JP5147003B2 - サイドメンバー - Google Patents

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Description

本発明は、サイドメンバーに関する。具体的には、本発明は、自動車等の車体の強度を維持するとともに、車両の衝突時には発生する衝撃エネルギーを吸収するためのサイドメンバーに関する。
自動車等の車両は、例えば前方衝突のような衝突の際には車両の前端から後端へ向けて順次配置される衝撃吸収部材により衝撃エネルギーを吸収することによってキャビン内の乗員を保護できるように、設計される。このような衝撃吸収部材の一例としてサイドメンバーやクラッシュボックスがある。
周知のように、サイドメンバーは、サスペンションやエンジン、さらにはミッション等をアンダーボディー(プラットフォーム)に装着する際に介在される骨格であって、モノコックボディーの骨格をなしてアンダーボディーの強度の維持を第1義的に要求される強度部材である一方で、衝突事故等により負荷される衝撃荷重を第一義的に負担することとなる部材でもあるので、強度部材として要求される十分な強度を有した上でさらに衝撃エネルギーを吸収することができる衝撃吸収性能も要求される。サイドメンバーとしては、エンジンコンパートメント(エンコン)内の左右の縦壁部に前後方向へ略水平に延設して溶接されるフロントサイドメンバーや、リアフロアーの下面に前後方向へ略水平に延設して溶接されるリアーサイドメンバー等があり、これらの全長は当然のことながら車両のエクステリアデザインや寸法によって異なるが、通常600〜1200mm程度である。
一方、クラッシュボックスは、自動車のバンパーレインフィースに適宜手段により固定されるとともに上述したサイドメンバーの端面(フロントサイドメンバーでは前端面、リアーサイドメンバーの場合には後端面)に板状の取り付け部材を介して、具体的には、クラッシュボックスの端面に溶接等により装着されたバックプレートと、サイドメンバーの端部に溶接等により装着されたセットプレート(又はサイドメンバーの端部に設けたフランジ)とを重ね合わせてこれらをボルト及びナットで締結することによって、脱着自在に装着される部品である。
クラッシュボックスは、車両の衝突時にその軸方向(本明細書ではクラッシュボックスの長手方向を意味する)へ衝撃荷重が負荷されると、サイドメンバーが塑性変形する前に優先して、軸方向へ繰り返し座屈して蛇腹状(アコーディオン状)に塑性変形することによって、衝突エネルギーを吸収する。このクラッシュボックスに要求される衝撃吸収性能とは、大別すると、(a)衝撃荷重が軸方向へ負荷されると倒れや曲がりを生じずに軸方向へ安定して繰り返し座屈することにより蛇腹状に塑性変形すること、(b)クラッシュボックスの圧壊の後半まで荷重低下がないこと、さらには、(c)クラッシュボックスの圧壊の際に発生する最大反力がこのクラッシュボックスを介して衝撃荷重を負荷される、例えばサイドメンバー等の他の部材を破壊しない範囲に抑制され、その結果クラッシュボックスの圧壊が完了するまでの間にサイドメンバー等の損傷が生じないことの3点である。
クラッシュボックスをボディーシェルの所定の位置に装着することにより、(a)溶接によりボディーシェルに装着されることからその交換が事実上困難なサイドメンバーの機能の低下を抑制するとともにキャビン内の乗員を保護する機能を向上することによる安全性の向上と、(b)低速での軽衝突の際には、サイドメンバーの損傷を防止し、衝突により損傷したバンパー及びクラッシュボックスのみ交換することで補修できることによる修理費の低減とを、ともに図ることができる。
これまでにも、このクラッシュボックスの衝撃吸収性能を向上させるための材質や形状に係る発明が、多数提案されている。例えば、クラッシュボックスを構成する筒状体の外壁に、軸方向と直交する方向へのビードを、軸方向について複数列形成することにより、クラッシュボックスを軸方向へ繰り返し安定して座屈させる発明が知られており、既に実用化されている。しかし、この発明では、軸方向へ繰り返し座屈する途中においてクラッシュボックスが大きく屈曲変形してしまうことが多く、この場合には、軸方向の一部でしか蛇腹状に塑性変形しない。このため、狙いとする蛇腹状の塑性変形を安定して得ることが難しくなり、衝撃エネルギーの吸収量も少ない。
そこで、本出願人らは、先に、国際公開第WO2005−010398号(特願2005−512120号、特許第3912422号)により、図16に実線で示すように、略述すれば、横断面をなす多角形(図示例では八角形ABCDEFGH)の長辺DE、HAに内部へ向けて凸となるとともに軸方向(図16における両矢印方向)へ向けて延設される、溝部1a、1b、1c及び1d(図示例では略台形状の横断面形状)を有する筒状体1を備え、軸方向へ向けて負荷される衝撃荷重により確実に繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することにより衝撃エネルギーを吸収するクラッシュボックス2に係る特許発明を提案した。
この提案に係る特許発明によれば、クラッシュボックス2を構成する筒状体1の横断面をなす八角形ABCDEFGHの長辺DE、HAに内部へ向けて凸となるとともに軸方向へ向けて延設される溝部1a〜1dを形成するので、溝部1a〜1dを設けられた部分の剛性が高まり、これにより、軸方向へ衝撃荷重を負荷されて繰り返し座屈する途中においてクラッシュボックスが倒れや曲がりを生じることを防止しながら、軸方向へ安定して繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することができ、これにより、単位質量当たりの衝撃吸収エネルギー量を飛躍的に高めることができる。
国際公開第WO2005−010398号
本発明者らは、衝撃吸収部材の代表例として、特許文献1により提案したクラッシュボックス2をサイドメンバー5の前部へ装着することを、FEM数値解析により検討した。
具体的には、図17に示すように、図16において実線で示す特許文献1により開示されたクラッシュボックス2を構成する筒体1の後端面1eを、取り付け部材である取り付け板3の一方の平面3aに適宜手段により固定し、取り付け板3の他方の平面3bに、略ハット型の横断面を有する部材5aとこの部材5aの端部の二つのフランジ9a、9bを介して重ね合わせ溶接されるクロージングプレート5bとにより構成される扁平かつ矩形の横断面を有する周知慣用のフロントサイドメンバー5の前端面を、適宜手段により固定する状況を想定する。
本例では、取り付け板3は、クラッシュボックス2のサイドメンバー5側の端部に溶接等の適宜方法により締結された板3−1と、サイドメンバー5のクラッシュボックス3側の端部に溶接等の適宜方法により締結された板3−2により構成される。
図16における平面図は、クラッシュボックス2を構成する筒体1の後端面1eを、フロントサイドメンバー5の一方の端面に投影したときにおける両者の位置関係を示す説明図である。この説明図に示すように、クラッシュボックス2の横断面の基本をなす八角形ABCDEFGHの長辺DE、HAが、フロントサイドメンバー5の横断面をなす長方形の長辺に一致するように、クラッシュボックス2の各部寸法を設定する。なお、図16に示す配置とは異なり、クラッシュボックス2の角部A、D、E、Hを、フロントサイドメンバー5の角部に一致させるように配置する場合もある。ここでは、図16に示す配置を対象として説明する。
図17は、このFEM数値解析の解析要領を示す説明図である。同図に示すように、この数値解析では、取り付け板3(板厚2mm、440MPa級の板材)を介して固定されたクラッシュボックス2(軸方向長さ200mm、板厚1.2mm、440MPa級の板材)及びフロントサイドメンバー5(軸方向長さ400mm、部材5aの板厚1.8mm、クロージングプレート5bの板厚1.6mm、いずれも440MPa級の板材)を解析対象とし、フロントサイドメンバー5の他方の端面を固定面6に完全に固定することによってこの解析対象を鉛直上方向きに固定して配置するとともに、クラッシュボックス2の上端面には天板8(板厚1.6mm)を溶接により固定し、上方から、質量が1500kgの落錘体7を落下させてクラッシュボックス2に初速16km/hで衝突させることにより解析対象に14.8kJの衝突エネルギーを与え、解析対象の圧壊時における変形挙動を数値解析した。
この数値解析では、クラッシュボックス2と落錘体7との摩擦係数は0.3とし、ひずみ速度依存性はCowper−Symonds則により考慮した。
