JP5251289B2 - エネルギー吸収部材および車両用バンパ - Google Patents

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Description

本発明は、車両が障害物に衝突した際にエネルギーを効率的に吸収できるエネルギー吸収部材および車両用バンパに関する。
従来の車両用バンパとしては、車体前部に配置され車幅方向に沿う骨格部材としてのバンパレインフォースと、このバンパレインフォースの前方に配置されフロントバンパの外装部材としてのバンパフェイシアと、これらバンパレインフォースとバンパフェイシアとの間に配置されたエネルギー吸収部材と、を備えたものがある。
車両が障害物に衝突した場合には、障害物からの衝突エネルギーがバンパフェイシアを介してエネルギー吸収部材に加わり、該エネルギー吸収部材が潰れることで、その衝突エネルギーが吸収される。
例えば特許文献1では、フロントバンパのエネルギー吸収部材は、垂直断面がコ字形をなし、断面コ字形の開口側を後向きにした状態でバンパレインフォースの前面に取り付けられている。
特開2004−224106号公報
本発明者は、断面コ字形のエネルギー吸収部材(つまり、衝撃受圧方向に向けて延在する一対のアームと、当該アームの根本部分でアーム同士を連結するベースと、を備えることで断面コ字形に形成されたエネルギー吸収部材)について研究を行った結果、アームの根本部分つまりアームとベースとの連結部分が変形しにくく、改善の余地があることを見出した。
本発明のエネルギー吸収部材または車両フロントバンパにあっては、エネルギー吸収部材は、衝撃受圧方向に向けて延在し且つ上下に互いに平行に設けられた一対のアームと、前記アームの根本部分で当該アーム同士を連結すべく前記衝撃受圧方向と略直交方向に延びるベースと、を備えることで垂直断面がコ字形に形成され、上側アームおよび下側アームの根本部分に、衝撃受圧時に当該アームの根本部分の湾曲変形を促進する変形促進手段を備え、前記変形促進手段は、略直交する前記上側アームの上面と前記ベースの後面との角部に形成され且つこれらに対して傾斜する面取部と、略直交する前記下側アームの下面と前記ベースの後面との角部に形成され且つこれらに対して傾斜する面取部と、から構成されており、前記上側アームおよび前記下側アームの上下寸法をA、前記エネルギー吸収部材の前後寸法をB、前記面取部の上下寸法をC、前記面取部の前後寸法をDとした場合、CおよびDは、AおよびBがそれぞれ大きくなるほど大きく設定されており、各面取部にはそれぞれ溝部が形成されていることを要旨とする。
仮に面取部を備えない構造を想定すると、アームの根本部分つまりアームとベースとの連結部分が変形し難い。しかしながら、本発明によれば、アームの根本部分に当該根本部分の湾曲変形を促進する変形促進手段を備えるため、アームはその根本部分を含めて全体的に曲げ変形することとなり、効率的にエネルギー吸収ができる。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態のフロントバンパの分解斜視図、図2は同フロントバンパの断面図、図3は同フロントバンパに障害物が衝突した際の状態を示す断面図、図4は同フロントバンパのエネルギー吸収部材の断面図である。
図1、2に示すように、自動車のフロントバンパ1の最前部には軟質樹脂製のバンパフェイシア2が設けられている。バンパフェイシア2の後方には、矩形の閉断面構造をしたバンパレインフォース3が設けられている。バンパレインフォース3は車幅方向に沿って延在しており、平面視でみると車幅方向中央部3aが車両前方に向けて凸状に緩やかに湾曲しているとともに車幅方向両端部3cが車幅方向中央部3aに対して曲折部3bを介して後側に折れ曲がっている。このバンパレインフォース3は、金属製の強度部材であり、図示せぬステーを介して車体前部に固定されている。
このバンパレインフォース3の前面には、平面視でバンパレインフォース3と略相似形状のエネルギー吸収部材4が取り付けられている。つまり、このエネルギー吸収部材4はバンパレインフォース3の前面に取り付けられることで、バンパフェイシア2とバンパレインフォース3との間に介在する。
エネルギー吸収部材4は、樹脂発泡体で形成されており、車両衝突時にバンパフェイシア2とバンパレインフォース3との間で潰れて衝突エネルギーを吸収するものである。
次に、エネルギー吸収部材4の構造を図2、4を参照しつつより詳しく説明する。
エネルギー吸収部材4の形状は、垂直断面が、車両前方に向けて開のコ字形に形成されている。つまり、エネルギー吸収部材4は、上下方向に延びる(つまり衝撃受圧方向に略直交する方向に延びる)断面矩形状のベース5と、ベース5の上端部から車両前方に向けて略水平に延びる(つまり衝撃受圧方向に向けて延びる)断面矩形状の上側アーム6と、ベース5の下端部から車両前方に向けて略水平に延びる(つまり衝撃受圧方向に向けて延びる)断面矩形状の下側アーム6と、を備えて断面コ字形に形成されている。なお、上側アーム6および下側アーム6は基本的に同じ厚さ(同じ上下寸法)を有している。
