JPH11342862A - 車両の強度部材の補強構造 - Google Patents

車両の強度部材の補強構造

Info

Publication number
JPH11342862A
JPH11342862A JP28918898A JP28918898A JPH11342862A JP H11342862 A JPH11342862 A JP H11342862A JP 28918898 A JP28918898 A JP 28918898A JP 28918898 A JP28918898 A JP 28918898A JP H11342862 A JPH11342862 A JP H11342862A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reinforcing
reinforcing member
strength member
strength
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP28918898A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Fukushima
達也 福島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP28918898A priority Critical patent/JPH11342862A/ja
Publication of JPH11342862A publication Critical patent/JPH11342862A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】強度部材の屈曲部に生じる曲げ変形を効果的に
抑制することができて、強度部材の衝撃エネルギーの吸
収量を増加させることが可能な車両の強度部材の補強構
造を提供する。 【解決手段】 サイドメンバ1は屈曲部1Bを有してお
り、屈曲部1Bの前側1Aから後側1Cにかけて、その
閉断面の中心線が上側から下側へ屈曲する下屈曲となっ
ている。これに対して、補強部材10は、屈曲部1B付
近において、屈曲部10Bを有しており、屈曲部10B
は、サイドメンバ1の屈曲部1Bが屈曲部1Bの前後
で、補強部材10の前側10Aがサイドメンバ1の閉断
面の中心線よりも下側に位置付けられ、また、補強部材
10の後側10Cがサイドメンバ1の中心線よりも上側
に位置付けられる、ように屈曲されており、屈曲部1B
において補強部材10と中心線とが交差している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイドメンバ等の
車両の強度部材の補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】強度部材としてフロントサイドメンバを
例にとって説明すると、従来、車両の底部に沿って伸張
されたフロントサイドメンバは、重量物であるパワーユ
ニット(例えば、エンジン等)を上部にマウントしてい
るために高い剛性が必要とされ、また、車両の重量を軽
くするために軽量化の要求を満たす必要があった。その
ため、サイドメンバの形状は、断面矩形の閉断面構造に
形成され、この閉断面内に補強部材を固着して低強度部
位を補強するサイドメンバの補強構造を有していた。こ
のような従来のサイドメンバの補強構造としては、たと
えば特開平7−144660号公報または特開平9−3
03453号公報に開示されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平7−144
660号公報のサイドメンバの補強構造では、サイドメ
ンバが、車体に設けられたエンジンルーム前方の下側か
ら後方の車室に向かって、ほぼ水平になるように配設さ
れており、サイドメンバの後部は、エンジンルームと車
室を画成しているダッシュパネルに当接しており、この
ダッシュパネルの垂直な面に溶接されている。また、後
側まで延長したサイドメンバはダッシュパネルの下部に
設けたトルクボックスに沿って下方向に屈曲して延設さ
れている。このサイドメンバは、ダッシュパネルの下端
で、更に、ほぼ水平に屈曲して車室の底部に沿って後方
に延設している。
【0004】このようなサイドメンバでは、エンジンル
ーム内蔵物との干渉を防ぐために屈曲部が設けられてお
り、低強度部位となった屈曲部において車体の前方から
の軸圧縮に対抗するために、サイドメンバ内には、前部
から後部の間に略コ字状の断面を有して伸張する補強部
材を設けている。この補強部材は、その一端をサイドメ
ンバ内側の前部上部に略コ字状の外側3面をそれぞれ溶
接することで固着し、また、その他端側を下方へ屈曲さ
せると共に、この他端を、例えば、ダッシュパネルに溶
接されたサイドメンバの後部内側面に溶接して固着す
る。そして、補強部材の中間部を、サイドメンバの内側
面から離れた状態に配設している。
【0005】このように、従来のサイドメンバの補強構
造は、車体前部に配設されたサイドメンバの前部の内側
上部に補強部材の一端が結合され、サイドメンバの後部
の内側下部に補強部材の他端が結合されるため、このサ
イドメンバに車体の前後方向からの軸圧縮による荷重が
加わると、この荷重の一部が補強部材を介して車体後方
の後側に伝達され、その結果、サイドメンバの低強度部
位に加わる荷重が減少し、このサイドメンバの変形が抑
制される効果がある。
【0006】また、補強部材は後部で下方へ屈曲させて
いるため、加えられた荷重の一部が補強部材を介してサ
イドメンバの後側の下部に伝達され、サイドメンバの後
部に生じる荷重が下側にオフセットされる。この下側に
オフセットされた荷重は、この下側の部位に補強部材を
介して剛性の高いトルクボックスに伝達されて、これに
吸収されるので、サイドメンバの後側における支持強度
を向上させることができるという効果がある。
【0007】しかしながら、このような従来のサイドメ
ンバの補強構造では、サイドメンバに付加される軸圧縮
による荷重を補強部材で軽減しているものの、補強部材
が単なる平板であり、特にそのサイドメンバの屈曲部の
曲げ変形を効果的に抑制するのに最適なものとはなって
いない。また、補強部材が板厚一様の部材であるため、
板厚が薄いとサイドメンバに加えられる圧縮荷重に対し
て座屈してしまい、逆に板厚を厚くすると、座屈が生じ
ない部分の板厚が不必要に厚くなって重量を増加させて
しまうという課題がある。さらには、従来のサイドメン
バの補強構造では、サイドメンバで軸圧縮により生じる
変形を制御することができず変形が一定しない、という
課題がある。サイドメンバの変形を制御するために、サ
イドメンバの内側に凹状のビードを設けることも考えら
れるが、このビードは、サイドメンバの圧縮強度を部分
的に低下させてしまうため、ビードにより変形を安定し
て発生させようとすると、サイドメンバが吸収する衝撃
エネルギー量を低下させてしまう不具合がある。
【0008】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたもので、請求項1ないし請求項30記載の発明は、
強度部材の屈曲部に生じる曲げ変形を効果的に抑制する
ことができて、強度部材の衝撃エネルギーの吸収量を増
加することが可能な車両の強度部材の補強構造を提供す
ることを目的としている。また、請求項13ないし請求
項30記載の発明は、上記目的に加えて、強度部材の圧
縮強度を低下させることなく、強度部材の変形を制御す
ることができて、強度部材の衝撃エネルギーの吸収量を
増加させることが可能な車両の強度部材の補強構造を提
供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、閉断面構造となった強度部
材が屈曲部を有し、この強度部材の閉断面内に強度部材
の軸方向に沿って補強部材を配設した車両の強度部材の
補強構造において、屈曲部の前後で強度部材の閉断面の
中心線が一方側から他方側へ屈曲するときに、強度部材
の該屈曲部付近において前記補強部材は、該屈曲部の前
側で強度部材の閉断面の中心線に対して他方側に位置付
けられる一方、該屈曲部の後側で強度部材の閉断面の中
心線に対して一方側に位置付けられており、該屈曲部に
おいて強度部材の閉断面の中心線に対して交差するよう
に屈曲されることを特徴とする。補強部材の屈曲は、側
面から見て、滑らかに連続的に屈曲するものであっても
よく、または1つまたは複数の不連続点を介して複数の
直線が連結されるように段階的に屈曲するものであって
もよい。
【0010】前記強度部材の屈曲部は、どの方向に屈曲
されるものであってもよいが、請求項2記載の発明は、
屈曲部の前後で上下方向に屈曲するものであることを特
徴とし、請求項3記載の発明は、屈曲部の前後で左右方
向に屈曲するものであることを特徴とする。また、請求
項4記載の発明は、強度部材の屈曲部において、補強部
材の曲率が、強度部材の曲率よりも小さく設定されるこ
とを特徴とし、請求項5記載の発明は、強度部材の屈曲
部の前後で、補強部材が強度部材とは逆に他方側から一
方側へ屈曲することを特徴とする。
【0011】請求項6記載の発明は、請求項5記載のも
のにおいて、さらに、強度部材の屈曲部の始まりと終わ
りにおいて、補強部材に脆弱部が設けられることを特徴
とする。前記脆弱部は、周囲よりも脆弱なものであれば
任意のものとすることができるが、請求項7記載の発明
は、脆弱部が補強部材の幅方向に伸びる折れ線であるこ
とを特徴とし、請求項8記載の発明は、脆弱部が補強部
材の幅方向に形成された横孔であることを特徴とする。
また、請求項9記載の発明は、請求項5ないし8のいず
れか1に記載のものにおいて、強度部材の屈曲部以外の
部位において補強部材が強度部材と連結されることを特
徴とする。
【0012】補強部材は、その厚み、形状において全体
的に均一なものとすることもできるが、請求項10記載
の発明は、強度部材の屈曲部において、補強部材の厚み
が、補強部材のそれ以外の部位よりも厚く設定されるこ
とを特徴とし、請求項11記載の発明は、強度部材の屈
曲部において、補強部材にはリブが形成されることを特
徴とする。また、請求項12記載の発明は、強度部材は
複数の薄板からなり、強度部材の屈曲部において、補強
部材の薄板の枚数は、補強部材のそれ以外の部位よりも
多く設定されることを特徴とする。
【0013】請求項13記載の発明は、補強部材が、強
度部材の軸方向に沿って所定の間隔で開口された複数の
開口部を有し、軸圧縮による変形を制御することを特徴
とする。複数の開口部の開口面積はすべて同じとするこ
ともできるが、請求項14記載の発明は、強度部材の屈
曲部において、前記開口部は、他の部位の開口部よりも
開口面積が小さく、または開口面積が0に設定されるこ
とを特徴とする。
【0014】また、請求項15記載の発明は、請求項1
3または14記載のものにおいて、補強部材の厚みが、
前記開口部の幅方向両側部で薄い肉薄部となり、隣接す
る開口部の間で肉薄部よりも厚い肉厚部となっており、
さらに強度部材の屈曲部において肉厚部よりも厚く設定
されることを特徴とする。請求項16記載の発明は、請
求項15記載のものにおいて、補強部材の軸方向に沿っ
た厚みの変化が、前記肉厚部と前記肉薄部との間で不連
続的であることを特徴とする。請求項17記載の発明
は、請求項13または14記載のものにおいて、補強部
材には、隣接する開口部の間にリブが形成されることを
特徴とする。請求項18記載の発明は、請求項13また
は14記載のものにおいて、強度部材が複数の薄板から
なり、隣接する開口部の間において、補強部材の薄板の
枚数は、開口部の幅方向両側部の枚数よりも多く設定さ
れることを特徴とする。
【0015】請求項19記載の発明は、請求項13ない
し18のいずれか1に記載のものにおいて、前記補強部
