JP5258410B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは特定の樹脂及び特定の電荷輸送性化合物を含有する電子写真感光体、該電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真技術に用いられる感光体において、近年その光導電性材料として、容易に成膜ができること、低コストで安定な生産が可能であること、等の利点から有機材料を用いた有機感光体が実用化され、現在もなお盛んな研究開発が行われている。有機感光体の中でも、電荷発生層、電荷輸送層を積層した機能分離型の有機感光体は、良好な電子写真特性を示すこと、更に各層に関して幅広い有機材料の中から適した材料を選択することができることから、主流となって実用化されるに至った。そして、電子写真用有機感光体としての高感度化、機械的劣化に対する耐久性について、特性の向上を達成してきた。
しかし、その一方で、画像品質、電気的劣化に対する耐久性、及び感光体の保存及び長期使用時の安定性等については、更なる改善が望まれている。
感光体の安定性に関しては、感光体を保存している間や長期使用時に感光層に含まれる電荷輸送材料等の低分子化合物が析出してしまうという問題がある。近年の高感度化に対する要求に伴い、電荷輸送材料等の低分子量化合物を比較的大量に添加する場合が多くなったことから、その結果として、感光体を長期間保存した場合に低分子化合物が析出したり、感光層にクラックが発生するという問題がある。また、電荷輸送層の高寿命化や保護層を用いた感光体ではこれまで以上に、帯電ローラー、クリーニングブレード等の部材と接する時間、つまり応力がかかる期間が長期化し析出、クラックといった問題が大きくなっている。
この対策として、特定の構造を有するポリカーボネート樹脂を含有させる方法(特許文献1、特許文献2及び特許文献3)が開示されている。また、特定の構造と共重合させたポリスチレンや添加剤を用いる方法(特許文献4)、特定の構造を有する電荷輸送材料を用いる方法(特許文献5)や高分子電荷輸送材料を用いる方法(特許文献6)が開示されている。
また、電荷輸送材料をトリアリールアミン構造を有する化合物とする技術が特許文献7〜15に開示されている。
更には、一般的な高移動度電荷輸送材料の設計指針が非特許文献1に開示されている。
特開平08−106168号公報 特開平09−006023号公報 特開平06−075415号公報 特開2006−106772号公報 特開平08−248649号公報 特開平08−248649号公報 特開昭51−93224号公報 特開昭52−4242号公報 特開昭61−228450号公報 特開昭62−208054号公報 特開昭62−283341号公報 特開昭62−283341号公報 特開平2−183259号公報 特開2005−215264号公報 特開2005−242192号公報 第49回日本画像学会技術講習会予稿集
ポリスチレン又はポリフェニレンオキサイド樹脂は、低コストでありながら誘電率が低く、電荷輸送層の樹脂として用いた場合、正孔輸送能が速く、電位安定性も比較的高い。しかし、膜自体がもろいことから電荷輸送層にクラックが生じやすい。また、電荷輸送材料の析出も生じやすいため、画像上に黒ポチ、白ポチ、カブリといった欠陥が発生し電子写真での特性向上と長期の安定性とが両立しない。このため現在、ポリスチレン、ポリフェニレンオキサイド樹脂を電荷輸送層に用いた製品はほとんど上市されていない。
この電荷輸送材料の析出、電荷輸送層のクラックは、熱変化や当接された圧力等の外部刺激により発生しやすい。特に電荷輸送層上に保護層が設けられた場合、電荷輸送層が電荷発生層及び保護層にはさまれることから、電荷輸送層に内部応力による刺激が加わり、電荷輸送材料の析出又は電荷輸送層のクラックが発生しやすくなる。
また、析出やクラックが観測されない場合でも樹脂中の電荷輸送材料が凝集することで、電荷輸送層内に微視的に電荷輸送材料の濃度ムラが発生し、その結果、画像上に濃度ムラが発生することがある。
特許文献7〜13には、トリアリールアミン構造を有する電荷輸送材料が開示されているが、炭素数6〜10のアルキル基を置換基に有する電荷輸送材料については、開示がない。
また、特許文献14及び特許文献15には、炭素数4以上の脂肪族基を有する電荷輸送材料の開示があるが、単層感光体への適用の開示にとどまっている。その効果についても、紙紛等の付着防止であり、本願発明の長期保存、使用時の析出防止の効果に関しての記述及びスチレン、ポリフェニレンオキサイド樹脂の記載は一切ない。
また、非特許文献1には従来の一般的な高移動度電荷輸送材料の設計指針が開示されている。この設計指針は、具体的には、(1)効果的な軌道の広がりと重なり、(2)構造的トラップの形成回避、(3)電荷密度分布の均一化、(4)双極子能率を考慮した分子構造を考慮した分子設計が必要であるというものである。
この非特許文献1においても、炭素数6〜10のアルキル基を電荷輸送材料の構造中に導入することは、上述の一般的な高移動度電荷輸送材料の設計指針に反することから、言及されていない。
すなわち、上記設計指針に従って電荷輸送材料の設計を行うことが、これまでの常識であった。本願発明の炭素数6〜10のアルキル基を構造中に有する電荷輸送材料は、その立体障害の影響で(1)の効果的な軌道の広がりと重なりを確保することができないとされていた。
本発明の目的は、上記課題の解決にあり、ポリスチレン、ポリフェニレンオキサイド樹脂を電荷輸送層に用いた場合でも、電荷輸送材料の析出、電荷輸送層のクラック、画像の濃度ムラが発生せず、長期間の保存にも安定な電子写真感光体を提供することである。
本発明の別の目的は、この電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することである。
本発明に従って、支持体及び該支持体上に設けられた電荷発生物質を含有する電荷発生層、及び該電荷発生層上に設けられた電荷輸送性化合物を含有する電荷輸送層を有する電子写真感光体において、該電荷輸送層が炭素数6以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物と、ポリスチレン樹脂又はポリフェニレンオキシド樹脂とを含有することを特徴とする電子写真感光体が提供される。
また、本発明に従って、上記電子写真感光体を具備するプロセスカートリッジ及び電子写真装置が提供される。
本発明によれば、電荷輸送材料の析出及び電荷輸送層のクラックの抑制効果に優れる電子写真感光体、並びに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが可能となった。
以下、本発明の電子写真感光体について詳細に説明する。
まずは、本発明に用いられる、炭素数6以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物について説明する。
炭素数6以上10以下のアルキル基としては、例えば、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、環状アルキル基、環状アルキル基により置換されたアルキル基が挙げられる。
直鎖アルキル基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプルチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
分岐アルキル基としては、例えば、4−メチルペンチル基、5−メチルヘキシル基、4,4−ジメチルペンチル基等が挙げられる。
環状アルキル基としては、例えばシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基が挙げられる。
環状アルキル基により置換されたアルキル基としては、以下のものが挙げられる。例えば、シクロヘキシルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチルメチル基、シクロオクチルメチル基、シクロヘキシルエチル基、2−シクロヘキシル−n−プロピル基、3−シクロヘキシル−n−プロピル基等である。