その結果、図16における平面図に示す位置関係でクラッシュボックス2をフロントサイドメンバー5に対して配置した場合、意外にも、クラッシュボックス2が本来有する優れた衝撃吸収性能を十分に発揮できなくなるという、新たな課題があることが判明した。つまり、特許文献1により提案したクラッシュボックス2単体では十分な衝撃吸収能を有するにもかかわらず、サイドメンバーの端部への装着の態様によっては、クラッシュボックス2が本来有する優れた衝撃吸収能を発揮できなくなる。
本発明者らは、この課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、例えば、特許文献1により提案したクラッシュボックス等の衝撃吸収部材に負荷された衝撃荷重を、サイドメンバー等の他の部材へ確実に伝達して衝撃吸収部材を確実に蛇腹状に塑性変形させるためには、扁平な多角形により構成される横断面形状を有する筒状体により構成されるサイドメンバーに関して、その筒状体の一方の端面を含む端部に、筒状体の軸方向と略平行な方向へ向けて衝撃荷重を受けた際に長辺を含む外壁に生じる撓みを低減するための撓み低減手段を設けることが有効であることを知見し、さらに検討を重ねて、本発明を完成した。
本発明は、離間して対向する一対の長辺及び短辺を有する扁平な多角形により構成される横断面形状を有する筒状体により構成され、筒状体の一方の端面を含む端部に、筒状体の軸方向と略平行な方向へ向けて衝撃荷重を受けた際に長辺を含む外壁に生じる撓みを低減するための撓み低減手段を備えることを特徴とするサイドメンバーである。
本発明は、離間して対向する一対の長辺及び短辺を有する扁平な多角形により構成される横断面形状を有する筒状体により構成され、筒状体の一方の端面を含む端部に、筒状体の軸方向と略平行な方向へ向けて衝撃荷重を受けた際に長辺を含む外壁に生じる撓みを低減するための撓み低減手段を備えるサイドメンバーであって、一方の端面には、この端面に対向して配置される端面を備えるクラッシュボックスが配置されることこの一方の端面と、クラッシュボックスの、前記一方の端面に対向して配置される端面との間に板状部材が配置されること、クラッシュボックスは、対向して配置される端面を含む端部を構成する側壁に内部へ向けて凸となるとともに軸方向へ向けて延設される溝部を有する筒状体により構成され、この筒状体の軸方向と略平行な方向へ向けて負荷される衝撃荷重により繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することにより衝撃エネルギーを吸収すること、および、溝部の全ては、対向して配置される端面を、前記一方の端面に投影したときに前記外壁によって分割される位置に、存在することを特徴とするサイドメンバーである。
この本発明に係るサイドメンバーでは、撓み低減手段が、一方の端面を含む端部を有する筒状体の内部に配置されて一対の長辺を含む二つの外壁を接続する長辺接続部材であることが例示され、この場合さらに長辺接続部材が板材であることが例示される。しかし、本発明における撓み低減手段は、これに限定されるものではなく、例えば(a)例えば、いわゆるテーラードブランクや圧延によって板厚が部分的に異なる差厚鋼板等を適宜用いることにより、この端部の板厚をこの端部を除く部分の板厚よりも大きく設定すること、(b)いわゆるテーラードブランクを用いることによりこの端部の強度をこの端部を除く部分の強度よりも高く設定すること、(c)筒状体の稜線部分を構成する外壁部分を複数回折り返すことにより部分的に見掛けの板厚を増加すること等を用いてもよい。
また、長辺接続部材も板材に限定されるものではなく、角パイプ等やH形鋼等の各種の横断面形状を有する部材を用いるようにしてもよい。要するに、一対の長辺を含む二つの外壁を接続することができる部材であれば等しく適用される。
これらの本発明に係るサイドメンバーでは、前記一方の端面を含む端部が、前記一方の端面から該一方の端面を含む端部を有する筒状体の軸方向へ向けて、長辺の長さの少なくとも25%までの範囲の部分であることが望ましい
た、溝部が、クラッシュボックスを構成する筒状体における対向して配置される端面から他方の端面へ向けて、筒状体の軸方向の長さの少なくとも30%の範囲の全てに設けられることが望ましい。
また、クラッシュボックスを構成する筒状体が略矩形の基本断面を有するとともに、溝部はこの基本断面を構成する長辺を含む側壁に設けられることが望ましい
さらに、これらの本発明では、溝部が、略台形状又は略V字状の横断面を有する溝部であることが望ましい。さらに、これらの本発明では、クラッシュボックスを構成する筒状体が、閉断面構造を有するとともに外部へ向けたフランジを有さないことが望ましい。
本発明に係るサイドメンバーによれば、例えば特許文献1により開示された溝部を有するようなクラッシュボックスが本来有する優れた衝撃吸収能を、車体に搭載した場合にも十分に発揮することができ、これにより、自動車等の車両の衝突時に発生する衝撃エネルギーを確実かつ十分に吸収することができる。
また、本発明に係るサイドメンバーによれば、クラッシュボックスを構成する筒体の軸方向に対して斜め方向へ向けて負荷される衝撃荷重に対しても、クラッシュボックスの曲がり変形の発生を抑制することができるために、連続的に安定して蛇腹状の塑性座屈変形を発生することができ、これにより、斜め衝突に対してもクラッシュボックスに優れた衝撃吸収性能を発揮させて、斜め衝突時に発生する衝撃エネルギーを確実かつ十分に吸収することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明に係るサイドメンバーを実施するための最良の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の実施の形態の説明では、クラッシュボックスが特許文献1により開示された特許発明に係るクラッシュボックスである場合を例にとる。しかし、本発明は、このクラッシュボックスに限定されるものではなく、略述すれば、筒状体により構成される部材の一方の端面を、筒状体により構成されるサイドメンバーの軸方向の一方の端面に対向して配置することにより、軸方向と略平行な方向へ向けて負荷される衝撃荷重により繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することにより衝撃エネルギーを吸収するためのクラッシュボックスであれば、特許文献1により開示されたクラッシュボックス以外のクラッシュボックスに対しても同様に適用可能である。また、以降の実施の形態の説明では、サイドメンバーの側壁が、クラッシュボックスに設けられる全ての溝部を跨いで配置される場合を例にとるが、本発明はこの形態に限定されるものではなく、一部の溝部を跨いで配置される場合や、いずれの溝部も跨がないで配置される場合にも適用可能である。
図1は、本実施の形態のサイドメンバー15を示す説明図であり、同図中の平面図は、サイドメンバー15の一方の端面をクラッシュボックス11の一方の端面に投影したときの両者の位置関係を示す説明図である。
本実施の形態のサイドメンバー15は、上述したように、特許文献1により開示された特許発明に係るクラッシュボックスを、その前端面に装着されるものであるので、はじめに、特許文献1により開示された特許発明に係るクラッシュボックスと共通する部分を簡単に説明し、次に本実施の形態のサイドメンバー15を説明する。
本実施の形態のクラッシュボックス11は、軸方向へ負荷される衝撃荷重を受けて蛇腹状に座屈することにより衝突エネルギーを吸収する筒状体12を備える。
筒状体12は、後述する溝部12c、12dを有するように例えばプレス成形された第1の部材13aと、溝部12a、12bを有するように例えばプレス成形された第2の部材13bとを、それぞれの端部に形成される平面部(図1の平面図における左右の縦壁面)で重ね合わせ、この重ね合わせ部で適宜手段(例えばレーザー溶接やスポット溶接)により接合することにより、組み立てられる。このため、筒状体12は、その横断面形状が図示するような略多角形を有する閉断面であるとともに、この閉断面の外側へ向けたフランジを具備しないものである。
さらに、筒状体12の横断面形状は、略多角形を構成する複数の頂点のうちの一部を直線で連結して得られる多角形のうちで最大の面積を有する断面である基本断面の多角形ABCDEFGHの辺DE、HAの一部の領域であって、かつこの辺の端点D、E、H及びAを除いた位置に、内側へ向けて凸となる溝部12a、12b、12c、12dを、筒状体12の軸方向へ向けて有する。
