がほとんどない。
なお貴金属を担持するには、上記した立体構造部とコート層とをもつフィルタ基材に貴金属溶液を接触させ、吸着担持法あるいは含浸担持法によって担持することができる。あるいは、酸化物担体粉末に予め貴金属を担持した触媒粉末を用いてスラリーを調製し、立体構造部及びコート層の形成と同時に触媒担持層を形成してもよい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
図1に本発明の一実施例の排ガス浄化用触媒を示す。この排ガス浄化触媒は、排ガス下流側で目詰めされた流入側セル10と、流入側セル10に隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セル11と、流入側セル10と流出側セル11を区画し多数の細孔2をもつセル隔壁12と、からなるフィルタ基材1と、セル隔壁12の表面及び細孔内表面に形成された触媒担持層3とからなる。
セル隔壁12の表面及び細孔2の内表面に形成されている触媒担持層3からは、棘状の突起あるいは網目構造からなる立体構造部30が突出している。
以下、この排ガス浄化用触媒の製造方法を説明し、構成の詳細な説明に代える。
コージェライト製のフィルタ基材1(35cc)を用意した。そのセル隔壁12は、気孔率が65%であり、平均細孔径が22μmである。
<導入工程>
次にセリア粉末に予めPtが1質量%担持されたPt/CeO2粉末(平均粒径15nm)90質量部と、カーボン粉末(平均粒径5μm) 0.5質量部と、セリアゾル(CeO210質量%含有) 100質量部とイオン交換水とを混合し、粘度が100cps以下のスラリーを調製した。そして上記フィルタ基材1の流入側端面をこのスラリーに浸漬し、流出側端面から吸引することで、流入側セル10及び流出側セル11の表面にコートするとともに、図2に示すように細孔2内に適量のスラリー4を導入した。
<焼成工程>
そして 120℃で2時間通風乾燥後、大気中 700℃で2時間焼成した。図2に示すように、細孔2内に導入されたスラリー4に含まれるカーボン粉末40は、焼成時に焼失し、その跡にはPt/CeO2粉末どうしが焼結した棘状あるいは網目状の立体構造部30が形成される。なお立体構造部30を含む触媒担持層3の形成量は、フィルタ基材1の1リットルあたり 100gである。
触媒担持層の形成後に、水銀ポロシメータで測定されたセル隔壁12の気孔率は58%であり、その平均細孔径は17μmである。また触媒担持層3には、フィルタ基材1の1リットルあたり 0.9gのPtが担持されている。
(実施例2)
Al2O3粉末に予めPtが1質量%担持されたPt/Al2O3粉末90質量部と、アルミナゾル(Al2O3 10質量%含有) 100質量部とイオン交換水とからなるスラリーを用意し、実施例1と同様のフィルタ基材にウォッシュコートした後に乾燥、焼成して下触媒担持層を形成した。下触媒担持層はフィルタ基材1の1リットルあたり50gであり、Ptはフィルタ基材1の1リットルあたり0.45g担持されている。
続いて実施例1と同様のスラリーを用い、実施例1と同様にウォッシュコートした後、同様に乾燥、焼成して立体構造部30をもつPt/CeO2からなる上触媒担持層を形成した。上触媒担持層はフィルタ基材1の1リットルあたり50gであり、Ptはフィルタ基材1の1リットルあたり0.45g担持されている。
(比較例1)
カーボン粉末を添加しなかったこと以外は実施例1と同様のスラリーを用い、その他は実施例1と同様にして比較例1の排ガス浄化用触媒を調製した。
(比較例2)
実施例1と同様のフィルタ基材に対して実施例2と同様にして、Pt/Al2O3粉末からなる下触媒担持層を形成し、その後、カーボン粉末を添加しなかったこと以外は実施例1と同様のスラリーを用い、その他は実施例2と同様にしてPt/CeO2からなる上触媒担持層を形成して、比較例2の排ガス浄化用触媒を調製した。
<試験・評価>
各触媒の構成をまとめて表1に示す。
Figure 2009160547
各触媒を、コモンレール式ディーゼルエンジン(排気量 2.2L)の排気系にそれぞれ取付け、1800rpm 、60Nm、入りガス温度 260℃で1時間運転して、フィルタ基材1の容積1リットルあたり3gのPMを捕集した。なおPM捕集量は、触媒の前後に取付けたスモークメータにてPM捕集効率と流入PM量とを計測して算出した。
PMを捕集した各触媒を評価装置にそれぞれ配置し、10%のO2を含むN2ガスの流通下にて、室温から 600℃まで10℃/分の速度で昇温した。昇温中に生成するCO2 量を連続的に測定し、CO2 生成量がピークとなる温度をPM酸化温度として記録した。結果を図3に示す。
図3より、各実施例の触媒は対応する比較例の触媒に比べてPM酸化温度が低く、PMが低温域から酸化燃焼されたことがわかり、これは立体構造部をもつことによる効果であることが明らかである。
また実施例1の触媒より実施例2の触媒の方がPM酸化温度がさらに低いが、これは下触媒担持層においてPtが均一に担持されていることによる効果であると考えられる。
本発明の一実施例に係る排ガス浄化用触媒の構成を示す説明図である。 本発明の排ガス浄化用触媒の製造時における細孔内の変化を示す模式的説明図である。 PM酸化温度を示す棒グラフである。
符号の説明
1:フィルタ基材 2:細孔 3:触媒担持層
10:流入側セル 11:流出側セル 12:セル隔壁

Claims (9)

  1. 排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、該流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、該流入側セルと該流出側セルを区画し多数の細孔を有する多孔質のセル隔壁とを有するウォールフロー構造のフィルタ基材と、
    該セル隔壁の少なくとも該細孔内表面に形成された、酸化物担体と該酸化物担体に担持された触媒成分とよりなる触媒担持層と、を備え、
    該触媒担持層は、該触媒担持層の表面から突出する立体構造部を有することを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 前記立体構造部は棘状の突起及び網目構造の少なくとも一方である請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記触媒担持層の形成前における前記セル隔壁の気孔率が40〜70%であり、前記触媒担持層の形成後における前記セル隔壁の気孔率が38〜60%である請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 前記触媒担持層の形成前における前記セル隔壁の平均細孔径が6〜30μmであり、前記触媒担持層の形成後における前記セル隔壁の平均細孔径が5〜22μmである請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒。
  5. 前記触媒担持層の下層には、第2の酸化物担体と該第2の酸化物担体に担持された貴金属とよりなる下触媒担持層をさらに有する請求項1〜4のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒。
  6. 排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、該流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、該流入側セルと該流出側セルを区画し多数の細孔を有する多孔質のセル隔壁とを有するウォールフロー構造のフィルタ基材を用意し、
    酸化物担体粉末と、加熱により焼失する焼失性粉末と、を少なくとも含むスラリーを該細孔内に導入する導入工程と、
    該細孔内に導入された該スラリーを加熱して該焼失性粉末を焼失する焼失工程と、を含むことを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法。
  7. 前記導入工程は、前記流入側セルに前記スラリーを供給し前記流出側セルから吸引することで行い、吸引の負圧を調整することで前記細孔内に導入されるスラリー量を調整する請求項6に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
  8. 前記焼失性粉末の平均粒径は8nm〜15μmの範囲にある請求項6又は請求項7に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
  9. 前記導入工程の前工程として、第2の酸化物担体粉末を含むスラリーを前記フィルタ基材にウォッシュコートし、前記セル隔壁の表面及び前記細孔の内表面に下触媒担持層を形成する下層形成工程をさらに行う請求項6〜8のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
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