JP2014198319A - 流体浄化装置および流体浄化方法 - Google Patents

流体浄化装置および流体浄化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧力損失を抑制しつつ広範な温度範囲でゼオライトおよび/またはバナジウムの触媒作用による良好な被処理流体の浄化を可能とする技術を提供する。
【解決手段】ゼオライトおよび/またはバナジウムを含む触媒(I)を担持量200〜400g/Lにて担持する第1触媒体100とゼオライトおよび/またはバナジウムを含む触媒(II)を担持量50〜200g/Lにて担持する第2触媒体200と缶体300とを備え、第1触媒体100は触媒(I)を担持する多孔質の隔壁を有してセル密度(i)7〜62個/cmである第1ハニカム構造部を有し、第2触媒体200は触媒(II)を担持する多孔質の隔壁を有してセル密度(ii)がセル密度(i)よりも大きくかつ62〜186個/cmである第2ハニカム構造部を有する流体浄化装置1。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関から排出される排ガスなどの浄化に使用される流体浄化装置および流体浄化方法に関する。
自動車のエンジンなどの内燃機関から排出される排ガス(流体)には、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NO)などの有害物質が含まれている。こうした有害物質を低減し、排ガスを浄化する際には、触媒反応が広く用いられている。この触媒反応では、排ガスを触媒に接触させるという簡便な方法により、一酸化炭素(CO)などの有害な物質を無害な物質に変換可能である。そのため、自動車などではエンジンからの排気系の途中に触媒を設置して、排ガスの浄化を行うことが一般的になっている。
排ガスなどの流体を触媒を用いて浄化する際には、ハニカム構造体に触媒を担持させたハニカム触媒体が広く採用されている。ハニカム触媒体では、触媒を担持させた隔壁によって蜂の巣構造(ハニカム構造)が形作られている。ハニカム構造の隔壁に触媒を担持させることにより、触媒体における容積当たりの触媒の表面積が大きくなるので、排ガスと触媒とが高頻度で接触することになる。その結果、ハニカム触媒体では、触媒反応が促進され、高効率の排ガスの浄化が可能になる。
上述のハニカム触媒体に担持される触媒としてゼオライトやバナジウムを用いることがある。金属置換ゼオライト(例えば、銅イオン交換ゼオライト、鉄イオン交換ゼオライト)は、排ガス浄化用のハニカム触媒体においてNO選択還元用SCR触媒として用いられている(例えば、特許文献1)。
ゼオライトやバナジウムの触媒活性は、300℃未満の低温域では触媒の表面積の大きさには依存せずに触媒量の多さに依存する傾向があるのに対し、300℃以上の高温域では触媒量の多さよりも触媒の表面積の大きさに依存する傾向がある。そのため、ゼオライトやバナジウムの触媒活性を広い温度範囲で効果的に発現させるには、触媒量を多くかつ触媒の表面積を大きくすることが要求される。
こうした要求に応え得る技術として、隔壁の気孔率30%以上かつセル密度93個/cm以上のハニカム構造体が提案されている(例えば、特許文献2)。このハニカム構造体によれば、隔壁の気孔率30%以上であることにより、触媒を隔壁の細孔内に充填させることが可能になり、その結果、触媒量を多くすることが可能になる。また、このハニカム構造体では、セル密度93個/cm以上という高セル密度であるので、隔壁の表面積が大きく、これに伴って、隔壁に担持される触媒の表面積も大きくすることが可能になる。
特開2009−154148号公報 特開2000−225340号公報
ところが、ゼオライトやバナジウムは嵩高い物質であるため、ゼオライトやバナジウムの担持量を増加させると、たとえ隔壁の気孔率が30%以上であっても、隔壁の表面上にゼオライトやバナジウムが厚く堆積してしまう。ここで、高セル密度の場合には、各セルにおける流体の通過する空間の断面積(開口面積)が小さいので、隔壁の表面上にゼオライトやバナジウムが厚く堆積してしまうと、各セルにおける流体の通過する空間の断面積(開口面積)がさらに小さくなってしまう。そのため、隔壁の気孔率30%以上かつセル密度93個/cm以上のハニカム構造体であっても、ゼオライトやバナジウムの担持量を多くすると、圧力損失の増大が避けられない。
上記の問題に鑑みて、本発明の目的は、圧力損失を抑制しつつ広範な温度範囲でゼオライトおよび/またはバナジウムの触媒作用による良好な被処理流体の浄化を可能とする技術を提供することにある。
本発明は、以下に示す流体浄化装置および流体浄化方法である。
[1] 被処理流体の流路を構成するとともにゼオライトおよび/またはバナジウムを含む触媒(I)を担持量200〜400g/Lにて担持する第1触媒体と、前記被処理流体の流路を構成するとともに前記被処理流体の流れにおいて前記第1触媒体の下流に設けられ、ゼオライトおよび/またはバナジウムを含む触媒(II)を担持量50〜200g/Lにて担持する第2触媒体と、前記第1触媒体を上流側、前記第2触媒体を下流側に収容した缶体と、を備え、前記第1触媒体は、前記被処理流体の流路となる複数のセルを区画形成しつつ前記触媒(I)を担持する多孔質の隔壁を有する第1ハニカム構造部を有し、該第1ハニカム構造部のセル密度(i)が7〜62個/cmであり、前記第2触媒体は、前記被処理流体の流路となる複数のセルを区画形成しつつ前記触媒(II)を担持する多孔質の隔壁を有する第2ハニカム構造部を有し、該第2ハニカム構造部のセル密度(ii)が前記セル密度(i)よりも大きくかつ62〜186個/cmである流体浄化装置。