これらの中でも、直鎖アルキル基が好ましい。
炭素数6以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物とは、上に例示したような炭素数6以上10以下のアルキル基を有し、電荷輸送性を示す化合物であればどのようなものでもよい。
例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン誘導体や、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセンである。又は、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体である。更には、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体に、炭素数6以上10以下のアルキル基を有させたものが挙げられる。
本発明においては、炭素数6以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物の中でも、特に下記式(1)〜(4)に示す構造式の化合物が好ましい。

上記式(1)中、R〜R15は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示す。ただし、R〜R15のうち少なくとも1つは、炭素数6以上10以下のアルキル基を示す。
上記置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。上記置換基を有してもよいアラルキル基のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基等が挙げられる。
上記置換基を有してもよいアリール基のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基である。又は、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、ガルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチオフェニル基等も挙げられる。
上記式(2)中、R101〜R128は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基を示す。更に、R101〜R120の少なくとも2つは、炭素数6〜10のアルキル基である。ただし、同一ベンゼン環上には、2つ以上の炭素数6〜10のアルキル基を有さない。Xは下記群より選ばれる構造を有する。
上記式(3)中、R201〜R220は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基を示し、少なくとも2つは炭素数6〜10のアルキル基である。ただし、同一ベンゼン環上には、2つ以上の炭素数6〜10のアルキル基を同時には有さない。Yは下記群より選ばれる構造を有する。
上記R21〜R23は、メチル基又はエチル基を示す。
上記式(4)中、R301〜R310のうち少なくとも1つは炭素数6〜10のアルキル基である。炭素数6〜10のアルキル基でないものは、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアルコキシ基である。また、それぞれが互いに結合して芳香環を成していてもよい。
311は置換基を有してもよい芳香族基である。有してよい置換基は、メチル基、エチル基、ハロゲン基、無置換若しくはメチル基を有するジアルキルアミノ基(アルキル基の炭素数は2以下)である。又は、ベンジルアルキルアミノ基(アルキル基の炭素数は2以下)、ジベンジルアミノ基、アルキルアリールアミノ基(アルキル基の炭素数は2以下)、ジアリールアミノ基である。
この化合物は以下の様に合成される。
ジアリールアミンは、例えばウルマン反応やパラジウムを用いたカップリング反応により合成する。
パラジウムを用いたカップリング反応の場合は、アリールブロマイドとアリールアミンとを原料に、塩基性条件下、パラジウム触媒(例えばテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム等)を用いて任意のジアリールアミンを合成する。この場合、炭素数6〜10のアルキル基はアリールブロマイド側に導入されていてもよいし、アリールアミン側に導入されていてもよい。
このジアリールアミンを亜硝酸ナトリウムで酸化し、ニトロソ体を合成する。それを還元剤(例えば水素化リチウムアルミニウムや亜鉛)で還元することにより、ジアリールヒドラジンを得る。
このヒドラジン化合物と、ホルミル体とを、酸性条件下で加熱縮合して目的のヒドラゾン化合物を得る。ホルミル体は例えばオキシ塩化リンとジメチルホルムアミドを用いたVilsmeier反応で合成する事が出来る。
次に、上記一般式(1)〜(4)の化合物例を表1〜表4に挙げるがこれらに限定されるわけではない。
また、上記炭素数6以上10以下のアルキル基を有する一般式(1)〜(4)の電荷輸送性化合物に加え下記一般式(5)で示される化合物を含有することで更に電荷輸送材料の析出及び電荷輸送層のクラックを抑制することができる。前記電荷輸送性化合物と前記ポリスチレン樹脂もしくはポリフェニレンオキシド樹脂の総重量に対して、一般式(5)の化合物が5%以上30%以下が好ましく、下記一般式(6)の場合更に好ましい。
式(5)中、R401は炭素数5〜20のアルキル基を示す。R402〜R406は、それぞれ独立に、水素原子、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン基、アミノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示す。ZはO、C=O、COO又は単結合を示す。
式(6)中、R501は炭素数5〜12のアルキル基を表す。
次に、上記一般式(5)の化合物例を表5に挙げるがこれらに限定されるわけではない。
本発明において、炭素数6以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上用いてもよい。また、炭素数6以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物と、これ以外の電荷輸送性化合物とを併用してもよい。
なお、例示化合物、実施例、比較例の電荷輸送材料が有するアルキル基は、特に記載がない限りは、すべて直鎖(ノルマル)のアルキル基である。
また、本発明の電子写真感光体の感光層には、ポリスチレンもしくはポリフェニレンオキサイド樹脂とそれ以外の重合体とを併せて含有させてもよい。ポリスチレンもしくはポリフェニレンオキサイド樹脂以外の樹脂としては、以下のものが挙げられる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ環状オレフィン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等である。又は、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等も挙げられる。
本発明の電子写真感光体に用いられる支持体としては、導電性のもの(導電性支持体)であればよく、アルミニウム、ニッケル、銅、金及び鉄等の金属又は合金製のものが挙げられる。また、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド及びガラス等の絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金等の金属や、酸化インジウム、酸化スズ等の導電性材料の薄膜を形成したものでもよい。又は、カーボンや導電性フィラーを樹脂中に分散し、導電性を付与したものでもよい。
支持体の表面は、電気的特性や密着性の改善のために、陽極酸化等の電気化学的な処理を施してもよい。また、支持体の表面を、アルカリリン酸塩又はリン酸やタンニン酸を主成分とする酸性水溶液に金属塩の化合物又はフッ素化合物の金属塩を溶解してなる溶液で化学処理を施してもよい。