材の開口部には、開口する内側のコーナー角部に切り欠
きが設けられ、この切り欠きで軸圧縮による座屈を誘発
することを特徴とする。請求項20記載の発明は、請求
項13ないし18のいずれか1に記載のものにおいて、
前記補強部材の開口部には、開口する内側側面の中央に
切り欠きが設けられ、この切り欠きで軸圧縮による座屈
を誘発することを特徴とする。請求項21記載の発明
は、請求項13ないし18のいずれか1に記載のものに
おいて、前記補強部材の開口部の開口する内側のコーナ
ー角部が曲線状となっていることを特徴とする。
【0016】請求項22記載の発明は、請求項13ない
し21のいずれか1に記載のものにおいて、前記強度部
材が、前記屈曲部と異なる面内において屈曲する第2屈
曲部を有しており、前記開口部はこの第2屈曲部が屈曲
する面と平行に配置され、第2屈曲部において開口部が
強度部材の中心線よりも屈曲方向にオフセットされて設
けられることを特徴とする。請求項23記載の発明は、
請求項13ないし22のいずれか1に記載のものにおい
て、前記補強部材の開口部が、前記強度部材の屈曲部よ
りも軸方向に沿って見て一方側のみに設定されることを
特徴とする。請求項24記載の発明は、請求項13ない
し23のいずれか1に記載のものにおいて、前記補強部
材の複数の開口部の軸方向の間隔が、前記強度部材の閉
断面構造の短辺の幅の略半分または略整数倍に等しく設
定されることを特徴とする。
【0017】請求項25記載の発明は、請求項13ない
し24のいずれか1に記載のものにおいて、前記補強部
材の一端が、前記強度部材の一端に一致して位置付けら
れるか、または強度部材の一端より前記補強部材の複数
の開口部の間隔の整数倍離して位置付けられることを特
徴とする。請求項26記載の発明は、請求項13ないし
25のいずれか1に記載のものにおいて、前記補強部材
の複数の開口部のうち少なくともその一部の開口部は、
その幅方向両側部が除去されていることを特徴とする。
【0018】請求項27記載の発明は、請求項13ない
し26のいずれか1に記載のものにおいて、前記補強部
材の複数の開口部のうち少なくともその一部の開口部
が、その幅方向両側部のうちの片側部のみが除去されて
いることを特徴とする。請求項28記載の発明は、請求
項13ないし26のいずれか1に記載のものにおいて、
前記補強部材の複数の開口部のうち少なくともその一部
の開口部は、その幅方向両側部のうちの片側部のみが除
去されており、除去される片側部が、強度部材の軸方向
に沿って開口部毎に互い違いとなっていることを特徴と
する。請求項29記載の発明は、請求項13ないし28
のいずれか1に記載のものにのおいて、前記補強部材の
複数の開口部のうち少なくともその一部の開口部は、そ
の幅方向両側部の幅が異なっていることを特徴とする。
請求項30記載の発明は、請求項13ないし28のいず
れか1に記載のものにおいて、前記補強部材の複数の開
口部のうち少なくともその一部の開口部は、その幅方向
両側部の幅が異なっており、その大小関係が、強度部材
の軸方向に沿って開口部毎に互い違いとなっていること
を特徴とする。
【0019】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、屈曲部の
前後で強度部材の閉断面の中心線が一方側から他方側へ
屈曲するときに、強度部材の屈曲部の前側においては、
強度部材の閉断面の中心線よりも他方側に補強部材が位
置付けられており、強度部材及び補強部材を含めた全体
の重心は、強度部材だけのときの重心よりも他方側に変
移している。同様に、強度部材の屈曲部の後側において
は、強度部材の閉断面の中心線よりも一方側に補強部材
が位置付けられており、強度部材及び補強部材を含めた
全体の重心は、強度部材だけのときの重心よりも一方側
に変移している。結果として、強度部材の軸方向に沿っ
て見た全体の重心の屈曲の曲率を、強度部材だけのとき
の屈曲部の曲率よりも小さくすることができるため、屈
曲部に生じる曲げ変形を効果的に抑制することができ
る。従って補強部材の厚みを薄くすることができ軽量化
を図ることもできる。
【0020】請求項2及び請求項3記載の発明によれ
ば、請求項1に係る効果に加えて、強度部材の上下方
向、左右方向、いずれの方向の屈曲においても、同様に
曲げ変形を抑制することができる。請求項4記載の発明
によれば、請求項1ないし3のいずれかに係る効果に加
えて、強度部材及び補強部材の全体の重心の屈曲の曲率
を、確実に、強度部材だけのときの屈曲部の曲率よりも
小さくすることができ、強度部材の屈曲部に生じる曲げ
変形を抑制することができる。
【0021】請求項5記載の発明によれば、請求項1な
いし3のいずれかに係る効果に加えて、強度部材の屈曲
部において、補強部材は強度部材とは逆に屈曲している
ことから、補強部材には、強度部材の屈曲部に働く曲げ
モーメントと逆の方向の曲げモーメントが生じるため、
これらのモーメントが相殺されて、補強部材のない場合
に比べて強度部材の屈曲部に働く曲げモーメントは小さ
くなり、従って、強度部材の屈曲部に生じる曲げ変形を
抑制することができる。請求項6ないし8記載の発明に
よれば、請求項5に係る効果に加えて、強度部材の屈曲
部の始まりと終わりにおいて、補強部材に脆弱部が設け
られることから、脆弱部をきっかけとして補強部材に意
図的に変形を起こさせることができ、確実に強度部材の
屈曲部に働く曲げモーメントと逆の方向の曲げモーメン
トを生じさせることができる。こうして、強度部材の屈
曲部に生じる曲げ変形を一層、抑制することができる。
【0022】請求項9記載の発明によれば、請求項5な
いし8のいずれか1に係る効果に加えて、強度部材の屈
曲部において、補強部材は強度部材と連結されていない
ため、強度部材に拘束されずに、補強部材を確実に、強
度部材に働く曲げモーメントと逆の曲げモーメントの方
向に屈曲させることができる。請求項10記載の発明に
よれば、請求項1ないし9のいずれか1に係る効果に加
えて、強度部材の屈曲部において、補強部材の厚みが、
補強部材のそれ以外の部位よりも厚く設定されることか
ら、屈曲部の圧縮強度及び曲げ強度を増大させることが
でき、屈曲部に生じる曲げ変形を抑制することができ
る。
【0023】請求項11記載の発明によれば、請求項1
ないし9のいずれか1に係る効果に加えて、強度部材の
屈曲部において、補強部材にはリブが形成されることか
ら、圧縮強度及び曲げ強度を増大させることができ、屈
曲部に生じる曲げ変形を抑制することができる。請求項
12記載の発明によれば、請求項1ないし9のいずれか
1に係る効果に加えて、強度部材の屈曲部において、補
強部材の薄板の枚数が、補強部材のそれ以外の部位より
も多く設定されることから、圧縮強度及び曲げ強度を増
大させることができ、屈曲部に生じる曲げ変形を抑制す
ることができる。
【0024】請求項13記載の発明によれば、請求項1
ないし12のいずれか1に係る効果に加えて、補強部材
が開口部を有することで、軸圧縮による変形を制御する
ことができ、強度部材に凹状のビードを設けなくても安
定して強度部材に蛇腹変形を発生させることができる。
請求項14記載の発明によれば、請求項13に係る効果
に加えて、強度部材の屈曲部において、前記開口部は、
他の部位の開口部よりも開口面積が小さく、または開口
面積が0に設定されることで、屈曲部の圧縮強度及び曲
げ強度を増大させることができ、屈曲部に生じる曲げ変
形を抑制することができる。
【0025】請求項15記載の発明によれば、請求項1
3または14に係る効果に加えて、開口部を含めその幅
方向両側部の肉薄部は、圧縮強度が小さく、隣接する開
口部の間に設けられる肉厚部は、圧縮強度が大きいか
ら、圧縮強度の変化によって強度部材に蛇腹変形を誘発
することができる。更に、強度部材の屈曲部付近におい
て、補強部材の厚みが、補強部材のそれ以外の部位より
も厚く設定されることから、強度部材の屈曲部におい
て、圧縮強度及び曲げ強度を増大することができ、屈曲
部に生じる曲げ変形を抑制することができる。請求項1
6記載の発明によれば、請求項15に係る効果に加え
て、前記肉厚部と前記肉薄部との間で不連続的に厚みが
変化することから、圧縮強度を不連続にすることがで
き、より確実に蛇腹変形を誘発することができる。
【0026】請求項17記載の発明によれば、請求項1
3または14に係る効果に加えて、隣接する開口部の間
に設けられるリブは、その長手方向に沿った方向の圧縮
強度が大きく、圧縮強度の変化によって強度部材に蛇腹
変形を誘発することができる。請求項18記載の発明に
よれば、請求項13または14に係る効果に加えて、薄
板の枚数を変えることで、開口部を含めその幅方向両側
部は圧縮強度が小さく、隣接する開口部の間は圧縮強度
が大きくなり、圧縮強度の変化によって強度部材に蛇腹
変形を誘発することができる。
【0027】請求項19記載の発明によれば、請求項1
3ないし18のいずれか1に係る効果に加えて、補強部
材の開口部に、開口する内側のコーナー角部に切り欠き
が設けられることで、この切り欠きで軸圧縮による座屈
を誘発することができ、安定した蛇腹変形を発生させる
ことができる。請求項20記載の発明によれば、請求項
13ないし18のいずれか1に係る効果に加えて、補強
部材の開口部に、開口する内側側面の中央に切り欠きが
設けられることで、この切り欠きで軸圧縮による座屈を
誘発することができ、安定した蛇腹変形を発生させるこ
とができる。
【0028】請求項21記載の発明によれば、請求項1
3ないし18のいずれか1に係る効果に加えて、補強部
材の開口部の開口する内側のコーナー角部が曲線状とな
っていることで、強度部材が軸圧縮される際に、開口部
の両側面が開口部の内側に変形するよりも外側に変形し
やすくなり、補強部材と強度部材に安定した変形を発生
させることができる。請求項22記載の発明によれば、
請求項13ないし21のいずれか1に係る効果に加え
て、強度部材が2つの方向において屈曲部、第2屈曲部
を有している場合に、第2屈曲部における曲げ座屈が発
生しにくくなり、補強部材と強度部材に安定した蛇腹変
形を発生させることができる。
【0029】請求項23記載の発明によれば、請求項1
3ないし22のいずれか1に係る効果に加えて、補強部
材の開口部を、強度部材の屈曲部よりも軸方向に沿って
見て一方側のみに設定することから、強度部材の屈曲部
において、圧縮強度及び曲げ強度を増大することがで
き、屈曲部に生じる曲げ変形を抑制することができる。
そして、屈曲部よりも一方側において蛇腹変形を生ぜし
めることによって、効率良く衝突エネルギーを吸収する
ことができる。請求項24記載の発明によれば、請求項
13ないし23のいずれか1に係る効果に加えて、補強
部材の複数の開口部の軸方向の間隔が、前記強度部材の
閉断面構造の短辺の幅の略半分または略整数倍に等しく
設定されることから、強度部材の前後方向に沿って、こ
の軸方向の間隔を波長とする座屈をより確実に発生させ
ることができる。
【0030】請求項25記載の発明によれば、請求項1
3ないし24のいずれか1に係る効果に加えて、前記補
強部材の一端が、前記強度部材の一端に一致して位置付
けられるか、または強度部材の一端より前記補強部材の
複数の開口部の間隔の整数倍離して位置付けられること
から、補強部材の開口部による軸圧縮による変形をより
確実に同じ波長及び位相で強度部材に生じせしめること
ができる。また、補強部材の一端が強度部材の一端より
前記補強部材の複数の開口部の間隔の整数倍離して位置
付けられた場合には、その分補強部材が小さくて済むの
で、軽量化を図ることができる。請求項26記載の発明
によれば、請求項13ないし25のいずれか1に係る効
果に加えて、幅方向両側部が除去された開口部では、幅
方向両側部が除去されていない開口部に比較してより圧
縮強度が低下するために、屈曲部の曲げ変形よりも早く
