JP7377044B2 - 軒樋 - Google Patents

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Description

本発明は、強度を補強した軒樋に関する。
一般に、軒樋は天候等の影響を受け易い軒先に設置され、温度変化や風雨等にさらされているため、劣化や変形を生じ易かった。軒樋は蛇行や湾曲等の変形が生じ易いため、蛇行や湾曲等の変形を発生し難くする高強度のものが各種提案されている。
例えば、軒樋として、樋形状に成形された金属製の板部材の表面を合成樹脂で被覆して形成することで、高剛性で軒樋の変形を防止したものが提案されている。しかし、このような軒樋は、重量が重くいため持ち運びや取り扱いが面倒であり、現場において必要な長さや形状等に応じて切断することが困難であった。
これに対して、下記特許文献1に記載された軒樋は、長さ方向に一軸延伸された熱可塑性ポリエステル樹脂等の長尺熱可塑性樹脂シートで形成した。この熱可塑性樹脂シート等からなる軒樋は、変形する部分のみを変形可能に加熱して異型長尺成形体に賦形した。しかも、この異型長尺成形体に残存する応力を熱処理によってインラインで緩和している。
特開2008-213301号公報
しかしながら、特許文献1に記載された軒樋は、成形体の曲がりや変形が急峻で曲率半径が小さい加工を行う場合等には、上述した熱可塑性樹脂シートの成形が困難であった。
そのため、曲率半径が小さく急峻な屈曲形状を有する軒樋には、特許文献1に記載したような長尺熱可塑性樹脂シートを採用することができなかった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、曲率半径が小さく急峻な曲がり等の変形を有する場合にも、芯材となる補強シートを含んで容易に加工することのできる軒樋を提供することを目的とする。
本発明による軒樋は、底板と、底板の幅方向両端から立ち上がる側板と、を有する樋部材と、樋部材に埋設された厚さ0.5mm未満の補強シートと、を備え、補強シートは曲率半径1.0mm以下の屈曲部を有していることを特徴とする。
本発明による軒樋によれば、底板とその両側の側板とを有する樋部材に厚さ0.5mm未満の補強シートが埋設されているため、補強シートの屈曲部の曲率半径が1.0mm以下の急峻なものであっても、樋部材の他の層と共に補強シートが屈曲するので、強度を向上させつつ容易に曲げ加工を行える。
また、補強シートは、樋部材の底板と両側の前記側板とに埋設されており、両側の側板には、樋部材の内側に前方耳部と後方耳部がそれぞれ形成され、前方耳部と後方耳部の少なくとも一方に屈曲部が設けられていることが好ましい。
樋部材において、両側の側板における少なくとも一方に屈曲部を有する前方耳部と後方耳部が樋部材の内側に形成されているため、軒樋の外部に露出せず外観上の見栄えがよい。
また、前方耳部は、その内部に中空部が形成された断面略コの字状に形成され、一方の側板から中空部内に延びる補強シートの一端部は中空部に沿って湾曲した後に上端に延びており、後方耳部は、その内部に中空部が形成された断面略多角形状に形成され、他方の側板から中空部内に延びる補強シートの他端部は中空部に沿って屈曲部で屈曲して上方に延びていてもよい。
本発明による軒樋によれば、樋部材の両側の側板に設けた前方耳部と後方耳部に屈曲部が形成されていても、補強シートが埋設されているために、高強度である上に容易に曲げ加工を行える。
また、樋部材は、熱可塑性樹脂からなる二層の基材層の間に接着剤層を介して補強シートが積層され、基材層の一方の表面には表層が積層された多層構造体で形成され、基材層は塩化ビニル系樹脂成形体であり、補強シートは基材層より線膨張係数が小さいオレフィン系樹脂または熱可塑性ポリエステル系樹脂であることが好ましい。
これにより、補強シートは基材層よりも高強度で低伸縮性と耐熱性を有しているため、芯材として樋部材を補強できる。
本発明の軒樋によれば、補強シートが高強度であっても厚み0.5mm未満であるため、屈曲部で曲率半径1.0mm以下に屈曲させることができる。そのため、軒樋の内部に高強度な補強シートが埋設されていても急峻な曲がりや変形等を実現できる。