また、露光光(画像露光光)としてレーザー光等の単一波長光を用いた電子写真装置に本発明の電子写真感光体を用いる場合、干渉縞を抑制するために、支持体の表面を適度に粗面化しておくことが好ましい。具体的には、支持体の表面を、ホーニング、ブラスト、切削、電界研磨の処理を施すことや、支持体上に導電性金属酸化物及び結着樹脂を含む導電性皮膜を設けることが好ましい。
ホーニング処理には、乾式での処理及び湿式での処理があるが、どちらを採用してもよい。湿式ホーニング処理とは、水等の液体に粉末状の研磨材を懸濁させてなる懸濁液を、高速度で支持体の表面に吹き付けて粗面化する方法である。湿式ホーニング処理の場合、支持体の表面粗さは、懸濁液の吹き付け圧力、速度、研磨材の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重及び懸濁温度等により制御することができる。乾式ホーニング処理は、研磨剤をエアーにより、高速度で支持体の表面に吹き付けて粗面化する方法である。乾式ホーニング処理の場合も、支持体の表面粗さは、湿式ホーニング処理と同じようにして制御することができる。ホーニング処理に用いる研磨剤としては、例えば、炭化ケイ素、アルミナ、鉄及びガラスビーズ等の粒子が挙げられる。
支持体と感光層又は後述の中間層との間には、レーザー光等の散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子等の導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。金属酸化物粒子としては、酸化亜鉛や酸化チタンの粒子が挙げられる。また、導電性粒子として、酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子を用いることもできる。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリアミド樹脂が挙げられる。これらは、支持体に対する接着性が良好であるとともに、導電性粒子の分散性が向上し、成膜後の耐溶剤性が良好である。
また、導電層には、導電層の表面性を高めるために、レベリング剤を添加してもよい。
支持体又は導電層と感光層との間には、バリヤー機能や接着機能等の機能を持つ中間層を設けてもよい。中間層は、例えば、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン等)、ポリウレタン及び酸化アルミニウム等によって形成することができる。
感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂及び溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
本発明に用いられる電荷発生物質としては、以下のものが挙げられる。
(1)モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料、
(2)金属フタロシアニンや非金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料、
(3)インジゴやチオインジゴ等のインジゴ顔料、
(4)ペリレン酸無水物やペリレン酸イミド等のペリレン顔料、
(5)アンスラキノンやピレンキノン等の多環キノン顔料、
(6)スクワリリウム色素、
(7)ピリリウム塩、チアピリリウム塩類、
(8)トリフェニルメタン色素、
(9)セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコン等の無機物質、
(10)キナクリドン顔料、
(11)アズレニウム塩顔料、
(12)シアニン染料、
(13)キサンテン色素、
(14)キノンイミン色素、
(15)スチリル色素、
(16)硫化カドミウム、
(17)酸化亜鉛
これらの中でも、特に、金属フタロシアニン顔料が好ましい。その中でも、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましく、その中でも、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが特に好ましい。
オキシチタニウムフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン結晶が好ましい。CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°及び27.3°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン結晶も同様に好ましい。
クロロガリウムフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.4°、16.6°、25.5及び28.2°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。また、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の6.8°、17.3°、23.6°及び26.9°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶も同様に好ましい。更には、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の8.7°〜9.2°、17.6°、24.0°、27.4°及び28.8°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶も同様に好ましい。
ジクロロスズフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の8.3°、12.2°、13.7°、15.9°、18.9°及び28.2°に強いピークを有するジクロロスズフタロシアニン結晶が好ましい。CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の8.5°、11.2°、14.5°及び27.2°に強いピークを有するジクロロスズフタロシアニン結晶も同様に好ましい。CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の8.7°、9.9°、10.9°、13.1°、15.2°、16.3°、17.4°、21.9°及び25.5°に強いピークを有するジクロロスズフタロシアニン結晶もよい。更には、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の9.2°、12.2°、13.4°、14.6°、17.0°及び25.3°に強いピークを有するジクロロスズフタロシアニン結晶も好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.3°、24.9°及び28.1°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。また、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶も好ましい。
電荷発生層の結着樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂が好ましい。また、ポリビニルメタクリレート樹脂、ポリビニルアクリレート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、メラミン樹脂等も挙げられる。これらの中でも、ブチラール樹脂が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の分散粒径は、0.5μm以下が好ましく、0.3μm以下がより好ましく、0.01μm以上0.2μm以下がより好ましい。
電荷発生層の膜厚は0.01μm以上2μm以下が好ましく、0.05μm以上0.3μm以下がより好ましい。
