JP5246983B2 - ポリイミドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリイミドの製造方法に関する。さらに詳しくは、溶媒として特定の含窒素環状化合物と特定のフェノール類との等モル組成物を用いて、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物とのイミド化反応を行い、イミド化反応中にポリイミド及び/又はオリゴマーを析出させて、反応系をスラリー状とするポリイミドの製造方法に関する。
また、このような等モル組成物に関する。
従来より、ポリイミドは、耐熱性、機械特性、電気特性などに優れることから、成形材料、複合材料、電気・電子材料などとして、様々な分野で幅広く用いられている。特に、ビフェニルテトラカルボン酸型ポリイミドは、ピロメリット酸型ポリイミドとは異なる様々な特徴を有するため、有用性が高く、多くの検討や利用がなされている。なかでも、下記化学式(4)〜(6);
Figure 0005246983
で示される繰り返し構造単位を有するポリイミドは熱可塑性であるため、プレス成形、押出成形、射出成形等の溶融成形により様々な形状の成形体を得ることができ、その有用性は極めて高い(G.L.Wilkes et al.,Macromolecules,30,pp.1012(1997);S.Tamai et al.,Polymer,37(16)pp.3683(1996);S.Tamai et al.,Polymer,39(10)pp.1945(1998)等参照)。
ポリイミド成形体は通常、非熱可塑性ポリイミド粉末の焼結成形や、熱可塑性ポリイミド粉末の溶融成形により製造される。そのため、ポリイミド粉末の製造方法が数多く開発されている。
例えば、特開平4−142332号公報、特開2000−1545号公報等には、非プロトン性極性溶媒中で加熱イミド化するピロメリット酸型ポリイミドの製造方法が開示されている。ピロメリット酸型ポリイミドは溶剤への溶解性が低く、反応の進行と共に生成したポリイミドが析出するため、ポリイミド粉末を容易に得ることができる。
しかしながら、T.Nakano,2nd Intern.Conf.on PI等に示されるように、ビフェニルテトラカルボン酸型ポリイミドは溶剤への溶解性が高いため、上記の方法を用いることは困難であった。すなわち、非プロトン性極性溶媒中で加熱イミド化しても、生成したビフェニルテトラカルボン酸型ポリイミドが析出しない、あるいは多量の溶媒を含み膨潤した状態で析出するため反応系が固化するといった問題が生じる。
例えば、G.L.Wilkes et al.,Macromolecules,30,pp.1012(1997)においては、非プロトン性極性溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン中で加熱イミド化することにより、前記化学式(4)で表される繰り返し構造を有するポリイミドを得ている。この場合、反応の進行と共に生成したポリマーが析出してくるが、反応時のポリマー濃度は約10重量%である。これは、析出するポリイミドが多量の溶媒を含み膨潤するため、重合時のポリマー濃度をこれ以上とした場合には、反応系が粘土状になり、撹拌できなくなるためである。
また、特開2000−103854号公報、特開平8−121386号公報等では、クレゾール中で加熱イミド化することにより、前記化学式(4)あるいは(6)で表される繰り返し構造を有するポリイミドを得ている。この場合、生成したポリマーは溶媒に溶解しているため、反応後に多量の貧溶媒を用いてポリマーを析出させている。
上記のように、溶媒中で加熱イミド化するビフェニルテトラカルボン酸型ポリイミドの製造は、従来、低濃度で、あるいは高濃度で反応した後に貧溶媒で希釈するといった方法で製造されているため、容積効率が極めて悪く、生産性が著しく低かった。すなわち、例えば、容量1mの反応器を用いた場合、G.L.Wilkes et al.の方法によれば、得られるポリイミドは100kg未満であり、特開2000−103854号公報の方法によれば、得られるポリイミドの量は20kg未満である。
さらに、従来法では、析出したポリイミドが多量の溶媒を含むため、乾燥等による溶媒除去に多大な労力が払われていた。
また、特開平6−220194号公報「ポリイミド溶液組成物及びその製造方法」に「酸二無水物と芳香族ジアミンとを有機極性溶媒中で、直接イミド化する方法において、フェノール性化合物の存在下に重縮合することを特徴とするポリイミドの製造方法」が開示されている。
該発明の対象は、有機極性溶媒に可溶な脂肪族含有ポリイミドの溶液であり、その目的は、溶媒中で加熱イミド化する際の副反応を抑制することである。
一方、本発明に係るポリイミドの製造方法は、イミド化反応中にポリイミドを析出させ、スラリー状の反応溶液を得るものであり、反応溶液をそのまま濾過するだけでポリイミドを簡便に得ることを目的としている。
このため、前記公報と本願発明とは、発明の対象、あるいは目的が著しく異なっている。
そして、前記公報においては、フェノール性化合物は副反応抑制のための触媒として用いられており、その使用量も有機極性溶媒に対し、0.1〜0.5重量倍(全溶媒量の9〜33重量%)と本発明に比べ著しく少ない。
また、本発明で明らかにする、ビフェニルテトラカルボン酸型ポリイミドの生産性の高い製造方法、有機極性溶媒のうちで後述する化学式(1)で表される含窒素環状化合物がフェノール類と強く会合すること、その結果、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)は溶解し、ポリイミドは溶解しないこと、等モル組成物が著しく高い沸点を有すること等について前記特開平6−220194号公報には何ら開示されていない。たとえば、該公報には、極性溶剤の一例としてのN−メチル−2−ピロリドンと、フェノール(N−メチル−2−ピロリドン/フェノールの混合モル比は65.5/34.5)を溶媒に含むポリイミドの合成が反応温度180℃で行われている旨の記載があるが、N−メチル−2−ピロリドンとフェノール類とからなる混合溶媒が有する沸点等に関する特異性についての記載はなく、また、その混合溶媒が高沸点かつ水と混和しないことについての記載もない。そして、本公報には、このような特異な特性を有する等モル組成物を特定量溶媒として用いると、イミド化反応中にビフェニルテトラカルボン酸型ポリイミドを析出させることができる旨の記載も示唆もない。
以上のことから、ビフェニルテトラカルボン酸型ポリイミドの、生産性の高い製造方法が求められていた。
すなわち、本発明は上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、様々な構造に由来するポリイミドの諸物性(成形加工性、摺動特性、低吸水性、電気特性、熱酸化安定性、耐放射線性等)を損なうことなく、単純、容易かつ安価なプロセスによりポリイミドを得る方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく、鋭意検討を推進した結果、反応溶媒として、特定の組成物を用いると、ビフェニルテトラカルボン酸型ポリイミドの諸物性(成形加工性、摺動特性、低吸水性、電気特性、熱酸化安定性、耐放射線性等)を損なうことなく、単純、容易かつ安価なプロセスによりポリイミドを得ることができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明に係るポリイミドの製造方法は、下記化学式(1)で表される含窒素環状化合物と下記化学式(2)で表されるフェノール類との等モル組成物を50〜100重量%含む溶媒中で、ジアミン類とテトラカルボン酸二無水物とのイミド化反応を行うものである。
Figure 0005246983
