JP5255376B2 - 断熱材及び断熱管 - Google Patents

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Description

この発明は、比較的薄い被覆であっても強度を保ちつつ十分な断熱効果を発揮することができ、かつ低コストで製造可能な断熱材及び断熱管に関する。
温水供給システムや空調システムなどにおいて、熱損失を最小限に抑えるため、断熱性能を向上させることが重要である。一般にはポリエチレン、ポリスチレン、ポリウレタン等の発泡樹脂体やロックウールからなる断熱材を所要箇所に被覆する方法が用いられている。しかしながら、上記の方法では十分な断熱性を発揮するためには断熱材を厚くするほかなく、断熱材が施工時に扱いにくく、また保管時や輸送時に大きなスペースが必要になり、コストがかかるという問題があった。
これに対し、特許文献1には、片面または両面にアルミ箔が添着され、被着体に接する側に剛性のあるリブで空気室を設けたシート断熱材が提案されている。しかしリブに剛性をもたせるために硬い未発泡の樹脂や低発泡の樹脂を用いると、これらは熱伝導率が高いので断熱性能が十分ではなかった。熱伝導率を下げるために樹脂発泡体を用いた場合には、リブ部分の剛性が低くなり挫掘してしまうといった課題があった。
特公平3-37078号公報
本発明は、これらの課題を解決すべく、比較的薄い断熱材でも強度を保ちつつ十分な断熱効果を発揮することができ、かつ低コストで製造可能な断熱材及び断熱管を提供することを目的とする。
本発明による断熱材は、樹脂発泡体シートの一面に、樹脂発泡体からなる突条が設けられ、少なくとも他の面に第1の金属箔層が設けられていることを特徴とする。以下、本発明について詳細な説明をする。
請求項1に係る発明は、 樹脂発泡体シートの一面に、樹脂発泡体からなる突条が第2の金属箔層を介してらせん状に設けられ、他の面に第1の金属箔層が設けられていることを特徴とする断熱材である。
請求項2に係る発明は、突条の高さが1mm以上であることを特徴とする請求項1記載の断熱材である。
請求項3に係る発明は、樹脂発泡体シートの厚みが1.5mm以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の断熱材である。
請求項に係る発明は、金属箔がアルミニウム箔であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項に記載の断熱材である。
請求項に係る発明は、第1の金属箔にエンボス加工が施されていることを特徴とする請求項1〜いずれか1項に記載の断熱材である。
請求項に係る発明は、管状体の外周面に、請求項1〜いずれか1項に記載の断熱材が、突条と管状体の外周とが接するように被覆されていることを特徴とする断熱管である。
まず、本発明による断熱材の主体をなす樹脂発泡体シートについて、説明をする。
樹脂発泡体シートに用いられる樹脂は特に限定はされないがポリエチレン(以下PEと略記する)、ポリプロピレン(以下PPと略記する)、ポリウレタン、ポリスチレン、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。コスト、成形性、物性などの面から、ポリエチレンが好適である。
発泡体の発泡倍率は、発泡させる樹脂にもよるが、好ましくは下限が1.5倍で上限が40倍である。発泡倍率が1.5倍未満であると熱伝導率が高くなり断熱性能が劣ることがあり、40倍を超えると強度が低下しつぶれることがある。十分な断熱性能を満たすためには、熱伝導率が0.06W/mK以下のものが好ましい。
樹脂発泡体シートの厚みは、好ましくは1.5mm以上である。この厚みが1.5mm未満であると十分な断熱性能が発揮できないことがあるのに加え、強度が小さくなるため、外力により突条の間で被着体と接触してしまい断熱性能が劣ることがある。上限は特に限定されないが、全体の厚みが厚くなりすぎて施工性に劣ることがあるので、好ましくは50mm以下である。
次に、樹脂発泡体シートに設けられる金属箔層について、説明をする。
外側への熱放射による伝熱を低減するため、樹脂発泡体シートの外側に、放射率の低い第一の金属箔層を設ける。金属箔は樹脂発泡体シートと熱融着させるため、樹脂発泡体シートの片面にこれと同じ樹脂でラミネートされているのが好ましい。
金属箔としてはコスト、成形性、物性などの面から、アルミニウム箔が好適である。このように樹脂発泡体シートの外面に金属箔があるものは、金属箔がないものと比較して破れに対する強度も高まる。