本発明の実施形態による軒樋であって、一部を破断し補強シートを突出させた斜視図である。 図1に示す軒樋の長手方向に直交する短手方向の断面図である。 図2に示す軒樋における後方耳部の拡大断面図である。 樋部材の多層積層構造を示す断面形状の模式図である。 図3に示す後方耳部のA部断面拡大図である。 図3に示す後方耳部のB部断面拡大図である。 (a)、(b)は軒樋を軒樋支持具に取り付ける方法を示す図である。 図2に示す軒樋の第一変形例を示す部分断面図である。 図2に示す軒樋の第二変形例を示す断面図である。 図2に示す軒樋の第三変形例を示す斜視図であって、後方側面に対する上方側から軒樋を見た図である。 図10に示す軒樋の正面図である。 図10に示す軒樋の背面図である。 図10に示す軒樋の左側面図である。 図10に示す軒樋の右側面図である。 図14に示す軒樋の右側面図における要部を示す図である。 図10に示す軒樋の平面図である。 図10に示す軒樋の底面図である。
以下、本発明の実施形態による軒樋について、添付図面を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態による軒樋1は、軒先の延在方向に沿って配設されている。軒樋1は、樋形状に成形された長尺な樋部材2と、樋部材2内に埋設された芯材としての補強シート3とを備えている。
樋部材2は、図1及び図2に示すように、底板4と、底板4の長手方向に直交する短手方向(幅方向)両端から立ち上がる側板5A,5Bとを備えている。樋部材2は、断面視で側板5A,5Bが上方に拡開しつつ開口する略U字状に形成されている。樋部材2において、軒先32の外側に配設された一方の側板5Aを以下、前方側板5Aといい、軒先32の内側、即ち建物の鼻隠し板27側に配設された他方の側板5Bを以下、後方側板5Bというものとする(図7(a)参照)。
図2において、前方側板5Aは下から上方に延びる中途部分に上部を外側に拡幅する段部5cが形成されて強度を向上させている。なお、段部5cはなくてもよい。後方側板5Bは下から上方に平板状に延びている。
樋部材2の前方側板5Aの上端部には、後述する軒樋支持具28の先端部に係止させる前方耳部6Aが形成されている(図7参照)。また、樋部材2の後方側板5Bの上端部には、軒樋支持具28に係止させる後方耳部6Bが形成されている。本実施形態では、前方耳部6Aは後方耳部6Bより高い位置に形成されている。しかも、前方耳部6Aと後方耳部6Bは樋部材2の内側にそれぞれ突出して形成されているため、軒樋1の外側に露出せず、外観の見栄えを良くしている。
前方耳部6Aは、軒先32の軒樋支持具28の先端部に嵌合する形状に形成されている。前方耳部6Aは、軒樋支持具28の先端部に係止させる上側凸条7と先端部を下方から受ける下側凸条8とを備えている。そのため、前方耳部6Aは、断面視略コの字型に形成されている。
上側凸条7は、前方側板5Aの内壁面から後方側板5Bに向かって突出している。しかも、上側凸条7は、後方側板5Bに突出する方向に向かって形成された中空部がリブ11によって2つの中空部10a、10bに分割されて形成されている。
下側凸条8は内部に中空部10cが形成されており、前方側板5Aの内壁面から後方側板5Bに向かって突出している。上側凸条7と下側凸条8の間には軒樋支持具28の先端部を受け入れる凹部12が形成されている。上側凸条7の先端側上部には、軒樋支持具28を係止するための断面略V字状の係止部7aが凹部12の内側に形成されている。この上側凸条7は、前方側板5Aの延在方向に連続して形成されている。
図2及び図3に示すように、後方耳部6Bは断面三角形枠状または断面四角形枠状等の多角形断面に形成され、前方耳部6A方向に突出している。後方側板5Bの上端部には略円弧状の頂部14及び屈曲凹部15が形成されている。
そして、後方耳部6Bは、その上端部の屈曲凹部15から前方耳部6Aに向けて下方に行くにしたがって斜めに突出して延びる第一側部16と、第一側部16の下端部から水平方向に延びて後方側板5Bに連結される底部17とを有している。後方耳部6Bの内部には中空部18が形成されている。これにより、後方耳部6Bは、軒樋支持具28の下部への挿入を容易にしている(図7(b)参照)。
また、図1及び図2において、本実施形態による樋部材2は、底板4と前方側板5Aと後方側板5Bとが、例えば複数の樹脂層からなる多層構造体で構成されている。図4に示す多層構造体は、芯材を構成する補強シート3の両面に接着剤層21,21を介して基材層22、22が積層され、一方の基材層22の外側表面には表層23が積層されて構成されている。補強シート3、基材層22、表層23はそれぞれ延伸熱可塑性樹脂シートで構成されている。