つまり、このクラッシュボックス11は、筒状体12の基本断面をなす八角形(辺AB、BC、CD、DE、EF、FG、GH、HAから構成され八角形)の長辺を含む側壁に、内部へ向けて凸となるとともに軸方向(図1における両矢印方向)へ向けて延設される、溝部12a〜12dを形成される筒状体12により構成されるものである。筒状体12が、その軸方向へ向けて負荷される衝撃荷重により繰り返し座屈し、最終的に蛇腹状に塑性変形することによって、クラッシュボックス11は衝撃エネルギーを吸収する。
本実施の形態では、溝部12a〜12dが略台形状の横断面形状を有する場合を例にとった。しかし、溝部12a〜12dの横断面形状は略台形状に限定されるものではなく、例えば略V字状等の略台形状以外の形状の場合であっても、同様の作用効果が奏される。
また、本実施の形態では、溝部12a〜12dを筒状体12の軸方向の全域に形成した場合を例に取ったが、溝部12a〜12dは軸方向の全域に設ける必要はなく、筒状体12のサイドメンバー15側の端面から他方の端面へ向けて、筒状体12の軸方向の長さの少なくとも30%の範囲の全てに設けられていれば、後述する本発明の作用効果が奏せられる。
このクラッシュボックス11は、特許文献1により開示されるように、筒状体12の横断面をなす多角形ABCDEFGHの辺部分DE、HAに、内部へ向けて凸となるとともに軸方向へ向けて延設される溝部12a〜12dを形成されており、これら溝部12a〜12dを設けられた部分の剛性が高まっているので、隔壁の追加や板厚の増加を行わなくとも、軸方向へ衝撃荷重を負荷されて繰り返し座屈する途中において筒状体12が倒れや曲がりを生じることが防止される。このため、クラッシュボックス11は、質量の増加を伴わずに軸方向へ安定して繰り返し座屈でき、これにより、最終的に蛇腹状に塑性変形することができる。したがって、単位質量当たりの衝撃エネルギーの吸収量を飛躍的に向上することができる。
図1に示すように、本実施の形態では、このクラッシュボックス11を構成する筒状体12の後端面12eを、取り付け部材である取り付け板14の一方の平面14aに適宜手段により固定するとともに、この取り付け板14の他方の平面14bに、サイドメンバー15の前端面を適宜手段により脱着自在に固定する。
本実施の形態では、取り付け板14は、クラッシュボックス11のサイドメンバー15側の端面に溶接等の適宜方法により締結された板14−1と、サイドメンバー15のクラッシュボックス11側の端面に溶接等の適宜方法により締結された板14−2により構成され、板14−1、14−2はボルト及びナット(図示しない)で締結される。
このようにして、クラッシュボックス11の一方の端面12eが、サイドメンバー15の一方の端面に配置される取り付け板14を介して、サイドメンバー15の一方の端面に対向して配置される。
図1に示す本実施の形態に係るサイドメンバー15は、略ハット型の横断面を有する部材15aと、この部材15aの両端部に形成される二つのフランジ16a、16bを介して重ね合わせ溶接されるクロージングプレート15bとにより構成される扁平かつ矩形の横断面を有するものである。
本実施の形態では、図1中の平面図に示すように、サイドメンバー15を構成する筒状体における一方の端面を、筒状体12における一方の端面12eに投影したときに、サイドメンバー15の側壁が、筒状体12に設けられる溝部12a〜12dを分割する位置に、存在する。
上述したように、本実施の形態のクラッシュボックス11の特徴は、筒状体12の外壁に内部へ向けて凸となるとともに軸方向へ向けて延設される溝部12a〜12dを形成した点であり、これら溝部12a〜12dを設けられた部分の剛性が高いので、隔壁の追加や板厚の増加を行わなくとも、軸方向へ衝撃荷重を負荷されて繰り返し座屈する途中において筒状体12が倒れや曲がりを生じることが防止され、確実に蛇腹状に塑性変形するという、優れた作用効果が奏される。
しかし、上述した図11の平面図に示すように、溝部1a〜1dをサイドメンバー5の外壁の内部に配置してしまうと、溝部1a〜1dの裏側(サイドメンバー5側)にはクラッシュボックス2を支持する部材が存在しない、いわば空洞の状態となる。このため、溝部1a〜1dから伝播される衝撃荷重は取り付け板3の曲げ剛性のみで受けることになるか、あるいは取り付け板3を設けない場合には衝撃荷重を全く受けることができない。このため、衝突の初期に取り付け板3やサイドメンバー5の先端側が大きく撓んでしまい、その結果、クラッシュボックス2のサイドメンバー5側の端部(後端部)も大きく撓んでその断面形状が変形し、この部分及び近傍にひずみが衝突の初期から生じる。
一般的に、軸方向へ向けて存在する稜線を有する筒状の部材に、その軸方向へ衝撃荷重を負荷された場合、衝撃荷重を負荷された一方の端部から他方の端部へ向けて繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することにより衝撃エネルギーを吸収するためには、上記一方の端部側のみにひずみが生じ、他方の端部側には塑性ひずみは殆ど生じずに剛性を保持できることが重要である。これによって、稜線に確実に軸方向への圧縮力が作用し、一方で面外変形が抑制されるため、順次繰り返し座屈することが高荷重負荷下で実現される。
ところが、上述したように、衝突の初期に取り付け板3やサイドメンバー5の先端側が撓んでしまうと、クラッシュボックス2の稜線に負荷される軸方向への圧縮力が減少し、繰り返し座屈を生じなくなるので、特に軸方向への圧壊の後半に荷重が大きく低下し、衝撃エネルギーの吸収量が低下する。
これを防ぐには、例えば取り付け板3の板厚を相当程度増加すればよいが、これでは取り付け板3の重量が増加し、自動車車体の軽量化の要請に応えることができない。
これに対し、本実施の形態では、図1の平面図に示すように、筒状体12に設けられる溝部12a〜12dがフロントサイドメンバー15の側壁によって分割されるように、すなわち溝部12a〜12dがフロントサイドメンバー15の外壁を跨ぐように、配置される。このように、サイドメンバー15に対してクラッシュボックス11を配置するには、クラッシュボックス11を構成する筒状体12の各部寸法を、図10に示すクラッシュボックス2の筒状体1から適宜変更すればよい。本実施の形態では、第1の部材13aと第2の部材13bとの重ね合わせ部となるそれぞれの平面(図1の平面図における左右の縦壁面)の長さを長く設定することとした。
これによって、溝部12a〜12dから伝達される荷重に対して、サイドメンバー15の外壁によって反力を生じることができるため、取り付け板14やサイドメンバー15の先端部の撓みが抑制される。これにより、クラッシュボックス11のサイドメンバー15側の端部で圧壊初期に撓み等によるひずみを生じることなく、先端部側から後端部側へ確実に繰り返し座屈変形することができる。
以上の構成により、サイドメンバー15よりも先に優先してクラッシュボックス11を圧壊させて蛇腹状に塑性変形させることが、確かに可能である。しかし、さらに確実に、クラッシュボックス11が圧壊を完全に完了するまではサイドメンバー15が損傷しないようにすることが望ましいことはいうまでもない。
ここで、本実施の形態のサイドメンバー15は、略矩形断面を有し、かつ扁平な断面輪郭を呈する。この場合、サイドメンバー15の先端部では、一対の長辺15−1、15−2を含む二つの外壁15−3、15−4における撓み変形が短辺部分における撓み変形よりも多い。
そこで、本実施の形態では、蛇腹状に塑性変形して完全に剛体化するまでクラッシュボックス11を圧壊する間にサイドメンバー15を損傷させないために、図1及び図2(a)〜図2(c)に例示するように、サイドメンバー15の補強部材として、各種の中板17a〜17dを配置する。
図2(a)〜図2(c)は、本実施の形態で用いるサイドメンバー15の撓み低減手段17の各種例を示す説明図である。
本実施の形態では、図1及び図2(a)に示すように、サイドメンバー15の筒状体の内部であって、その一方の端面を含む端部(図1に示す軸方向への領域Y)に、この筒状体の軸方向と略平行な方向へ向けて衝撃荷重を受けた際に、筒状体の一対の長辺15−1、15−2を含む二つの外壁15−3、15−4に生じる撓みを低減するための撓み低減手段として、一対の長辺15−1、15−2を含む二つの外壁15−3、15−4を接続する長辺接続部材である中板17aを配置する
本実施の形態の長辺接続部材である中板17aは、二つの外壁15−3、15−4の内面に接合するためのフランジ17e、17eを有する板材であり、このフランジ17e、17eを接合部として、抵抗スポット溶接やレーザー溶接等の適宜手段により接合される。