電荷輸送層は、少なくとも炭素数6以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物を含む電荷輸送物質と、樹脂とを共に溶剤に溶解させて得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。電荷輸送物質と結着樹脂との合計質量を100とした場合、電荷輸送物質の質量は30以上80以下であることが好ましい。電荷輸送物質の量が少なすぎると、電荷輸送能が低下し、感度低下及び残留電位の上昇等の問題点が生じる場合がある。
電荷輸送層の膜厚は1μm以上30μm以下が好ましく、5μm以上20μm以下がより好ましい。
また、本発明においては、機械的外力や化学的外力等から感光層の表面を保護することを目的として、また、転写性やクリーニング性の向上を目的として、感光層上に保護層を設けることもできる。
保護層の結着樹脂としては、上記の各種樹脂を用いることができる。樹脂のみ、又は、樹脂及び上述の電荷輸送物質を溶剤に溶解させることによって得られる保護層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
また、保護層は、同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物又はこの正孔輸送性化合物を熱若しくは光を用いて重合若しくは架橋することにより硬化した化合物の少なくとも一方を含有するものであってもよい。
具体的には、電荷輸送能を有するモノマーや高分子型の電荷輸送物質を種々の架橋反応を用いて硬化させることによって保護層を形成する。硬化させる反応としては、ラジカル重合、イオン重合、熱重合、光重合、放射線重合(電子線重合)が挙げられる。
また、保護層には、導電性粒子や潤滑剤を含有させてもよい。
保護層に用いられる導電性粒子としては、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等が挙げられる。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレス等が挙げられる。また、これらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したものも導電性粒子として用いることができる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。
保護層に用いられる潤滑剤としては、フッ素原子含有樹脂粒子、シリカ粒子及びシリコーン粒子等が挙げられるが、その中でも、フッ素原子含有樹脂粒子が特に好ましい。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びこれらの共重合体が挙げられる。これらの中でも、特に、四フッ化エチレン樹脂とフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。これらは1種類のみ用いてもよいし、2種類以上用いてもよい。
保護層の膜厚は0.5μm以上5μm以下が好ましく、1μm以上3μm以下がより好ましい。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法及びビームコーティング法等の方法を採用することができる。これらの中でも、量産性の観点から浸漬塗布法が好ましい。
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成を示す。
図1において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、まず、帯電手段(一次帯電手段)3により、その周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受ける。次いで、電子写真感光体1は、露光手段(不図示)から露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面には、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
形成された静電潜像は、正規又は反転現像方式の現像手段5内のトナーでトナー像として現像される。次いで、不図示の給紙部から電子写真感光体1の回転と同期して取り出され、電子写真感光体1と転写手段6との間に給送された転写材7(紙やフィルム等)に、電子写真感光体1の周面に形成されているトナー像が転写手段6によって順次転写されていく。このとき、転写手段6には、電源(不図示)からトナーの電荷とは逆極性の電圧が印加される。転写方式は、中間転写方式であってもよい。
トナー像の転写を受けた転写材7は、電子写真感光体の周面から分離されて定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受けることによって画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の周面は、クリーニング手段9によって転写残トナー等の付着物の除去を受けて清浄面化される。なお、近年、クリーナレスシステムも研究されており、転写残トナーを直接現像器等で回収するように構成することもできる。
その後、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理され、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、クリーニング手段9等の構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に構成し、このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に着脱自在に構成してもよい。例えば、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくとも1つを電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール等の案内手段12を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
また、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読み取って信号化する。露光光4は、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動又は液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
本発明の電子写真感光体は、複写機、レーザービームプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適用しうる。更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用し得るものである。
本発明で用いられる炭素数6以上10以下のアルキル基を有する一般式(1)の電荷輸送性化合物は、アリールハライドとアミン化合物との縮合反応で合成することができる。
例えば、ヨウ化ベンゼン類とアミン化合物から、銅触媒を用いて合成する方法(Ullmann反応)で合成することができる。(大有機化学,vol.16,52(1959)朝倉書店、有機化学講座3,66(1983)丸善、等参照。)
また、アリールハライドとアミン化合物から、塩基の存在下でホスフィン類とパラジウム化合物を触媒に用いても合成できる。なお、この方法は、Tetrahedron Letters,Vol.36,No.21,3609(1955);J.Am.Chem.Soc.Vol120,9722(1998)等参照。
合成の際に使用するアリールハライド及びアミン化合物は、所望の電荷輸送性化合物の構造に対応した組み合わせのものであればよい。
以下に、本発明で用いられる、炭素数6以上10以下のアルキル基を有する一般式(1)の電荷輸送性化合物の合成例を示す。
<合成例1>
1−ヨード−4−n−ヘキシルベンゼン10.0g(34.7mmol)、ジ(3,4−キシリル)アミン8.6g(38.2mmol)、o−ジクロロベンゼン10ml、銅粉6.6g及び炭酸カリウム7.2gを用意。これらを冷却管のついた100mlナスフラスコに入れ、8時間加熱還流した。