[2] 前記第1ハニカム構造部は、前記触媒(I)を担持させる前の気孔率(A)が50%以上でありかつ前記触媒(I)を担持させた状態での気孔率(B)が前記気孔率(A)の0.1〜0.6倍である前記[1]に記載の流体浄化装置。
[3] 前記第2ハニカム構造部は、前記触媒(II)を担持させる前の気孔率(A)が50%以上でありかつ前記触媒(II)を担持させた状態での気孔率(B)が前記気孔率(A)の0.1〜0.6倍である前記[1]または[2]に記載の流体浄化装置。
[4] 被処理流体の流通経路に、ゼオライトおよび/またはバナジウムを含む触媒(I)を担持量200〜400g/Lにて担持する第1触媒体を設けて前記被処理流体の処理を行う第1工程と、前記被処理流体の前記流通経路における前記第1触媒体の下流に、ゼオライトおよび/またはバナジウムを含む触媒(II)を担持量50〜200g/Lにて担持する第2触媒体を設けて前記被処理流体の処理を行う第2工程と、を有し、前記第1触媒体は、前記被処理流体の流路となる複数のセルを区画形成しつつ前記触媒(I)を担持する多孔質の隔壁を有する第1ハニカム構造部を有し、該第1ハニカム構造部のセル密度(i)が7〜62個/cmであり、前記第2触媒体は、前記被処理流体の流路となる複数のセルを区画形成しつつ前記触媒(II)を担持する多孔質の隔壁を有する第2ハニカム構造部を有し、該第2ハニカム構造部のセル密度(ii)が前記セル密度(i)よりも大きくかつ62〜186個/cmである流体浄化方法。
[5] 前記第1ハニカム構造部は、前記触媒(I)を担持させる前の気孔率(A)が50%以上でありかつ前記触媒(I)を担持させた状態での気孔率(B)が前記気孔率(A)の0.1〜0.6倍である前記[4]に記載の流体浄化方法。
[6] 前記第2ハニカム構造部は、前記触媒(II)を担持させる前の気孔率(A)が50%以上でありかつ前記触媒(II)を担持させた状態での気孔率(B)が前記気孔率(A)の0.1〜0.6倍である前記[4]または[5]に記載の流体浄化方法。
本発明の流体浄化装置および流体浄化方法によれば、第1触媒体における触媒担持量が多いので、触媒量に依存する低温域での触媒活性を高めることが可能となる。さらに、本発明の流体浄化装置および流体浄化方法によれば、第1触媒体が低セル密度なので、各セルにおける被処理流体の流通する空間の断面積が確保され、第1触媒体における圧力損失を抑制可能となる。
また、本発明の流体浄化装置および流体浄化方法によれば、第2触媒体が高セル密度であるので、触媒の表面積が大きく、その結果、高温での触媒活性を高めることが可能である。さらに、本発明の流体浄化装置および流体浄化方法によれば、第2触媒体は、触媒担持量を少なくしているので、隔壁の表面上に堆積する触媒の厚みが抑えられ、各セルにおける被処理流体の流通する空間の断面積が高セル密度であっても十分に確保される。そのため、本発明の流体浄化装置および流体浄化方法によれば、第2触媒体における圧力損失を抑制可能となる。
以上から、本発明の流体浄化装置および流体浄化方法によれば、圧力損失を抑制しつつ、低温域(300℃未満)から高温域(300℃以上)までの広範な温度範囲で、ゼオライトおよび/またはバナジウムの触媒作用による被処理流体の良好な浄化を可能とする。
本発明の流体浄化装置の一実施形態の模式図である。 図1中に示されている第1触媒体のA−A’断面の模式図である。 図2中の枠α内を模式的に示す隔壁の断面の模式図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
1.流体浄化装置:
図1は、本発明の流体浄化装置の一実施形態の模式図である。なお、図1では、缶体300について缶体入口310から缶体出口315に向かって約4分の3程度を半分切除し、缶体300内に収容されている第1触媒体100および第2触媒体の一部を露出させた状態で示している。図示されているように、本実施形態の流体浄化装置1は、第1触媒体100と、第2触媒体200と、これらを収容した缶体300と、を備えている。
本実施形態における第1触媒体100は、被処理流体Gを内部に通過させるように流路を構成し、ゼオライトおよび/またはバナジウムを含む触媒(I)を200〜400g/Lにて担持する。
本実施形態における第2触媒体200は、被処理流体Gを内部に通過させるように流路を構成し、ゼオライトおよび/またはバナジウムを含む触媒(II)を50〜200g/Lにて担持する。
本実施形態における缶体300は、両端を開口した筒形状で、一方の端部を缶体入口310、反対側の端部を缶体出口315とされ、缶体入口310側の内部に第1触媒体100を、缶体出口315側の内部に第2触媒体200を収容するものである。
本実施形態の流体浄化装置1では、缶体入口310から被処理流体Gを流入させると、被処理流体Gは、第1触媒体100の内部、第2触媒体の内部を順次通過し、缶体出口315から排出される。このとき、被処理流体Gは、第1触媒体100の内部を通過する際には触媒(I)による触媒反応を受け、第2触媒体200の内部を通過する際には触媒(II)による触媒反応を受ける。これにより、缶体入口310から流入する時よりもクリーンな状態で缶体出口315から排出される。第1触媒体100に担持されている触媒(I)および第2触媒体200に担持されている触媒(II)は、NO選択還元用触媒として機能するゼオライトおよび/バナジウムを含む。そのため、本実施形態の流体浄化装置1によれば、被処理流体GにNOが含まれている場合に、当該NOの濃度を低減させることが可能である。