金属箔の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は1μm、好ましい上限は1mmである。1μm未満であると、強度が不足して容易に破損してしまうことがあり、1mmを超えると熱伝導率の影響で性能が悪化する可能性があるのに加え、曲げにくいなど施工性が劣ることがある。
放射率は出来る限り低いほうがよく、好ましくは0.5以下である。放射率が0.5を超えると放射伝熱により断熱性能が低下することがある。
最外層のみに金属箔層を設けるだけでも断熱性能は十分に向上するが、樹脂発泡体シートの内側にも第二の金属箔層があるとさらに断熱性能が向上し、好ましい。
第一の金属箔層の表面にエンボス加工がしてあると、意匠性に加えて汚れや傷がつきにくく、シワが目立ちにくい、伸びるため曲げやすくなるといった点で好適である。
エンボスのパターンは、曲げやすさ等の観点から、一定ピッチで平行に並んだ波状、または格子状が好ましく、破れにくさ等を考慮すると格子状がより好ましい。
エンボスの深さは特に限定されないが、0.5〜3mmが好ましい。この深さが0.5mmより浅いと意匠性はあるが、曲げやすさやシワの目立ちにくさにあまり影響がなく、一方3mm以上になるとエンボス加工時に金属箔層が破れてしまったり、施工時などにエンボスに引っ掛かって表面が破れてしまう恐れがある。
次に、樹脂発泡体シートに設けられる突条について、説明をする。
樹脂発泡体シートに突条を設けることにより、被着体に突条側を接して設けた場合、互いに隣接する突条の間に空間が形成される。この空間により、接触による熱伝導が大幅に低減し、さらに見かけの発泡倍率が増加するので熱伝導率が減少する。
突条は好ましくは樹脂発泡体からなる。突条を構成する発泡体は樹脂発泡体シートの発泡体と同一のものでもよいし異なっていてもよいが、突条が外力により挫掘しないためには、樹脂発泡体シートより剛性の高い(発泡倍率の低い)発泡体を用いることが好ましい。コスト、成形性、物性の面からPEまたはPPが好適であり、自重または外力により突条がつぶれて断熱性能が著しく低下しないようにするため、突条の永久圧縮ひずみは8%以下のものが好ましい。
突条の発泡倍率は、好ましい下限が1.5倍、好ましい上限が30倍である。1.5倍未満だと熱伝導率が高くなり断熱性能が劣ることがあり、30倍を超えると強度が低下し外力等により突条がつぶれて空間が維持できなくなり、断熱性能が劣ることがある。
突条は、伝導伝熱を少なくするため管などの被断熱体との接触率が少なくなり、かつ空間を維持して被断熱体と接触しないような間隔で配置するのが好ましい。
突条の幅は、配置パターンやピッチ等により好ましい値が決まるが、発泡体および管などの被着体に対する突条の接触率が小さくなるよう、例えば被着体が内径13mm、外径17mmの管(以下「13Aの管」ということがある)である場合、1〜8mm程度が好ましい。曲げた時や外力が加わった時にも安定した強度を保ち、接触率ができるだけ小さくなるよう、好ましくは接触率が0.1〜0.6、さらに好ましくは0.2〜0.4となるように突条を設ける。
突条の配置パターンは、図1に示すように、樹脂発泡体シートの長尺方向、幅方向または斜め方向に並列に4〜16本、図3に示す断熱管の場合は、長尺方向、周方向またはらせん状に1〜16本設ける。図1中、(1)は樹脂発泡体シート、(2)は突条、(3)は第一の金属箔層である。曲げた時や外力が加わった時にも樹脂発泡体シートと被着体とが接触しないよう、突条はピッチ2〜50mmで配置するのが好ましい。ピッチが2mmより小さいと接触率が大きくなり伝導伝熱により断熱性能が劣ることがあり、ピッチが50mmより大きすぎると曲げた時などに突条の間で被着体と樹脂発泡体シートが接触してしまい、接触率が上がって断熱性能が劣ることがある。
さらに突条(2)の横断面の形状は、図2に示すように、正方形や長方形でもよいが、台形や三角形にして、被着体との接触率を少なくすると伝導伝熱が低減し、さらに断熱性能は向上する。
突条の高さは1〜7mmが好ましく、さらに好ましくは2〜5mmである。これが1mm未満であると突条と樹脂発泡体シートとの空間が少なくなり断熱性能が著しく劣るのに加え、曲げた時に発泡体シートが被着体と接して断熱性能が劣ることがある。突条の高さが発泡体シートの2.3倍以上になると樹脂発泡体シートと突条との間の空間が大きくなりすぎてここで対流が起こるため断熱性能が下がってくる。また、突条の高さが5mmを超えるとその自重や外力が加わった時に突条が挫掘し、発泡体シートが被着体と接して断熱性能が劣ることがある。
