JP6896386B2 - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
近年、電子写真装置は、高い印刷画質の印刷物を大量に生産することが求められている。そこで、電子写真装置において繰り返し使用される電子写真感光体には、優れた電気特性および優れた耐摩耗性が求められる。
特許文献1には、電子写真感光体の表面層に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送物質を重合させて得られる重合物を含有させて、電子写真感光体の耐摩耗性を向上させる技術が開示されている。
一方、電子写真感光体の耐摩耗性が高くなるのに伴い、電子写真感光体の表面がリフレッシュされづらくなるため、繰り返し使用により放電生成物が電子写真感光体の表面に残りやすくなる。その結果、特に、高湿環境下において画像流れと呼ばれる画像欠陥が発生し、その画像欠陥に対する対策が求められる。
特開2000−066425号公報
特許文献1で開示されている表面層であっても、電子写真プロセスによっては、高湿環境下において画像流れの抑制効果が十分満足できるものではない場合があった。
したがって本発明の目的は、優れた電気特性および優れた耐摩耗性を有するとともに、画像流れの抑制効果が良好な電子写真感光体、およびその製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明は、支持体、および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体であって、該感光層の表面層が、下記式(1)で示される化合物、下記式(2)で示される化合物、下記式(3)で示される化合物、下記式(1−1−E)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の重合物を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
Figure 0006896386
但し、前記式(1)中、
11〜a13は0以上の整数を示し、
11〜b13は0以上の整数を示し、
11〜c13は0以上の整数を示し、
11+a12+a13≧2であり、
11+b12+b13≧1であり、
11およびb11のいずれか一方または両方が0であり、
12およびb12のいずれか一方または両方が0であり、
13およびb13のいずれか一方または両方が0であり、
Ar11は無置換のアレーンから(a11+b11+c11+1)個の水素原子を除いた(a11+b11+c11+1)価の基を示し、
Ar12は無置換のアレーンから(a12+b12+c12+1)個の水素原子を除いた(a12+b12+c12+1)価の基を示し、
Ar13は無置換のアレーンから(a13+b13+c13+1)個の水素原子を除いた(a13+b13+c13+1)価の基を示し、
11〜R13は炭素数が9以上のアルキル基を示し、
11〜Q13はカルボキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つで置換されたもしくは置換されていない炭素数1〜8のアルキル基、又はカルボキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つで置換されたもしくは置換されていない炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、フッ素原子、塩素原子、または臭素原子を示し、
11〜P13はそれぞれ独立に、下記式(A)で示される基を示す。
Figure 0006896386
但し、前記式(A)中、
*は前記式(1)、下記式(2)、(3)中、Ar11〜Ar13、Ar21〜Ar25およびAr31〜Ar36に結合する結合手を示し、
Lはアルカン又はアルケンから誘導される3価又は4価の基、並びに、アルキレン基、アルケニレン基、−C(=O)−、−N(R)−、−S−、および−O−からなる群より選択される2種以上を含む(n+1)価の連結基を示し、
は水素原子もしくはアルキル基を示し、
nは1以上3以下の整数を示す。
Figure 0006896386
但し、前記式(2)中、
21〜a25は0以上の整数を示し、
21〜b25は0以上の整数を示し、
21〜c25は0以上の整数を示し、
21+a22+a23+a24+a25≧2であり、
21+b22+b23+b24+b25≧1であり、
21およびb21のいずれか一方または両方が0であり、
22およびb22のいずれか一方または両方が0であり、
23およびb23のいずれか一方または両方が0であり、
24およびb24のいずれか一方または両方が0であり、
25およびb25のいずれか一方または両方が0であり、
Ar21は無置換のアレーンから(a21+b21+c21+1)個の水素原子を除いた(a21+b21+c21+1)価の基を示し、
Ar22は無置換のアレーンから(a22+b22+c22+1)個の水素原子を除いた(a22+b22+c22+1)価の基を示し、
Ar23は無置換のアレーンから(a23+b23+c23+1)個の水素原子を除いた(a23+b23+c23+1)価の基を示し、
Ar24は無置換のアレーンから(a24+b24+c24+1)個の水素原子を除いた(a24+b24+c24+1)価の基を示し、
Ar25は無置換のアレーンから(a25+b25+c25+2)個の水素原子を除いた(a25+b25+c25+2)価の基を示し、
21〜R25は炭素数が9以上のアルキル基を示し、
21〜Q25はカルボキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つで置換されたもしくは置換されていない炭素数1〜8のアルキル基、又はカルボキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つで置換されたもしくは置換されていない炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、フッ素原子、塩素原子、または臭素原子を示し、
21〜P25はそれぞれ独立に、前記式(A)で示される基を示す。
Figure 0006896386
但し、前記式(3)中、
31〜a36は0以上の整数を示し、
31〜b36は0以上の整数を示し、
31〜c36は0以上の整数を示し、
31+a32+a33+a34+a35+a36≧2であり、
31+b32+b33+b34+b35+b36≧1であり、
31およびb31のいずれか一方または両方が0であり、
32およびb32のいずれか一方または両方が0であり、
33およびb33のいずれか一方または両方が0であり、
34およびb34のいずれか一方または両方が0であり、
35およびb35のいずれか一方または両方が0であり、
36およびb36のいずれか一方または両方が0であり、
Ar31は無置換のアレーンから(a31+b31+c31+1)個の水素原子を除いた(a31+b31+c31+1)価の基を示し、
Ar32は無置換のアレーンから(a32+b32+c32+1)個の水素原子を除いた(a32+b32+c32+1)価の基を示し、
Ar33は無置換のアレーンから(a33+b33+c33+1)個の水素原子を除いた(a33+b33+c33+1)価の基を示し、
Ar34は無置換のアレーンから(a34+b34+c34+1)個の水素原子を除いた(a34+b34+c34+1)価の基を示し、
Ar35は無置換のアレーンから(a35+b35+c35+2)個の水素原子を除いた(a35+b35+c35+2)価の基を示し、
Ar36は無置換のアレーンから(a36+b36+c36+2)個の水素原子を除いた(a36+b36+c36+2)価の基を示し、
31〜R36は炭素数が9以上のアルキル基を示し、
31〜Q36はカルボキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つで置換されたもしくは置換されていない炭素数1〜8のアルキル基、又はカルボキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つで置換されたもしくは置換されていない炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、フッ素原子、塩素原子、または臭素原子を示し、
31〜P36はそれぞれ独立に、前記式(A)で示される基を示し、
31はアルキレン基、シクロアルキリデン基、アルケニレン基、−S−、および−O−のいずれかで示される2価の連結基を示す。
Figure 0006896386
また、本発明は、前記電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が、前記化合物を含有する表面層用塗布液を用いて塗膜を形成する工程、および、該塗膜に含有される前記化合物を重合させることによって表面層を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
さらに、本発明は、前記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
さらにまた、本発明は、前記電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置である。
本発明によれば、支持体、および該支持体上に感光層を有する電子写真感光体において優れた電気特性および優れた耐摩耗性を有するとともに、画像流れの抑制効果が良好な電子写真感光体およびその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、そのような電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
本発明の電子写真感光体の表面層は、式(1)で示される化合物、式(2)で示される化合物、式(3)で示される化合物、および下記式(1−1−E)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の重合物を含有することを特徴とする。
Figure 0006896386
但し、前記式(1)中、
11〜a13は0以上の整数を示し、
11〜b13は0以上の整数を示し、
11〜c13は0以上の整数を示し、
11+a12+a13≧2であり、
11+b12+b13≧1であり、
11およびb11のいずれか一方または両方が0であり、
12およびb12のいずれか一方または両方が0であり、
13およびb13のいずれか一方または両方が0であり、
Ar11は無置換のアレーンから(a11+b11+c11+1)個の水素原子を除いた(a11+b11+c11+1)価の基を示し、
Ar12は無置換のアレーンから(a12+b12+c12+1)個の水素原子を除いた(a12+b12+c12+1)価の基を示し、
Ar13は無置換のアレーンから(a13+b13+c13+1)個の水素原子を除いた(a13+b13+c13+1)価の基を示し、
11〜R13は炭素数が9以上のアルキル基を示し、
