JP5247229B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、アルマイト皮膜は離型性がそれほど高くないため、特に小径トナーの場合は、トナー自体が鏡像力やファンデルワールス力の影響を大きく受けるため、感光体の周速(現像ローラは通常その1.5倍の周速)が速くなると、現像バイアスを印加しても感光体の静電潜像に飛翔せず、現像性が低下するという問題がある。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、抵抗調整剤の径が大きい場合には、添加量を増やしていくと表面粗さ(Ra)が大きくなり、トナーとのファンデルワールス力が強くなり、トナーがローラ表面に付着してしまい、特にトナー中の3μm以下のトナー粒子が付着しやすいという問題があった。
そこで本発明は、非接触現像方式の画像形成装置において現像ローラ抵抗層としてアルマイト皮膜を用いる場合に、アルマイト層の抵抗低下を発生させないようにして所望の耐リーク性を得ると共に、表層の算術表面粗さ(Ra)を低下させることにより、トナー粒子の現像ローラ表面への付着を低減することを課題とする。
本発明の画像形成装置は、磁性キャリア4とトナー5からなる二成分現像剤を用い、磁気ローラ1(二成分現像剤搬送体)上に担持された二成分現像剤により現像ローラ2上にトナー薄層9を形成し、トナー薄層9からトナー5を飛翔させて、感光体3(静電潜像担持体)上に形成された静電潜像を現像する、所謂非接触現像方式による画像形成装置である。図1に示すように、該画像形成装置は、前記感光体3を備え、この感光体3の周囲には帯電手段8、露光手段16、現像手段18、一次転写手段22、二次転写手段25、定着手段26およびクリーニング手段24等が配置されている。
図2に本発明にかかる現像手段の一部を模式的に示し、それを参照しながら、現像方法について説明する。
磁気ローラ1に内包されている固定マグネットで磁気的に拘束されているキャリア4(磁性体粒子)と、その表面に帯電保持されているトナー5とからなる磁気ブラシ6が、磁気ローラ1表面を回動し現像ローラ2へ搬送される。磁気ローラ1の表面はブラスト処理や溝加工を施したものを用いることで磁気ブラシ6の搬送をよりスムーズに行える。
トナー体積平均粒子径はマルチサイザーIII(ベックマン・コールター社製)を用い、アパチャー径100μm(測定範囲2.0〜60μm)で測定することができる。また、トナー帯電量は、QMメータ(TREK社製、MODEL 210HS)で測定することができる。
キャリア4の飽和磁化は、TOEI社製「VSM−P7」を用いて、磁場79.6kA/m(1kOe)で測定することができる。
本発明に係る現像ローラは、固定された磁性部材の外周部を回転するスリーブ状のローラである。該現像ローラは、図3に示すように、スリーブ状のアルミニウム系金属製基体30を含み、その表面に抵抗層としてアルマイト皮膜31を有してなり、さらにアルマイト皮膜31の上に樹脂層38を有する。この樹脂層38は、少なくとも第1樹脂層33と第2樹脂層35を含むものである。第1樹脂層33は、アルマイト皮膜31上に形成される樹脂層であって、平均粒子径Aの第1抵抗調整剤34を含有し、その平均粒子径Aとアルマイト皮膜表面層に存在する孔32の平均径Bの関係がA>Bである。第2樹脂層35は、最上層に形成される樹脂層であって、前記第1抵抗調整剤34の平均粒子径Aより小さい平均粒子径を有する第2抵抗調整剤36を含有する。第2樹脂層35の上にトナー薄層9が形成される。
具体的には、アルマイト皮膜表面層に存在する孔の平均径B(通常0.05〜0.3μm)よりも第1抵抗調整剤の平均粒子径Aは0.3μm以上、好ましくは0.4〜0.6μm程度大きいのがよい。
第1樹脂層の厚さは、抵抗調整剤の分散性の観点から3〜7μmの範囲が好ましい。第2樹脂層の厚さは、抵抗調整剤の分散性の観点から3〜7μmの範囲が好ましい。3μmより薄いと製造が困難である。また、7μmより厚いと樹脂層の塗工後の乾燥時に抵抗調整剤が沈降して抵抗値にバラツキが生じる。
