JP5127413B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。詳しくは、本発明は、特定の電荷輸送性化合物を含有する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
近年、電子写真装置の高速化および高画質化の要求はより一層強まっている。特に、出力画像のカラー化により、ハーフトーン画像やベタ画像を出力する機会が多くなっており、それらの画像品質に対する要求は年々強まる一方である。たとえば、出力画像1枚の中での濃度や色味などの均一性や、これらの連続通紙をした際の安定性は、カラープリンターやカラー複写機の場合、白黒プリンターや白黒複写機の場合に比べて特に重視されている。
特に、出力画像1枚の中で光が照射された部分(光照射部分)のみが次回転目にハーフトーン画像において濃度が濃くなる現象(ポジゴースト画像)や、逆に濃度が薄くなる現象(ネガゴースト画像)に関する許容範囲は狭まってきている。これらのゴースト画像は、電子写真感光体中にキャリアが滞留することが原因の1つであると考えられており、特に、高感度な電荷発生物質を用いたときに顕著に発生する。
ゴースト画像のようなメモリー現象を抑制する従来技術として、特許文献1には、オキシチタニウムフタロシアニンを用いた電荷発生層にアクセプター化合物を含有させる技術が開示されており。また、特許文献2や特許文献3には、フタロシアニンを用いた電荷発生層にジチオベンジル化合物を含有させる技術が開示されている。また、特許文献4や特許文献5には、電荷発生層に電子輸送物質であるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物、フェナントレン化合物、フェナントロリン化合物、アセナフトキノン化合物を含有させる技術が開示されている。
特開平07−104495号公報 特開2000−292946号公報 特開2002−296817号公報 特開2005−208618号公報 特開2005−208619号公報
ゴースト画像のレベルは、電子写真装置の種類によって異なる場合がある。これは、電子写真装置のプロセススピード、暗部電位や明部電位の設定および帯電器や電源の能力により、帯電性が異なるからと考えられる。これは、次回転目のハーフトーン画像において、光照射部分を明部電位から暗部電位まで帯電させなくてはならないためである。つまり、その明部電位から暗部電位まで帯電させる能力も、ゴースト画像の原因の1つとして考えられている。
また、高速化および高画質化の要求とともに、低コスト化および小型化の要求も年々強くなっている。抵コストおよび小型化への方向に進むと、帯電性は厳しくなることが推測される。よって、これからは、帯電性が厳しくなってもなお、ゴースト画像を抑制可能であることが望まれる。
本発明の目的は、ゴースト抑制効果に優れる電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明は、支持体および該支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、
該感光層が、
炭素数5以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物、および、
エチレン、プロピレン、イソブテン、1−ブテン、2−ブテン、4−メチルペンテン−1、環状オレフィンのいずれかを含むモノマーを重合したポリオレフィン樹脂
を含有し、前記電荷輸送性化合物と前記ポリオレフィン樹脂が同一層中に存在することを特徴とする電子写真感光体である。
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジである。
また、本発明は、上記電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置である。
本発明によれば、ゴースト抑制効果に優れる電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
本発明で用いられる、炭素数5以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物について説明する。
炭素数5以上10以下のアルキル基としては、たとえば、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、環状アルキル基、環状アルキル基により置換されたアルキル基が挙げられる。
直鎖アルキル基としては、たとえば、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプルチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
分岐アルキル基としては、たとえば、3−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、4−メチルペンチル基、5−メチルヘキシル基、4,4−ジメチルペンチル基などが挙げられる。
環状アルキル基としては、たとえば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基が挙げられる。
環状アルキル基により置換されたアルキル基としては、たとえば、シクロヘキシルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチルメチル基、シクロオクチルメチル基、シクロヘキシルエチル基、2−シクロヘキシル−n−プロピル基、3−シクロヘキシル−n−プロピル基などが挙げられる。
これらの中でも、直鎖アルキル基が好ましい。
炭素数5以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物とは、上に例示したような炭素数5以上10以下のアルキル基を有し、電荷輸送性を示す化合物であればどのようなものでもよい。たとえば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミンなどのトリアリールアミン誘導体や、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体に、炭素数5以上10以下のアルキル基を有させたものが挙げられる。
本発明においては、炭素数5以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物の中でも、下記一般式(1)で示される化合物が特に好ましい。
一般式(1):
Figure 0005127413
上記式(1)中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を示す。ただし、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14およびR15のうち少なくとも1つは、炭素数5以上10以下のアルキル基を示す。
上記置換もしくは無置換のアルキル基のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。上記置換もしくは無置換のアラルキル基のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基などが挙げられる。上記置換もしくは無置換のアリール基のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、ガルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチオフェニル基などが挙げられる。