両アーム6は互いに略平行に延在し、且つ、両アーム6とベース5とは略直交している。より具体的には、上側アーム6の上面6aおよび下面6b、ならびに、下側アーム6の上面6dおよび下面6eは、すべて互いに略平行に延在している。ベース5の前面5bおよび後面5aは、前記アーム6、6の上面6a、6dおよび下面6b、6eと略直交している。
上下のアーム6、6の上下外側面における固定端側(後端側)の角部には、面取部7、7が形成されている。言い換えると、上側アーム6の上面6aとベース5の後面5aとの角部には、これらに対して傾斜する面取部7が設けられているとともに、下側アーム6の下面6eとベース5の後面5aとの角部には、これらに対して傾斜する面取部7が設けられている。
これにより、面取部が無い構造では余肉部分となってしまう角部(図5中の符号K参照)に、余肉ができないようになっている。なお、この実施形態ではいずれの面取部7も直線状に形成されている。
また、上下のアーム6、6の上下内側面における固定端側(後端側)の角部は、円弧状に形成されている。言い換えると、上側アーム下面6bとベース前面5bとの角部は、相互に滑らかに連続するように円弧状に形成されているともに、下側アーム上面6dとベース前面5bとの角部も、相互に滑らかに連続するように円弧状に形成されている。
また、上下のアーム6、6の上下外側面における自由端側(前端側)の角部には、面取部7より小さな面取部8が形成されている。言い換えると、上側アーム6の上面6aと前面6cとの角部には、これらに対して傾斜する面取部8が設けられているとともに、下側アーム6の下面6eと前面6fとの角部には、これらに対して傾斜する面取部8が設けられている。これらアーム6の自由端側の面取部8は、前述した固定端側の面取部7に比べて小さなサイズで形成されており、その角度は前面6c、6fに対して略45°の角度に設定されている。
作用
次に図3を参照しつつ本実施形態の作用を説明する。
このような構造のフロントバンパ1が障害物Gに当たると、図3に示すように、障害物Gによる衝撃としてのエネルギーZがバンパフェイシア2を介してエネルギー吸収部材4に加わる。エネルギー吸収部材4は、バンパフェイシア2とバンパレインフォース3との間で衝突エネルギーZを吸収する。
このとき、図5の比較例のように面取部7がない構造では、角部Kが予肉部位として存在するため、当該角部Kが邪魔となってアーム6の根本部分(つまりアーム6とベース5との連結部分)での変形が起こり難くなり、アーム6全体での曲げ変形とはならない。
しかしながら、本実施形態のエネルギー吸収部材4は、図2に示すように、アーム6の根本部分に面取部7を備えるため、アーム6は単に前後方向に潰れるだけでなく、図3のように前後方向に潰れつつも上下に膨らむように湾曲変形してエネルギーを吸収する。つまり、本実施形態では、面取部7があることでアーム6の根本部分の変形が促進され、これにより、エネルギー吸収部材4のエネルギー吸収は、上下のアーム6、6の圧縮変形と曲げ変形とを利用した吸収構造となる。そのため、エネルギー吸収効率が向上するとともに圧縮反力が小さくなる。これにより、衝突した障害物への反力が小さくなり当該障害物へのダメージを低減できる。
なお、上下のアーム6、6の自由端側の面取部8は、当該アーム6、6の自由端に障害物Gに衝突してきた際にアーム6、6が上下方向外側に膨らむように湾曲変形することを促進する機能を果たす。
変形モード
次に、図5〜7を参照しつつエネルギー吸収部材の変形モードについて説明する。
図5はエネルギー吸収部材4の内倒現象を示す。図5に示すように面取部7がない構造では、角部Kが予肉部位として存在することにより、当該角部Kが邪魔となって上下のアーム6、6が互いに内側に倒れるように変形する内倒れ現象を起こすこととなる。このような内倒現象では、エネルギー吸収効率に劣る。
また、仮に面取部7があったとしても面取部7が小さい構造では(面取部7の上下寸法Cおよび前後寸法Dが小さい構造では)、角部Kが依然として予肉部位として存在することとなり、面取部7が無い構造に比べて圧縮反力が小さくなるとともにエネルギー吸収効率が向上するものの、内倒現象を依然として起こすこととなる。
図6はエネルギー吸収部材4の外開き現象を示す。図6に示すように面取部7の寸法CおよびDが大きい構造では、上下のアーム6、6が単に根本から外側に広がる変形となる外開き現象を起こす。外開き現象では、上下のアーム6、6の根本が曲がるため上下アーム6、6の根本が曲がらない内倒現象(図5参照)よりも圧縮反力が低下してエネルギー吸収効率が向上するものの、上下のアーム6、6の根本部分ばかりが湾曲してアーム6、6の大部分が湾曲せず、アーム6、6の全体が湾曲する場合に比べてエネルギー吸収に劣る。
図7はエネルギー吸収部材4の最適変形モードを示す。図7に示すように面取部7のサイズが最適範囲であると、上下のアーム6、6の前端の点Pが、アーム6、6の内側縁に合致した線L上を後方移動し、上下のアーム6、6を上下方向外側へ湾曲させる最適変形モードとなる。このような最適変形モードでは、内倒現象も外開現象も起こさず、最もエネルギー吸収効率に優れる。
なお、衝突時の変形形状がほぼ同一の場合は、アーム6に発生する応力が低いものが、好ましい。アーム6に発生する応力が高いものつまり応力分布のムラが大きいものは、衝突物への反力が大きくなり、逆にアーム6に発生する応力が低いものつまり応力分布のムラが小さいもは、衝突物への反力が小さくなるからである。