図2は、図1中に示されている第1触媒体100のA−A’断面の模式図である。図示されているように、本実施形態における第1触媒体100は、周囲を外周壁7により取り囲まれた第1ハニカム構造部50を有する。この第1ハニカム構造部50は、被処理流体Gの流路となる複数のセル4を区画形成する多孔質の隔壁5を有する。なお、本明細書にいう「セル密度」とは、セルの延びる方向(軸方向X)に対して垂直に切断した断面における、単位面積当たりのセルの個数のことである。本実施形態における第1触媒体100の軸方向Xにおける両端では、複数のセル4が開口し、外周壁7の縁や隔壁5の縁によって入口側端面2および出口側端面3が形作られている。
本実施形態における第1触媒体100では、入口側端面2からセル4内に被処理流体Gを流入させると、被処理流体Gを軸方向Xに沿って出口側端面3まで通過させて排出させることが可能である。
図3は、図2中の枠α内を模式的に示す隔壁5の断面の模式図である。図示されているように、本実施形態における第1触媒体100の隔壁5には複数の細孔10が形成されている。さらに、本実施形態における第1触媒体100では、隔壁5にゼオライトおよび/またはバナジウムを含む触媒(I)20が担持されている。そのため、本実施形態における第1触媒体100では、被処理流体Gは、セル4内を通過していく過程で、隔壁5に担持されている触媒(I)による触媒反応により浄化されていく。
本実施形態における第1触媒体100では、第1ハニカム構造部50のセル密度(i)が7〜62個/cm、すなわち低セル密度である。そのため、本実施形態における第1触媒体100によれば、嵩高い物質であるゼオライトおよび/またはバナジウムを含む触媒(I)20を200〜400g/Lにて担持させて、隔壁5の表面上に触媒(I)20が厚めに堆積する場合であっても、セル4の開口断面積(被処理流体Gが流通可能な空間の軸方向Xに垂直な断面の断面積)を十分に確保することが可能である。その結果、本実施形態における第1触媒体100では、ゼオライトおよび/またはバナジウムを含む触媒(I)20を多量に担持させて、低温域(300℃未満)での触媒量に依存した触媒活性を十分に発現させながらも、圧力損失を抑制することが可能である。
また、本実施形態における第1触媒体100では、被処理流体Gの処理時の浄化効率の向上と圧力損失の抑制との良好な均衡状態を保つ観点から、セル密度(i)は、15〜46個/cmであることが好ましく、さらに、31〜46個/cmであることがより好ましく、特に、35〜46個/cmであることが最も好ましい。
さらに、本実施形態における第1触媒体100では、第1ハニカム構造部50は、触媒(I)20を担持させる前の気孔率(A)が50%以上でありかつ触媒(I)20を担持させた状態での気孔率(B)が気孔率(A)の0.1〜0.6倍であることが好ましい。
本実施形態での第1触媒体100において、気孔率(A)が50%以上かつ気孔率(B)が気孔率(A)の0.1〜0.6倍を満たす場合には、図3に示されているように、隔壁5の細孔10内に十分な量の触媒(I)20を担持させることができ、かつ、細孔10内が触媒(I)20により埋め尽くされない。第1に、上述のように隔壁5の細孔10内に十分な量の触媒(I)20を担持させると、隔壁5の表面上に堆積する触媒(I)20の厚みを抑えられる。そのため、セル4の延びる方向Xに対して垂直な断面におけるセル4の開口断面積(ガスGが流通可能な空間の断面積)を十分に確保することが可能になる。第1触媒体10では、上述のように触媒(I)20が厚めに堆積する場合であっても圧力損失を抑制することが可能ではあるが、隔壁5の表面上に堆積する触媒(I)20の厚みを抑えることにより、圧力損失をより一層に抑制することが可能になる。第2に、上述のように細孔10内が触媒(I)20により埋め尽くされないと、触媒(I)20に被覆されている隔壁5の表面が凹凸のある状態で保たれ、時には、隔壁5を貫通する細孔10が依然として存在し得る。そのため、セル4内を流れる被処理流体Gと触媒(I)20との接触面積を大きいままで保つことができ、その結果として、低温域(300℃未満)での触媒反応の反応効率をより一層高めることが可能になる。また、触媒(I)20に被覆されている隔壁5の表面が凹凸のある状態で保たれると、触媒(I)20の表面積が大きくなるので、第1触媒体100を高温域(300℃以上)での触媒反応にも少なからず寄与させることが可能になる。
なお、本明細書にいう隔壁の気孔率とは、水銀ポロシメーターにより測定した値である。
本実施形態における第1触媒体100では、上述の圧力損失を抑制する効果および触媒反応の反応効率をより一層に高める観点から、気孔率(A)40〜65%かつ気孔率(B)が気孔率(A)の0.1〜0.6倍であることがより好ましい。さらに、気孔率(A)45〜60%かつ気孔率(B)が気孔率(A)の0.4〜0.55倍であることがより一層に好ましく、特に、気孔率(A)50〜55%かつ気孔率(B)が気孔率(A)の0.4〜0.5倍であることが最も好ましい。