また、本発明においては、炭素数5以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物の中でも、下記一般式(2)で示される化合物も特に好ましい。
Figure 0005127413
上記式(2)中、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24およびR25は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基である、または、それぞれ互いに結合して芳香環を形成していてもよい。ただし、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24およびR25のうち少なくとも1つは、炭素数5以上10以下のアルキル基を示す。R26は、置換もしくは無置換の芳香族基である。ただし、R26の芳香族基が有してもよい置換基は、メチル基、エチル基、ハロゲン基、無置換またはメチル基を有するジアルキルアミノ基(ただしアルキル基の炭素数は2以下)、ベンジルアルキルアミノ基(ただしアルキル基の炭素数は2以下)、ジベンジルアミノ基、アルキルアリールアミノ基(ただしアルキル基の炭素数は2以下)、または、ジアリールアミノ基に限る。
上記置換もしくは無置換のアルキル基のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。上記置換もしくは無置換のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
炭素数5以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物の具体例(例示化合物)を表1〜5に挙げる。
Figure 0005127413
Figure 0005127413
Figure 0005127413
Figure 0005127413
Figure 0005127413
本発明において、炭素数5以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上用いてもよい。また、炭素数5以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物と、これ以外の電荷輸送性化合物とを併用してもよい。
次に、本発明で用いられるポリオレフィン樹脂について説明する。
ポリオレフィン樹脂とは、オレフィンを重合させて得られる重合体をいう。また、オレフィンとは、1つ以上のC=C(炭素間の二重結合)を持つ炭化水素化合物をいう。ポリオレフィンは、オレフィンのみを重合させて得られる重合体であってもよいし、オレフィンとそれ以外のモノマーとを共重合させて得られる重合体(共重合体)であってもよい。また、環状オレフィンとは、1つ以上のC=C(炭素間の二重結合)を持つ環式炭化水素化合物をいう。
ポリオレフィン樹脂としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(1−ブテン)、ポリ(4−メチルペンテン−1)、プロピレンとエチレンとの共重合体、エチレンとジシクロペンタジエン類との共重合体、エチレンとノルボルネン系化合物との共重合体、シクロペンタジエン誘導体の開環重合体、シクロへキサジエン誘導体の開環重合体、シクロペンタジエン誘導体の開環共重合体、シクロへキサジエン誘導体の開環共重合体ならびにそれらの水素添加物などが挙げられる。
以下に、ポリオレフィン樹脂が有する繰り返し構造単位の具体例を挙げる。
Figure 0005127413
Figure 0005127413
上記のような繰り返し構造単位を誘導することができるモノマーとしては、たとえば、エチレン、プロピレン、イソブテン、1−ブテン、2−ブテン、4−メチルペンテン−1、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α,β−ジメチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン、m−ジイソプロペニルベンゼン、ビニルピリジン、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリロニトリル、メチルビニルケトン、α−シアノアクリル酸メチル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、環状ラクトン、環状ラクタムおよび環状シロキサンなど、または、これらから誘導されるものが挙げられる。
本発明においては、ポリオレフィン樹脂の中でも、環状オレフィンを重合させて得られる重合体であるポリ環状オレフィン樹脂が好ましい。ポリ環状オレフィン樹脂は、環状オレフィンのみを重合させて得られる重合体であってもよいし、環状オレフィンとそれ以外のモノマーとを共重合させて得られる重合体(共重合体)であってもよい。
また、ポリ環状オレフィン樹脂としては、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上170℃以下のものが好ましい。なお、ポリ環状オレフィン樹脂が共重合体の場合、共重合比を変えることで、そのガラス転移温度(Tg)を制御することができる。
本発明において、ポリオレフィン樹脂のガラス転移温度は、セイコー電子工業(株)製の熱分析装置(商品名:SSC5200H)を用いて測定した。具体的には、23℃から280℃まで5℃/minの昇温速度で測定し、得られたチャートの固体側の接線と転移温度域の急峻な位置の接線との交点をガラス転移温度とした。
本発明においては、ポリ環状オレフィン樹脂の中でも、下記一般式(3)で示される繰り返し構造単位および下記構造式(4)で示される繰り返し構造単位を有する共重合体が特に好ましい。
一般式(3):
Figure 0005127413
上記式(3)中、R27およびR28は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または、置換もしくは無置換のカルボニル基を示す。あるいは、R27およびR28は互いに結合して環を形成していてもよい。
構造式(4):
Figure 0005127413
上記繰り返し構造単位(3)および上記繰り返し構造単位(4)を有するポリ環状オレフィン樹脂(共重合体)の場合、そのTg(ガラス転移温度)は、上記繰り返し構造単位(3)と上記繰り返し構造単位(4)との共重合比を変えることで調整することができる。
ポリ環状オレフィン樹脂の市販されているものとしては、三井化学(株)製の「アペル(登録商標)」や、チコナ社製の「トパス(登録商標)」などが挙げられる。
また、本発明の電子写真感光体の感光層には、ポリオレフィン樹脂とそれ以外の樹脂(重合体)とを併せて含有させてもよい。ポリオレフィン樹脂以外の樹脂としては、たとえば、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンなどが挙げられる。
感光層に炭素数5以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送化合物およびポリオレフィン樹脂を含有させることによってゴースト抑制効果が発現する理由の詳細は不明であるが、本発明者らは、以下のように考えている。
すなわち、ゴースト画像を抑制するためには、まず、電荷のトラップによるメモリーを抑制することが有効である。そして、次回転目のハーフトーン画像を形成する際には、光照射部分を明部電位から暗部電位まで帯電させることが必要であり、その帯電させる能力(帯電性)が高いこともまた、ゴースト画像の抑制には有効である。