そこで、上下のアームの上下寸法をA、エネルギー吸収部材の前後寸法をB、面取部の上下寸法をC、面取部の前後寸法をD、エネルギー吸収部材の上下寸法をE、ベースの前後寸法をFとした場合、面取部の寸法C、Dは、C≧0.75A>0、D≧0.22B>0の範囲であることが好ましい。実験の結果、C≧0.75A、D≧0.22Bとすることで、内倒現象を回避できるからである。
さらに好ましくは、面取部の寸法CおよびDは、C=0.5A、D=0.22Bであることが好ましい。面取部7の寸法CおよびDがC=0.5A、D=0.22Bに設定されている場合、図7に示すようなエネルギー吸収効率に優れる最適変形モードになるからである。
なお、C>0.5A、D>0.22Bでは、面取部7の寸法CおよびDが大きいため、上下のアーム6、6が単に根本から外側に広がる変形となる外開き現象を起こすこととなるが、内倒現象よりもエネルギー吸収効率に優れる。
実験1
本発明者は、面取部7の有無によるエネルギー吸収効率の違いを測定した(図8、9参照)。
サンプル:サンプルとしては、面取部がないエネルギー吸収部材(比較例)と、面取部を有するエネルギー吸収部材(本実施例)と、を用いた。面取部がないエネルギー吸収部材(比較例)は、ポリプロピレン12倍発泡の樹脂発泡体であり、アーム6の厚さ寸法Aが20mm、エネルギー吸収部材の前後寸法Bが90mm、エネルギー吸収部材の上下寸法Eが100mm、ベース5の厚さ寸法Fが30mmのものを用いた。これに対して、面取部を有するエネルギー吸収部材(本実施例)は、C=5mm、D=5mmとし、その他は比較例と同様に形成した。
評価:これらのサンプルに対して荷重対ストローク、モーメント対ストロークの測定を行ったところ、図8、9の結果が得られた。図8および図9中、実線は面取部を有する本実施例の測定結果を示し、破線は面取部なしの比較例の測定結果を示す。
図8、9に示すように面取部が有る本実施例は、面取部が無い比較例に比べ、ストロークで約−10mm、最大荷重で約−700N、最大モーメントで約−30Nmの効果があり、エネルギー吸収効率が拡大されたことがわかる。エネルギー吸収効率としては約10%向上した結果となる。このように、面取部を形成することにより、エネルギー吸収効率が向上することが分かる。
実験2
また、本発明者は、面取部のサイズの最適値を特定するにあたって以下の実験を行った(図10〜12参照)。
サンプル:まず図10〜12に示すようにサンプルA、B、C、D、E、C1、C2、C3、C4、D1、D2を作成した。これらサンプルはポリプロピレン12倍発泡の樹脂発泡体であり、アーム6の厚さ寸法Aが20mm、エネルギー吸収部材の前後寸法Bが115mm、面取部7の上下寸法Cが0〜20mm、面取部7の前後寸法Dが0〜40mm、エネルギー吸収部材の上下寸法Eが90mm、ベース5の厚さ寸法Fが15mmのものを用い、面取部7の上下寸法Cと前後寸法Dを5.0mm単位で変化させたものである。
評価:衝突時のエネルギー吸収部材4の初期変形モードと静解析の変形モードが近似すると仮定して、エネルギー吸収部材4の変形モードについて静解析を用いて検討を行った。障害物Gの質量を9.5kg、衝突速度を11.1m/sとして、サンプルの変形モード(変形形状)から面取部の最適値を特定する。なお、図10〜12中、各サンプルに生じた圧縮応力の等圧線を実線で示してある。
考察:図10〜12に示すように、サンプルD、E、C3、C4およびD1、D2で内倒現象が回避されることが知見された。つまり、面取部7の上下寸法Cが15mm以上、前後寸法Dが25mm以上の範囲において、内倒現象を回避するのに効果があった。これを面取部7の寸法C、Dをエネルギー吸収部材4の全体寸法に対する割合で示すと、C≧0.75A>0、D≧0.22B>0の範囲で内倒現象を回避するのに効果があることが分かる。
また、上下のアーム6、6の最適変形モード(図7参照)は、サンプルC3で得られた。つまり、面取部7の上下寸法Cは10mmで、前後寸法Dは25mmで、最適変形モードが得られた。これを面取部7の寸法C、Dをエネルギー吸収部材4の全体寸法に対する割合で示すと、C=0.5A、D=0.22Bの関係で、最適変形モードが得られることが分かる。
以上の実験を、B寸法を100mmでも同様に行い、結果、C≧0.75A>0、D≧0.22B>0で内倒現象を回避でき、C=0.5A、D=0.22Bで、最適変形モードが得られることが分かった。
効果
次に、第1実施形態の主な効果を説明する。
(1)本実施形態では、エネルギー吸収部材4は、上下のアーム6の根本部分に、衝撃受圧時に当該アーム6の根本部分の湾曲変形を促進する変形促進手段7を備えて構成されている。そのため、上下のアーム6が根本部分を含めて湾曲することによりエネルギー吸収部材4の圧縮応力が小さくなって、衝突物への反力を小さくできるとともにエネルギー吸収効率が高めることができ、衝突物へのダメージを小さくすることができる。
またこれに付随効果として、エネルギー吸収部材4の前後寸法Bを短縮することができ、車両意匠の制約を少なくできる効果もある。
(2)本実施形態によれば、変形促進手段7はエネルギー吸収部材4のバンパレインフォース3側の上下角部に形成された面取部7である。そのため、極めて簡素な構造で、変形促進手段7を構成でき、原価低減につながる。