本実施形態における第1触媒体100では、第1ハニカム構造部50の隔壁5の厚さは、140〜390μmであることが好ましく、190〜280μmであることが更に好ましく、200〜250μmであることが特に好ましい。このような隔壁5の厚さの場合には、強度が高く、且つ圧力損失が低減された第1触媒体100とすることができる。
本明細書にいう「隔壁の厚さ」とは、第1ハニカム構造部(第2ハニカム構造部)をセル4の延びる方向(X方向)に対して垂直に切断した断面における、隣接する2つのセル4を区画する壁(隔壁5)の、触媒を担持していない状態での厚さのことを意味する。「隔壁の厚さ」は、例えば、画像解析装置(ニコン社製、商品名「NEXIV、VMR−1515」)によって測定することができる。
また、本実施形態の流体浄化装置1における第2触媒体200は、上述の第1触媒体100と同様に、周囲を外周壁に取り囲まれた第2ハニカム構造部を有し、当該第2ハニカム構造部では、隔壁によって被処理流体Gの流路となる複数のセルが区画形成されている。そして、本実施形態における第2触媒体200でも、ゼオライトおよび/またはバナジウムを含む触媒(II)が隔壁に担持されている。そのため、本実施形態における第2触媒体200では、被処理流体Gは、セル内を通過していく過程で、隔壁に担持されている触媒(II)による触媒反応により浄化されていく。
本実施形態の第2触媒体200の第2ハニカム構造部におけるセル密度(ii)は、第1ハニカム構造部50のセル密度(i)よりも大きくかつ62〜186個/cm、すなわち高セル密度である。そのため、本実施形態における第2触媒体100によれば、隔壁に担持されているゼオライトおよび/またはバナジウムを含む触媒(II)の表面積が大きくなり、その結果、高温域(300℃以上)での触媒の表面積の大きさに依存した触媒活性を十分に発現させることが可能になる。
また、本実施形態における第2触媒体200では、被処理流体Gの処理時の浄化効率を向上させる観点から、セル密度(ii)は、93〜140個/cmであることが好ましく、さらに、93〜116個/cmであることがより好ましく、特に、93〜100個/cmであることが最も好ましい。
さらに、本実施形態における第2触媒体では、第2ハニカム構造部は、前記触媒(II)を担持させる前の気孔率(A)が50%以上でありかつ前記触媒(II)を担持させた状態での気孔率(B)が前記気孔率(A)の0.1〜0.6倍であることが好ましい。
本実施形態での第2触媒体200において、「セル密度(ii)62〜186個/cm」、「触媒(II)の担持量50〜200g/L」、および「気孔率(A)が50%以上かつ気孔率(B)が気孔率(A)の0.1〜0.6倍」という条件を全て満たすことが好ましい。上述の3つの条件を全て満たす場合には、触媒(II)を担持させた状態の隔壁において、細孔内を埋め尽くされない程度でかつ十分な量にて、触媒(II)が細孔内に充填される。そのため、本実施形態での第2触媒体200において、上述の3つの条件を全て満たす場合には、触媒(II)に被覆されている隔壁の表面が凹凸のある状態、すなわち触媒(II)の表面積を大きく保たれた状態になるのに加えて、隔壁の表面上に触媒(II)が厚く堆積しない状態になる。その結果、本実施形態での第2触媒体200において、上述の3つの条件を全て満たす場合には、高温域(300℃以上)での触媒反応の反応効率をより一層確実に高めつつ圧力損失を抑制することが可能になる。
本実施形態における第2触媒体200では、触媒(II)の表面積を大きくしつつ圧力損失を抑制するという観点から、気孔率(A)40〜65%かつ気孔率(B)が気孔率(A)の0.1〜0.6倍であることがより好ましい。さらに、気孔率(A)45〜60%かつ気孔率(B)が気孔率(A)の0.4〜0.55倍であることがより一層に好ましく、特に、気孔率(A)50〜55%かつ気孔率(B)が気孔率(A)の0.4〜0.50倍であることが最も好ましい。
本実施形態における第2触媒体200では、第2ハニカム構造部の隔壁の厚さは、140〜390μmであることが好ましく、190〜280μmであることが更に好ましく、200〜250μmであることが特に好ましい。このような隔壁の厚さの場合には、強度が高く、且つ圧力損失が低減された第2触媒体とすることができる。
本実施形態における第1触媒体100および第2触媒体200では、第1ハニカム構造部50および第2ハニカム構造部における隔壁5は、セラミックを主成分とするものであることが好ましい。隔壁5の材質としては、具体的には、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、およびアルミニウムチタネートからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの中でも、コージェライトが好ましい。隔壁5の材質としてコージェライトを用いると、熱膨張係数が小さく、耐熱衝撃性に優れたハニカム触媒体が得られる。なお、本明細書において、「セラミックを主成分とする」というときは、セラミックを全体の50質量%以上含有することをいう。なお、第1触媒体100と第2触媒体200との間で、隔壁の材質は同じであっても異なっていてもよい。
本実施形態における第1触媒体100および第2触媒体200では、軸方向Xに直交する断面からみた場合の、セルの形状としては、特に制限はなく、図1に示された四角形や、それ以外にも、例えば、三角形、六角形などの多角形、円形、楕円形などの任意の形状を適宜適用すればよい。
