JP5257782B2 - 導電性バンプ付基板シートの製造方法および多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

導電性バンプ付基板シートの製造方法および多層プリント配線板の製造方法 Download PDF

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本発明は、多層プリント配線板を製造するときに用いられる導電性バンプ付基板シートの製造方法、および、多層プリント配線板の製造方法に関する。ここで、多層プリント配線板とは、導電性バンプ付基板シートの上に絶縁層と導電性の基板シートが重ね合わせられており、導電性バンプが絶縁層を貫通することにより当該絶縁層の両側にある基板シート同士が導電性バンプによって電気的に接続されているものである。
従来から、銅箔等の基板シートの表面に複数の略円錐状の導電性バンプが形成された導電性バンプ付基板シートの上に絶縁層と導電性の基板シートが重ね合わせられることにより形成される多層プリント配線板が知られている。このような多層プリント配線板において、基板シートの表面に形成された導電性バンプが絶縁層を貫通することによって、当該絶縁層の両側にある基板シート同士が導電性バンプによって電気的に接続されるようになっている(例えば、特許文献1乃至3等参照)。以下、このような多層プリント配線板に用いられる導電性バンプ付基板シートの従来の製造方法について説明する。
導電性バンプ付基板シートの従来の製造方法について、図8および図9を用いて説明する。基板シートに複数の導電性バンプを形成するにあたり、例えばメタルマスク版等からなるスクリーン版92、およびスキージ96を用いるようなスクリーン印刷方法(孔版印刷方法)が用いられる。
具体的には、まず、図8に示すような平板状の基板シート80を印刷定盤90上に載置し、この平板状の基板シート80の上方にわずかな距離を隔ててスクリーン版92を設置する。この際に、印刷定盤90上に載置された基板シート80に対してスクリーン版92の位置合わせをCCDカメラ(図示せず)等により行い、このスクリーン版92の両端部を保持部材94により保持する。また、図9に示すようにスクリーン版92には、基板シート80に導電性バンプ82が形成されるべき位置に対応して複数の貫通穴(版孔)92aが形成されている。そして、図8および図9に示すように、スキージ96により導電性ペースト98の塗工を行い、この際に図9に示すようにスキージ96がスクリーン版92を下方に押圧してこのスクリーン版92と基板シート80とを当接させることにより、導電性ペースト98はスクリーン版92の貫通穴92aを通過して平板状の基板シート80上に付着する。
ここで、スキージ96によるスクリーン版92を介した導電性ペースト98の塗工原理についてより詳細に説明すると、導電性ペースト98はスキージ96によってスクリーン版92の表面に沿って移動させられるが、スクリーン版92に貫通穴92aが形成されている箇所においてはこの貫通穴92aに導電性ペースト98が入り込む。そして、図9に示すようにスキージ96がスクリーン版92を基板シート80に向かって押圧することによって、貫通穴92aに入った導電性ペースト98の一部が基板シート80上に付着することとなる。
スキージ96を用いたスクリーン印刷方法により基板シート80上に導電性ペースト98を付着させた後、この基板シート80の乾燥を行う。このことにより、図10に示すように基板シート80上の導電性ペースト98が熱硬化して略円錐状の導電性バンプ82が形成されることとなる。
ここで、基板シート80に形成される導電性バンプ82は、当該基板シート80の厚さ方向(図10の上下方向)において絶縁層(図示せず)を貫通させるのに十分な高さが必要とされる。また、多層プリント配線板のファインピッチ化を行う場合には、略円錐状の導電性バンプ82について、同じ高さであっても底面積が小さくなるような形状、すなわちいわゆるアスペクト比の高い略円錐状とする必要がある。
特許第3167840号 特開2002−305376号公報 特開2004−6577号公報