第1抵抗調整剤の第1樹脂層における含有率、第2抵抗調整剤の第2樹脂層における含有率は、現像ローラの表面層の体積抵抗を107〜1011Ω・cmの範囲に調整するように選択するのが好ましい。さらに、第2抵抗調整剤の第2樹脂層における含有率は、現像ローラの表面の算術表面粗さ(Ra)を前記範囲に調整するように選択するのが好ましい。通常、第1抵抗調整剤の第1樹脂層における含有率は5〜30重量%の範囲から選択され、第2抵抗調整剤の第2樹脂層における含有率は5〜30重量%の範囲から選択される。
具体的には、本発明で使用可能なシリコーン変性ウレタン樹脂としては、例えば信越化学工業(株)社製のX−93−1343、X−93−1549、X−93−1248K、X−93−1249Cなどが挙げられる。
ここで、2価の炭化水素基としては、炭素数1〜12、特に1〜6のアルキレン基、フェニレン基が好ましい。3価の炭化水素基としては、炭素数1〜12、特に1〜6のもので、アルキレン基又はフェニレン基より水素原子が1個脱離したものが好ましい。1価の炭化水素基としては、炭素数1〜12、特に1〜6のアルキル基、フェニル基が好ましい。また、活性水素を有する有機官能基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基が好適なものとして挙げられる。なお、上記1価、2価、3価の各炭化水素基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
上記の炭化水素化合物としては、下記のものが例示されるが、これらに限定されるものではない。
(式中、R7、R8は2価の炭化水素基、R9は1価炭化水素基、R10は単結合又は2価の炭化水素基、R11、R12、R13は1価の炭化水素基又は水素原子、R14は1価の炭化水素基、R15は3価の炭化水素基、X3は活性水素を有する有機官能基、X4は活性水素を有する有機官能基、1価の炭化水素基又は水素原子、m=1〜200の整数、n=1〜200の整数をそれぞれ表す。)
ここで、2価の炭化水素基、1価の炭化水素基、3価の炭化水素基、活性水素を有する有機官能基としては、上記と同様である。また、mは好ましくは10〜100の整数、nは好ましくは1〜50の整数である。
上記のポリシロキサン化合物としては、下記のものが例示されるが、これらに限定されるものではない。
各成分の反応割合は、所望するシリコーン変性ウレタン樹脂の物性に応じて選択すればよいが、一般的には、ポリオール及び/又はポリアミン100重量部に対して分子鎖の側鎖及び/又は主鎖に少なくとも1個の脂肪族不飽和結合と少なくとも1個の活性水素とが同一分子内に共存する炭化水素化合物及び/又は脂肪族不飽和基含有ポリシロキサンが0.1〜50重量部、好ましくは1〜25重量部、鎖伸長剤が0〜50重量部、好ましくは0〜10重量部である。有機ポリイソシアネートの量は、上記活性水素含有化合物の活性水素とイソシアネート基のモル比(イソシアネート基/活性水素)が0.5〜2.0、特に0.9〜1.1となることが好ましい。
(上記式中、r、sは0以上の整数であり、R16は水素原子又はR17、R17は1価有機基であり、かつR16が2個ともR17のときsは2以上、R16の1個がR17、1個が水素のときsは1以上、R16が2個とも水素のときsは0以上の整数である。)
(上記式中、R18は1価有機基であり、tは0以上の整数、uは2以上の整数であり、t+uは3以上の整数である。)
(C)成分のヒドロシリル化触媒の使用量は、触媒量で十分であるが、具体的に例示すると、(A)成分のポリウレタン系樹脂の固形分100重量部に対して、有効成分として0.001〜0.1重量部である。
以下に示す仕様により、図1に示す本発明の画像形成装置を作製した。感光体ドラム3、現像ローラ2、磁気ローラ1の各スリーブの寸法、線速度などは、下記の通りである。感光体ドラム3にはアモルファスシリコンを使用し、磁気ローラのスリーブには、アルミニウムを使用した。現像ローラについては、下記参照。
感光体ドラム:外径30mm、線速度250mm/sec
現像ローラ:外径16mm、線速度355mm/sec
磁気ローラ:外径20mm、線速度562.5mm/sec
磁気ローラと現像ローラ間距離:350μm
現像ローラと感光体ドラム間距離:200μm
二成分現像剤としては、下記のトナー粒子、キャリアからなるものを使用した。トナー粒子は正帯電性のものである。
