JP5162307B2 - 現像装置及びこれを搭載した画像形成装置 - Google Patents
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Description
ここで、この現像装置には、いわゆるハイブリッド現像による方式がある。詳しくは、当該方式は、2成分現像方式と1成分現像方式とを組み合わせたものであり、磁性キャリアを用いて非磁性のトナーを帯電させ、このトナーのみをドラムに供給し、その表面にトナー画像を現像している。
詳しくは、2成分現像剤を用いた現像装置においては、ドラムへのトナーの供給(トナーの現像性)とトナー層の掻き取り(トナーの引き剥がし性)との調整が難しく、現像装置の小型化や高速化を達成するにあたり、仮に、トナーの現像性をトナーの引き剥がし性よりも優先すると、現像ローラの表面にトナーが残留し易くなり、現像ローラのトナー層の厚みが減って画像濃度の不良が生じてしまうし、次回の現像時に現像ゴーストが生じ得るからである。
ここで、帯電量の大きな残留トナーを強制的に電位差によりドラム上に排出して排除することも考えられるが、これでは帯電量の小さなトナーも排除され、トナーの消費量が増えてしまうし、この排除作業に要する期間は装置を使用できなくなり、ユーザに不快感を与えてしまう。
しかしながら、本発明の現像装置では、現像ローラの表面には樹脂のコーティング層が形成されており、この現像ローラに形成されたトナー層のうち、その粒径が3.0×10−6m以下のトナーの含有率Bと、この現像ローラから像担持体に供給されたトナーのうち、その粒径が3.0×10−6m以下のトナーの含有率Aとしたとき、これらの比率A/Bが0.6以上であって1未満になる。
よって、従来に比して画像濃度の不良や現像ゴーストの如くの画像乱れが回避可能になるし、また、残留トナーを強制的に排除する作業も不要になる。そして、上記現像性及び引き剥がし性の双方を満たしつつ、現像装置の小型化や高速化も達成可能になる。
これにより、現像ローラの表面をシリコン変性ウレタン樹脂で被覆すれば、トナーに対する離形性が良好になり、現像ローラとトナーとの付着力が小さくなる。
また、正帯電性のトナーを用いれば、これらシリコン変性ウレタン樹脂と正帯電性トナーとは同極ゆえに反発し、仮に、残留トナーが存在していても、その帯電量が小さくなり、画像乱れをより一層回避できる。しかも、低い電圧でドラムへのトナーの供給が可能になって、現像ローラの耐久性も向上する。
このように、現像ローラの表面におけるコーティング層をシリコン変性ウレタン樹脂で形成すると、キャリアとの摩擦によりコーティング層がトナーと同極性に帯電し、電荷が蓄積されることにより、トナー薄層が形成されにくくなる場合があるが、この樹脂には導電材が含有されているので、体積抵抗値が減少し、コーティング層に電荷が蓄積することが抑制される。
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、上記現像性を低下させることなく、安定した画像品質を長期に亘って維持できるので、画像形成装置の信頼性向上に寄与する。
図1は、本実施例であるタンデム方式のカラープリンタの概略構成図であり、同図の右方向がプリンタ1の正面に対応し、左方向が背面に対応している。
同図に示されるように、この装置本体2の下部には用紙のカセット3が配置されており、カセット3には画像形成前の用紙Pが積層状態で収容され、この用紙Pはローラ21を介して1枚ずつ分離され、カセット3から左方向に向けて送出される。
一方、この排出分岐部74とカセット3との間には両面印刷用ユニット78が配置されており、このユニット78では定着部72から排出された用紙Pをレジストローラ24に戻し、画像形成部4に向けて再び送出する。
また、各ドラム5a〜5dの周囲の適宜位置には、それぞれ対応する帯電器6a,6b,6c,6d、現像装置7a,7b,7c,7d、クリーニング部8a,8b,8c,8dや、中間転写ローラ9a,9b,9c,9dが設けられている。
このベルト10は、ドラム5a〜5dと中間転写ローラ9a〜9dとの間を走行しており、これにより、ドラム5a〜5d上に形成されたトナー画像はベルト10上に1次転写される。なお、クリーニング部8a〜8dでは、ドラム5a〜5d上に残留したトナーが除去される。
ここで、本実施例の各現像装置7には、いわゆるハイブリッド現像による方式が採用されている。
このように、当該磁気ブラシでは、強固に付着したトナー層を現像ローラ60から機械的な力で引き剥がす一方、現像に必要な新たなトナーを現像ローラ60に供給している。
ローラ60の軸62は、ブラシローラ50の回転軸線に対して略平行に並設されており、ハウジング30に回転自在に支持されている。また、本実施例の軸62の外周にも管状の現像側スリーブ64がフランジを介して嵌合されている。これにより、軸62が図示しない駆動モータによって回転すると、スリーブ64は図2の時計回りに回転する。
具体的には、本実施例のスリーブ64はアルミニウム製の素管であり、その表面にはアルマイトのコーティング層(15μm、1μm=1×10−6m)が形成され、さらに、その上側に樹脂のコーティング層が形成されている。本実施例の樹脂はシリコン変性ウレタン樹脂であり、アルマイトのコーティング層の上側に約10μmの厚さで塗布されている。また、この樹脂にはカーボン等の導電材を含有し、体積抵抗値を減少させている。
また、図示しないコントローラからの画像データに基づき、プリンタ1では露光ユニット20によるレーザ光の照射が制御される。これにより、画像形成部4において各ドラム5a〜5d上に原稿画像の静電潜像が作られ、続いてこの潜像から各ドラム5a〜5d上にトナー画像が形成され、中間転写ベルト10に転写合成される。続いて、このベルト10に転写合成されたトナー画像は転写部71にて用紙Pに転写される。
