JP4735156B2 - 円筒状像担持体、電子写真感光体、画像形成装置、およびカートリッジ - Google Patents
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Description
本発明は、円筒状像担持体等で発生する振動、および振動音を防止する為に可撓性体を有する該像担持体に関する。
異音の問題を解決するために、例えばクリーナーとの振動音を防止するためには、円筒状像担持体の内部に円筒体の剛性、強度を増すために防振部材が挿入される。防振部材としては、円筒状像担持体に化学変化による硬化剤を内包させる技術(例えば、特許文献1参照)、円筒状像担持体に特定の硬度を持つ可撓性体を内包させる技術(例えば、特許文献2参照)、円筒状像担持体内部に金属弾性体を密着させる技術(例えば、特許文献3参照)、特定の形状の部材を内包させる技術(例えば、特許文献4参照)などが知られている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、特殊な製造装置や製造方法を用いることなく、容易に防振部材を円筒状像担持体内部に設置することが可能であって、しかも振動を抑制する効果が高く、高性能の防振効果を発揮し、結果、静粛性に優れた高性能の像担持体を提供することにある。
すなわち、本発明の第1の要旨は、内部に筒状の湾曲した可撓性体を有し、かつ該可撓性体が筒状の形状に対して直線の仮想軸を与えることができない形状であることを特徴とする、円筒状像担持体に存する。本発明の第2の要旨は、内部に筒状の湾曲した可撓性体を有する電子写真感光体であって、画像形成装置内において該電子写真感光体に部材が接触配置されるように用いられることを特徴とする、電子写真感光体に存する。本発明の第3の要旨は、内部に筒状の湾曲した可撓性体を有する円筒状の電子写真感光体を用い、該電子写真感光体に接触配置される部材を有する画像形成装置に存し、本発明の第4の要旨は、内部に筒状の湾曲した可撓性体を有する円筒状の電子写真感光体、および該電子写真感光体に接触配置される部材を有するカートリッジに存する。
本発明の円筒状像担持体は、内部に筒状の湾曲した可撓性体を有するものである。該可撓性体は、円筒状の像担持体内部の空間に挿入して設置され、画像形成装置の各種部材から発生する摩擦振動や、帯電器に印加された電圧により発生する振動などによって、像担持体が共鳴するなどして異音が生じることを防止する。
実用撓み指標は、該可撓性体を内包する最小体積の円筒体である「指標円筒体」を仮定した場合の、該円筒体の直径をt(mm)とし、該可撓性体を設置する円筒状像担持体の内径をD(mm)とした場合に、t/Dで表すものとする。
実用撓み弾性は、該可撓性体を、指標円筒体の中心軸を含む断面と同形状の二枚の平行板で挟む場合に、前記平行板の距離が最大となるように該可撓性体を水平に静置し、静置した該可撓性体を、前記平行板の距離を縮めることにより該可撓性体を設置する円筒状像担持体の内径相当距離まで変形させたときに要する変形応力F(kgf/cm2)をプッシュプルゲージで測定し、筒状可撓性体の長さL(cm)とした場合に、F/L(kgf/cm3)で表すものとする。
本発明に係る可撓性体の重量は、振動を抑制する効果に大きな影響を及ぼす。可撓性体を設置する円筒状像担持体の重量をW0(g)とした場合の、可撓性体の重量W(g)の比率であるW/W0は、効果的な防振効果を発揮させるために、通常0.1以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上であって、通常5.0以下、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.1以下である。
本発明の円筒状像担持体としては、公知の如何なる構成のものも適用可能であるが、一例として、特に本発明の効果が顕著に得られる円筒状電子写真感光体について、以下に詳細に説明する。
導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料やアルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでも良い。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、導電性支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。
下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。一種類の粒子のみを用いても良いし複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタンおよび酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性から0.1μmから25μmが好ましい。また下引き層には、公知の酸化防止剤等を添加しても良い。