各基材層22は、例えば塩化ビニル系樹脂成形体からなる塩ビ層であり、その線膨張係数は7.0×10-5(1/℃)である。
補強シート3は芯材であり、基材層22より線膨張係数が小さく高強度である。補強シート3の線膨張係数は、7.0×10-5(1/℃)未満であり、6.5×10-5(1/℃)以下が好ましく、3.0×10-5(1/℃)以下がより好ましい。補強シート3として、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のオレフィン系樹脂、熱耐久性等に優れた熱可塑性ポリエステル系樹脂等を使用できる。特に線膨張係数が6.5×10-5(1/℃)と小さく、軽量で耐衝撃性、耐久性等に優れた熱可塑性ポリエステル系樹脂が好ましい。本実施形態ではポリエチレンテレフタレートを一軸延伸した熱可塑性ポリエチレンテレフタレートを用いるものとし、その線膨張係数は3.0×10-5(1/℃)未満であり、高強度で、低伸縮性及び耐熱性に優れている。一軸延伸した熱可塑性ポリエチレンテレフタレートとしては、線膨張係数が2.5×10-5(1/℃)以下のものがより好ましく、1.2×10-5(1/℃)以下のものがさらに好ましく、-0.1×10-5(1/℃)以下のものが最も好ましい。
しかも、補強シート3は厚さが0.3mmから0.5mm未満の範囲に設定され、0.35mmから0.45mm未満の範囲が好ましく、本実施形態で0.4mm厚に設定されている。補強シート3の厚さを0.3mm以上で0.5mm未満の範囲に設定することで、補強シート3を含む多層構造体は曲げ易くなる上に高強度、低伸縮性、耐熱性という特性を発揮できる。
一方、補強シート3の厚さが0.5mm以上であるとその強度と剛性が大きくなり曲げにくくなる。また、補強シート3の厚さが0.3mm未満であると強度が低下し、低伸縮性と耐熱性という特性を発揮しにくい。
表層23として、例えばAES樹脂等の高耐候性特殊樹脂を用いることができる。表層23は軒樋1の樋部材2の外側表面に被覆されて積層されている。表層23は、例えば図2において、底板4及び前方側板5A及び後方側板5Bの外周面に被覆形成されており、その一端部は前方耳部6Aのリブ11の頂部まで延びており、他端部は後方耳部6Bの頂部14まで延びている。そのため、雨風や日光等に耐え得て耐久性を発揮できる。
接着剤層21として適宜の材質を採用できるが、例えばホットメルト型接着剤や反応性接着剤が用いられ、ホットメルト型接着剤としては、例えば、ウレタン系ホットメルト型接着剤、ポリエステル系ホットメルト型接着剤、ゴム系ホットメルト型接着剤、オレフィン系ホットメルト型接着剤、アクリル系ホットメルト型接着剤、アミド系ホットメルト接着剤等が挙げられる。また、反応性接着剤としては、例えば、シリコーン系接着剤、変成シリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤等が挙げられる。
補強シート3の厚さを例えば0.4mmとして、底板4と前方側板5Aと後方側板5Bとを形成する多層構造体は、その全体の厚さが例えば1.4mmに設定されている。しかも、この多層構造体は押出成形法等により成形されている。なお、多層構造体のうち、補強シート3(芯材層)以外の厚さの合計は、例えば、0.7~1.8mmとすることができる。
樋部材2において、底板4とその幅方向両端から起立する前方側板5A及び後方側板5Bとが、図4に示す多層構造体で構成されている。この多層構造体は、前方側板5Aの前方耳部6Aにおいて、下側凸条8で形成する第三の中空部10cで補強シート3を境に2層に分岐され、更に凹部12で合体した後、再度分岐して上側凸条7で第一及び第二の中空部10a、10bを形成している。
そのため、前方耳部6Aにおいて、多層構造体は、中空部10cの外側で、表層23、基材層22、接着剤層21及び補強シート3で形成された第一前方層25Aを形成し、中空部10cの内側で、基材層22で形成された第二前方層25Bを形成する。
しかも、補強シート3は上側凸条7の第一の中空部10aの領域で第一前方層25Aから分離して断面曲面形状をなす第二前方層25Bに接着剤層21を介して接着され、更に分岐してリブ11に沿って上端部に延びている。第二の中空部10bでは、第二前方層25Bは基材層22で形成されてリブ11の上端部に延びている。