(3)また本実施形態によれば、エネルギー吸収部材4が合成樹脂発泡体である。そのため、発泡度によりエネルギー吸収部材4に最適な強度に設定することが容易である。また、合成樹脂発泡体は、軽量であり成形性にも優れる。面取部7の形成により、成型時の投入材料の削減による原価および質量を低減することもできる。
(4)また本実施形態では、アーム6の厚さ寸法をA、エネルギー吸収部材の前後寸法をB、面取部の上下寸法をC、面取部の前後寸法をDとした場合に、C≧0.75A>0(最適はC=0.5A)、D≧0.22B>0(最適はD=0.22B)を条件を満足するように構成されている。そのため、上下のアーム6、6の極端な外開き現象を防止して、効率的なエネルギー吸収を行うことができる。
(5)特に、C=0.5A、D=0.22Bの条件を満足する場合は、上下のアーム6の前端がそのままの上下高さを維持したまま直線上に沿って後方移動し、上側アーム6と下側アーム6の中央部分が各々外側へ湾曲する最適な曲げモードが得られる。
(6)また本実施形態によれば、上側アーム6および下側アーム6の先端の角部に面取部8を備える。そのため、当該アーム6、6の先端に障害物Gに衝突してきた際に、アーム6、6が上下方向外側に膨らむように湾曲変形することが促進され、これにより、(1)〜(5)の効果をさらに促進できる。
(第2実施形態)
図13は第2実施形態のエネルギー吸収部材を示す断面図、図14は第2実施形態のネルギー吸収部材の変形モードを示す断面図、図15は溝部の配置位置を説明するための図であって、溝部無しのエネルギー吸収部材における最大応力部位と最大変位部位を示す断面図である。なお、第1実施形態と同様の構成要素ついては共通の符号を付して、重複する説明を省略する。
この第2実施形態は、エネルギー吸収部材9の各面取部7と、上下のアーム6、6の上下外側面における前後方向略中央位置と、にそれぞれ溝部13、14が形成されている点で、第1実施形態と異なっている。溝部13、14はいずれもエネルギー吸収部材4の長手方向に沿ってつまり車幅方向に沿って形成されている。
溝部13、14が形成される位置は、図15に示すような溝部13、14がない構造において、アーム6の最大応力発生部位X(面取部7)と、上下のアーム6における最大変位部位Y(上下のアーム6の上下外側面における長手方向略中央部)と、である。
以上のように第2実施形態では、面取部7の最大応力部位Xに相当する部分に溝部13を形成したため、第1実施形態に効果に加えて、さらに応力が分散(均一化)され上下のアーム6、6の湾曲形状が拡大できる。
また第2実施形態では、上下のアーム6、6の最大変位部位Yに相当する部分に溝部14を形成したため、溝部14が変形の基点となり、上下のアーム6、6の湾曲形状を拡大できる。
このように、溝部13、14を形成したことにより、上下のアーム6、6の湾曲状の曲げ変形が更に拡大され、エネルギー吸収効率をさらに高めることができる。また、溝部13、14の形成により、成型時の投入材料の削減による原価および質量を低減することも
できる。
なお、第2実施形態では、面取部7に溝部13が形成されるとともにアーム6の長手方向略中央部に溝部14が形成されているが、溝部13または溝部14のいずれか一方があれば、エネルギー吸収効率を向上できる。
次のその他の実施形態を説明する。以下、第3実施形態以降の実施形態では上述の変形促進手段としての面取部7は省略して図示する。
(第3実施形態)
図16〜図23は本発明の第3実施形態を示す。図16は反力差発生手段を設けた第3実施形態のエネルギー吸収部材の車幅方向中央部の所定長さ部分を示す前方斜視図、図17は同エネルギー吸収部材の要部拡大正面図、図18は障害物がエネルギー吸収部材に衝突した際の上側アームと下側アームの変形状態を反力特性とともに示す説明図、図19は図18に対する比較例として反力差発生手段を設けていないエネルギー吸収手段の上側アームと下側アームの変形状態を反力特性とともに示す説明図である。
図16に示すように、本実施形態のエネルギー吸収部材100は、基本的に第1実施形態のエネルギー吸収部材4とほぼ同様の構成となり、上下方向に延びるベース101と、ベース101の上端部から車両前方に向けて略水平に延びる上側アーム102と、ベース101の下端部から車両前方に向けて略水平に延びる下側アーム103と、を備えて車両前方に開放する断面コ字形に形成されている。
ここで、本実施形態が第1実施形態と主に異なる点は、前面衝突時の衝撃受圧に対して上側アーム102の反力を下側アーム103の反力よりも小さくする反力差発生手段110を設けたことにある。
反力発生手段110は、図16に示すように、上側アーム102および下側アーム103を波形状に形成し、当該上側アーム102の波形と下側アーム103の波形との形状を異ならせることで、当該上側アーム102の反力が下側アーム103の反力よりも小さくしたものである。この実施形態では、上側アーム102および下側アーム103の波形は、相手側アームに近づく内側段102a、103aと相手側アームから離れる外側段102b、103bとをエネルギー吸収部材100の長手方向に交互に配置するとともに、隣接する内側段102a、103aと外側段102b、103bとを連結部102c、103cで連結した波形部111、112として形成されている。