11〜Q13はカルボキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つで置換されたもしくは置換されていない炭素数1〜8のアルキル基、又はカルボキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つで置換されたもしくは置換されていない炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、フッ素原子、塩素原子、または臭素原子を示し、
11〜P13はそれぞれ独立に、下記式(A)で示される基を示す。
Figure 0006896386
但し、前記式(A)中、
*は前記式(1)、下記式(2)、(3)中、Ar11〜Ar13、Ar21〜Ar25およびAr31〜Ar36に結合する結合手を示し、
Lはアルカン又はアルケンから誘導される3価又は4価の基、並びに、アルキレン基、アルケニレン基、−C(=O)−、−N(R)−、−S−、および−O−からなる群より選択される2種以上を含む(n+1)価の連結基を示し、
は水素原子もしくはアルキル基を示し、
nは1以上3以下の整数を示す。
Figure 0006896386
但し、前記式(2)中、
21〜a25は0以上の整数を示し、
21〜b25は0以上の整数を示し、
21〜c25は0以上の整数を示し、
21+a22+a23+a24+a25≧2であり、
21+b22+b23+b24+b25≧1であり、
21およびb21のいずれか一方または両方が0であり、
22およびb22のいずれか一方または両方が0であり、
23およびb23のいずれか一方または両方が0であり、
24およびb24のいずれか一方または両方が0であり、
25およびb25のいずれか一方または両方が0であり、
Ar21は無置換のアレーンから(a21+b21+c21+1)個の水素原子を除いた(a21+b21+c21+1)価の基を示し、
Ar22は無置換のアレーンから(a22+b22+c22+1)個の水素原子を除いた(a22+b22+c22+1)価の基を示し、
Ar23は無置換のアレーンから(a23+b23+c23+1)個の水素原子を除いた(a23+b23+c23+1)価の基を示し、
Ar24は無置換のアレーンから(a24+b24+c24+1)個の水素原子を除いた(a24+b24+c24+1)価の基を示し、
Ar25は無置換のアレーンから(a25+b25+c25+2)個の水素原子を除いた(a25+b25+c25+2)価の基を示し、
21〜R25は炭素数が9以上のアルキル基を示し、
21〜Q25はカルボキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つで置換されたもしくは置換されていない炭素数1〜8のアルキル基、又はカルボキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つで置換されたもしくは置換されていない炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、フッ素原子、塩素原子、または臭素原子を示し、
21〜P25はそれぞれ独立に、前記式(A)で示される基を示す。
Figure 0006896386
但し、前記式(3)中、
31〜a36は0以上の整数を示し、
31〜b36は0以上の整数を示し、
31〜c36は0以上の整数を示し、
31+a32+a33+a34+a35+a36≧2であり、
31+b32+b33+b34+b35+b36≧1であり、
31およびb31のいずれか一方または両方が0であり、
32およびb32のいずれか一方または両方が0であり、
33およびb33のいずれか一方または両方が0であり、
34およびb34のいずれか一方または両方が0であり、
35およびb35のいずれか一方または両方が0であり、
36およびb36のいずれか一方または両方が0であり、
Ar31は無置換のアレーンから(a31+b31+c31+1)個の水素原子を除いた(a31+b31+c31+1)価の基を示し、
Ar32は無置換のアレーンから(a32+b32+c32+1)個の水素原子を除いた(a32+b32+c32+1)価の基を示し、
Ar33は無置換のアレーンから(a33+b33+c33+1)個の水素原子を除いた(a33+b33+c33+1)価の基を示し、
Ar34は無置換のアレーンから(a34+b34+c34+1)個の水素原子を除いた(a34+b34+c34+1)価の基を示し、
Ar35は無置換のアレーンから(a35+b35+c35+2)個の水素原子を除いた(a35+b35+c35+2)価の基を示し、
Ar36は無置換のアレーンから(a36+b36+c36+2)個の水素原子を除いた(a36+b36+c36+2)価の基を示し、
31〜R36は炭素数が9以上のアルキル基を示し、
31〜Q36はカルボキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つで置換されたもしくは置換されていない炭素数1〜8のアルキル基、又はカルボキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つで置換されたもしくは置換されていない炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、フッ素原子、塩素原子、または臭素原子を示し、
31〜P36はそれぞれ独立に、前記式(A)で示される基を示し、
31はアルキレン基、シクロアルキリデン基、アルケニレン基、−S−、および−O−のいずれかで示される2価の連結基を示す。
Figure 0006896386
上記式(1)〜式(3)で示される化合物は、極性の低い炭素数9以上のアルキル基を有するため、その重合物は疎水性を示す。上記重合物を表面層に用いた場合、高湿環境下でも水分を寄せ付けにくいため、画像流れによる画像欠陥を効果的に抑制できることを本発明者らは見出した。
ただし、炭素数9以上のアルキル基を、式(A)で示されるような連鎖重合性官能基の近傍に配置すると、重合反応を阻害する立体障害となる可能性がある。具体的には、同一のアリール基もしくは同一のアリーレン基に、炭素数9以上のアルキル基および式(A)で示される基が置換する場合、これらの置換基同士によって構成される立体障害により重合反応が効果的に進まず、結果として優れた耐摩耗性が得られないことがわかった。
画像流れによる画像欠陥の抑制効果の観点から、前記式(1)〜(3)中、R11〜R13、R21〜R25およびR31〜R36は直鎖のアルキル基であることがより好ましい。また、前記式(2)および(3)中、b25、b35およびb36が0であることがより好ましい。さらには、前記式(1)〜(3)中、b11+b12+b13≧2であり、b21+b22+b23+b24+b25≧2であり、並びにb31+b32+b33+b34+b35+b36≧2であることがより好ましい。
繰り返し使用時の電位変動が減少される観点から、前記式(1)〜(3)中、a11+a12+a13=2であり、a21+a22+a23+a24+a25=2であり、並びにa31+a32+a33+a34+a35+a36=2であることが好ましい。さらには、前記式(1)〜(3)中、a11+a12+a13=1であり、a21+a22+a23+a24+a25=1であり並びにa31+a32+a33+a34+a35+a36=1であり、c11+c12+c13=1であり、c21+c22+c23+c24+c25=1であり、並びにc31+c32+c33+c34+c35+c36=1であり、a11およびc11のいずれか一方または両方が0であり、
12およびc12のいずれか一方または両方が0であり、a13およびc13のいずれか一方または両方が0であり、a21およびc21のいずれか一方または両方が0であり、
22およびc22のいずれか一方または両方が0であり、a23およびc23のいずれか一方または両方が0であり、a24およびc24のいずれか一方または両方が0であり、
25およびc25のいずれか一方または両方が0であり、a26およびc26のいずれか一方または両方が0であり、a31およびc31のいずれか一方または両方が0であり、
32およびc32のいずれか一方または両方が0であり、a33およびc33のいずれか一方または両方が0であり、a34およびc34のいずれか一方または両方が0であり、
35およびc35のいずれか一方または両方が0であり、並びにa36およびc36のいずれか一方または両方が0である化合物から選択される少なくとも1種の化合物との共重合物であることがより好ましい。
式(1)〜式(3)で示される化合物中、Ar11〜Ar13、Ar21〜Ar25、およびAr31〜Ar36で示される基としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ナフタセン、フェナントレン、クリセン、トリフェニレン、ピレンなどの縮合多感環芳香族化合物、およびビフェニル、フルオレンから導かれる基などが挙げられる。
式(3)で示される化合物中、X31はアルキレン基、シクロアルキリデン基、アルケニレン基、硫黄原子、および酸素原子のいずれかで示される2価の連結基を示す。前記アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。前記シクロアルキリデン基としては、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基が挙げられる。前記アルケニレン基としては、エチレニレン基、プロピレニレン基、ブチレニレン基などが挙げられる。
優れた耐摩耗性が得られる観点から、前記式(1)で示される化合物の重合物であることが好ましい。さらには、前記式(A)中、nが2であることが好ましい。
以下に、本発明の式(1)、式(2)並びに式(3)で示される化合物の具体例、および式(1−1−E)で表される化合物を例示化合物として挙げるが、本発明は、これらに限定されるわけではない。
Figure 0006896386
Figure 0006896386
Figure 0006896386
Figure 0006896386
Figure 0006896386
本発明は、電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が、特定な化合物を含有する表面層用塗布液を用いて塗膜を形成する工程、および、該塗膜に含有される該化合物を重合させることによって表面層を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
本発明の電子写真感光体は、支持体、および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体である。
図1は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図1中、101は支持体であり、102は電荷発生層であり、103は電荷輸送層であり、104は表面層であり、105は感光層である。
本発明の電子写真感光体に用いられる支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼などの金属(合金)製の支持体が挙げられる。アルミニウムまたはアルミニウム合金製の支持体の場合は、ED管、EI管や、これらを切削、電解複合研磨、湿式または乾式ホーニング処理した管を支持体として用いることもできる。また、金属製支持体、樹脂製支持体上にアルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などの導電材料の薄膜を形成したものも、支持体として用いることができる。
