JP5258124B2 - オフライン端末、オフライン端末の制御方法、及びオフライン端末の制御プログラム - Google Patents
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Description
現在実用化されている電子マネーシステムは、例えば、非接触型ICカードで構成された電子マネーカードに貨幣価値の金額を記憶させるものである。
電子マネーカードは、CPU(中央処理装置:Central Processing Unit)を備えており、これに加算コマンドや減算コマンド(以下、演算コマンド)を入力して実行させることにより、カード内の貨幣価値の金額を増減することができる。カード内の貨幣価値はバリューと呼ばれる電子情報で表される。
例えば、オンライン端末は、ブロードバンドなどの高速通信が行えるネットワーク環境において利用され、オフライン端末は、高速通信が行えない場合に利用される。
このように、電子マネーセンタは取引情報を用いてバリューによる交換価値の移動と実際の現金との対応関係をとっている。
このように電子マネーを用いた技術に以下のものがある。
しかし、オンライン端末を用いると、電子マネーカードとセンタサーバが通信を行うために通信時間が延び(例えば、1秒程度)、通信経路も複雑で長距離のものとなるため、電子マネーカードの処理中に障害が生じる可能性を考慮する必要が生じてくる。
を具備したことを特徴とするオフライン端末を提供する。
請求項2に記載の発明では、前記決定手段が、前記入金に係るオフライン取引を制限するか否かを、前記残高記憶手段に記憶される残高金額に前記未完了取引金額を加算した後の金額に対し前記取得される入金に係る取引金額分の変更処理が可能であるか否かを基準として決定する、ことを特徴とする請求項1記載のオフライン端末を提供する。
請求項3に記載の発明では、前記残高記憶手段に記憶される残高金額には、上限値が設けられており、前記決定手段が、前記残高記憶手段に記憶される残高金額に前記未完了取引金額分の加算処理を実施した後の金額に対し前記取得される入金に係る取引金額を加算した金額が前記上限値を上回るとき、前記入金に係るオフライン取引を制限する旨を決定する、ことを特徴とする請求項2記載のオフライン端末を提供する。
請求項4に記載の発明では、前記貨幣端末から前記残高記憶手段に記憶される残高金額を取得する残高金額取得手段と、前記取得される状態データが未完了を示す場合に限り、前記貨幣端末から前記取引金額記憶手段に記憶される前記未完了取引金額を取得する未完了取引金額取得手段と、をさらに備える、ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のオフライン端末を提供する。
請求項5に記載の発明では、前記オンライン取引及び前記オフライン取引に係る取引金額を直近の取引に係るものから所定数だけ記憶する前記取引金額記憶手段に、入金又は支払に係るオフライン取引に係る取引金額を新たに記憶させる手段をさらに具備する、ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のオフライン端末を提供する。
請求項6に記載の発明では、貨幣端末と情報処理サーバとの間で行われるオンライン取引をリアルタイムで仲介するオンライン端末と、貨幣端末との間で行われたオフライン取引に係る情報をバッチ処理にて情報処理サーバに送信するオフライン端末と、を含む情報処理システムにおけるオフライン端末であって、支払又は入金に係る取引金額を取得する取引金額取得手段と、前記取得される取引金額分の金額変更情報を生成する金額変更情報生成手段と、前記生成される金額変更情報を前記貨幣端末に出力する金額変更情報出力手段と、を具備するオフライン端末を構成するコンピュータに、貨幣価値の残高金額を電子データとして記憶する残高記憶手段と、所定の金額変更情報を用いて前記残高金額に対する変更処理を実行する金額変更手段と、少なくとも前記金額変更手段による過去のオンライン取引に係る変更処理について該変更処理が完了しているか否かを示す状態データを記憶する状態データ記憶手段と、前記変更処理が完了していないオンライン取引に係る取引金額を示す未完了取引金額を少なくとも含む過去の取引に係る取引金額を記憶する取引金額記憶手段と、を備える前記貨幣端末から、前記状態データ記憶手段に記憶される状態データを取得する状態データ取得処理と、前記取得される取引金額が入金に係る取引金額でありかつ前記取得される状態データが未完了を示す場合に限り、該入金に係るオフライン取引を制限するか否かを、前記取引金額記憶手段に記憶される前記未完了取引金額分の回復処理が前記情報処理サーバにより後に実施されることを見越し、前記取得される入金に係る取引金額に応じて決定する決定処理と、前記決定処理において前記入金に係るオフライン取引を制限することが決定された場合に、該オフライン取引を途中で停止させる取引制限処理と、を実行させる、オフライン端末の制御方法を提供する。
請求項7に記載の発明では、貨幣端末と情報処理サーバとの間で行われるオンライン取引をリアルタイムで仲介するオンライン端末と、貨幣端末との間で行われたオフライン取引に係る情報をバッチ処理にて情報処理サーバに送信するオフライン端末と、を含む情報処理システムにおけるオフライン端末であって、支払又は入金に係る取引金額を取得する取引金額取得手段と、前記取得される取引金額分の金額変更情報を生成する金額変更情報生成手段と、前記生成される金額変更情報を前記貨幣端末に出力する金額変更情報出力手段と、を具備するオフライン端末を構成するコンピュータに、貨幣価値の残高金額を電子データとして記憶する残高記憶手段と、所定の金額変更情報を用いて前記残高金額に対する変更処理を実行する金額変更手段と、少なくとも前記金額変更手段による過去のオンライン取引に係る変更処理について該変更処理が完了しているか否かを示す状態データを記憶する状態データ記憶手段と、前記変更処理が完了していないオンライン取引に係る取引金額を示す未完了取引金額を少なくとも含む過去の取引に係る取引金額を記憶する取引金額記憶手段と、を備える前記貨幣端末から、前記状態データ記憶手段に記憶される状態データを取得する状態データ取得機能と、前記取得される取引金額が入金に係る取引金額でありかつ前記取得される状態データが未完了を示す場合に限り、該入金に係るオフライン取引を制限するか否かを、前記取引金額記憶手段に記憶される前記未完了取引金額分の回復処理が前記情報処理サーバにより後に実施されることを見越し、前記取得される入金に係る取引金額に応じて決定する決定機能と、前記決定機能により前記入金に係るオフライン取引を制限することが決定された場合に、該オフライン取引を途中で停止させる取引制限機能と、を実現させる、オフライン端末の制御プログラムを提供する。
電子マネーカードとセンタサーバの双方に、「取引中」及び「取引完了」の2つの値を選択的に設定できるフラグを用意する。
