JP5883719B2 - 車体前部構造 - Google Patents

車体前部構造 Download PDF

Info

Publication number
JP5883719B2
JP5883719B2 JP2012106601A JP2012106601A JP5883719B2 JP 5883719 B2 JP5883719 B2 JP 5883719B2 JP 2012106601 A JP2012106601 A JP 2012106601A JP 2012106601 A JP2012106601 A JP 2012106601A JP 5883719 B2 JP5883719 B2 JP 5883719B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall portion
bumper beam
vehicle body
lower wall
upper wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012106601A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013233837A (ja
Inventor
真人 佐々木
真人 佐々木
康介 勝又
康介 勝又
圭一郎 辻
圭一郎 辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2012106601A priority Critical patent/JP5883719B2/ja
Publication of JP2013233837A publication Critical patent/JP2013233837A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5883719B2 publication Critical patent/JP5883719B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、自動車等の車両に適用される車体前部構造に関するものである。
従来、車両の前部が構造物や歩行者などの被衝突物と衝突したとき、衝突エネルギ(衝突荷重)を吸収して被衝突物への衝撃を軽減させるため、バンパビームの前方に衝撃吸収部材を設けることが行われている。
この種の衝撃吸収部材に関し、例えば、特許文献1−3には、衝撃吸収部材の上壁部を前方へ向かうにつれて下方に位置するように傾斜させた構造が開示されている。
特開2009−220676号公報 特開2010−260493号公報 特開2010−269709号公報
ところが、特許文献1−3に開示された衝撃吸収部材では、被衝突物との接点(衝撃吸収部材の前端)が下方に位置するため、被衝突物の上方部分が接点近傍を支点として後方へ傾倒する際の支点から被衝突物の上端までの距離が長くなってしまい、テコの原理で被衝突物の支点付近に加わる応力が大きくなるという問題があった。
そこで、従来よりも被衝突物の支点付近に加わる応力を抑制して、被衝突物の支点付近への衝撃を軽減することが希求されている。
本発明は、このような観点から創案されたものであり、従来よりも被衝突物の支点付近への衝撃を軽減することが可能な車体前部構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明は、車幅方向に延在するバンパビームと、前記バンパビームの前方に設けられ、前記バンパビームに連結される衝撃吸収部材と、を備えた車体前部構造であって、前記衝撃吸収部材は、前記バンパビームの上面又は前面から前方へ延出する上壁部と、前記バンパビームの下面又は前面から前方へ延出する下壁部と、を有し、前記上壁部の前方部位には、後方から前方へ向かうにつれて上方に位置するように傾斜する第1傾斜部が設けられ、前記下壁部の前方部位には、後方から前方へ向かうにつれて上方に位置するように傾斜する第2傾斜部が設けられ、前記第1傾斜部の後端には、車両が衝突した際に、衝突荷重を受けて前記上壁部が上方へ折れ曲がる基点となる折れ点が設けられ、前記折れ点は、前記バンパビームの前面の前方に配置され、前記衝撃吸収部材は、前記衝突荷重を受けたときに前記折れ点が前記バンパビームの前面に当接し、当接した前記折れ点を支点として前記第1傾斜部が鉛直になるまでの前記第1傾斜部の前端の移動周長と、前記下壁部と前記バンパビームとの連結部分の前端を支点として前記第2傾斜部が鉛直になるまでの前記第2傾斜部の前端の移動周長と、が略等しくなるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、衝撃吸収部材の上壁部及び下壁部の前方部位には、前方へ向かうにつれて上方に位置するように傾斜する第1傾斜部及び第2傾斜部が設けられることにより、上壁部が前方へ向かうにつれて下方に位置するように傾斜する従来構造(例えば、特許文献1−3)に比較して、被衝突物との接点(衝撃吸収部材の前端)が上方に位置するため、被衝突物の上方部分が接点近傍を支点として後方へ傾倒する際の支点から被衝突物の上端までの距離を短縮できる。これにより、被衝突物の支点付近に加わる応力を小さくすることが可能となり、被衝突物の支点付近への衝撃を軽減することができる。