支持体の表面は、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を樹脂などに含浸させてなる支持体や、導電性樹脂製の支持体を用いることもできる。
本発明においては、必要に応じて、支持体と感光層(電荷発生層、電荷輸送層、表面層)との間に、後述の下引層や中間層を設けてもよい。
下引層は、例えば、結着樹脂と、必要に応じてその他添加物とを含んで構成される。
下引層に含まれる結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、不飽和ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、結着樹脂としては、上層(電荷発生層)の塗布溶剤に不溶な樹脂が望ましく、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、シリコーン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物等の金属化合物等を含有してもよい。
金属化合物と結着樹脂との比率は、特に制限されず、所望する電子写真感光体特性を得られる範囲で設定される。
下引層には、表面粗さ調整のために樹脂粒子を添加してもよい。樹脂粒子としては、シリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂粒子等が挙げられる。なお、表面粗さ調整のために下引層を形成後、その表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が用いられる。
ここで、下引層の構成として、結着樹脂と導電性粒子とを少なくとも含有する構成が挙げられる。なお、導電性粒子は、例えば体積抵抗率が10Ω・cm未満の導電性を有するものが好ましい。
導電性粒子としては、例えば、金属粒子(アルミニウム、銅、ニッケル、銀などの粒子)、導電性金属酸化物粒子(酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛などの粒子)、導電性物質粒子(カーボンファイバ、カーボンブラック、グラファイト粉末の粒子)等が挙げられる。これらの中でも、導電性金属酸化物粒子が好適である。導電性粒子は、2種以上混合して用いてもよい。
また、導電性粒子は、疎水化処理剤(例えばカップリング剤)等により表面処理を施して、抵抗調整して用いてもよい。
導電性粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが望ましく、より望ましくは40質量%以上80質量%以下である。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶媒に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
なお、下引層形成用塗布液中に粒子を分散させる場合、その分散方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。ここで、高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、望ましくは15μm以上、より望ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。中間層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素原子などを含有する有機金属化合物などが挙げられる。これらの化合物は、単独に若しくは複数の化合物の混合物又は重縮合物として用いてもよい。中でも、ジルコニウムもしくはケイ素を含有する有機金属化合物は残留電位が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用による電位の変化が少ないなどの点から好適である。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶媒に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行われる。
中間層形成用塗布液を下引層上に塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層は上層の塗布性改善の他に、電気的なブロッキング層の役割も果たすが、膜厚が大きすぎる場合には電気的な障壁が強くなりすぎて減感(感光度低下)や繰り返し使用による電位の上昇を引起こすことがある。したがって、中間層を形成する場合には、0.1μm以上3μm以下の膜厚範囲に設定することがよい。また、この場合の中間層を下引層として使用してもよい。
本発明の電子写真感光体における電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とから構成される。なお、電荷発生層は、例えば、電荷発生材料の蒸着膜で構成されていてもよい。電荷発生材料としては、無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料が挙げられ、特に、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.7゜、9.3゜、16.9゜、17.5゜、22.4゜及び28.8゜に強い回折ピークを有する無金属フタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも9.6゜、24.1゜及び27.2゜に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶が挙げられる。その他、電荷発生材料としては、キノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、アントロン顔料、キナクリドン顔料等が挙げられる。また、これらの電荷発生材料は、単独又は2種以上を混合して用いてもよい。
電荷発生層を構成する結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂(例えば、ビスフェノールA若しくはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂)、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、例えば10:1乃至1:10の範囲が望ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用される。例えば、上記成分を溶媒に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
なお、電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、望ましくは0.01μm以上5μm以下、より望ましくは0.05μm以上2.0μm以下の範囲に設定される。
本発明の電子写真感光体における電荷輸送層は、たとえば、電荷輸送性材料と、結着樹脂とから構成される。
電荷輸送性材料としては、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリス[4−(4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエニル)フェニル]アミン、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4′−メトキェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体などの正孔輸送物質、クロラニル、ブロモアントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物等の電子輸送物質、及び上記した化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電荷輸送層を構成する結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂(例えば、ビスフェノールA若しくはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂)、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、塩素ゴム等の絶縁性樹脂、及びポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマー等が挙げられる。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
これらの結着樹脂の中でも、ポリカーボネートがよく、特に、Feders法で算出した溶解度パラメーターが11.40以上11.75以下であるポリカーボネート共重合体であることがよい。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で、例えば10:1乃至1:5が望ましい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶媒に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いられる。
なお、電荷輸送層形成用塗布液中に粒子を分散させる場合、その分散方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、例えば、望ましくは5μm以上50μm以下、より望ましくは10μm以上30μm以下の範囲内に設定される。
本発明の電子写真感光体における表面層は、以下のように形成することができる。まず、式(1)で示される化合物、式(2)で示される化合物、および式(3)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を溶剤に溶解させることで表面層用塗布液を得る。続いて、前記表面層用塗布液を用いて、電子写真感光体の被塗布面(電荷輸送層)上に塗膜を形成し、該化合物を重合させることで3次元架橋物を得て、前記表面層を形成することができる。
式(1)で示される化合物、式(2)で示される化合物、および式(3)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の含有量は、例えば、層形成のための組成物中の全固形分に対して30質量%以上がよく、望ましくは50質量%以上である。
本発明の電子写真感光体における表面層は、増粘樹脂を有してもよい。