(式(1)中、Xは−CH−または−N(CH)−を示す。式(2)中、R、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ、−H、−OH、−CH、−C、−C、−C、−C11、−C13、−C15、−C17、−C19、−C1021、−OCH、−O(C)、−NO、−Cl−Brまたは−Fのいずれかを示す。)。
前記テトラカルボン酸二無水物が、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含有することが好ましく、このテトラカルボン酸二無水物は、全テトラカルボン酸二無水物に対して、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を、好ましくは30〜100モル%の割合で含むことが望ましい。
前記イミド化反応で得られるポリイミドは、下記化学式(3)で表される繰り返し構造を有することが好ましい。
Figure 0005246983
(式(3)中、Yは式(e)〜(h)からなる群より選択される少なくとも一つで表される。)
Figure 0005246983
(ここで、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ、単結合,−O−,−CO−,−SO−,−S−,−CH−または−C(CH−のいずれかを示す。)。
前記化学式(3)で表される繰り返し構造は、全繰り返し構造中、30〜100モル%の割合で含まれ、前記化学式(3)で表される繰り返し構造と異なる残部は、0〜70モル%の割合で含まれることが好ましい。
前記残部は、前記化学式(3)で表される繰り返し構造と異なる、芳香族テトラカルボン酸に由来する成分単位からなる繰り返し構造を有することが好ましい。
前記芳香族テトラカルボン酸に由来する成分単位からなる繰り返し構造は、下記化学式(a)及び/又は(b)で表される繰り返し構造であることが好ましい。
Figure 0005246983
(前記式(a)及び式(b)中、Arは式(e)〜(h)
Figure 0005246983
からなる群より選択される少なくとも一つで表され、式(f)、(g)および(h)中、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ、単結合、−O−,−CO−,−SO−,−S−,−CH−または−C(CH−のいずれかを示す。
前記式(b)中、Arは−O−,−CO−,−SO−,−S−,−CH−または−C(CH−からなる群より選択される少なくとも一つで表される。)。
前記一般式(3)で表される繰り返し構造を有するポリイミドは、下記一般式(4)〜(6)のいずれかで表される繰り返し構造を少なくとも1種有するポリイミドであることが好ましい。
Figure 0005246983
前記化学式(1)で表される化合物は、N−メチル−2−ピロリドン及び/又は1,3’−ジメチル−2−イミダゾリジノンであることが好ましい。
前記化学式(2)で表されるフェノール類は、フェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノールからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
前記化学式(1)で表される化合物と前記化学式(2)で表されるフェノール類との等モル組成物を50〜100重量%の量で含む溶媒は、その溶媒の残部として、前記化学式(1)で表される化合物または前記化学式(2)で表されるフェノール類を0〜50重量%の量で含むことが好ましい。
前記ポリイミドの製造方法は、イミド化反応中にポリイミド及び/又はオリゴマーを析出させて、反応系をスラリー状とすることができる。
前記ポリイミドの製造方法では、末端封止剤の存在下に反応を行うことが好ましい。
前記ポリイミドの製造方法により、イミド化反応中に生成物を析出させてポリイミド粉末を得ることができる。
反応溶液中のジアミン類およびテトラカルボン酸二無水物からなる原料モノマー類の濃度((原料モノマー類の合計重量)/(原料モノマー類の合計重量+溶媒の重量))は、5〜50重量%の範囲にあることが好ましい。
本発明に係るポリイミドは、前記方法により得られることを特徴としている。
本発明に係るポリイミド粉末は、前記方法により得られることを特徴としている。
本発明に係る溶媒は、下記化学式(1)で表される化合物と下記化学式(2)で表されるフェノール類との等モル組成物からなる;
Figure 0005246983
(式(1)中、Xは−CH−または−N(CH)−を示す。式(2)中、R、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ、−H、−OH、−CH、−C、−C、−C、−C11、−C13、−C15、−C17、−C19、−C1021、−OCH、−O(C)、−NO、−Cl、−Brまたは−Fのいずれかを示す。)。
前記溶媒は、前記化学式(1)で表される化合物と前記化学式(2)で表されるフェノール類との等モル組成物を50〜100重量%含んでいれば、他の溶剤を含んでいてもよい。
発明を実施するための最良の形態
本発明は、化学式(1)で表される含窒素環状化合物と化学式(2)で表されるフェノール類との等モル組成物を50〜100重量%含む溶媒中でイミド化を行うポリイミドの製造方法である。この場合、化学式(3)で表される繰り返し構造を有するポリイミドの製造に好ましく用いることができる。
本発明のポリイミドの製造方法の具体例を以下に示す。
化学式(1)で表される含窒素環状化合物と化学式(2)で表されるフェノール類との等モル組成物を50〜100重量%含む溶媒中に、ジアミン類、テトラカルボン酸二無水物類、末端封止剤を溶解あるいは分散させた後、この反応系を加熱し、モノマーおよび/又はポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を溶媒に溶解、反応系を均一とする。さらに加熱を続け、ジアミン類、テトラカルボン酸二無水物類お、末端封止剤を反応・イミド化させることで、生成物であるポリイミドおよび/又はオリゴマーを粉末状に析出させ、反応系をスラリー状とする。反応終了後、反応液を濾過することにより、粉末状のポリイミドを回収する。
<溶媒>
本発明は、イミド化反応に用いる溶媒として、化学式(1)で表される含窒素環状化合物と化学式(2)で表されるフェノール類との等モル組成物を50〜100重量%含む溶媒を用いるポリイミドの製造方法である。
Figure 0005246983
前記式(1)中、Xは−CH−または−N(CH)−を示し、前記式(2)中、R、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ、−H、−OH、−CH、−C、−C、−C、−C11、−C13、−C15、−C17、−C19、−C1021、−OCH、−O(C)、−NO、−Cl、−Brまたは−Fのいずれかを示す。
<化学式(1)で表される含窒素環状化合物>
本発明で用いる前記化学式(1)で表される含窒素環状化合物は、N−メチル−2−ピロリドンおよび/又は1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである。
本発明に係るN−メチル−2−ピロリドンは、従来公知の方法を適宜利用することにより調製することができ、たとえば、1,4−ブタンジオールの脱水素化あるいは無水マレイン酸の水添などによって得られたγ−ブチロラクトンとモノメチルアミンなどのモノアルキルアミンを反応させて得ることができる。また、N−メチル−ピロリドンは市販のもの(三菱化学(株)製、BASF製など)を用いることもできる。
本発明に係る、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンは、従来公知の方法を適宜利用することにより調製することができ、あるいは市販のもの(三井化学(株)製など)を用いることもできる。