そして、電子マネーカードとセンタサーバ間で情報処理を行う過程で、双方のフラグを立てたり(「取引完了」から「取引中」に反転させたり)、あるいは倒したり(「取引中」から「取引完了」に復帰させたり)して同期をとりながら処理を進める。
処理の途中で障害が発生した場合、障害が発生した時点でのフラグの状態が両者で保存されているため、これらの状態から障害が発生した時点を特定することができる。
そして、その特定した時点に応じた回復処理を行う。
このように構成すると、電子マネーカードで減算処理した後、センタサーバで残高記録の減算処理を行う前に障害が生じた場合は、電子マネーカードに減算した金額分を加算して残高を減算処理前の状態に回復し、また、センタサーバで残高記録の加算処理を行って電子マネーカードで加算処理を行う前に障害が生じた場合は、電子マネーカードに加算処理を行わせて両者の整合性をとることができる。
まず、センタサーバでは、センタ側フラグが取引完了(初期状態)に設定されており、これを取引中(反転状態)に設定した後、電子マネーカードに取引中コマンド(反転命令)を送信する(ステップ1)。
電子マネーカードは、この取引中コマンドを受信して実行し、端末フラグ(カード側のフラグ)を取引中に設定する。そして、センタサーバに対して取引中設定通知を送信する(ステップ2)。
電子マネーカードは、センタサーバから取引完了コマンドを受信して実行し、端末フラグを取引完了に設定する。そして、その後取引完了設定通知をセンタサーバに送信する(ステップ4)。センタサーバはこれを受信する。
例えば、端末フラグが「取引中」でサーバフラグも「取引中」の場合はステップ2で障害が発生したことになる。
また、端末フラグが「取引中」でサーバフラグが「取引完了」である場合はステップ3で障害が発生したことになる。
即ち、フラグの組合せは合計4通りあり、これを各ステップに対応させたのである。
センタサーバは、電子マネーカードから減算完了通知を受信したのち、当該電子マネーカードの残高記録を減算する。その後、ステップ3、4の処理が行われる。
従って、減算処理中に障害が発生し、端末フラグとサーバフラグが共に「取引中」である場合、電子マネーカードに減算した金額を加算する加算コマンドを送信して実行させると、減算処理前の状態に回復することができる。
従って、加算処理中に障害が発生し、端末フラグが「取引中」でサーバフラグが「取引完了」である場合、電子マネーカードに加算コマンドを送信して実行させると、加算処理後の状態に回復することができる。
電子マネーによる商取引では、金銭と同等の交換価値を付与したバリューと呼ばれる電子情報の値を加減することにより交換価値の移動を生じさせる。
バリューは、バリュー処理機能を有するICカードである電子マネーカードに記憶されて利用者に携帯される。
バリューを用いた商品・サービスの購入は、バリューによる商取引を行う契約を結んでいる加盟店で行うことができる。
また、加盟店に金銭を支払い、その金額分のバリューを電子マネーカードに書き込んでもらうこともできる。このように電子マネーカードにバリューを書き込む処理は入金(又はチャージ)と呼ばれている。
この加盟店端末には、電子マネーカードセンタのセンタサーバとオンライン接続されているオンライン端末と、バッチ処理にてログデータを一括してセンタサーバに送信するオフライン端末がある。
電子マネーシステム1は、電子マネーセンタ100に設置されたセンタサーバ2、各加盟店102に設置されたオンライン端末5、5、5、…、オフライン端末6、センタサーバ2とオンライン端末5、5、5、…、及びオフライン端末6、6、6、…をネットワーク接続するネットワーク4、及びオンライン端末5、及びオフライン端末6と近距離の無線通信を行う電子マネーカード7を用いて構成されている。
センタサーバ2は、オンライン端末5と常時接続されており、リアルタイムでオンライン端末5と通信でき、オンライン端末5からの要求に従って演算コマンド(演算命令)を生成して送信することができる。
なお、本実施の形態では、センタサーバ2とオンライン端末5、5、5、…を常時接続することとするが、これに限定するものではなく、例えば、必要に応じて(電子マネーカード7に各種コマンドを入力する必要がある時点など)オンライン端末5をセンタサーバ2に接続するように構成することもできる。
更に、オフライン端末6にはネットワーク4に接続されないものもあり、これに関しては電子マネーセンタ100の担当者が、オフライン端末6から取引情報が記憶された記憶媒体を回収し、これをセンタサーバ2に入力する。
加盟店102は、例えばレジにオンライン端末5やオフライン端末6を備えており、これを用いて顧客の電子マネーカード7から対価分のバリューを減算して支払いを行う。また、顧客から代金を受領して、その金額分のバリューを電子マネーカード7に入金することもできる。
本実施の形態では、オンライン端末5にて支払い、入金の双方を行うことができるものとするが、支払いと入金の何れか一方を行うように構成することもできる。
端末コンピュータ5aは、所定のコンピュータプログラムをリーダライタ5bを備えた汎用のコンピュータにインストールして構成することもできるし、あるいは、専用モジュールを組み込んだ専用機を用いて構成することも可能である。
リーダライタ5bは、端末コンピュータ5aの周辺機器であり、電子マネーカード7と近距離の無線通信を行うためのアンテナを内蔵している。
これに対し、オフライン端末6は、自ら演算コマンドを生成し、電子マネーカード7に入力する。
図示しないが、オフライン端末6にはリーダライタ5bが内蔵されており、オフラインで電子マネーカード7に対して処理を行った後、その処理内容を記録した取引情報を1日1回程度ネットワーク4を介してセンタサーバ2に送信する。
電子マネーカード7は、バリュー処理機能を行うICチップと、リーダライタ5bと無線通信を行うためのアンテナを備えている。
電子マネーカード7は、バリュー残高金額を記憶しており、リーダライタ5bから入力された加算コマンドや減算コマンドを実行してバリューの金額を加減算する。
残高記憶部7bは、バリュー残高を記憶する記憶部である。支払いや入金の際は、残高記憶部7bに記憶されてるバリューの金額を増減する。残高記憶部7bは、貨幣価値の金額を電子データ(バリュー)として記憶する貨幣情報記憶手段を構成している。
取引履歴は、例えば6件まで記憶され、古いものから順次消去されるようになっている。
なお、カードIDは、電子マネーセンタ100が電子マネーカード7に付与したものであるが、このほかに、電子マネーカード7の製造メーカが電子マネーカード7に付与したID情報を用いてもよい。
何れのID情報も電子マネーカード7に記憶されており、カードIDコマンドを電子マネーカード7に入力することによりこれらID情報を読み出すことができる。
取引状態は、「取引中」(反転状態に対応)、「取引完了」(初期状態に対応)の2値を選択的にとることができる。ここで、取引状態保持部7eは、端末フラグ記憶手段を構成している。
