JP2005248726A - 排ガス浄化用フィルタ触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】NOx 吸蔵能を向上させるとともに、耐硫黄被毒性も向上させる。
【解決手段】流出側セル11に表出するセル隔壁12の表面に形成された触媒層21は、水銀圧入法で測定されたマクロ孔の孔径のピーク値が 0.2μmより大きく 2.0μm以下であり、貴金属とともにNOx 吸蔵材を担持している構成とした。
マクロ孔をもつ構成としたことで、ガス拡散性が大きく向上し、NOx 吸蔵能が向上するとともに硫黄被毒したNOx 吸蔵材のNOx 吸蔵能が速やかに回復する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジンからの排ガスなど、パティキュレートを含む排ガスを浄化する排ガス浄化用フィルタ触媒に関し、詳しくはNOx 浄化性能と耐硫黄被毒性に優れた排ガス浄化用フィルタ触媒に関する。
ガソリンエンジンについては、排ガスの厳しい規制とそれに対処できる技術の進歩とにより、排ガス中の有害成分は確実に減少されてきている。しかし、ディーゼルエンジンについては、有害成分がパティキュレート(粒子状物質:炭素微粒子、サルフェート等の硫黄系微粒子、高分子量炭化水素微粒子等、以下PMという)として排出されるという特異な事情から、規制も技術の進歩もガソリンエンジンに比べて遅れている。
現在までに開発されているディーゼルエンジン用排ガス浄化装置としては、大きく分けてトラップ型の排ガス浄化装置(ウォールフロー)と、オープン型の排ガス浄化装置(ストレートフロー)とが知られている。このうちトラップ型の排ガス浄化装置としては、セラミック製の目封じタイプのハニカム体(ディーゼルPMフィルタ(以下 DPFという))が知られている。この DPFは、セラミックハニカム構造体のセルの開口部の両端を例えば交互に市松状に目封じしてなるものであり、排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、流入側セルと流出側セルを区画するセル隔壁とよりなり、セル隔壁の細孔で排ガスを濾過してPMを捕集することで排出を抑制するものである。
しかし DPFでは、PMの堆積によって圧損が上昇するため、何らかの手段で堆積したPMを定期的に除去して再生する必要がある。そこで従来は、圧損が上昇した場合に高温の排ガスを流通させたり、バーナあるいは電気ヒータ等で加熱することで堆積したPMを燃焼させ、 DPFを再生することが行われている。しかしながらこの場合には、PMの堆積量が多いほど燃焼時の温度が上昇し、それによる熱応力で DPFが破損する場合もある。
そこで近年では、例えば特開平09−173866号公報に記載されているように、 DPFのセル隔壁の表面にアルミナなどからコート層を形成し、そのコート層に白金(Pt)などの貴金属を担持した連続再生式 DPF(フィルタ触媒)が開発されている。このフィルタ触媒によれば、捕集されたPMが貴金属の触媒反応によって酸化燃焼するため、捕集と同時にあるいは捕集に連続してPMを燃焼させることでフィルタ機能を再生することができる。そして触媒反応は比較的低温で生じること、及び捕集量が少ないうちにPMを燃焼できることから、 DPFに作用する熱応力が小さく破損が防止されるという利点がある。またコート層に貴金属とともにNOx 吸蔵材を担持すれば、リーン雰囲気でNOx をNOx 吸蔵材に吸蔵することができ、間欠的に軽油などの還元剤を排ガス中に添加してリッチ雰囲気とすることでNOx 吸蔵材から放出されたNOx を還元浄化できるので、高いNOx 浄化性能が発現される。
そして特開2002−191976号公報には、NOx 吸蔵還元触媒の担体として Al2O3−ZrO2−TiO2複合酸化物が好ましいことが記載されている。この Al2O3−ZrO2−TiO2複合酸化物は酸性度が高いためSOx との親和性が低い。すなわち排ガス中のSOx の近接が抑制されるため、NOx 吸蔵材とSOx との反応を抑制することができ、SOx と反応することによるNOx 吸蔵能の低下という硫黄被毒を抑制することができる。したがって上記したフィルタ触媒のコート層を構成する多孔質酸化物として Al2O3−ZrO2−TiO2複合酸化物を用いれば、耐硫黄被毒性に優れたフィルタ触媒となることが期待される。