増粘樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂(例えば、ビスフェノールA若しくはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂)、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、塩素ゴム等の絶縁性樹脂、及びポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマー等が挙げられる。
これらの中でも、増粘樹脂としては、汎用性、溶媒への溶解性、入手容易性の観点から、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、及びポリビニル系樹脂から選択される少なくとも1種、具体的には、例えば、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、及びポリビニルブチラールから選択される少なくとも1種であることがよい。
但し、増粘樹脂は、電気特性の悪化を抑制する観点から、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、等の極性基を50モル%以下(望ましくは40モル%以下)で含む樹脂であることがよい。
なお、極性基の量は、赤外分光法を用い、極性基を持たない樹脂からの吸収ピークの高さの比率により求められる。
増粘樹脂は、電荷輸送層を構成する結着樹脂とは異なる樹脂(構造が異なる樹脂)であることがよい。これは、一般的に構造の異なる樹脂は相溶し難いため表面層と電荷輸送層とが明確な界面を持って形成され易くなり、その結果、表面層の機械的強度及び電気特性が向上し易くなる。
増粘樹脂の重量平均分子量は、例えば、10000以上150000以下がよく、特に望ましくは10000以上100000以下(さらに望ましくは50000を超え100000以下)である。
増粘樹脂の重量平均分子量を10000以上とすると、表面層を形成するための組成物(塗布液)の粘度が増加し易くなる。一方、増粘樹脂の重量平均分子量を150000以下とすると、表面層を形成するための組成物(塗布液)に増粘樹脂が溶解される難くなるのを抑制し、当該組成物(塗布液)の粘度上昇が実現し易くなる。
本発明の電子写真感光体における表面層は、フッ素含有樹脂粒子を有してもよい。
フッ素含有樹脂粒子としては、フルオロオレフィンのホモポリマーや、2種以上の共重合体であって、フルオロオレフィンの1種又は2種以上と非フッ素系のモノマーとの共重合体の粒子が挙げられる。
フルオロオレフィンとしては、例えばテトラフルオロエチレン(TFE)、パーフルオロビニルエーテル、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)などのパーハロオレフィン、フッ化ビニリデン(VdF)、トリフルオロエチレン、フッ化ビニルなどの非パーフルオロオレフィン等が挙げられ、VdF、TFE、CTFE、HFPなどが望ましい。
一方、非フッ素系のモノマーとしては、例えばエチレン、プロピレン、ブテンなどのハイドロカーボン系オレフィン、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)、エチルビニルエーテル(EVE)、ブチルビニルエーテル、メチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルエーテル(POEAE)、エチルアリルエーテルなどのアルケニルビニルエーテル、ビニルトリメトキシシラン(VSi)、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シランなどの反応性α,β−不飽和基を有する有機ケイ素化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸エステル、メタアクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのメタアクリル酸エステル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、「ベオバ」(商品名、シェル社製のビニルエステル)などのビニルエステルなどが挙げられ、アルキルビニルエーテル、アリルビニルエーテル、ビニルエステル、反応性α,β−不飽和基を有する有機ケイ素化合物が望ましい。
これらのうち、フッ素化率の高いものが望ましく、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)などが好ましい。これらのうちでも、PTFE、FEP、PFAが特に望ましい。
フッ素含有樹脂粒子は、例えばフッ素系単量体を乳化重合などの方法で製造した粒子(フッ素樹脂水性分散液)をそのまま使用してもよく、十分に水洗した後に乾燥したものを使用してもよい。
フッ素含有樹脂粒子の平均粒子径としては0.01μm以上100μm以下が好ましく、特に0.03μm以上5μm以下であることが好ましい。
なお、上記フッ素含有樹脂粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置LA−700(堀場製作所製)を用いて測定した値をいう。
フッ素含有樹脂粒子は、市販で入手したものを用いてもよく、例えばPTFE粒子としては、フルオンL173JE(旭ガラス社製)、ダニイオンTHV−221AZ、ダニイオン9205(住友3M社製)、ルブロンL2、ルブロンL5(ダイキン社製)などが挙げられる。
フッ素含有樹脂粒子は、紫外領域の発振波長を有するレーザー光を照射されたものであってもよい。フッ素含有樹脂粒子に照射されるレーザー光については特に限定されるものではなく、例えば、エキシマレーザー等が挙げられる。エキシマレーザー光としては、波長が400nm以下、特に193nm以上308nm以下の紫外レーザー光が好適である。特に、KrFエキシマレーザー光(波長:248nm)およびArFエキシマレーザー光(波長:193nm)等が好ましい。エキシマレーザー光照射は、通常、室温(25℃)大気中で行うが、酸素雰囲気中で行ってもよい。
また、エキシマレーザー光の照射条件は、フッ素樹脂の種類および求められる表面改質の程度によって左右されるが、一般的な照射条件は次の通りである。
フルエンス:50mJ/cm/パルス以上
入射エネルギー:0.1J/cm以上
ショット数:100以下
特に好適なKrFエキシマレーザー光およびArFエキシマレーザー光の常用される照射条件は次の通りである。
KrF
フルエンス:100mJ/cm/パルス以上500mJ/cm/パルス以下
入射エネルギー:0.2J/cm以上2.0J/cm以下
ショット数:1以上20以下
ArF
フルエンス:50mJ/cm/パルス以上150mJ/cm/パルス以下
入射エネルギー:0.1J/cm以上1.0J/cm以下
ショット数:1以上20以下
フッ素含有樹脂粒子の含有量は、表面層の固形分全量に対して1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上12質量%以下がより好ましい。
フッ素含有樹脂粒子とともに、フッ素含有分散剤を併用してもよい。
フッ素含有分散剤は、フッ素含有樹脂粒子を表面層中に分散させるために用いられるものであるため、界面活性作用を有していることが好ましく、つまり分子内に親水基と疎水基とを持つ物質であることがよい。
フッ素含有分散剤としては、以下の反応性の単量体を重合した樹脂(以下「特定樹脂」と称する。)が挙げられる。具体的には、パーフルオロアルキル基を有するアクリレートと、フッ素を有さないモノマーと、のランダム又はブロック共重合体、メタクリレートホモポリマーおよび前記パーフルオロアルキル基を有するアクリレートと、前記フッ素を有さないモノマーと、のランダム又はブロック共重合体、メタクリレートと、前記フッ素を有さないモノマーと、のランダム又はブロック共重合体が挙げられる。なお、パーフルオロアルキル基を有するアクリレートとしては、例えば2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレートが挙げられる。
また、フッ素を有さないモノマーとしては、例えば、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、ヒドロキシエチルo−フェニルフェノールアクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテルアクリレートが挙げられる。また、米国特許第5637142号明細書、特許第4251662号公報、特許第4251662号公報などに開示されたブロック又はブランチポリマーなどが挙げられる。またその他に、フッ素系界面活性剤が挙げられる。フッ素系界面活性剤の具体例としては、サーフロンS−611、サーフロンS−385(AGCセイミケミカル社製)、フタージェント730FL、フタージェント750FL(ネオス社製)、PF−636、PF−6520(北村化学社製)、メガファックEXP,TF−1507、メガファックEXP、TF−1535(DIC製)、FC−4430、FC−4432(3M社製)などが挙げられる。
なお、特定樹脂の重量平均分子量は100以上50000以下が好ましい。
フッ素含有分散剤の含有量は、表面層の固形分全量に対して0.1質量%以上1質量%以下が好ましく、0.2質量%以上0.5質量%以下がさらに好ましい。
フッ素含有分散剤をフッ素含有樹脂粒子の表面に付着させる方法としては、フッ素含有分散剤を直接フッ素含有樹脂粒子の表面に付着させてもよいし、まず上記の単量体をフッ素含有樹脂粒子の表面に吸着させた後に重合を行なって、フッ素含有樹脂粒子の表面に前記特定樹脂を形成させてもよい。
フッ素含有分散剤は、他の界面活性剤と併用してもよい。但し、その量としては極力少ないことが好ましい。他の界面活性剤の含有量は、フッ素含有樹脂粒子1質量部に対し、0質量部以上0.1質量部以下が好ましく、望ましくは0質量部以上0.05質量部以下、より望ましくは0質量部以上0.03質量部以下である。
他の界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤が好ましい。例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、グリセリンエステル類、フッ素系界面活性剤およびその誘導体などが挙げられる。
ポリオキシエチレン類の具体例としては、例えばエマルゲン707(花王社製)、ナロアクティーCL−70、ナロアクティーCL−85(三洋化成工業社製)、レオコールTD−120(ライオン社製)などが挙げられる。
本発明の電子写真感光体における表面層は、不飽和結合を有する化合物を含有してもよい。
不飽和結合を有する化合物としては、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。
不飽和結合を有する化合物としては以下のようなものが挙げられる。
1官能のモノマーは、例えば、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、ヒドロキシエチルo−フェニルフェノールアクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテルアクリレート、スチレン、などが挙げられる。
2官能のモノマーは、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等が挙げられる。
