JP2008272738A - ハニカム構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】再生処理時において、ハニカム焼成体や接着剤層でのクラック、剥がれ等の発生を回避することができるハニカム構造体を提供する。
【解決手段】多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体が、接着剤層を介して複数個結束されてなるハニカム構造体であって、上記接着剤層の上記ハニカム構造体における一方の端面側には触媒担持層が含まれており、他方の端面側には触媒担持層が含まれていないことを特徴とするハニカム構造体。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハニカム構造体に関する。
バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排ガス中に含有されるパティキュレートマター(以下、単にパティキュレート又はPMともいう)が環境や人体に害を及ぼすことが最近問題となっている。
そこで、排ガス中のパティキュレートを捕集して、排ガスを浄化することができるフィルタとして、多孔質セラミックからなるハニカム構造体が種々提案されている。
特許文献1には、長手方向に沿って並列する複数の貫通孔を有し、これらの貫通孔の各端面がそれぞれ市松模様状に目封じされているとともにガスの入側と出側とでは開閉が逆の関係にあり、これらの貫通孔の隣接するもの同士が多孔質な隔壁を通じて互いに通気可能にしたセラミック部材を、複数個結束させて集合体としたセラミック構造体において、上記各セラミック部材の相互間を、少なくとも無機繊維、無機バインダー、有機バインダーおよび無機粒子からなる弾性質素材のシール材を介在させて、一体に接着したセラミック構造体が開示されている。
このセラミック構造体では、各セラミック部材の相互間を弾性質素材のシール材層(多孔質のシール材層)を介在させて一体に接着しているため、このシール材により熱応力を開放することができることが記載されている。
特開平8−28246号公報
特許文献1に開示されたような、複数個のハニカム焼成体(多孔質セラミック部材)が接着剤層を介して結束されたハニカム構造体を、排ガス中のパティキュレートを捕集して排ガスを浄化するフィルタ(排ガス浄化フィルタ)として使用する場合、以下のような問題が発生する場合があった。
即ち、ハニカム構造体の排ガスが流入する側の端面において、排ガスが接着剤層に衝突することにより、接着剤層が風食され、ハニカム構造体を長時間使用した際に、接着剤層の排ガス流入側に窪みが生じることがあった。そして、このような窪みが生じると、この窪みの部分にパティキュレートが堆積し、ハニカム構造体に再生処理(堆積したパティキュレートを燃焼除去する処理)を施した際に、パティキュレートの燃焼により、接着剤層にクラックや剥がれが発生し、さらにはハニカム構造体の破損を引き起こすことがあった。
本発明者等は、接着剤層の風食を回避すべく検討を行い、接着剤層を触媒担持層を含むものとすることを検討したところ、触媒担持層が含まれた接着剤層で風食を回避することができることが明らかとなった。
しかしながら、触媒担持層が接着剤層の全部に含まれているハニカム構造体では、再生処理を施した際に、ハニカム焼成体や接着剤層にクラックや剥がれが発生したり、さらには、ハニカム構造体が破損したりする場合があった。
この理由については、接着剤層の全部に触媒担持層が含まれる場合には、再生処理を行った際に、ハニカム構造体に生じた応力を接着剤層によって緩和することができず、その結果、上記クラックや剥がれが発生するものと考えられた。
これらを踏まえて、本発明者等はさらに検討を重ねた結果、ハニカム構造体の一方の端部側にのみ、触媒担持層を形成することにより、接着剤層の風食を防止することができるとともに、ハニカム焼成体や接着剤層におけるクラックや剥がれの等の発生を防止することができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、請求項1に記載のハニカム構造体は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体が、接着剤層を介して複数個結束されてなるハニカム構造体であって、
上記接着剤層の上記ハニカム構造体における一方の端面側には触媒担持層が含まれており、他方の端面側には触媒担持層が含まれていないことを特徴とする。
請求項1に記載のハニカム構造体では、上記ハニカム構造体における一方の端面側の接着剤層に触媒担持層が含まれているため、この触媒担持層が含まれる接着剤層は、触媒担持層が含まれない接着剤層に比べて密度が高く、この触媒担持層が含まれる接着剤層は、排ガスが衝突しても風食されにくくなる。
また、上記ハニカム構造体において、他方の端面側の接着剤層には触媒担持層が形成されていない。そのため、ハニカム構造体に再生処理を施した際に、パティキュレートの燃焼によりハニカム構造体内の温度が上昇し、熱応力が発生したとしても、触媒担持層が含まれていない接着剤層によって、熱応力が緩和されることとなり、ハニカム焼成体や接着剤層にクラックが発生することを防止することができる。