本発明者らは、明部電位から暗部電位への帯電性に関して検討を進めていくうちに、電子写真感光体の誘電緩和現象がゴースト画像に関与していることを見いだした。具体的には、電子写真感光体の誘電正接(tanδ)が小さい場合に、帯電性の向上が見られた。特に、電子写真感光体の誘電正接(tanδ)が0.0015以上0.0045以下である場合に、帯電性の向上が顕著に見られた。
ここで、誘電正接(tanδ)が小さい電子写真感光体を得る方法としては、電子写真感光体の感光層の誘電正接(tanδ)を小さくすることが考えられる。そして、誘電正接(tanδ)が小さい感光層を実現させる方法の1つとしては、感光層の結着樹脂として誘電正接(tanδ)の小さい樹脂を用いることが考えられる。本発明で用いられるポリオレフィン樹脂は、誘電正接(tanδ)の小さい樹脂である。
しかしながら、ポリオレフィン樹脂と、従来よく用いられてきた電荷輸送物質を用いた場合、帯電性の向上はみられたが、一方で、ポリカーボネートなどの従来よく使用されてきた結着樹脂では抑制されていたメモリーが増大してしまい、メモリーの抑制と帯電性の向上とが両立しなかった。
この課題に対して、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、誘電正接(tanδ)の小さい樹脂(結着樹脂)と電荷輸送物質の相溶性に問題があると考え、それを改良することによって本発明に至った。すなわち、誘電正接(tanδ)の小さい結着樹脂としてはポリオレフィン樹脂を用い、電荷輸送物質としては炭素数5以上10以下のアルキル基をもつ電荷輸送性化合物を用いることによってゴースト画像の抑制効果が飛躍的に向上した。
本発明の電子写真感光体の感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層および電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層した積層型(機能分離型)であっても、電荷発生物質と電荷輸送物質とを同一層中に分散した単層型であってもよい。電子写真特性の観点からは、積層型の感光層が好ましく、特には、支持体側から電荷発生層および電荷輸送層をこの順に積層した構成の積層型感光層が好ましい。
本発明において、誘電正接(tanδ)は、常温常湿(23℃/50%RH)環境下、ソーラトロン社製のインピーダンスアナライザー(商品名:周波数応答アナライザー1260型、誘電率インターフェイス1296型)を用い、周波数100Hz、印加電圧100mVの条件で測定した。
本発明の電子写真感光体に用いられる支持体としては、導電性のもの(導電性支持体)であればよく、アルミニウム、ニッケル、銅、金および鉄などの金属または合金製のものが挙げられる。また、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミドおよびガラスなどの絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金などの金属や、酸化インジウム、酸化スズなどの導電性材料の薄膜を形成したものでもよい。また、カーボンや導電性フィラーを樹脂中に分散し、導電性を付与したもの支持体でもよい。
支持体の表面は、電気的特性や密着性の改善のために、陽極酸化などの電気化学的な処理を施してもよい。また、支持体の表面を、アルカリリン酸塩あるいはリン酸やタンニン酸を主成分とする酸性水溶液に金属塩の化合物またはフッ素化合物の金属塩を溶解してなる溶液で化学処理を施してもよい。
また、露光光(画像露光光)としてレーザー光などの単一波長光を用いた電子写真装置に本発明の電子写真感光体を用いる場合、干渉縞を抑制するために、支持体の表面を適度に粗面化しておくことが好ましい。具体的には、支持体の表面を、ホーニング、ブラスト、切削、電界研磨の処理を施すことや、支持体上に導電性金属酸化物および結着樹脂を含む導電性皮膜を設けることが好ましい。
ホーニング処理には、乾式での処理および湿式での処理があるが、どちらを採用してもよい。湿式ホーニング処理とは、水などの液体に粉末状の研磨材を懸濁させてなる懸濁液を、高速度で支持体の表面に吹き付けて粗面化する方法である。湿式ホーニング処理の場合、支持体の表面粗さは、懸濁液の吹き付け圧力、速度、研磨材の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重および懸濁温度などにより制御することができる。乾式ホーニング処理は、研磨剤をエアーにより、高速度で支持体の表面に吹き付けて粗面化する方法である。乾式ホーニング処理の場合も、支持体の表面粗さは、湿式ホーニング処理と同じようにして制御することができる。ホーニング処理に用いる研磨剤としては、たとえば、炭化ケイ素、アルミナ、鉄およびガラスビーズなどの粒子が挙げられる。
支持体と感光層または後述の中間層との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子などの導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。金属酸化物粒子としては、酸化亜鉛や酸化チタンの粒子が挙げられる。また、導電性粒子として、酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子を用いることもできる。
導電層に用いられる結着樹脂としては、たとえば、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリアミド樹脂が挙げられる。これらは、支持体に対する接着性が良好であるとともに、導電性粒子の分散性が向上し、成膜後の耐溶剤性が良好である。
また、導電層には、導電層の表面性を高めるために、レベリング剤を添加してもよい。
支持体または導電層と感光層との間には、バリヤー機能や接着機能などの機能を持つ中間層を設けてもよい。中間層は、たとえば、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタンおよび酸化アルミニウムなどによって形成することができる。
感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
本発明で用いられる電荷発生物質としては、
(1)モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料、
(2)金属フタロシアニンや非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料、
(3)インジゴやチオインジゴなどのインジゴ顔料、
(4)ペリレン酸無水物やペリレン酸イミドなどのペリレン顔料、
(5)アンスラキノンやピレンキノンなどの多環キノン顔料、
(6)スクワリリウム色素、
(7)ピリリウム塩、チアピリリウム塩類、
(8)トリフェニルメタン色素、
(9)セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンなどの無機物質、
(10)キナクリドン顔料、
(11)アズレニウム塩顔料、
(12)シアニン染料、
(13)キサンテン色素、
(14)キノンイミン色素、
(15)スチリル色素、
(16)硫化カドミウム、
(17)酸化亜鉛
などが挙げられる。これらの中でも、特に、金属フタロシアニン顔料が好ましく、その中でも、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましく、その中でも、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが特に好ましい。