前記化学式(1)で表される含窒素環状化合物は非プロトン性極性溶媒として知られ、従来より、ポリイミドの重合溶媒として用いられてきた。しかしながら、これらの含窒素環状化合物はポリイミドとの親和性が高く、ポリイミドを溶解しやすい。このため、これらの含窒素環状化合物を溶媒として用いた従来のポリイミドの製造方法においては、生成したポリイミドが析出せず、反応溶液が粘稠になるといった問題、ポリイミドの回収に多量の貧溶媒を必要とするといった問題、あるいは、生成したポリイミドがは多量の溶媒を含み膨潤した状態で析出するため反応系が固化するといった問題が生じる。
また、化学式(1)で表される含窒素環状化合物は、水との親和性が高く、水と任意に混ざる。そのため、これらの含窒素環状化合物を溶媒として用いた従来のポリイミドの製造方法においては、ポリイミドの生成と共に副生する水を溶媒から除去することが難しく、反応速度や到達分子量の低下を招いていた。したがって、これらの含窒素環状化合物を溶媒として用いた従来のポリイミドの製造方法においては、水と共沸する溶媒の共存下に反応を行うことで、副生する水を除去する方法が一般的であった。
<化学式(2)で表されるフェノール類>
本発明で用いる前記化学式(2)で表されるフェノール類としては、具体的には、たとえば、フェノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、オクチルフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、グアヤコール、ノニルフェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−ブロモフェノール、m−ブロモフェノール、p−ブロモフェノール、o−フルオロフェノール、m−フルオロフェノール、p−フルオロフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール等が挙げられる。これらは単独でも2種類以上混合して用いても差し支えない。
また、本発明においては、このようなフェノール類のうちでは、
フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノールなどが好ましく用いられ、このうちm−クレゾール、p−クレゾール、p−クロロフェノールが特に好ましく用いられる。
本発明においてはこのようなフェノール類を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
このようなフェノール類は従来公知の方法を適宜利用することにより調製することができるとともに、市販のものを用いることができる。
前記化学式(2)で表されるフェノール類は、ポリイミドの良溶媒として知られ、従来よりポリイミドの重合溶媒として用いられてきた。しかしながら、これらフェノール類を溶媒として用いた従来のポリイミドの製造方法においては、生成したポリイミドが析出せず、反応溶液が粘稠になるといった問題、ポリイミドの回収に多量の貧溶媒を必要とするといった問題、あるいは、生成したポリイミドがは多量の溶媒を含み膨潤した状態で析出するため反応系が固化するといった問題があった。
<化学式(1)で表される含窒素環状化合物と化学式(2)で表されるフェノール類との等モル組成物>
本発明に係る等モル組成物は、前記化学式(1)で表される含窒素環状化合物と前記化学式(2)で表されるフェノール類とを、等モル量で配合した組成物である。
本発明に係る等モル組成物は、後述する実施例においても示される通り、前記化学式(1)で表される含窒素環状化合物のカルボニル基と前記化学式(2)で表されるフェノール類のヒドロキシル基が強い水素結合を形成し、強く会合している。そのため、前記化学式(1)で表される含窒素環状化合物とポリイミドとの、あるいは、前記化学式(2)で表されるフェノール類とポリイミドとの親和性が相対的に弱められ、結果として、ポリイミドの溶解や、溶剤を含んでの膨潤が抑制されるものと考えられる。
本発明に係る等モル組成物は、前記化学式(1)で表される含窒素環状化合物と前記化学式(2)で表されるフェノール類が強く会合しているため、それぞれの単体に比べ著しく高沸点であって、しかも室温において液体である。
具体的には、後述する実施例においても示されるとおり、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン(沸点204℃、凝固点−23℃)とm−クレゾール(沸点202.2℃、凝固点11.5℃)の等モル組成物は、沸点230℃、凝固点0℃未満であり、また、N−メチル−2−ピロリドンとp−クレゾール(沸点201.9℃、凝固点34.8℃)の等モル組成物は、沸点245℃、凝固点0℃未満である。前者の例の場合、N−メチル−2−ピロリドンとフェノール類の沸点より約15〜20℃、後者の例の場合、約40〜45℃と、著しく高沸点である。また、たとえば、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(沸点約225℃、凝固点約8℃)とm−クレゾール(沸点約202℃、凝固点約12℃)の等モル組成物の場合、沸点237℃、凝固点0℃未満であり、また、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとp−クロロフェノール(沸点約217℃、凝固点約43℃)の等モル組成物の場合、沸点257℃、凝固点0℃未満である。前者の例の場合、約1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの沸点より約12℃、m−クレゾールの沸点より35℃、後者の例の場合、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの沸点より約20℃、p−クロロフェノールの沸点より28℃と、著しく高沸点である。
このように本発明においては、N−メチル−2−ピロリドンとフェノール類とを等モルで混合することによって、著しく沸点が上昇し、例えばN−メチル−2−ピロリドンまたはフェノール類の沸点より10℃以上、好ましくは20℃以上、さらに好ましくは25℃以上高く、しかも凝固点が室温で液体状(たとえば5℃でも液体)であるような組成物を得ることができる。また、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとフェノール類とを等モルで混合することによって、著しい沸点上昇を伴い、たとえば1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンまたはフェノール類の沸点より3℃以上、好ましくは10℃以上、さらに好ましくは20℃以上、特に好ましくは30℃以上高く、しかも凝固点が室温で液体状(たとえば5℃でも液体)であるような組成物を得ることができる。
なお、本発明において溶剤の沸点は、沸騰している溶液中の液相温度と、溶媒蒸気の気相温度を測定し、これらの温度が同一となった際の温度をとったものである。
ところで、一般的に、非会合性の混合溶媒の沸点はラウール則に従い、また、混合溶媒成分間の水素結合等の相互作用により、ラウール則で示される沸点が変化することが知られている。しかしながら、たとえば弱酸性を示すフェノールと弱塩基性を示すアニリンの共沸組成混合物の沸点は186.2℃であり、フェノールの沸点(181.2℃)およびアニリンの沸点(184.4℃)より、わずかに高いにすぎず、本発明のような著しい沸点上昇は示さない。また、酸と塩基とからなる塩は、高融点または不揮発性であることが知られているが、たとえば、弱酸性を示すフェノール類と水酸化ナトリウムとから形成される塩(フェノールナトリウム塩・三水和物)の融点は、61〜64℃であり、弱塩基性を示すN−メチル−2−ピロリドン(a)とから形成される塩の融点は80〜88℃であるように高融点であるため、溶媒として使用することはできない。以上のことからも、本発明に係る等モル組成物の性質は極めて特異的である。