従って、請求項1に記載のハニカム構造体では、再生処理時における、ハニカム焼成体や接着剤層でのクラックや剥がれの発生が回避されることとなる。
請求項2に記載の発明は、上記一方の上記触媒担持層が含まれた接着剤層が形成されている端面側からガスが流入し、上記他方の端面側からガスが流出する。
請求項2に記載のハニカム構造体によれば、ハニカム構造体における一方の端面側、即ち、接着剤層の触媒担持層が含まれる側がガス流入側であるため、ハニカム構造体に流入するガスによって、接着剤層が風食されることを防止することができ、上述した接着剤層が風食されることにより生じる不都合を回避することができる。
請求項3に記載の発明は、上記セルのいずれか一方の端部が封止されている。
請求項3に記載のハニカム構造体は、排ガス中のパティキュレートを捕集する、DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)として好適に使用することができる。
請求項4に記載の発明は、上記接着剤層の上記触媒担持層が含まれていない領域が、上記ハニカム構造体の長手方向の全長の少なくとも10%の領域である。
請求項4に記載のハニカム構造体によれば、上記ハニカム構造体の長手方向の全長の少なくとも10%の領域の接着剤層には触媒担持層が含まれていないため、再生処理時等のおいてハニカム構造体に生じた応力を、この触媒担持層が含まれていない領域で緩和することができ、ハニカム焼成体や接着剤層でのクラックや剥がれの発生が、より回避されやすくなる。
請求項5に記載の発明は、上記接着剤層は、無機繊維及び無機バインダ、無機粒子及び無機バインダ、又は、無機繊維、無機粒子及び無機バインダを主成分とする組成物を用いて形成されている。
請求項5に記載のハニカム構造体によれば、上記接着剤層が、無機繊維及び無機バインダ、無機粒子及び無機バインダ、又は、無機繊維、無機粒子及び無機バインダを主成分とする組成物を用いて形成されており、このような無機繊維や無機粒子を無機バインダで固定した接着剤層は、ハニカム焼成体に比べて高い弾性を備えているため、ハニカム構造体に生じた応力を緩和するのに適しており、再生処理時等のおいてハニカム焼成体や接着剤層でのクラックや剥がれの発生がより確実に回避されることとなる。
請求項6に記載の発明は、上記無機粒子が炭化物セラミック又は窒化物セラミックからなる粒子である。
また、請求項7に記載の発明は、上記接着剤層に含まれる触媒担持層が、酸化物セラミックからなるものである。
(第一実施形態)
以下、本発明の一実施形態である第一実施形態について説明する。
図1(a)は、本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、(b)はそのA−A線断面図である。図2(a)は、本発明のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の一例を模式的に示す斜視図であり、(b)はそのB−B線断面図である。
なお、図1(a)、図2(a)においては、斜視図の手前側が排ガスが流入する側の端面であり、奥側が排ガスが流出する側の端面である。
ハニカム構造体100では、図2(a)、(b)に示すようなハニカム焼成体110が接着剤層101を介して複数個結束されてセラミックブロック103を構成し、さらに、このセラミックブロック103の外周にコート層102が形成されている。
ここで、ハニカム焼成体110を結束させる接着剤層101のうち、ガス流入側121の接着剤層は、アルミナからなる触媒担持層が含まれた接着剤層101aであり、ガス流出側122の接着剤層は、触媒担持層が含まれていない接着剤層101bである。
詳細には、接着剤層101のガス流入側121から全長(ハニカム構造体の長手方向(図1(a)中、矢印aの方向)の長さ)の半分(50%)の領域は、触媒担持層が含まれた接着剤層101aであり、接着剤層101のガス流出側122から全長の長さの半分の領域は、触媒担持層が含まれていない接着剤層101bである。
ハニカム焼成体110は、多孔質炭化ケイ素を主成分とし、ハニカム焼成体110には、多数のセル111がセル壁113を隔てて長手方向(図2(a)中、矢印aの方向)に並設されており、セル111はいずれか一方の端部が封止材112で封止されている。
従って、ハニカム焼成体110では、ガス流入側端面21側が開口したセル111に流入した排ガスGは、セル同士を隔てるセル壁113を通過した後、ガス流出側端面22側が開口した他のセル111から流出するようになっている。
従って、ハニカム焼成体110(ハニカム構造体100)では、セル壁113がPM等を補集するためのフィルタとして機能する。
また、ハニカム焼成体110では、セル壁113の長手方向の全長の半分(50%)の領域に、白金(Pt)触媒が担持されたアルミナからなる触媒担持層10が形成されている。
次に、本実施形態に係るハニカム構造体を製造する方法について説明する。
(1)セラミック原料として平均粒子径の異なる炭化ケイ素粉末と有機バインダとを混合して混合粉末を調製するとともに、液状の可塑剤と潤滑剤と水とを混合して混合液体を調製し、続いて、上記混合粉末と上記混合液体とを湿式混合機を用いて混合することにより、成形体製造用の湿潤混合物を調製する。