放冷後、濾過を行って触媒を除去した。得られた濾液に、トルエン80mlと水100mlを加え、10分間攪拌した後、有機層を分取した。有機層は、水100mlで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶液からトルエン及びo−ジクロロベンゼンを留去し、粗生成物を得た。
得られた粗成生物をシリカゲルカラムを用いて精製し、9.37g(収率70.0%)の例示化合物1−1を得た。
<合成例2>
冷却管のついた100mlナスフラスコに、1−ブロモ−4−n−ヘキシルベンゼン10.0g(41.5mmol)、3,4−ジメチルアニリン2.5g(20.7mmol)、及びトルエン20mlを入れ室温で5分間攪拌した。次に、酢酸パラジウム373mg(1.66mmol)、トリtert−ブチルホスフィン1.34g(6.64mmol)及びナトリウム−tert−ブトキシド5.58g(58.1mmol)を加え、1時間加熱還流した。
放冷後、濾過を行って触媒を除去した。得られた濾液に、トルエン80mlと水100mlを加え、10分間攪拌した後、有機層を分取した。有機層は、水100mlで洗浄した。更に、この洗浄操作を3回繰り返した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶液からトルエンを留去し、粗生成物を得た。
得られた粗成生物をシリカゲルカラムを用いて精製し、7.7g(収率84.3%)の例示化合物1−13を得た。
本発明の電荷輸送層に用いられる一般式(2)及び式(3)で示される電荷輸送材料は、アリールハライドとアミン化合物との縮合反応で合成される。合成に用いられるカップリング反応の例として、ヨウ化ベンゼン類とアミン化合物から銅触媒を用いて合成するUllmann反応(文献:大有機化学,vol.16、52(1959)朝倉書店、有機化学講座3,66(1983)丸善、等を参照)が挙げられる。
また、アリールハライドとアミン化合物から、塩基の存在下でホスフィン類とパラジウム化合物を触媒に用いた方法でも合成できる。なお、この反応は文献:Tetrahedron Letters,Vol.36,No.21,3609(1995)、J.AM.Chem.Soc.Vol.120,9722(1998)等参照した。
<合成例3>
以下に、合成例として、例示化合物(2-3)の合成方法を示す。
1-ヨード-4-n-ヘキシルベンゼン10.0g(34.7mmol)、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン 1.78g(7.8mmol)、o-ジクロロベンゼン10ml、銅粉6.6gと炭酸カリウム7.2gを用意。これらを冷却管のついた100mlナスフラスコに入れ、8時間加熱還流した。
放冷後、濾過を行って、触媒を除去した。得られた濾液には、トルエン100mlと水100mlを加え、
分液抽出を行い、有機層を分取した。更に、有機層を水100mlで洗浄した後、有機層に硫酸ナトリウムを加えて、水分を除いた。次に、得られた溶液からトルエン及びo-ジクロロベンゼンを留去し、粗生成物を得た。
得られた粗生成物は、シリカゲルカラムを用いて精製し、4.87g(収率72%)の例示化合物(2-3)の電荷輸送材料を得た。
<合成例4>
次に、例示化合物(2―13)の合成例を示す。
冷却管のついた200mlナスフラスコに、1-ブロモ-4-n-ヘキシルベンゼン10.0g(34.7mmol)、1,1-ビス(4-アミノフェニル)シクロヘキサン2.07g(7.8mmol)、及びo−キシレン30mlを入れ、室温で5分間攪拌した。次に酢酸パラジウム373mg(1.66mmol)トリ−tert−ブチルホスフィン1.34g(6.64mmol)及びナトリウム−tert−ブトキシド5.58g(58.1mmol)を加え、1時間加熱還流した。
放冷後、濾過を行って、触媒を除去した。得られた濾液には、トルエン100mlと水100mlを加え、分液抽出を行い、有機層を分取した。
更に、有機層を水100mlで洗浄した。この洗浄操作を3回繰り返した後、有機層に硫酸ナトリウムを加えて、水分を除いた。次に、得られた溶液からo−キシレンとトルエンを留去し、粗生成物を得た。
得られた粗生成物は、シリカゲルカラムを用いて精製し、5.80g(収率82.0%)の例示化合物(2−13)の電荷輸送材料を得た。
<合成例5>
次に、例示化合物(2−30)の合成例を示す。
冷却管のついた200mlナスフラスコに、ビス(4-ブロモフェニル)エーテル10.0g(30.5mmol)、下記構造(A)のジアリールアミン化合物24.0g(61.0mmol)、o−キシレン60mlを入れ、室温で5分間攪拌した。
次に、酢酸パラジウム548mg(2.44mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン2.97g(9.76mmol)及びナトリウム−tert−ブトキシド8.21g(85.4mmol)を加え、1時間加熱還流した。
放冷後、濾過を行って、触媒を除去した。得られた濾液には、トルエン100mlと水100mlを加え、分液抽出を行い、有機層を分取した。
更に、有機層を水100mlで洗浄した。この洗浄操作を3回繰り返した後、有機層に硫酸ナトリウムを加えて、水分を除いた。次に、得られた溶液からo−キシレンとトルエンを留去し、粗生成物を得た。
得られた粗生成物は、シリカゲルカラムを用いて精製し、26.5g(収率91.2%)の例示化合物(2−30)の電荷輸送材料を得た。
以下、実施例で使用した一般式(2)、(3)の電荷輸送材料は、対応するアリールハライドとアミン化合物を用いて、合成例3〜5のいずれかの方法と同様にして合成を行った。
<合成例6>
4-Hexylaniline(東京化成工業株式会社製)8.9質量部と1-Bromo-4-hexylbenzene (東京化成工業株式会社製)12.0質量部とテトラヒドロフラン(THF)300質量部を用意。これらを窒素フローした三口フラスコ中に入れた。t-BuONa10%水溶液50質量部を滴下後、(1,1’-Bis(diphenylphosphino)ferrocene)dichloropalladium(II)(アルドリッチ社製)1質量部を加えて5時間還流。
その後有機層をクロロホルムで抽出し、減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製しアミン体8.0質量部を得た。
このアミン体を、酢酸300ml中10%亜硝酸ナトリウム水溶液50質量部を加え、氷冷下で3時間撹拌。その後冷水を加え炭酸水素ナトリウムで中和後、クロロホルムで抽出し、減圧濃縮し、ニトロソ体を得た。
このニトロソ体を粗体のまま酢酸中で亜鉛粉を反応させた。クロロホルムで抽出後減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ヒドラジン化合物5.4質量部を得た。
得られたヒドラジン化合物をエタノール100質量部に溶解し、4-(Di-p-tolylamino)benzaldehyde(東京化成工業株式会社製)6.1質量部をエタノール50質量部に溶解した溶液を滴下。4時間還流を行った。クロロホルムで抽出後減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ヒドラゾン化合物8.2質量部を得た。
ヒドラゾン化合物の質量分析を行い、(MALDI−TOF MS:ブルカー・ダルトニクス(株)製 ultraflex)(加速電圧:20kV、モード:Reflector、分子量標準品:フラーレンC60)で、分子量を測定した。その結果、ピークトップ値として551が得られ、一般式(4)の例示化合物(4−1)と同一である事を確認した。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーを超音波水洗浄したものを支持体とした。