変形を始めて、開口部による変形をより安定して誘発さ
せることができる。
【0031】請求項27記載の発明によれば、請求項1
3ないし26のいずれか1に係る効果に加えて、幅方向
両側部のうちの片側部のみが除去された開口部を設ける
ことにより、強度部材の中立軸を幅方向に変動させるこ
とができ、これに励起されて強度部材に、制御された変
形を安定して誘発させることができる。請求項28記載
の発明によれば、請求項13ないし26のいずれか1に
係る効果に加えて、除去される片側部が、強度部材の軸
方向に沿って開口部毎に互い違いとなっていることか
ら、強度部材の中立軸を幅方向に規則的に波状とするこ
とができ、これに励起されて強度部材に、波状にうねっ
た変形を安定して誘発させることができる。
【0032】請求項29記載の発明によれば、請求項1
3ないし28のいずれか1に係る効果に加えて、幅方向
両側部の幅が異なる開口部を設けることにより、強度部
材の中立軸を幅方向に変動させることができ、これに励
起されて強度部材に、制御された変形を安定して誘発さ
せることができる。請求項30記載の発明によれば、請
求項13ないし28のいずれか1に係る効果に加えて、
幅方向両側部の幅の大小関係が、強度部材の軸方向に沿
って開口部毎に互い違いとなっていることから、強度部
材の中立軸を幅方向に規則的に波状とすることができ、
これに励起されて強度部材に、波状にうねった変形を安
定して誘発させることができる。以上の発明において、
強度部材としては、車両の前後方向に伸びるフロントサ
イドメンバやリヤサイドメンバとすることができる。更
には車幅方向に伸びるクロスメンバとすることができ
る。この場合に請求項1の屈曲部の前後とは、車両の前
後と一致せず、略直交することになる。また、フレーム
構造における骨格部材を強度部材とすることもできる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明による
車両の強度部材の補強構造の実施の形態を詳細に説明す
る。図1は、以下の各実施の形態で強度部材として説明
するサイドメンバを表す斜視図、図2はその側面図であ
る。サイドメンバ1は、概ね、断面が略矩形で、中空の
箱型形状に形成された閉断面構造となっており、車体に
設けられたエンジンルーム前方の下側から後方の車室に
向かって、車体底部を車体前後方向に伸張している。サ
イドメンバ1の後部は、エンジンルームと車室を画成し
ているダッシュパネル7に当接して、このダッシュパネ
ル7の垂直な面に溶接されると共に、ダッシュパネル7
の下部に沿って延設して、フロアパネル8に溶接され
る。
【0034】このサイドメンバ1は、エンジンルーム内
蔵物との干渉を防ぐために、伸張する途中で複数の屈曲
部を有しており、図中、1B1で示す屈曲部では、断面
形状が変化して、屈曲部の前後でサイドメンバ1の閉断
面の中心線が下側から上側へ屈曲する上屈曲となってお
り、1B2で示す屈曲部では、屈曲部の前後でサイドメ
ンバ1の閉断面の中心線が上側から下側へ屈曲する下屈
曲となっている。そして、サイドメンバ1の閉断面内に
は、各屈曲部1B1、1B2における曲げ変形を抑制す
るために、サイドメンバ1の軸方向に沿って補強部材
(以下で説明する第6の実施の形態の補強部材60)が
配設されている。
【0035】以下、この補強部材の構造を各実施の形態
毎に詳細に説明する。以下の説明では、簡単のために、
下屈曲となった屈曲部1Bのみがあるサイドメンバ1を
例として説明するが、図1のように複数の屈曲部がある
場合であっても、同様の原理に基づき、同様に適用でき
ることは言うまでもない。
【0036】(第1の実施の形態)図3は、本発明によ
る車両の強度部材の補強構造の第1の実施の形態を表す
斜視図であり、図4(A)は図3に示した補強部材の側
面図であり、また図4(B)は補強部材の平面図であ
る。サイドメンバ1の内部には、押し出し成形や射出成
形、削り出し、または鋳造などによって成形された合成
樹脂または金属からなる補強部材10がサイドメンバ1
の閉断面内に軸方向に沿って配設されている。
【0037】この補強部材10は、基本的にその横断面
が矩形で薄板形状となっており、前後方向に所定の間隔
Wで複数の開口部10Dが穿設されている。この開口部
10Dの前後方向の間隔Wは、補強部材10の横幅W、
言いかえれば、サイドメンバ1の横幅Wを2倍にした間
隔2Wで等しく設定されている。この間隔は、2Wに限
らず、nW(n=1,2,…)もしくは1/2Wに設定
することもできる。また、サイドメンバ1の横断面が正
方形状でない場合には、短辺の長さの整数倍もしくは1
/2倍に設定すると良い。補強部材10は、サイドメン
バ1内の側面1Eに溶接やリベット、ボルト若しくは接
着などによる装着、またはサイドメンバ1の側面1Eに
スポット溶接により接合することにより、サイドメンバ
1に固着される。尚、この装着または接合は、前記開口
部10Dの間隔2Wで行うと良い。
【0038】図4に示すように、サイドメンバ1は屈曲
部1Bを有しており、屈曲部1Bの前側1Aから後側1
Cにかけて、その閉断面の中心線(図4(A)に示す一
点鎖線)が上側から下側へ屈曲する下屈曲となってい
る。これに対して、補強部材10は、屈曲部1B付近に
おいて、屈曲部10Bを有しており、屈曲部10Bは、
図示の如きサイドメンバ1の屈曲部1Bの前後で、補強
部材10の前側10Aがサイドメンバ1の閉断面の中心
線よりも下側に位置付けられ、また、補強部材10の後
側10Cがサイドメンバ1の中心線よりも上側に位置付
けられる、ように屈曲されており、屈曲部1Bにおいて
補強部材10と中心線とが交差している。このような下
屈曲とは逆に、サイドメンバ1の屈曲部1Bが、屈曲部
1Bの前側1Aから後側1Cにかけて、その閉断面の中
心線(図4(A)に示す一点鎖線)が下側から上側へ屈
曲する上屈曲の場合は、補強部材の前側10Aをサイド
メンバ1の中心線よりも上側に位置付け、また、補強部
材の後側10Cをサイドメンバ1の中心線よりも下側に
位置付ける。
【0039】また、補強部材10は、サイドメンバ1の
屈曲部1B付近において、その曲率がサイドメンバ1の
屈曲部1Bの曲率よりも小さく設定される。そして、屈
曲部1B付近において、補強部材10の厚みは、補強部
材10のそれ以外の部位よりも厚く設定されている。こ
の補強部材10の厚みは、サイドメンバ1の前側1A及
び後側1Cから屈曲部1Bに向かい徐々に変化してい
る。
【0040】補強部材10には、図4(B)に示すよう
に、開口部10Dが複数穿設されている。開口部10D
は、前側10Aおよび後側10Cから屈曲部10Bに向
かうほど開口面積が小さくなるように設けてある。即
ち、開口部10Dの周囲の前後方向および左右方向の幅
は、屈曲部10Bの近傍では広くなり、前側10Aおよ
び後側10Cの方向に向かうほど狭くなる。従って、開
口部10Dの開口面積が小さい屈曲部10B付近の圧縮
強度及び曲げ強度が増大する。このように補強部材10
は、前後方向の軸圧縮により変形し易いサイドメンバ1
の屈曲部1Bに対して、開口部10Dの形状、または厚
み等の部分形状を変えることにより変形を抑制してい
る。
【0041】次に、この第1の実施の形態において、補
強部材10が軸圧縮による衝撃を吸収する動作を詳細に
説明する。図5は本実施の形態に係るサイドメンバ1が
軸圧縮により変形する状態を示す側面図、図6は補強部
材10の変形する状態を表す平面図、図7はサイドメン
バ1の変形する状態を表す図5中VII−VII線に沿
って見た端面図、図8はサイドメンバ1の変形する状態
を表す図5中VIII−VIII線に沿って見た端面図
であり、各図において(a)は変形前を、(b)は変形
後を各々示している。また、図9は、比較例として、補
強部材を有していないサイドメンバが軸圧縮により変形
する状態を示す図5相当図であり、図9において(a)
は変形前を、(b)は変形後を各々示している。
【0042】図9に示すように、サイドメンバ1は屈曲
部1Bで下屈曲しており、この屈曲部1Bに補強部材が
固着されていない場合、サイドメンバ1は前後方向の軸
圧縮に対してサイドメンバ1自体の強度だけで衝撃エネ
ルギーを吸収しなければならない。従って、サイドメン
バ1は、水平に伸張する前側1Aおよび後側1Cに比べ
屈曲部1Bの曲がり部1Ba、1Bbで強度が低下す
る。これは、中心面(図9(a)に示す一点鎖線)がサ
イドメンバ1の屈曲部1Bに沿って傾斜して曲がってい
るためであり、曲率の大きい曲がり部1Ba、1Bbに
働く曲げモーメントが他の部位に比べて大きいことで屈
曲して座屈変形が生じる。また、サイドメンバ1の前側
1Aは、図7(b)に示すように、前後方向の軸圧縮に
より衝撃エネルギーの吸収量が高い蛇腹状の変形を起こ
す。
【0043】一方、図5に示すサイドメンバ1の内部に
は、補強部材10が固着されている。この補強部材10
により、前後方向の軸圧縮でサイドメンバ1の屈曲部1
Bに集中する変形を補強することができる。即ち、サイ
ドメンバ1の前側1Aにおいては、サイドメンバ1の閉
断面の中心線よりも下側に補強部材10が位置付けられ
ており、サイドメンバ1及び補強部材10を含めた全体
の重心は、サイドメンバ1だけのときの重心、即ち一点
鎖線で示した中心線よりも下側に変移している。同様
に、サイドメンバ1の後側1Cにおいては、サイドメン
バ1の閉断面の中心線よりも上側に補強部材10が位置
付けられており、サイドメンバ1及び補強部材10を含
めた全体の重心は、サイドメンバ1だけのときの重心、
即ち一点鎖線で示した中心線よりも上側に変移してい
る。結果として、サイドメンバ1の軸方向に沿って見た
全体の重心の屈曲の曲率は、サイドメンバ1だけのとき
の屈曲部1Bの曲率よりも小さくなり、屈曲部1Bに生
じる曲げ変形を抑制することができる。
【0044】補強部材10の屈曲部10Bの曲率を、サ
イドメンバ1の屈曲部1Bの曲率よりも小さく設定する
ことで、サイドメンバ1及び補強部材10の平均化され
た全体の重心の屈曲の曲率を、確実に、サイドメンバ1
だけのときの屈曲部1Bの曲率よりも小さくすることが
できる。さらに、補強部材10は、サイドメンバ1の屈
曲部1Bで開口部10Dの開口面積を小さく設けている
ため、屈曲部10Bでの強度が更に向上している。この
ように、サイドメンバ1は、前後方向の軸圧縮で変形し
易い屈曲部1Bを補強部材10の強化した屈曲部10B
により補強することができる。従って、補強部材10に
より補強されたサイドメンバ1の変形は、図9に示した
補強部材を有していないサイドメンバ1に比べて変形が
さらに小さくなる。
【0045】また、サイドメンバ1には、軸圧縮により
屈曲部1Bに曲げモーメントM(図5参照)が加わる。
補強部材10がない場合にはサイドメンバ1の屈曲部1
Bに曲げモーメントMが集中するのに対して、補強部材
10があるので、曲げモーメントMを屈曲部1Bとその
前後の広い範囲で分散させて、曲げモーメントMが局所
的に集中することを抑制するので、この曲げモーメント
Mによる座屈を抑制することができる。従って、屈曲部
1Bで曲げ変形が抑制され、衝撃エネルギーの吸収量の
多い蛇腹変形が誘発されることとなり、補強部材10が
ない場合に比べて、サイドメンバ1の広い領域で蛇腹変
形が発生して、サイドメンバ1の衝撃エネルギーの吸収
量を増加させることができる。
【0046】ここで、サイドメンバ1の蛇腹状の変形を
制御する補強部材10の動作を更に図6ないし図8を参
照して詳細に説明する。図6に示すように、補強部材1
0は、前述のように表面に形成した開口部10Dの開口
面積により、補強部材10の圧縮強度を調整でき、この
開口部10Dによりサイドメンバ1に生じる軸圧縮変形
を制御することができる。補強部材10は、開口部10
Dを設けることで開口部10Dを通過する断面の断面積
が小さくなり(図7参照)、これとは逆に開口部10D