(2)上記湿潤混合物を押出成形機に投入し、上記湿潤混合物を押出成形することにより所定の形状のハニカム成形体を作製する。
さらに、ハニカム成形体を所定の長さに切断した後、乾燥機を用いて乾燥させ、図2(a)、(b)に示したハニカム焼成体と略同形状のハニカム成形体とする。
(3)さらに、各セルの所定の端部に、封止材となる封止材ペーストを所定量充填し、各セルを目封じする。セルを目封じする際には、ハニカム成形体の端面に目封じ用のマスクを当てて、目封じの必要なセルにのみ封止材ペーストを充填する。
(4)各セルの一方の端部が目封じされたハニカム成形体中を脱脂炉中で加熱し、ハニカム成形体中の有機物を分解除去する脱脂処理を行い、ハニカム脱脂体を作製する。
続いて、上記ハニカム脱脂体を焼成炉内に投入し、所定の温度(例えば、2200〜2300℃)で焼成処理を行い、ハニカム焼成体を作製する。
(5)上記ハニカム焼成体の側面に、接着剤層となる接着剤ペーストを塗布して接着剤ペースト層を形成し、この接着剤ペースト層の上に、順次他のハニカム焼成体を積層する工程を繰り返して所定数のハニカム焼成体が結束されたハニカム焼成体の集合体を作製する。ここで、接着剤ペーストとしては、例えば、無機繊維と無機粒子と無機バインダと有機バインダとからなるものを使用することができる。
(6)上記ハニカム焼成体の集合体を加熱して接着剤ペースト層を乾燥、固化させて、無機粒子と無機バインダとを主成分とする接着剤層とする。その後、ダイヤモンドカッターを用いてハニカム焼成体の集合体に切削加工を施してセラミックブロックとし、セラミックブロックの外周面にコート層用ペーストを塗布し、コート層用ペーストを乾燥、固化させてコート層を形成することによりハニカム構造体とする。
ここで、コート層用ペーストとしては、上記接着剤ペーストと同様のものを用いればよい。
(7)次に、上記接着剤層の所定の領域(ガス流入側から長手方向の全長の50%の領域)にアルミナからなる触媒担持層を形成し、さらに上記触媒担持層に白金触媒を担持させる。具体的には、下記(a)及び(b)の処理を行う。
(a)上記アルミナ溶液中に、ハニカム構造体の一方の端面(ガス流入側となる面)を下にして、触媒担持層を形成する所定の領域がアルミナ溶液中に漬かるようにハニカム構造体を浸漬し、ハニカム構造体の所定の領域に選択的にアルミナ粒子を付着させる。
その後、ハニカム構造体を110〜200℃で2時間程度乾燥させ、乾燥後のハニカム構造体を500〜1000℃で加熱焼成することにより、ハニカム構造体の所定の領域に触媒担持層を形成する。
なお、この(a)の工程は、繰り返し行ってもよく、繰り返し行う回数を調整することにより触媒担持層の形成量を調整することができる。
(b)次に、白金を含有する金属化合物の溶液中に、上記一方の端面を下にして、触媒担持層を形成した所定の領域が溶液中に漬かるようにハニカム構造体を浸漬し、浸積後のハニカム構造体を乾燥させ、乾燥後のハニカム構造体を不活性雰囲気下、500〜800℃で加熱焼成することにより触媒担持層に触媒を担持させる。
なお、上記(a)及び(b)の処理を経ることにより、接着剤層の所定の領域に触媒を担持した触媒担持層が含まれることとなるとともに、セル壁の所定の領域(長手方向の全長の50%の領域)にも、触媒を担持した触媒担持層が形成されることとなる。
以下、本実施形態のハニカム構造体の作用効果について列挙する。
(1)ハニカム焼成体を同士を結束させる接着剤層において、排ガスが流入する側の接着剤層には触媒を担持した触媒担持層が含まれており、この触媒担持層が含まれる接着剤層は、触媒担持層が含まれない接着剤層に比べて密度が高いため、排ガスがハニカム構造体に流入する際に、排ガスが接着剤層に衝突しても、接着剤層は風食されにくくなる。
そのため、接着剤層に風食による窪みが生じることがなく、当然、その窪みにパティキュレートが溜まることもなく、そのため、ハニカム構造体の再生処理を行った際に接着剤層の窪みに溜まったパティキュレートが燃焼して、これにより接着剤層にクラック、剥がれ等の破損が発生するとの不都合が発生することがない。
そのため、本実施形態のハニカム構造体は信頼性に優れることとなる。
(2)上記接着剤層は、無機粒子と無機繊維と無機バインダとを主成分とするものであり、排ガスが流出する側の接着剤層には、触媒を担持した触媒担持層が含まれておらず、この触媒担持層が含まれていない接着剤層は、触媒担持層が含まれた接着剤層に比べて弾性に優れている。
そのため、ハニカム構造体に再生処理を施した際に、パティキュレートの燃焼によりハニカム構造体に熱応力が発生しても、触媒担持層が含まれていない接着剤層が備える弾性により、その熱応力を緩和することができ、上記熱応力によりハニカム焼成体や接着剤層にクラックや破損が発生することを回避することができる。
また、これは本発明者等が新たに知見したことであるが、本実施形態のハニカム構造体のように、触媒が担持された触媒担持層が排ガスが流入する側のセル壁に形成されたハニカム構造体では、排ガスの流出側において、より多くのパティキュレートが捕集される傾向にあり、そのため、再生処理を行った際に排ガスの流出側において温度が高くなる傾向にある。