これら「取引中」と「取引完了」の設定は、後述のバリュー処理部7aが、センタサーバ2から送信されてきた取引中コマンド(反転命令に対応)と取引完了コマンド(復帰命令に対応)を実行することにより行われる。ここで、バリュー処理部7aはフラグ命令実行手段に対応している。
取引状態保持部7eに記憶されている取引状態は、センタサーバ2と電子マネーカード7の間の通信障害の発生時点を判断するのに用いられる。
バリュー処理部7aは、加算コマンド、又は減算コマンドの入力を受け付けた場合、これらコマンドにパラメータとして付属している金額分だけ残高記憶部7bのバリューを加算、又は減算する。
そして、バリュー処理部7aは、情報処理を行った場合、ログデータ記憶部7cの取引履歴を更新する。
ネットワーク4は、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)などで構成してもよく、また、通信衛星を用いた通信回線、電話回線網、光ケーブル網などを用いることもできる。
電子マネーカード7は、アンテナ701とICチップ702を内蔵したプラスチックカードである。
本実施の形態では、電子マネーカード7として非接触型ICカードを用いるものとするが、接触型ICカードによって構成することも可能である。この場合、電子マネーカード7は、アンテナ701の代わりにICチップ702にアクセスするための接触端子を備える。加盟店端末もこの接触端子に接続する端子を備え、これら端子を介して電子マネーカード7と加盟店端末が通信を行う。
アンテナ701は、リーダライタ5bが放射した電波を受信すると共に、リーダライタ5bに対して電波を放射する。
また、アンテナ701は、リーダライタ5bから電力の供給を無線により受け、ICチップ702を駆動するための電力を発電する発電機能も有している。
ROM703は、電子マネーカード7を機能させるための基本的なプログラム(OS(Operating System)、リーダライタ5bとの通信プログラムなど)や各種データが記憶された読み取り専用メモリである。
RAM706は、読み書き可能な揮発性のメモリであって、CPU704が各種の情報処理を行う際のワーキングエリアを提供する。本実施の形態では、例えば、CPU704が加算コマンドや減算コマンドを実行してバリューの金額を増減する際に使用する。
記憶部707には、各種のアプリケーションソフトを記憶させて(インストールして)これをCPU704に実行させ、各種の機能を電子マネーカード7に発揮させることが可能である。
本実施の形態では、CPU704に電子マネーカード7としての機能を発揮させるためのプログラムであるバリュー処理プログラムを記憶させてある。
電子マネーカード7をリーダライタ5bに近接させて駆動すると、CPU704がバリュー処理プログラムを実行し、バリュー処理部7aがソフトウェア的に構成される。これにより、残高記憶部7b、ログデータ記憶部7c、カードID記憶部7d、取引状態保持部7eにアクセスし、各種の情報処理を行うことができる。
この利用形態では、ICチップ702とアンテナ701を携帯端末に備え、電子マネーカード7と同様にリーダライタ5bから無線によりアクセスすることができるほか、携帯端末が備えた表示装置にICチップ702内の情報を表示させたり、あるいは携帯端末の入力装置を介してICチップ702に情報を入力することも可能である。
以下、本実施の形態では、電子マネーカード7を用いて説明するが、これらICチップ702を内蔵した携帯端末を用いることもできる。
センタサーバ2は、制御部10にバスライン32を介して入力装置18、出力装置20、通信制御装置24、記憶装置30、などが接続して構成されている。
CPU12は、ROM14、記憶装置30、その他に記憶されているプログラムをロードして実行する中央処理装置である。本実施の形態では、記憶装置30に記憶されている取引処理プログラムを実行し、センタサーバ2としての機能を発揮する。
RAM16は、CPU12にワーキングメモリとして使用される読み書き可能なメモリであり、例えば、取引処理プログラムを実行する際に使用される。
出力装置20は、例えばディスプレイなどで構成された表示装置、プリンタなどで構成された印刷装置などから構成されている。
電子マネーセンタ100のオペレータは、これら入力装置18や出力装置20を用いてセンタサーバ2にアクセスし、保守作業やプログラムのアップデートその他の作業を行うことができる。
通信制御装置24はCPU12によって制御され、所定のプロトコルに従って加盟店端末とデータやその他の情報の送受信を行う。
加盟店端末がオンライン端末5の場合は常時接続されており、オフライン端末6の場合は、オフライン端末6がバッチ処理を行う際に接続を受け付ける。
プログラム格納部34には、OS40、取引処理プログラム42、…などのプログラムがインストールされている。
OS40は、ファイルの入出力や通信制御装置24の制御など、センタサーバ2を動作させる上で基本的な機能を実現するプログラムである。
(1)支払い処理
これは、電子マネーカード7に記憶されたバリューを商品代金などの支払い代金として決済する処理である。
この場合、センタサーバ2は、オンライン端末5から要求された減算コマンドを電子マネーカード7に送信し、これを電子マネーカード7で実行させる。
また、この際に、電子マネーカード7の取引状態とセンタサーバ2の取引状態の2つのフラグを設定しながら処理を進める。
これは、電子マネーカード7に入金してバリュー残高を増額するものである。
この場合、センタサーバ2は、オンライン端末5から要求された加算コマンドを電子マネーカード7に送信し、これを電子マネーカード7で実行させる。
この場合も、電子マネーカード7の取引状態とセンタサーバ2の取引状態の2つのフラグを設定しながら処理を進める。
以上のように、センタサーバ2は、演算コマンド(演算命令)を送信する演算命令送信手段を備えている。
これは、電子マネーカード7に記憶されているバリュー残高を提示するものである。
この場合、センタサーバ2は、残高確認コマンドを生成して電子マネーカード7に送信し、これを電子マネーカード7に実行させる。すると、電子マネーカード7は、バリュー残高をセンタサーバ2に送信するので、センタサーバ2は、これをオンライン端末5に表示させる。
また、オンライン端末5が電子マネーカード7に残高確認コマンドを入力し、これに対して電子マネーカード7が返してきたバリュー残高をオンライン端末5が表示するように構成することもできる。
(4)障害発生後の回復処理
これは、センタサーバ2と電子マネーカード7が通信を行っている際に障害が発生し、処理が中断した場合にその回復処理を行うものである。
センタサーバ2は、センタサーバ2及び電子マネーカード7の取引状態の設定状態から障害が発生した時点を判断し、その時点に応じた回復処理を行う。
センタサーバ2は、支払い処理、入金処理、及び残高確認処理を行う前に、センタサーバ2と電子マネーカード7の取引状態から前回の処理で障害が発生したか否かを確認し、障害が発生していた場合はこれを回復してから処理を続行する。このようにセンタサーバ2は、回復手段を備えている。