オキシチタニウムフタロシアニンとしては、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン結晶、および、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°および27.3°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン結晶
が好ましい。
クロロガリウムフタロシアニンとしては、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.4°、16.6°、25.5および28.2°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の6.8°、17.3°、23.6°および26.9°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、および、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の8.7°〜9.2°、17.6°、24.0°、27.4°および28.8°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶
が好ましい。
ジクロロスズフタロシアニンとしては、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の8.3°、12.2°、13.7°、15.9°、18.9°および28.2°に強いピークを有するジクロロスズフタロシアニン結晶、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の8.5°、11.2°、14.5°および27.2°に強いピークを有するジクロロスズフタロシアニン結晶、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の8.7°、9.9°、10.9°、13.1°、15.2°、16.3°、17.4°、21.9°および25.5°に強いピークを有するジクロロスズフタロシアニン結晶、および、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の9.2°、12.2°、13.4°、14.6°、17.0°および25.3°に強いピークを有するジクロロスズフタロシアニン結晶が好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンとしては、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.3°、24.9°および28.1°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、および、
ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶
が好ましい。
電荷発生層の結着樹脂としては、たとえば、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルメタクリレート樹脂、ポリビニルアクリレート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる、これらの中でも、ブチラール樹脂が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の分散粒径は、0.5μm以下が好ましく、0.3μm以下がより好ましく、0.01μm以上0.2μm以下がより好ましい。
電荷発生層の膜厚は0.01μm以上2μm以下が好ましく、0.05μm以上0.3μm以下がより好ましい。
感光層が積層型感光層である場合、電荷輸送層は、少なくとも炭素数5以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物を含む電荷輸送物質と、ポリオレフィン樹脂とを共に溶剤に溶解させて得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。電荷輸送物質と結着樹脂との合計質量を100とした場合、電荷輸送物質の質量は30以上80以下であることが好ましい。電荷輸送物質の量が少なすぎると、電荷輸送能が低下し、感度低下および残留電位の上昇などの問題点が生じる場合がある。
電荷輸送層の膜厚は1μm以上30μm以下が好ましく、5μm以上20μm以下がより好ましい。
感光層が単層型感光層である場合、該単層型感光層は、上記電荷発生物質および上記電荷輸送物質を上記結着樹脂および上記溶剤と共に分散して得られる単層型感光層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。該電荷輸送物質の少なくとも一種は、炭素数5以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物である。
単層型感光層の膜厚は8μm以上40μm以下が好ましく、12μm以上30μm以下がより好ましい。単層型感光層中の電荷発生物質や電荷輸送物質な含有量は、どちらも、単層型感光層の全質量に対して10質量%以上80質量%以下が好ましく、30質量%以上80質量%以下がより好ましい。
また、本発明においては、機械的外力や化学的外力などから感光層の表面を保護することを目的として、また、転写性やクリーニング性の向上を目的として、感光層上に保護層を設けることもできる。
保護層の結着樹脂としては、上記の各種樹脂を用いることができる。樹脂のみ、または、樹脂および上述の電荷輸送物質を溶剤に溶解させることによって得られる保護層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、電荷輸送能を有するモノマーや高分子型の電荷輸送物質を種々の架橋反応を用いて硬化させることによって保護層を形成していてもよい。硬化させる反応としては、ラジカル重合、イオン重合、熱重合、光重合、放射線重合(電子線重合)が挙げられる。
また、保護層には、導電性粒子や潤滑剤を含有させてもよい。
保護層に用いられる導電性粒子としては、金属、金属酸化物およびカーボンブラックなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀およびステンレスなどが挙げられる。また、これらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したものも導電性粒子として用いることができる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズおよびアンチモンをドープした酸化ジルコニウムなどが挙げられる。
保護層に用いられる潤滑剤としては、フッ素原子含有樹脂粒子、シリカ粒子およびシリコーン粒子などが挙げられるが、その中でも、フッ素原子含有樹脂粒子が特に好ましい。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂およびこれらの共重合体が挙げられる。これらの中でも、特に、四フッ化エチレン樹脂とフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。これらは1種類のみ用いてもよいし、2種類以上用いてもよい。
保護層の膜厚は0.5μm以上5μm以下が好ましく、1μm以上3μm以下がより好ましい。
上記各層の塗布液を塗布する際には、たとえば、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法およびビームコーティング法などの方法を採用することができる。これらの中でも、量産性の観点から浸漬塗布法が好ましい。
図2に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成を示す。