本実施形態における第1触媒体100および第2触媒体200では、外周壁7の厚さは、特に限定されないが、0.2〜4.0mmが好ましい。外周壁7の厚さを上記範囲内とする場合には、第1触媒体100および第2触媒体200の強度を適度に維持しつつ、セル4内に被処理流体Gを流した際における圧力損失の増大を防止することができる。
本実施形態における第1触媒体100および第2触媒体200では、外周壁7の材質は、隔壁5と同じであることが好ましいが、異なっていてもよい。
本実施形態の第1触媒体100および第2触媒体200では、外周壁7の形状は、特に限定されないが、図1に示された円筒形状や、それ以外にも、底面が楕円形の筒形状、底面が四角形、五角形、六角形等の多角形の筒形状等であってもよい。
本実施形態における第1触媒体100および第2触媒体200では、第1触媒体100および第2触媒体200の大きさは、特に限定されないが、軸方向Xにおける長さが50〜300mmであることが好ましい。また、例えば、第1触媒体100および第2触媒体200の外形が円筒形の場合、その底面の直径は、110〜350mmであることが好ましい。
本実施形態における第1触媒体100および第2触媒体200では、触媒(I)および触媒(II)に含まれるゼオライトとして、金属置換ゼオライト(銅イオン交換ゼオライト、鉄イオン交換ゼオライトなど)を用いることが可能である。
さらに、触媒(I)および触媒(II)は、上述のゼオライトおよび/またはバナジウムを含むことに加えて、さらに三元触媒、酸化触媒、NO選択還元触媒、NO吸蔵還元触媒のうちの少なくともいずれかを含んでいてもよい。
三元触媒とは、主に炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO)を浄化する触媒のことをいう。例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)を含む触媒を挙げることができる。
酸化触媒としては、貴金属を含有するものを挙げることができる。具体的には、白金、および/またはロジウムを含有するものを挙げることができる。
NO選択還元触媒としては、チタニア、酸化タングステン、銀、およびアルミナからなる群より選択される少なくとも1種を含有するものを挙げることができる。
NO吸蔵還元触媒としては、アルカリ金属、および/またはアルカリ土類金属等を挙げることができる。アルカリ金属としては、カリウム、ナトリウム、リチウム等を挙げることができる。アルカリ土類金属としては、カルシウムなどを挙げることができる。
本実施形態における缶体300では、缶体300の内壁を第1触媒体100の外周壁7および第2触媒体200の外周壁に直接接触させつつ締め付ける(例えば、焼きばめなどの手法による)ことにより、第1触媒体100および第2触媒体200を固定している。
なお、ここでは図示しないが、第1触媒体100の外周壁7および第2触媒体200の外周壁にクッション材を巻き付けた状態で缶体300の内部に固定する形態を適用してもよい。
本実施形態の流体浄化装置1は、缶体300自体が内燃機関(例えば、自動車のエンジン)からの排気管の一部を構成するように設置されていてもよいし、あるいは、排気管の内部に缶体300を丸ごと収容する形態で設置されていてもよい。
2.第1触媒体および第2触媒体の製造方法:
本実施形態における第1触媒体100および第2触媒体200は、例えば、まず、触媒担体としてハニカム構造体(触媒未担持、以下において触媒未担持のものを「ハニカム構造体」と称する)を作製し、次いで、ハニカム構造体に触媒を担持させることにより得ることが可能である。本実施形態における第1触媒体100および第2触媒体200を得る際に用いる製造方法の一実施形態を述べる。
まず、本実施形態の製造方法では、坏土調製工程、成形工程、焼成工程を順次行うことによりハニカム構造体を得る。坏土調製工程は、セラミック原料および造孔材を含有する成形原料を混合し混練して坏土を得る工程である。成形工程は、坏土調製工程によって得られた坏土をハニカム形状に押出成形し、複数のセルが形成されたハニカム成形体を得る工程である。焼成工程は、ハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を得る工程である。
2−1.坏土調製工程:
本実施形態の製造方法の坏土調製工程においては、セラミック原料および造孔材を含有する成形原料を混合し混練して坏土を得る。
ここで、造孔材としては、通常、澱粉、発泡樹脂、吸水性樹脂、シリカゲルなどを用いることができる。
また、造孔材の平均粒子径は、本実施形態の第1触媒体100および第2触媒体200を得るのに適する細孔分布にする観点から、50〜200μmであることが好ましく、80〜120μmであることが更に好ましく、100〜150μmであることが特に好ましい。
なお、本明細書にいう造孔材の平均粒子径とは、篩いにより分級した平均粒子径(ふるい分け法によって測定した試験用ふるい目開きで表したもの)を意味する。
本実施形態の製造方法では、成形原料中の造孔材の含有量は、セラミック原料100質量部に対して、1〜8質量部であることが好ましい。
本実施形態の製造方法に用い得るセラミック原料としては、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト化原料、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、およびアルミニウムチタネートからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。ここに列挙したセラミック原料の中でも、コージェライト化原料が好ましい。コージェライト化原料を用いる場合には、熱膨張係数が小さく、耐熱衝撃性に優れたハニカム構造体が得られる。