また、本発明によれば、衝撃吸収部材の上壁部及び下壁部の前方部位には、前方へ向かうにつれて上方に位置するように傾斜する第1傾斜部及び第2傾斜部が設けられることにより、前突時において、上壁部及び下壁部が上方へ折れ曲がるので、衝突エネルギを好適に吸収して被衝突物に加わる衝突荷重を軽減することが可能となり、被衝突物への衝撃を軽減することができる。
また、本発明は、前記第1傾斜部の後端には、車両が衝突した際に、衝突荷重を受けて前記上壁部が上方へ折れ曲がる基点となる折れ点が設けられることを特徴とする。なお、前記折れ点は、前記第1傾斜部の前端から前記バンパビームの前面までの車体前後方向の中間よりも後方に配置されているように構成するのが好ましい。
かかる構成によれば、前突時において、上壁部が折れ点を基点として上方へ折れ曲がりやすくなるので、より一層衝突エネルギを好適に吸収して被衝突物に加わる衝突荷重を軽減することが可能となり、被衝突物への衝撃を軽減することができる。
また、本発明は、前記折れ点は、前記バンパビームの前面の前方に配置され、前記衝撃吸収部材は、前記衝突荷重を受けたときに前記折れ点が前記バンパビームの前面に当接し、当接した前記折れ点を支点として前記第1傾斜部が鉛直になるまでの前記第1傾斜部の前端の移動周長と、前記下壁部と前記バンパビームとの連結部分の前端を支点として前記第2傾斜部が鉛直になるまでの前記第2傾斜部の前端の移動周長と、が略等しくなるように構成されていることを特徴とする
かかる構成によれば、前突時において、上壁部及び下壁部が上方へ折れ曲がりやすくなるので、より一層衝突エネルギを好適に吸収して被衝突物に加わる衝突荷重を軽減することが可能となり、被衝突物への衝撃を軽減することができる。
また、前記衝撃吸収部材の側端部は、車外側に開口しており、前記上壁の側端部近傍には、上方へ膨出する膨出部が設けられているように構成するのが好ましい。
衝撃吸収部材の側端部が車外側に開口する構造では、車幅方向中央部に比較して側端部の剛性が低下して衝撃吸収性能が低下する。そこで、本発明では、上方へ膨出する膨出部が上壁部の側端部近傍に設けられていることにより、衝撃吸収部材の側端部が車外側に開口した場合であっても、衝撃吸収部材の側端部の剛性低下を抑制して衝撃吸収性能の低下を抑制できる。これにより、衝撃吸収部材の側端部に被衝突物が衝突した場合であっても、衝突エネルギを好適に吸収して被衝突物に加わる衝突荷重を軽減することが可能となり、被衝突物への衝撃を軽減することができる。
また、前記下壁部には、車幅方向に対し交差する方向に延びるビードが形成されているように構成するのが好ましい。
かかる構成によれば、下壁部の剛性を向上させることができるので、中折れなどの不適切な変形を抑制できる。そのため、より一層衝突エネルギを好適に吸収して被衝突物に加わる衝突荷重を軽減することが可能となり、被衝突物への衝撃を軽減することができる。
また、前記下壁部の後端は、上下方向に凹凸状に形成されているように構成するのが好ましい。
かかる構成によれば、車幅方向両端部が中央部よりも後方に位置するように衝撃吸収部材を湾曲形成した場合、当該衝撃吸収部材をプレス一体成型する際に、下壁部の後端の凹凸によってプレス加工前後の周長差を吸収して加工皺の発生を抑制できる。
本発明によれば、従来よりも被衝突物の支点付近への衝撃を軽減することが可能な車体前部構造を提供することができる。
本発明の実施形態に係る車体前部構造が適用された車体前部の斜視図である。 車体前部の正面図である。 図1のIII−III線断面図である。 (a)は、衝突前のセーフティプレートを示す部分拡大断面図であり、(b)は、衝突後のセーフティプレートを示す部分拡大断面図である。 セーフティプレートの側端部を示す部分拡大斜視図である。 セーフティプレートを左斜め後方から見上げた状態を示す斜視図である。 図4(a)のVII−VII線断面図である。 (a)乃至(c)は、セーフティプレートと被衝突物との衝突過程を説明する説明図である。 変形例に係るセーフティプレートを示す縦断面図である。