フィルタ触媒においては、セル隔壁の細孔内にもコート層を形成するために、コート層形成用のスラリーを十分にミリングして多孔質酸化物の粒径を1μm未満と小さくしている。しかしながら、このようなスラリーから形成されたコート層では、多孔質酸化物粒子間の隙間が小さくなってガス拡散性が低下するため、 Al2O3−ZrO2−TiO2複合酸化物を用いてもNOx 吸蔵能及び耐硫黄被毒性能が期待されるほど向上しないという不具合があった。
特開平09−173866号 特開2002−191976号
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、フィルタ触媒においてNOx 吸蔵能を向上させるとともに、耐硫黄被毒性も向上させることを目的とする。
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒の特徴は、排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、流入側セルと流出側セルを区画し多数の細孔を有する多孔質のセル隔壁と、セル隔壁の表面及び細孔内表面に形成され多孔質酸化物に触媒金属を担持してなる触媒層と、を有するウォールフロー構造のフィルタ触媒であって、
流出側セルに表出するセル隔壁の表面に形成された触媒層は、水銀圧入法で測定されたマクロ孔の孔径のピーク値が 0.2μmより大きく 2.0μm以下であり、貴金属とともにNOx 吸蔵材を担持していることにある。
流出側セルに表出するセル隔壁の表面に形成された触媒層に含まれる多孔質酸化物は、粒径が2μm以上であることが望ましい。またこの場合、流入側セルに表出するセル隔壁の表面に形成された触媒層に含まれる多孔質酸化物は、粒径が2μm未満であることが望ましい。
また流出側セルに表出するセル隔壁の表面に形成された触媒層は、粒径が3μm以下の多孔質酸化物からなる下層と、粒径が3μmを超える多孔質酸化物からなる上層との2層構造をなすことも好ましい。
そして少なくとも流出側セルに表出するセル隔壁の表面に形成された触媒層に含まれる多孔質酸化物は、 Al2O3−ZrO2−TiO2複合酸化物であることが特に望ましい。
本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒によれば、NOx 吸蔵能に優れ、硫黄被毒してもその回復性に優れているので高いNOx 吸蔵能を長期間維持することができる。そして多孔質酸化物として Al2O3−ZrO2−TiO2複合酸化物を用いれば、界面がきわめて多いので特に高いNOx 吸蔵能が発現され、硫黄被毒の回復能も特に優れている。
本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒では、流出側セルに表出するセル隔壁の表面に形成された触媒層は、水銀圧入法で測定されたマクロ孔の孔径のピーク値が 0.2μmより大きく 2.0μm以下であり、貴金属とともにNOx 吸蔵材を担持している。流出側セルの触媒層をこのようなマクロ孔をもつ構成としたことで、ガス拡散性が大きく向上し、NOx 吸蔵能が向上するとともに硫黄被毒したNOx 吸蔵材のNOx 吸蔵能を速やかに回復させることができる。
このようにマクロ孔を形成するには、大きな粒径の多孔質酸化物粉末を用いて触媒層を形成するが、その粒径は2μm以上とすることが望ましい。粒径が2μm未満ではマクロ孔の孔径のピーク値を 0.2μmより大きく 2.0μm以下とすることが困難となり、PMの捕集能が低下する結果、NOx 吸蔵能も低下してしまう。粒径の上限は特に制限されないが、10μm以下とすることが好ましい。粒径が大きくなってマクロ孔の孔径のピーク値が 2.0μmを超えると、PMの捕集効率が低下しNOx 吸蔵能も低下してしまう。