本発明に係る等モル組成物は、化学式(1)で表される含窒素環状化合物と化学式(2)で表されるフェノール類が水素結合により強く会合している。そのため、一般の共沸混合物と異なり、その組成は蒸留操作時等における圧力に依存しない。そして、本発明に係るこのような等モル組成物は、蒸発、濃縮を繰り返してもその組成割合の変化がほとんど生じない。したがって、本発明に係る等モル組成物を蒸留等によって回収、再利用に供しても、常に一定の組成を保持できるので、組成調製が不要である。なお、本発明に係る等モル組成物は、水酸化ナトリウム等の塩基の存在下では、化学式(1)で表される含窒素環状化合物とフェノール類に分離するので、蒸留等によって、原料となった化学式(1)で表される含窒素環状化合物あるいはフェノール類を回収することができる。
本発明に係る等モル組成物は、後述する実施例においても示されるとおり、極性が高く、しかも水と非混和である。そのため、ポリイミド製造の際の原料やポリイミド前駆体(ポリアミック酸)の溶解性に優れ、しかも、脱水反応時の生成水の除去も容易であり、ポリイミド重合溶媒として好適である。
<等モル組成物を50〜100重量%含む溶媒>
本発明のポリイミドの製造方法においては反応溶媒として、前記化学式(1)で表される含窒素環状化合物と前記化学式(2)で表されるフェノール類との等モル組成物を50〜100重量%含む溶媒を用いる。
本発明における溶媒は、主として前述の等モル組成物からなるが、該等モル組成物の全溶媒重量中の割合は、好ましくは70〜100重量%、さらに好ましくは80〜100重量%、特に好ましくは90〜100重量%であることが望ましい。また、該溶媒は、全溶媒重量中、0〜50重量%、好ましくは0〜30重量%、さらに好ましくは0〜20重量%、特に好ましくは0〜10重量%の他の溶媒を含んでいてもよい。他の溶媒を共存させることにより、本発明で用いる反応溶媒の融点、沸点、極性、誘電率、溶解性等の諸物性を任意に変更することができる。
含んでいてもよい他の溶媒としては、たとえば、フェノール系溶媒、非プロトン性アミド系溶媒、エーテル系溶媒、アミン系溶媒等が挙げられる。
フェノール系溶媒としては、前記フェノール類(2)を用いることができ、たとえば、フェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノールなどが挙げられる。
非プロトン性アミド系溶媒としては、たとえば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、ヘキサメチルホスホロトリアミドなどが挙げられる。
エーテル系溶媒としては、たとえば、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、テトラヒドロフラン、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]エーテル、1,4−ジオキサンなどが挙げられる。
アミン系溶媒としては、たとえば、ピリジン、キノリン、イソキノリン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、イソホロン、ピペリジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンなどが挙げられる。
また、上記の他、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジフェニルエーテル、スルホラン、ジフェニルスルホン、テトラメチル尿素、アニソール、水、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、m−ジクロルベンゼン、p−ジクロルベンゼン、ブロムベンゼン、o−ジブロモベンゼン、m−ジブロモベンゼン、p−ジブロモベンゼン、o−クロルトルエン、m−クロルトルエン、p−クロルトルエン、o−ブロモトルエン、m−ブロモトルエン、p−ブロモトルエン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、フルオロベンゼン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ぎ酸メチル、ぎ酸エチルなどを用いることができる。
本発明のポリイミドの製造方法において、含んでいても良い溶媒としては、実施に際し用いる等モル組成物を構成する化学式(1)で表される含窒素環状化合物あるいは化学式(2)で表されるフェノール類と同一の溶媒であることが特に好ましい。
<ポリイミド>
本発明のポリイミドの製造方法は、下記式(3)で表される繰り返し構造を有するポリイミドの製造に好ましく適用することができる。
Figure 0005246983
前記式(3)中、Yは式(e)〜(h)からなる群より選択される少なくとも一つで表される。
Figure 0005246983
ここで、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ、単結合,−O−,−CO−,−SO−,−S−,−CH−または−C(CH−のいずれかを示す。
ここで、前記化学式(3)で表される繰り返し構造を有するポリイミドは、全繰り返し構造中、前記化学式(3)で表される繰り返し構造を30〜100モル%、好ましくは50〜100モル%、特に好ましくは55〜100モル%含み、残部としてはたとえば、前記化学式(3)で表される繰り返し構造と異なる、芳香族テトラカルボン酸類に由来する成分単位を含む繰り返し構造を有するものが好ましく、たとえば、下記化学式(a)及び/又は(b)で表される繰り返し構造を0〜70モル%、好ましくは0〜50モル%、特に好ましくは0〜45モル%含むことが望ましい。
Figure 0005246983
前記式(a)及び式(b)中、Arは式(e)〜(h)からなる群より選択される少なくとも一つで表される。
Figure 0005246983
ここで、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ、単結合、−O−,−CO−,−SO−,−S−,−CH−または−C(CH−のいずれかを示す。
前記式(b)中、Arは−O−,−CO−,−SO−,−S−,−CH−または−C(CH−からなる群より選択される少なくとも一つで表される。
また、前記一般式(3)で表される繰り返し構造を有するポリイミドは、下記一般式(4)〜(6)のいずれかで表される繰り返し構造を少なくとも1種有するポリイミドであることが好ましい。
Figure 0005246983
なお、前記残部を構成する繰り返し構造には、芳香族環を有する脂肪族テトラカルボン酸、フッ素含有テトラカルボン酸に由来する成分単位を含まないことが望ましい。
T.Nakano,2nd Intern.Conf.on PI等に示されるように、前記化学式(3)で表される繰り返し構造からなるビフェニルテトラカルボン酸型ポリイミドは溶剤への溶解性が高い。そのため、全繰り返し構造中、前記化学式(3)で表される繰り返し構造を30〜100モル%含むポリイミドは、従来の方法、すなわち、N−メチル−2−ピロリドンあるいはクレゾールといった極性溶媒中で加熱イミド化した際、生成したポリイミドが析出しない、あるいは多量の溶媒を含み膨潤した状態で析出するため反応系が固化するといった問題が生じることがある。なお、化学式(a)で表される繰り返し構造からなるポリイミドは溶剤への溶解性が低く、従来の方法、すなわち、N−メチル−2−ピロリドンあるいはクレゾールといった極性溶媒中で加熱イミド化した際に、生成したポリイミドが析出するため、本発明の製造方法を必要としない。また、化学式(b)で表される繰り返し構造からなるポリイミドは溶剤への溶解性が非常に高く、本発明の製造方法を用いても、生成したポリイミドが析出しない、あるいは多量の溶媒を含み膨潤した状態で析出するため反応系が固化するといった問題を生じることがある。