また、再生処理時には、排ガスの流れに沿って熱の移動が生じるため、ハニカム構造体は、この現象によっても排ガスの流出側において温度が高くなる傾向にある。
従って、本実施形態のような、排ガスの流出側に熱応力を緩和することができる、触媒担持層を含まない接着剤層を備えた構成は、上述したような温度分布に対しても有用である。
以下、本発明の第一実施形態をより具体的に開示した実施例を示すが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(ハニカム焼成体の作製)
平均粒径22μmを有する炭化ケイ素の粗粉末52.8重量%と、平均粒径0.5μmの炭化ケイ素の微粉末22.6重量%とを混合し、得られた混合物に対して、アクリル樹脂2.1重量%、有機バインダ(メチルセルロース)4.6重量%、潤滑剤(日本油脂社製 ユニルーブ)2.8重量%、グリセリン1.3重量%、及び、水13.8重量%を加えて混練し、原料組成物を調製した。
次に、この原料組成物を用いて押出成形を行い、図2(a)に示した形状と略同形状の生のハニカム成形体を作製した。
次いで、マイクロ波乾燥機を用いて上記生のハニカム成形体を乾燥させ、ハニカム成形体の乾燥体とした後、上記原料組成物と同様の組成の封止材ペーストを所定のセルに充填し、再び乾燥機を用いて乾燥させた。
ハニカム成形体の乾燥体を400℃で脱脂し、常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間の条件で焼成を行うことにより、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.3mm×34.3mm×150mm、セルの数(セル密度)が46.5個/cm(300個/inch)、セル壁の厚さが0.25mmの炭化ケイ素焼結体からなるハニカム焼成体を製造した。
(ハニカム構造体の製造)
平均繊維長20μmのアルミナファイバ30重量%、平均粒径0.6μmの炭化ケイ素粒子21重量%、シリカゾル15重量%、カルボキシメチルセルロース5.6重量%、及び、水28.4重量%を含む耐熱性の接着剤ペーストを用いてハニカム焼成体を多数接着させ、さらに、120℃で乾燥させ、続いて、ダイヤモンドカッターを用いて切断することにより、接着剤層の厚さ1.0mmの円柱状のセラミックブロックを作製した。
次に、上記接着剤ペーストをコート層用ペーストとして用いて、セラミックブロックの外周部に厚さ0.2mmのコート層用ペーストからなる層を形成した。そして、このペースト層を120℃で乾燥して、外周にコート層が形成された直径143.8mm×長さ150mmの円柱状のハニカム構造体を製造した。
(触媒担持層の形成)
γ−アルミナ粉末を充分量の水と混合して攪拌し、アルミナスラリーを作製した。このアルミナスラリー中にハニカム構造体を一方の端面を下にして、その全長の50%の領域まで浸漬し、1分間保持した。
続いて、このハニカム構造体を110℃で1時間加熱する乾燥工程を行い、さらに700℃で1時間焼成する焼成工程を行って、接着剤層及びセル壁のガス流入側端面からハニカム構造体の全長の50%の領域に触媒担持層を形成した。従って、触媒担持層が含まれていない接着剤層の全長に対する割合は、50%である。
このとき、触媒担持層の形成量が、ハニカム構造体のうち触媒担持層が形成されている領域の体積1リットルあたり40gとなるように、アルミナスラリーへの浸漬と乾燥工程、焼成工程を繰り返し行った。
(白金触媒の担持)
ジニトロジアンミン白金硝酸溶液([Pt(NH(NO]HNO、白金濃度4.53重量%)中に、ハニカム構造体をガス流入側端面を下にして、その全長の50%の領域まで浸漬し、1分間保持した。
続いて、このハニカム構造体を110℃で2時間乾燥し、窒素雰囲気中500℃で1時間焼成することによって、接着剤層及びセル壁に形成された触媒担持層に白金触媒を担持させた。
触媒の担持量は、触媒担持層であるアルミナ20gに対して白金が3g担持されるようにした。
以上の工程によって、アルミナからなる触媒担持層が接着剤層のガス流入側端面からハニカム構造体の全長の50%の領域に形成され、触媒担持層に白金触媒が担持されたハニカム構造体を製造した。
(比較例1)
上記触媒担持層の形成、及び、上記白金触媒の担持を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
従って、本比較例で製造したハニカム構造体では、接着剤層に触媒担持層が含まれていないこととなる。即ち、触媒担持層が含まれている接着剤層の全長に対する割合は、0%である。
(比較例2)
上記触媒担持層の形成において、ハニカム構造体を全体をアルミナスラリー中に浸漬し、上記白金触媒の担持において、ハニカム構造体を全体をジニトロジアンミン白金硝酸溶液中に浸漬した以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
なお、上記触媒担持層の形成においては、触媒担持層の形成量が、ハニカム構造体のうち触媒担持層が形成されている領域の体積1リットルあたり20gとなるように、アルミナスラリーへの浸漬と乾燥工程、焼成工程を繰り返し行った。
従って、本比較例で製造したハニカム構造体では、接着剤層全体に触媒担持層が含まれていることとなる。即ち、触媒担持層が含まれていない接着剤層の全長に対する割合は、0%である。