また、後方耳部6Bの多層構造体は、後方側板5Bの上端側において、後方耳部6Bで形成する中空部18を挟んで補強シート3を境に2層に分岐されている。底部17側では中空部18の外側で、基材層22、接着剤層21及び補強シート3で形成された第一後方層26Aが形成され、中空部18の内側では、基材層22、表層23で形成された第二後方層26Bが形成される。
第一後方層26Aは底部17、第一側部16、屈曲凹部15を経由して頂部14に延びている。第一後方層26Aの補強シート3は中空部18に露出しており、底部17及び第一側部16まで延びている。第二後方層26Bは後方側板5Bの上端側に延びて、頂部14で第一後方層26Aと互いに連結される。
そして、図3に示す後方耳部6Bにおいて、後方側板5Bの第一後方層26Aは分岐して底部17に向けて湾曲しており、A部において直角に近い角度で湾曲している。A部における補強シート3の屈曲部(湾曲部)R1は、例えば半径0.7mmに設定されている(図5参照)。
また、第一後方層26Aは底部17から第一側部16に向けて、B部で鋭角に湾曲している。B部における補強シート3の屈曲部(湾曲部)R2は、例えば半径0.4mmに設定されている(図6参照)。
本実施形態における補強シート3は、上述したように熱可塑性ポリエチレンテレフタレートからなり、高強度(引張強度400MPa)で低伸縮性(線膨張係数-0.5×10-5(1/℃)であり、耐熱性も高い(融点256℃、ガラス転移温度130℃)ため湾曲加工し難い。しかし、補強シート3は、その厚さを0.5mm未満の例えば0.4mmに設定したため、曲率半径1.0mm以下で屈曲(湾曲)可能である。補強シート3を含む第一後方層26Aは、小径で湾曲形成加工できて後方耳部6Bを形成できる上に、樋部材2を断面略U字状や断面略半円状等の適宜の形状に加工容易である。
なお、前方耳部6Aでは、補強シート3の屈曲部における湾曲角度や折り曲げ角度は鈍角に形成されているため、より一層加工が容易であり、しかも高強度を確保できる。
本実施形態による軒樋1は上述した構成を備えており、次に多層構造体からなる樋部材2の軒先32への施工方法について説明する。
図7(a)において、軒先32の鼻隠し板27に取り付けられた軒樋支持具28は、その外側の先端部にフック状の第一係合部29が形成され、鼻隠し板27に近接した位置の下方側に凹部形状の第二係合部30が形成されている。軒樋1の設置前に、樋部材2を補強シート3と共に軒先32の延在寸法に合わせた長さに切断する。
図7(a)に示す第一の取付例では、先に軒樋支持具28の第二係合部30に軒樋1の後方耳部6Bを係合させる。次に、軒樋支持具28の第一係合部29を軒樋1の前方耳部6Aに形成した凹部12に嵌合させて、前方耳部6Aを矢印方向に押し込み第一係合部29を上側凸条7の係止部7aに係合させる。
また、図7(b)に示す第二の取付例では、軒樋支持具28の第一係合部29を軒樋1の前方耳部6Aに形成した凹部12に嵌合させる。その後、樋部材2の後方耳部6Bを上方の矢印方向に押し込んで、軒樋支持具28の第二係合部30に軒樋1の後方耳部6Bを係合させる。
上述したように、本実施形態による軒樋1は、例えば6層からなる多重構造体によって樋部材2を加工形成する。その際、樋部材2は基材層22としての塩ビ層の間に接着剤層21を介して補強シート3を追加して挟み込む。しかも、補強シート3は、一軸延伸した熱可塑性ポリエチレンテレフタレートを用いたため、高強度、低伸縮性、そして耐熱性に優れた高機能シートが得られる。補強シート3を芯材として用いることで、軒樋1の強度や寸法安定性が向上する。
また、多重構造体からなる軒樋1の前方側板5A及び後方側板5Bにおいて、補強シート3の厚みを0.5mm未満に小さく設定したため、前方耳部6A及び後方耳部6Bを屈曲または湾曲加工する際、底部17の両端部で補強シート3の曲率半径R1、R2等が1mm以下と小さくて加工が容易であり、しかも高強度である。
そして、本実施形態による軒樋1は、図7に示す軒先32の長さ寸法に合わせて補強シート3と樋部材2の施工現場での切断と加工が容易となり、施工の作業効率が向上するという効果が得られる。