この中板17aを設ける範囲は、サイドメンバー15の端面から筒状体の軸方向へ向けて、長辺15−1、15−2の長さの25%以上の範囲であることが望ましい。この範囲が長辺15−1、15−2の長さの25%未満であると、撓み抑制効果が不十分となるからである。長辺15−1、15−2はその剛性がサイドメンバー15の断面内で最も弱く、矩形に限らず例えば八角形等の扁平な多角形からなる形状においても長辺15−1、15−2を含む外壁15−3、15−4の面外変形量が過大となり、サイドメンバー15の全体の座屈挙動が不安定となる主な原因となるので、本実施の形態では、長辺15−1、15−2を含む外壁15−3、15−4を中板17aにより拘束してその撓みを抑制する。
このような趣旨からは、中板17aを設ける範囲の上限は特に規定する必要はないが、長過ぎるとサイドメンバー15の質量増加に直結するので、サイドメンバー15の仕様等を勘案して、適宜決定すればよい。
上述した図2(a)に示す中板17aが最も簡単な構造であるが、図2(b)に示すように複数の中板17b、17cを設けてもよいし、斜め衝突などの非対称の荷重入力を想定する場合には図2(c)に示すように一対の長辺のうちで片側の長辺のみを拘束するようにしてもよい。
このため、本実施の形態によれば、中板17aを設けたことにより、取り付け板14に負荷された衝撃荷重がサイドメンバー15に確実に伝達されることとなり、クラッシュボックス11にはその軸方向へ十分な荷重が負荷されることとなり、クラッシュボックス11が本来有する衝撃吸収エネルギー量を十分に確保できる。
このようにして、本実施の形態によれば、特許文献1により開示されたクラッシュボックスが本来有する衝撃吸収能を十分に発揮して、自動車等の車両の衝突時に発生する衝撃エネルギーを十分に吸収することができるサイドメンバー15を提供することができる。
以上の実施の形態の説明では、本発明に係るサイドメンバー15がハット型の部材15aと、平板状のクロージングプレート15bとにより構成される筒状体である場合を例にとったが、本発明はサイドメンバー15の形状には限定されるものではなく、筒状体からなるサイドメンバー15であれば同様に適用可能である。すなわち、本発明は、図1,2に示す横断面形状を有するサイドメンバー15に限定されるものではなく、公知の各種のサイドメンバーに対しても同様に適用可能である。例えば、図3(a)に示す横断面を有するサイドメンバー15Aのようにフランジの向きが左右で異なる場合、図3(b)に示す横断面を有するサイドメンバー15Bや図3(c)に示す横断面を有するサイドメンバー15Cのように六角形の横段面を有する場合、さらには図3(d)に示すサイドメンバー15Dのように八角形の横段面を有する場合等が例示される。
また、実施の形態の説明では、取り付け板14を設ける場合を例にとったが、取り付け板14は必ずしも用いる必要はない。
また、本発明における取り付け部材は、取り付け板14に限定されるものではなく、クラッシュボックス11及びサイドメンバー15を取り付けることができる部材であれば、同様に適用可能である。例えば、クラッシュボックス11のサイドメンバー15側の端面に板状の取り付け板を適宜手段により固定するとともに、サイドフレーム15のクラッシュボックス11側の端面に外向きのフランジを設けておき、取り付け板及びフランジを重ね合わせて両者を貫通するボルト及びナットにより締結することにより、サイドメンバー15にクラッシュボックス11を脱着自在に設けるようにしてもよい。
また、実施の形態の説明では、4つの溝12a〜12dの全てが、サイドメンバー15の外壁を含む位置に存在する場合を例にとったが、これに限定されるものではなく、例えば、斜め衝突等の非対称の荷重入力を想定する場合には、先に荷重が入力される側に位置する溝部のみがサイドメンバー15の外壁を含む位置に存在するようにしてもよい。
さらに、実施の形態の説明では、図1中の平面図に示すように、クラッシュボックス11の辺BC、FGがサイドメンバー15の外壁と一致しているが、一致させる必要はない。ただし、辺AB、CD、EF、GHがいずれもサイドメンバー15の外壁と交差する位置に存在することが望ましい。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2を説明する。なお、以降の説明は、上述した実施の形態1と相違する部分について行い、共通する部分については同一の符号を付することにより重複する説明を適宜省略する。このため、以降の説明において記載されていない部分は、上述した実施の形態1と同様である。なお、以降の実施の形態の説明では、サイドメンバーの側壁が、クラッシュボックスに設けられるいずれの溝部を跨がないで配置される場合を例にとるが、本発明はこの形態に限定されるものではなく、一部又は全部の溝部を跨いで配置される場合にも適用可能である。
本実施の形態が実施の形態1と相違するのは、クラッシュボックス及びサイドメンバーの形状であるので、これらについて説明する。
図4は、本実施の形態のサイドメンバー20の構成を模式的に示す説明図であり、同図中の平面図は、サイドメンバー20の一方の端面をクラッシュボックス30の一方の端面に投影したときの両者の位置関係を示す説明図である。
本実施の形態のクラッシュボックス30は、図4に示すように、対向して配置された一対のコーナー部31、32と、この一対のコーナー部31、32同士を結ぶ線に直交して配置された他の一対のコーナー部33、34とを備え、かつ外側にフランジを有さないとともにコーナー部31〜34により規定される四角形の横断面形状を有する金属製の筒体35から構成される。
本実施の形態のクラッシュボックス30は、外側にフランジを有さないとともにコーナー部31〜34により規定される四角形の横断面形状を有する金属製の筒体35により構成するが、これとは異なり、外側にフランジを有する筒体によりクラッシュボックスを構成するようにしてもよい。
このように、このクラッシュボックス30は、車幅方向(図4中の平面図における左右方向)又は車高方向(図4中の平面図における上下方向)に、横断面形状の外郭をなす剛性が高い稜線部であるコーナー部31〜34を配置する四角形の断面形状を有する。
このクラッシュボックス30の横断面形状は、一対のコーナー部31、32を通する仮想の線Lに対称な形状である。さらに、他の一対のコーナー部33、34を通過する仮の線Mに対称な形状であることが望ましい。対称性が高まるほど、それだけ多様な入力方向からの斜め荷重に対する性能が向上するからである。
オフセット衝突の場合、車幅方向又は上下方向への斜め荷重が入力されるので、クラッシュボックス30に曲げモーメントが生じる。このような斜め方向からの荷重入力に対してもクラッシュボックス30が安定して塑性座屈変形を発生するためには、曲げモーメントによって生じる全体での曲げ変形(折れ曲がり)を抑制することと、入力された衝撃荷重によって、筒体35の軸方向へ衝撃荷重が入力された場合と同様の座屈波長が短い連続的な塑性座屈変形を発生することが重要である。筒体35全体での曲げ変形を生じる場合は、座屈波長が長い変形となるからである。そこで、荷重が作用する外郭端に該当する位置に剛性が高いコーナー部33、34を配置する。このため、このクラッシュボックス30では、図4に示すように、断面中心を通る直線上にコーナー部31〜35を配置する。
また、このクラッシュボックス30では、一対のコーナー部31、32の成す内角の角度θ、θを90°以上150°以下とする(本実施の形態ではいずれも120度)とともに、他の一対のコーナー部33、34の成す内角の角度θ、θを30°以上90°以下とする(本実施の形態ではいずれも60度)。この理由を説明する。
稜線部であるコーナー部31〜34の剛性は、稜線部に存在する円弧長によって決定され、コーナー部31〜34が特定の曲率半径で設定される場合、この円弧長は、コーナー部31〜35の内角によって変化する。したがって、斜め方向から入力される衝撃荷重により生じる曲げモーメントに対してクラッシュボックス30が全体での曲がりを生じることなくこの衝撃荷重により塑性座屈変形を発生するためには、一対のコーナー部31、32の成す内角の角度θ、θを90°以上150°以下とする。θ、θが150°を超えると、クラッシュボックスの製造ならびに設計スペースを考慮に入れた範囲で決定される現実的な曲率半径(1.5〜10.0mm程度)の場合に、コーナー部33、34の円弧長が短くなり過ぎて所望の剛性を確保することができなくなり、狙いとする塑性座屈変形を生じることができなくなる。
また、他の一対のコーナー部33、34の成す内角の角度θ、θは、一対のコーナー部31、32の成す内角の角度θ、θと連動するので、角度θ、θを90°以上150°以下とすることに伴って、30°以上90°以下とする。
一対のコーナー部31、32に比べ、他の一対のコーナー部33、34がより高い曲げ剛性が要求される場合は、一対のコーナー部31、32の成す角度θ、θが、他の一対のコーナー部33、34の成す角度θ、θよりも大きいことが望ましい。