しかしながら、従来の導電性バンプ付基板シートの製造方法においては、平板状の基板シート80上に導電性バンプ82を形成するにあたり、スクリーン印刷工程1回あたりの基板シート80に付着する導電性ペースト98の量はスクリーン版92の貫通穴92aにより定められるため、この導電性ペースト98の量が十分ではなく1回のスクリーン印刷工程では導電性バンプ82の高さが絶縁層を貫通させるのに十分な高さに達しない場合が多い。図面を用いてより詳細に説明すると、図10(a)〜(d)は、従来の方法により基板シート80に導電性バンプ82が形成される過程を示す図であって、(a)は1回目のスクリーン印刷工程および乾燥工程後の導電性バンプ82の形状を示し、(b)は2回目のスクリーン印刷工程および乾燥工程後の導電性バンプ82の形状を示している。また、図10(c)は3回目のスクリーン印刷工程および乾燥工程後の導電性バンプ82の形状を示し、(d)は4回目のスクリーン印刷工程および乾燥工程後の導電性バンプ82の形状を示している。
ここで、導電性バンプ82により絶縁層を貫通させる際に、図10(d)に示すような高さを有する略円錐状の導電性バンプ82が求められる。このため、図8に示すようなスクリーン印刷工程を複数回、具体的には例えば4回繰り返して行うことが必要とされる。しかしながら、スクリーン印刷工程を1回行うたびに基板シート80の乾燥工程およびCCDカメラ等によるスクリーン版92の位置合わせ工程が必要となり、十分な高さの導電性バンプ82が形成されるまでこれらの工程を何度も繰り返す必要があった。また、上述のようなスクリーン印刷工程の回数を減らした場合には、基板シート80に形成された導電性バンプ82の先端形状が細くなり、基板シート80と絶縁層とを交互に重ね合わせたときに、絶縁層を突き破った導電性バンプ82の先端部分とこの絶縁層に当接する他の基板シートとが接触する面積が小さくなり、この導電性バンプ82を介して接続される絶縁層を挟んだ2つの基板シート間における抵抗値が大きくなるという問題があった。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、基板シートの表面に導電性ペーストを塗工する工程の回数を減少させることができ、このため導電性バンプ付基板シートの製造時間を短縮することができる導電性バンプ付基板シートの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述の導電性バンプ付基板シートの製造方法により得られる導電性バンプ付基板シートを用いることにより、多層プリント配線板の製造時間を短縮することができる多層プリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の導電性バンプ付基板シートの製造方法は、複数の導電性バンプが表面に形成された導電性バンプ付基板シートを製造するための導電性バンプ付基板シートの製造方法であって、平板状の基板シート、前記基板シートにおける各導電性バンプが形成されるべき位置に対応する箇所に複数の貫通穴が形成されたスクリーン版、および前記基板シートにおける各導電性バンプが形成されるべき位置に対応する箇所に複数の貫通穴が形成された平板状の型材をそれぞれ準備する工程と、前記基板シートの上に前記型材を載置し、この際に、前記基板シートにおける各導電性バンプが形成されるべき位置と前記型材における前記各貫通穴との位置合わせを行う工程と、前記基板シートに載置された前記型材の上方にわずかな距離を隔てて前記スクリーン版を設置し、この際に、前記基板シートにおける各導電性バンプが形成されるべき位置と前記スクリーン版における前記各貫通穴との位置合わせを行う工程と、前記スクリーン版の表面に導電性ペーストの塗工を行い、この際に前記スクリーン版を下方に押圧してこのスクリーン版と前記型材とを当接させ、前記スクリーン版の前記各貫通穴および前記型材の前記各貫通穴を介して導電性ペーストを前記基板シート上に付着させる工程と、前記基板シート上の各導電性ペーストを硬化させて導電性バンプとする工程と、前記型材を前記基板シートから取り外す工程と、を備えたことを特徴とする。
このような導電性バンプ付基板シートの製造方法によれば、貫通穴が設けられた型材を基板シートの上に載置し、その後、スクリーン印刷を行う際に、スクリーン版と型材とを当接させ、スクリーン版の各貫通穴および型材の各貫通穴を介して導電性ペーストを基板シート上に付着させ、その後、基板シート上の各導電性ペーストを硬化させて導電性バンプとするようになっている。このため、単に基板シート上に導電性ペーストを直接付着させる方法と比較して、基板シート上に生成される導電性バンプの高さは、型材の厚み分だけ高くなる。このことにより、1回のスクリーン印刷によって十分な高さの導電性バンプを得ることができるようになる。
このため、基板シートの表面に導電性ペーストを塗工する工程の回数を減少させることができ、このことにより導電性バンプ付基板シートの製造時間を短縮することができる。
本発明の導電性バンプ付基板シートの製造方法においては、前記型材における前記各貫通穴を画成する内壁には離型剤が塗布されていることが好ましい。