(ハニカム構造体の評価)
下記の方法を用いて、再生処理後の接着剤層における風食の度合い、及び、クラックの発生の有無を評価した。
即ち、図3に示したような、ハニカム構造体をエンジンの排気通路に配置した排ガス浄化装置を用いて測定した。
図3は、実施例及び比較例で製造したハニカム構造体を評価する際に使用する排ガス浄化装置の断面図である。
排ガス浄化装置220は、主に、ハニカム構造体100、ハニカム構造体100の外側を覆うケーシング221、ハニカム構造体100とケーシング221との間に配置された保持シール材222から構成されており、ケーシング221の排ガスが導入される側の端部には、エンジン等の内燃機関に連結された導入管224が接続されており、ケーシング221の他端部には、外部に連結された排出管225が接続されている。なお、図3中、矢印は排ガスの流れを示している。ここでは、ハニカム構造体の接着剤層の触媒担持層が含まれた側をガス流入側とする。
上記エンジンを回転数2000min−1、トルク40Nmで所定の時間運転し、6g/lのPMを捕集した。その後、ポストインジェクションを10分間を継続することにより、ハニカム構造体に再生処理を施した。
そして、再生処理終了後、ハニカム構造体のクラックの発生の有無を目視観察した。そして、クラックが全く観察されなかった場合は「○」、クラックが観察された場合は「×」と評価した。結果を表1に示した。
また、実施例1及び比較例1、2で製造したそれぞれのハニカム構造体(フィルタ)を排ガス浄化装置220に設置した後、エンジンを回転数3000min−1、トルク50Nmで240時間運転し、その後、排ガス浄化装置220からハニカム構造体を取り出し、さらに、上記ハニカム構造体を接着剤層を通るようにクロスカットし、その切断面における接着剤層の状態を観察した。具体的には、接着剤層の風食されている部分の窪みの深さ(ハニカム構造体の端面から窪みの最も深い部分までの距離)を測定した。上記窪みの深さは、5箇所測定し、その平均値で算出した。結果を表1に示した。
Figure 2008272738
表1に示した結果から明らかなように、ハニカム構造体の一方の端面側(ガス流入側)の接着剤層に触媒担持層が含まれており、ハニカム構造体の他方の端面側(ガス流出側)の接着剤層に触媒担持層が含まれていない場合(実施例1)には、接着剤層の風食の度合い(窪みの深さ)が小さく、クラックの発生も観察されなかった。
これに対し、比較例1のハニカム構造体のように、接着剤層に触媒担持層が含まれていない場合には、クラックは観察されなかったものの、窪みの深さが5mmを超えており、風食の度合いが大きかった。
また、比較例2のハニカム構造体のように、接着剤層全体に触媒担持層が形成されている場合には、風食の度合いが実施例1のハニカム構造体に比べて大きく、さらに複数箇所においてクラックの発生が観察された。
なお、比較例2において、実施例1よりも風食の度合いが大きかったのは、触媒担持層の形成量が少なかったためであると考えるれる。
これらの結果から、ハニカム構造体の接着剤層において、ガスが流入する端面側を触媒担持層が含まれた接着剤層とし、ガスが流出する端面側を触媒担持層が含まれない接着剤層とすることにより、接着剤層の風食や、クラックの発生を防止することができることが明らかとなった。
(第二実施形態)
次に、本発明の一実施形態である第二実施形態について説明する。
本実施形態のハニカム構造体では、上記接着剤層の上記触媒担持層が含まれていない領域が、上記ハニカム構造体の長手方向の全長の少なくとも10%の領域である。
即ち、本発明の実施形態のハニカム構造体においては、第一実施形態のハニカム構造体のように、上記接着剤層の上記触媒担持層が含まれていない領域が、上記ハニカム構造体の長手方向の全長の50%の領域でなくてもよいのである。
図4(a)、(b)は、それぞれ本発明のハニカム構造体の別の一例を模式的に示す断面図である。
図4(a)に示すハニカム構造体300では、ハニカム焼成体310を結束させる接着剤層のうち、ガス流入側321の接着剤層は、アルミナからなる触媒担持層が含まれた接着剤層301aであり、ガス流出側322の接着剤層は、触媒担持層が含まれていない接着剤層301bである。
そして、触媒担持層が含まれた接着剤層301aは、ハニカム構造体300の長手方向の全長(図4(a)中L)のガス流入側321から75%の領域(図4(a)中A1)に形成されており、接着剤層の残りの領域が、触媒担持層が含まれていない接着剤層301bである。
なお、図4(a)中、302aは、触媒担持層が含まれたコート層であり、302bは触媒担持層が含まれていないコート層であり、303はセラミックブロックであり、322は、ガス流出側である。
図4(b)に示すハニカム構造体400では、ハニカム焼成体410を結束させる接着剤層のうち、ガス流入側421の接着剤層は、アルミナからなる触媒担持層が含まれた接着剤層401aであり、ガス流出側422の接着剤層は、触媒担持層が含まれていない接着剤層401bである。
そして、触媒担持層が含まれた接着剤層401aは、ハニカム構造体400の長手方向の全長(図4(b)中L)のガス流入側421から10%の領域(図4(b)中A2)に形成されており、接着剤層の残りの領域が、触媒担持層が含まれていない接着剤層401bである。