本発明の電子写真感光体が積層型感光体である場合、その電荷発生層に使用される電荷発生材料としては例えばセレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。これらの微粒子をたとえばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテルなどの各種バインダー樹脂で結着した形で使用される。この場合の使用比率はバインダー樹脂100重量部に対して30から500重量部の範囲より使用され、その膜厚は通常0.1μmから1μm、好ましくは0.15μmから0.6μmが好適である。
電荷輸送物質としては特に限定されず、電荷輸送物質として公知の任意の物質を用いることが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで併用しても良い。
分散型感光層の場合には、上記のような配合比の電荷輸送媒体中に、前記の電荷発生物質が分散される。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を軽減する目的で、表面の層にはフッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を含んでいても良い。また、これらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含んでいても良い。
本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
電子写真感光体1は、後述する本発明に係る電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
トナーTの種類は任意であり、粉状トナーのほか、懸濁重合法や乳化重合法などを用いた重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものからポテト上の球形から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
前記画像形成装置において、電子写真感光体表面に接触する部材を適用している場合に具体的に電子写真感光体表面に接触する部材としては、帯電装置2、現像装置4、転写装置5及びクリーニング装置6があげられる。
帯電装置2が、電子写真感光体表面に接触している場合、特に振動を発生させる原因として帯電部材に重畳印加される交流電圧が上げられ、このような場合に本発明は特に有効である。また、クリーニング装置6の摩擦による振動が発生している場合にも、本発明は特に有効である。
(1)下引き層用分散液の調液
下引き層用分散液は、次のようにして製造した。即ち、平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、高速流動式混合混練機((株)カワタ社製「SMG300」)に投入し、回転周速34.5m/秒で高速混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、12%/3%/1%/3%/1%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度16.0%の下引き層用分散液とした。
CuKα特性X線によるX線回折チャートにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2)27.3°に最大回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン10部と、1,2−ジメトキシエタン150部を混合し、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行い、顔料分散液を作製した。
電荷輸送物質(a)50部、下記構造式(b)に示す酸化防止剤8部、下記繰り返し構造式(c)のポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量約30000)100部を、テトラヒドロフラン:トルエン=80:20(重量比)の混合溶媒に混合し、電荷輸送層形成用塗布液を調整した。
外径が60mm、内径58mm、厚さ1mm、長さ344mm、重量Wが172gのアルミニウムシリンダー(フランジ嵌合部が各10mm)を用い、その表面に浸漬塗工によ
り、下引き層用分散液にて乾燥後の膜厚が2μmの下引き層を、次いで電荷発生層形成用塗布液にて乾燥後の膜厚が0.4μmの電荷発生層を、更に電荷輸送層形成用塗布液にて乾燥後の膜厚が18μmの電荷輸送層を設けた。このようにして得られた円筒状電子写真感光体内部に、下記実施例1〜9および下記比較例1〜5に記載の可撓性体を設置した。
<評価方法>
円筒状電子写真感光体の発生する騒音を、騒音計(カスタム社製 騒音計SL-1350型;IEC651 Type-2 C-mode規格準拠)で、該感光体中央から垂直に上方20cmの高さ位置で
騒音を測定した。
筒状可撓性体として外径56mm、内径46mm、長さ240mm、重量233gの糸網入りクロロプレンゴムの湾曲チューブを使用した。