本発明の導電性バンプ付基板シートの製造方法においては、前記型材における前記各貫通穴が形成された箇所の近傍の表面には離型剤が塗布されていることが好ましい。
あるいは、本発明の導電性バンプ付基板シートの製造方法においては、前記型材は、離型性を有する材料からなることが好ましい。
本発明の多層プリント配線板の製造方法は、複数の導電性バンプが表面に形成された導電性バンプ付基板シートと、絶縁層とが交互に重ね合わせられており、前記導電性バンプが前記絶縁層を貫通することにより当該絶縁層の両側にある基板シート同士が前記導電性バンプによって電気的に接続されているような多層プリント配線板を製造するための多層プリント配線板の製造方法であって、平板状の基板シート、前記基板シートにおける各導電性バンプが形成されるべき位置に対応する箇所に複数の貫通穴が形成されたスクリーン版、および前記基板シートにおける各導電性バンプが形成されるべき位置に対応する箇所に複数の貫通穴が形成された平板状の型材をそれぞれ準備する工程と、前記基板シートの上に前記型材を載置し、この際に、前記基板シートにおける各導電性バンプが形成されるべき位置と前記型材における前記各貫通穴との位置合わせを行う工程と、前記基板シートに載置された前記型材の上方にわずかな距離を隔てて前記スクリーン版を設置し、この際に、前記基板シートにおける各導電性バンプが形成されるべき位置と前記スクリーン版における前記各貫通穴との位置合わせを行う工程と、前記スクリーン版の表面に導電性ペーストの塗工を行い、この際に前記スクリーン版を下方に押圧してこのスクリーン版と前記型材とを当接させ、前記スクリーン版の前記各貫通穴および前記型材の前記各貫通穴を介して導電性ペーストを前記基板シート上に付着させる工程と、前記基板シート上の各導電性ペーストを硬化させて導電性バンプとし、前記型材を前記基板シートから取り外し、このことにより複数の導電性バンプが表面に形成された導電性バンプ付基板シートを得る工程と、前記導電性バンプ付基板シートの上に絶縁層と導電性の基板シートを重ね合わせ、この重ね合わせ体を挟圧することにより多層プリント配線板を製造する工程と、を備えたことを特徴とする。
このような多層プリント配線板の製造方法によれば、上述の導電性バンプ付基板シートの製造方法により得られる導電性バンプ付基板シートを用いているので、多層プリント配線板の製造時間を短縮することができる。
本発明の導電性バンプ付基板シートの製造方法によれば、基板シートの表面に導電性ペーストを塗工する工程の回数を減少させることができ、このため導電性バンプ付基板シートの製造時間を短縮することができる。
また、本発明の多層プリント配線板の製造方法によれば、上述の導電性バンプ付基板シートの製造方法により得られる導電性バンプ付基板シートを用いることにより、多層プリント配線板の製造時間を短縮することができる。
平板状の基板シート、および複数の貫通穴が形成された型材を準備したときの状態を示す側面図である。 基板シートに載置された型材の上方にわずかな距離を隔ててスクリーン版を設置したときの状態を示す側面図である。 図2に示すスクリーン版の表面に導電性ペーストの塗工を行う動作を示す側面図である。 図3の部分拡大側面図である。 基板シートに導電性ペーストが付着している状態を示す側面図である。 基板シート上の各導電ペーストを硬化させて導電性バンプとし、この基板シートから型材を取り外し、このようにして導電性バンプ付基板シートが製造されたときの状態を示す側面図である。 基板シート、絶縁層および基板シートの3層からなる重ね合わせ体を示す側面図である。 基板シートに導電性バンプを形成する従来の方法を示す側面図である。 図8の部分拡大側面図である。 (a)〜(d)は、従来の方法により基板シートに導電性バンプが形成される過程を示す図であって、(a)は1回目のスクリーン印刷工程および乾燥工程後の導電性バンプの形状を示し、(b)は2回目のスクリーン印刷工程および乾燥工程後の導電性バンプの形状を示し、(c)は3回目のスクリーン印刷工程および乾燥工程後の導電性バンプの形状を示し、(d)は4回目のスクリーン印刷工程および乾燥工程後の導電性バンプの形状を示す。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図7は、本発明による導電性バンプ付基板シートの製造方法および多層プリント配線板の製造方法の一の実施の形態を示す図である。