3官能のモノマーは、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、脂肪族トリ(メタ)アクリレート、トリビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
4官能のモノマーは、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、脂肪族テトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
5官能以上のモノマーは、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の他、ポリエステル骨格、ウレタン骨格、フォスファゼン骨格を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、反応性のポリマーとしては、例えば、特開平5−216249号公報、特開平5−323630号公報、特開平11―52603号公報、特開2000−264961号公報、特開2005−2291号公報などに開示されたものが挙げられる。
本発明の電子写真感光体における表面層は、非反応性の電荷輸送材料を併用してもよい。非反応性の電荷輸送材料は電荷輸送を担っていない反応性基を有さないため、非反応性の電荷輸送材料を表面層に用いた場合には電荷輸送成分の濃度が高まり、電気特性を更に改善するのに有効である。また、非反応性の電荷輸送材料を添加して架橋密度を減じ、強度を調整してもよい。
非反応性の電荷輸送材料としては、公知の電荷輸送材料を用いてもよく、具体的には、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化
合物等が用いられる。
中でも、電荷移動度、相溶性などの観点から、トリフェニルアミン骨格を有するものが望ましい。
非反応性の電荷輸送材料は、層形成のための塗布液中の全固形分に対して0質量%以上30質量%以下で用いられることが望ましく、より望ましくは1質量%以上25質量%以下であり、更に望ましくは5質量%以上25質量%以下である。
表面層を構成する膜は、更に成膜性、可とう性、潤滑性、接着性を調整するなどの目的から、他のカップリング剤、特にフッ素含有のカップリング剤と混合して用いてもよい。このような化合物として、各種シランカップリング剤、及び市販のシリコーン系ハードコート剤が用いられる。また、ラジカル重合性基を有するシリコーン化合物、フッ素含有化合物を用いてもよい。
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、等が挙げられる。
市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−8239(以上、信越化学工業社製)、AY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等が挙げられる。
また、撥水性等の付与のために、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン、等の含フッ素化合物を加えてもよい。
シランカップリング剤は任意の量で使用されるが、含フッ素化合物の量は、重合膜の成膜性の観点から、フッ素を含まない化合物に対して質量で0.25倍以下とすることが望ましい。更に、特開2001−166510号公報などに開示されている反応性のフッ素化合物などを混合してもよい。
ラジカル重合性基を有するシリコーン化合物、フッ素含有化合物としては、特開2007−11005号公報に記載の化合物などが挙げられる。
表面層を構成する膜には、劣化防止剤を添加することが望ましい。劣化防止剤としては、ヒンダードフェノール系、又はヒンダードアミン系が望ましく、有機イオウ系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤、などの公知の酸化防止剤を用いてもよい。
劣化防止剤の添加量としては20質量%以下が望ましく、10質量%以下がより望ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、イルガノックス1076、イルガノックス1010、イルガノックス1098、イルガノックス245、イルガノックス1330、イルガノックス3114、イルガノックス1076(以上、チバ・ジャパン社製)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフェニル等が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、サノールLS2626、サノールLS765、サノールLS770、サノールLS744(以上、三共ライフテック社製)、チヌビン144、チヌビン622LD(以上、チバ・ジャパン社製)、マークLA57、マークLA67、マークLA62、マークLA68、マークLA63(以上、アデカ社製)が挙げられ、チオエーテル系として、スミライザーTPS、スミライザーTP−D(以上、住友化学社製)が挙げられ、ホスファイト系として、マーク2112、マークPEP−8、マークPEP−24G、マークPEP−36、マーク329K、マークHP−10(以上、アデカ社製)等が挙げられる。
表面層を構成する膜には、導電性粒子や、有機、無機粒子を添加してもよい。
この粒子の一例として、ケイ素含有粒子が挙げられる。ケイ素含有粒子とは、構成元素にケイ素を含む粒子であり、具体的には、コロイダルシリカ及びシリコーン粒子等が挙げられる。ケイ素含有粒子として用いられるコロイダルシリカは、望ましくは平均粒径1nm以上100nm以下、より望ましくは10nm以上30nm以下のシリカを、酸性若しくはアルカリ性の水分散液、又はアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれる。該粒子としては一般に市販されているものを使用してもよい。
表面層中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、表面層の全固形分全量を基準として、0.1質量%以上50質量%以下、望ましくは0.1質量%以上30質量%以下の範囲で用いられる。
ケイ素含有粒子として用いられるシリコーン粒子は、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、シリコーン表面処理シリカ粒子から選ばれ、一般に市販されているものを使用してもよい。
これらのシリコーン粒子は球状で、その平均粒径は望ましくは1nm以上500nm以下、より望ましくは10nm以上100nm以下である。
表面層中のシリコーン粒子の含有量は、表面層の全固形分全量を基準として、望ましくは0.1質量%以上30質量%以下、より望ましくは0.5質量%以上10質量%以下である。
また、その他の粒子としては、四フッ化エチレン、三フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のフッ素系粒子や、フッ素樹脂と水酸基を有するモノマーを共重合させた樹脂で構成される粒子、ZnO−Al、SnO−Sb、In−SnO、ZnO−TiO、ZnO−TiO、MgO−Al、FeO−TiO、TiO、SnO、In、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物が挙げられる。さらに、粒子を分散させるために公知の種々の分散材を用いてもよい。
表面層を構成する膜には、シリコーンオイル等のオイルを添加してもよい。
シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル;アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル;ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類;1,3,5−トリメチル−1.3.5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類;ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類;3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素含有シクロシロキサン類;メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサン等のヒドロシリル基含有シクロシロキサン類;ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン等のビニル基含有シクロシロキサン類等が挙げられる。
表面層を構成する膜には、塗膜の濡れ性改善のため、シリコーン含有オリゴマー、フッ素含有アクリルポリマー、シリコーン含有ポリマー等を添加してもよい。
表面層を構成する膜には、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等を添加してもよい。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレス等、又はこれらの金属を樹脂の粒子の表面に蒸着したもの等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。
これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いる。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固溶体や融着での混合でもよい。導電性粒子の平均粒径は0.3μm以下、特に0.1μm以下が望ましい。
表面層用塗布液の溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール等のアルコール類;、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;、酢酸エチル、酢酸nプロピル、酢酸nブチル、乳酸エチル等のエステル類等の単独溶媒又は混合溶媒が挙げられる。
表面層用塗布液中にフッ素含有樹脂粒子を分散させるための分散方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機を利用した分散方法が挙げられる。さらに、当該分散方法としては、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などの分散方法も挙げられる。
表面層用塗布液は、被塗布面(電荷輸送層)の上に、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法、インクジェット塗布法等の通常の方法により塗布される。
その後、得られた塗膜に対して、光、電子線又は熱を付与してラジカル重合を生起させて、該塗膜を重合させる。
重合の方法は、熱、光、放射線などが用いられる。熱、光で重合を行う場合、重合開始剤は必ずしも必要ではないが、光硬化触媒又は熱重合開始剤を用いてもよい。この光硬化触媒及び熱重合開始剤としては、公知の光硬化触媒や熱重合開始剤が用いられる。放射線としては電子線が望ましい。