このクラッシュボックス30は、剛性が高い稜線部であるコーナー部31〜34における斜め荷重の負担度合いを増加させることが可能な形状、すなわち斜め荷重の入力方向に対してコーナー部31〜34が配置される横断面形状とする。また、コーナー部31〜34を設ける横断面形状とすることにより、斜め方向から入力される荷重に対して生じる面外変形を小さくすることができるとともにし、コーナー部31〜34に対する圧縮ひずみを高めることができる。
さらに、このクラッシュボックス30は一対のコーナー部31、32を通過する仮想の直線Lに対称に配置される2組の対をなす辺(36、37)、(38、39)のうちの全てに、一対のコーナー部31、32と、他の一対のコーナー部33、34とを除く位置に、長手方向へ延びるとともに内部へ向けて凸となる1又は複数(図3では一つの場合を示す)の溝40〜43を有している。
そして、これらの溝40〜43は、辺36〜39における、板厚t(mm)、辺36〜39の長さW(mm)、溝40〜43の個数N、及びN個の溝40〜43の開口幅の平均値Wc(mm)が、下記式(1)の関係を充足することが望ましく、下記式(1’)の関係を充足することがさらに望ましい。
5<(W−N×Wc)/(N+1)/t<50 ・・・・・・・(1)
5<(W−N×Wc)/(N+1)/t<30 ・・・・・・(1’)
これにより、このクラッシュボックス30は、短い座屈波長により蛇腹状に塑性座屈変形することができ、高い衝撃吸収エネルギー吸収性能を得られる。この理由を説明する。
クラッシュボックス30が連続的な塑性座屈(進行性座屈)を生じ、その変形によって生じる荷重履歴によって決定される衝撃吸収エネルギー吸収量を高めるためには、座屈発生から次の座屈発生までの荷重変動を抑制すること、すなわち、座屈波長を短くすることが有効である。この座屈波長は、クラッシュボックス30の横断面において衝撃荷重によって生じる面外変形(変位)と密接な関係があり、この面外変形の量が大きいと座屈波長が長くなり、一方面外変形が小さいと座屈波長が短くなる。そのため、クラッシュボックス30の横断面で生じる面外変形を小さくするためには、横断面を構成する辺36〜39の幅、すなわち隣接するコーナー部31〜34間の距離を小さくすればよい。
具体的には、コーナー部31〜34の間の距離Wを、筒体35の板厚tの50倍未満とする。すなわち、コーナー部31〜34の間の距離Wが板厚tの50倍以上となる辺36〜39には、図4に示すように、溝40〜43をそれぞれ設けることによって、辺36〜39を分断する。なお、コーナー部31〜34の間の距離Wが板厚の50倍未満の場合であっても、辺36〜39に溝40〜43を設けることにより辺36〜39をさらに細かく分断するようにしてもよい。
溝40〜43は、斜め荷重が作用した際における全体での曲がり変形の抑制とともに、その荷重によって塑性座屈変形の起点となるコーナー部31〜34を含まない位置に設けることが望ましい。
このように、クラッシュボックス30は、辺36〜39の幅Wが大きい横断面形状である場合に、短い座屈波長を得るために辺36〜39に溝40〜43を設けて、この溝40〜43により新たな稜線部を形成し、辺36〜39の幅を、短い座屈波長を得られる範囲に制御するものである。
なお、溝40〜43の深さdが浅過ぎると、上述した辺36〜39を分断する効果が弱まるため、溝40〜43の深さdは10mm超とすることが望ましい。
このクラッシュボックス30では、全てのコーナー部31〜35の曲率半径Rが、溝40〜43を構成する角部40a〜40d、41a〜41d、42a〜42d、43a〜43dのいずれの曲率半径Rcより大きいことが望ましい。この理由を説明する。
薄肉円環の断面2次モーメントは、径及び肉厚によって支配され、径が大きいほど断面2次モーメントは大きくなり、曲げ強度に影響を及ぼす断面係数も同様に径が大きいほど増大する。すなわち、クラッシュボックス30に対し斜め方向から荷重が作用した際に生じる曲げモーメントに対して曲げ変形を抑制するためには、横断面の外郭に位置して入力される荷重を支持するコーナー部31〜34の断面2次モーメントを大きくとることが有効である。また、溝40〜43を構成する角部40a〜40d、41a〜41d、42a〜42d、43a〜43dの曲率半径を大きくすると、溝40〜43での変形抵抗が過度に高まり、この部分での塑性座屈変形が生じ難くなる。
以上の理由により、本発明では、クラッシュボックス30の全体の曲げ強度を最も支配する全てのコーナー部31〜34の曲率半径Rを、溝40〜43を構成する角部40a〜40d、41a〜41d、42a〜42d、43a〜43dの曲率半径Rcより大きくすることが望ましい。
このように、本実施の形態のクラッシュボックス30は、車幅方向又は車高方向にコーナー部31〜34を配置し、そのコーナー部31〜34を形成する内角θ〜θを最適な範囲に制御するとともに、一対のコーナー部31、32を通過する仮想の直線Lに対称に配置される2組の対をなす辺(36、37)、(38、39)に、コーナー部31〜34を除く位置に長手方向へ延び、内部へ向けて凸となるとともに式(1)を満足する1又は複数の溝40〜43を設けることによって、斜め荷重が入力された場合の曲げ強度を向上させるとともにこの衝撃荷重により塑性座屈変形を発生するものである。
さらに、このクラッシュボックス30の筒体35は、軸方向に沿って分割される二つの構成部材35a,35bを、それぞれの縁部を重ね合わせて接合されることによって構成され、コーナー部33、34を含む領域が平面状に切り欠かれて形成される切欠き部44を備える。そして、切欠き部44は、複数の構成部材同士の重ね合わせ接合部をなしている。これにより、切欠き部44の剛性が高められており、軸方向への圧壊の際によりいっそう曲がり変形を生じ難い構造とされている。
このため、このクラッシュボックス30は、軸方向に対して斜め方向へ向けて負荷される衝撃荷重に対しても、全体での曲がり変形の発生を抑制でき、蛇腹状に塑性座屈変形することができる。
本実施の形態においても、図4に示すように、クラッシュボックス30を構成する筒体35の後端面35eを、取り付け部材である取り付け板14の一方の平面14aに適宜手段により固定するとともに、この取り付け板14の他方の平面14bに、フロントサイドメンバー20の前端面を適宜手段により脱着自在に固定する。
本実施の形態では、取り付け板14は、クラッシュボックス30のサイドメンバー20側の端面に溶接等の適宜方法により締結された板14−1と、サイドメンバー20のクラッシュボックス30側の端面に溶接等の適宜方法により締結された板14−2により構成され、板14−1、14−2はボルト及びナットで締結される。
このようにして、クラッシュボックス30の一方の端面35eが、サイドメンバー20の一方の端面に配置される取り付け板14を介して、サイドメンバー20の一方の端面に対向して配置される。
一方、図4に示す本実施の形態に係るサイドメンバー20は、軸方向に沿って分割される略ハット型の横断面を有する二つの構成部材20a、20bの両縁部に形成される二つの外向きフランジ21a、21bを介して互いに重ね合わせ溶接されることによって、扁平かつ矩形の横断面形状を有するように、構成される。
このサイドメンバー20の内部には、上述した実施の形態1と同様に中板17aが配置される。中板17aの構成や作用効果、さらには組立方等は実施の形態1と同様であるので、中板17aに関する説明は省略する。中板17aを設けたことにより、取り付け板14に負荷された衝撃荷重がサイドメンバー20に確実に伝達されることとなり、クラッシュボックス30にはその軸方向へ十分な荷重が負荷されることとなり、クラッシュボックス30が本来有する衝撃吸収エネルギー量を十分に確保できる。
本実施の形態では、図4中の平面図に示すように、クラッシュボックス30を構成する筒状体に対向して配置されるサイドメンバー20を構成する筒状体の端面を、クラッシュボックス30を構成する筒状体の端面に投影したときに、重ね合わされた外向きフランジ21a、21bが、クラッシュボックス30に設けられる切欠き部44と一致する位置に存在するとともに、クラッシュボックス30における、この切欠き部44を形成されないコーナー部31、32が、撓み低減手段17である中板17aと一致する位置に存在する。この理由を説明する。
後述するように、本実施の形態のクラッシュボックス30の特徴は、筒状体35の外壁に内部へ向けて凸となるとともに軸方向へ向けて延設される溝部40〜43を形成した点であり、これら溝部40〜43を設けられた部分の剛性が高いので、隔壁の追加や板厚の増加を行わなくとも、軸方向へ衝撃荷重を負荷されて繰り返し座屈する途中において筒状体35が倒れや曲がりを生じることが防止され、確実に蛇腹状に塑性変形するという、優れた作用効果が奏される。