本発明による断熱材の代表的な製造方法について、説明をする。
樹脂発泡体シートと同じ樹脂でラミネート片面がラミネートされた金属箔を、金属箔が外側になるよう樹脂発泡体シートに熱融着する。金属箔にエンボス加工を施す際は、加熱したエンボスロールに樹脂発泡体シートと金属箔を通して融着すると同時にエンボス加工もする。もう一方の面に、突条をカットしながら、またはカットした突条を、熱融着または接着剤により接着する。
こうして製造したシート状の断熱材を被断熱管の被覆用断熱材として用いる場合は、図1中の矢印の方向に、シート状の断熱材を湾曲させ、その側部同士を熱融着して製管し、断熱管を作製する。得られた断熱管の内部に被断熱管を挿入する。
本発明による断熱材はこのように構成されているので下記の作用を発揮する。
本発明の断熱材は、被着体に突条側を接して設けた場合、互いに隣接する突条の間に空間が形成される。この空間により、接触による熱伝導が大幅に低減され、さらに見かけの発泡倍率が増加するので熱伝導率が減少する。また最外層の金属箔層により、金属箔層なしの場合と比較して熱輻射による伝熱が約1/4〜1/5に低減される。樹脂発泡体シートの内側にも金属箔層を設けると、さらに輻射熱が低減し、断熱性能は向上する。その結果、従来と比較して断熱材の厚みが薄くても高い断熱性能が得られる。またこの断熱材を断熱管として用いる場合、断熱材の厚みが薄くなると外径が縮小して表面積が減少するため、対流による熱伝達も低減してさらに好都合である。
例えば本発明において、第一、第二の金属箔層を設けた3mm厚の発泡PEシートに、被着体との接触率が0.25以下になるよう厚み2〜2.5mm厚の突条を設けた5mm厚の断熱材を、13Aの架橋PE管に被覆した断熱管は、従来の13Aの架橋PE管に5mm厚の発泡PEシート断熱材を被覆した断熱管と、断熱材の厚みは同じで5mmであるのにも拘わらず、厚み10mmの従来の発泡PEの断熱材を巻いた断熱管と同等の断熱性能となった。従って、厚みが半分になり最外径が26%小さくなるため、床下などの狭い空間でも施工しやすくなり、また保管や輸送の際にも嵩張らず好都合である。さらに、用いる樹脂量が少なくなるので製造コストダウンにもなる。
また、従来の発泡PE断熱材は、施工時や輸送時に破れやすいといった課題があったが、最外層に金属箔層を設けることにより、スクラッチ耐性が向上し破れにくくなっている。
さらに本発明の断熱材は、素材の強度や発泡倍率、発泡体の厚みと突条の厚み、被着体との接触率の適正値を定めたことにより、優れた断熱性能と強度、両方を満たす断熱材となっている。
つぎに、本発明を具体的に説明するために、本発明の実施例およびこれとの比較を示すための比較例をいくつか挙げる。
各実施例および比較例において断熱管を作製し、その断熱性能を評価した。断熱性能の評価は、5℃に調整した恒温室内に、2mの断熱管サンプル5本を並列に設置し、管内に42℃の湯を2時間半流し充分に温度を安定させた後、管路を遮断し、管内温水の温度低下を測定して行った。初めの300秒間での温度低下から放熱量を算出し、性能を比較検討した。尚、温度は5本の両端、計10点を2回測定し、その20点の平均値を用いている。
比較例1
厚み5mmの発泡PEシートを、その側部同士を合わせるように湾曲させ、側部同士を熱融着して製管した。この管の内部に、長さ2m、内径13mm、外径17mmの架橋PE管からなる被断熱管を挿入し、断熱管を作製した。この断熱管について断熱性能の評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例2(突条による空気層の影響 )
厚み3mmの発泡PEシートの片面に、厚み2mm、幅3mmの突条をシートの長尺方向に6本添着した。得られたシート状の断熱材を、その側部同士を合わせるように湾曲させ、側部同士を熱融着して製管した。
この管の内部に、長さ2m、内径13mm、外径17mmの架橋PE管からなる被断熱管を挿入し、断熱管を作製した。この断熱管について断熱性能の評価を行った。その結果を表1に示す。
表1からわかるように、比較例2の断熱管は断熱材全体の厚みが同じく5mmの現行発泡PE5mmの断熱材(比較例1)と比較し、空気層により見かけの発泡倍率が増加し、さらに架橋PE管との接触面積が減少したため、放熱量は減少、すなわち断熱性能は増加した。