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、各図中に矢印で示される、「前後」及び「上下」は、車体前後方向及び車体上下方向を示し、「左右」は、運転席から見た左右方向(車幅方向)をそれぞれ示している。
図1に示すように、実施形態に係る車体前部構造が適用された車両Cは、バルクヘッド1と、ロアプレート2と、バンパビーム3と、セーフティプレート4と、を備える。
<バルクヘッド>
バルクヘッド1は、図1及び図2に示すように、正面視して矩形状(四角枠状)を呈する金属製部材である。バルクヘッド1は、上下に所定間隔離間して設けられ車幅方向に沿って略平行に延在するバルクヘッドアッパ11及びバルクヘッドロア12と、バルクヘッドアッパ11及びバルクヘッドロア12の左右両端部を連結する一対のバルクヘッドサイド13,13と、から構成されている。
<ロアプレート>
ロアプレート2は、図1及び図2に示すように、セーフティプレート4の下方に所定間隔離間して設けられ、歩行者との衝突時に歩行者の脚部を前方へ払うための所謂足払い部材である。ロアプレート2は、車幅方向に沿って延在する板状の金属製部材である。ロアプレート2は、バルクヘッドロア12の前端側に溶接などの固定手段によって固定されている。
<バンパビーム>
バンパビーム3は、図1及び図2に示すように、車幅方向に沿って延在する金属製部材である。バンパビーム3は、バルクヘッドアッパ11及びバルクヘッドロア12の上下方向の中間部に配置され、一対のバルクヘッドサイド13,13に跨るように架設されている。バンパビーム3の左右両端部側は、一対のバルクヘッドサイド13,13にボルトなどの固定手段によって固定されている。バンパビーム3の左右両端部は、バルクヘッドサイド13よりも車外側に突出しており、かかる突出部分には、図示しない連結部材を介してバンパビームエクステンション5の前端が固定されている。
バンパビーム3は、図3に示すように、上下に所定間隔離間して設けられ車幅方向に沿って略平行に延在する上壁部31及び下壁部32と、上壁部31及び下壁部32の前端同士を連結する前後に凹凸状の前壁部33と、から構成されており、例えば、一枚の鋼板をプレス成形することによって形成されている。
<セーフティプレート>
衝撃吸収部材たるセーフティプレート4は、バンパビーム3に比較して剛性が低い部材であって、車両Cの前部が構造物や歩行者等の被衝突物M(図8参照)と衝突したとき、変形することによって衝突エネルギ(衝突荷重)を吸収して被衝突物Mへの衝撃を軽減すると共に、車両Cやその乗員への衝撃を軽減する機能を備えた金属製部材である。
セーフティプレート4は、図1に示すように、左右両端部が中央部よりも後方に位置するように湾曲して形成されている。セーフティプレート4の前方部位は、図3に示すように、前方へ向かって上り傾斜した断面形状を呈しており、バンパビーム3との間で閉断面を形成している。セーフティプレート4及びバンパビーム3の左右両端部の間には、図5に示すように、車外側に開口する開口部4aが形成されている(図5では左側のみ図示)。
セーフティプレート4は、図3に示すように、上壁部41と、上壁部41の下方に所定間隔離間して設けられた下壁部42と、上壁部41及び下壁部42の前端同士を連結する前壁部43と、から構成されており、例えば、一枚の鋼板をプレス成形するようことによって形成されている。
図4(a)に示すように、上壁部41は、バンパビーム3の上壁部31から前方へ延出する壁部である。上壁部41は、バンパビーム3の上壁部31に溶接によって接合される接合部41aと、バンパビーム3の前方に設けられ鉛直面Vに対して所定角度傾斜する傾斜部41bと、接合部41aの前端と傾斜部41bの後端とを連結する段差部41cと、から構成されている。
接合部41aは、後方から前方へ向かうにつれて下方に位置するように傾斜している。接合部41aの前端は、バンパビーム3の前壁部33よりも前方へ突出しており、後端は、バンパビーム3の上壁部31から離間する方向に(後斜め上方に)折り曲げられている。
第1傾斜部たる傾斜部41bは、上壁部41の前方部位を構成している。傾斜部41bは、後方から前方へ向かうにつれて上方に位置するように傾斜している。図5に示すように、傾斜部41b及び段差部41cの左右両端部(開口部4a近傍)には、他の部位に比較して所定長だけ上方へ膨出するドーム状の膨出部41fが形成されている。膨出部41fは、傾斜部41b及び段差部41cに亘って形成されている。