・電子線硬化
電子線を用いる場合、加速電圧は300KV以下が望ましく、最適には150KV以下である。また、線量は望ましくは1Mrad以上100Mrad以下の範囲、より望ましくは3Mrad以上50Mrad以下の範囲である。加速電圧が300KV以下であることにより感光体特性に対する電子線照射のダメージが抑制される。また、線量が1Mrad以上であることにより重合が十分に行なわれ、100Mrad以下であることにより感光体の劣化が抑制される。
照射は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、酸素濃度が1000ppm、望ましくは500ppm以下で行い、さらに照射中、又は照射後に50℃以上150℃以下に加熱してもよい。
・光硬化
光源としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプなどが用いられ、バンドパスフィルター等のフィルターを用いて好適な波長を選択してもよい。照射時間、光強度は自由に選択されるが、例えば照度(365nm)は300mW/cm以上、1000mW/cm以下が望ましく、例えば600mW/cmのUV光を照射する場合、5秒以上360秒以下照射すればよい。
照射は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、酸素濃度が望ましくは1000ppm以下、より望ましくは500ppm以下で行い、さらに照射中、又は照射後に50℃以上150℃以下に加熱してもよい。
光硬化触媒としての分子内開裂型光硬化開始剤としては、ベンジルケタール系、アルキルフェノン系、アミノアルキルフェノン系、ホスフィンオキサイド系、チタノセン系、オキシム系などが挙げられる。
より具体的には、ベンジルケタール系として、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンが挙げられる。
また、アルキルフェノン系としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、アセトフェノン、2−フェニル−2−(p−トルエンスルホニルオキシ)アセトフェノンが挙げられる。
アミノアルキルフェノン系としては、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モリホニル)フェニル]−1−ブタノンなどが挙げられる。
ホスフィノキサイド系としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンキサイドなどが挙げられる。
チタノセン系としては、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムなどが挙げられる。
オキシム系としては、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)などが挙げられる。
光硬化触媒としての水素引抜型光硬化開始剤としては、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンジル系、ミヒラーケトン系などが挙げられる。
より具体的には、ベンゾフェノン系として、2−ベンゾイル安息香酸、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
チオキサントン系としては、2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
ベンジル系としては、ベンジル、(±)−カンファーキノン、p−アニシルなどが挙げられる。
これらの光重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
・熱硬化
熱重合開始剤としては、熱ラジカル発生剤又はその誘導体が挙げられ、具体的には、例えば、V−30、V−40、V−59、V601、V65、V−70、VF−096、VE−073、Vam−110、Vam−111(和光純薬工業製)、OTazo−15、OTazo−30、AIBN、AMBN、ADVN、ACVA(大塚化学)等のアゾ系開始剤;パーテトラA、パーヘキサHC、パーヘキサC、パーヘキサV、パーヘキサ22、パーヘキサMC、パーブチルH、パークミルH、パークミルP、パーメンタH、パーオクタH、パーブチルC、パーブチルD、パーヘキシルD、パーロイルIB、パーロイル355、パーロイルL、パーロイルSA、ナイパーBW、ナイパーBMT−K40/M、パーロイルIPP、パーロイルNPP、パーロイルTCP、パーロイルOPP、パーロイルSBP、パークミルND、パーオクタND、パーヘキシルND、パーブチルND、パーブチルNHP、パーヘキシルPV、パーブチルPV、パーヘキサ250、パーオクタO、パーヘキシルO、パーブチルO、パーブチルL、パーブチル355、パーヘキシルI、パーブチルI、パーブチルE、パーヘキサ25Z、パーブチルA、パーヘキシルZ、パーブチルZT、パーブチルZ(日油化学社製)、カヤケタールAM−C55、トリゴノックス36−C75、ラウロックス、パーカドックスL−W75、パーカドックスCH−50L、トリゴノックスTMBH、カヤクメンH、カヤブチルH−70、ペルカドックスBC−FF、カヤヘキサAD、パーカドックス14、カヤブチルC、カヤブチルD、カヤヘキサYD−E85、パーカドックス12−XL25、パーカドックス12−EB20、トリゴノックス22−N70、トリゴノックス22−70E、トリゴノックスD−T50、トリゴノックス423−C70、カヤエステルCND−C70、カヤエステルCND−W50、トリゴノックス23−C70、トリゴノックス23−W50N、トリゴノックス257−C70、カヤエステルP−70、カヤエステルTMPO−70、トリゴノックス121、カヤエステルO、カヤエステルHTP−65W、カヤエステルAN、トリゴノックス42、トリゴノックスF−C50、カヤブチルB、カヤカルボンEH−C70、カヤカルボンEH−W60、カヤカルボンI−20、カヤカルボンBIC−75、トリゴノックス117、カヤレン6−70(化薬アクゾ社製)、ルペロックス610、ルペロックス188、ルペロックス844、ルペロックス259、ルペロックス10、ルペロックス701、ルペロックス11、ルペロックス26、ルペロックス80、ルペロックス7、ルペロックス270、ルペロックスP、ルペロックス546、ルペロックス554、ルペロックス575、ルペロックスTANPO、ルペロックス555、ルペロックス570、ルペロックスTAP、ルペロックスTBIC、ルペロックスTBEC、ルペロックスJW、ルペロックスTAIC、ルペロックスTAEC、ルペロックスDC、ルペロックス101、ルペロックスF、ルペロックスDI、ルペロックス130、ルペロックス220、ルペロックス230、ルペロックス233、ルペロックス531(アルケマ吉富社製)などが挙げられる。 これらのうち、分子量250以上のアゾ系重合開始剤を用いると、低い温度でムラなく反応が進行することから、ムラの抑制された高強度の膜の形成が図られる。より好適には、アゾ系重合開始剤の分子量は、250以上であり、300以上が更に好適である。
加熱は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、酸素濃度が望ましくは1000ppm以下、より望ましくは500ppm以下で行い、望ましくは50℃以上170℃以下、より望ましくは70℃以上150℃以下で、望ましくは10分以上120分以下、より望ましくは15分以上100分以下加熱する。
光硬化触媒又は熱重合開始剤の総含有量は、層形成のための溶解液中の全固形分に対して0.1質量%以上10質量%以下が望ましく、更には0.1質量%以上8質量%以下がより望ましく、0.1質量%以上5質量%以下の範囲が特に望ましい。
なお、本実施態様では、反応が早く進行しすぎると架橋により塗膜の構造緩和ができ難くなり、膜のムラやシワを発生しやすくなるといった理由から、ラジカルの発生が比較的ゆっくりと起こる熱による重合方法が採用される。
特に、特定の反応性基含有電荷輸送材料と熱による硬化とを組み合わせることで、塗膜の構造緩和の促進が図られ、表面性状に優れた高い表面層が得られ易くなる。
表面層の膜厚は、例えば、望ましくは3μm以上40μm以下、より望ましくは5μm以上35μm以下の範囲内に設定される。
図2に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図2において、1は円筒状(ドラム状)の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、帯電手段(一次帯電手段)3により、その表面(周面)が正または負に帯電される。次いで、電子写真感光体1の表面には、露光手段(像露光手段)(不図示)から出力される露光光(像露光光)4が照射される。露光光4は、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調される。露光手段としては、スリット露光やレーザービーム走査露光などが挙げられる。こうして電子写真感光体1の表面には、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで、現像手段5内に収容されたトナーで現像(正規現像または反転現像)され、トナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により転写材7に転写される。ここで、転写材7が紙である場合、給紙部(不図示)から電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に給送される。また、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。また、転写手段は、一次転写部材、中間転写体および二次転写部材を有する中間転写方式の転写手段であってもよい。
トナー像が転写された転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離され、定着手段8へ搬送されて、トナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によってクリーニングされ、転写残トナーなどの付着物が除去される。転写残トナーは、現像手段などで回収することもできる。さらに、必要に応じて、電子写真感光体1の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光10の照射により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
本発明においては、電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段9などから選択される構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとしてもよい。また、プロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱自在とする構成であってもよい。例えば、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段9からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