と開口部10Dの間を通過する断面では開口部10Dが
ないために断面積が大きくなる(図8参照)。補強部材
10の軸圧縮強度は、断面積にほぼ比例するので、開口
部10Dが開口する断面では圧縮強度が小さくなり、開
口部10Dと開口部10Dの間の部位を通過する断面で
は圧縮強度が大きくなる。ここで開口部10Dは、軸圧
縮により側面の部位が屈曲して蛇腹状の変形を起こし座
屈波の山部となり、開口部10Dと開口部10Dの間の
部位は、圧縮強度が高いため変形されず座屈波の谷部と
なる。開口部10Dと開口部10Dの間隔2Wが、補強
部材10に生じる軸圧縮変形の座屈波の波長となる。こ
のような補強部材10に生じる軸圧縮変形の座屈波が、
この座屈波と同じ波長、位相の変形をサイドメンバ1に
生じせしめ、この変形をきっかけにサイドメンバ1に蛇
腹変形を誘発させる。
【0047】従来のような、サイドメンバに凹状に切り
欠いたビードを設け、その断面の圧縮強度を低下させる
ことにより蛇腹状の変形を発生させるものに対し、第1
の実施の形態では、蛇腹状の変形を開口部10Dの開口
面積と補強部材10の肉厚を変化させることで、サイド
メンバの圧縮強度を変化させ、サイドメンバに蛇腹状の
変形を発生させる点で大きく異なる。サイドメンバにビ
ードを設ける場合は、衝撃方向が変化しても安定して蛇
腹状変形を誘発させることが可能となるが、その反面、
弱い衝撃で容易に蛇腹状に変形してしまうことで、衝撃
エネルギーの吸収量を低下させる。第1の実施の形態に
よる変形の制御においては、サイドメンバにビードを設
ける必要がないために、ビードによって、サイドメンバ
の圧縮強度が低下してサイドメンバの蛇腹状の変形によ
る衝撃エネルギーの吸収量を低下させることがない。
【0048】また、図9に示した補強部材10を有さな
いサイドメンバ1では、軸圧縮による座屈変形は、主に
サイドメンバ断面のコーナー角部で起き、この部分で衝
撃エネルギーを吸収する。これに対し、第1の実施の形
態では、図8(b)に示すように、サイドメンバ1に発
生する変形において、衝撃エネルギーを吸収する座屈が
サイドメンバ断面のコーナー角部1Dだけではなく、補
強部材10の開口部10Dと開口部10Dの間の部位に
おいて、補強部材10の周囲でも生じることになり、補
強部材10を有さないサイドメンバよりも多い部分で、
衝撃エネルギーを吸収する座屈が生じることになって、
サイドメンバが吸収する衝撃エネルギーが増加する。
【0049】(第2の実施の形態)次に、図10を参照
して本発明による車両の強度部材の補強構造の第2の実
施の形態を詳細に説明する。この第2の実施の形態で
は、補強部材を除いてすべて第1の実施の形態と同一の
構成要素であり、重複する説明は省略する。図10は、
第2の実施の形態の補強部材の変形する状態を表す平面
図であり、(a)は補強部材が変形する前の状態を、
(b)は変形途中の状態を、(c)は補強部材が変形し
た後の状態を各々示している。
【0050】図10に示すように、第2の実施の形態
は、図3に示した第1の実施の形態の補強部材10に設
けた開口部10Dの形状を変更したものである。この第
2の実施の形態では、補強部材20に第1の実施の形態
と同様に表面に所定の間隔(図4(B)に示した間隔2
W)で複数配列する開口部20Dが穿設されている。こ
の開口部20Dには、開口された両側面の中央内側に少
なくとも1個以上の切り欠き20Daが設けられてい
る。
【0051】このような第2の実施の形態によると、開
口部20Dに切り欠き20Daを設けることで、補強部
材20の圧縮強度を部分的に低下させて座屈変形の発生
を誘発させるため、切り欠き20Daにより安定した蛇
腹状の変形を安定して発生させることができる。このよ
うに、第2の実施の形態では、開口部20Dの開口面積
と同時に切り欠き20Daにより蛇腹状の変形を制御す
ることができる。
【0052】(第3の実施の形態)次に、図11を参照
して本発明による車両の強度部材の補強構造の第3の実
施の形態を詳細に説明する。この第3の実施の形態で
は、補強部材を除いてすべて第1の実施の形態と同一の
構成要素であり、重複する説明は省略する。図11は、
第3の実施の形態の補強部材の変形する状態を表す平面
図であり、(a)は補強部材が変形する前の状態を、
(b)は変形途中の状態を、(c)は補強部材が変形し
た後の状態を各々示している。
【0053】図11に示すように、第3の実施の形態
は、図10に示した第2の実施の形態と同様に、補強部
材に設けた開口部の内側に切り欠きを形成して蛇腹状の
変形を誘発するものである。ここで第3の実施の形態
は、第2の実施の形態とは異なり、補強部材30に設け
た開口部30Dの4つのコーナー角部に、切り欠き30
Daを設けたものである。
【0054】このような第3の実施の形態によると、開
口部30Dの4つのコーナー角部に切り欠き30Daを
設けることで、4つのコーナー角部で補強部材30の部
分的な圧縮強度が低下するため、更に効果的な座屈変形
を誘発できる。従って、補強部材30は、切り欠き30
Daにより、さらに効果的で安定した蛇腹状の変形を発
生させることができる。このように、第3の実施の形態
では、第2の実施の形態と同様に開口部30Dの開口面
積と同時に切り欠き30Daにより蛇腹状の変形を制御
することができる。
【0055】(第4の実施の形態)次に、図12を参照
して本発明による車両の強度部材の補強構造の第4の実
施の形態を詳細に説明する。この第4の実施の形態で
は、補強部材を除いてすべて第1の実施の形態と同一の
構成要素であり、重複する説明は省略する。図12は、
第4の実施の形態の補強部材の平面図である。
【0056】上記第1〜第3の実施の形態では、開口部
の4つのコーナ角部をほぼ直角に設けていたが、第4の
実施の形態では、補強部材40に開口した開口部40D
の4つのコーナ角部40Daが円弧の曲線状となるよう
にしたものであり、開口部40Dと開口部40Dとの間
の部位40Eの側面が直線でなく曲線となっている。
【0057】このような第4の実施の形態によると、サ
イドメンバ1が軸圧縮される際、開口部40Dの両側面
は、開口部40Dの内側に変形するよりも外側に変形し
やすくなり、補強部材40及びサイドメンバ1の安定し
た変形が得られる。また第4の実施の形態は、補強部材
40の曲げモーメント(図5(a)参照)に対しての屈
曲強度も他の実施の形態に比べて大きいため、サイドメ
ンバ1の屈曲部1Bでの座屈が一層起こりにくくなる。
【0058】(第5の実施の形態)次に、図13を参照
して本発明による車両の強度部材の補強構造の第5の実
施の形態を詳細に説明する。この第5の実施の形態で
は、補強部材を除いてすべて第1の実施の形態と同一の
構成要素であり、重複する説明は省略する。図13は、
第5の実施の形態の補強部材の縦断面図である。
【0059】第1〜第4の実施の形態では、板状の補強
部材をサイドメンバ1の屈曲部1Bで厚くしているが、
第5の実施の形態では、図13に示すように、補強部材
50の屈曲部50Bを第1〜第4の実施の形態と同様に
厚くするとともに、開口部50Dの幅方向両側部を肉薄
部50Fとし、開口部50Dと開口部50Dとの間の部
位を肉厚部50Eとし、肉薄部50Fの厚さh1を肉厚
部50Eの厚さh2より薄くしている。また、肉薄部5
0Fから肉厚部50Eへの厚みの変化量は、補強部材5
0の屈曲部50Bに比べて、前側50A及び後側50C
において大きく設定している。従って、補強部材50の
厚みは、屈曲部50Bでは厚く、前側50A及び後側5
0Cでは薄くなる。ここで、補強部材50の厚さの変化
は、緩やかな曲線で連続的に変化している。
【0060】このような第5の実施の形態によると、補
強部材50が蛇腹状の変形を起こす場合、圧縮強度が補
強部材50の肉厚部50Eで増大し、その他の開口部5
0Dの幅方向両側部の肉薄部50Fで小さくなるため、
第1〜第4の実施の形態に比べて、肉厚部50Eが強化
され、肉薄部50Fで安定した蛇腹状の変形を誘発でき
る。さらに、補強部材50は、肉薄部50Fの厚みを屈
曲部50Bにおいて前側50Aまたは後側50Cよりも
厚く設けているため、サイドメンバ1の曲げモーメント
(図5(a)参照)を第1〜第4の実施の形態と同様に
抑制できる強度を備えている。
【0061】(第6の実施の形態)次に、図14及び図
15を参照して本発明による車両の強度部材の補強構造
の第6の実施の形態を詳細に説明する。この第6の実施
の形態では、補強部材を除いてすべて第1の実施の形態
と同一の構成要素であり、重複する説明は省略する。図
14は、本発明による車両の強度部材の補強構造の第6
の実施の形態を表す斜視図であり、図15(A)は図1
4に示した補強部材の側面図であり、また図4(B)は
補強部材の平面図である。
【0062】第6の実施の形態の補強部材60は、基本
的にその横断面が矩形で薄板形状となっており、前後方
向に所定の間隔Wで複数の開口部60Dが穿設されてい
る。この開口部60Dの前後方向の間隔Wは、補強部材
60の横幅W、言いかえれば、サイドメンバ1の横幅W
と等しく設定されている。開口部60Dと隣接する開口
部60Dの間の部位は、厚みが厚く設定された肉厚部6
0Eとなっており、これに対して開口部60Dの付近、
即ち、開口部60Dの幅方向両側部は、その厚みが肉厚
部60Eよりも薄くなった肉薄部60Fとなっている。
そして、補強部材60の前後方向に沿った厚みの変化
が、肉厚部60Eと肉薄部60Fとの間で不連続的に変
化している。さらに、補強部材60は、サイドメンバ1
の屈曲部1B付近において、その板状の厚みが厚く形成
されており、その他の部位が薄く形成されている。この
補強部材60の厚みは、サイドメンバ1の前側1Aおよ
び後側1Cから屈曲部1Bに向かい徐々に厚くなるよう
に形成している。
【0063】また、補強部材60は、サイドメンバ1の
屈曲部1B付近において、その屈曲部60Bの曲率がサ
イドメンバ1の屈曲部1Bの曲率と逆の符号の曲率を持
つように設定される。また、サイドメンバ1の屈曲部1
Bの前後で、補強部材60の前側60Aがサイドメンバ
1の閉断面の中心線よりも下側に位置付けられ、また、
補強部材60の後側60Cがサイドメンバ1の中心線よ
りも上側に位置付けられる、ように補強部材60の屈曲
部60Bが屈曲されており、屈曲部1Bにおいて、補強
部材60と中心線とが交差しているのは、第1の実施の
形態と同様である。
【0064】開口部60Dは、屈曲部60Bよりも前側
60Aに複数穿設されている。補強部材60の開口部6
0Dは屈曲部60Bに接近するほど開口面積が小さくな
るように設けてある。即ち、開口部60Dの周囲の前後
方向および左右方向の幅は、屈曲部60Bの近傍では広
くなり、前側に向かうほど狭くなる。従って、開口部6
0Dの開口面積が小さい屈曲部60B付近の圧縮強度及
び曲げ強度が増大する。但し、開口部60Dを屈曲部6
0Bよりも前側60Aのみに設ける代わりに、第1〜第
5の実施の形態のように、屈曲部60B及び後側60C
に設けることも可能であるが、この場合には前実施の形
態と同様、開口面積が、屈曲部60Bにおいて他の部位
よりも小さくなるように設定する。
【0065】また、開口部60Dの形状は、内側の4つ
のコーナー角部を円形状に大きく切り欠くことで開口部
60Dと開口部60Dの間の応力集中を抑制している。
このように補強部材60は、前後方向の軸圧縮により変
形し易いサイドメンバ1の屈曲部1Bに対して、開口部
60Dの形状、または厚み等の部分形状を変えることに
より変形を抑制している。
【0066】次に、この第6の実施の形態において、補
強部材60が軸圧縮による衝撃を吸収する動作を詳細に
説明する。図16は本実施の形態に係るサイドメンバ1
が軸圧縮により変形する状態を示す側面図、図17は補
強部材60の変形する状態を表す平面図であり、各図に
おいて(a)は変形前を、(b)は変形後を各々示して