センタサーバ2の運用に必要な各種のデータが記憶されており、データ格納部36には、加盟店端末情報データベース44、取引情報データベース46、…などが記憶されている。
加盟店端末情報データベース44には、例えば、加盟店端末が設置されている加盟店102のID情報である加盟店ID、加盟店102内でオンライン端末5やオフライン端末6に設定されたID情報である端末ID、電子マネーシステム1内でオンライン端末5やオフライン端末6に一意に付与されたID情報であるシリアルID…などの情報が記憶されている。
また、オンライン端末5やオフライン端末6を特定するのに端末IDとシリアルIDの2つのID情報を付与したのは、加盟店102の便宜を図るためである。即ち、端末IDは、例えば、加盟店端末の設置順に01、02、…などと加盟店102にとって認識しやすい情報となっており、加盟店102は、加盟店内での管理や故障時の問い合わせを端末IDで行うことができる。
取引情報は、電子マネーカード7に対して処理を行う際に生成されるログデータであり、オンライン端末5を介して電子マネーカード7を処理する場合はリアルタイムで生成され、オフライン端末6で処理する場合は、一旦オフライン端末6に蓄積された後、バッチ処理などでセンタサーバ2に送られてくる。
図に示したように、取引情報はカードID52、残高53、取引額54、取引状態55、処理内容56、シリアルID57、取引日時58、…などの各項目から構成されている。
カードID52は、オンライン端末5を介して電子マネーカード7から受信したカードIDである。
センタサーバ2は、支払い、又は入金処理の際に電子マネーカード7からバリュー残高を受信すると共に(残高受信手段に対応)、オンライン端末5から演算コマンドの送信要求(加減算する金額が付属している)を取得する(要求取得手段に対応)。残高53は、これらの値を用いて計算されたものである。
取引状態55は、センタサーバ2側の処理が開始した際に「取引中」に設定され、センタサーバ2側の処理が完了した際に「取引完了」に更新される。
図5の例では、図中上から3番目の取引情報は取引状態55が「取引中」となっており、この取引情報に関するセンタサーバ2側の処理はまだ完了していないことがわかる。
取引日時58は、オンライン端末5と通信を行った日時である。例えば、通信開始時刻、及び通信終了時刻などが記憶されている。
他のカードIDに係る電子マネーカード7に関しても同様に取引情報が蓄積される。
オンライン端末5で行った処理に関してはリアルタイムで取引情報が取引情報データベース46に記録されるが、オフライン端末6で行った処理に関しては、バッチ処理にてオフライン端末6から送信されてきてから取引情報データベース46に記録されるまでタイムラグが生じる。
以上にセンタサーバ2について説明したが、オンライン端末5のハードウェア的な構成は、基本的にセンタサーバ2と同様である。
オンライン端末5は、加盟店102の担当者や電子マネーカード7を有する顧客などに情報を表示するための表示装置や、効果音などの音声により処理状況を通知する音声出力装置などを備えている。
ここでは、一例として20、000円チャージされた電子マネーカード7を用いて9、000円の支払いを行う場合について説明する。
このフローチャートでは、電子マネーカード7側とセンタサーバ2側でデータが更新される様子を説明するため、それぞれカード情報と取引情報を併記している。
カード情報は、「カードID」、「残高」、「取引額」、「取引状態」などの項目から構成されている。
これら「カードID」、「残高」、「取引額」、「取引状態」の各値は、それぞれ、バリュー処理部7a、残高記憶部7b、ログデータ記憶部7c、取引状態保持部7eに記憶されている情報を用いることができる。
カード情報71では、取引状態が「取引完了」に設定されているため、前回の処理において、電子マネーカード7側の処理は完了していることがわかる。
まず、顧客は加盟店102の担当者(店員)に商品を提示して購入の意思表示を行う。
これに対し、担当者はバーコード読取装置などを用いて商品の代金9、000円を読み取り、これを支払額としてオンライン端末5に入力する。
すると、オンライン端末5の表示装置に図22(a)に示したような、カード確認画面が表示される。カード確認画面には、支払額が表示されるほか、「電子マネーカードをセットしてください」などと、電子マネーカード7をオンライン端末5のリーダライタ5bにセットするように促す指示が表示される。
顧客はカード確認画面の指示に従って、オンライン端末5に電子マネーカード7をセットする。
電子マネーカード7がオンライン端末5と接続されると、センタサーバ2は電子マネーカード7と通信できるようになる。
電子マネーカード7とセンタサーバ2が通信を行っている間、オンライン端末5の表示装置には、図22(b)に示したような通信中画面が表示される。これにより、顧客と加盟店102の担当者は電子マネーカード7とセンタサーバ2が通信中であることを認識することができる。
なお、カードIDの読み取りは、オンライン端末5が電子マネーカード7にカードIDコマンドを電子マネーカード7に入力することにより行われる。
電子マネーカード7では、バリュー処理部7aがカードIDコマンドを実行し、カードID記憶部7dからカードIDを読み取ってオンライン端末5に返すようになっている。
この要求は、電子マネーカード7に対してバリュー残高と取引状態の送信を要求するものであり、電子マネーカード7にこれらの動作を行わせるためのコマンドを送信することにより行われる。
この処理は、オンライン端末5から送信されてきたコマンドをバリュー処理部7aが実行して、残高記憶部7bに記憶されているバリュー残高と、取引状態保持部7eに記憶されている取引状態をセンタサーバ2に送信することにより行われる。このように、センタサーバ2は、端末フラグ受信手段(電子マネーカード7の取引状態を受信)を備えている。
そして、受信した取引状態と取引情報データベース46に記憶されている前回の取引情報の取引状態を確認し、前回の取引で障害が発生したか否かを確認する。
障害が発生していた場合は後述の方法により障害を回復する。ここでは、障害が発生しなかったものとする。
取引情報81では、電子マネーカード7から受信したカードID、バリュー残高、及びオンライン端末5で入力された取引額などが記憶される。なお、図では処理内容、シリアルID、取引日時、…などのほかの項目は省略してある。
図に示したように、取引情報81では、カードIDが00001、残高が減算後の値で11、000円、取引額が9、000円となっている。
そのため、取引情報81で残高が減算後の値になっているが、これは、障害回復の際に利用するためであり、センタサーバ2側での減算処理が完了するのは、取引状態が「取引完了」に設定された時点である。