この片面印刷に対し、両面印刷を行う場合には、定着部72から排出された用紙Pは排出分岐部74にてユニット78側に引き戻され、この用紙Pはレジストローラ24を経て、再び転写部71に向けて送られる。そして、この場合には、用紙Pの未だ印刷がされていない方の面にトナー画像が転写される。
なぜならば、スリーブ64にトナーが残留し易くなって、磁気ブラシとの摩擦によって残留トナーの帯電量が大きくなると、スリーブ64のトナー層の厚みが減るので、画像濃度の不良が生じてしまうし、次回の現像時に現像ゴーストが生じ得るからである。一方、仮に、トナーの引き剥がし性をトナーの現像性よりも優先すると、スリーブ64からドラム5へのトナーの供給期間が短くなり、やはり画像濃度の不良が生じてしまう。
この点につき詳述する。図3は、スリーブ64に形成されたコーティング層の種類と画像乱れとの関係を調べた実験結果である。
当該実験条件は、画像形成条件として、ドラム5の周速は250mm/sec、ドラム5の表面電位は350Vであり、また、使用トナーは正帯電性のトナーであって、その帯電量は20μC/g、トナーの粒径(体積平均粒径)は6.5μmであり、その粒径が約3.0μm以下になるトナーを累積した割合(含有率)が3個数%である。
ここで、上述したシリコン変性ウレタン樹脂のコーティング層が形成されたスリーブ64を用い、印字率を5%に設定してA4サイズで1000枚の連続出力を実施した(図3にて実施例と示す)。
そして、まず、当該他のスリーブを用いた比較例につき、ドラム5からベルト10に転写された画像パッチの画像濃度(ID)をベルト10に対向配置したIDセンサで検知すると、印刷枚数が増加するに連れて画像濃度が減少している。
さらに、マルチサイザーIII(ベックマン・コールター社製)アパチャー径100μm、測定範囲2〜60μmにてトナー粒度分布の広がりを測定すると、図5に示される如く、アルマイトのコーティング層を有した他のスリーブにおけるトナー粒度分布(同図にて実線で示す)と、当該他のスリーブに対峙した他のドラムにおけるトナー粒度分布(同図にて点線で示す)とが大きく異なることが分かる。
しかも、図4に示されるように、シリコン変性ウレタン樹脂のコーティング層を有したスリーブ64におけるトナー粒度分布(同図にて実線で示す)と、ドラム5におけるトナー粒度分布(同図にて点線で示す)とはほぼ一致していることが分かる。
よって、本実施例によれば、現像ローラ60には同じトナーが残り難くなり、トナーの現像性が確保されることが分かる。すなわち、比較例に比して画像乱れが回避可能になるし、また、従来に比して残留トナーを強制的に排除する作業も不要になる。そして、現像装置7の小型化や高速化も達成可能になるのである。
さらに、スリーブ64にトナーが残留し難くなれば、上記トナーの引き剥がし性は良好になり、上記現像性及び引き剥がし性の双方を満たすことができる。
なぜならば、体積平均粒径が5μm未満の場合には、その粒径が約3.0μm以下になるトナーの含有率が10個数%以下にできないし、この体積平均粒径が7μmを超えると、1ドットの再現性が低下するからである。
また、このトナーの粒度分布について、SD値(標準偏差)は1.3以下であることが好ましい。SD値が1.3以下であれば、粒度分布がシャープとなり、現像装置7におけるトナーの帯電量の分布も均一になり、カブリ等を生じない高品質の画像が得られるからである。
さらにまた、上記現像性を低下させることなく、安定した画像品質を長期に亘って維持できるので、プリンタ1の信頼性向上に寄与する。
また、上記実施例では画像形成装置としてプリンタに具現化した例を示しているが、本発明の画像形成装置は複合機、複写機やファクシミリ等にも当然に適用可能である。
5 感光体ドラム(像担持体)
7 現像装置
30 ハウジング
32 開口
50 磁気ブラシローラ(磁気ローラ)
60 現像ローラ
64 スリーブ
Claims (2)
- キャリアを用いてトナーを帯電させ、該トナーを像担持体に供給してトナー画像を現像させる現像装置であって、
前記像担持体に対峙した開口を有するハウジングと、
該ハウジング内に配設されており、前記キャリア及び前記トナーによる磁気ブラシを形成する磁気ローラと、
樹脂のコーティング層を表面に有しており、前記開口にて前記磁気ブラシから移送されたトナーの薄層を形成する現像ローラとを具備し、
該現像ローラに形成されたトナー層のうち、その粒径が3.0×10−6m以下のトナーの含有率Bと、該現像ローラから前記像担持体に供給されたトナーのうち、その粒径が3.0×10−6m以下のトナーの含有率Aとしたとき、
0.6≦A/B<1を満たし、
前記樹脂は、シリコン変性ウレタン樹脂であって、前記トナーは、正帯電性のトナーであり、
前記シリコン変性ウレタン樹脂には、導電材が含有されていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1に記載の現像装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
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JP2008099122A JP5162307B2 (ja) | 2008-04-07 | 2008-04-07 | 現像装置及びこれを搭載した画像形成装置 |
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