このうち、図1は、平板状の基板シート、および複数の貫通穴が形成された型材を準備したときの状態を示す側面図であり、図2は、基板シートに載置された型材の上方にわずかな距離を隔ててスクリーン版を設置したときの状態を示す側面図である。また、図3は、図2に示すスクリーン版の表面に導電性ペーストの塗工を行う動作を示す側面図であり、図4は、図3の部分拡大側面図である。
また、図5は、基板シートに導電性ペーストが付着している状態を示す側面図であり、図6は、基板シート上の各導電ペーストを硬化させて導電性バンプとし、この基板シートから型材を取り外し、このようにして導電性バンプ付基板シートが製造されたときの状態を示す側面図であり、図7は、基板シート、絶縁層および基板シートの3層からなる重ね合わせ体を示す側面図である。
以下、導電性バンプ付基板シートの製造方法および多層プリント配線板の製造方法について順次説明する。
〔導電性バンプ付基板シートの製造方法〕
まず、図1に示すように、平板状の銅箔等の導電性の金属シートからなる基板シート10、および複数の貫通穴16aが形成された平板状の型材16をそれぞれ準備する。そして、印刷定盤20の上に基板シート10を載置し、印刷定盤20に対して基板シート10の位置を固定するとともに、基板シート10の上に型材16を載置し、基板シート10に対して型材16の位置を固定する。ここで、平板状の型材16に形成される各貫通穴16aは、基板シート10における各導電性バンプ14が形成されるべき位置に対応する箇所に設けられており、基板シート10上に型材16を載置する際に、CCDカメラ(図示せず)等を用いて、基板シート10における各導電性バンプ14が形成されるべき位置と型材16における各貫通穴16aとの位置合わせを行う。また、型材16は、例えばステンレス、アルミニウム等の金属から形成されており、この型材16における各貫通穴16aを画成する内壁には、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、テフロン(登録商標)等の離型剤が塗布されている。また、型材16における各貫通穴16aが形成された箇所の近傍の表面(図1における上面および/または下面)にも離型剤が塗布されていてもよい。
あるいは、型材16における各貫通穴16aを画成する内壁や各貫通穴16aが形成された箇所の近傍の表面に離型剤が塗布される代わりに、型材16自体が離型性を有する材料から構成されていてもよい。すなわち、型材16自体が、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、テフロン(登録商標)等から構成されていてもよい。
また、型材16の厚さは、基板シート10に形成されるべき導電性バンプ14の径の大きさと同じまたはそれよりも小さいようになっている。
次に、基板シート10に対してスクリーン印刷を行う。より具体的には、図2に示すように、基板シート10に載置された型材16の上方にわずかな距離を隔ててスクリーン版32を設置する。このスクリーン版32は、複数の貫通穴(版孔)32aが設けられたメタルマスク等から構成されており、スクリーン版32は一対の保持部材34により保持されるようになっている。ここで、各貫通穴32aは、基板シート10における各導電性バンプ14が形成されるべき位置に対応する箇所に設けられており、型材16の上方にわずかな距離を隔ててスクリーン版32を設置する際に、CCDカメラ(図示せず)等を用いて、基板シート10における各導電性バンプ14が形成されるべき位置とスクリーン版32における各貫通穴32aとの位置合わせを行う。
そして、図3および図4に示すように、スキージ36により、銀ペースト、半田ペースト等の導電性ペースト38の塗工を行い、この際に図3に示すようにスキージ36がスクリーン版32を下方に押圧してこのスクリーン版32と型材16とを当接させることにより、図4に示すように導電性ペースト38はスクリーン版32の貫通穴32aおよび型材16の貫通穴16aをそれぞれ通過して平板状の基板シート10上に付着する。
ここで、スキージ36によるスクリーン版32を介した導電性ペースト38の塗工原理についてより詳細に説明すると、導電性ペースト38はスキージ36によってスクリーン版32の表面に沿って移動させられるが、スクリーン版32に貫通穴32aが形成されている箇所においてはこの貫通穴32aに導電性ペースト38が入り込む。そして、図3に示すようにスキージ36がスクリーン版32を型材16に向かって押圧することによって、スクリーン版32の貫通穴32aに入った導電性ペースト38の一部が型材16の貫通穴16aに入り込み、この貫通穴16aが導電性ペースト38で満たされ、結果として導電性ペースト38が基板シート10上に付着することとなる。