この要求は、電子マネーカード7に取引中コマンドと、支払額分の減算を実行させるための減算コマンドを送信することにより行われる。
後の入金処理でも加算コマンドと取引完了コマンドを共に電子マネーカード7に送信するのも同じ理由による。
次に、電子マネーカード7は、減算が完了し、取引状態を「取引中」に設定した旨を示す減算完了通知をセンタサーバ2に送信する(ステップ108)。
これにより、センタサーバ2は、センタサーバ2側での減算処理を完了させると共に取引情報82の取引情報データベース46への登録が確定する。
これに対し、電子マネーカード7は、取引完了コマンドを受信して実行し、取引状態を「取引完了」に設定する(ステップ110)。即ち、取引状態の値を「取引中」から「取引完了」に復帰する。その結果、カード情報はカード情報73のように更新される。
電子マネーカード7は、取引完了コマンドを実行後、取引状態を「取引完了」に設定した旨を表す取引完了通知をセンタサーバ2に送信する。
オンライン端末5は、センタサーバ2から取引完了通知を受信して処理が完了したことを確認する(ステップ206)。
支払い完了画面では、カードIDと支払金額、及び支払い後のバリュー残高などが表示される。
なお、ステップ304で障害が発生する可能性もあるが、この場合の処理は障害1と同じであるので説明を省略する。
図7は、障害1が発生した場合の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、以下では図6のフローチャートに対応するステップには同じステップ番号を付して説明を簡略化、あるいは省略することにする。
ここで、電子マネーシステム1は、タイムアウトにより障害を検出するものとする。即ち、センタサーバ2は、電子マネーカード7からの応答を受信するまでの時間を計測し、予め設定した所定時間内に応答がない場合、障害が発生したものと判断する。なお、これは一例であって他の方法により障害を検出してもよい。
オンライン端末5は、センタサーバ2から取引失敗通知を受信して処理が失敗したことを確認する(ステップ208)。
オンライン端末5は、処理の失敗を確認すると取引失敗を表す効果音と共に図22(d)に示したようなエラー発生画面を表示する。
このように電子マネーシステム1は、エラーが発生すると残高確認を要求し、残高確認処理に伴って障害を回復するようになっている。
即ち、残高確認処理は、まずセンタサーバ2が電子マネーカード7側とセンタサーバ2側の取引状態を確認して前回の処理で障害が発生したか否かを確認する。障害が発生していない場合は残高確認を行い、障害が発生していた場合は回復処理を行った後残高確認を行う。
ステップ308(障害2)、又はステップ108(障害3)で障害が発生した場合、センタサーバ2はこれを検出し(ステップ320)、オンライン端末5に対して取引失敗通知を送信する(ステップ322)。
オンライン端末5は、取引失敗通知を受信して失敗を確認し、効果音と共にエラー発生画面を表示する(ステップ210)。
即ち、障害2が発生した場合、カード情報はカード情報71となり、障害3が発生した場合はカード情報72となる。また、取引情報は、障害2、障害3の何れの場合でも取引情報81となる。
このためカード情報と取引情報の取引状態の組合せは、障害2が発生した場合は(取引完了、取引中)となり、障害3が発生した場合は(取引中、取引中)となる。
以下では、同様にカード情報と取引情報の取引状態の組合せをこの順序で括弧書きにて記すことにする。
この処理は、オンライン端末5でエラー発生画面の指示に従って、加盟店102の担当者が電子マネーカード7の残高確認を要求することにより開始する。
次に、センタサーバ2は、残高・状態確認応答により電子マネーカード7から送信されてきた取引状態と、前回の取引情報81の取引状態の組合せを確認する。
その結果、取引状態の組合せが(取引完了、取引中)となり、また、前回の処理が支払い処理であったため(図示しないが取引情報81に記録されている)、センタサーバ2は前回の処理が障害2により中断したと判断する。
センタサーバ2は、取引状態が「取引回復」に設定されている取引情報は無効になったものとして扱うように構成されており、その結果、前々回の取引情報80が電子マネーカード7に対して最新の取引情報となる。
換言すればセンタサーバ2は前回の取引情報81を前々回の取引情報80に更新することにより障害回復を行う(ステップ324)。
なお、本実施の形態では、障害回復通知として電子マネーカード7のバリュー残高を送信し、オンライン端末5ではバリュー残高が表示されるようになっている。即ち、残高確認と共に障害回復を行っている。
このように、障害2が発生した場合はカード情報が更新前のままであるので、取引情報を更新前のものに戻すことにより、両者の整合性をとることができる。
ステップ104〜ステップ106までは障害2の場合と同様である。
そして、センタサーバ2は、電子マネーカード7から送信されてきた取引状態と、前回の取引情報81の取引状態の組合せを確認し、取引状態の組合せが(取引中、取引中)であり、また前回の取引が支払い処理であったことから、前回の処理が障害3により中断したと判断する。
電子マネーカード7は、この加算コマンドを実行し、前回減算した分のバリューを加算し、取引状態を「取引完了」に設定する。そして、加算処理と「取引完了」に設定した旨を表す加算完了通知をセンタサーバ2に送信する(ステップ112)。
以上の処理によりカード情報はカード情報72からカード情報71に更新される。
次に、センタサーバ2は、オンライン端末5に障害回復通知を送信し(ステップ332)、オンライン端末5はこれにより障害が回復したことを確認する(ステップ214)。
そして、障害3を回復した後に支払い処理を再度最初から行う。
即ち、センタサーバ2で取引情報が確定する前(取引情報が支払い後のものに更新される前)に、電子マネーカード7で減算を実行するため、電子マネーカード7に減算したバリューを戻すことにより障害発生前の状態に復帰することができる。
ステップ104〜ステップ310までは図6のフローチャートと同様である。センタサーバ2は、取引情報を取引情報82に更新した後(ステップ310)、電子マネーカード7に宛てて取引完了コマンドを送信する(ステップ312)。
そして、オンライン端末5は、取引処理失敗を表す効果音と共に表示装置にエラー発生画面を表示する(ステップ216)。
その結果、取引状態の組合せは、障害4の場合は(取引中、取引完了)となり、障害5の場合は(取引完了、取引完了)となる。
ステップ104〜ステップ106までは障害2の場合と同様である。
そして、センタサーバ2は、電子マネーカード7から送信されてきた取引状態と、前回の取引情報82の取引状態の組合せを確認し、取引状態の組合せが(取引中、取引完了)であり、また前回の取引が支払い処理であったことから、前回の処理が障害4により中断したと判断する。
そのため、センタサーバ2は電子マネーカード7に取引完了設定要求を行う(ステップ338)。この取引完了設定要求は、電子マネーカード7に取引完了コマンドを送信することにより行われる。