本実施形態の製造方法では、成形原料は、セラミック原料および造孔材以外に、分散媒、添加剤などを含むものであってもよい。
本実施形態の製造方法に用い得る分散媒としては、例えば、水などを挙げることができる。添加剤としては、有機バインダ、界面活性剤等を挙げることができる。分散媒の含有量は、セラミック原料100質量部に対して、30〜150質量部であることが好ましい。
本実施形態の製造方法に用い得る有機バインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。これらの中でも、メチルセルロースとヒドロキシプロポキシルセルロースとを併用することが好ましい。有機バインダの含有量は、セラミック原料100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましい。
本実施形態の製造方法に用い得る界面活性剤としては、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を用いることができる。これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。界面活性剤の含有量は、セラミック原料100質量部に対して、0.1〜5.0質量部であることが好ましい。
本実施形態の製造方法では、成形原料を混練して坏土を形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、ニーダー、真空土練機などを用いる方法を挙げることができる。
2−2.成形工程:
本実施形態の製造方法の成形工程では、坏土調製工程で得られた坏土をハニカム形状に押出成形してハニカム成形体を得る。このハニカム成形体では、ハニカム成形体を貫通する複数のセルが形成されている。押出成形は、口金を用いて行うことができる。口金に関しては、ハニカム成形体におけるセル形状、隔壁厚さ、セル密度に対応させたかたちで、スリット形状(スリットに取り囲まれたピンの形状)、スリット幅、ピンの密度などを適宜設計すればよい。口金の材質としては、摩耗し難い超硬合金が好ましい。
2−3.焼成工程:
本実施形態の製造方法の焼成工程では、上述の成形工程で得られるハニカム成形体を焼成し、ハニカム構造体を得る。こうして得られるハニカム構造体は、流体の流路となる複数のセルを区画形成し、複数の細孔が形成された多孔質の隔壁を備えている。
本実施形態の製造方法の焼成工程では、焼成温度は、ハニカム成形体の材質よって適宜決定することができる。例えば、ハニカム成形体の材質がコージェライトの場合、焼成温度は、1380〜1450℃が好ましく、1400〜1440℃が更に好ましい。また、焼成時間は、3〜10時間程度とすることが好ましい。
本実施形態の製造方法では、ハニカム成形体を焼成する前に乾燥させてもよい。乾燥方法は、特に限定されるものではないが、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥などを挙げることができる。これらの中でも、誘電乾燥、マイクロ波乾燥または熱風乾燥を単独でまたは組合せて行うことが好ましい。また、乾燥条件としては、乾燥温度30〜150℃、乾燥時間1分〜2時間とすることが好ましい。
続いて、ハニカム構造体の隔壁に以下の方法で触媒を担持する。
2−4.触媒担持工程:
まず、触媒スラリーを調製する。触媒スラリーに含有される触媒(ゼオライトやバナジウムなど)の平均粒子径は、0.5〜5μmである。更に、触媒スラリーの粘度(25℃)は、1〜10mPa・sである。上記触媒の平均粒子径および粘度のいずれもが下限値以上である場合には、触媒(I)および触媒(II)が細孔内に過度に充填されてしまうことを抑制することが可能であり、また、得られた第1触媒体100および第2触媒体200における圧力損失の増加を抑制することが可能である。触媒(ゼオライトやバナジウムなど)の平均粒子径および粘度のいずれもが上限値以下である場合には、触媒を確実に細孔内に充填させることが可能になる。そのため、被処理流体の浄化性能の高い第1触媒体100および第2触媒体200を得やすくなる。
次に、触媒スラリーをハニカム構造体に担持させる。触媒スラリーをハニカム構造体に担持させる方法は、ディッピングや吸引などの従来公知の方法を採用することができる。なお、ディッピングや吸引などを行った後に、余剰の触媒スラリーを圧縮空気で吹き飛ばしてもよい。
次に、触媒スラリーを担持しているハニカム構造体を乾燥、焼成し、第1触媒体100および第2触媒体200を得ることができる。乾燥条件は、120〜180℃、10〜30分とすることができる。焼成条件は、550〜650℃、1〜5時間とすることができる。
3.流体浄化方法:
本発明の流体浄化方法の一実施形態としては、被処理流体の流通経路に、上述の第1触媒体100を設けて被処理流体の処理を行う第1工程と、被処理流体の流通経路における第1触媒体100の下流に、上述の第2触媒体200を設けて被処理流体の処理を行う第2工程と、を有する方法を挙げることができる。本実施形態の流体浄化方法によれば、圧力損失を抑制しつつ、低温域(300℃未満)から高温域(300℃以上)までの広範な温度範囲で、ゼオライトおよび/またはバナジウムの触媒作用による被処理流体の良好な浄化を可能となる。