実施例1(金属箔層の影響)
厚み3mmの発泡PEシートの片面に、放射率0.1、厚さ20μmのアルミニウム箔に厚さ20μmのPEをラミネートしたアルミニウム箔を、アルミニウム箔が外側になるよう融着し、発泡PEシートのもう一方の面に 厚み2mm、幅3mmの突条を長尺方向に6本添着した。得られたシート状の断熱材を、アルミニウム箔面が外側になるよう、その側部同士を合わせるように湾曲させ、側部同士を熱融着して製管した。
この管の内部に、長さ2m、内径13mm、外径17mmの架橋PE管からなる被断熱管を挿入し、断熱管を作製した。この断熱管について、断熱性能の評価を行った。その結果を表1に示す。
表1からわかるように、この実施例の断熱管は比較例1のものと比較し大幅に断熱性能は向上し、かつ、比較例2のものと比較しても、最外層に低輻射率のアルミニウム箔を設けることで、輻射伝熱が低減し、断熱性能が増加した。
実施例2
さらに発泡PEシートの内面にも第二の金属箔層として、放射率が0.1、厚さ20μmのアルミニウム箔に厚さ20μmのPEをラミネートした積層体を設けたこと以外は実施例1と同様にして断熱管を作製した。この構造を図3(a)に示す。同図中、(1)は発泡PEシートからなる管、(2)は突条、(3)は第一のアルミニウム箔層、(3‘)は第二のアルミニウム箔層、(4)は空気層、(5)は被断熱管である。
表1に示すように、この実施例の断熱管は、内面への反射効果により断熱性能はさらに増加したことがわかる。
Figure 0005255376
実施例3(突条形状の影響)
突条を20mmピッチで周方向にらせん状に添着したこと以外は実施例2と同様にして断熱管を作製しし、その内部に被断熱管を挿入した。この構造を図3(b)に示す。同図中の符号は図3(a)のものと同じ意味である。
表2に示すように、この実施例の断熱管は、実施例2と比較し、断熱性能は向上したことがわかる。これは架橋PE管と突条との接触面積から算出した接触率が、らせん状に挿入したほうが小さくなるためと考えられる。
実施例4
突条を20mmピッチでリング状に添着したこと以外は実施例2と同様にして断熱管を作製した。この構造を図3(c)に示す。同図中の符号は図3(a)のものと同じ意味である。
表2に示すように、この実施例の断熱管は、実施例2と比較し、断熱性能は向上したことがわかる。これは架橋PE管と突条との接触面積から算出した接触率が、リング状に添着したほうが小さくなるためと考えられる。
実施例5(接触率の影響)
幅2mmの発泡PE突条を用いたこと以外は実施例2と同様にして断熱管を作成した。
表2に示すように、この実施例の断熱管は、実施例2と比較して、突条の幅が3mmから2mmになり架橋PE管との接触率が減少したため、断熱性能は大幅に向上した。
実施例6
突条を長尺方向に並列に4本添着したこと以外は、実施例2と同様にして断熱管を作製した。
表2に示すように、この実施例の断熱管は、比較例よりは性能が上がっているものの、実施例2と比較して、突条の幅は3mmのまま挿入する本数を6本から4本になり接触率が少なくなっているのにも拘わらず断熱性能は低下した。これは突条の本数が4本では、曲がった部分などにおいて突条間の発泡PEシートが架橋PE管と接触していまい、実際の接触率が増加したためと考えられる。したがって、突条を長尺方向に添着する場合の本数は4本よりも6本が好ましい。
実施例7
幅2mmの発泡PE突条を用いたこと以外は実施例1と同様にして断熱管を作製した。
表2に示すように、実施例1と比較して大幅に断熱性能は向上しており、第一の金属箔層のみでも十分に優れた断熱性能があることがわかる。
Figure 0005255376
実施例8(突条の剛性)
発泡PP突条を用いたこと以外は実施例5と同様にして断熱管を作成した。
表3に示すように、この実施例の断熱管は、突条の材質をPEからPPに変更することで測定を繰り返しても性能は悪化せず、数日後に測定してもほぼ同じ結果が得られた。これは突条の剛性の差によるものと考えられ、比較例2、実施例1〜7で用いた発泡PE突条の永久圧縮歪が6.5%であるのに対して、ここで用いた発泡PP突条の永久圧縮歪は4.8%であった。それぞれの発泡倍率は、PE素材が30倍、PP素材が25倍であり、PPの突条でも断熱性能には影響がない。したがって、突条の材質は、発泡PEよりも発泡PPが好ましい。
比較例3