しかし、サイドメンバー20に中板17aが設けられていないと、コーナー部31、32の裏側(サイドメンバー20側)にはクラッシュボックス30を支持する部材が存在しない、いわば空洞の状態となる。このため、コーナー部31、32から伝播される衝撃荷重は取り付け板14の曲げ剛性のみで受けることになるか、あるいは取り付け板14を設けない場合には衝撃荷重を全く受けることができない。このため、衝突の初期に取り付け板14やサイドメンバー20の先端側が大きく撓んでしまい、その結果、クラッシュボックス30のサイドメンバー20側の端部(後端部)も大きく撓んでその断面形状が変形し、この部分及び近傍にひずみが衝突の初期から生じる。
一般的に、軸方向へ向けて存在する稜線を有する筒状の部材に、その軸方向へ衝撃荷重を負荷された場合、衝撃荷重を負荷された一方の端部から他方の端部へ向けて繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することにより衝撃エネルギーを吸収するためには、上記一方の端部側のみにひずみが生じ、他方の端部側には塑性ひずみは殆ど生じずに剛性を保持できることが重要である。これによって、稜線に確実に軸方向への圧縮力が作用し、一方で面外変形が抑制されるため、順次繰り返し座屈することが高荷重負荷下で実現される。
ところが、上述したように、衝突の初期に取り付け板14やサイドメンバー20の先端側が撓んでしまうと、クラッシュボックス30の稜線に負荷される軸方向への圧縮力が減少し、繰り返し座屈を生じなくなるので、特に軸方向への圧壊の後半に荷重が大きく低下し、衝撃エネルギーの吸収量が低下する。
これを防ぐには、例えば取り付け板14の板厚を相当程度増加すればよいが、これでは取り付け板14の重量が増加し、自動車車体の軽量化の要請に応えることができない。
これに対し、本実施の形態では、図4の平面図に示すように、クラッシュボックス30を構成する筒状体に対向して配置されるサイドメンバー20を構成する筒状体の端面を、クラッシュボックス30を構成する筒状体の端面に投影したときに、重ね合わされた外向きフランジ21a、21bが、クラッシュボックス30に設けられる切欠き部44と一致する位置に存在するとともに、クラッシュボックス30における、この切欠き部44を形成されないコーナー部31、32が中板17aと一致する位置に存在する。このように、サイドメンバー20に対してクラッシュボックス30を配置するには、クラッシュボックス30を構成する筒状体35の各部寸法を適宜設定すればよい。
これによって、剛性の高い切欠き部44から伝播される衝撃荷重を、剛性の高いフランジ21a、21bの重ね合わせ部で受けるとともに、コーナー部31、32から伝播される衝撃荷重を中板17aで受けることができる。
これにより、取り付け板14やサイドメンバー20の先端部の撓みが抑制される。これにより、クラッシュボックス30のサイドメンバー20側の端部で圧壊初期に撓み等によるひずみを生じることなく、先端部側から後端部側へ確実に繰り返し座屈変形することができる。
すなわち、サイドメンバーを構成する筒状体20が、周方向に、剛性に差がある高剛性部及び低剛性部を備える場合には、クラッシュボックスを構成する筒状体に対向して配置されるサイドメンバーを構成する筒状体の端面を、クラッシュボックスを構成する筒状体の端面に投影したときに、高剛性部をクラッシュボックスの切欠き部と一致する位置に存在させるとともに、低剛性部を撓み低減手段と一致する位置に存在させるのである。そして、本実施の形態のように、サイドメンバーを構成する筒状体が、軸方向に沿って分割されるハット型の二つの構成部材を、それぞれの縁部に設けられる外向きフランジを重ね合わせて接合されることによって構成される場合には、高剛性部が、重ね合わされた前記外向きフランジを含む部分であるとともに、低剛性部が、切欠き部を形成されないコーナー部を含む部分であるが、高剛性部は、この外向きフランジにより構成される場合に限られるものではなく、例えば、(a)筒状体20に設けられる適当な形状のブラケットやレインフォース、折り返し部、(b)筒状体20の構成部材20a、20bの合わせ部、(c)構成部材20a、20bのテーラードブランク化や差厚鋼板化によって構成した場合に周方向の位置の中で板厚の大きい部位、(d)構成部材20a、20bの一部に対する部分焼入れ等によっても、設けることが可能である。
このようにして、本実施の形態によれば、実施の形態1と同等にして、クラッシュボックスが本来有する衝撃吸収能を十分に発揮して、自動車等の車両の衝突時に発生する衝撃エネルギーを十分に吸収することができるサイドメンバーを提供することができる。
また、本実施の形態によれば、上述したように、クラッシュボックス30を構成する筒体25の軸方向に対して斜め方向へ向けて負荷される衝撃荷重に対しても、曲がり変形の発生を抑制することができるために、連続的に安定して蛇腹状の塑性座屈変形を発生することができ、これにより、斜め衝突に対しても優れた衝撃吸収性能を発揮して、斜め衝突時に発生する衝撃エネルギーを確実かつ十分に吸収することができる。
さらに、本発明を、参考例及び実施例を順次参照しながら、さらに具体的に説明する。
(参考例1)
本参考例1では、中板17aを装着しないことを除いて図1に示す配置構造を有する参考例の解析対象の効果をさらに明らかにするため、図16に示す配置構造を有する比較例の解析対象とともに、下記の要領で衝突試験のFEM数値解析を行った。
図5(a)〜図5(c)は、このFEM数値解析の解析条件を示す説明図である。なお、以降の説明では、上述した図1、16で説明した部材と同一の部材には、図1、16で用いた符号と同一の図中符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
図5(a)及び図5(b)に示すように、この数値解析では、取り付け板14(板厚2mm)を介して固定されたクラッシュボックス11(軸方向長さ200mm、板厚1.0mm)及びサイドメンバー15(軸方向長さ400mm、部材5aの板厚1.8mm、クロージングプレート5bの板厚1.6mm、長辺長さ157mm,短辺長さ76mm)を、参考例の解析対象とするとともに、取り付け板3(板厚2mm)を介して固定されたクラッシュボックス2(軸方向長さ200mm、板厚1.2mm)及びサイドメンバー5(軸方向長さ400mm、部材5aの板厚1.8mm、クロージングプレート5bの板厚1.6mm)を、比較例の解析対象とした。
なお、本参考例の解析対象では、図5(b)中の平面図に示す寸法を満足するように、溝部12a〜12dがサイドメンバー15の外壁を跨ぐように配置させた。また参考例、比較例のいずれの解析対象も、サイドメンバー15、5の扁平率は2.0とした。さらに、後述する天板8も含め、取り付け板14、クラッシュボックス11及びサイドメンバー15は、いずれも440MPa級の板材とした。
さらに、素材である第1の部材13a、13bの板厚を1.0mmとした参考例の解析対象であるクラッシュボックスの質量は0.905kgであり、これは比較例の解析対象の質量である1.027kgに対して、0.84倍に相当する。
これらの解析対象を、サイドメンバー15、5の端部を固定面6に完全に拘束することによって解析対象を鉛直上方向きに固定配置するとともにクラッシュボックス11、2の上端部に天板8(板厚1.6mm)を溶接により固定し、上方から、図5(c)の実線で示す水平面に対して平行な衝突面を有する、質量が1500kgの落錘体7を落下させてクラッシュボックス11、2に初速16km/hで衝突させることにより解析対象に14.8kJの衝突エネルギーを与え、解析対象の圧壊時の変形挙動を数値解析した。この数値解析では、クラッシュボックス11、2と落錘体7との摩擦係数は0.3とするとともに、ひずみ速度依存性はCowper−Symonds則により考慮した。
図6(a)は、この解析により求めた相当塑性ひずみを計測した断面を示す説明図であり、図6(b)は圧壊前の先端からの位置X(mm)と、図6(a)に示す断面で求めた相当塑性ひずみとの関係を示すグラフである。また、図7は、60mm以上の圧壊ストロークと、ストローク60mm以上におけるクラッシュボックスが吸収するエネルギー量との関係を示すグラフである。