図2において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、まず、帯電手段(一次帯電手段)3により、その周面に正または負の所定電位の均一帯電を受ける。次いで、電子写真感光体1は、露光手段(不図示)から露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面には、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
形成された静電潜像は、正規または反転現像方式の現像手段5内のトナーでトナー像として現像される。次いで、不図示の給紙部から電子写真感光体1の回転と同期して取り出され、電子写真感光体1と転写手段6との間に給送された転写材7(紙やフィルムなど)に、電子写真感光体1の周面に形成されているトナー像が転写手段6によって順次転写されていく。このとき、転写手段6には、電源(不図示)からトナーの電荷とは逆極性の電圧が印加される。転写方式は、中間転写方式であってもよい。
トナー像の転写を受けた転写材7は、電子写真感光体の周面から分離されて定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受けることによって画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の周面は、クリーニング手段9によって転写残トナーなどの付着物の除去を受けて清浄面化される。なお、近年、クリーナレスシステムも研究されており、転写残トナーを直接現像器などで回収するように構成することもできる。
その後、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理され、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6、クリーニング手段9などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に構成し、このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に着脱自在に構成してもよい。たとえば、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段9からなる群より選択される少なくとも1つを電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレールなどの案内手段12を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読み取って信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動または液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
本発明の電子写真感光体は、複写機、レーザービームプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶シャッター式プリンターなどの電子写真装置一般に適用しうるが、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版およびファクシミリなどの装置にも幅広く適用しうるものである。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
本発明で用いられる炭素数5以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物は、アリールハライドとアミン化合物との縮合反応や、ホルミル体とジアリールヒドラジンとの縮合反応などで合成することができる。
たとえば、ヨウ化ベンゼン類とアミン化合物から、銅触媒を用いて合成する方法(Ullmann反応)で合成することができる。(大有機化学、vol.16,52(1959)朝倉書店、有機化学講座3,66(1983)、丸善、など参照。)
また、アリールハライドとアミン化合物から、塩基の存在下でホスフィン類とパラジウム化合物を触媒に用いても合成できる。(Tetrahedron Letters,Vol.36,No.21,3609(1955);J.Am.Chem.Soc.Vol120,9722(1998)など参照。)
以下に、本発明で用いられる、炭素数5以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物の合成例を示す。
(合成例1)
冷却管のついた100mlナスフラスコに、1−ヨード−4−n−ヘキシルベンゼン10.0g(34.7mmol)、ジ(3,4−キシリル)アミン8.6g(38.2mmol)、o−ジクロロベンゼン10ml、銅粉6.6gおよび炭酸カリウム7.2gを入れ、8時間加熱還流した。
放冷後、濾過を行って触媒を除去した。得られた濾液に、トルエン80mlと水100mlを加え、10分間攪拌した後、有機層を分取した。有機層は、水100mlで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶液からトルエンおよびo−ジクロロベンゼンを留去し、粗生成物を得た。
得られた粗成生物をシリカゲルカラムを用いて精製し、9.37g(収率70.0%)の例示化合物No.1を得た。
(合成例2)
冷却管のついた100mlナスフラスコに、1−ブロモ−4−n−ヘキシルベンゼン10.0g(41.5mmol)、3,4−ジメチルアニリン2.5g(20.7mmol)、およびトルエン20mlを入れ室温で5分間攪拌した。次に、酢酸パラジウム373mg(1.66mmol)、トリtert−ブチルホスフィン1.34g(6.64mmol)およびナトリウム−tert−ブトキシド5.58g(58.1mmol)を加え、1時間加熱還流した。
放冷後、濾過を行って触媒を除去した。得られた濾液に、トルエン80mlと水100mlを加え、10分間攪拌した後、有機層を分取した。有機層は、水100mlで洗浄した。さらに、この洗浄操作を3回繰り返した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶液からトルエンを留去し、粗生成物を得た。
得られた粗成生物をシリカゲルカラムを用いて精製し、7.7g(収率84.3%)の例示化合物No.13を得た。
実施例で使用したその他の電荷輸送性化合物も、合成例1または2と同様にして合成した。
(合成例3)
4−ヘキシルアニリン8.9gと1−ブロモ−4−ヘキシルベンゼン 12.0gとテトラヒドロフラン(THF)300gが入った、窒素フローした三口フラスコ中に、t−BuONa10%水溶液50gを滴下後、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)1gを加えて5時間還流を行った。
その後、有機層をクロロホルムで抽出し、減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、アミン体8.0gを得た。
このアミン体を、酢酸300ml中10%亜硝酸ナトリウム水溶液50gを加え、氷冷下で3時間撹拌した。その後、冷水を加え、炭酸水素ナトリウムで中和後、クロロホルムで抽出し、減圧濃縮し、ニトロソ体を得た。
このニトロソ体を粗体のまま酢酸中で亜鉛粉を反応させた。クロロホルムで抽出後、減圧濃縮し、その後、シリカゲルカラムで精製し、ヒドラジン化合物5.4gを得た。