段差部41cは、図4(a)に示すように、接合部41aの前端から傾斜部41bの後端に向かうにつれて下方に位置するように傾斜している。段差部41cと傾斜部41bとの境界部分及び段差部41cと接合部41aとの境界部分には、第1折れ点41d及び第2折れ点41eが夫々形成されている。この第1折れ点41d及び第2折れ点41eを設けることによって、車両Cの前部が被衝突物Mに衝突したとき、上壁部41が衝突荷重を受けて折れ曲がることが可能となり、上壁部41の変形によって衝突エネルギ(衝突荷重)を吸収することができる。
第1折れ点41dは、バンパビーム3の上壁部31の下方であって、かつ前壁部33の前方に位置している。第1折れ点41dは、セーフティプレート4の前壁部43とバンパビーム3の前壁部33との中間よりも後方に位置している。換言すると、第1折れ点41dは、バンパビーム3寄りに位置している。第1折れ点41dは、図4(a),(b)に示すように、車両Cの前突時において、バンパビーム3の前壁部33に当接して傾斜部41bの移動(回転)の支点F1となるように構成されている。
下壁部42は、図4(a)に示すように、バンパビーム3の下壁部32から前方へ延出する壁部である。下壁部42は、バンパビーム3の下壁部32に溶接によって接合される接合部42aと、接合部42aの前端に連続し、バンパビーム3の前方に設けられ鉛直面Vに対して所定角度傾斜する傾斜部42bと、から構成されている。
接合部42aは、後方から前方へ向かうにつれて上方に位置するように傾斜している。接合部42aの前端は、バンパビーム3の前壁部33よりも前方へ突出しており、後端は、バンパビーム3の下壁部32から離間する方向に(後斜め下方に)折り曲げられている。図4(a),(b)に示すように、接合部42aとバンパビーム3の下壁部32との接合部分のうち、最も前方に位置する最前部42a1は、車両Cの前突時において、傾斜部42bの移動(回転)の支点F2となるように構成されている。
第2傾斜部たる傾斜部42bは、図4(a)に示すように、下壁部42の前方部位を構成している。傾斜部42bは、後方から前方へ向かうにつれて上方に位置するように傾斜している。接合部42aと傾斜部42bとの境界部分には、第3折れ点42cが形成されている。
図4(a)に示すように、本実施形態において、鉛直面Vに対する傾斜部41bの傾斜角度θ1は、鉛直面Vに対する傾斜部42bの傾斜角度θ2よりも大きく設定されている(θ1>θ2)。また、傾斜部41bの前後方向(車幅方向と交差する方向)に沿う長さL1は、傾斜部42bの前後方向(車幅方向と交差する方向)に沿う長さL2よりも小さく設定されている(L1<L2)。そして、本実施形態では、L1×θ1=L2×θ2の関係に設定されている。
これにより、図4(b)に示すように、セーフティプレート4は、車両Cの前突時において、傾斜部41bが支点F1(折れ点41d)を中心に鉛直になるまでの移動周長(回転軌跡の長さ)L3と、傾斜部42bが支点F2(最前部42a1)を中心に鉛直になるまでの移動周長(回転軌跡の長さ)L4と、が略等しくなるように構成されている。この結果、傾斜部41bを傾斜部42bよりも短尺にして、上壁部41及び下壁部42が上方へ折れ曲がりやすくなるので、より一層衝突エネルギを好適に吸収することができる。
図6に示すように、接合部42a及び傾斜部42bには、複数の縦ビード42dが車幅方向に互いに間隔を空けて設けられている。各縦ビード42dは、接合部42aの後端から傾斜部42bの前端付近に亘って、車幅方向に交差する方向(上下方向及び前後方向)に延設されている。接合部42aの縦ビード42dは、図7に示すように、バンパビーム3から離間する方向へ(下方へ)突出して形成されており、接合部42aの後端は、縦断面視して上下方向に凹凸状に形成されている。傾斜部42bの縦ビード42dは、前斜め下方へ突出して形成されている(図3参照)。
前壁部43は、図4(a)に示すように、セーフティプレート4の前端を構成する鉛直状の壁部である。前壁部43の上端43aは、図2に示すように、車幅方向の全長に亘って一定の高さに形成されている。これにより、前壁部43の上端43aのどの箇所に被衝突物Mが衝突した場合であっても、セーフティプレート4を良好に変形させて衝突エネルギを好適に吸収することができる。
なお、本実施形態では、図3に示すように、セーフティプレート4が前方へ向かって上り傾斜する傾斜部41b,42bを具備することによって、前壁部43の上下方向中央部からロアプレート2の前面の上下方向中央部までの距離D1を比較的長く確保することができる。
本実施形態に係る車体前部構造が適用された車両Cは、基本的に以上のように構成されるものであり、次に、図8を参照してその作用効果について説明する。
なお、図8(a)乃至(c)は、セーフティプレートと被衝突物との衝突過程を説明する説明図である。