次に酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子(粉体抵抗率200Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は60%)40部、酸化チタン(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)8部を用意。更に、結着樹脂としてのフェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分60%)25部を用意。これらとメトキシプロパノール30部、メタノール30部を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミル装置で2時間分散して導電層用の分散液を調製した。
表面粗し付与材のシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、GE東芝シリコーン(株)製、平均粒径2μm)3.9部、レベリング剤のシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.002部を用意。これらを上述の分散液に添加し、攪拌することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を、23℃/60%RH環境下で、支持体上に浸漬塗布し、これを30分間140℃で乾燥・硬化(熱硬化)させることによって、膜厚が20μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、中間層用塗料を調製した。
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを20分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶10部を用意。これに、下記構造式(B)で示される化合物0.1部、及び、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)5部をシクロヘキサノン250部に添加。直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルでこれらを4時間分散した。これに250部の酢酸エチルを加えて希釈することによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
次に、例示化合物1−1を8部、下記構造式(C)で示される化合物2部、ポリαメチルスチレン(アルドリッチ社製)10部を、モノクロロベンゼン50部及びテトラヒドロフラン(THF)30部の混合溶媒で溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを1時間120℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成した。このようにして電荷輸送層が表面層である電子写真感光体1を作製した。
評価法としては、ヒューレットパッカード(株)製のレーザービームプリンター、カラーレーザージェット4600改造機(プロセススピード:94.2mm/s)を用い低温低湿(15℃/10%RH)環境下で行った。このレーザービームプリンターの帯電手段は、帯電ローラーを備えた接触帯電手段であり、帯電ローラーには直流電圧のみの電圧が印加される。また、このレーザービームプリンターは、電子写真感光体の回転方向において帯電手段の上流側かつ転写手段の下流側の位置に除電手段を有さない。また、改造として、露光光(画像露光光)の光量が可変となるようにした。
シアン色用プロセスカートリッジに電子写真感光体を装着し、これを、プリンターのシアン色用プロセスカートリッジのステーションに装着し、評価用の画像を出力した。
また、画像出力は20000枚行い、1枚目(初期)と20000枚目を評価した。
画像欠陥である黒ポチ、かぶり評価は白画像を出力し、白ポチはベタ画像を出力し目視で評価した。また微小濃度差はハーフトーン画像を出力し同様に目視で評価した。
なお、評価の基準は全く観測されない場合をA、問題ないレベルで観測された場合はB、若干観測され、高画質を要求される場合には問題になるレベルをC、欠陥や濃度差が明らかに観測された場合はDとした。
析出、クラック評価は加熱放置評価及び加熱冷却評価として以下のように行った、電子写真感光体をヒューレットパッカード社製のレーザービームプリンター(商品名:カラーレーザージェット4600)用のカートリッジに組み込んだ。
加熱放置評価として60℃で保存し析出性に対する加速試験を行った。評価は、14日後に感光体の表面を顕微鏡により観察し析出の有無を判定した。また、加熱冷却評価として、60℃保存と15℃保存を1日おきに変え、合計14日後に感光体の表面を顕微鏡により観察し析出の有無を判定した。結果を表6に示す。
(実施例2〜20)
実施例1において、電荷輸送層に用いた例示化合物1−1をそれぞれ表6に示すものに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体2〜20を作製した。また、電子写真感光体2〜20の評価を、電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
(実施例21〜30)
実施例1において、電荷輸送層に用いた例示化合物1−1をそれぞれ表6に示すものに変更しポリαメチルスチレン樹脂をポリフェニレンエーテル樹脂(ザイロン、旭ケミカル社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体21〜30を作製した。また、電子写真感光体21〜30の評価を、電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
(比較例1)
実施例1において、電荷輸送層に用いた例示化合物1−1を用いず、化合物(C)を10部とした以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。評価を電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
(比較例2)
実施例1において、電荷輸送層に用いた例示化合物1−1を下記化合物(D)に変えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。評価を電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
(比較例3)
実施例1において、電荷輸送層に用いた例示化合物1−1を下記化合物(E)に変えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。評価を電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
(比較例4)
実施例1において、電荷輸送層に用いた例示化合物1−1を下記化合物(F)に変えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。評価を電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
(比較例5)
実施例1において、電荷輸送層に用いた例示化合物1−1を下記化合物(G)に変えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。評価を電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
(比較例6)
実施例1において、電荷輸送層に用いた例示化合物1−1を下記化合物(H)に変えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。評価を電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
(実施例31)
実施例1において、例示化合物1−1を1部、構造式(C)で示される化合物を9部とし電荷輸送層の膜厚を15μmに変更し、電荷輸送層上に以下のような保護層(第二電荷輸送層)を設けた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体31を作製した。結果を表7に示す。