本実施形態の流体浄化方法では、被処理流体の流通経路において第1触媒体100と第2触媒体とを近接させても近接させなくてもよい。
さらに、本実施形態の流体浄化方法では、上述のように低温域(300℃未満)での触媒反応の反応効率を高めつつ圧力損失を抑制する観点から、第1ハニカム構造部は、触媒(I)を担持させる前の気孔率(A)が50%以上でありかつ触媒(I)を担持させた状態での気孔率(B)が気孔率(A)の0.1〜0.6倍であることが好ましい。
なお、本実施形態の流体浄化方法における、気孔率(A)および気孔率(B)に関するより好ましい形態や、第1触媒体100に関するその他の好ましい形態については、先に「1.流体浄化装置」の欄で述べた内容と同様である。
また、本実施形態の流体浄化方法では、上述のように高温域(300℃以上)での触媒反応の反応効率を高めつつ圧力損失を抑制する観点から、第2ハニカム構造部は、触媒(II)を担持させる前の気孔率(A)が50%以上でありかつ触媒(II)を担持させた状態での気孔率(B)が気孔率(A)の0.1〜0.6倍であることが好ましい。
なお、本実施形態の流体浄化方法における、気孔率(A)および気孔率(B)に関するより好ましい形態や、第2触媒体200に関するその他の好ましい形態については、先に「1.流体浄化装置」の欄で述べた内容と同様である。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜13、比較例1〜6)
[ハニカム構造体の作製]
以下に述べる方法により、実施例1〜13および比較例1〜6における第1触媒体および第2触媒体を得るための、触媒担持前のハニカム構造体を作製した。
コージェライト化原料として、アルミナ、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、およびシリカを使用した。コージェライト化原料100質量部に、造孔材5質量部、水(分散媒)85質量部、吸水性ヒドロキシプロピルメチルセルロース(有機バインダ)8質量部、および界面活性剤3質量部を添加した。その後、混合、さらに混練して、坏土を得た。
次に、所定の金型を用いて坏土を押出成形してハニカム成形体を得た。ハニカム成形体は、セルの延びる方向に直交する断面において四角形のセルが形成され、全体形状が円柱形状であった。そして、得られたハニカム成形体をマイクロ波乾燥機で乾燥した。その後、更に熱風乾燥機で完全に乾燥させた。続いて、乾燥させたハニカム成形体の両端面を切断し、所定の寸法に整えた。
このようにして得られたハニカム成形体を、更に、1410〜1440℃で、5時間、焼成することによってハニカム構造体を得た。
得られたハニカム構造体は、直径が266.7mmであり、中心軸方向の長さが152.4mmであった。ハニカム構造体における、セル密度(個/cm)[第1触媒体として用いる場合にはセル密度(i)、第2触媒体として用いる場合にはセル密度(ii)]、隔壁の厚さ(μm)、および気孔率(%)[第1触媒体での触媒担持前の気孔率(A)、第2触媒体での触媒担持前の気孔率(A)](気孔率の測定方法については後述)を表1に示す。
[ハニカム触媒体の作製]
平均粒子径5μmのβ−ゼオライト200gに水1kg加え、ボールミルにて湿式粉砕した。得られた解砕粒子にバインダとして、アルミナゾルを20g加えて触媒スラリーを得た。この触媒スラリーは、粘度5mPa・sとなるように調製した。そしてこの触媒スラリーの中にハニカム構造体を浸漬させた。その後、120℃で20分乾燥させ、600℃で1時間焼成し、ハニカム触媒体(第1触媒体および第2触媒体)を得た。
実施例1〜13および比較例1〜6について、第1触媒体における気孔率(B)(%)、気孔率(B)のハニカム構造体の気孔率(A)に対する比の値[気孔率(B)/気孔率(A)]、第2触媒体における気孔率(B)(%)、気孔率(B)のハニカム構造体の気孔率(A)に対する比の値[気孔率(B)/気孔率(A)]、ならびに実施例1〜13および比較例1〜6の第1触媒体および第2触媒体における触媒担持量(g/L)を表1に示す。
[流体浄化装置の作製]
缶体として、円筒形状の金属管(外径282.7mm、内径276.7mm、長さ330.2mm)を用いた。この金属管の内部に第1触媒体および第2触媒体を金属管に押し込みキャニングにより収納させることにより、流体浄化装置を得た。
Figure 2014198319
実施例1〜13および比較例1〜6の流体浄化装置について[気孔率]、[圧力損失]、および[NO浄化率]の測定を行った(結果を表1に示す)。
[気孔率(%)]:
ハニカム構造体における気孔率(A)(%)および気孔率(A)(%)ならびに第1触媒体における気孔率(B)(%)および第2触媒体における気孔率(B)(%)は、水銀ポロシメーター(水銀圧入法)によって測定した。水銀ポロシメーターとしては、Micromeritics社製、商品名:Auto Pore III 型式9405を用いた。なお、第1触媒体における気孔率(B)(%)および第2触媒体における気孔率(B)(%)の測定は缶体の内部に収容する前に実施した。
[圧力損失]