得られたヒドラジン化合物をエタノール100gに溶解し、4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンズアルデヒド6.1gをエタノール50gに溶解した溶液を滴下し、4時間還流を行った。クロロホルムで抽出後減圧濃縮後、シリカゲルカラムを用いて精製し、8.2gの例示化合物No.41を得た。
その他の電荷輸送性化合物も、合成例1〜3と同様にして合成することができる。
(実施例1)
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーを超音波水洗浄したものを支持体とした。
次に酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子(粉体抵抗率200Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は60%)40部、酸化チタン(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)8部、結着樹脂としてのフェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分60%)25部、メトキシプロパノール30部、メタノール30部を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミル装置で2時間分散して導電層用の分散液を調製した。
この分散液に、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、GE東芝シリコーン(株)製、平均粒径2μm)3.9部、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.002部を添加して攪拌することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を、23℃/60%RH環境下で、支持体上に浸漬塗布し、これを30分間140℃で乾燥・硬化(熱硬化)させることによって、膜厚が20μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、中間層用塗料を調製した。
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを20分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶10部、下記構造式(5)で示される化合物0.1部、
構造式(5):
Figure 0005127413
および、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)5部をシクロヘキサノン250部に添加し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで4時間分散した。その後、下記構造式(6)で示される化合物3部
構造式(6):
Figure 0005127413
を加え溶解し、これに250部の酢酸エチルを加えて希釈することによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
次に、例示化合物No.1を10部、ポリ環状オレフィン(商品名:TOPAS−5013、チコナ社製、Tg:130℃)を10部を、モノクロロベンゼン50部およびテトラヒドロフラン(THF)30部の混合溶媒で溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを1時間120℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして電荷輸送層が表面層である電子写真感光体1を作製した。
なお、ポリ環状オレフィン(商品名:TOPAS−5013、チコナ社製、Tg:130℃)は、上記一般式(2)で示される繰り返し構造単位(R21:水素原子、R22:水素原子)および上記構造式(3)で示される繰り返し構造単位を有する共重合体である。
・評価
電子写真感光体1を2つ用意し、一方を低温低湿(15℃/10%RH)環境下で24時間放置し、もう一方を常温常湿(23℃/50%RH)環境下で24時間放置した後、それぞれをそのままの環境で出力画像の評価を行った。
出力画像の評価は、ヒューレットパッカード社製のレーザービームプリンター(商品名:カラーレーザージェット4600)の改造機(プロセススピード:94.2mm/s)を用いた。このレーザービームプリンターの帯電手段は、帯電ローラーを備えた接触帯電手段であり、帯電ローラーには直流電圧のみの電圧が印加される。また、このレーザービームプリンターは、電子写真感光体の回転方向において帯電手段の上流側かつ転写手段の下流側の位置に除電手段を有さない。また、改造として、露光光(画像露光光)の光量が可変となるようにした。
シアン色用プロセスカートリッジに電子写真感光体1を装着し、これを、プリンターのシアン色用プロセスカートリッジのステーションに装着し、評価用の画像を出力した。
評価用の画像としては、図1に示すように、画像の先頭部に黒い四角の画像を出した後、1ドット桂馬パターンで印字したハーフトーン画像を用いた。
ゴースト画像の評価は、X−Rite(株)製の分光濃度計(商品名:X−Rite504/508)を用いた。出力画像のうち、ゴースト部の濃度からゴースト部ではない部分の濃度を差し引き、これをゴースト画像濃度とした。これを1枚の出力画像で10点行い、10点の平均値を求めた。
このたびの実験では、ゴースト画像濃度が0.05以上であると見た目に明らかな差があるレベルであり、0.05未満であれば見た目に明らかな差はないレベルであった。
また、画像出力は20000枚行い、1枚目(初期)と20000枚目を評価した。
また、電子写真感光体1の誘電正接(tanδ)を測定するために、別途、アルミニウムシートを巻きつけた支持体上に上記と同様に電子写真感光体1を作製した後、アルミニウムシートを適当な大きさに切断し、これを誘電正接(tanδ)測定用試料とした。この測定用試料上に、SANYU DENSHI社製のスパッタリング装置(商品名:SC−707QUICK COATER)にて面積5.31×10−4、厚さ0.1μmの金(電極)を蒸着した。その後、常温常湿下で24時間放置し、誘電正接(tanδ)を測定した。
結果を表6に示す。
(実施例2〜14)
実施例1において、電荷輸送層に用いた例示化合物No.1を順にNo.3、No.5、No.9、No.13、No.17、No.21、No.22、No.26、No.28、No.34、No.37、No.41、No.45に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体2〜14を作製した。また、電子写真感光体2〜14の評価を、電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
(実施例15〜17)
実施例1において、電荷輸送層に用いたポリ環状オレフィン樹脂(商品名:TOPAS−5013、チコナ社製、Tg=130℃)を、それぞれ、ポリ環状オレフィン(商品名:TOPAS−6015、チコナ社製、Tg:160℃)、ポリ環状オレフィン(商品名:TOPAS−8007、チコナ社製、Tg:75℃)、ポリ環状オレフィン(商品名:APL−6509T、三井化学(株)製、Tg:80℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体15〜17を作製した。また、電子写真感光体15〜17の評価を電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
なお、ポリ環状オレフィン(商品名:TOPAS−6015、チコナ社製、Tg:160℃)は、上記一般式(2)で示される繰り返し構造単位(R21:水素原子、R22:水素原子)および上記構造式(3)で示される繰り返し構造単位を有する共重合体である。