そして、電子マネーカード7は、取引完了通知をセンタサーバ2に送信する(ステップ114)。
センタサーバ2は、取引完了通知を受信した後、障害回復通知をオンライン端末5に送信し(ステップ340)、オンライン端末5は、これを受信して障害4が回復されたことを確認する(ステップ218)。
ステップ104〜ステップ106までは障害2の場合と同様である。
そして、センタサーバ2は、電子マネーカード7から送信されてきた取引状態と、前回の取引情報82の取引状態の組合せを確認し、取引状態の組合せが(取引完了、取引完了)であり、また前回の取引が支払い処理であったことから、前回の処理が障害5により中断したと判断する。
そのため、センタサーバ2は、特に回復処理を行わずにオンライン端末5に障害回復通知を送信し(ステップ342)、オンライン端末5は、これにより障害が回復したことを確認する(ステップ220)。
ここでは、一例として20、000円チャージされた電子マネーカード7に9、000円の入金を行う場合について説明する。
入金処理の場合、まず顧客は加盟店102の担当者に現金9、000円を渡し、9、000円分の入金を依頼する。
担当者は、顧客から現金9、000円を受領すると共に、9、000円を入金額としてオンライン端末5に入力する。
すると、オンライン端末5の表示装置にカード確認画面が表示されるので、顧客は画面の指示に従って電子マネーカード7をリーダライタ5bにセットする。
電子マネーカード7がオンライン端末5と接続されると、センタサーバ2は電子マネーカード7と通信できるようになり、オンライン端末5の表示装置には通信中画面が表示される。
センタサーバ2はこれらの情報を受け付けると、電子マネーカード7に対して残高・状態確認要求を行う(ステップ704)。
電子マネーカード7は、これを受け、残高・状態確認応答を行う(ステップ506)。
取引情報86では、残高が入金後の金額となっているが、取引状態が「取引中」に設定されており、取引情報データベース46への登録はまだ確定していない。即ち、センタサーバ2ではまだ加算処理は完了していない。
電子マネーカード7は取引中設定要求を受けて取引状態を「取引中」に設定し、取引中設定通知をセンタサーバ2に送信する(ステップ508)。これにより、カード情報76は、カード情報77に更新される。
取引状態を「取引完了」に設定することにより取引情報87の取引情報データベース46への登録が確定し、センタサーバ2で加算が行われたことになる。
電子マネーカード7は、これらのコマンドを受信し、加算コマンドを実行して、バリュー残高を9、000増加させると共に、取引状態を「取引完了」に設定する。そして、加算処理と「取引完了」に設定した旨を表す加算完了通知をセンタサーバ2に送信する(ステップ510)。
図に示したようにカード情報78は、バリュー残高が29、000円となり、取引状態が「取引完了」に設定されている。
オンライン端末5は、センタサーバ2から取引完了通知を受信して処理が完了したことを確認する(ステップ606)。
このとき、オンライン端末5は、処理成功を表す効果音と共に表示装置に入金完了画面が表示される。
なお、ステップ704で障害が発生する可能性もあるが、この場合の処理は障害6と同じであるので説明を省略する。
図15は、障害6が発生した場合の処理手順を説明するためのフローチャートである。
なお、以下では図15のフローチャートに対応するステップには同じステップ番号を付して説明を簡略化、あるいは省略することにする。
センタサーバ2は、障害6を検出すると、取引処理が失敗した旨を表す取引失敗通知をオンライン端末5に送信する(ステップ720)。
このとき、オンライン端末5は、取引失敗を表す効果音と共にエラー発生画面を表示する。エラー発生画面には残高確認を指示する旨の通知が行われ、加盟店102の担当者は、電子マネーカード7の残高確認処理を行うことになる。
ステップ708(障害7)、又はステップ508(障害8)で障害が発生した場合、センタサーバ2はこれを検出し(ステップ718)、オンライン端末5に対して取引失敗通知を送信する(ステップ720)。
オンライン端末5は、取引失敗通知を受信して失敗を確認し、効果音と共にエラー発生画面を表示する(ステップ608)。
即ち、障害7が発生した場合、カード情報はカード情報76となり、障害8が発生した場合はカード情報77となる。また、取引情報は、障害7、障害8の何れの場合でも取引情報86となる。
このためカード情報と取引情報の取引状態の組合せは、障害7が発生した場合は(取引完了、取引中)となり、障害8が発生した場合は(取引中、取引中)となる。
この処理は、オンライン端末5でエラー発生画面の指示に従って、加盟店102の担当者が電子マネーカード7の残高確認を要求することにより開始する。
次に、センタサーバ2は、残高・状態確認応答により電子マネーカード7から送信されてきた取引状態と、前回の取引情報86の取引状態の組合せを確認する。
その結果、取引状態の組合せが(取引完了、取引中)となり、また、前回の処理が入金処理であったため(図示しないが取引情報86に記録されている)、センタサーバ2は前回の処理が障害7により中断したと判断する。
センタサーバ2は、取引状態が「取引回復」に設定されている取引情報は無効になったものとして扱うため、前々回の取引情報85が最新の取引情報として復活する。
換言すればセンタサーバ2は前回の取引情報86を前々回の取引情報85に更新することにより障害回復を行う(ステップ722)。
そして、加盟店102の担当者は残高確認を行った後、入金処理を再度最初から行う。
ステップ504〜ステップ506までは障害7と同様である。
そして、センタサーバ2は、電子マネーカード7から送信されてきた取引状態と、前回の取引情報86の取引状態の組合せを確認し、取引状態の組合せが(取引中、取引中)であり、また前回の取引が入金処理であったことから、前回の処理が障害8により中断したと判断する。
そのため、センタサーバ2は、電子マネーカード7に対して取引完了設定要求を行う(ステップ726)。この要求は、電子マネーカード7に取引完了コマンドを送信することにより行われる。
これにより、カード情報はカード情報77からカード情報76に戻される。
次に、センタサーバ2は、オンライン端末5に処理回復通知を送信し(ステップ730)、オンライン端末5はこれにより障害が回復したことを確認する(ステップ612)。
その後、加盟店102の担当者は入金処理を最初からやり直す。
ステップ504〜ステップ710は図14のフローチャートと同様である。
センタサーバ2は、取引情報を取引情報87に更新した後(ステップ714)、電子マネーカード7に宛てて取引完了コマンドと加算コマンドを送信する(ステップ714)。
そして、オンライン端末5は、取引処理失敗を表す効果音と共に表示装置にエラー発生画面を表示する(ステップ614)。