図8(a)に示すように、車両Cの前部が被衝突物Mに衝突すると、衝突荷重がセーフティプレート4に加わる。そして、図8(b)に示すように、前壁部43、上壁部41、及び下壁部42が後方に押圧される。このとき、上壁部41の第1折れ点41dは、バンパビーム3の前壁部33に当接する。
続いて、図8(c)に示すように、上壁部41は、前壁部33に当接した第1折れ点41d(支点F1)を中心として、傾斜部41bが上方へ起こされるように折れ曲がる。また、下壁部42は、最前部42a1(支点F2)を中心として、傾斜部42bが上方へ起こされるように折れ曲がる。つまり、セーフティプレート4は、上向きに変形して潰れることとなる。なお、バンパビーム3は、変形中のセーフティプレート4を安定して支持しつつも、セーフティプレート4の変形を阻害することがないように適度に変形する。
一方、図8(a)に示すように、車両Cの前部が被衝突物Mに衝突すると、被衝突物Mのうち、セーフティプレート4の前壁部43との接点Sに衝突荷重が加わる。そして、図8(c)に示すように、セーフティプレート4が上向きに変形して潰れると、被衝突物Mの上方部分は、接点S近傍を支点F3として後方へ傾倒する。
この場合、本実施形態では、セーフティプレート4の上壁部41及び下壁部42の前方部位には、前方へ向かうにつれて上方に位置するように傾斜する傾斜部41b,42bが設けられることにより、上壁部が前方へ向かうにつれて下方に位置するように傾斜する従来構造(例えば、特許文献1−3)に比較して、被衝突物Mとの接点S(衝撃吸収部材の前壁部43)が上方に位置するため、被衝突物Mの上方部分が接点S近傍を支点F3として後方へ傾倒する際の支点F3から被衝突物Mの上端Maまでの距離D2を短縮できる。これにより、被衝突物Mの支点F3付近に加わる応力を小さくすることが可能となり、被衝突物Mの支点F3付近への衝撃を軽減することができる。
本実施形態では、上壁部41及び下壁部42が上方へ折れ曲がるので、衝突エネルギを好適に吸収して被衝突物Mに加わる衝突荷重を軽減することが可能となり、被衝突物Mへの衝撃を軽減することができる。
本実施形態では、上壁部41が第1折れ点41dを基点として上方へ折れ曲がりやすくなるので、より一層衝突エネルギを好適に吸収して被衝突物Mに加わる衝突荷重を軽減することが可能となり、被衝突物Mへの衝撃を軽減することができる。
特に、本実施形態では、第1折れ点41dがバンパビーム3の上壁部31の下方に位置していることにより、上壁部41の上方への変形を誘発(促進)することができる。
更に、本実施形態では、第1折れ点41dがセーフティプレート4の前壁部43とバンパビーム3の前壁部33との中間よりも後方に位置していることにより、中折れなどの不適切な変形を抑制して衝突エネルギを好適に吸収することができる。
本実施形態では、セーフティプレート4は、傾斜部41bが支点F1を中心に鉛直になるまでの移動周長L3と、傾斜部42bが支点F2を中心に鉛直になるまでの移動周長L4と、が略等しくなるように構成されていることにより、傾斜部41bを傾斜部42bよりも短尺にして、上壁部41及び下壁部42が上方へ折れ曲がりやすくなるので、より一層衝突エネルギを好適に吸収することができる。
本実施形態では、傾斜部41b及び段差部41cの左右両端部には、上方へ膨出する膨出部41fが形成されていることにより、セーフティプレート4及びバンパビーム3の左右両端部の間に開口部4aが形成された場合であっても、セーフティプレート4の左右両端部の剛性低下を抑制して衝撃吸収性能の低下を抑制できる。これにより、セーフティプレート4の左右両端部に被衝突物Mが衝突した場合であっても、衝突エネルギを好適に吸収して被衝突物Mに加わる衝突荷重を軽減することが可能となり、被衝突物Mへの衝撃を軽減することができる。
また、本実施形態では、下壁部42には、車幅方向に対し交差する方向に延びる複数の縦ビード42d,42dが形成されていることにより、下壁部42の剛性を向上させることができるので、中折れなどの不適切な変形を抑制してより一層衝突エネルギを好適に吸収することができる。
また、本実施形態では、縦ビード42dが接合部42aの後端まで延設され、接合部42aの後端は、縦断面視して上方方向に凹凸状に形成されていることにより、セーフティプレート4をプレス一体成型する際に、接合部42aの後端の凹凸によってプレス加工前後の周長差を吸収して加工皺の発生を抑制できる。更に、バンパビーム3との接合に不要な部分をバンパビーム3から浮かせることで、騒音・振動の発生を低減することができる。