図6(b)に示す参考例のように、溝12a〜12dがサイドメンバー15の外壁を跨ぐ位置に存在すると、衝突した端部側から順次ひずみが生じ、繰り返し座屈を確実に生じて蛇腹状に塑性変形する。しかし、図5(a)に示す比較例では、圧壊量60mm付近からクラッシュボックス1のサイドメンバー5側での変形が顕著になってくる。図6(b)には、圧壊量が60mmでの図示位置のひずみ分布をグラフで示すが、このグラフに示すように○で囲んだ領域Aにおいて比較例では大きなひずみを生じることがわかる。このため、図7にグラフで示すように、圧壊量が60mm以上となると、クラッシュボックスが新たに吸収できるエネルギー量に関して、参考例は比較例よりも格段に優れる。
以上の参考例1により、特許文献1により開示されたクラッシュボックスが有する衝撃吸収能を十分に発揮して、自動車等の車両の衝突時に発生する衝撃エネルギーを十分に吸収することができることがわかる。
(参考例2)
本参考例では、上述した図5(c)に破線で示すように水平面に対して斜めに10度傾斜した衝突面を有する落錘体7を、参考例1と同じ条件で落下させる場合を想定して、衝突試験のFEM数値解析を行った。
すなわち、参考例1では正面衝突における衝撃吸収部材の圧壊挙動を調べたが、近年では乗用車等の車両の衝突安全性能を高めるために衝突評価基準が厳格化されつつあり、例えば前面衝突では、10度傾斜したバリアーに時速16km/hで衝突させ、車体各部の損傷を評価する衝突試験も行われている。図5(c)に破線で示す、水平面に対して斜めに10度傾斜した衝突面を有する落錘体7は、この基準を反映させた解析を行う要領を示すものである。
図8は、本参考例及び比較例の双方について、80mm圧壊時の状況を示す説明図であり、図9(a)は、クラッシュボックス11、2の上端部及び下端部の2点B、C間のZ方向(軸方向に対して直角な方向)相対距離の測定位置を示す説明図であり、図9(b)は、この2点B、C間のZ方向相対変位(mm)と圧壊ストローク(mm)との関係を示すグラフである。
参考例1と同様に、比較例では溝部1a〜1dから伝播される荷重に対して溝部1a〜1dに該当する位置での反力は取り付け板3の曲げ剛性のみにより与えられるため、圧壊初期から取り付け板3の圧壊方向への撓み変形が生じる。特に、本実施例のように斜め衝突では、クラッシュボックス2のうちで先に当たる側(図8では図示する車体外側)から荷重入力が開始される。このため、比較例では、先に当たる側の溝部に該当する取り付け板の撓み変形が先行し、これにより、クラッシュボックス2は外側へ倒れる挙動を生じる。このため、圧壊ストロークが70mm近傍からクラッシュボックス2の倒れ込みが顕著になる。
これに対し、本参考例では、溝部12a〜12dがサイドメンバー15の外壁を跨ぐ位置に存在するので、溝部12a〜12dから伝達される荷重が、サイドメンバー15の外壁による反力で確実に受けることが可能となり、取り付け板14の撓みが抑制される。このため、図9(b)にグラフで示すように、本参考例によればクラッシュボックス11が倒れ込む変形を生じることなく圧壊を完了でき、クラッシュボックス11は所定の吸収エネルギーを十分に確保できる。
図10は、圧壊ストローク(mm)における吸収エネルギー(kJ)を示すグラフである。本参考例によれば、80mm以上の圧壊ストロークにおいて特に吸収エネルギーの低下が少ないことがわかる。
参考例1、2によれば、サイドメンバーよりも先に優先してクラッシュボックスを圧壊させて蛇腹状に塑性変形させることは、確かに可能である。しかし、本発明者らの検討結果によれば、クラッシュボックスが圧壊を完了する直前で荷重が増加し、クラッシュボックス単体でのエネルギー吸収が完了しないうちに、サイドメンバーが損傷することがあることが判明した。サイドメンバーの損傷を回避するには、サイドメンバーの先端の板厚を増加すればよいが、車体軽量化の要請に反するので望ましい方法ではない。そこで、本発明の効果をさらに高める技術、具体的には蛇腹状に塑性変形して完全に剛体化するまでクラッシュボックスを圧壊する間に、サイドメンバーが損傷しない技術を検討した。
ここで、サイドメンバーは、上述したように、略矩形断面を有し、かつ扁平な断面輪郭を呈する場合が多い。この場合、サイドメンバー15の先端部では、長辺15−1、15−2を含む外壁15−3、15−4における撓み変形が、短辺を含む外壁における撓み変形よりも大きい。そこで、本実施例では、図2(a)に示すように、サイドメンバー15の筒状体の内部であって、少なくとも先端部に、サイドメンバー15の補強部材として中板17aを配置した。
本実施例では、図5(b)に示す、(a)板厚1.0mmのクラッシュボックス11、取り付け板14及びサイドメンバー15により構成される参考例1と、(b)この参考例1と同じ部品にさらに中板17a(サイドメンバー15のクラッシュボックス11側の先端部に、440MPa級の材料により板厚1.6mm、クラッシュボックス11の軸方向へ向けて延在する長さ40mmの質量53gのプレート)を追加した本発明例1と、(c)図3(a)に示す、板厚1.2mmのクラッシュボックス2、取り付け板3及びサイドメンバー5により構成される比較例とについて、参考例1で用いた数値解析の手法を用いて、サイドメンバー15,5の先端に着目してクラッシュボックス11、2が圧壊完了した時以降におけるサイドメンバー15、5の変形挙動を分析した。本解析では、サイドメンバー15、5の変形挙動も解析する必要があるため、1500kgの水平面を有する落錘体7を時速64km/hで落下させ、変形量として450mmまでの解析を行った。
比較例では、クラッシュボックス2への荷重入力と同時に取り付け板3の変形が開始され、これにより圧壊の開始初期からクラッシュボックス2のサイドメンバー5側の端部近傍で変形が生じ、クラッシュボックス2の全体に曲がりが生じた。また、サイドメンバー5には圧壊量60mmから、先端部に変形を生じた。
これに対し、参考例1では、取り付け板14の変形が圧壊の開始初期からは生じず、クラッシュボックス11が優先的に変形してエネルギーを吸収した。サイドメンバー15の先端には圧壊量が118mmになるまではひずみが生じなかったが、それ以後ではクラッシュボックス11が圧壊すると同時にサイドメンバー5の先端にも若干のひずみが生じた。
さらに、本発明例1では、クラッシュボックス11の変形が完全に完了してクラッシュボックス11が剛体化する、圧壊量157mmまで、サイドメンバー15には一切ひずみが発生しなかった。
表1には、圧壊量140mmまでにクラッシュボックス11、1が吸収したエネルギーをまとめて示す。
Figure 0005147003
表1における比較例と参考例1、本発明例1とを対比することにより、参考例1及び本発明例1によりクラッシュボックス11の衝撃吸収量が飛躍的に向上するとともに、さらに本発明例1によりサイドメンバー15の損傷を最小限に抑制しながらクラッシュボックス11の性能を最大限に発揮できることがわかる。
すなわち、本実施例により、サイドメンバー15の補強部材として中板17aを配置することにより、サイドメンバー15の本体の対向配置される長辺同士を、連結して長辺の中央付近を対向して拘束し、サイドメンバー15の先端部の変形の開始をさらに遅らせることができることがわかる。
(参考例3)
参考例1において、溝部12a〜12dを軸方向へ形成する範囲を見極めるべく、図11(a)に示す形状のクラッシュボックスの解析モデル18を用いて、サイドメンバー側の端面18aからの軸方向への溝部19a〜19dの設置高さhを種々変更して、FEM数値解析を行った。
このFEM数値解析に用いる解析モデル18は、板厚1.0mmで440MPa級の材料からなるとともに軸方向の全長が200mmである筒状体により構成される。溝部19a〜19dの深さは20mmであり、1500kgの落錘体を時速16km/hの初速で衝突させることにより圧壊した。本FEM解析ではクラッシュボックスのみを解析モデルとした。さらに、クラッシュボックスの上面には図17に示す例と同様の天板8(板厚1.6mm)を設けるとともに、下面を固定面に固定した。
軸方向への溝部19a〜19dを設けた部分では、溝部19a〜19dの横断面形状は同一とし、それより上側では徐々に溝部19a〜19dの深さが浅くなり、最終的に0となるようにした。
FEM数値解析の結果として、軸方向へ120mm圧壊するまでのエネルギー吸収量を、図11(b)にグラフで示す。
図11(b)のグラフにおける横軸は、溝高さhを部材高さ200mmにより除して%で表示した値である。
図11(b)のグラフから、溝部19a〜19dの形成範囲を、サイドメンバー側の端面から軸方向へ向けてその全長の30%以上の距離の範囲の全てとすることによって、エネルギー吸収量が急激に向上することがわかる。したがって、溝部19a〜19dは、筒状体におけるサイドメンバー側の端面から他方の端面へ向けて、筒状体の軸方向の長さの少なくとも30%の範囲の全てであることが望ましい。