いる。
【0067】第6の実施の形態による補強部材60にお
いても、前実施の形態と同様に、前後方向の軸圧縮でサ
イドメンバ1の屈曲部1Bに生じる曲げ変形を抑制する
ことができる。さらに、図16に示すように、補強部材
60の屈曲部60Bは、サイドメンバ1と逆に屈曲して
おり、その曲率は、サイドメンバ1の屈曲部1Bの曲率
と逆の符号を持つように設定されているため、補強部材
60の屈曲部60Bにはサイドメンバ1の屈曲部1Bと
逆の方向の曲げモーメントが働き、逆向きに屈曲するこ
ととなる。これによって、補強部材60を有するサイド
メンバ1の中心面は、補強部材を有さないサイドメンバ
に比べてサイドメンバ1の屈曲部1Bに生じる曲げモー
メントM(図16(a)参照)が補強部材60の屈曲部
60Bに働く逆向きの曲げモーメントM1により相殺さ
れて屈曲部1Bに生じる曲げモーメントが小さくなる。
これにより、サイドメンバ1の屈曲部1Bに生じる曲げ
変形を一層、抑制することができる。
【0068】さらに、補強部材60は、サイドメンバ1
の屈曲部1Bで開口部60Dの開口面積を0としている
ため、サイドメンバ1の屈曲部1Bで曲げ変形が抑制さ
れ、開口部60Dのある屈曲部1B付近以外の部分で衝
撃エネルギーの吸収量の多い蛇腹変形が誘発されること
となり、補強部材60がない場合に比べて、サイドメン
バ1の広い領域で蛇腹変形が発生して、サイドメンバ1
の衝撃エネルギーの吸収量を増加させることができる。
【0069】また、補強部材60の厚みは補強部材60
の前後方向に沿って進むに連れて、開口部60Dの部分
の肉薄部60Fから開口部60Dと開口部60Dの間の
肉厚部60Eで不連続に変化するので、補強部材60の
前後方向に沿って、補強部材60の軸圧縮強度は不連続
に変化する。これにより、開口部60Dと開口部60D
の間隔Wが、補強部材60に生じる軸圧縮変形の座屈波
の波長となり、開口部60Dの前後方向の中間の肉薄部
60Fが座屈波の山部となり、開口部60Dと開口部6
0Dの間の肉厚部60Eが座屈波の谷部となる。このよ
うな補強部材60に生じる軸圧縮変形の座屈波が、この
座屈波と同じ波長、位相の変形をサイドメンバ1に生じ
せしめ、この変形をきっかけにサイドメンバ1に蛇腹変
形を誘発させる。
【0070】(第7の実施の形態)次に、図18を参照
して本発明による車両の強度部材の補強構造の第7の実
施の形態を詳細に説明する。この第7の実施の形態で
は、補強部材を除いてすべて第1の実施の形態と同一の
構成要素であり、重複する説明は省略する。図18は、
本発明による車両の強度部材の補強構造の第7の実施の
形態を示す斜視図である。図18に示すように、第7の
実施の形態は、図14に示した第6の実施の形態におい
て、サイドメンバ1に対する補強部材60の前端の位置
を変更したものである。補強部材70の前端70Gは、
サイドメンバ1の前端に対し補強部材70に設けた開口
部70Dの間隔Wの整数倍だけ後退した位置にしてい
る。図18では補強部材70の前端が、開口部70Dの
間隔Wの1倍だけサイドメンバ1の前端より後退してい
るが、後退量はWの2,3,4・・・倍と整数倍であれ
ば良い。前端70Gの位置以外の開口部70D、肉厚部
70E及び肉薄部70Fは、それぞれ第6の実施の形態
の開口部60D、肉厚部60E及び肉薄部60Fと同等
である。
【0071】このような第7の実施の形態によると、補
強部材70がサイドメンバ1の屈曲部1Bで生じる曲げ
変形を抑制し、開口部70Dによってサイドメンバ1に
蛇腹変形を発生させるなどサイドメンバ1の変形を制御
するのが、補強部材70が配設された補強部材70の前
端70Gより屈曲部70Bまでのサイドメンバ1の部分
のみになり、この補強部材70の前端70Gより屈曲部
70Bまでのサイドメンバ1に生じる変形は、座屈波の
波長がWの蛇腹変形に規定される。しかし、サイドメン
バ1の補強部材70の前端70Gより前側が、ほぼ水平
でかつ衝撃の方向とほぼ平行であり、また、サイドメン
バ1の前端と補強部材70の前端70Gの距離を、サイ
ドメンバ1の前端からW後退した部分以降でサイドメン
バ1に生じる蛇腹変形の座屈波長Wに一致させているの
で、サイドメンバ1の前端から補強部材70の前端70
Gまでのサイドメンバ1の変形は、安定して1波長分の
蛇腹変形に規定される。
【0072】こうして、第6の実施の形態と同様に、従
来のようにビードを設けなくても、サイドメンバ1の前
端以降に衝撃エネルギーの吸収量が高い蛇腹変形を発生
させることができる。また、ビードを設けるとサイドメ
ンバが蛇腹変形しても、ビードを設けない場合に比べて
サイドメンバの圧縮強度が低下するが、第7の実施の形
態では、サイドメンバの圧縮強度を低下させることな
く、衝撃エネルギーの吸収量の高い蛇腹変形を安定して
発生させることができる。
【0073】またサイドメンバ1の前端部付近で補強部
材70を省略できるので、第6の実施の形態に比べて補
強部材70を軽量にすることができる。
【0074】(第8の実施の形態)次に、図19を参照
して本発明による車両の強度部材の補強構造の第8の実
施の形態を詳細に説明する。この第8の実施の形態は、
補強部材を除いてすべて第7の実施の形態と同一の構成
要素であり、重複する説明は省略する。図19は、本発
明によるサイドメンバの補強構造の第8の実施の形態を
示す斜視図である。図19に示すように、第8の実施の
形態では、補強部材80の前端80Gより最初の開口部
80Dの幅方向両側部(図19で仮想線で示した部分)
80Hを除去したものである。最初の開口部80D以外
の開口部80D、肉厚部80E及び肉薄部80Fは、そ
れぞれ第7の実施の形態の開口部70D、肉厚部70E
及び肉薄部70Fと同等である。
【0075】このような第8の実施の形態によると、開
口部80Dの幅方向両側部80Hを除去することで、補
強部材80の圧縮強度が第7の実施の形態に比べて低下
するので、第8の実施の形態のサイドメンバ1では、第
7の実施の形態のものに比べて開口部80Dの幅方向両
側部80Hを除去した部分がサイドメンバ1の屈曲部1
Bが曲げ変形を起こすよりも早く蛇腹変形を始める。こ
れにより屈曲部1Bの曲げ変形が屈曲部1Bより前側の
蛇腹変形を阻害することがなくなり、衝撃エネルギーの
吸収量の高い蛇腹変形を安定して引き起こせる。また、
第7の実施の形態の前端70Gを持つ肉厚部70Eに相
当する補強部材80の前端80Gを残すことにより、こ
の部分が蛇腹変形の座屈波の谷部となって前端80Gの
前後両側でサイドメンバ1に蛇腹変形を安定して誘発さ
せ、また、第1の実施の形態の動作を示した図8(b)
と同様に、第8の実施の形態で示した補強部材80の前
端80Gを残した部分の周囲でも、サイドメンバ1に座
屈が生じ衝撃エネルギーを吸収する。これにより、補強
部材を有さないサイドメンバに比べて座屈する部分が増
えることによってサイドメンバ1が吸収する衝撃エネル
ギーが増加する。第8の実施の形態では第6、第7の実
施の形態に比べて、補強部材80の圧縮強度が低下する
が、サイドメンバ1にビードを設ける必要がないので、
サイドメンバ1自体の圧縮強度は低下しない。これによ
り、サイドメンバにビードを設ける場合に比べて衝撃エ
ネルギーの吸収量が増加する。またサイドメンバ1の前
端部付近で補強部材80を省略できるので、第6の実施
の形態、第7の実施の形態に比べて補強部材80を軽量
にすることができる。
【0076】(第9の実施の形態)次に、図20を参照
して本発明による車両の強度部材の補強構造の第9の実
施の形態を詳細に説明する。この第9の実施の形態は、
補強部材を除いてすべて前実施の形態と同一の構成要素
であり、重複する説明は省略する。図20は、第9の実
施の形態の強度部材の変形する状態を表す平面図であ
り、(a)は補強部材が変形する前の状態を、(b)は
変形した後の状態を各々示している。
【0077】第9の実施の形態では、補強部材90に設
けた複数の開口部90Dの幅方向両側部90H1、90
H2のうち片側部90H1の幅を狭くするか、または除
去し、さらに補強部材90の前後方向に沿って前方よ
り、狭くするかまたは除去する開口部90Dの幅方向両
側部90H1、90H2の片側部90H1を開口部90
Dごとに左右で入れ替えている。従って、サイドメンバ
1の中立軸1Fがサイドメンバ1の左右両側面1E、1
Eの中心面1Gに対して波状になる。そのため、補強部
材90を含みサイドメンバ1を前方より軸圧縮させる
と、中心面1Gは中立軸1Fが波状になっていることに
励起されて波状にうねった形態をとりながら軸圧潰す
る。
【0078】前実施の形態では、補強部材を設けること
でサイドメンバ1に蛇腹状の軸圧潰を生じさせるもので
あるが、サイドメンバ1の左右両側面1Eの中心面が波
状にうねることがないので、第9の実施の形態における
軸圧潰の変形モードは前実施の形態における軸圧潰の変
形モードと異なる。しかし、中心面1Gが波状に軸圧潰
されることで得られる衝撃エネルギーの吸収量は、蛇腹
状の軸圧潰と同様に高いので、第9の実施の形態の補強
部材90を設けて、サイドメンバ1の前部を蛇腹状では
なく中心面1Gが波状になるように変形を制御すること
によって、サイドメンバ1を軸圧縮したときの衝撃エネ
ルギー吸収量を高めることができる。
【0079】(第10の実施の形態)次に、図21ない
し図25を参照して本発明による車両の強度部材の補強
構造の第10の実施の形態を詳細に説明する。図21
は、第10の実施の形態を示す斜視図、図22は補強部
材の斜視図、図23は図21のXXIII−XXIII
線に沿って見た端面図、図24は図21のXXIV−X
XIV線に沿って見た端面図、図25は図21のXXV
−XXV線に沿って見た断面図である。この第10の実
施の形態では、サイドメンバ3が、略L字状断面サイド
メンバパネル3Dとクロージングパネル3Fとからなる
上側サイドメンバと、略L字状断面サイドメンバパネル
3Eとクロージングパネル3Gとからなる下側サイドメ
ンバとで構成されている。そして、補強部材100の両
側端にあるフランジ100Fが上記上側サイドメンバと
上記下側サイドメンバのフランジにおいてスポット溶接
や連続溶接されることによって、補強部材100がサイ
ドメンバ3に固定されている。補強部材100は、薄板
をプレス等により成形されたものであり、補強部材10
0の屈曲部100Bよりも前側100Aに、開口部10
0Dが複数穿設されている。開口部100Dと隣接する
開口部100Dの間の部位には、補強部材100の長手
方向と直交する方向にリブ100Eが形成されている。
さらに、補強部材100の屈曲部100Bよりも後側1
00Cには、補強部材100の長手方向と平行に複数の
リブ100Gが形成されている。
【0080】これらのリブ100E、100Gは、前実
施の形態において、これらの部分で補強部材の板厚を増
加したのと同じ効果があり、リブ100E、100Gの
部分は、リブのない部分に比べて曲げ及び圧縮強度が高
いので、サイドメンバ3を前方より圧縮するときに、リ
ブ100Gがサイドメンバ3の屈曲部3Bでの曲げ変形
を抑制する効果を高め、リブ100Eがサイドメンバ前
部の軸圧潰を促進する効果を高める。これによって補強
部材100が無い場合に比べてサイドメンバ3が軸圧縮
されるときの衝撃エネルギーの吸収量を増加させる。ま
た、前実施の形態のように補強部材自身の肉厚を増やし
た場合に比べると、リブ100E、100Gで板厚の変
化がないので、この部分の板厚増加による補強部材の重
量が増加することなく、サイドメンバ3の衝撃エネルギ
ーの吸収量を高く維持しながら、補強部材100を軽量
にすることができる。
【0081】(第11の実施の形態)次に、図26及び
図27を参照して本発明による車両の強度部材の補強構
造の第11の実施の形態を詳細に説明する。この第11
の実施の形態では、補強部材を除いてすべて第10の実