スキージ36を用いたスクリーン印刷方法により基板シート10上に導電性ペースト38を付着させると、図5に示すように、基板シート10上で導電性ペースト38が型材16の貫通穴16aに入った状態となる。その後、基板シート10の乾燥を行う。このことにより、基板シート10上の導電性ペースト38が熱硬化して、先が尖った導電性バンプ14が形成されることとなる。その後、型材16を基板シート10から取り外す。このようにして、図6に示すような、導電性バンプ14付きの基板シート10が製造される。
なお、基板シート10の乾燥を行い、導電性ペースト38を熱硬化させることにより導電性バンプ14を生成する代わりに、導電性ペースト38を冷却することにより硬化させ、導電性バンプ14を生成するようにしてもよい。あるいは、導電性ペースト38に紫外線硬化樹脂を前もって混入させ、基板シート10に付着した導電性ペースト38に紫外線を照射することにより導電性ペースト38を硬化させ、導電性バンプ14を生成するようにしてもよい。
〔多層プリント配線板の製造方法〕
次に、図7を用いてプリント配線基板の製造方法について説明する。まず、導電性バンプ14付きの基板シート10の上にプリプレグ等の絶縁層40と導電性の基板シート10を重ね合わせる。そして、この重ね合わせ体を一対のロールの間で非常に大きな圧力で挟圧する。あるいは、重ね合わせ体を印刷定盤の上に載せ、押圧ロール等によりこの重ね合わせ体を全面にわたって印刷定盤に向かって非常に大きな圧力で押圧してもよい。重ね合わせ体の挟圧を行う際に、図示しないヒータにより例えば100〜150℃で重ね合わせ体に対して加熱も行うようにする。
このように、導電性バンプ14付きの基板シート10と、絶縁層40との重ね合わせ体が上下方向から挟圧されるとともに加熱されることにより、絶縁層40の裏面が、その下方に設けられた基板シート10の導電性バンプ14の先端部分に押圧され、この絶縁層40における押圧された箇所が破断される。このことにより、導電性バンプ14が絶縁層40を貫通し、絶縁層40の上方に設けられた導電性の基板シート10と導電性バンプ14とが連結されることとなる(図7参照)。このため、一の絶縁層40の両側にある基板シート10同士が導電性バンプ14によって電気的に接続される。
次に、図7における上下の基板シート10のうち、ランド領域と回路パターン(所定の領域)がマスクされる。その後、エッチングなどによって、上下の基板シート10のうちランド領域と回路パターン以外が除去されて、回路が形成される(回路形成工程)。この結果、2層からなるプリント配線基板50が生成される。ところで、上述した工程を繰り返して行うことによって、2層以上の多層からなるプリント配線基板を生成することができる。
以上のように本実施の形態の導電性バンプ14付きの基板シート10の製造方法によれば、貫通穴16aが設けられた型材16を基板シート10の上に載置し、その後、スクリーン印刷を行う際に、スクリーン版32と型材16とを当接させ、スクリーン版32の各貫通穴32aおよび型材16の各貫通穴16aを介して導電性ペースト38を基板シート10上に付着させ、その後、基板シート10上の各導電性ペースト38を硬化させて導電性バンプ14とするようになっている。このため、単に基板シート上に導電性ペーストを直接付着させる方法と比較して、基板シート10上に生成される導電性バンプ14の高さは、型材16の厚み分だけ高くなる。このことにより、1回のスクリーン印刷によって十分な高さの導電性バンプ14を得ることができるようになる。
このため、本実施の形態の導電性バンプ14付きの基板シート10の製造方法によれば、基板シート10の表面に導電性ペースト38を塗工する工程の回数を減少させることができ、このことにより導電性バンプ14付きの基板シート10の製造時間を短縮することができる。
また、型材16における各貫通穴16aを形成する内壁に離型剤が塗布されている場合には、導電性ペースト38が型材16における各貫通穴16aを形成する内壁に付着してしまうことを防止することができる。また、型材16における各貫通穴16aが形成された箇所の近傍の表面に離型剤が塗布されている場合には、導電性ペースト38が型材16における各貫通穴16aが形成された箇所の近傍の表面に付着してしまうことを防止することができる。
あるいは、型材16が、離型性を有する材料から構成されている場合でも、導電性ペースト38が型材16に付着してしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態の多層プリント配線板の製造方法によれば、上述の導電性バンプ14付きの基板シート10の製造方法により得られる導電性バンプ14付きの基板シート10を用いているので、多層プリント配線板の製造時間を短縮することができる。