図12は、本実施例で数値解析したサイドメンバーの構造を示す説明図であり、図12(a)には内部に中板17aを有さない従来例のサイドメンバー41を示し、図12(b)には内部に中板43を有する本発明例のサイドメンバー42を示す。
図13は、本解析における、サイドメンバー41又は42の一方の端面を、図4に示すクラッシュボックス30の一方の端面に投影したときの両者の位置関係を示す説明図であり、図13(a)は従来例を示し、図13(b)は本発明例を示す。なお、図13(a)にはサイドメンバー41、42の寸法を併せて示す。
本解析では、クラッシュボックス30を構成する筒体35は、440MPa級、板厚1.0mmの鋼板からなり、全長200mmとした。また、サイドメンバー41、42を構成する筒体は、440MPa級、板厚1.6mmの鋼板からなり、全長400mmとした。さらに、中板43は、板厚1.6mmとし、図12(b)に示すようにサイドメンバー42の軸方向と平行な方向の長さを50mmとした。
この解析では、図13(a)及び図13(b)に示す配置構造で先端にクラッシュボックス30を装着されたフロントサイドメンバー41,42を、鉛直上方へ向けて固定配置し、上方から質量1.5トンの落錘体を落下させて時速16km/hで衝突させ、クラッシュボックス30の軸方向への圧壊量と、クラッシュボックス30の吸収エネルギーとの関係を解析により求めた。結果を図14にグラフで示す。
なお、クラッシュボックスがフロントサイドメンバーよりも優先して充分に圧壊し、その後にフロントサイドメンバーの圧壊が開始されることが望ましいので、本解析では、クラッシュボックスの吸収エネルギーが大きいことは、フロントサイドメンバーの損傷が小さく、良好な結果であることを意味する。
図14に示すグラフから理解されるように、本発明によれば、優れた衝撃エネルギー吸収性が得られることがわかる。
(変形例)
以上の説明では、図15(a)、図15(b)に示す、実線により構成される横断面形状を有するクラッシュボックス11、30を用いた場合を例にとった。
しかし、本発明は、これらの形態のクラッシュボックス11、30に限定されるものではなく、例えば、図15(a)、図15(b)において破線で示すように、溝部により分断される複数の辺が同一直線状に存在しない横断面形状を有するクラッシュボックスや、図15(c)に示すように頂点を含む位置に形成される溝部を有する横断面形状を有するクラッシュボックス50についても、同様に適用される。
図1は、実施の形態1のサイドメンバーを示す説明図であり、同図中の平面図は、サイドメンバーの一方の端面をクラッシュボックスの一方の端面に投影したときの両者の位置関係を示す説明図である。 図2(a)〜図2(c)は、サイドメンバーの筒状体の内部であって、少なくとも先端部に、サイドメンバーの補強部材として配置される、各種の中板を示す説明図である。 図3(a)〜図3(d)は、サイドメンバーの各種横断面を示す説明図である。 実施の形態2のサイドメンバーの構成を模式的に示す説明図であり、同図中の平面図は、サイドメンバーの一方の端面をクラッシュボックスの一方の端面に投影したときの両者の位置関係を示す説明図である。 図5(a)〜図5(c)は、FEM数値解析の解析条件を示す説明図である。 図6(a)は、数値解析により求めた相当塑性ひずみを計測した断面を示す説明図であり、図6(b)は圧壊前の先端からの位置X(mm)と、図6(a)に示す断面で求めた相当塑性ひずみとの関係を示すグラフである。 図6は、60mm以上の圧壊ストロークと、ストローク60mm以上におけるクラッシュボックスが吸収するエネルギー量との関係を示すグラフである。 図8は、参考例及び比較例の双方について、80mm圧壊時の状況を示す説明図である。 図9(a)は、クラッシュボックスの上端部及び下端部の2点B、C間の上下方向(Z方向)相対距離の測定位置を示す説明図であり、図9(b)は、この2点B、C間の相対変位(mm)と圧壊ストローク(mm)との関係を示すグラフである。 図10は、圧壊ストローク(mm)における吸収エネルギー(kJ)を示すグラフである。 図11(a)は、クラッシュボックスの解析モデルの形状を示す説明図であり、図11(b)は、FEM数値解析の結果として軸方向へ120mm圧壊するまでのエネルギー吸収量を示すグラフである。 実施例2で数値解析したサイドメンバーの構造を示す説明図であり、図12(a)には内部に中板を有さない従来例のサイドメンバーを示し、図12(b)には内部に中板を有する本発明例のサイドメンバーを示す。 実施例2の解析における、サイドメンバーの一方の端面を、図4に示すクラッシュボックスの一方の端面に投影したときの両者の位置関係を示す説明図であり、図13(a)は従来例を示し、図13(b)は本発明例を示す。 実施例2の結果を示すグラフである。 図15(a)〜図15(c)はクラッシュボックスの各種の変形例を示す説明図である。 特許文献1により開示されたクラッシュボックスを構成する筒体の後端面を、取り付け板を介して、フロントサイドメンバーの前端面に固定する状況を示す説明図である。 FEM数値解析の解析要領を示す説明図である。
符号の説明
1 筒体
1a〜1d 溝部
1e 後端部
2 クラッシュボックス
3 取り付け板
3a 一方の平面
3b 他方の平面
5 フロントサイドメンバー
5a 部材
5b クロージングプレート
6 固定面
7 落錘体
8 天板
10 クラッシュボックスの配置構造
11 クラッシュボックス
12 筒状体
12a〜12d 溝部
12e 後端部
13a 第1の部材
13b 第2の部材
14 取り付け板
14a 一方の平面
14b 他方の平面
15、15A〜15D サイドメンバー
15−1、15−2 長辺
15−3、15−4 外壁
15a 第1の部材
15b クロージングプレート
16a、16b フランジ
17 撓み低減手段
17a〜17d 中板
17e フランジ
18 クラッシュボックスの解析モデル
18a 端面
19a〜19d 溝部

Claims (6)

  1. 離間して対向する一対の長辺及び短辺を有する扁平な多角形により構成される横断面形状を有する筒状体により構成され、該筒状体の一方の端面を含む端部に、前記筒状体の軸方向と略平行な方向へ向けて衝撃荷重を受けた際に前記長辺を含む外壁に生じる撓みを低減するための撓み低減手段を備えるサイドメンバーであって
    前記一方の端面には、該一方の端面に対向して配置される端面を備えるクラッシュボックスが配置されること
    記一方の端面と、前記クラッシュボックスの、前記一方の端面に対向して配置される前記端面との間に板状部材が配置されること
    前記クラッシュボックスは、前記対向して配置される端面を含む端部を構成する側壁に内部へ向けて凸となるとともに軸方向へ向けて延設される溝部を有する筒状体により構成され、該筒状体の軸方向と略平行な方向へ向けて負荷される衝撃荷重により繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することにより衝撃エネルギーを吸収すること、および
    前記溝部の全ては、前記対向して配置される端面を、記一方の端面に投影したときに前記外壁によって分割される位置に、存在すること
    を特徴とするサイドメンバー。
  2. 前記撓み低減手段は、前記一方の端面を含む端部を有する前記筒状体の内部に配置されて前記一対の長辺を含む二つの外壁を接続する長辺接続部材である請求項1に記載されたサイドメンバー。
  3. 前記長辺接続部材は板材である請求項2に記載されたサイドメンバー。
  4. 前記一方の端面を含む端部は、該一方の端面から該一方の端面を含む端部を有する前記筒状体の軸方向へ向けて、前記長辺の長さの少なくとも25%までの範囲の部分である請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載されたサイドメンバー。
  5. 前記溝部は、前記クラッシュボックスを構成する前記筒状体における前記対向して配置される端面から他方の端面へ向けて、該筒状体の軸方向の長さの少なくとも30%の範囲の全てに設けられる請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載されたサイドメンバー。
  6. 前記クラッシュボックスを構成する筒状体は略矩形の基本断面を有するとともに、前記溝部は該基本断面を構成する長辺を含む側壁に設けられる請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載されたサイドメンバー。
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