厚み10mmの発泡PEシートを、その側部同士を合わせるように湾曲させ、側部同士を熱融着して製管した。この管の内部に、長さ2m、内径13mm、外径17mmの架橋PE管からなる被断熱管を挿入し、断熱管を作製した。この断熱管について断熱性能の評価を行った。その結果を表3に示す。

Figure 0005255376
上記実施例と比較例の比較からわかるように、従来の5mm厚の発泡PEを被覆した断熱管(比較例1)の放熱量は17.3Wであるので、本発明の断熱材はいずれも同じ厚みでも断熱性能が大幅に向上しており、さらに10mm厚の発泡PEを被覆した断熱管(比較例3)の放熱量は13Wなので、厚みが半分でほぼ同等の断熱性能である。
突条の厚みについての考察
突条の厚みと樹脂発泡体シートの厚みとのバランスにより断熱性能は変化する。図3(a)に示す実施例2の構成の断熱管において、断熱材全体の厚みが5mmの場合に、突条と発泡体シートの厚みを変化させたときの断熱性能を表したグラフを図4(a)(b)に示す。アルミニウム箔は樹脂発泡シートの両面に添着されており、突条は30倍発泡PEからなり、幅2mmのものを用いている。同様に断熱材全体の厚みが10mmの場合の断熱性能の変化も示す。厚み10mmの場合、アルミニウム箔は樹脂発泡シートの両面に添着されており、突条は30倍発泡PEからなり、幅3mmのものを用いている。
厚み5mm、10mmいずれの場合も、突条高さが1mm以上で大幅に断熱性能が向上し、2mm以上になると性能はほぼ一定になった。さらに発泡PEシート厚みに対して突条高さが2.3倍以上になると、発泡PEシートと突条との空間が大きくなりすぎて対流が起こるため断熱性能が若干劣ってくる。
一方、突条の幅にもよるが、断熱性能と強度両方を保つ突条の幅の場合、突条高さが5mm以上になると外力により突条が挫掘するのに加え、発泡PEシートが薄くなるので強度を保てなくなる。
従って、突条高さは1mm〜7mmが好ましく、さらに好ましくは2mm〜5mmである。
発泡倍率についての考察
剛性をもたせるため未発泡または低発泡の樹脂を用いると、十分な断熱性能は満たせないことが課題であった。未発泡または発泡倍率2〜3倍のPE樹脂を用いた先行技術の5mm厚の断熱材と、両面にアルミニウム箔を設けた、30倍発泡PE樹脂を用いた本発明の5mm厚の断熱材(具体的には図3(a)に示す実施例2の構成の断熱管)において、突条高さを変化させたときの放熱量を示す図5のグラフに示す。
このグラフからわかるように、例え突条の設置により空気層を形成し、かつ両面に金属箔層を設けて熱放射を低減させたとしても、いずれの突条高さにおいても、未発泡および低発泡の樹脂を用いると断熱性能は大幅に低下した。このことから、用いる樹脂の発泡倍率、すなわち、みかけの熱伝導率が断熱性能に大きく影響することがわかる。従って、本発明において剛性を保ちつつ熱伝導率の低い発泡体を用いたことにより、従来の断熱管と比較して大幅に断熱性能は向上した。
突条パターンを示すシートの斜視図である。 突条パターンを示すシートの斜視図である。 突条パターンを示すシートの斜視図である。 突条の形状を示す斜視図である。 断熱管の構造を示す模式図である。 断熱管の構造を示す模式図である。 断熱管の構造を示す模式図である。 突条高さと放熱量の関係を示すグラフである。 突条高さと放熱量の関係を示すグラフである。 突条高さと放熱量の関係を示すグラフである。
符号の説明
1:発泡PEシート
2:突条
3:第一の金属箔層
3´:第二の金属箔層
4:空気層
5:被断熱管

Claims (6)

  1. 樹脂発泡体シートの一面に、樹脂発泡体からなる突条が第2の金属箔層を介してらせん状に設けられ、他の面に第1の金属箔層が設けられていることを特徴とする断熱材。
  2. 突条の高さが1mm以上であることを特徴とする請求項1記載の断熱材。
  3. 樹脂発泡体シートの厚みが1.5mm以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の断熱材。
  4. 金属箔がアルミニウム箔であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項に記載の断熱材。
  5. 第1の金属箔にエンボス加工が施されていることを特徴とする請求項1〜いずれか1項に記載の断熱材。
  6. 管状体の外周面に、請求項1〜いずれか1項に記載の断熱材が、突条と管状体の外周とが接するように被覆されていることを特徴とする断熱管。
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