本発明製造方法により製造されるポリイミドは、その分子末端が、無水フタル酸、アニリン、無水マレイン酸、フェニルエチニル無水フタル酸などの末端封止剤で封止されていても良い。また、主鎖、側鎖または末端の構造中に分岐を有していてもよく、架橋のための構造、環状構造等を有していてもよい。
本発明の製造方法により製造されるポリイミドの重合度に制限はなく、ポリイミドの用途に応じ、任意に選択できる。従来のポリイミドの製造方法において、生成したポリイミドが析出しない、すなわち、生成したポリイミドが溶媒に溶解している場合には、反応溶液が粘稠となるため、製造されるポリイミドの重合度には制約があったが、本発明のポリイミドの製造方法においては、生成するポリイミドが析出し、反応溶液がスラリー状となるため、高分子量のポリイミドを製造する際にも、反応溶液が撹拌に支障をきたすほど粘稠となることはない。
<ジアミン類>
本発明のポリイミドの製造方法においては、従来公知の芳香族ジアミン類を好ましく用いることができる。なお、脂肪族ジアミン類、シロキサンジアミン類、フッ素含有ジアミン類を用いた場合には、得られるポリイミドが本発明で用いる溶媒に溶解するため、本発明が目的とする効果が得られないことがある。
より具体的には、
(1)ベンゼン環を1個有するジアミン類としては、たとえば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
(2)ベンゼン環を2個有するジアミン類としては、たとえば、
3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、
3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、
3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、
4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、
3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、
3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、
3,3’−ジアミノベンゾフェノン、
4,4’−ジアミノベンゾフェノン、
3,4’−ジアミノベンゾフェノン、
3,3’−ジアミノジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
3,4’−ジアミノジフェニルメタン、
2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、
2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、
2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、
1,1−ジ(3−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ジ(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、
1−(3−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン
などが挙げられる。
(3)ベンゼン環を3個有するジアミン類としては、たとえば、
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、
1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、
1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、
1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、
1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、
1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、
1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、
1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、
2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、
2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン
などが挙げられる。
(4)ベンゼン環を4個有するジアミン類としては、たとえば、
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、
4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、
2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
などが挙げられる。
(5)ベンゼン環を5個有するジアミン類としては、たとえば、
1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、
1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、
1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、
1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、
1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン
などが挙げられる。
(6)ベンゼン環を6個有するジアミン類としては、たとえば、
4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、
4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、
4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、
4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン
などが挙げられる。
(7)その他芳香族置換基を有するジアミン類としては、たとえば、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、
3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、
3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン
などが挙げられる。
本発明においては、必要に応じ、芳香族環を有するジアミン類の芳香族環上の水素原子の一部または全てを、メチル基、メトキシ基や、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、ニトリロ基またはイソプロペニル基などの置換基で置換したジアミン類も用いることができる。
さらに、必要に応じ、架橋点となるビニレン基、ビニリデン基またはエチニリデン基などの基をジアミン主鎖骨格中に有するジアミン類も用いることができる。
また、分岐を導入するため、ジアミン類の代わりにトリアミン類、テトラアミン類を用いることもできる。
このようなジアミン類は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
<テトラカルボン酸二無水物>