室温(25℃)条件下において0.5m/分の流量でエアーを流体浄化装置内に流通させた。この状態で、エアー流入側(缶体入口側)の圧力とエアー流出側(缶体出口側)の圧力との差を測定した。この圧力の差を圧力損失として算出した。圧力損失が1.5MPa未満である場合を「合格」、1.5MPa以上である場合を「不合格」と評価した。
[浄化効率(NO浄化効率)]
まず、流体浄化装置に、NOを含む試験用ガスを流した。その後、流体浄化装置から排出された排出ガスのNO量をガス分析計で分析した。
流体浄化装置に流入させる試験用ガスの温度200℃とした。なお、流体浄化装置および試験用ガスは、ヒーターにより温度調整した。ヒーターは、赤外線イメージ炉を用いた。試験用ガスは、窒素に、二酸化炭素5体積%、酸素14体積%、一酸化窒素350ppm(体積基準)、アンモニア350ppm(体積基準)および水10体積%を混合させたガスを用いた。この試験用ガスに関しては、水と、その他のガスを混合した混合ガスとを別々に準備しておき、試験を行う時に配管中でこれらを混合させて用いた。ガス分析計は、「HORIBA社製、MEXA9100EGR」を用いた。また、試験用ガスが流体浄化装置内に流入するときの空間速度は、50000(時間−1)とした。
表1中の「NO浄化率(%)」は、試験用ガスのNO量から、流体浄化装置からの排出ガスのNO量を差し引いた値を、試験用ガスのNO量で除算し、100倍した値である。「NO浄化率」が80%以上である場合を「合格」、80%未満である場合を「不合格」と評価した。
[考察]
実施例1〜13は、圧力損失およびNO浄化効率の評価がいずれも合格であった。これに対して、比較例1,2では、第1触媒体における触媒担持量が100g/Lと少ないので、圧力損失の評価は合格であるものの、NO浄化率の評価は不合格であった。また、比較例3〜6は、第1触媒体における触媒担持量が300g/Lと多いので、NO浄化率の評価は合格であったが、圧力損失の評価は不合格であった。
本発明は、内燃機関から排出される排ガスなどの浄化に使用される流体浄化装置として利用できる。
1:流体浄化装置、2:入口側端面、3:出口側端面、4:セル、5:隔壁、7:外周壁、10:細孔、20:触媒[触媒(I)]、50:第1ハニカム構造部、100:第1触媒体、200:第2触媒体、300:缶体、310:缶体入口、315:缶体出口、G:被処理流体。

Claims (6)

  1. 被処理流体の流路を構成するとともにゼオライトおよび/またはバナジウムを含む触媒(I)を担持量200〜400g/Lにて担持する第1触媒体と、
    前記被処理流体の流路を構成するとともに前記被処理流体の流れにおいて前記第1触媒体の下流に設けられ、ゼオライトおよび/またはバナジウムを含む触媒(II)を担持量50〜200g/Lにて担持する第2触媒体と、
    前記第1触媒体を上流側、前記第2触媒体を下流側に収容した缶体と、を備え、
    前記第1触媒体は、前記被処理流体の流路となる複数のセルを区画形成しつつ前記触媒(I)を担持する多孔質の隔壁を有する第1ハニカム構造部を有し、該第1ハニカム構造部のセル密度(i)が7〜62個/cmであり、
    前記第2触媒体は、前記被処理流体の流路となる複数のセルを区画形成しつつ前記触媒(II)を担持する多孔質の隔壁を有する第2ハニカム構造部を有し、該第2ハニカム構造部のセル密度(ii)が前記セル密度(i)よりも大きくかつ62〜186個/cmである流体浄化装置。
  2. 前記第1ハニカム構造部は、前記触媒(I)を担持させる前の気孔率(A)が50%以上でありかつ前記触媒(I)を担持させた状態での気孔率(B)が前記気孔率(A)の0.1〜0.6倍である請求項1に記載の流体浄化装置。
  3. 前記第2ハニカム構造部は、前記触媒(II)を担持させる前の気孔率(A)が50%以上でありかつ前記触媒(II)を担持させた状態での気孔率(B)が前記気孔率(A)の0.1〜0.6倍である請求項1または2に記載の流体浄化装置。
  4. 被処理流体の流通経路に、ゼオライトおよび/またはバナジウムを含む触媒(I)を担持量200〜400g/Lにて担持する第1触媒体を設けて前記被処理流体の処理を行う第1工程と、
    前記被処理流体の前記流通経路における前記第1触媒体の下流に、ゼオライトおよび/またはバナジウムを含む触媒(II)を担持量50〜200g/Lにて担持する第2触媒体を設けて前記被処理流体の処理を行う第2工程と、を有し、
    前記第1触媒体は、前記被処理流体の流路となる複数のセルを区画形成しつつ前記触媒(I)を担持する多孔質の隔壁を有する第1ハニカム構造部を有し、該第1ハニカム構造部のセル密度(i)が7〜62個/cmであり、
    前記第2触媒体は、前記被処理流体の流路となる複数のセルを区画形成しつつ前記触媒(II)を担持する多孔質の隔壁を有する第2ハニカム構造部を有し、該第2ハニカム構造部のセル密度(ii)が前記セル密度(i)よりも大きくかつ62〜186個/cmである流体浄化方法。
  5. 前記第1ハニカム構造部は、前記触媒(I)を担持させる前の気孔率(A)が50%以上でありかつ前記触媒(I)を担持させた状態での気孔率(B)が前記気孔率(A)の0.1〜0.6倍である請求項4に記載の流体浄化方法。
  6. 前記第2ハニカム構造部は、前記触媒(II)を担持させる前の気孔率(A)が50%以上でありかつ前記触媒(II)を担持させた状態での気孔率(B)が前記気孔率(A)の0.1〜0.6倍である請求項4または5に記載の流体浄化方法。
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