また、樹脂材からなる多層構造体の軒樋1は軽量化できると共に、軒樋1全体の強度を向上させることができる。したがって、施工がより容易になるとともに施工後に軒樋1が変形したり蛇行したりするのを有効に防止することができる。
なお、本発明の実施形態による補強された軒樋1は、上述した実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能である。これらはいずれも本発明に含まれる。
以下に、本発明の変形例による軒樋1について説明するが、上述した実施形態と同一または同様な部材、部品等には同一の符号を用いて説明する。
また、図8は軒樋1の第一変形例として前方耳部6Aが示されている。図8は第一変形例による軒樋1Aを示すものであり、補強シート3は凹部12に沿って延びている。補強シート3は上側凸条7の係止部7aまで延びていなくてもよい。本第一変形例では、軒樋1Aと軒樋支持具28の第一係合部29との係合時に強度の高い補強シート3によって凹部12が変形しにくく支持強度が低下しないという効果がある。
なお、補強シート3は凹部12から上側凸条7の係止部7aに延びていてもよく、この場合にはより支持強度が高まる。
また、図9は軒樋1の第二変形例として前方耳部6Aが示されている。図9は第二変形例による軒樋1Bを示すものであり、補強シート3は前方耳部6Aの凹部12から中空部10aの前面側の斜面13に延びている。この斜面13は最も日光が当たるため熱による伸縮が大きいが、線膨張係数の低い補強シート3により伸縮による変形を抑えることができる。
また、図10から図17は軒樋1の第三変形例による軒樋1Cが示されている。なお本変形例による軒樋1Cにおいても、前記実施形態および他の変形例と同様に、軒樋1Cの側面から補強シート3が露出している(図13から図15参照)。
図15に示すように、軒樋1Cでは、まず、上側凸条7内にリブ11がない。すなわち、上側凸条7内には、1つの中空部10dが分割されることなく配置されている。このような上側凸条7(中空部10d)は、前面層7b、上面層7c、背面層7dおよび下面層7eによって形成されていると言える。前面層7bは、中空部10dに対して前方に位置している。上面層7cは、中空部10dに対して上方に位置している。背面層7dは、中空部10dに対して後方に位置している。下面層7eは、中空部10dに対して下方に位置している。下面層7eは、中空部10dを間に挟んで上面層7cと上下方向に対向する。
ここで上側凸条7において、前述した第一前方層25Aは、前面層7b、上面層7cおよび背面層7dを形成し、第二前方層25Bは、下面層7eを形成する。補強シート3は、第一前方層25Aに設けられていて、前面層7b、上面層7cおよび背面層7dに配置されている。言い換えると、補強シート3は、中空部10dを、前方、上方および後方から覆っている。
このように、リブ11がなく、上側凸条7内が1つの中空部10dによって形成されていることで、多層構造体を第一前方層25A、第二前方層25Bに分岐するときに、補強シート3を第一前方層25A側に設けた上で上側凸条7を形成することができる。この場合、リブ11が無いことにより、樹脂の使用量も低減することができる。ただし、補強シート3の両面に基材層22が設けられているような多層構造体によって軒樋1Cを形成することにより、リブ11を設けつつも、補強シート3を、前面層7b、上面層7cおよび背面層7dに配置することもできる。
また前述のように、補強シート3が、中空部10dを、前方、上方および後方から覆うことにより、上側凸条7の熱伸縮を効果的に抑えることができる。すなわち、上側凸条7のように、軒樋支持具28(吊具)と嵌合される部分は、複雑な構造となるため、樹脂の使用量が多くなり、熱伸縮の影響が多くなる。更に上側凸条7は、軒樋支持具28から上方に露出することから、日光を、上側凸条7の前方、上方、後方いずれの方向からも受ける可能性が有り、温度上昇し易い。以上から、上側凸条7は熱伸縮し易いと言えるところ、前述のように、補強シート3が、中空部10dを、前方、上方および後方から覆うことにより、補強シート3を上側凸条7の広い範囲に配置することができる。その結果、上側凸条7の熱伸縮を効果的に抑えることができる。
なお、上述した実施形態や各変形例による軒樋1、1A、1Bは、断面略U字状の樋部材2の前方側板5Aと後方側板5Bの内側に前方耳部6Aと後方耳部6Bを突出形成させて軒樋支持具28に連結支持させたが、本発明はこのような構成に限定されない。例えば、樋部材2の前方側板5Aと後方側板5Bの外側に前方耳部6Aと後方耳部6Bをそれぞれ形成してもよい。