本発明のポリイミドの製造方法においては、テトラカルボン酸二無水物として、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含むことが好ましい。このようなビフェニルテトラカルボン酸二無水物としては、具体的には、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物,2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。これらのビフェニルテトラカルボン酸二無水物は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。このうち、本発明におけるテトラカルボン酸二無水物としては、特に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましい。
本発明においては、テトラカルボン酸二無水物としてビフェニルテトラカルボン酸二無水物を好ましく用いるが、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と共に他の従来公知のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。このような他のテトラカルボン酸二無水物としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。なお、芳香族環を含まない脂肪族テトラカルボン酸、およびフッ素含有テトラカルボン酸を用いた場合には、得られるポリイミドが本発明で用いる溶媒に溶解するため、本発明が目的とする効果が得られないことがある。このような芳香族環を含まない脂肪族テトラカルボン酸としては、たとえば、ビシクロ(2,2,2)−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
したがって、本発明では、他のテトラカルボン酸として、芳香族環を含まない脂肪族テトラカルボン酸、フッ素含有テトラカルボン酸を用いないことが好ましい。
本発明において前記ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と共に用いることのできる他の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、たとえば、
ピロメリット酸二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、
1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、
4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、
2,2−ビス[(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、
2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
2,3’,3,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、
ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、
1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、
1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、および
1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物
などが挙げられる。
これら他の芳香族テトラカルボン酸二無水物は、1種単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
本発明においては、必要に応じ、芳香族テトラカルボン酸二無水物の芳香環上の水素原子の−部または全てを、メチル基、メトキシ基や、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、ニトリロ基またはイソプロペニル基などの置換基で置換したテトラカルボン酸二無水物も用いることができる。
さらに、架橋点となるビニレン基、ビニリデン基またはエチニリデン基などの基をテトラカルボン酸二無水物の主鎖骨格中に有するテトラカルボン酸二無水物も用いることができる。
また、分岐を導入するため、テトラカルボン酸二無水物の代わりにヘキサカルボン酸三無水物類、オクタカルボン酸四無水物類を用いるこきる。
このようなテトラカルボン酸二無水物は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において用いるテトラカルボン酸二無水物の量は、全テトラカルボン酸二無水物量に対し、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を好ましくは30〜100モル%、さらに好ましくは50〜100モル%、特に好ましくは55〜100モル%と、他のテトラカルボン酸二無水物類を好ましくは0〜70モル%、さらに好ましくは0〜50モル%、特に好ましくは0〜45モル%であることが望ましい。
他のテトラカルボン酸二無水物の使用量が70モル%より多い場合には、得られるポリイミドの溶剤への溶解性が非常に高く、本発明の製造方法を用いても、生成したポリイミドが析出しない場合があったり、あるいは多量の溶媒を含み膨潤した状態で析出するため反応系が固化するといった問題を生じる場合がある。また、他のテトラカルボン酸二無水物として、たとえばピロメリット酸二無水物を70モル%より多く用いる場合には、得られるポリイミドは溶剤への溶解性が低いため、本発明の製造方法を必要としない。
すなわち、N−メチル−2−ピロリドンあるいはクレゾールといった極性溶媒中で加熱イミド化する従来の方法においても、生成したポリイミドが析出する。
<ジアミン及びテトラカルボン酸二無水物の使用量>
本発明において用いるテトラカルボン酸二無水物類の使用量(ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の使用量と他のテトラカルボン酸二無水物類の使用量の和)は特に限定されないが、通常、使用するジアミン類1モル当たり、0.8〜1.25モルの量を用いることが好ましい。使用するジアミン類とテトラカルボン酸二無水物とのモル比を変えることにより、得られるポリイミドの分子量を制御することができる。
このようなモル比(テトラカルボン酸二無水物/ジアミン類)が、0.8未満では、ポリイミドの諸特性を十分に発現させ得るようなポリイミド分子量とはならず、また、前記モル比が1.25を越えても、ポリイミドの分子量の低下を招くことがある。
なお、後述するように末端封止剤としてモノアミン類を用いる場合、テトラカルボン酸二無水物の使用量は、使用するジアミン類1モル当たり、好ましくは1.01〜1.25モルであり、さらに好ましくは1.05〜1.20モルであり、特に好ましくは1.07〜1.15モルの範囲であることが望ましい。この場合、前記モル比(テトラカルボン酸二無水物/ジアミン類)が1.01より小さかったり、あるいは、1.25を超えると、末端封止が不十分となり、得られたポリイミドの熱安定性・加工性に悪影響を及ぼすことがある。
また、末端封止剤として後述のジカルボン酸またはその無水物や誘導体を用いる場合は、テトラカルボン酸二無水物の使用量は、ジアミン類1モル当たり、好ましくは0.8〜0.99モルであり、さらに好ましくは0.85〜0.97モルであり、特に好ましくは0.90〜0.95の範囲であることが望ましい。この場合、前記モル比(テトラカルボン酸二無水物/ジアミン類)が0.8より小さかったり、あるいは、0.99を超えると、末端封止が不十分となり、得られたポリイミドの熱安定性・加工性に悪影響を及ぼすことがある。