即ち、波形部111、112による反力調整は、上側アーム102に例をとって示すと、図17に示すように、外側段102bのエネルギー吸収部材100の長手方向長さaと、内側段102aのエネルギー吸収部材100の長手方向長さbと、内側段102aと外側段102bの高低差cと、内側段102aと外側段102bとを連結する連結部102cの傾斜角dと、アーム厚さeと、の少なくとも1つの要素の調整により、上側アーム102と下側アーム103との反力差を得ることができる。
本実施形態の図16に示す反力発生手段110は、上側アーム102の波形部111の内側段102aと外側段102bとの間隔を粗とし、下側アーム103の波形部112の内側段103aと外側段103bとの間隔を密としてある。従って、波形部111を粗に形成した上側アーム102は剛性が低くなって反力が小さく設定されるとともに、波形部112を密に形成した下側アーム103は剛性が高くなって反力が大きく設定され、上側アーム102と下側アーム103との間に反力差を得ることができる。
従って、図18に示すように、障害物Gがエネルギー吸収部材100に衝突する際には、同図(a)に示すように、上側アーム102の反力特性α1は小さく、かつ、下側アーム103の反力特性α2は大きく設定されている。このため、同図(b)に示すように、障害物Gが衝突した際の荷重Fが、上側アーム102と下側アーム103に0.5Fづつ均等に入力した場合、上側アーム102の変形量(ストローク)は大きく、下側アーム103の変形量(ストローク)は小さくなる。これにより、障害物Gは下部よりも上部の方が車両後方(図中右方)に大きく傾斜(傾斜角θ)することになる。
因に、図19に示すように、反力差発生手段110を設けていないエネルギー吸収部材EAでは、上側アームA1と下側アームA2の反力特性αが等して等量づつ変形するため、障害物Gは路面に対して略垂直状態を維持することになる。
図20は前面衝突試験に用いる障害物としてのダミー人形の模式図、図21は反力差発生手段を設けた車両バンパにダミー人形の上脚部が衝突した際のエネルギー吸収部材の挙動を(a)〜(d)に順を追って示す説明図、図22は車両バンパにダミー人形の下脚部が衝突した際のエネルギー吸収部材の挙動を(a)、(b)に順を追って示す説明図、図23は反力差発生手段を設けていない場合の図21に対応した比較例を示す説明図である。
ここで、図20に示すように、ダミー人形Gは、下方から順にそれぞれが屈曲可能な節をもって連結した下脚部G1と上脚部G2と胴体部G3とから成り、かつ、それぞれの質量がG1>G2>G3となっている。図21に示すように、そのダミー人形Gの上脚部G2が、反力差発生手段110を備えたフロントバンパ1に衝突した場合、図21(a)〜(d)に順を追って示すように、下脚部G1および上脚部G2共に斜め上方に跳ね上げることができる。尚、図21(b)〜(d)および後述する図22(b)、図23(b)〜(d)、図26(b)、(c)において、便宜上、ダミー人形G1、G2がフロントバンパ1の内方に侵入した状態で示してあるが、実際はダミー人形G1、G2とバンパレインフォース3との間に、バンパフェイシア2およびエネルギー吸収部材100(100A、EA)が押し潰された状態となる。
また、図22に示すように、フロントバンパ1にダミー人形Gの下脚部G1が衝突した場合にも、下脚部G1を上方に跳ね上げることができる。
因に、図23に示すように、反力差発生手段110を設けていないフロントバンパ1に上述の上脚部G2が衝突した場合、(a)〜(d)に示すように下脚部G1を上方に跳ね上げられない可能性がある。
以上の構成により第3実施形態のエネルギー吸収部材100では、以下のような効果を奏する。
第3実施形態のエネルギー吸収部材100は、反力差発生手段110を設けて、前面衝突時の衝撃受圧に対して上側アーム102の反力を下側アーム103の反力よりも小さくしてある。これにより、フロントバンパ1にダミー人形Gが衝突した場合に、ダミー人形Gの胴体部G3に位置する重心位置が車両側の斜め下方に移動するため、そのダミー人形Gを上方に跳ね上げることができる。
また第3実施形態によれば、上側アーム102および下側アーム103に波形部111、112をそれぞれ設けて、それら上下の波形部111、112の形状を調整することにより、上側アーム102の反力を下側アーム103の反力より小さくする反力発生手段110を形成している。このように、本実施形態では、上下のアーム102、103を波形形状にしたため、上下のアーム102、103が平板状である構造に比べてエネルギー吸収部材100の反力が高まり、エネルギー吸収部材100に高倍率の低反力材料(例えば、発泡倍率が20〜45倍の樹脂発泡体)を使用しても求める反力が得られる。そのため、エネルギー吸収部材100の質量低減(例えば50%減)や原価低減(例えば30%減)を図ることができる。
また第3実施形態では、図24に示すように、同図(a)に示す反力差発生手段110を設けていないエネルギー吸収部材EAに対して、同図(b)に示す反力差発生手段110を設けたエネルギー吸収部材100では、波形化により上側アーム102と下側アーム103の剛性が高まり小さなストロークでより大きな衝突エネルギーを吸収できるため、エネルギー吸収部材100の幅を短くできる。