その結果、取引状態の組合せは、障害9の場合は(取引中、取引完了)となり、障害10の場合は(取引完了、取引完了)となる。
ステップ504〜ステップ506までは障害6の場合と同様である。
そして、センタサーバ2は、電子マネーカード7から送信されてきた取引状態と、前回の取引情報87の取引状態の組合せを確認し、取引状態の組合せが(取引中、取引完了)であり、また前回の取引が入金処理であったことから、前回の処理が障害9により中断したと判断する。
まず、センタサーバ2は、電子マネーカード7に対して取引完了設定・加算要求を再度行う(ステップ736)。
センタサーバ2は、加算完了通知を受信した後、障害回復通知をオンライン端末5に送信し(ステップ738)、オンライン端末5は、これを受信して障害9が回復したことを確認する(ステップ616)。
そのため、障害10の場合は障害回復を行うことなくそのまま残高確認が行われる。
このように、障害回復を行う場合は、電子マネーカード7への処理は減算処理となることはないので、未回復カードを用いてオフライン端末6で行われる支払いを特に制限する必要がない。
センタサーバ2は、支払い処理、入金処理の際に、これらの処理に先立って前回の処理で障害が発生したか否かを確認するため、例え、前回の取引で障害回復を行わなかったとしても、今回の取引で障害回復を行ってから処理を行うことができる。
未回復カードを用いてオフライン端末6で支払いを行う場合は、特に制限することなく使用できる。何れの障害が発生しても未回復カードに記憶されているバリューの残高は、顧客が本来有しているバリュー残高以下であるので、これから減算しても不都合は生じないからである。
また、センタサーバ2は、取引情報で障害回復するため、未回復カードをオフライン端末6で使用して支払いを行った後、この未払いカードをオンライン端末5にセットして障害回復を行うこともできる。
例えば、バリューの上限値が5万円であるとする。そして、現在未回復カードに記憶されているバリューが4万円であるが、障害を回復すると5千円加算されるとする。
そのため、オフライン端末6は、電子マネーカード7に入金を行う前に、電子マネーカード7が未回復カードか否かを確認し、未回復カードである場合は、入金を制限するようになっている。
電子マネーカード7は、オフライン端末6のリーダライタにセットされているものとする。
まず、加盟店102の担当者は、オフライン端末6に入金額を入力する(ステップ904)。これは、加算金額取得手段に対応する。
取引状態が「取引完了」であった場合(ステップ908;Y)、オフライン端末6は、加算コマンドを生成して電子マネーカード7に入力し、入金処理を行う(ステップ806)。
このような、オフライン端末6は、加算命令生成手段と、取引状態が「取引中」であった場合、電子マネーカード7への入力を制限する加算命令入力手段を備えている。
即ち、障害により電子マネーカード7に記憶されているバリュー残高が、実際にユーザが保有しているバリュー残高より少なくなる場合は、障害3、及び障害9が発生した場合である。
この場合に、障害回復により加算される可能性のある金額を見越して、オフライン端末6で入金できる金額の上限を動的に制限することができる。
そこで、オフライン端末6は、上限値からこの金額を減じた金額をこの電子マネーカード7の上限値として設定すればよい。
障害が発生した場合、それが電子マネーカード7で演算が行われた後に発生したのか、あるいは前に障害が発生したのかが最低限わかれば障害回復を行うことができる。そこでここではそのための条件について考える。
即ち、センタサーバ2は、ステップ1で取引中コマンドを送信し、ステップ2で取引中設定通知を受信し、更にステップ3で取引完了コマンドを送信し、ステップ4で取引完了通知を受信する。
ステップ2、3で障害が発生した場合は、電子マネーカード7の取引状態は「取引中」になっている。即ち、電子マネーカード7の取引状態が「取引中」であることさえわかれば、電子マネーカード7で演算処理後に障害が発生したことがわかる。そのため、ステップ2とステップ3を必ずしも識別する必要はない。
ここで、取引状態を反転させるとは、取引状態を「取引完了」→「取引中」、又は「取引中」→「取引完了」に設定することを意味する。
そして、更に、センタサーバ2で取引状態を反転させる際に、センタサーバ2で記憶しているバリュー残高を更新することにより、センタサーバ2で記憶しているバリュー残高が更新前のものかあるいは後のものかを取引状態から判断することができる。
一方取引情報が「取引完了」であった場合、これだけでは演算処理前に障害が発生したのか(ステップ1)、あるいは演算処理後に障害が発生したのか(ステップ4)を識別することができない。そのため、ステップ1〜ステップ4の間でセンタサーバ2側の取引状態を反転させれば、何れで障害が発生したのか特定することができる。また、その反転の際にセンタサーバ2側で記憶しているバリュー残高の更新も行う。
以上の範囲内で、電子マネーシステム1は、各種変形可能である。
(1)電子マネーカード7とセンタサーバ2の取引状態の組合せから、発生した障害を特定することができる。
(2)取引状態の組合せから障害の種類を特定するため、オンライン端末5とオフライン端末6が混在した電子マネーシステム1(バリュー残高が電子マネーカード7とセンタサーバ2で必ずしも一致しない)で障害の種類を特定することができる。
(4)電子マネーカード7での処理が終了していない場合は、取引状態が「取引中」に設定されるため、オフライン端末6にて未回復カードを識別することができる。
(5)オフライン端末6は、未回復カードへの入金機能が制限されているため、バリュー残高限度を超えて電子マネーカード7に入金されることを防ぐことができる。
例えば、オンライン端末5を、インターネット接続可能なパーソナルコンピュータにより構成し、顧客の自宅に設置しても良い。この場合、顧客は自宅の通信で電子マネーカード7の処理に障害が発生したことに気づかずに加盟店102に行ったとしても、オンライン端末5にて障害を回復することができる。
そして、センタサーバ2は、算出した金額を電子マネーカード7に送信し、電子マネーカード7は、記憶している残高をセンタサーバ2から受信した金額に更新する。
センタサーバ2が加減算後の金額を計算し、電子マネーカード7がこれを用いて金額を更新する場合、センタサーバ2が電子マネーカード7に送信する加減算後の金額が金額変更情報に該当する。
また、センタサーバ2は、演算コマンドや演算後の金額などの金額変更情報を送信する金額変更情報送信手段を備えている。
即ち、オフライン端末6は、ステップ904にて入金額を取得するが、これは増額金額を取得する増額金額取得手段を構成している。
また、オフライン端末6は、ステップ806にて入金処理を行うが、これは入力された増額金額分の貨幣価値を増額する金額変更情報を生成する金額変更情報生成手段を構成している。
2 センタサーバ
5 オンライン端末
6 オフライン端末
100 電子マネーセンタ
102 加盟店
Claims (7)