撓みtは62mm、応力Fは2.4kgf/cm2で、実用撓み指標は1.07、実用撓み弾性は0.10、対基材重量比は1.35であった。当該電子写真感光体を用いてプロセスカートリッジを組み立て、画像形成装置を稼働させた。画像形成装置の作動騒音は44デシベル(振れ幅2デシベル)であった。
筒状可撓性体として外径56mm、内径42mm、長さ240mm、重量311gの糸網入りクロロプレンゴムの湾曲チューブを使用した。
撓みtは60mm、矯正応力Fは2.4kgf/cm2で、実用撓み指標は1.03、実用撓み弾性は0.10、対基材重量比1.81であった。当該電子写真感光体を用いてプロセスカートリッジを組み立て、画像形成装置を稼働させた。画像形成装置の作動騒音は45デシベル(振れ幅2デシベル)であった。
筒状可撓性体として外径56mm、内径46mm、L長さ310mm、重量298gのクロロプレンゴムの湾曲チューブを使用した。
撓みtは72mm、矯正応力Fは2.4kgf/cm2で、実用撓み指標は1.24、実用撓み弾性は0.077、対基材重量比1.73であった。当該電子写真感光体を用いてプロセスカートリッジを組み立て、画像形成装置を稼働させた。画像形成装置の作動騒音は45デシベル(振れ幅2デシベル)であった。
筒状可撓性体として外径56mm、内径48mm、長さ310mm、重量243gのクロロプレンゴムの湾曲チューブを使用した。
撓みtは76mm、矯正応力Fは2.6kgf/cm2で、実用撓み指標は1.31、実用撓み弾性は0.084、対基材重量比1.41であった。当該電子写真感光体を用いてプロセスカートリッジを組み立て、画像形成装置を稼働させた。画像形成装置の作動騒音は47デシベル(振れ幅2デシベル)であった。実施例3程ではないが作動音は静かであった。基材壁面との接触長が長く、チューブの接触部が波行しているような音が微かにする。
筒状可撓性体として外径56mm、内径46mm、長さ240mm、重量231gの糸網入り塩ビ管の湾曲チューブを使用した。
撓みtは62mm、矯正応力Fは0.75kgf/cm2で、実用撓み指標は1.07、実用撓み弾性は0.031、対基材重量比1.34であった。当該電子写真感光体を用いてプロセスカートリッジを組み立て、画像形成装置を稼働させた。画像形成装置の作動騒音は47デシベル(振れ幅2デシベル)であった。実施例1程ではないが静かな作動音であった。撓み弾性が低下したため、内壁への押しつけ圧が減少しチューブ自体が振動する傾向が生じ、基材の振動と重なり微かなうなりが発生しだしていると見られる。
筒状可撓性体として実施例1より短い外径56mm、内径46mm、長さ80mm、重量77gの糸網入りクロロプレンゴムの湾曲チューブを使用した。
撓みtは62mm、矯正応力Fは2.0kgf/cm2で、実用撓み指標は1.07、実用撓み弾性は0.14、対基材重量比0.45であった。当該電子写真感光体を用いてプロセスカートリッジを組み立て、画像形成装置を稼働させた。画像形成装置の作動騒音は48デシベル(振れ幅2デシベル)であった。実施例1ほどではないが、静粛な作動音であった。重量が軽くなり基材振動により可撓体が浮き上がり同じ振動数で振動する傾向が発生してきていると思われる。
筒状可撓性体として外径56mm、内径46mm、長さ310mm、重量350gの鋼ワイヤー入りクロロプレンゴムの湾曲チューブを使用した。
撓みtは62mm、矯正応力Fは15kgf/cm2で、実用撓み指標は1.07、実用撓み弾性は0.48、対基材重量比2.03であった。当該電子写真感光体を用いてプロセスカートリッジを組み立て、画像形成装置を稼働させた。画像形成装置の作動騒音は44デシベル(振れ幅2デシベル)であった。
筒状可撓性体として外径56mm、内径46mm、長さ310mm、重量350gの鋼ワイヤー入りクロロプレンゴムの湾曲チューブを使用した。
撓みtは64mm、矯正応力Fは19kgf/cm2で、実用撓み指標は1.10、実用撓み弾性は0.61、対基材重量比2.03であった。当該電子写真感光体を用いてプロセスカートリッジを組み立て、画像形成装置を稼働させた。画像形成装置の作動騒音は46デシベル(振れ幅2デシベル)であった。作動騒音値に大きな変化は無いものの、電子写真感光体の回転にあわせ周期的に騒音が変動することから、可撓性体の押し圧により電子写真感光体が極微少に変形したことが考えられる。
筒状可撓性体として外径56mm、内径40mm、長さ310mm、重量501gの鋼ワイヤー入りクロロプレンゴムの湾曲チューブを使用した。
撓みtは62mm、矯正応力Fは16kgf/cm2で、実用撓み指標は1.07、実用撓み弾性は0.52、対基材重量比2.91であった。当該電子写真感光体を用いてプロセスカートリッジを組み立て、画像形成装置を稼働させた。画像形成装置の作動騒音は48デシベル(振れ幅2デシベル)であった。
筒状可撓性体を使用しないで製造した電子写真感光体を用いてプロセスカートリッジを組み立て、画像形成装置を稼働させた。画像形成装置の作動騒音は52デシベル(振れ幅
2デシベル)であった。
<比較例2>