なお、図4(b)中、402aは、触媒担持層が含まれたコート層であり、402bは触媒担持層が含まれていないコート層であり、403はセラミックブロックであり、422は、ガス流出側である。
勿論、本実施形態では、上記接着剤層の上記触媒担持層が含まれていない領域が、上記ハニカム構造体の長手方向の全長の少なくとも10%の領域であればよく、図4(a)、(b)に示したようなハニカム構造体の長手方向の全長の10%、又は、75%に限定されるわけではない。
また、上記接着剤層の上記触媒担持層が含まれている領域は、排ガスが流入する側から、上記ハニカム構造体の長手方向の全長の25%以上の領域であることが望ましい。
上記接着剤層の上記触媒担持層が含まれている領域が、この範囲にあると、接着剤層の風食をより確実に防止することができるからである。
このような本実施形態のハニカム構造体においても、第一実施形態のハニカム構造体と同様の作用効果(1)〜(2)を発揮することができる。
(実施例2〜5)
上記触媒担持層の形成においてアルミナスラリー中に浸漬するハニカム構造体の領域、及び、上記白金触媒の担持において全体をジニトロジアンミン白金硝酸溶液中に浸漬するハニカム構造体の領域を変更し、接着剤層の触媒担持層が含まれる領域を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
即ち、触媒担持層が含まれた接着剤層の全長に対する割合(触媒担持層が含まれていない接着剤層の全長に対する割合)を、実施例2では25%(75%)、実施例3では33%(67%)、実施例4では67%(33%)、実施例5では87%(13%)とした。
なお、触媒担持層の形成量についても、表2に示すように変更した。
実施例2〜5で製造したハニカム構造体について、上述した方法を用いて、再生処理後の接着剤層における風食の度合い、及び、クラックの発生の有無を評価した。結果を表2に示した。なお、表2には、参考のため、実施例1の結果についても合わせて示した。
Figure 2008272738
表2に示した結果から明らかなように、上記接着剤層の上記触媒担持層が含まれていない領域が、上記ハニカム構造体の長手方向の全長の10%以上の領域であれば、接着剤層の風食の度合い(窪みの深さ)が小さく、クラックの発生も観察されなかった。
また、実施例及び比較例で作製したハニカム構造体について、触媒担持層が含まれていない接着剤層の全長に対する割合と風食の度合いとの関係、及び、クラックの有無を図5に示した。図5は、触媒担持層が含まれていない接着剤層の全長に対する割合と風食の度合いとの関係、及び、クラックの有無を示すグラフである。なお、このグラフにおいて、クラックの発生しなかったハニカム構造体(実施例1〜5、比較例1)は、「●」でプロットし、クラックが発生したハニカム構造体(比較例2)については、「■」でプロットした。
そして、図5に示した結果からも、既に説明したとおり、ガスが流入する端面側を触媒担持層が含まれた接着剤層とし、ガスが流出する端面側を触媒担持層が含まれない接着剤層とすることにより、接着剤層の風食や、クラックの発生を防止することができること、さらに、上記接着剤層の上記触媒担持層が含まれていない領域が、上記ハニカム構造体の長手方向の全長の10%以上の領域であれば、接着剤層の風食の度合い(窪みの深さ)が小さいことが明確である。
(第三実施形態)
次に、本発明の一実施形態である第三実施形態について説明する。
本実施形態では、ハニカム構造体を構成する接着剤層が、無機繊維及び無機バインダ、無機粒子及び無機バインダ、又は、無機繊維、無機粒子及び無機バインダを主成分とする組成物を用いて形成されている。
上記無機繊維としては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等のセラミックファイバー等を挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機繊維のなかでは、アルミナファイバが望ましい。
上記無機粒子としては、前記無機粒子は、炭化物セラミック又は窒化物セラミックからなる粒子が望ましい。
具体的には、例えば、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素からなる無機粉末等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化ケイ素が望ましい。
上記無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機バインダのなかでは、シリカゾルが望ましい。
また、上記接着剤層を形成するための組成物には、必要に応じて、有機バインダが含まれていてもよい。
上記有機バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。有機バインダのなかでは、カルボキシメチルセルロースが望ましい。
さらに、上記接着剤層を形成するための組成物には、必要に応じて、酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤が含まれていてもよい。