- 貨幣端末と情報処理サーバとの間で行われるオンライン取引をリアルタイムで仲介するオンライン端末と、貨幣端末との間で行われたオフライン取引に係る情報をバッチ処理にて情報処理サーバに送信するオフライン端末と、を含む情報処理システムにおけるオフライン端末であって、
支払又は入金に係る取引金額を取得する取引金額取得手段と、
前記取得される取引金額分の金額変更情報を生成する金額変更情報生成手段と、
前記生成される金額変更情報を前記貨幣端末に出力する金額変更情報出力手段と、
貨幣価値の残高金額を電子データとして記憶する残高記憶手段と、所定の金額変更情報を用いて前記残高金額に対する変更処理を実行する金額変更手段と、少なくとも前記金額変更手段による直近のオンライン取引に係る変更処理について該変更処理が完了しているか否かを示す状態データを記憶する状態データ記憶手段と、前記変更処理が完了していないオンライン取引に係る取引金額を示す未完了取引金額を少なくとも含む過去の取引に係る取引金額を記憶する取引金額記憶手段と、を備える前記貨幣端末から、前記状態データ記憶手段に記憶される状態データを取得する状態データ取得手段と、
前記取得される取引金額が入金に係る取引金額でありかつ前記取得される状態データが未完了を示す場合に限り、該入金に係るオフライン取引を制限するか否かを、前記取引金額記憶手段に記憶される前記未完了取引金額分の回復処理が前記情報処理サーバにより後に実施されることを見越し、前記取得される入金に係る取引金額に応じて決定する決定手段と、
前記決定手段により前記入金に係るオフライン取引を制限することが決定された場合に、該オフライン取引を途中で停止させる取引制限手段と、
を具備したことを特徴とするオフライン端末。
- 前記決定手段が、前記入金に係るオフライン取引を制限するか否かを、前記残高記憶手段に記憶される残高金額に前記未完了取引金額を加算した後の金額に対し前記取得される入金に係る取引金額分の変更処理が可能であるか否かを基準として決定する、
ことを特徴とする請求項1記載のオフライン端末。
- 前記残高記憶手段に記憶される残高金額には、上限値が設けられており、
前記決定手段が、前記残高記憶手段に記憶される残高金額に前記未完了取引金額分の加算処理を実施した後の金額に対し前記取得される入金に係る取引金額を加算した金額が前記上限値を上回るとき、前記入金に係るオフライン取引を制限する旨を決定する、
ことを特徴とする請求項2記載のオフライン端末。
- 前記貨幣端末から前記残高記憶手段に記憶される残高金額を取得する残高金額取得手段と、
前記取得される状態データが未完了を示す場合に限り、前記貨幣端末から前記取引金額記憶手段に記憶される前記未完了取引金額を取得する未完了取引金額取得手段と、
をさらに備える、ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のオフライン端末。
- 前記オンライン取引及び前記オフライン取引に係る取引金額を直近の取引に係るものから所定数だけ記憶する前記取引金額記憶手段に、入金又は支払に係るオフライン取引に係る取引金額を新たに記憶させる手段をさらに具備する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のオフライン端末。
- 貨幣端末と情報処理サーバとの間で行われるオンライン取引をリアルタイムで仲介するオンライン端末と、貨幣端末との間で行われたオフライン取引に係る情報をバッチ処理にて情報処理サーバに送信するオフライン端末と、を含む情報処理システムにおけるオフライン端末であって、
支払又は入金に係る取引金額を取得する取引金額取得手段と、
前記取得される取引金額分の金額変更情報を生成する金額変更情報生成手段と、
前記生成される金額変更情報を前記貨幣端末に出力する金額変更情報出力手段と、
を具備するオフライン端末を構成するコンピュータに、
貨幣価値の残高金額を電子データとして記憶する残高記憶手段と、所定の金額変更情報を用いて前記残高金額に対する変更処理を実行する金額変更手段と、少なくとも前記金額変更手段による過去のオンライン取引に係る変更処理について該変更処理が完了しているか否かを示す状態データを記憶する状態データ記憶手段と、前記変更処理が完了していないオンライン取引に係る取引金額を示す未完了取引金額を少なくとも含む過去の取引に係る取引金額を記憶する取引金額記憶手段と、を備える前記貨幣端末から、前記状態データ記憶手段に記憶される状態データを取得する状態データ取得処理と、
前記取得される取引金額が入金に係る取引金額でありかつ前記取得される状態データが未完了を示す場合に限り、該入金に係るオフライン取引を制限するか否かを、前記取引金額記憶手段に記憶される前記未完了取引金額分の回復処理が前記情報処理サーバにより後に実施されることを見越し、前記取得される入金に係る取引金額に応じて決定する決定処理と、
前記決定処理において前記入金に係るオフライン取引を制限することが決定された場合に、該オフライン取引を途中で停止させる取引制限処理と、
を実行させる、オフライン端末の制御方法。
- 貨幣端末と情報処理サーバとの間で行われるオンライン取引をリアルタイムで仲介するオンライン端末と、貨幣端末との間で行われたオフライン取引に係る情報をバッチ処理にて情報処理サーバに送信するオフライン端末と、を含む情報処理システムにおけるオフライン端末であって、
支払又は入金に係る取引金額を取得する取引金額取得手段と、
前記取得される取引金額分の金額変更情報を生成する金額変更情報生成手段と、
前記生成される金額変更情報を前記貨幣端末に出力する金額変更情報出力手段と、
を具備するオフライン端末を構成するコンピュータに、
貨幣価値の残高金額を電子データとして記憶する残高記憶手段と、所定の金額変更情報を用いて前記残高金額に対する変更処理を実行する金額変更手段と、少なくとも前記金額変更手段による過去のオンライン取引に係る変更処理について該変更処理が完了しているか否かを示す状態データを記憶する状態データ記憶手段と、前記変更処理が完了していないオンライン取引に係る取引金額を示す未完了取引金額を少なくとも含む過去の取引に係る取引金額を記憶する取引金額記憶手段と、を備える前記貨幣端末から、前記状態データ記憶手段に記憶される状態データを取得する状態データ取得機能と、
前記取得される取引金額が入金に係る取引金額でありかつ前記取得される状態データが未完了を示す場合に限り、該入金に係るオフライン取引を制限するか否かを、前記取引金額記憶手段に記憶される前記未完了取引金額分の回復処理が前記情報処理サーバにより後に実施されることを見越し、前記取得される入金に係る取引金額に応じて決定する決定機能と、
前記決定機能により前記入金に係るオフライン取引を制限することが決定された場合に、該オフライン取引を途中で停止させる取引制限機能と、
を実現させる、オフライン端末の制御プログラム。
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