フィルタ触媒として機能させるためには、セル隔壁の細孔中にも触媒層を形成する必要がある。また流出側セルの触媒層を上記構成とすれば、流入側セルの触媒層は特に制約がない。したがって流入側セルには、粒径が2μm未満の多孔質酸化物から触媒層を形成し、それと同時にセル隔壁の細孔中にも触媒層を形成することが望ましい。流入側セルの触媒層を粒径が2μm以上の多孔質酸化物から形成すると、細孔が閉塞される恐れがあり、さらにPMの堆積によって排気圧損が上昇するため好ましくない。
また流出側セルに表出するセル隔壁の表面に形成された触媒層を、粒径が3μm以下の多孔質酸化物からなる下層と、粒径が3μmを超える多孔質酸化物からなる上層との2層構造とすれば、触媒層の表面が粗くなるとともにマクロ孔の孔径のピーク値を 0.2μmより大きく 2.0μm以下とすることができる。したがって触媒層の凸部にPMが衝突することで凹部にPMを捕集することができ、かつ凸部のマクロ孔にもPMを捕集できるので、PM捕集効率が向上する。
すなわち本発明のフィルタ触媒によれば、セル隔壁で主としてPMを捕集し、主として流出側セルでNOx を吸蔵・浄化する構成とし、流出側セルの機能をNOx 浄化に特化している。従来のフィルタ触媒では流入側セルと流出側セルとで触媒層が同一であり、セル隔壁の細孔を目詰まりさせないように1μm以下の多孔質酸化物粉末を用いていたため、マクロ孔が少なくガス拡散性が低くなってNOx 吸蔵能及び硫黄被毒回復能が不十分であった。しかし本発明によれば、機能を分離したため流出側セルにマクロ孔を形成でき、それによって従来と同等のPM捕集効率を発現させつつ、NOx 吸蔵能及び硫黄被毒回復能が向上する。
本発明のフィルタ触媒の基体は、従来の DPFと同様の目封じタイプのハニカム体である。このニカム体は、コーディエライト、炭化ケイ素などの耐熱性セラミックスから製造することができる。例えばコーディエライト粉末を主成分とする粘土状のスラリーを調製し、それを押出成形などで成形し、焼成する。コーディエライト粉末に代えて、アルミナ、マグネシア及びシリカの各粉末をコーディエライト組成となるように配合することもできる。その後、一端面のセル開口を同様の粘土状のスラリーなどで市松状などに目封じし、他端面では一端面で目封じされたセルに隣接するセルのセル開口を目封じする。その後焼成などで目封じ材を固定することで製造することができる。
ハニカム体のセル隔壁に細孔を形成するには、上記したスラリー中にカーボン粉末、木粉、澱粉、樹脂粉末などの可燃物粉末などを混合しておき、可燃物粉末が焼成時に消失することで細孔を形成することができ、可燃物粉末の粒径及び添加量を調整することで表面空孔及び内部細孔の径の分布と開口面積を制御することができる。
ハニカム体のセル隔壁における細孔分布は、従来の DPFと同様に、気孔率が40〜80%、平均細孔径が10〜50μmの範囲とすることができる。気孔率または平均細孔径がこの範囲から外れると、PMの捕集効率が低下したり、排気圧損が上昇したりする場合がある。
セル隔壁の表面及び細孔内表面には、多孔質酸化物に触媒金属を担持してなる触媒層が形成されている。多孔質酸化物は、アルミナ、セリア、ジルコニア、チタニアなどの酸化物あるいはこれらの複数種からなる複合酸化物を用いることができるが、 Al2O3−ZrO2−TiO2複合酸化物を用いることが特に望ましい。 Al2O3−ZrO2−TiO2複合酸化物は、 Al2O3粒子とZrO2−TiO2複合酸化物粒子とがナノレベルで混合された構造をもち、粒界の界面がきわめて大きい。また酸性担体であるために、硫黄酸化物の近接が抑制されNOx 吸蔵材の硫黄被毒が抑制される。したがってマクロ孔の孔径のピーク値を 0.2μmより大きく 2.0μm以下とすることで、その界面を有効に活用することができ、ガス拡散性に優れるためNOx 吸蔵能及び硫黄被毒の回復能に特に優れている。またマクロ孔によるPMの捕集も期待される。
貴金属としては、Pt、Rh、Pd、Ir、Ruなどの白金族の貴金属から選ばれた一種あるいは複数種を用いることが好ましい。貴金属の担持量は、ハニカム体の体積1Lあたり 0.1〜5gとするのが好ましい。担持量がこれより少ないと活性が低すぎて実用的でなく、この範囲より多く担持しても活性が飽和するとともにコストアップとなってしまう。