保護層を形成するための分散剤としてのフッ素原子含有樹脂(商品名:GF−300、東亞合成(株)製)0.45部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン35部と1−プロパノール35部に溶解。その後、潤滑剤としての四フッ化エチレン樹脂粉体(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)9部を添加。高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)で59MPa(600kgf/cm2)の圧力で3回の分散処理を施し、四フッ化エチレン樹脂粉体を均一に分散させた。これを10μmのPTFEメンブレンフィルターで加圧濾過し、潤滑剤分散液を調製した。
次に、下記構造式(10)で示される電荷輸送性化合物21部を上記潤滑剤分散液に加え、これをPTFE(四フッ化エチレン樹脂)製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布し、これに、窒素中において加速電圧150kV、線量1.5×104Gyの条件で電子線を照射し、引き続いて被照射体の温度が120℃になる条件で90秒間加熱処理を行った。このときの酸素濃度は10ppmであった。更に、大気中で100℃に調製された熱風乾燥機中で、20分間加熱処理を行うことによって、膜厚3μmの保護層を形成した。結果を表7に示す。
(実施例32)
実施例31において、例示化合物1−1を2部、構造式(C)で示される化合物を8部とした以外は、実施例31と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(実施例33)
実施例31において、例示化合物1−1を3部、構造式(C)で示される化合物を7部とした以外は、実施例31と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(実施例34)
実施例31において、例示化合物1−1を5部、構造式(C)で示される化合物を5部とした以外は、実施例31と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(実施例35)
実施例31において、例示化合物1−1を8部、構造式(C)で示される化合物を2部とした以外は、実施例31と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(実施例36)
実施例31において、例示化合物1−1を9部、構造式(C)で示される化合物を1部とした以外は、実施例31と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(実施例37)
実施例31において、構造式(C)で示される化合物を用いず、例示化合物1−1を10部とした以外は、実施例31と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(実施例38〜47)
実施例35において、電荷輸送層に用いた例示化合物1−1をそれぞれ表7に示すものに変更した以外は、実施例35と同様にして電子写真感光体38〜47を作製した。結果を表7に示す。
(実施例48)
実施例35において、電荷輸送層に用いた例示化合物1−1を例示化合物4-1に変更し、保護層(第二電荷輸送層)を以下のように設けた以外は、実施例35と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
保護層を形成するための分散剤としてのフッ素原子含有樹脂(商品名:GF−300、東亞合成(株)製)0.45部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン35部と1−プロパノール35部に溶解させる。その後、潤滑剤としての四フッ化エチレン樹脂粉体(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)9部を加える。そして、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)により59MPa(600kgf/cm2)の圧力で3回の分散処理を施し、四フッ化エチレン樹脂粉体を均一に分散させた。これを10μmのPTFEメンブレンフィルターで加圧濾過し、潤滑剤分散液を調製した。
次に、下記構造式(11)で示される電荷輸送性化合物10部、
下記構造式(12)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂10部を上記潤滑剤分散液に加え、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を電荷輸送層上にスプレーコーティングし、これを30分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が3μmの保護層を形成した。結果を表7に示す。
(実施例49〜52)
実施例48において、電荷輸送層に用いた例示化合物4−1をそれぞれ表7に示すものに変更した以外は、実施例48と同様にして電子写真感光体38〜47を作製した。結果を表7に示す。
(実施例53〜62、参考例63、64
実施例35において、電荷輸送層に用いた例示化合物1−1をそれぞれ表7に示すものに変更しポリαメチルスチレン樹脂をポリフェニレンエーテル樹脂(ザイロン、旭ケミカル社製)に変えた以外は、実施例35と同様にして電子写真感光体53〜62を作製した。結果を表7に示す。
(実施例65)
実施例31において、電荷輸送層に用いた例示化合物1−1を例示化合物4−1に変更した以外は、実施例31と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(実施例66)
実施例65において、更に例示化合物−2を1部加えた以外は、実施例65と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(実施例67)
実施例65において、更に例示化合物−2を2部加えた以外は、実施例65と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(実施例68)
実施例65において、更に例示化合物−2を4部加えた以外は、実施例65と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(実施例69)
実施例65において、更に例示化合物−2を6部加えた以外は、実施例65と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(実施例70)
実施例65において、更に例示化合物−2を8部加えた以外は、実施例65と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(実施例71)
実施例67において、例示化合物−2を例示化合物−4に変えた以外は、実施例67と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(実施例72)
実施例67において、例示化合物−2を例示化合物−12に変えた以外は、実施例67と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(実施例73)
実施例67において、例示化合物−2を例示化合物−32に変えた以外は、実施例67と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(実施例74)
実施例67において、例示化合物−2を例示化合物−34に変えた以外は、実施例67と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(実施例75)
実施例67において、例示化合物−2を例示化合物−44に変えた以外は、実施例67と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(比較例7)