筒状可撓性体として実施例2で使用した糸網入りクロロプレンゴムの湾曲チューブの代わりに、穴のない、外径56mm、長さ240mm、重量955gの鋼ワイヤー入りクロロプレンゴムの直棒を使用して電子写真感光体を組み立てた。尚、対基材重量比5.55であったが、直棒であるため、撓みt、矯正応力F、並びに実用撓み指標、実用撓み弾性は規定できなかった。当該電子写真感光体を用いてプロセスカートリッジを組み立て、画像形成装置を稼働させた。画像形成装置の作動騒音は55デシベル(振れ幅2デシベル)であった。電子写真感光体が発生する騒音に直棒が電子写真感光体回転中動く打音と駆動ギアの騒音が認められた。
筒状可撓性体として、比較例2で用いた鋼ワイヤー入りクロロプレンゴムの直棒の代わりに、外径56mmの、長さ240mm、重量962gの鋼ワイヤー入りクロロプレンゴムの直棒を使用して電子写真感光体を組み立てた。尚、対基材重量比5.59であったが、直棒であるため、撓みt、矯正応力F、並びに実用撓み指標、実用撓み弾性は規定できなかった。当該電子写真感光体を用いてプロセスカートリッジを組み立て、画像形成装置を稼働させた。画像形成装置の作動騒音は54デシベル(振れ幅2デシベル)であった。駆動ギアの騒音のみが認められた。
<比較例4>
筒状可撓性体として、比較例3で用いた鋼ワイヤー入りクロロプレンゴムの直棒の代わりに、外径25mmの、長さ240mm、重量677gのバネ鋼の湾曲棒を使用して電子写真感光体を組み立てた。尚、対基材重量比3.94、撓みt59.0mm、矯正応力F28.0kgf/cm2、実用撓み指標1.02、実用撓み弾性1.17であった。当該電子写真感光体を用いてプロセスカートリッジを組み立て、画像形成装置を稼働させた。画像形成装置の作動騒音は53デシベル(振れ幅2デシベル)であった。バネ鋼棒による押し圧により電子写真感光体が偏芯した局在騒音が認められた。
筒状可撓性体として、比較例4で用いたバネ鋼の湾曲棒の代わりに、外径1mm、長さ240mm、重量1.21gのバネ鋼の湾曲棒を使用して電子写真感光体を組み立てた。尚、対基材重量比0.01、撓みt80.0mm、矯正応力F0.32kgf/cm2、並びに実用撓み指標1.38、実用撓み弾性0.01であった。当該電子写真感光体を用いてプロセスカートリッジを組み立て、画像形成装置を稼働させた。画像形成装置の作動騒音は53デシベル(振れ幅2デシベル)であった。バネ鋼棒が波動共振し電子写真感光体内壁を打つ騒音が認められた。
以上の結果を下記表1に纏める。
一方で、過剰に押し圧が高いと微小な電子写真感光体の変形によると考えられる周期的な作動騒音レベルを増加させる現象がおきる。また、可撓性体重量が軽すぎる場合には、可撓性体が波行し、重すぎる場合には駆動ギアに負荷をかけることにより、いずれも作動騒音レベルを上昇させる現象がおきる。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
Claims (7)
- 内部に筒状の湾曲した可撓性体を有し、かつ該可撓性体が筒状の形状に対して直線の仮想軸を与えることができない形状であることを特徴とする円筒状像担持体。
- 前記可撓性体が、該可撓性体を内包する最小体積の円筒体である指標円筒体を仮定した場合の、該円筒体の直径をt(mm)とし、該可撓性体を設置する円筒状像担持体の内径をD(mm)とした場合に、実用撓み指標(t/D)が1.0以上、2.0以下であることを特徴とする、請求項1に記載の円筒状像担持体。
- 前記可撓性体が、実用撓み弾性が0.015〜1.0kg/cm3のものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の円筒状像担持体。
- 前記可撓性体の前記円筒状像担持体に対する重量比が、0.1〜3.0であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の円筒状像担持体。
- 筒状の湾曲し、かつ筒状の形状に対して直線の仮想軸を与えることができない形状である可撓性体を内部に有する電子写真感光体であって、画像形成装置内において該電子写真感光体表面に部材が接触配置されるように用いられることを特徴とする、電子写真感光体。
- 筒状の湾曲し、かつ筒状の形状に対して直線の仮想軸を与えることができない形状である可撓性体を内部に有する円筒状の電子写真感光体を用い、該電子写真感光体表面に接触配置される部材を有する画像形成装置。
- 筒状の湾曲し、かつ筒状の形状に対して直線の仮想軸を与えることができない形状である可撓性体を内部に有する円筒状の電子写真感光体、および該電子写真感光体表面に接触配置される部材を有するカートリッジ。
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JP2004517355A (ja) * | 2000-12-22 | 2004-06-10 | ミツビシ ケミカル アメリカ インク | 画像形成装置の感光ドラムのための重み付けノイズ低減装置 |
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