ポリイミドの分子量は、ポリイミド製造に使用するジアミン類とテトラカルボン酸二無水物のモル比を変化させることにより制御することができ、また、原料の純度・不純物量、重合方法、溶媒の種類、重合温度、重合時間等によりその最適の仕込み比は異なる場合がある。
なお、十分に分子量の高いポリイミドを得るためには、用いるジアミン類とテトラカルボン酸二無水物類のモル比をほぼ等モルとすることが好ましい。この様な場合には、生成するポリイミドが析出しない従来の方法では、反応溶液の粘度が著しく高くなり、撹拌が困難となった。しかしながら、本発明の製造方法によれば、生成するポリイミドが析出し、反応系がスラリー状となるため、反応溶液が撹拌に支障をきたすほど粘稠となることはない。
<末端封止剤>
本発明のポリイミドの製造方法においては、必要に応じ、末端封止剤を用いることができる。用いられる末端封止剤は特に限定されず、各種のものを用いることができる。このうち、モノアミン類またはジカルボン酸無水物などを好ましく用いることができる。
このような末端封止剤として用いるモノアミンとしては、たとえば、
アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、2,5−キシリジン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キシリジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、m−ブロモアニリン、p−ブロモアニリン、o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジン、o−フェネチジン、m−フェネチジン、p−フェネチジン、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アミノベンズアルデヒド、m−アミノベンズアルデヒド、p−アミノベンズアルデヒド、o−アミノベンゾニトリル、m−アミノベンゾニトリル、p−アミノベンゾニトリル、2−アミノビフェニル、3−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、2−アミノフェニルフェニルエーテル、3−アミノフェニルフェニルエーテル、4−アミノフェニルフェニルエーテル、2−アミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、2−アミノフェニルフェニルスルフィド、3−アミノフェニルフェニルスルフィド、4−アミノフェニルフェニルスルフィド、2−アミノフェニルフェニルスルホン、3−アミノフェニルフェニルスルホン、4−アミノフェニルフェニルスルホン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、1−アミノ−2−ナフトール、2−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−2−ナフトール、7−アミノ−2−ナフトール、8−アミノ−1−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、9−アミノアントラセン、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、イソブチルアミン、ジイソブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、ベンジルアミン、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミンなどが挙げられる。
また、このような末端封止剤として用いるジカルボン酸無水物としては、たとえば、無水フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物、1,9−アントラセンジカルボン酸無水物などが挙げられる。
これらのモノアミンおよびジカルボン酸無水物は、その構造の一部がアミンおよびカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換されていてもよい。
また、このようなモノアミンまたはジカルボン酸無水物の構造の一部を、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、ニトリロ基、イソプロペニル基、ビニレン基、ビニリデン基またエチニリデン基などの置換基で置換したモノアミンまたはジカルボン酸無水物を用いることもできる。
このような末端封止剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような末端封止剤を用いる場合の末端封止剤の使用量は特に限定されないが、
ジアミン類成分の全量を[Da](mol)、
テトラカルボン酸二無水物成分(またはその開環物や誘導体を含む)の全量を[Tc](モル)、
末端封止剤として用いられるモノアミン成分の全量を[Ma](mol)、
末端封止剤として用いられるジカルボン酸無水物成分(またはその開現物や誘導体を含む)の全量を[Dc](mol)とすると、
100≧([Dc]−[Ma])/([Da]−[Tc])≧2
の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは、
20≧([Dc]−[Ma])/([Da]−[Tc])≧3
の範囲内であることが望ましい。
([Dc]−[Ma])/([Da]−[Tc])の値が2より小さいと、十分な分子末端封止を行うことができず、得られるポリイミドの熱安定性、熱酸化安定性、成形加工性が悪化することがあり、また、
([Dc]−[Ma])/([Da]−[Tc])の値が100を超えると、得られるポリイミドの分子量制御や余剰末端封止剤の洗浄が難しくなることがある。
なお、本発明の製造方法においては、末端封止剤は、反応開始時に芳香族ジアミン類、芳香族テトラカルボン酸二無水物と共に装入することが好ましい。本発明の製造方法においては反応の進行と共に生成したポリマーが析出するため、後から末端封止剤を添加する場合には、末端が十分に封止されない場合がある。
<触媒>
本発明のポリイミドの製造方法においては、ジアミン類とテトラカルボン酸二無水物類とを反応させるに際し、公知の触媒を併用することができる。触媒を併用する場合には、このうち、塩基触媒を用いることが好ましい。
このような塩基触媒としては、たとえば、
ピリジン、キノリン、イソキノリン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、イソホロン、ピペリジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンなどのアミン系化合物、
イミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンなどの有機塩基、
水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基が挙げられる。
これら触媒の使用量は、用いるジアミン類1モルに対して、好ましくは0.001〜0.50モル、さらに好ましくは0.05〜0.2モルの量を用いることが望ましい。
<ポリイミドの製造>
本発明のポリイミドの製造方法は、前記化学式(1)で表される含窒素環状化合物と化学式(2)で表されるフェノール類との等モル組成物を50〜100重量%含む溶媒を用ればよく、特に限定されるものではないが、原料モノマーであるジアミン類およびテトラカルボン酸二無水物類を、溶媒中に溶解または懸濁させた状態のまま加熱し、熱的に脱水イミド化を行う方法が好ましい。この際、ジアミン類、テトラカルボン酸二無水物、末端封止剤の装入順序・タイミングは任意に選択することができる。
本発明において使用し得る原料モノマー類の濃度は特に限定されず、また、得ようとするポリイミドの構造や分子量、さらには反応温度、濾過の際の温度等の条件により任意に設定できるが、本発明に係る製造方法においては、公知のフェノール系単一溶媒でのイミド化による製造方法に比べ高い濃度でのスラリー重合が可能である。