触媒層は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれるNOx 吸蔵材をさらに担持している。触媒層にNOx 吸蔵材を含んでいるので、貴金属による酸化によって生成したNO2 をNOx 吸蔵材に吸蔵でき、NOx の浄化活性がさらに向上する。NOx 吸蔵材の担持量は、ハニカムの体積1リットルあたり0.05〜1.00モルの範囲とすることが好ましい。担持量がこれより少ないと活性が低すぎて実用的でなく、この範囲より多く担持すると触媒金属を覆って活性が低下するようになる。
ハニカム体に触媒層を形成するには、多孔質酸化物粉末をアルミナゾルなどのバインダ成分及び水とともにスラリーとし、そのスラリーをセル隔壁に付着させた後に焼成し、その後に貴金属及びNOx 吸蔵材を担持すればよい。流出側セルの触媒層を形成するには、多孔質酸化物粉末の粒径を2〜10μmとなるようにスラリーを調整する。一方、流入側セルの触媒層を形成するには、多孔質酸化物粉末の粒径を2μm未満、好ましくは1μm以下となるようにスラリーを調整する。流出側セルと流入側セルで異種の多孔質酸化物を用いることもできるが、少なくとも流出側セルは Al2O3−ZrO2−TiO2複合酸化物を用いることが望ましい。
スラリーをセル隔壁に付着させるには通常の浸漬法を用いることができるが、エアブローあるいは吸引によって、セル隔壁の細孔に強制的にスラリーを充填するとともに、細孔内に入ったスラリーの余分なものを除去することが望ましい。しかしセル隔壁の細孔中に流出側セルの触媒層が浸入することは好ましくないので、先ず流入側セルに流入側セル用スラリーを含浸させて流出側セルから吸引することでセル隔壁の細孔中にも触媒層を形成し、流出側セルに流出側セル用スラリーを含浸させた後は流出側セルからスラリーを排出することが好ましい。
流入側セルに形成される触媒層の形成量は、ハニカム体の体積1Lあたり30〜 200gとすることが好ましい。一方、流出側セルに形成される触媒層の形成量は、ハニカム体の体積1Lあたり30〜 200g/Lとすることが好ましい。触媒層がこれらの範囲より少ないと貴金属あるいはNOx 吸蔵材の耐久性の低下が避けられず、これらの範囲を超えると排気圧損が高くなりすぎて実用的ではない。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
図1に本実施例のフィルタ触媒の要部断面図を示す。このフィルタ触媒は、排ガス下流側で目詰めされた流入側セル10と、流入側セル10に隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セル11と、流入側セル10と流出側セル11を区画し多数の細孔を有する多孔質のセル隔壁12と、からなるハニカム体1を基体としている。流入側セル10の表面及びセル隔壁12の細孔には第1触媒層20が形成され、流出側セル11の表面には第2触媒層21が形成されている。
以下、このフィルタ触媒の製造方法を説明し、構成の詳細な説明に代える。
γ-Al2O3粉末 100重量部と、TiO2−ZrO2固溶体粉末(重量比TiO2/ZrO2=3/7) 100重量部と、Rhを 0.5重量部含んだ塩化ロジウム水溶液を50重量部のZrO2粉末に吸水させ 250℃で1時間焼成してなるRh/ZrO2触媒粉末50重量部と、硝酸アルミニウム20重量部と、水酸化アルミニウム10重量部と、イオン交換水 200重量部を混合して懸濁液を調製した。
この懸濁液をミリングして平均粒子径が 0.6μmのスラリーを調製し、上記ハニカム体1(容積2000cc)の流入側セル10内に充填した後、流出側セル11側から吸引した。次いで同じ懸濁液をミリングして平均粒子径が 3.0μmのスラリーを調製し、流出側セル11内に充填した後、流出側セル11側から吸引した。そして 120℃で2時間乾燥し、 500℃で1時間焼成して、第1触媒層20及び第2触媒層21を形成した。第1触媒層20は 150g/L形成され、第2触媒層21は50g/L形成された。