また、ポリ環状オレフィン(商品名:TOPAS−8007、チコナ社製、Tg:75℃)は、上記一般式(2)で示される繰り返し構造単位(R21:水素原子、R22:水素原子)および上記構造式(3)で示される繰り返し構造単位を有する共重合体である。
また、ポリ環状オレフィン(商品名:APL−6509T、三井化学(株)製、Tg:80℃)は、上記一般式(2)で示される繰り返し構造単位(R21:水素原子、R22:水素原子)および上記構造式(3)で示される繰り返し構造単位を有する共重合体である。
(実施例18)
実施例1において、電荷輸送層に用いたポリ環状オレフィン樹脂(商品名:TOPAS−5013、チコナ社製、Tg=130℃)を、下記構造式(7)で示される繰り返し構造単位
構造式(7):
Figure 0005127413
を有するポリ環状オレフィン樹脂(商品名:ZEONEX−480、日本ゼオン(株)製、Tg=138℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体18を作製した。また、電子写真感光体18の評価を電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
(実施例19)
実施例1において、電荷輸送層に用いたポリ環状オレフィン樹脂(商品名:TOPAS−5013、チコナ社製、Tg=130℃)を、シクロペンタン系のポリ環状オレフィン樹脂(商品名:ZEONOR−1060、日本ゼオン(株)製、Tg=100℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体19を作製した。また、電子写真感光体19の評価を電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
(実施例20)
実施例1において、電荷輸送層中のポリ環状オレフィン樹脂(商品名「TOPAS(登録商標)−5013」チコナ社製 Tg=130℃)を、下記構造式(8)で示される繰り返し構造単位
構造式(8):
Figure 0005127413
を有するポリ環状オレフィン樹脂(商品名:ARTON、JSR(株)製、Tg=170℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体20を作製した。また、電子写真感光体20の評価を電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
(実施例21)
実施例1において、電荷輸送層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体21を作製し、評価を行った。結果を表6に示す。
すなわち、ポリエチレン(商品名:UBEC150、宇部丸善ポリエチレン(株)製)10部をキシレン80部の溶媒に120℃で加熱溶解させた。得られた溶液に、例示化合物No.1を10部加えて溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を120℃に加温した状態で、電荷発生層上に浸漬塗布し、これを1時間120℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成した。
(実施例22)
実施例1において、電荷輸送層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体22を作製し、評価を行った。結果を表6に示す。
すなわち、ポリプロピレン(商品名:住友ノーブレン、住友化学(株)製)10部を180℃で加熱溶融させた。得られた溶液に、例示化合物No.1を10部加えて溶融させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を180℃に加温した状態で、電荷発生層上に押出型塗布装置を用いて塗布し、これを1時間120℃で乾燥させることによって、膜厚が25μmの電荷輸送層を形成した。
(実施例23、24)
実施例1の例示化合物No.1の使用量をそれぞれ7部、12部に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体23、24を作製した。また、電子写真感光体23、24の評価を電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
(実施例25〜46)
実施例1〜22において、電荷輸送層の膜厚を15μmに変更し、電荷輸送層上に以下のような保護層(第二電荷輸送層)を設けた以外は、実施例1〜22と同様にして電子写真感光体25〜46を作製した。また、電子写真感光体25〜46の評価を電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
・保護層の形成
分散剤としてのフッ素原子含有樹脂(商品名:GF−300、東亞合成(株)製)0.45部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン35部と1−プロパノール35部に溶解させた後、潤滑剤としての四フッ化エチレン樹脂粉体(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)9部を加え、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)で59MPa(600kgf/cm)の圧力で3回の分散処理を施し、四フッ化エチレン樹脂粉体を均一に分散させた。これを10μmのPTFEメンブレンフィルターで加圧濾過し、潤滑剤分散液を調製した。
次に、下記構造式(9)で示される電荷輸送性化合物21部
構造式(9):
Figure 0005127413
を上記潤滑剤分散液に加え、これをPTFE(四フッ化エチレン樹脂)製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布し、これに、窒素中において加速電圧150kV、線量1.5×10Gyの条件で電子線を照射し、引き続いて被照射体の温度が120℃になる条件で90秒間加熱処理を行った。このときの酸素濃度は10ppmであった。さらに、大気中で100℃に調製された熱風乾燥機中で、20分間加熱処理を行うことによって、膜厚3μmの保護層を形成した。
(実施例47)
実施例1において、電荷輸送層の膜厚を15μmに変更し、電荷輸送層上に以下のような保護層(第二電荷輸送層)を設けた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体47を作製した。また、電子写真感光体47の評価を電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
・保護層の形成
分散剤としてのフッ素原子含有樹脂(商品名:GF−300、東亞合成(株)製)0.45部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン35部と1−プロパノール35部に溶解させた後、潤滑剤としての四フッ化エチレン樹脂粉体(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)9部を加え、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)で59MPa(600kgf/cm)の圧力で3回の分散処理を施し、四フッ化エチレン樹脂粉体を均一に分散させた。これを10μmのPTFEメンブレンフィルターで加圧濾過し、潤滑剤分散液を調製した。
次に、下記構造式(10)で示される電荷輸送性化合物10部、