上記バルーンとしては、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等が挙げられる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
このような本実施形態のハニカム構造体においては、上記組成物を用いて接着剤層が形成されているため、上記接着剤層は、上記ハニカム焼成体に比べて高い弾性を備えており、ハニカム構造体に生じた応力を緩和するのに適している。
また、このような本実施形態のハニカム構造体においても、第一実施形態のハニカム構造体と同様の作用効果(1)〜(2)を発揮することができる。
(第四実施形態)
次に、本発明の一実施形態である第四実施形態について説明する。
本実施形態では、接着剤層に含まれる触媒担持層が、酸化物セラミックからなる。
具体的には、例えば、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ等の酸化物セラミックが挙げられる。これらの材料は、単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
これらのなかでは、50m/g以上の高い比表面積を有するγ−アルミナが特に望ましい。
上記アルミナからなる触媒担持層を形成する方法は、第一の実施形態において説明した方法に特に限定されるものではなく、ハニカム構造体をアルミニウムを含有する金属化合物の溶液、例えば、硝酸アルミニウムの水溶液などに含浸して、ゾル−ゲル法によりセル壁にアルミナ膜を被膜させ、ハニカム構造体を乾燥、焼成する方法を用いてもよい。
このような本実施形態のハニカム構造体においては、上記触媒担持層が酸化物セラミックからなるため、比表面積が高く、触媒を高分散させる触媒担持層を形成するのに適している。
また、このような本実施形態のハニカム構造体においても、第一実施形態のハニカム構造体と同様の作用効果(1)〜(2)を発揮することができる。
(他の実施形態)
本発明のハニカム構造体において、接着剤層のみならず、ハニカム焼成体を構成するセル壁にも触媒担持層が形成されている場合、接着剤層の触媒担持層が含まれる領域と、セル壁の触媒担持層が形成される領域とは、ハニカム構造体の全長に対する割合が必ずしも同一である必要はなく、異なっていてもよい。
本発明のハニカム構造体の形状は、図1(a)に示した円柱状に限定されるものではなく、楕円柱状、多角柱状等の任意の柱形状であればよい。
本発明のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の気孔率は、30〜70%であることが望ましい。ハニカム構造体の強度を維持することが可能であるとともに、排ガスがセル壁を通過する際の抵抗を低く保つことができるからである。
これに対し、上記気孔率が30%未満であると、セル壁が早期に目詰まりを起こすことがあり、一方、上記気孔率が70%を超えると、ハニカム構造体の強度が低下して容易に破壊されることがある。
なお、上記気孔率は、例えば、水銀圧入法、アルキメデス法、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定等、従来公知の方法により測定することができる。
上記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面におけるセル密度は特に限定されないが、望ましい下限は、31.0個/cm(200個/in)、望ましい上限は、93個/cm(600個/in)、より望ましい下値は、38.8個/cm(250個/in)、より望ましい上限は、77.5個/cm(500個/in)である。
上記ハニカム構造体の構成材料の主成分は、炭化ケイ素に限定されるわけではなく、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、金属と窒化物セラミックの複合体、金属と炭化物セラミックの複合体等であってもよい。
また、上述したセラミックに金属ケイ素を配合したケイ素含有セラミック、ケイ素やケイ酸塩化合物で結合されたセラミック等のセラミック原料も構成材料の主成分として挙げられる。また、コージェライトやチタン酸アルミニウム等であってもよい。
これらのなかでは、炭化ケイ素が特に好ましい。耐熱性、機械強度、熱伝導率等に優れるからである。また、炭化ケイ素に金属ケイ素が配合されたもの(ケイ素含有炭化ケイ素)も望ましい。
湿潤混合物を調製する際に使用する炭化ケイ素粉末の粒径は特に限定されないが、後の焼成工程で収縮の少ないものが望ましい。例えば、1.0〜50μmの平均粒径を有する粉末100重量部と0.1〜1.0μmの平均粒径を有する粉末5〜65重量部とを使用することが望ましい。
上記範囲で炭化ケイ素粉末の粒径を調節することが、ハニカム焼成体の気孔径を調節するのに適している。なお、ハニカム焼成体の気孔径の調節は、焼成温度の調節によっても行うことができる。
湿潤混合物における有機バインダは特に限定されず、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等が挙げられる。このなかでは、メチルセルロースが望ましい。有機バインダの配合量は、通常、炭化ケイ素粉末等100重量部に対して、1〜10重量部が望ましい。