(第4実施形態)
図25、図26は本発明の第4実施形態を示し、前記第3実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとする。図25はエネルギー吸収部材の断面図、図26は車両バンパにダミー人形の上脚部が衝突した際のエネルギー吸収部材の挙動を(a)〜(c)に順を追って示す説明図である。
図25に示すように、本実施形態のエネルギー吸収部材100Aは、基本的に第3実施形態のエネルギー吸収部材100と同様に、ベース101と、上側アーム102と、下側アーム103と、を備えて車両前方に開放する断面コ字形に形成されている。
ここで、本実施形態が第3実施形態と主に異なる点は、第3実施形態の反力差発生手段110が設けられておらず、つまり、上側アーム102および下側アーム103が波形状に形成されておらず、且つ、上側アーム102のベース101からの突出長さL1が、下側アーム103のベース101からの突出長さL2よりも短くなっている(L1<L2)ことにある。
以上の構成により第4実施形態のエネルギー吸収部材100Aでは、上側アーム102を下側アーム103よりも短くしたことにより、図26(a)〜(c)に示すように、ダミー人形Gの重心位置をエネルギー吸収部材100Aの変形の早い段階で車両側の斜め下方向に移動できる。これにより、第3実施形態と同様に下脚部G1および上脚部G2共に斜め上方に跳ね上げることができる。
(第4実施形態の変形例)
なお、変形例として第3実施形態と第4実施形態とを組み合わせてもよい。つまり、図示を省略するが、上側アーム102および下側アーム103を波形状にして上側アーム102の波形の密度を下側アーム103の波形の密度より大きくすることで形成される反力差発生手段110を設けるとともに、上側アーム102のベース101からの突出長さL1を、下側アーム103のベース101からの突出長さL2より短く(L1<L2)としてもよい。
このように、第3実施形態と第4実施形態とを組み合わせた変形例によれば、前面衝突時により確実に障害物Gを上方に跳ね上げることができる。
(第5実施形態)
図27〜図28は本発明の第5実施形態を示し、前記第3実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとする。図27は自動車を正面から見た模式図、図28はエネルギー吸収部材の車両中心から車幅方向片側の端部至る部分を示す正面図である。
本実施形態のフロントパンパ1は、第1実施形態で示したように、バンパレインフォース3およびエネルギー吸収部材100Bを覆って車体側に取り付けられて、フロントバンパ1の外側形状を成すバンパフェイシア2を備えており、そのバンパフェイシア2に備わる反力を考慮してエネルギー吸収部材100Bの反力を調整するようになっている。
つまり、バンパフェイシア2は、その意匠形状や当該バンパフェイシア2の取付構造などから前面衝突時における反力(以下、フェイシア反力という)が車幅方向に変化している。
例えば、バンパフェイシア2が車幅方向中央部から車幅方向外側に向けて除々に後方に向けて傾斜した意匠形状をしている場合、車両前面衝突時のフェイシア反力は車幅方向中央部から車幅方向外側に向けて除々に大きくなる。
また、図27に示すように、バンパフェイシア(BMPR)2の取付構造によって、バンパフェイシア2のフェイシア反力は車幅方向において一定とはならずに変化する。図27に示すバンパフェイシア2の構造では、左右のヘッドランプ(LAMP)およびグリル(GRILLE)および車体固定部(M)の位置関係により、図27中の数字(1〜4)で示すように、フェイシア反力は、車両中央部から車幅方向外方に向かって除々に大きくなっている。なお、図27中の数字がフェイシア反力の大きさを示しており、また、図27中、LAMPは左右のヘッドランプ、GRILLEはグリル、FDRは左右両側のフェンダ、HOODはエンジンフード、Mは車体固定部である。
このように車両意匠や取付構造などにより、フェイシア反力が車幅方向中央部から車幅方向外側に向けて大きくなる場合は、図28に示すようにエネルギー吸収部材100の上下のアーム102、103の波形の密度を車両中心から車両外側へ向けて小さくすることで、上下のアーム102、103の反力を車両中心から車両外側へ向かい小さくし、フェイシア反力とエネルギー吸収部材100の反力の和を、車幅方向のどの部位においてもほぼ均一的となるようできる。
なおこの第5実施形態においても、図28に示すように、車幅方向のどの部位においても下側アーム103の波形の密度を上側アーム102の波形の密度よりも大きくすることで下側アーム103の反力を上側アーム102の反力より大きくなっており、これにより、衝突物Gの跳ね上げ効果を向上できるようになっている。
(第5実施形態の変形例)
例えば図29に示すバンパフェイシアの取付構造は、図27に示すバンパフェイシアの取付構造とは異なっているが、フェイシア反力は、図27に示す場合と同様に車幅方向中央側から車幅方向外側に向けて除々に大きく変化しているため、図28に示す第5実施形態と同様のエネルギー吸収部材100を用いることで、第5実施形態と同様の効果が得られる。