施の形態と同一の構成要素であり、重複する説明は省略
する。図26は第11の実施の形態の補強部材の縦断面
図、図27は補強部材の斜視図である。
【0082】第10の実施の形態では、補強部材100
の屈曲部100Bを含む前後を滑らかな曲線としていた
が、第11の実施の形態では、補強部材110の屈曲部
110Bの前後に脆弱部としての折れ線110Hを設
け、敢えて不連続にしたものである。折れ線110H以
外の開口部110D、リブ110E、110G、フラン
ジ110Fは、それぞれ第10の実施の形態の開口部1
00D、リブ100E、100G、フランジ100Fと
同等である。
【0083】このような第11の実施の形態によると、
折れ線110Hをきっかけとして、補強部材110の屈
曲部110Bにはサイドメンバ3の屈曲部3Bと逆の方
向の曲げモーメントが働き、サイドメンバ3と逆向きに
折れ曲ろうとする。これによって、補強部材110を有
するサイドメンバ3の中心面は、補強部材を有さないサ
イドメンバに比べてサイドメンバ3の屈曲部3Bに生じ
る曲げモーメントM(図26参照)が補強部材110の
屈曲部110Bに働く逆向きの曲げモーメントM1によ
り相殺されて屈曲部3Bに生じる曲げモーメントが小さ
くなる。こうして、サイドメンバ3の屈曲部3Bに生じ
る曲げ変形を一層、抑制することができる。折れ線11
0Hを設けることで、補強部材110を意図的に折れ線
110Hで変形させ、確実にサイドメンバ3と逆向きに
屈曲させるように制御することができる。
【0084】(第12の実施の形態)次に、図28及び
図29を参照して本発明による車両の強度部材の補強構
造の第12の実施の形態を詳細に説明する。この第12
の実施の形態では、補強部材を除いてすべて第11の実
施の形態と同一の構成要素であり、重複する説明は省略
する。図28は第12の実施の形態の補強部材の斜視
図、図29は図28のIXXX−IXXX線に沿って見
たサイドメンバを含めた断面図である。
【0085】第12の実施の形態では、補強部材120
の両側端にあるフランジ120Fが屈曲部120Bにお
いて除去されたものである。フランジ120F以外の開
口部120D、リブ120E、120G、折れ線120
Hは、それぞれ第11の実施の形態の開口部110D、
リブ110E、110G、折れ線110Hと同等であ
る。
【0086】このような第12の実施の形態によると、
補強部材120が折れ線120Hをきっかけとして、補
強部材120の屈曲部120Bにはサイドメンバ3の屈
曲部3Bと逆の方向の曲げモーメントが働き、逆向きに
折れ曲ろうとするときに、補強部材120は屈曲部12
0Bにおいてサイドメンバ3の屈曲部3Bと接合されて
いないため、サイドメンバ3に拘束されずに、補強部材
120を確実にサイドメンバ3の逆の方向に屈曲させる
ことができる。このように、折れ線120Hを設け、屈
曲部120Bでサイドメンバ3と接合しないようにする
ことで、意図的に折れ線120Hで変形させ、補強部材
120を屈曲部120Bにおいて一層確実にサイドメン
バ3と逆向きに屈曲させるように制御することができ
る。
【0087】(第13の実施の形態)次に、図30及び
図31を参照して本発明による車両の強度部材の補強構
造の第13の実施の形態を詳細に説明する。この第13
の実施の形態では、補強部材を除いてすべて第12の実
施の形態と同一の構成要素であり、重複する説明は省略
する。図30は第13の実施の形態の補強部材の縦断面
図、図31は補強部材の斜視図である。
【0088】第13の実施の形態では、補強部材130
の屈曲部130Bを含む前後を滑らかな曲線とし、脆弱
部として折れ線を設ける代わりに屈曲部130Bの前後
に横孔130Hを設けたものである。横孔130Hは、
リブ130Gを残して、補強部材130の長手方向に直
交する方向に伸びている。横孔130H以外の開口部1
30D、リブ130E、130G、フランジ130F
は、それぞれ第12の実施の形態の開口部120D、リ
ブ120E、120G、フランジ120Fと同等であ
る。
【0089】このような第13の実施の形態によると、
横孔130Hをきっかけとして、補強部材130の屈曲
部130Bにはサイドメンバ3の屈曲部3Bと逆の方向
の曲げモーメントが働き、逆向きに折れ曲ろうとする。
これによって、補強部材130を有するサイドメンバ3
の中心面は、補強部材を有さないサイドメンバに比べて
サイドメンバ3の屈曲部3Bに生じる曲げモーメントM
が補強部材130の屈曲部130Bに働く逆向きの曲げ
モーメントM1により相殺されて屈曲部3Bに生じる曲
げモーメントが小さくなる。また、補強部材130の屈
曲部130Bにサイドメンバ3の屈曲部3Bと逆の方向
の曲げモーメントM1が働き、逆向きに折れ曲ろうとす
るときに、補強部材130は屈曲部130Bにおいてサ
イドメンバ3の屈曲部3Bと接合されていないため、サ
イドメンバ3に拘束されずに、補強部材130を確実に
サイドメンバ3の逆の方向に屈曲させることができる。
こうして、サイドメンバ3の屈曲部3Bに生じる曲げ変
形を一層、抑制することができる。そして、横孔130
Hを設け、屈曲部130Bでサイドメンバ3と接合しな
いようにすることで、意図的に横孔130Hで変形さ
せ、補強部材130を一層確実にサイドメンバ3と逆向
きに屈曲させるように制御することができる。
【0090】(第14の実施の形態)図32は、第14
の実施の形態を表す図23相当の端面図である。この実
施の形態では、サイドメンバ4が略コ字状断面サイドメ
ンバパネル4Dと、クロージングパネル4E、4Fとか
ら構成される点で、第10ないし第13の実施の形態の
サイドメンバ3と相違している。補強部材としては、第
10ないし第13の実施の形態で説明した補強部材10
0、110、120、130のいずれかを用いることが
可能であり、片側側端のフランジ100F1を下側(ま
たは上側)に屈曲させて、略コ字状断面サイドメンバパ
ネル4Dの上下方向中央部に接合することで、第10な
いし第13の実施の形態と同様の作用・効果を持たせる
ことができる。また、これによって、サイドメンバ4の
部品点数を低減させることができる。
【0091】(第15の実施の形態)図33は、第15
の実施の形態を表す図23相当の端面図である。この実
施の形態では、サイドメンバ5が略L字状断面サイドメ
ンバパネル5D、5Eと、クロージングパネル5Fとか
ら構成される点で、第14の実施の形態のサイドメンバ
4と相違している。補強部材としては、第10ないし第
13の実施の形態で説明した補強部材100、110、
120、130のいずれかを用いることが可能であり、
片側側端のフランジ100F2を下側(または上側)に
屈曲させて、クロージングパネル5Fの上下方向中央部
に接合することで、第10ないし第13の実施の形態と
同様の作用・効果を持たせることができる。また、これ
によって、サイドメンバ5の部品点数を低減させること
ができる。
【0092】(第16の実施の形態)次に、図34を参
照して本発明による車両の強度部材の補強構造の第16
の実施の形態を詳細に説明する。この第16の実施の形
態では、補強部材を除いてすべて第1の実施の形態と同
一の構成要素であり、重複する説明は省略する。図34
は、第16の実施の形態の補強部材を表す平面図であ
る。図34に示すように、第16の実施の形態は、サイ
ドメンバ1と補強部材160とが、上屈曲または下屈曲
とは別に、左右方向への第2屈曲部1Mを有しており、
この曲がり方向に補強部材160の開口部160Dの中
心点Xをオフセットさせたものである。図34に示す一
点鎖線は左右方向に屈曲する補強部材160の中心線を
表しており、二点鎖線は左右方向に屈曲する補強部材1
60の中心線から間隔yだけオフセットした開口部16
0Dの中心線である。このように、曲がりが生じた補強
部材160の開口部160Dの中心線をオフセットさせ
ることにより、補強部材160の曲がりにより変形が不
安定になることを防止している。この開口部160Dの
オフセット量は、曲がりが生じた屈曲部160Bから前
側160Aに向かうほど大きくなり、連続的に変化して
いる。また、曲がりが生じていない屈曲部160Bから
後側160Cまでは開口部160Dはオフセットされず
一定である。
【0093】このような第16の実施の形態によると、
サイドメンバ1を軸圧縮したときに、左右方向の曲げ座
屈が発生しにくくなり、安定した補強部材160の蛇腹
状の変形を誘発でき、衝撃エネルギーの吸収量を増加さ
せることができる。
【0094】尚、以上の実施の形態では、強度部材とし
てフロントサイドメンバを例にして説明したが、リヤサ
イドメンバについても同様に適用できることは勿論であ
る。さらに、サイドメンバが下屈曲している場合を例に
して説明したが、サイドメンバが上屈曲している場合、
さらには、サイドメンバの閉断面の中心線が右側から左
側へ屈曲する左屈曲や、左側から右側へ屈曲する右屈曲
となっている場合についても、同様に適用できることは
勿論である。第16の実施の形態については、屈曲の大
きい屈曲部に対して、屈曲の生じている面と直交するよ
うに補強部材を配設し、屈曲の小さい第2屈曲部に対し
て、屈曲の生じている面と開口部とを平行に配置し、開
口部の中心線をオフセットさせるようにするとよい。さ
らには、第10ないし第15の実施の形態において、補
強部材にリブを設けた部位について、リブを設ける代わ
りにまたはリブと共に、複数の薄板を重ねて他の部位よ
りも枚数を多くすることによって、板厚を増加したのと
同じ効果を持たせることができる。さらには、図35に
示すように、反対方向の突出するリブ同士を重ね合わせ
ることによって、リブ同士で閉断面を構成して、肉厚部
とすることもできる。また、フレーム構造における骨格
部材を、本発明の強度部材として適用できることも勿論
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両の強度部材の補強構造におい
て、各実施の形態で強度部材として説明するサイドメン
バを表す斜視図である。
【図2】図1のサイドメンバの側面図である。
【図3】本発明による車両の強度部材の補強構造の第1
の実施の形態を表す斜視図である。
【図4】(A)は図3に示した補強部材を示す側面図で
あり、また(B)は補強部材の平面図である。
【図5】第1の実施の形態に係るサイドメンバが軸圧縮
により変形する状態を示す側面図であり、(a)は変形
前を、(b)は変形後を各々示している。
【図6】第1の実施の形態に係る補強部材の変形する状
態を表す平面図であり、(a)は変形前を、(b)は変
形後を各々示している。
【図7】第1の実施の形態に係るサイドメンバの変形す
る状態を表す図5中VII−VII線に沿って見た端面
図であり、(a)は変形前を、(b)は変形後を各々示
している。
【図8】第1の実施の形態に係るサイドメンバの変形す
る状態を表す図5中VIII−VIII線に沿って見た
端面図であり、(a)は変形前を、(b)は変形後を各
々示している。
【図9】補強部材を有していないサイドメンバが軸圧縮
により変形する状態を示す図5相当図であり、(a)は
変形前を、(b)は変形後を各々示している。
【図10】本発明の第2の実施の形態の補強部材の変形
する状態を表す平面図であり、(a)は補強部材が変形
する前の状態を、(b)は変形途中の状態を、(c)は
補強部材が変形した後の状態を各々示している。
【図11】本発明の第3の実施の形態の補強部材の変形
する状態を表す平面図であり、(a)は補強部材が変形
する前の状態を、(b)は変形途中の状態を、(c)は
補強部材が変形した後の状態を各々示している。
【図12】本発明の第4の実施の形態の補強部材の平面
図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態の補強部材の縦断