湿潤混合物を調製する際に使用する可塑剤や潤滑剤は、特に限定されず、可塑剤としては、例えば、グリセリン等が挙げられる。また、潤滑剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系化合物等が挙げられる。
潤滑剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル等が挙げられる。
なお、可塑剤、潤滑剤は、場合によっては、湿潤混合物に含まれていなくてもよい。
また、湿潤混合物を調製する際には、分散媒液を使用してもよく、分散媒液としては、例えば、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられる。
さらに、湿潤混合物中には、成形助剤が添加されていてもよい。
成形助剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が挙げられる。
さらに、湿潤混合物には、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等が挙げられる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
また、湿潤混合物中の有機分の含有量は10重量%以下であることが望ましく、水分の含有量は8〜30重量%であることが望ましい。
セルを封止する封止材ペーストとしては特に限定されないが、後工程を経て製造される封止材の気孔率が30〜75%となるものが望ましく、例えば、湿潤混合物と同様のものを用いることができる。
上記触媒担持層の表面に担持させる触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属が望ましく、このなかでは、白金がより望ましい。また、その他の触媒として、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、バリウム等のアルカリ土類金属を用いることもできる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
(a)は、本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、(b)はそのA−A線断面図である。 (a)は、本発明のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の一例を模式的に示す斜視図であり、(b)はそのB−B線断面図である。 実施例でハニカム構造体を評価する際に使用する排ガス浄化装置の断面図である。 (a)、(b)は、それぞれ本発明のハニカム構造体の別の一例を模式的に示す断面図である。 触媒担持層が含まれていない接着剤層の全長に対する割合と風食の度合いとの関係、及び、クラックの有無を示すグラフである。
符号の説明
10 触媒担持層
21 ガス流入側端面
22 ガス流出側端面
100、300、400 ハニカム構造体
101 接着剤層
101a、301a、401a 触媒担持層が含まれた接着剤層
101b、301b、401b 触媒担持層が含まれていない接着剤層
102 コート層
103、303、403 セラミックブロック
110 ハニカム焼成体
111 セル
112 封止材
113 セル壁
121、321、421 ガス流入側
122、322、422 ガス流出側
G 排ガス

Claims (7)

  1. 多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体が、接着剤層を介して複数個結束されてなるハニカム構造体であって、
    前記接着剤層の前記ハニカム構造体における一方の端面側には触媒担持層が含まれており、他方の端面側には触媒担持層が含まれていないことを特徴とするハニカム構造体。
  2. 前記一方の前記触媒担持層が含まれた接着剤層が形成されている端面側からガスが流入し、前記他方の端面側からガスが流出する請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記ハニカム焼成体は、前記セルのいずれか一方の端部が封止されている請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
  4. 前記接着剤層の前記触媒担持層が含まれていない領域は、前記ハニカム構造体の長手方向の全長の少なくとも10%の領域である請求項1〜3のいずれかに記載のハニカム構造体。
  5. 前記接着剤層は、無機繊維及び無機バインダ、無機粒子及び無機バインダ、又は、無機繊維、無機粒子及び無機バインダを主成分とする組成物を用いて形成されている請求項1〜4のいずれかに記載のハニカム構造体。
  6. 前記無機粒子は、炭化物セラミック又は窒化物セラミックからなる粒子である請求項5に記載のハニカム構造体。
  7. 前記接着剤層に含まれる触媒担持層は、酸化物セラミックからなる請求項1〜6のいずれかに記載のハニカム構造体。
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