〈実施例1〉
−下引層の作製−
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m/g)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学社製)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
表面処理を施した酸化亜鉛110質量部を500質量部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン0.6質量部を50質量部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛をろ別し、さらに60℃で減圧乾燥を行いアリザリン付与酸化亜鉛を得た。
このアリザリン付与酸化亜鉛60質量部と硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製):13.5質量部とブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学社製)15質量部とをメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部とメチルエチルケトン:25質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。
得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製):40質量部を添加し、下引層形成用塗布液を得た。
導電性支持体として直径30mm、長さ357.5mm、肉厚1mmの円筒状アルミニウム支持体を準備し、得られた下引層形成用塗布液を浸漬塗布法にて、円筒状アルミニウム支持体上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い、厚さ18.7μmの下引層を得た。
−電荷発生層の作製−
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、及び酢酸n−ブチル200質量部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液に酢酸n−ブチル175質量部、及びメチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層形成用塗布液を得た。
得られた電荷発生層形成用塗布液を先に円筒状アルミニウム支持体に形成した下引層上に浸漬塗布し、常温(25℃)で乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
−電荷輸送層の作製−
次に、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)40質量部、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン10質量部、及び結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(三菱ガス(株)製:粘度平均分子量:6万、重量平均分子量5万)55質量部をテトラヒドロフラン560質量部、トルエン240質量部に加えて溶解し、電荷輸送層用塗布液を得た。この塗布液を先に円筒状アルミニウム支持体に形成した電荷発生層上に塗布し、135℃、45分の乾燥を行って膜厚が25μmの電荷輸送層を形成した。
−表面層の作製−
まず、ルブロンL2(ダイキン工業(株)社製)5質量部及びフッ素系グラフトポリマー(アロンGF300:東亜合成製)0.2質量部を、酢酸イソブチル300質量部とともに、20℃の恒温槽内にて超音波ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)で10分間の分散処理を3回繰り返し、懸濁液を得た。その懸濁液に、例示化合物(1−1−E)100質量部と、重合開始剤のVE−73(和光純薬工業(株)製)2質量部を加え、室温で12時間撹拌混合して、表面層用塗布液を作製した。
次に、得られた表面層用塗布液を、先に円筒状アルミニウム支持体上に形成した電荷輸送層上にリング塗布法によって、突き上げ速度200mm/minで塗布した。その後、酸素濃度計を有する窒素乾燥機にて、酸素濃度100ppm以下の状態で、温度160±5℃、時間60分の硬化反応を実施し、表面層を形成した。表面層の膜厚は7μmであった。
以上のようにして、電子写真感光体を製造した。
〈実施例2〉
実施例1において、例示化合物(1−1−E)50質量部とし、さらに下記式(4)で示される化合物を50質量部加えて表面層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 0006896386
〈実施例3〉
実施例2において、表面層用塗布液を先に円筒状アルミニウム支持体上に形成した電荷輸送層上にリング塗布した後、得られた塗膜を50℃で5分間加熱処理した。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、吸収線量50000Gyの条件で1.6秒間電子線を塗膜に照射した。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜が130℃になる条件で25秒間加熱処理した。なお、電子線の照射から25秒間の加熱処理までの酸素濃度は100ppmであった。次に、大気中において、塗膜が115℃になる条件で12分間加熱処理することによって、膜厚が7μmの表面層を形成した以外は実施例2と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例4〉
実施例1において、例示化合物(1−1−E)を例示化合物(1−1−F)に変更して表面層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例5〉
実施例1において、例示化合物(1−1−E)を例示化合物(2−1−A)に変更して表面層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例6〉
実施例1において、例示化合物(1−1−E)を例示化合物(1−1−H)に変更して表面層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例7〉
実施例1において、例示化合物(1−1−E)を例示化合物(2−1−C)に変更して表面層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例8〉
実施例1において、例示化合物(1−1−E)を例示化合物(1−2−D)に変更して表面層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例9〉
実施例1において、例示化合物(1−1−E)を例示化合物(2−1−E)に変更して表面層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈実施例10〉
実施例1において、例示化合物(1−1−E)を例示化合物(1−1−G)に変更して表面層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〈比較例1〉
実施例1において、例示化合物(1−1−E)を下記式(5)で示される化合物に変更して表面層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 0006896386
〈比較例2〉
実施例1において、例示化合物(1−1−E)を下記式(6)で示される化合物に変更して表面層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
Figure 0006896386
(評価)
(電気特性の評価)
実施例および比較例で製造した電子写真感光体の電気特性の評価は、iR AVD C5051(商品名)に各感光体を搭載して温度30℃/湿度75%RHの高温高湿環境下で1日間放置したのち評価を行った。
具体的には、初期の帯電電位を600±50Vに調整し、耐久試験前と1000枚後の露光部電位の変化量(ΔV)を電位変動量として算出した。電位変動量が20V以下であれば電気特性が良好と評価した。結果を表1に示す。
(耐摩耗性の評価)
実施例および比較例で製造した電子写真感光体の耐摩耗性の評価は、iR AVD C5051(商品名)に各感光体を搭載して温度30℃/湿度75%RHの高温高湿環境下で1日間放置したのち評価を行った。
具体的には、画像比率5%の文字画像をA4横送りで100,000枚連続でプリントを行う耐久試験を実施し、耐久試験前後における感光体の表面層の膜厚減耗量により評価した。膜厚減耗量が1.0μm以下であれば耐摩耗性が良好と評価した。結果を表1に示す。
(画像流れの評価)
実施例および比較例で製造した電子写真感光体の画像流れの評価は、iR AVD C5051(商品名)に各感光体を搭載して温度30℃/湿度75%RHの高温高湿環境下で1日間放置したのち評価を行った。
具体的には、1000枚の画像の出力後、評価機への給電を停止し、1日休止させた。1日休止後に再び評価装置に給電を開始し、A4縦サイズ紙にて、線幅0.1mm、線間隔10mmの正方形格子画像を出力した。
得られた画像について、以下の評価のランクに従って、画像流れを抑制する効果を評価した。ランクの数字が大きいほど良好であり、ランク5、4および3は、画像流れ抑制効果が良好と評価した。
ランク5:格子画像の画像欠陥はみられない
ランク4:格子画像が一部薄くなっている
ランク3:格子画像が全面薄くなっている
ランク2:格子画像が部分的に消失している
ランク1:格子画像が全面消失している
評価結果を表1に示す。
Figure 0006896386
101 支持体
102 電荷発生層
103 電荷輸送層
104 表面層
105 感光層
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (12)

  1. 支持体、および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体であって、
    該感光層の表面層が、下記式(1)で示される化合物、下記式(2)で示される化合物、下記式(3)で示される化合物、および下記式(1−1−E)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の重合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0006896386
    但し、前記式(1)中、
    11〜a13は0以上の整数を示し、
    11〜b13は0以上の整数を示し、
    11〜c13は0以上の整数を示し、
    11+a12+a13≧2であり、
    11+b12+b13≧1であり、