また、例えば図30(a)の変形例および図30(b)の変形例は、図27とはバンパフェイシアの取付構造ならびにフェイシア反力が異なるが、このような場合でもフェイシア反力の特性を考慮して、エネルギー吸収部材100の上解のアーム102、103の反力を車幅方向において変化させることで、第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、以上の本実施形態では、平面状の面取部7を例にしたが、若干凸又は凹状に湾曲していても良い。
また、第3、5実施形態において、上下のアーム102、103に設けた波形部は、内側段102a、103aおよび外側段102b、103bを交互に組み合わせて構成されているが、形状はこれに限らず、例えば、図31(a)に示すように外側段102b、103bを円弧状に膨出させてもよく、また、図31(b)に示すように外側段102b、103bを山形に突出させてもよいし、またその他の形状を採用できる。
本発明の第1実施形態にかかるフロントバンパの分解斜視図である。 同フロントバンパの断面図である。 同フロントバンパが障害物に衝突した際の状態を示す断面図である。 同フロントバンパのエネルギー吸収部材の断面図である。 エネルギー吸収部材の内倒現象を説明するための図である。 エネルギー吸収部材の外開き現象を説明するための図である。 エネルギー吸収部材の最適な変形モードを説明するための図である。 荷重対ストロークの関係を示す本実施例と比較例とで比較したグラフ。 モーメント対ストロークの関係を本実施例と比較例とで比較したグラフ。 面取部の最適値を特定するための実験に用いたサンプルA、B、C、D、Eの変形モードを示す図である。 面取部の最適値を特定するための実験に用いたサンプルC、C1、C2、C3、C4の変形モードを示す図である。 面取部の最適値を特定するための実験に用いたサンプルD、D1、D2の変形モードを示す図である。 本発明の第2実施形態に係るエネルギー吸収部材を示す断面図である。 第2実施形態のエネルギー吸収部材の変形モードを示す断面図である。 エネルギー吸収部材に形成する溝部の配置場所を説明するための図であって、溝部無しのエネルギー吸収部材における最大応力発生部位Xと最大変位部位Yを示す断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる反力差発生手段を設けたエネルギー吸収部材の車幅方向中央部の所定長さ部分を示す前方斜視図である。 本発明の第3実施形態にかかる波形部の要部拡大正面図である。 本発明の第3実施形態にかかる障害物が衝突した際のエネルギー吸収部材の上側アームと下側アームの変形状態をそれぞれの反力特性とともに示す説明図である。 反力差発生手段を設けていない場合の図18に対応した比較例を示す説明図である。 本発明の第3実施形態にかかる前面衝突試験に用いられる障害物としてのダミー人形の模式図である。 本発明の第3実施形態にかかる反力差発生手段を設けた車両バンパにダミー人形の上脚部が衝突した際のエネルギー吸収部材の挙動を(a)〜(d)に順を追って示す説明図である。 本発明の第3実施形態にかかる車両バンパにダミー人形の下脚部が衝突した際のエネルギー吸収部材の挙動を(a)、(b)に順を追って示す説明図である。 反力差発生手段を設けていない場合の図21に対応した比較例を示す説明図である。 反力差発生手段の有無によるエネルギー吸収部材の湾曲時の荷重バランスを示す説明図である。 本発明の第4実施形態にかかるエネルギー吸収部材の断面図である。 本発明の第4実施形態にかかる車両バンパにダミー人形の上脚部が衝突した際のエネルギー吸収部材の挙動を(a)〜(c)に順を追って示す説明図である。 本発明の第5実施形態にかかり自動車を正面からそれぞれ見た模式図である。 本発明の第5実施形態にかかるエネルギー吸収部材の車両中心から車幅方向片側の端部至る部分を示す正面図である。 本発明の第5実施形態の第1変形例にかかり、バンパフェイシアを自動車を正面から見た模式図である。 本発明の第5実施形態のその他の変形例にかかり、バンパフェイシアを自動車を正面からそれぞれ見た模式図である。 本発明の他の実施形態にかかる外側段を(a)、(b)にそれぞれ示す断面正面図である。
符号の説明
1 フロントバンパ
2 バンパフェイシア
3 バンパレインフォース
4 エネルギー吸収部材
5 ベース
6 アーム
7 面取部
13、14 溝部
100、100A、100B エネルギー吸収部材
102 上側アーム
102a 内側段
102b 外側段
103 下側アーム
103a 内側段
103b 外側段
110、110A 反力差発生手段
111、112 波形部
G 障害物
K 角部
L 線
P 点
X 最大応力部位
Y 最大変位部位
Z エネルギー
a 外側段の長手方向長さ
b 内側段の長手方向長さ
c 内側段と外側段の高低差
d 内側段と外側段とを連結する連結部の傾斜角
e アーム厚さ
L1 上側アームの突出長さ
L2 下側アームの突出長さ

Claims (10)