ちなみに、被衝突物Mが人の場合、従来構造では、衝撃吸収部材の前方部位が下向きのため、衝撃吸収部材の前端が脛骨(脛)に当たりやすいところ、本実施形態では、セーフティプレート4の前方部位が上向きのため、セーフティプレート4の前端を脛骨よりも硬い膝関節(膝)に当てることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本実施形態では、バンパビーム3とセーフティプレート4とは、溶接によって互いに連結されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、接着、ボルト、リベットなどの固定手段によって互いに連結されてもよい。
本実施形態では、セーフティプレート4の上壁部41及び下壁部42は、バンパビーム3の上壁部31又は下壁部32から前方へ延出する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図9に示すように、セーフティプレート4の上壁部41及び下壁部42は、バンパビーム3の前壁部33から前方へ延出する構成としてもよい。この場合、上壁部41及び下壁部42の接合部41a,41bは、バンパビーム3の前壁部33に接合される。
本実施形態では、セーフティプレート4の前壁部43は、鉛直状に形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、傾斜状に形成されてもよい。また、前壁部43を省略して、上壁部41及び下壁部42の前端同士を直接連結する構造にしてもよい。このようにした場合であっても、セーフティプレート4の衝撃吸収性能に影響を与えることがないため、セーフティプレート4の前方に配置されるバンパフェイスのデザインに合わせてセーフティプレート4の形状を自由に設計できる。
V 車両
3 バンパビーム
31 上壁部(上面)
32 下壁部(下面)
33 前壁部(前面)
4 セーフティプレート(衝撃吸収部材)
4a 開口部
41 上壁部
41a 接合部
41b 傾斜部(第1傾斜部)
41d 第1折れ点
41f 膨出部
42 下壁部
42a 接合部
42a1 最前部
42b 傾斜部(第2傾斜部)
42d 縦ビード(ビード)
F1〜F3 支点
L3,L4 移動周長
S 接点
M 被衝突物

Claims (5)

  1. 車幅方向に延在するバンパビームと、
    前記バンパビームの前方に設けられ、前記バンパビームに連結される衝撃吸収部材と、を備えた車体前部構造であって、
    前記衝撃吸収部材は、
    前記バンパビームの上面又は前面から前方へ延出する上壁部と、
    前記バンパビームの下面又は前面から前方へ延出する下壁部と、を有し、
    前記上壁部の前方部位には、後方から前方へ向かうにつれて上方に位置するように傾斜する第1傾斜部が設けられ、
    前記下壁部の前方部位には、後方から前方へ向かうにつれて上方に位置するように傾斜する第2傾斜部が設けられ
    前記第1傾斜部の後端には、車両が衝突した際に、衝突荷重を受けて前記上壁部が上方へ折れ曲がる基点となる折れ点が設けられ、
    前記折れ点は、前記バンパビームの前面の前方に配置され、
    前記衝撃吸収部材は、前記衝突荷重を受けたときに前記折れ点が前記バンパビームの前面に当接し、当接した前記折れ点を支点として前記第1傾斜部が鉛直になるまでの前記第1傾斜部の前端の移動周長と、前記下壁部と前記バンパビームとの連結部分の前端を支点として前記第2傾斜部が鉛直になるまでの前記第2傾斜部の前端の移動周長と、が略等しくなるように構成されていることを特徴とする車体前部構造。
  2. 記折れ点は、前記第1傾斜部の前端から前記バンパビームの前面までの車体前後方向の中間よりも後方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  3. 前記衝撃吸収部材の側端部は、車外側に開口しており、
    前記上壁の側端部近傍には、上方へ膨出する膨出部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の車体前部構造。
  4. 前記下壁部には、車幅方向に対し交差する方向に延びるビードが形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の車体前部構造。
  5. 前記下壁部の後端は、上下方向に凹凸状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の車体前部構造。