構造式(10)
Figure 0005127413
下記構造式(11)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂10部
構造式(11):
Figure 0005127413
を上記潤滑剤分散液に加え、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を電荷輸送層上にスプレーコーティングし、これを30分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が3μmの保護層を形成した。
(比較例1)
実施例1において、電荷輸送層を以下のように形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体C1を作製した。また、電子写真感光体C1の評価を電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
・電荷輸送層の形成
上記構造式(10)で示される電荷輸送性化合物を10部、および、下記構造式(12)の繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂(重量平均分子量115000)10部
構造式(12):
Figure 0005127413
を、モノクロロベンゼン50部およびテトラヒドロフラン30部の混合溶媒に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、1時間120℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成した。
(比較例2)
実施例1において、電荷輸送層に用いた例示化合物No.1を上記構造式(10)で示される電荷輸送性化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体C2を作製した。また、電子写真感光体C2の評価を電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
(比較例3)
実施例1において、電荷輸送層に用いた例示化合物No.1を下記構造式(13)
構造式(13):
Figure 0005127413
で示される電荷輸送性化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体C3を作製した。また、電子写真感光体C3の評価を電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
(比較例4)
実施例1において、電荷輸送層に用いたポリ環状オレフィン樹脂(商品名:TOPAS−5013、チコナ社製、Tg=130℃)を上記構造式(12)で示される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体C4を作製した。また、電子写真感光体C4の評価を電子写真感光体1と同様にして行った。結果を表6に示す。
Figure 0005127413
実施例で用いた評価用の画像を示す図である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (10)

  1. 支持体および該支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、
    該感光層が、
    炭素数5以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物、および、
    エチレン、プロピレン、イソブテン、1−ブテン、2−ブテン、4−メチルペンテン−1、環状オレフィンのいずれかを含むモノマーを重合したポリオレフィン樹脂
    を含有し、前記電荷輸送性化合物と前記ポリオレフィン樹脂が同一層中に存在することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記電子写真感光体が、さらに前記感光層上に設けられた保護層を有する請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記炭素数5以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物が、下記一般式(1)で示される化合物である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
    一般式(1):
    Figure 0005127413
    (式(1)中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を示す。ただし、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14およびR15のうち少なくとも1つは、炭素数5以上10以下のアルキル基を示す。)
  4. 前記炭素数5以上10以下のアルキル基を有する電荷輸送性化合物が、下記一般式(2)で示される化合物である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
    一般式(2):
    Figure 0005127413
    (式(2)中、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24およびR25は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基である、または、それぞれ互いに結合して芳香環を形成していてもよい。ただし、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24およびR25のうち少なくとも1つは、炭素数5以上10以下のアルキル基を示す。R26は、置換もしくは無置換の芳香族基である。ただし、R26の芳香族基が有してもよい置換基は、メチル基、エチル基、ハロゲン基、無置換またはメチル基を有するジアルキルアミノ基(ただしアルキル基の炭素数は2以下)、ベンジルアルキルアミノ基(ただしアルキル基の炭素数は2以下)、ジベンジルアミノ基、アルキルアリールアミノ基(ただしアルキル基の炭素数は2以下)、または、ジアリールアミノ基に限る。)
  5. 前記ポリオレフィン樹脂がポリ環状オレフィン樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 前記ポリ環状オレフィン樹脂のガラス転移温度(Tg)が、100℃以上170℃以下である請求項5に記載の電子写真感光体。
  7. 前記ポリ環状オレフィン樹脂が、下記一般式(3)で示される繰り返し構造単位および下記構造式(4)で示される繰り返し構造単位を有する共重合体である請求項5または6に記載の電子写真感光体。
    一般式(3):
    Figure 0005127413
    (式(3)中、R27およびR28は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または、置換もしくは無置換のカルボニル基を示す。あるいは、R27およびR28は互いに結合して環を形成していてもよい。)
    構造式(4):
    Figure 0005127413
  8. 前記電子写真感光体の誘電正接(周波数100Hz)が、0.0015以上0.0045以下である請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
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