トナー粒径(体積平均粒子径):6.5μm
キャリア粒径(重量平均粒子径):35μm
トナー/キャリア混合重量比率:12%/88%
前記画像形成装置の稼働時の電界条件は次の通りである。
感光体ドラム表面電位:+350V
現像ローラ:Vdc2=100V、Vpp=1.4kV、周波数f=4.5kHz、Duty比=45%
磁気ローラ:Vdc1=300V、Vpp=1.85kV、周波数f=4.5kHz、Duty比=70%
得られた現像ローラの算術表面粗さ(Ra)、体積抵抗値(Ω・cm)を測定した。結果を表1に示す。算術表面粗さ(Ra)は前述の測定方法で測定した。体積抵抗値(Ω・cm)はローラ表面とローラ素管の間に100V印加し、ULTRA HIGH RESISTANCE METER(ADVANTEST社製)により測定した。
耐リーク性はつぎのようにして評価した。
1.現像手段に駆動を与え、各ローラを回転させる。
2.現像ローラをGNDに接続し、磁気ローラにDC(直流電圧)とAC(交流電圧)を印加する。周波数f=4.5kHz、Duty比=70%は固定している。
3.現像ローラと磁気ローラの電位差はオシロスコープにて確認する。
4.現像ローラにトナー層を形成させないように現像ローラと磁気ローラの電位差を大きくしていき、オシロスコープ波形が乱れる処を確認する。
5.波形が乱れる時(リークが発生したと判断)の現像ローラと磁気ローラ間の最大電圧をリークマージン値とする。
(100枚連続出力時IDの測定)
前記画像形成装置を上記稼動時の条件下に稼働させて、A4版印刷用紙(PPC用紙)100枚に連続印刷したときの画像濃度(ID)を測定した。なお、画像濃度は、グレタグマクベス社製分光光度計SpectroEyeを用いて測定を行った。表1にリークマージン値および100枚連続出力時の画像濃度を示す。
これに対して、実施例1においては、現像ローラのアルマイト皮膜上に設ける第1樹脂層、第2樹脂層に含有される抵抗調整剤が所定の粒子径を有することにより、アルマイト皮膜の表面層孔部に導電材である抵抗調整剤が入り込まず、アルマイト皮膜の抵抗が低下しないため所望の耐リーク性が得られると共に、最上層の第2樹脂層には、第1抵抗調整剤より平均粒子径の小さい第2抵抗調整剤を用いることで、表層の算術表面粗さ(Ra)が小さく、トナー粒子の現像ローラ表面への付着が低減され、その結果高画像濃度の印刷物が多数枚得られる。
2 現像ローラ
3 静電潜像担持体(感光体)
4 キャリア
5 トナー
6 磁気ブラシ
7 規制ブレード
8 帯電手段
9 トナー薄層
30 アルミニウム系金属製基体
31 アルマイト皮膜
32 孔
33 第1樹脂層
34 第1抵抗調整剤
35 第2樹脂層
36 第2抵抗調整剤
38 樹脂層
Claims (3)
- 少なくともキャリアとトナーを含む現像剤を磁気保持する二成分現像剤搬送体と、前記搬送体よりトナーを移送してその表面にトナーの薄層を形成する現像ローラと、前記現像ローラおよび/または前記現像剤搬送体に現像バイアスを印加して現像ローラ上のトナー薄層からトナーを飛翔させ表面の静電潜像の現像を行わせる静電潜像担持体とを備えた画像形成装置であって、
前記現像ローラがアルミニウム系金属製基体を含み、その表面に抵抗層としてアルマイト皮膜を有してなり、さらに、このアルマイト皮膜の上に抵抗調整剤を含有する樹脂層を有し、
この樹脂層は、少なくとも、平均粒子径Aの第1抵抗調整剤を含有し、その平均粒子径Aとアルマイト皮膜表面層に存在する孔の平均径Bの関係がA>Bである第1樹脂層と、
前記第1樹脂層の上層に前記第1抵抗調整剤の平均粒子径Aより小さい平均粒子径を有する第2抵抗調整剤を含有する第2樹脂層と
を含むことを特徴とする画像形成装置。 - 前記第2抵抗調整剤は、アルマイト皮膜表面層に存在する孔の平均径Bより小さい平均粒子径を有する請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記第1樹脂層および第2樹脂層を含む前記樹脂層に使用する樹脂が、シリコーン変性ウレタン樹脂である請求項1または2に記載の画像形成装置。
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