この場合、前方耳部6Aと後方耳部6Bが外側に露出するため外観の見栄えの良さは低下するが、樋部材2の内側に前方耳部6Aと後方耳部6Bが突出しない。樋部材2内への雨水等の流入を前方耳部6Aと後方耳部6Bが妨げることがないので、軒樋1による雨水の排水効率が向上する。
また、本実施形態や変形例において、樋部材2の多重構造体内に芯材として補強シート3を埋設したが、補強シート3の厚みが0.5mm未満であるため、樋部材2の前方側板5Aと後方側板5Bや前方耳部6Aと後方耳部6Bを曲率半径1.0mm以下で任意の形状に湾曲または屈曲形成することができる。そのため、樋部材2を補強して長手方向に蛇行等の変形を防止できると共に、樋部材2の加工形状の自由度と容易性を確保することができる。
なお、補強シート3の厚さ0.5mm未満、曲率半径1.0mm以下の屈曲部は前方耳部6Aと後方耳部6Bのいずれか一方または両方に形成することができる。
また、樋部材2の多重構造体内に積層する補強シート3は、必ずしも軒樋1、1A、1Bの長手方向に沿って全長に亘って連続して設けなくてもよい。樋部材2の蛇行抑制や前方耳部6A及び後方耳部6Bの加工形状に悪影響を及ぼさない限り、樋部材2の延在方向に間欠的に配設してもよい。
また、上述した実施形態では、樋部材2は例えば厚み1.4mmで6層の多層構造体として、底板4と前方側板5A及び後方側板5Bを加工形成したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、樋部材2の表裏両側の基材層22の各表面側に高耐候性特殊樹脂からなる表層23を被覆してもよい。
また、樋部材2の多層構造体は、例えば補強シート3を挟んで接着剤層21と基材層22と表層23の3層で構成してもよい。樋部材2の多層構造体は補強シート3と基材層22を含んでいれば適宜数の層に形成できる。
1、1A、1B、1C 軒樋
2 樋部材
3 補強シート
4 底板
5A 前方側板
5B 後方側板
6A 前方耳部
6B 後方耳部
7 上側凸条
8 下側凸条
12 凹部
14 頂部
16 第一側部
17 底部
21 接着剤層
22 基材層
23 表層
25A 第一前方層
25B 第二前方層
26A 第一後方層
26B 第二後方層
28 軒樋支持具
29 第一係合部
30 第二係合部

Claims (6)

  1. 底板と、底板の幅方向両端から立ち上がる側板と、を有する樋部材と、
    前記樋部材の前記底板および前記側板に埋設された厚さ0.5mm未満の補強シートと、を備え、
    前記側板における前記樋部材の内側には、前記樋部材の内側に突出する耳部が形成され、
    前記補強シートの一端部は、前記耳部の上面および前記耳部の背面に設けられ、
    前記耳部の上面は、前記耳部に対して上側に位置し、
    前記耳部の背面は、前記耳部に対して前記樋部材の内側に位置し、
    前記補強シートは曲率半径1.0mm以下の屈曲部を有し
    前記屈曲部は、前記耳部の上面と前記耳部の背面との間に位置していることを特徴とする軒樋。
  2. 前記補強シートは、前記樋部材の前記底板と両側の前記側板とに埋設されており、
    前記両側の側板には、前記樋部材の内側に前方耳部と後方耳部がそれぞれ形成され、前記前方耳部と後方耳部の少なくとも一方に前記屈曲部が設けられている請求項1に記載された軒樋。
  3. 前記耳部は、前記樋部材の内側に突出する上側凸条および下側凸条を備え、
    前記耳部の上面および前記耳部の背面は、前記上側凸条に設けられている、請求項1に記載の軒樋。
  4. 前記上側凸条と前記下側凸条との間には、前記樋部材の内側に開口する凹部が設けられ、
    前記耳部の上面は、前記凹部に対して上側に位置し、
    前記耳部の背面は、前記凹部に対して前記樋部材の内側に位置する、請求項3に記載の軒樋。
  5. 前記耳部は前方耳部である、請求項1、3から4のいずれか1項に記載の軒樋。
  6. 前記耳部の上面および前記耳部の背面は、断面略V字状の係止部を形成する、請求項1、3から5のいずれか1項に記載の軒樋。
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