面図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態の補強部材を表す
斜視図である。
【図15】(A)は図14に示した補強部材を示す側面
図であり、また(B)は補強部材の平面図である。
【図16】第6の実施の形態に係るサイドメンバが軸圧
縮により変形する状態を示す側面図であり、(a)は変
形前を、(b)は変形後を各々示している。
【図17】第6の実施の形態に係る補強部材の変形する
状態を表す平面図であり、(a)は変形前を、(b)は
変形後を各々示している。
【図18】本発明の第7の実施の形態の補強部材を表す
斜視図である。
【図19】本発明の第8の実施の形態の補強部材を表す
斜視図である。
【図20】本発明の第9の実施の形態の強度部材の変形
する状態を表す平面図であり、(a)は補強部材が変形
する前の状態を、(b)は変形した後の状態を各々示し
ている。
【図21】本発明による車両の強度部材の補強構造の第
10の実施の形態を表す斜視図である。
【図22】第10の実施の形態に係る補強部材の斜視図
である。
【図23】図21のXXIII−XXIII線に沿って
見た端面図である。
【図24】図21のXXIV−XXIV線に沿って見た
端面図である。
【図25】図21のXXV−XXV線に沿って見た断面
図である。
【図26】本発明の第11の実施の形態の補強部材の縦
断面図である。
【図27】第11の実施の形態の補強部材の斜視図であ
る。
【図28】本発明の第12の実施の形態の補強部材の斜
視図である。
【図29】図28のIXXX−IXXX線に沿って見た
サイドメンバを含めた断面図である。
【図30】本発明の第13の実施の形態の補強部材の縦
断面図である。
【図31】第13の実施の形態の補強部材の斜視図であ
る。
【図32】本発明の第14の実施の形態を表す図23相
当の端面図である。
【図33】本発明の第15の実施の形態を表す図23相
当の端面図である。
【図34】本発明の第16の実施の形態の補強部材を表
す平面図である。
【図35】本発明の他の実施の形態を表す図25相当の
断面図である。
【符号の説明】
1、3、4、5 サイドメンバ(強度部材) 1A、3A 前側 1B、3B 屈曲部 1C、3C 後側 1M 第2屈曲部 10、20、30、40、50、60、70、80、9
0、100、110、120、130、160 補強部
材 10A、50A、60A、100A、110A、120
A、130A、160A 前側 10B、50B、60B、70B、80B、100B、
110B、120B、130B、160B 屈曲部 10C、50C、60C、100C、110C、120
C、130C、160C 後側 10D、20D、30D、40D、50D、60D、7
0D、80D、90D、100D、110D、120
D、130D、160D 開口部 20Da、30Da 切り欠き 40Da コーナ角部 50E、60E、70E、80E 肉厚部 50F、60F、70F、80F 肉薄部 70G、80G 前端 80H、90H1、90H2 幅方向両側部 90H1 幅方向両側部の片側部 100E、110E、120E、130E リブ 100G、110G、120G、130G リブ 110H、120H 折れ線(脆弱部) 130H 横孔(脆弱部)

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉断面構造となった強度部材が屈曲部を
    有し、この強度部材の閉断面内に強度部材の軸方向に沿
    って補強部材を配設した車両の強度部材の補強構造にお
    いて、 屈曲部の前後で強度部材の閉断面の中心線が一方側から
    他方側へ屈曲するときに、強度部材の該屈曲部付近にお
    いて前記補強部材は、該屈曲部の前側で強度部材の閉断
    面の中心線に対して他方側に位置付けられる一方、該屈
    曲部の後側で強度部材の閉断面の中心線に対して一方側
    に位置付けられており、該屈曲部において強度部材の閉
    断面の中心線に対して交差するように屈曲されることを
    特徴とする車両の強度部材の補強構造。
  2. 【請求項2】 前記強度部材の屈曲部は、屈曲部の前後
    で上下方向に屈曲するものであることを特徴とする請求
    項1記載の車両の強度部材の補強構造。
  3. 【請求項3】 前記強度部材の屈曲部は、屈曲部の前後
    で左右方向に屈曲するものであることを特徴とする請求
    項1記載の車両の強度部材の補強構造。
  4. 【請求項4】 強度部材の屈曲部において、補強部材の
    曲率は、強度部材の曲率よりも小さく設定されることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の車両
    の強度部材の補強構造。
  5. 【請求項5】 強度部材の屈曲部の前後で、補強部材は
    強度部材とは逆に他方側から一方側へ屈曲することを特
    徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の車両の
    強度部材の補強構造。
  6. 【請求項6】 強度部材の屈曲部の始まりと終わりにお
    いて、補強部材に脆弱部が設けられることを特徴とする
    請求項5記載の車両の強度部材の補強構造。
  7. 【請求項7】 前記脆弱部は、補強部材の幅方向に伸び
    る折れ線であることを特徴とする請求項6記載の車両の
    強度部材の補強構造。
  8. 【請求項8】 前記脆弱部は、補強部材の幅方向に形成
    された横孔であることを特徴とする請求項6記載の車両
    の強度部材の補強構造。
  9. 【請求項9】 強度部材の屈曲部以外の部位において、
    補強部材は強度部材と連結されることを特徴とする請求
    項5ないし8のいずれか1に記載の車両の強度部材の補
    強構造。
  10. 【請求項10】 強度部材の屈曲部において、補強部材
    の厚みは、補強部材のそれ以外の部位よりも厚く設定さ
    れることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1に
    記載の車両の強度部材の補強構造。
  11. 【請求項11】 強度部材の屈曲部において、補強部材
    にはリブが形成されることを特徴とする請求項1ないし
    9のいずれか1に記載の車両の強度部材の補強構造。
  12. 【請求項12】 強度部材は複数の薄板からなり、強度
    部材の屈曲部において、補強部材の薄板の枚数は、補強
    部材のそれ以外の部位よりも多く設定されることを特徴
    とする請求項1ないし9のいずれか1に記載の車両の強
    度部材の補強構造。
  13. 【請求項13】 補強部材は、強度部材の軸方向に沿っ
    て所定の間隔で開口された複数の開口部を有し、軸圧縮
    による変形を制御することを特徴とする請求項1ないし
    12のいずれか1に記載の車両の強度部材の補強構造。
  14. 【請求項14】 強度部材の屈曲部において、前記開口
    部は、他の部位の開口部よりも開口面積が小さく、また
    は開口面積が0に設定されることを特徴とする請求項1
    3記載の車両の強度部材の補強構造。
  15. 【請求項15】 補強部材の厚みは、前記開口部の幅方
    向両側部で薄い肉薄部となり、隣接する開口部の間で肉
    薄部よりも厚い肉厚部となっており、さらに強度部材の
    屈曲部において肉厚部よりも厚く設定されることを特徴
    とする請求項13または14記載の車両の強度部材の補
    強構造。
  16. 【請求項16】 補強部材の軸方向に沿った厚みの変化
    が、前記肉厚部と前記肉薄部との間で不連続的であるこ
    とを特徴とする請求項15記載の車両の強度部材の補強
    構造。
  17. 【請求項17】 補強部材には、隣接する開口部の間に
    リブが形成されることを特徴とする請求項13または1
    4記載の車両の強度部材の補強構造。
  18. 【請求項18】 強度部材は複数の薄板からなり、隣接
    する開口部の間において、補強部材の薄板の枚数は、開
    口部の幅方向両側部の枚数よりも多く設定されることを
    特徴とする請求項13または14記載の車両の強度部材
    の補強構造。
  19. 【請求項19】 前記補強部材の開口部には、開口する
    内側のコーナー角部に切り欠きが設けられ、この切り欠
    きで軸圧縮による座屈を誘発することを特徴とする請求
    項13ないし18のいずれか1に記載の車両の強度部材
    の補強構造。
  20. 【請求項20】 前記補強部材の開口部には、開口する
    内側側面の中央に切り欠きが設けられ、この切り欠きで
    軸圧縮による座屈を誘発することを特徴とする請求項1
    3ないし18のいずれか1に記載の車両の強度部材の補
    強構造。
  21. 【請求項21】 前記補強部材の開口部の開口する内側
    のコーナー角部が曲線状となっていることを特徴とする
    請求項13ないし18のいずれか1に記載の車両の強度
    部材の補強構造。
  22. 【請求項22】 前記強度部材は、前記屈曲部と異なる
    面内において屈曲する第2屈曲部を有しており、前記開
    口部はこの第2屈曲部が屈曲する面と平行に配置され、
    第2屈曲部において開口部が強度部材の中心線よりも屈
    曲方向にオフセットされて設けられることを特徴とする
    請求項13ないし21のいずれか1に記載の車両の強度
    部材の補強構造。
  23. 【請求項23】 前記補強部材の開口部が、前記強度部
    材の屈曲部よりも軸方向に沿って見て一方側のみに設定
    されることを特徴とする請求項13ないし22のいずれ
    か1に記載の車両の強度部材の補強構造。
  24. 【請求項24】 前記補強部材の複数の開口部の軸方向
    の間隔が、前記強度部材の閉断面構造の短辺の幅の略半
    分または略整数倍に等しく設定されることを特徴とする
    請求項13ないし23のいずれか1に記載の車両の強度
    部材の補強構造。
  25. 【請求項25】 前記補強部材の一端が、前記強度部材
    の一端に一致して位置付けられるか、または強度部材の
    一端より前記補強部材の複数の開口部の間隔の整数倍離
    して位置付けられることを特徴とする請求項13ないし
    24のいずれか1に記載の車両の強度部材の補強構造。
  26. 【請求項26】 前記補強部材の複数の開口部のうち少
    なくともその一部の開口部は、その幅方向両側部が除去
    されていることを特徴とする請求項13ないし25のい
    ずれか1に記載の車両の強度部材の補強構造。
  27. 【請求項27】 前記補強部材の複数の開口部のうち少
    なくともその一部の開口部は、その幅方向両側部のうち
    の片側部のみが除去されていることを特徴とする請求項
    13ないし26のいずれか1に記載の車両の強度部材の
    補強構造。
  28. 【請求項28】 前記補強部材の複数の開口部のうち少
    なくともその一部の開口部は、その幅方向両側部のうち
    の片側部のみが除去されており、除去される片側部が、
    強度部材の軸方向に沿って開口部毎に互い違いとなって
    いることを特徴とする請求項13ないし26のいずれか
    1に記載の車両の強度部材の補強構造。
  29. 【請求項29】 前記補強部材の複数の開口部のうち少
    なくともその一部の開口部は、その幅方向両側部の幅が
    異なっていることを特徴とする請求項13ないし28の
    いずれか1に記載の車両の強度部材の補強構造。
  30. 【請求項30】 前記補強部材の複数の開口部のうち少