次に、Ptを2g含むジニトロジアミン白金溶液を全体に吸水させ、 250℃で1時間焼成してPtを担持した。次いで酢酸バリウム水溶液、硝酸カリウム水溶液、硝酸リチウム水溶液を、Ba:0.05モル、K: 0.025モル、Li: 0.3モルとなるようにそれぞれ吸水させ、それぞれ 500℃で2時間焼成してNOx 吸蔵材を担持した。
得られたフィルタ触媒において、水銀圧入法で測定された第1触媒層20のマクロ孔の孔径のピーク値は 0.2μmであり、第2触媒層21のマクロ孔の孔径のピーク値は 0.6μmであった。
このフィルタ触媒を 2.0Lのディーゼルエンジンを搭載したエンジンベンチの排気系に装着し、先ず 700℃の排ガスを50時間流通させる耐久試験を行い、その後 400℃の排ガスを3時間流通させる硫黄被毒耐久試験を行った。次に、硫黄被毒を再生するため、 2000rpm、10Nmの条件にて、触媒床温度が 650℃になるようにし、噴射ノズルから排ガス中に軽油を噴射っした。
そして再生処理後のフィルタ触媒を再び上記エンジンベンチに装着し、ディーゼルエンジンを回転数 2900rpmで駆動し、フィルタ触媒に流入する排ガス温度を 300℃に設定し、噴射ノズルから軽油を10秒毎に 0.1秒間、間欠的に排ガス中に噴射した。軽油の噴射量は、 A/Fが14.2相当で燃焼されたリッチ雰囲気の排ガスとなるようにした。この条件下において、NOx 浄化率を連続的に測定し、NOx 浄化率が安定した時点で軽油の噴射を停止し、その後にフィルタ触媒に吸蔵されたNOx 吸蔵量を測定した。結果を図2に示す。
(実施例2)
γ-Al2O3粉末 100重量部とTiO2−ZrO2固溶体粉末 100重量部に代えて、 Al2O3−ZrO2−TiO2複合酸化物粉末(重量比 Al2O3/ZrO2/TiO2=50/35/15) 200重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして懸濁液を調製し、同様にして第1触媒層20及び第2触媒層21を形成した。そして同様に貴金属及びNOx 吸蔵材を担持し、本実施例のフィルタ触媒を調製した。
得られたフィルタ触媒において、水銀圧入法で測定された第1触媒層20のマクロ孔の孔径のピーク値は 0.2μmであり、第2触媒層21のマクロ孔の孔径のピーク値は 1.2μmであった。
なお、実施例1及び実施例2において、用いたγ-Al2O3粉末とTiO2−ZrO2固溶体粉末との混合粉末と、 Al2O3−ZrO2−TiO2複合酸化物粉末との細孔分布を図4に示す。なおマクロ孔とは孔径0.05μm(50nm)以上の細孔をいい、メソ孔とは孔径2〜50nmの細孔をいい、ミクロ孔とは2nm以下の細孔をいう。
図4から明らかなように、 Al2O3−ZrO2−TiO2複合酸化物粉末は混合粉末に比べてマクロ孔の孔径が大きく、孔径のピーク値が 0.2〜 2.0μmのマクロ孔を形成するのに有利である。
本実施例のフィルタ触媒について実施例1と同様に試験を行い、NOx 吸蔵量を測定した。結果を図2に示す。
(実施例3)
実施例2と同様の懸濁液を用い、同様にして第1触媒層20を形成した。次に実施例2と同様の懸濁液をミリングして平均粒子径が 3.0μm以下のスラリーを調製し、流出側セル11内に充填した後、流出側セル11側から吸引した。その後 120℃で2時間乾燥し、 500℃で1時間焼成して下層を形成した。次いで実施例2と同様の懸濁液をミリングして平均粒子径が10μmのスラリーを調製し、流出側セル11内に充填した後、流出側セル11側から吸引した。その後 120℃で2時間乾燥し、 500℃で1時間焼成して下層の表面に上層を形成し、下層と上層とからなる第2触媒層21を形成した。
第1触媒層20は 150g/L形成され、第2触媒層21は50g/L、うち下層は35g/L、上層は15g/L形成された。そして同様に貴金属及びNOx 吸蔵材を担持し、本実施例のフィルタ触媒を調製した。
得られたフィルタ触媒において、水銀圧入法で測定された第1触媒層20のマクロ孔の孔径のピーク値は 0.2μmであり、第2触媒層21のマクロ孔の孔径のピーク値は 1.8μmであった。
本実施例のフィルタ触媒について実施例1と同様に試験を行い、NOx 吸蔵量を測定した。結果を図2に示す。また上記耐久試験時におけるPM捕集率を測定し、結果を図3に示す。