JP2012106601A 2012-05-08 2012-05-08 車体前部構造 Active JP5883719B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012106601A JP5883719B2 (ja) 2012-05-08 2012-05-08 車体前部構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012106601A JP5883719B2 (ja) 2012-05-08 2012-05-08 車体前部構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013233837A JP2013233837A (ja) 2013-11-21
JP5883719B2 true JP5883719B2 (ja) 2016-03-15

Family

ID=49760318

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012106601A Active JP5883719B2 (ja) 2012-05-08 2012-05-08 車体前部構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5883719B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3593863B2 (ja) * 1997-09-09 2004-11-24 三菱自動車工業株式会社 車両用バンパ保持装置
JP2003212069A (ja) * 2002-01-25 2003-07-30 Aisin Seiki Co Ltd 自動車用バンパ装置
JP2004322876A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Toyota Motor Corp 車体のバンパ構造
JP4350584B2 (ja) * 2004-05-07 2009-10-21 本田技研工業株式会社 車体前部構造
JP5251289B2 (ja) * 2007-08-10 2013-07-31 日産自動車株式会社 エネルギー吸収部材および車両用バンパ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013233837A (ja) 2013-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4407755B2 (ja) 車両用フード構造
US9463758B2 (en) Crash box and automobile chassis
JP4900095B2 (ja) 自動車の車体フロア構造
JP5337123B2 (ja) 車体前部構造
JP5751238B2 (ja) フェンダ支持部構造
JP6718726B2 (ja) 車両用フード
KR101376024B1 (ko) 차량용 후드
JP5396489B2 (ja) 車両用バンパー構造
JP5949532B2 (ja) リヤバンパリインフォースメント構造及び車両後部構造
JP5692119B2 (ja) 車両用カウル構造
JP5671612B2 (ja) バンパー構造
JP5207228B2 (ja) 車両用インナパネル
JP5217481B2 (ja) フェンダーパネル支持用ブラケット及び車体構造
JP4766422B2 (ja) クラッシュボックス
JP4207021B2 (ja) 車両のフェンダパネル支持構造
JP5883719B2 (ja) 車体前部構造
JP4396391B2 (ja) フェンダーパネルの支持構造
JP6256437B2 (ja) 車両前部構造
JP2006306121A (ja) 車両のフェンダパネル支持構造
JP2007245942A (ja) 車両用カウル構造
JP5282596B2 (ja) 車両の車体構造
JP2007182135A (ja) 車両用フード構造
JP7213292B2 (ja) 車体後部構造
JP6671089B2 (ja) 車両前部構造
JP4958717B2 (ja) 車輌用フード及び車輌フード用補強材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150929

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160208

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5883719

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150