10 基板シート
14 導電性バンプ
16 型材
16a 貫通穴
20 印刷定盤
32 スクリーン版
32a 貫通穴
34 保持部材
36 スキージ
38 導電性ペースト
40 絶縁層
50 プリント配線基板
80 基板シート
82 導電性バンプ
90 印刷定盤
92 スクリーン版
92a 貫通穴
94 保持部材
96 スキージ
98 導電性ペースト

Claims (5)

  1. 複数の導電性バンプが表面に形成された導電性バンプ付基板シートを製造するための導電性バンプ付基板シートの製造方法であって、
    平板状の基板シート、前記基板シートにおける各導電性バンプが形成されるべき位置に対応する箇所に複数の貫通穴が形成されたスクリーン版、および前記基板シートにおける各導電性バンプが形成されるべき位置に対応する箇所に複数の貫通穴が形成された平板状の型材をそれぞれ準備する工程と、
    前記基板シートの上に前記型材を載置し、この際に、前記基板シートにおける各導電性バンプが形成されるべき位置と前記型材における前記各貫通穴との位置合わせを行う工程と、
    前記基板シートに載置された前記型材の上方にわずかな距離を隔てて前記スクリーン版を設置し、この際に、前記基板シートにおける各導電性バンプが形成されるべき位置と前記スクリーン版における前記各貫通穴との位置合わせを行う工程と、
    前記スクリーン版の表面に導電性ペーストの塗工を行い、この際に前記スクリーン版を下方に押圧してこのスクリーン版と前記型材とを当接させ、前記スクリーン版の前記各貫通穴および前記型材の前記各貫通穴を介して導電性ペーストを前記基板シート上に付着させる工程と、
    前記基板シート上の各導電性ペーストを硬化させて導電性バンプとする工程と、
    前記型材を前記基板シートから取り外す工程と、
    を備えたことを特徴とする導電性バンプ付基板シートの製造方法。
  2. 前記型材における前記各貫通穴を画成する内壁には離型剤が塗布されていることを特徴とする請求項1記載の導電性バンプ付基板シートの製造方法。
  3. 前記型材における前記各貫通穴が形成された箇所の近傍の表面には離型剤が塗布されていることを特徴とする請求項1または2記載の導電性バンプ付基板シートの製造方法。
  4. 前記型材は、離型性を有する材料からなることを特徴とする請求項1記載の導電性バンプ付基板シートの製造方法。
  5. 複数の導電性バンプが表面に形成された導電性バンプ付基板シートと、絶縁層とが交互に重ね合わせられており、前記導電性バンプが前記絶縁層を貫通することにより当該絶縁層の両側にある基板シート同士が前記導電性バンプによって電気的に接続されているような多層プリント配線板を製造するための多層プリント配線板の製造方法であって、
    平板状の基板シート、前記基板シートにおける各導電性バンプが形成されるべき位置に対応する箇所に複数の貫通穴が形成されたスクリーン版、および前記基板シートにおける各導電性バンプが形成されるべき位置に対応する箇所に複数の貫通穴が形成された平板状の型材をそれぞれ準備する工程と、
    前記基板シートの上に前記型材を載置し、この際に、前記基板シートにおける各導電性バンプが形成されるべき位置と前記型材における前記各貫通穴との位置合わせを行う工程と、
    前記基板シートに載置された前記型材の上方にわずかな距離を隔てて前記スクリーン版を設置し、この際に、前記基板シートにおける各導電性バンプが形成されるべき位置と前記スクリーン版における前記各貫通穴との位置合わせを行う工程と、
    前記スクリーン版の表面に導電性ペーストの塗工を行い、この際に前記スクリーン版を下方に押圧してこのスクリーン版と前記型材とを当接させ、前記スクリーン版の前記各貫通穴および前記型材の前記各貫通穴を介して導電性ペーストを前記基板シート上に付着させる工程と、
    前記基板シート上の各導電性ペーストを硬化させて導電性バンプとし、前記型材を前記基板シートから取り外し、このことにより複数の導電性バンプが表面に形成された導電性バンプ付基板シートを得る工程と、
    前記導電性バンプ付基板シートの上に絶縁層と導電性の基板シートを重ね合わせ、この重ね合わせ体を挟圧することにより多層プリント配線板を製造する工程と、
    を備えたことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
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