  1. 衝撃受圧方向に向けて延在し且つ上下に互いに平行に設けられた一対のアームと、前記アームの根本部分で当該アーム同士を連結すべく前記衝撃受圧方向と略直交方向に延びるベースと、を備えることで垂直断面がコ字形に形成されたエネルギー吸収部材であって、
    上側アームおよび下側アームの根本部分に、衝撃受圧時に当該アームの根本部分の湾曲変形を促進する変形促進手段を備え
    前記変形促進手段は、略直交する前記上側アームの上面と前記ベースの後面との角部に形成され且つこれらに対して傾斜する面取部と、略直交する前記下側アームの下面と前記ベースの後面との角部に形成され且つこれらに対して傾斜する面取部と、から構成されており、
    前記上側アームおよび前記下側アームの上下寸法をA、前記エネルギー吸収部材の前後寸法をB、前記面取部の上下寸法をC、前記面取部の前後寸法をDとした場合、CおよびDは、AおよびBがそれぞれ大きくなるほど大きく設定されており、
    各面取部にはそれぞれ溝部が形成されていることを特徴とするエネルギー吸収部材。
  2. 請求項1に記載のエネルギー吸収部材であって、
    C≧0.75A、D≧0.22Bの条件を満足することを特徴とするエネルギー吸収部材。
  3. 請求項1または請求項2に記載のエネルギー吸収部材であって、
    前記上側アームの上面および前記下側アームの下面には、当該アームの長手方向略中央部に溝部が設けられていることを特徴とするエネルギー吸収部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエネルギー吸収部材であって、
    前記エネルギー吸収部材が合成樹脂発泡体であることを特徴とするエネルギー吸収部材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエネルギー吸収部材であって、
    衝撃受圧に対して上側アームの反力を下側アームの反力よりも小さくする反力差発生手段を設けたことを特徴とするエネルギー吸収部材。
  6. 請求項5に記載のエネルギー吸収部材であって、
    上側アームおよび下側アームを、当該エネルギー吸収部材の長手方向に向けて波形に形成し、これら上側アームの波形と下側アームの波形の形状を異ならせることで、上側アームの反力を下側アームの反力よりも小さくする反力差発生手段が形成されていることを特徴とするエネルギー吸収部材。
  7. 請求項6に記載のエネルギー吸収部材であって、
    上側アームおよび下側アームの波形状は、相手側アームに近接する内側段と相手側アームから離間する外側段とをエネルギー吸収部材の長手方向に交互に設けるとともに、これら外側段と内側段とを連結する連結部を備えることで波形状に形成され、
    外側段のエネルギー吸収部材の長手方向長さと、内側段のエネルギー吸収部材の長手方向長さと、内側段と外側段の高低差と、内側段と外側段とを連結する傾斜部の傾斜角と、アーム厚さと、の少なくとも1つの要素を、上側アームと下側アームとで異ならせることにより、上側アームと下側アームとの反力差を得ることを特徴とするエネルギー吸収部材。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載のエネルギー吸収部材であって、
    上側アームのベースからの突出長さを、下側アームのベースからの突出長さよりも短くしたことを特徴とするエネルギー吸収部材。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載のエネルギー吸収部材であって、
    当該エネルギー吸収部材は、フロントバンパの輪郭を形成するバンパフェイシアと、前記バンパフェイシアの後方に配置されたバンパレインフォースと、の間に配置され、且つバンパレインフォースの前面に車幅方向に沿って取り付けられるものであり、
    前記上側アームおよびまたは前記下側アームは、衝撃圧力に対する反力が車幅方向において変化していることを特徴とするエネルギー吸収部材。
  10. バンパレインフォースと、前記バンパレインフォースの衝撃受圧側の面に取り付けられたエネルギー吸収部材と、を備えた車両バンパであって、
    前記エネルギー吸収部材は、衝撃受圧方向に向けて延在し且つ上下に互いに平行に設けられた一対のアームと、前記アームの根本部分で当該アーム同士を連結すべく前記衝撃受圧方向と略直交方向に延びるベースと、を備えることで垂直断面がコ字形に形成され、上側アームおよび下側アームの根本部分に、衝撃受圧時に当該アームの根本部分の湾曲変形を促進する変形促進手段が設けられており、
    前記変形促進手段は、略直交する前記上側アームの上面と前記ベースの後面との角部に形成され且つこれらに対して傾斜する面取部と、略直交する前記下側アームの下面と前記ベースの後面との角部に形成され且つこれらに対して傾斜する面取部と、から構成されており、
    前記上側アームおよび前記下側アームの上下寸法をA、前記エネルギー吸収部材の前後寸法をB、前記面取部の上下寸法をC、前記面取部の前後寸法をDとした場合、CおよびDは、AおよびBがそれぞれ大きくなるほど大きく設定されており、
    各面取部にはそれぞれ溝部が形成されていることを特徴とする車両用バンパ。
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