比較例1において、電荷輸送層の膜厚を15μmに変更し、電荷輸送層上に実施例31と同様な保護層(第二電荷輸送層)を設けた以外は、比較例1と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(比較例8)
比較例2において、電荷輸送層の膜厚を15μmに変更し、電荷輸送層上に実施例31と同様な保護層(第二電荷輸送層)を設けた以外は、比較例2と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(比較例9)
比較例3において、電荷輸送層の膜厚を15μmに変更し、電荷輸送層上に実施例31と同様な保護層(第二電荷輸送層)を設けた以外は、比較例3と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(比較例10)
比較例4において、電荷輸送層の膜厚を15μmに変更し、電荷輸送層上に実施例31と同様な保護層(第二電荷輸送層)を設けた以外は、比較例4と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(比較例11)
比較例5において、電荷輸送層の膜厚を15μmに変更し、電荷輸送層上に実施例31と同様な保護層(第二電荷輸送層)を設けた以外は、比較例5と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
(比較例12)
比較例6において、電荷輸送層の膜厚を15μmに変更し、電荷輸送層上に実施例31と同様な保護層(第二電荷輸送層)を設けた以外は、比較例6と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を表7に示す。
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (12)

  1. 支持体及び該支持体上に設けられた電荷発生物質を含有する電荷発生層、及び該電荷発生層上に設けられた電荷輸送性化合物を含有する電荷輸送層を有する電子写真感光体において、該電荷輸送層が炭素数6以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物と、ポリスチレン樹脂又はポリフェニレンオキシド樹脂とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記電荷輸送層が前記炭素数6以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物と、前記ポリフェニレンオキシド樹脂とを含有する請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記炭素数6以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物が、下記一般式(1)で示される化合物である請求項1または2に記載の電子写真感光体。

    (上記式(1)中、R〜R15は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示す。ただし、R〜R15のうち少なくとも1つは、炭素数6以上10以下のアルキル基を示す。)
  4. 前記炭素数6以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物が、下記一般式(2)で示される化合物である請求項1または2に記載の電子写真感光体。

    (上記式(2)中、R101〜R128は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基を示す。更に、R101〜R120の少なくとも2つは、炭素数6〜10のアルキル基である。ただし、同一ベンゼン環上には、2つ以上の炭素数6〜10のアルキル基を有さない。Xは下記群より選ばれる構造を有する。)
  5. 前記炭素数6以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物が、下記一般式(3)で示される化合物である請求項1または2に記載の電子写真感光体。

    (上記式(3)中、R201〜R220は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基を示し、少なくとも2つは炭素数6〜10のアルキル基である。ただし、同一ベンゼン環上には、2つ以上の炭素数6〜10のアルキル基を同時には有さない。Yは下記群より選ばれる構造を有する。)

    (上記R21〜R23は、メチル基又はエチル基を示す。)
  6. 前記炭素数6以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物が、下記一般式(4)で示される化合物である請求項1または2に記載の電子写真感光体。

    (上記式(4)中、R301〜R310のうち少なくとも1つは炭素数6〜10のアルキル基である。炭素数6〜10のアルキル基でないものは、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアルコキシ基である。また、それぞれが互いに結合して芳香環を成していてもよい。R311は置換基を有してもよい芳香族基であり、有してよい置換基は、メチル基、エチル基、ハロゲン基、無置換若しくはメチル基を有するジアルキルアミノ基(アルキル基の炭素数は2以下)、ベンジルアルキルアミノ基(アルキル基の炭素数は2以下)、ジベンジルアミノ基、アルキルアリールアミノ基(アルキル基の炭素数は2以下)又はジアリールアミノ基である。)
  7. 前記電荷輸送層が下記一般式(5)で示される化合物を更に含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。

    (式(5)中、R401は炭素数5〜20のアルキル基を示す。R402〜R406は、それぞれ独立に、水素原子、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン基、アミノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示す。ZはO、C=O、COO又は単結合を示す。)
  8. 上記一般式(5)の構造を有する化合物が下記一般式(6)である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。

    (式(6)中、R501は炭素数5〜12のアルキル基を表す。)
  9. 前記電荷輸送層上に更に保護層を有する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  10. 前記保護層は、同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物又は該正孔輸送性化合物を熱、光、若しくは放射線を用いて重合若しくは架橋することにより硬化した化合物の少なくとも一方を含有することを特徴とする請求項9に記載の電子写真感光体。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現像する現像手段、電子写真感光体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段及び転写工程後の電子写真感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを共に一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
  12. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現像する現像手段及び電子写真感光体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段を備えることを特徴とする電子写真装置。
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