    11およびb11のいずれか一方または両方が0であり、
    12およびb12のいずれか一方または両方が0であり、
    13およびb13のいずれか一方または両方が0であり、
    Ar11は無置換のアレーンから(a11+b11+c11+1)個の水素原子を除いた(a11+b11+c11+1)価の基を示し、
    Ar12は無置換のアレーンから(a12+b12+c12+1)個の水素原子を除いた(a12+b12+c12+1)価の基を示し、
    Ar13は無置換のアレーンから(a13+b13+c13+1)個の水素原子を除いた(a13+b13+c13+1)価の基を示し、
    11〜R13は炭素数が9以上のアルキル基を示し、
    11〜Q13はカルボキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つで置換されたもしくは置換されていない炭素数1〜8のアルキル基、又はカルボキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つで置換されたもしくは置換されていない炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、フッ素原子、塩素原子、または臭素原子を示し、
    11〜P13はそれぞれ独立に、下記式(A)で示される基を示す。
    Figure 0006896386
    但し、前記式(A)中、
    *は前記式(1)、下記式(2)、(3)中、Ar11〜Ar13、Ar21〜Ar25およびAr31〜Ar36に結合する結合手を示し、
    Lはアルカン又はアルケンから誘導される3価又は4価の基、並びに、アルキレン基、アルケニレン基、−C(=O)−、−N(R)−、−S−、および−O−からなる群より選択される2種以上を含む(n+1)価の連結基を示し、
    は水素原子もしくはアルキル基を示し、
    nは1以上3以下の整数を示す。
    Figure 0006896386
    但し、前記式(2)中、
    21〜a25は0以上の整数を示し、
    21〜b25は0以上の整数を示し、
    21〜c25は0以上の整数を示し、
    21+a22+a23+a24+a25≧2であり、
    21+b22+b23+b24+b25≧1であり、
    21およびb21のいずれか一方または両方が0であり、
    22およびb22のいずれか一方または両方が0であり、
    23およびb23のいずれか一方または両方が0であり、
    24およびb24のいずれか一方または両方が0であり、
    25およびb25のいずれか一方または両方が0であり、
    Ar21は無置換のアレーンから(a21+b21+c21+1)個の水素原子を除いた(a21+b21+c21+1)価の基を示し、
    Ar22は無置換のアレーンから(a22+b22+c22+1)個の水素原子を除いた(a22+b22+c22+1)価の基を示し、
    Ar23は無置換のアレーンから(a23+b23+c23+1)個の水素原子を除いた(a23+b23+c23+1)価の基を示し、
    Ar24は無置換のアレーンから(a24+b24+c24+1)個の水素原子を除いた(a24+b24+c24+1)価の基を示し、
    Ar25は無置換のアレーンから(a25+b25+c25+2)個の水素原子を除いた(a25+b25+c25+2)価の基を示し、
    21〜R25は炭素数が9以上のアルキル基を示し、
    21〜Q25はカルボキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つで置換されたもしくは置換されていない炭素数1〜8のアルキル基、又はカルボキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つで置換されたもしくは置換されていない炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、フッ素原子、塩素原子、または臭素原子を示し、
    21〜P25はそれぞれ独立に、前記式(A)で示される基を示す。
    Figure 0006896386
    但し、前記式(3)中、
    31〜a36は0以上の整数を示し、
    31〜b36は0以上の整数を示し、
    31〜c36は0以上の整数を示し、
    31+a32+a33+a34+a35+a36≧2であり、
    31+b32+b33+b34+b35+b36≧1であり、
    31およびb31のいずれか一方または両方が0であり、
    32およびb32のいずれか一方または両方が0であり、
    33およびb33のいずれか一方または両方が0であり、
    34およびb34のいずれか一方または両方が0であり、
    35およびb35のいずれか一方または両方が0であり、
    36およびb36のいずれか一方または両方が0であり、
    Ar31は無置換のアレーンから(a31+b31+c31+1)個の水素原子を除いた(a31+b31+c31+1)価の基を示し、
    Ar32は無置換のアレーンから(a32+b32+c32+1)個の水素原子を除いた(a32+b32+c32+1)価の基を示し、
    Ar33は無置換のアレーンから(a33+b33+c33+1)個の水素原子を除いた(a33+b33+c33+1)価の基を示し、
    Ar34は無置換のアレーンから(a34+b34+c34+1)個の水素原子を除いた(a34+b34+c34+1)価の基を示し、
    Ar35は無置換のアレーンから(a35+b35+c35+2)個の水素原子を除いた(a35+b35+c35+2)価の基を示し、
    Ar36は無置換のアレーンから(a36+b36+c36+2)個の水素原子を除いた(a36+b36+c36+2)価の基を示し、
    31〜R36は炭素数が9以上のアルキル基を示し、
    31〜Q36はカルボキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つで置換されたもしくは置換されていない炭素数1〜8のアルキル基、又はカルボキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つで置換されたもしくは置換されていない炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、フッ素原子、塩素原子、または臭素原子を示し、
    31〜P36はそれぞれ独立に、前記式(A)で示される基を示し、
    31はアルキレン基、シクロアルキリデン基、アルケニレン基、−S−、および−O−のいずれかで示される2価の連結基を示す。
    Figure 0006896386
  2. 前記式(1)〜(3)中、
    11〜R13、R21〜R25およびR31〜R36が炭素数9以上の直鎖のアルキル基を示す請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記式(2)および(3)中、
    25、b35およびb36が0である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記式(1)〜(3)中、
    11+a12+a13=2であり、
    21+a22+a23+a24+a25=2であり、
    並びにa31+a32+a33+a34+a35+a36=2である請求項3に記載の電子写真感光体。
  5. 前記表面層が
    前記式(1)〜(3)で示される化合物から選択される少なくとも1種の化合物と、
    前記式(1)〜(3)中、
    11+a12+a13=1であり、
    21+a22+a23+a24+a25=1であり、
    並びにa31+a32+a33+a34+a35+a36=1であり、
    11+c12+c13=1であり、
    21+c22+c23+c24+c25=1であり、
    並びにc31+c32+c33+c34+c35+c36=1であり、
    11およびc11のいずれか一方または両方が0であり、
    12およびc12のいずれか一方または両方が0であり、
    13およびc13のいずれか一方または両方が0であり、
    21およびc21のいずれか一方または両方が0であり、
    22およびc22のいずれか一方または両方が0であり、
    23およびc23のいずれか一方または両方が0であり、
    24およびc24のいずれか一方または両方が0であり、
    25およびc25のいずれか一方または両方が0であり、
    26およびc26のいずれか一方または両方が0であり、
    31およびc31のいずれか一方または両方が0であり、
    32およびc32のいずれか一方または両方が0であり、
    33およびc33のいずれか一方または両方が0であり、
    34およびc34のいずれか一方または両方が0であり、
    35およびc35のいずれか一方または両方が0であり、
    並びにa36およびc36のいずれか一方または両方が0である
    化合物から選択される少なくとも1種の化合物との
    共重合物を含有する請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 前記式(1)〜(3)中、
    11+b12+b13≧2であり、
    21+b22+b23+b24+b25≧2であり、
    並びにb31+b32+b33+b34+b35+b36≧2である請求項4に記載の電子写真感光体。
  7. 前記表面層が、
    前記式(1)で示される化合物の重合物を含有する請求項6に記載の電子写真感光体。
  8. 前記式(A)中、
    nが2である請求項7に記載の電子写真感光体。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  10. 請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
  11. 請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
    前記製造方法が、
    前記式(1)で示される化合物、前記式(2)で示される化合物、前記式(3)で示される化合物、および前記式(1−1−E)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する表面層用塗布液を調製する工程、ならびに
    該表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を重合させることによって前記表面層を形成する工程
    を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  12. 電子線を照射することによって該塗膜を重合させる請求項11に記載の電子写真感光体の製造方法。
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