    なくともその一部の開口部は、その幅方向両側部の幅が
    異なっており、その大小関係が、強度部材の軸方向に沿
    って開口部毎に互い違いとなっていることを特徴とする
    請求項13ないし28のいずれか1に記載の車両の強度
    部材の補強構造。
JP28918898A 1998-01-08 1998-10-12 車両の強度部材の補強構造 Withdrawn JPH11342862A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28918898A JPH11342862A (ja) 1998-01-08 1998-10-12 車両の強度部材の補強構造

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP205098 1998-01-08
JP10-88583 1998-04-01
JP8858398 1998-04-01
JP10-2050 1998-04-01
JP28918898A JPH11342862A (ja) 1998-01-08 1998-10-12 車両の強度部材の補強構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11342862A true JPH11342862A (ja) 1999-12-14

Family

ID=27275180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28918898A Withdrawn JPH11342862A (ja) 1998-01-08 1998-10-12 車両の強度部材の補強構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11342862A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1440867A1 (en) * 2003-01-24 2004-07-28 Ford Global Technologies, Inc. Structural design component for automotive vehicles
JP2008247379A (ja) * 2007-03-02 2008-10-16 Sumitomo Metal Ind Ltd サイドメンバー
DE112007000726T5 (de) 2006-03-30 2009-01-29 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Rahmen mit geschlossenen Querschnitten
JP2010505694A (ja) * 2006-10-12 2010-02-25 マグナ オートモーティヴ サーヴィシーズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 特に非軸線方向荷重用のエネルギ吸収装置
JP2010184596A (ja) * 2009-02-12 2010-08-26 Honda Motor Co Ltd 車体後部構造
WO2013005381A1 (ja) * 2011-07-06 2013-01-10 マツダ株式会社 車両の前部車体構造
JP2013213337A (ja) * 2012-04-02 2013-10-17 Homma Archi-Life Co Ltd 耐力パネル、ならびにこれを用いた建築物、構造物及び機械
CN103625401A (zh) * 2013-12-10 2014-03-12 湖南大学 一种带窗式薄壁方管吸能装置
JP2016155509A (ja) * 2015-02-26 2016-09-01 新日鐵住金株式会社 衝撃吸収部材
WO2017137247A1 (en) * 2016-02-09 2017-08-17 Gordon Murray Design Limited Impact energy absorbing structure
CN108583689A (zh) * 2018-05-08 2018-09-28 江苏敏安电动汽车有限公司 具有传力结构的纵梁和汽车
CN112141214A (zh) * 2019-06-27 2020-12-29 丰田自动车株式会社 悬架梁
CN112677914A (zh) * 2019-10-17 2021-04-20 马自达汽车株式会社 车辆的前部车身结构
CN112982246A (zh) * 2021-03-16 2021-06-18 长沙理工大学 一种防撞垫用吸能盒

Cited By (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1440867A1 (en) * 2003-01-24 2004-07-28 Ford Global Technologies, Inc. Structural design component for automotive vehicles
DE112007000726B4 (de) * 2006-03-30 2020-06-18 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Rahmen mit geschlossenen Querschnitten
DE112007000726T5 (de) 2006-03-30 2009-01-29 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Rahmen mit geschlossenen Querschnitten
JP2010505694A (ja) * 2006-10-12 2010-02-25 マグナ オートモーティヴ サーヴィシーズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 特に非軸線方向荷重用のエネルギ吸収装置
JP2008247379A (ja) * 2007-03-02 2008-10-16 Sumitomo Metal Ind Ltd サイドメンバー
JP2010184596A (ja) * 2009-02-12 2010-08-26 Honda Motor Co Ltd 車体後部構造
US8936299B2 (en) 2011-07-06 2015-01-20 Mazda Motor Corporation Vehicle front body structure
CN103635377A (zh) * 2011-07-06 2014-03-12 马自达汽车株式会社 车辆的前部车身结构
WO2013005381A1 (ja) * 2011-07-06 2013-01-10 マツダ株式会社 車両の前部車体構造
JP2013213337A (ja) * 2012-04-02 2013-10-17 Homma Archi-Life Co Ltd 耐力パネル、ならびにこれを用いた建築物、構造物及び機械
CN103625401A (zh) * 2013-12-10 2014-03-12 湖南大学 一种带窗式薄壁方管吸能装置
CN103625401B (zh) * 2013-12-10 2015-08-19 湖南大学 一种带窗式薄壁方管吸能装置
JP2016155509A (ja) * 2015-02-26 2016-09-01 新日鐵住金株式会社 衝撃吸収部材
WO2017137247A1 (en) * 2016-02-09 2017-08-17 Gordon Murray Design Limited Impact energy absorbing structure
CN108778846A (zh) * 2016-02-09 2018-11-09 戈登·默里设计有限公司 冲击能量吸收结构
US20190077348A1 (en) * 2016-02-09 2019-03-14 Gordon Murray Design Limited Impact Energy Absorbing Structure
JP2019507057A (ja) * 2016-02-09 2019-03-14 ゴードン・マレー・デザイン・リミテッド 衝撃エネルギー吸収構造
US11077813B2 (en) 2016-02-09 2021-08-03 Gordon Murray Design Limited Impact energy absorbing structure
CN108778846B (zh) * 2016-02-09 2022-12-09 戈登·默里设计有限公司 冲击能量吸收结构
CN108583689A (zh) * 2018-05-08 2018-09-28 江苏敏安电动汽车有限公司 具有传力结构的纵梁和汽车
CN112141214A (zh) * 2019-06-27 2020-12-29 丰田自动车株式会社 悬架梁
CN112141214B (zh) * 2019-06-27 2023-01-24 丰田自动车株式会社 悬架梁
CN112677914A (zh) * 2019-10-17 2021-04-20 马自达汽车株式会社 车辆的前部车身结构
JP2021066204A (ja) * 2019-10-17 2021-04-30 マツダ株式会社 車両の前部車体構造
CN112677914B (zh) * 2019-10-17 2024-05-14 马自达汽车株式会社 车辆的前部车身结构
CN112982246A (zh) * 2021-03-16 2021-06-18 长沙理工大学 一种防撞垫用吸能盒

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0799757B1 (en) Lower body structure for vehicle
JPH11342862A (ja) 車両の強度部材の補強構造
US6893078B2 (en) Front body structure for vehicle
US7008007B2 (en) Vehicle body end structure
JP3381703B2 (ja) 自動車のフロア構造
US7874611B2 (en) Scalable two-piece reinforcement and method for producing same
CN101565059B (zh) 车辆中间支柱结构
JP2563632Y2 (ja) 自動車の前部車体構造
JP2002120766A (ja) 車両のサイドシル構造
JP2004188998A (ja) 車体フレーム
JP2006321491A (ja) 車体骨格フレームの補強構造
JPH06328988A (ja) 車両用バンパービーム
JPH04353080A (ja) 自動車の後部車体構造
JP7133608B2 (ja) 電動車両用サイドシル補強構造
JP2020117159A (ja) 車両構造
JP2003095135A (ja) 自動車の車体前部構造
JPH09315344A (ja) 車体構造
US20240097256A1 (en) Battery case of automobile and method for manufacturing the same
JP2002370676A (ja) 自動車の車体後部構造
JP3632654B2 (ja) 車体前部構造
JP3267248B2 (ja) バンパリインフォースメントの取付構造
JP4362952B2 (ja) バンパステイ
JPH11268663A (ja) 車両フレームへのバンパー固定構造
JP3779335B2 (ja) キャブオーバ−形運転室を有する車両のドアビーム
JP3572459B2 (ja) 車体前部構造

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060110