(比較例1)
実施例1と同様の懸濁液をミリングして平均粒子径が 0.6μmのスラリーを調製し、上記ハニカム体1の流入側セル10及び流出側セル11側に充填した後、流入側セル10及び流出側セル11の両方から吸引した。そして 120℃で2時間乾燥し、 500℃で1時間焼成して触媒層を形成した。そして同様に貴金属及びNOx 吸蔵材を担持し、本比較例のフィルタ触媒を調製した。
得られたフィルタ触媒において、水銀圧入法で測定された触媒層のマクロ孔の孔径のピーク値は 0.2μmであった。
本比較例のフィルタ触媒について実施例1と同様に試験を行い、NOx 吸蔵量を測定した。結果を図2に示す。また上記耐久試験時におけるPM捕集率を測定し、結果を図3に示す。
<評価>
図2より、実施例1のフィルタ触媒は比較例1に比べて高いNOx 吸蔵能を示し、これは実施例1のフィルタ触媒が比較例1に比べて硫黄被毒回復能に優れていることを意味する。この効果は、第2触媒層21のマクロ孔の孔径のピーク値を大きくしたことによるものであることが明らかである。
また実施例2のフィルタ触媒は実施例1よりさらに高いNOx 吸蔵能を示し、γ-Al2O3粉末とTiO2−ZrO2固溶体粉末との混合粉末より Al2O3−ZrO2−TiO2複合酸化物粉末を用いるのがさらに好ましいことも明らかである。
そして実施例3のフィルタ触媒は、マクロ孔ピーク値が上昇しているものの、マクロ孔の大きな触媒層のコート量が少ないため、実施例2とほぼ同等のNOx 吸蔵能を示している。しかし図3からPM捕集率が比較例1や実施例2に比べて格段に向上し、これは流出側の第2触媒層を2層とし、表面を粗くした効果であることが明らかである。
本発明の一実施例のフィルタ触媒の要部拡大断面図である。 実施例及び比較例のフィルタ触媒のNOx 吸蔵能を示すグラフである。 実施例及び比較例のフィルタ触媒のPM捕集率を示すグラフである。 γ-Al2O3粉末とTiO2−ZrO2固溶体粉末との混合粉末と、 Al2O3−ZrO2−TiO2複合酸化物粉末の細孔分布図である。
符号の説明
1:ハニカム体 10:流入側セル 11:流出側セル
12:セル隔壁 20:第1触媒層(流入側) 21:第2触媒層(流出側)

Claims (5)

  1. 排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、該流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、該流入側セルと該流出側セルを区画し多数の細孔を有する多孔質のセル隔壁と、該セル隔壁の表面及び該細孔内表面に形成され多孔質酸化物に触媒金属を担持してなる触媒層と、を有するウォールフロー構造のフィルタ触媒であって、
    該流出側セルに表出する該セル隔壁の表面に形成された該触媒層は、水銀圧入法で測定されたマクロ孔の孔径のピーク値が 0.2μmより大きく 2.0μm以下であり、貴金属とともにNOx 吸蔵材を担持していることを特徴とする排ガス浄化用フィルタ触媒。
  2. 前記流出側セルに表出する前記セル隔壁の表面に形成された前記触媒層に含まれる前記多孔質酸化物は、粒径が2μm以上である請求項1に記載の排ガス浄化用フィルタ触媒。
  3. 前記流入側セルに表出する前記セル隔壁の表面に形成された前記触媒層に含まれる前記多孔質酸化物は、粒径が2μm未満である請求項2に記載の排ガス浄化用フィルタ触媒。
  4. 前記流出側セルに表出する前記セル隔壁の表面に形成された前記触媒層は、粒径が3μm以下の前記多孔質酸化物からなる下層と、粒径が3μmを超える前記多孔質酸化物からなる上層との2層構造をなす請求項1に記載の排ガス浄化用フィルタ触媒。
  5. 少なくとも前記流出側セルに表出する前記セル隔壁の表面に形成された前記触媒層に含まれる前記多孔質酸化物は Al2O3−ZrO2−TiO2複合酸化物である請求項1〜4のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタ触媒。
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