本発明に係るこのような特徴を活かすため、好ましい原料モノマー類の全反応溶液重量に対する濃度は、5〜50重量%であり、さらに好ましくは10〜45重量%であり、より好ましくは18〜40重量%、特に好ましくは23〜37重量%であることが望ましい。
原料モノマー類の濃度が5重量%未満となると、1バッチ当たりの収量が減少し、生産効率が悪化することがあることから、本発明の特徴が損なわれることがあり、また、50重量%を超えると、イミド化反応過程での反応溶液の撹拌が困難となり安定した製造が難しくなることがある。
なお、前記濃度は、(原料モノマー類の合計重量)/{(原料モノマー類の合計重量)+(溶媒の重量)}×100(%)で示される濃度をいう。
重合温度、重合時間および重合圧力には、特に制限はなく公知の条件が適用できる。すなわち、反応温度は、好ましくは80℃〜400℃前後であり、さらに好ましくは100℃〜300℃前後である。なお反応温度の上限は、重合時の圧力下での溶媒の沸点により制限される。また、反応時間は使用する溶媒やそれ以外の反応条件により異なるが、通常、0.5〜24時間の範囲で好ましく行うことができる。
また、本発明に係る製造方法では、反応に用いる溶媒は高沸点であり、たとえば200℃を超えるような温度においても重合反応を効率よく行うことができる。このため、反応圧力は常圧で行うことができ、反応系を高圧あるいは減圧とするための特別な装置を必要とせず、プロセスを簡略化することができる。
なお、前記重合反応は、空気、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン雰囲気のいずれでも行うことができ、反応時の雰囲気に特に制限はないが、不活性気体である窒素、アルゴンを用いることが好ましい。
このようにして得られるポリイミドの全反応溶液重量に対する濃度は、好ましくは5〜50重量%であり、さらに好ましくは10〜45重量%であり、より好ましくは18〜40重量%であり、特に好ましくは23〜37重量%であることが望ましい。
なお、該濃度は、(ポリイミドの重量)/{(ポリイミド重量)+(溶媒の重量)}×100(%)で示される濃度をいう。
<重合過程における反応溶液状態>
本発明のポリイミドの製造方法においては、溶媒として前記化学式(1)で表される含窒素環状化合物と前記化学式(2)で表されるフェノール類との等モル組成物を50〜100重量%含む溶媒を用いることにより、本発明に係るポリイミド製造過程のイミド化反応の終期における反応溶液の状態を、常圧、前記反応温度範囲の条件下においても、溶媒中にポリイミドが析出したスラリー状とすることができる。代表的な反応状態としては、たとえば、反応の初期段階にモノマー及び/又はポリイミド前駆体が溶解し反応溶液が一度均質な溶液となった後、反応の進行とともにポリイミドが析出し、反応溶液がスラリー状となる。なお、本明細書において、反応の「終期」とは、前記のように反応が進行し、ポリイミドの重合及びイミド化がほぼ終了した段階を意味している。
なお、このようなスラリー状の反応溶液を室温程度にまで冷却しても、反応溶液は粘稠な状態になることはなく、引き続きスラリー状である。
<ポリイミドの回収>
本発明においては、このようにして得られるスラリー状の反応溶液を、そのまま濾過するだけでポリイミドを得ることができる。また、ポリイミドの析出をより確実なものとするため、貧溶媒としてトルエン、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン,水、N−メチル−2−ピロリドン等を必要に応じ装入することもできる。
本発明のポリイミドの製造方法において、このような操作により得られるポリイミドは通常粉末状であり、溶媒の除去が容易に行えるとともに、様々な用途に容易に用いることができる。なお、回収したポリイミド中の溶媒は公知の様々な方法により除去でき、たとえば、オーブン中で100〜400℃にて乾燥させ、溶媒を除去することができる。
通常ポリイミドの製造においては、生成するポリイミドの構造により異なるが生成するポリマーの固化等を防止するため原料濃度をある程度低濃度(たとえば10重量%程度)にして重合反応を行うことが多い。しかしながら、本発明に係る高沸点混合溶媒を用いると、ポリイミド原料の合計の濃度をより高濃度(たとえば20重量%以上)にしてイミド化を行っても、反応溶液が固化することがなく、反応溶液をスラリー状で得ることができるので、工業プロセスにおけるポリイミドの生産性を向上させることができる。しかも得られるポリイミドは、従来の低濃度重合(たとえば濃度10重量%程度)により得られるポリイミドと同等の物性を有しており、その成形加工性、摺動特性、低吸水性、電気特性、熱酸化安定性、耐放射線性等の諸物性が損なわれることはない。
本発明のポリイミドの製造方法により得られるポリイミドは、従来公知の方法により得られるポリイミドと同等の物性を有しているため、従来公知の成形方法、すなわち、圧縮成型、焼結成形、押出成形、射出成形、トランスファー成形等に供することができ、従来公知の用途に供することができる。
本発明の製造方法により得られるポリイミドは、例えば、半導体容器の分野では、IC包装用トレー、IC製造工程用トレー、ICソケット、ウェハーキャリア等、電気・電子部品の分野では、コネクター、ソケット、ボビンなどのほか、ハードディスクキャリア、液晶ディスプレイキャリア、水晶発振器製造用トレーなどの製造用治具等、事務機器部品の分野では、コピー機用分離爪、コピー機用断熱軸受け、コピー機用ギア等、自動車部品の分野では、スラストワッシャー、トランスミッションリング、ピストンリング、オイルシールリング等、産業機器部品の分野では、ベアリングリテーナー、ポンプギア、コンベアチェーン、ストレッチマシン用スライドブッシュ等、その他としてはフィルムや繊維等が挙げられる。
また、本発明に係る前記等モル組成物あるいは等モル組成物を特定量含有する溶媒は、高沸点、低凝固点であり、適度な極性(たとえば、誘電率20(アセトンと同程度)〜33(メタノールと同程度))を有し、かつ水と混じらないという特異な性質を有するので、通常の反応条件における有機溶媒としての利用とともに、高温での反応条件下においても、簡便に使用することができる。たとえば、各種有機・無機反応の反応溶媒、ポリイミドなどのポリマー製造時のポリイミド合成用溶剤、各種化学品の抽出・精製用溶媒、染料・顔料等の溶解したインク・塗料用溶剤、洗浄剤、冷媒・熱媒体、ポリマーを溶解した塗料・接着剤用溶媒、ポリマーの可塑剤等が挙げられる。このうち、たとえば、ポリイミドの製造は、重合温度が常圧下で200℃以上というような高温件下で行われることがあり、本発明に係る等モル組成物あるいは該等モル組成物を特定量含有する溶媒は、ポリイミド合成用の有機溶剤として特に有用である。
さらに、本発明に係るこのような等モル組成物あるいは該等モル組成物を特定量含有する溶媒は、高い沸点を有しているので、重合あるいは反応の溶媒として用いる場合、反応温度を高められるので、反応時間の短縮が可能である。
また、本発明に係る等モル組成物あるいは該当モル組成物を特定量含む溶媒を精製溶剤として用いる場合、高温で溶解し低温で析出させる晶析操作においては、該高温と該低温の温度差を大きくすることにより、大きな溶解度差が得られるため、目的物の精製収率を向上させることができる。
発明の効果
本発明のポリイミドの製造方法によれば、ポリイミドが析出したスラリー状の反応溶液が得られ、この反応溶液をそのまま濾過するだけでポリイミドを得ることができ、したがって容易かつ安価なプロセスによりポリイミドを得ることができる。しかも、本発明に係る製造方法によれば、ポリイミド製造原料の濃度を高濃度にして重合反応を行っても、反応溶液が固化することはなくスラリー状であるので、ポリイミドの生産性を向上させることができ、様々な構造に由来するポリイミドの諸物性(成形加工性、摺動特性、低吸水性、電気特性、熱酸化安定性、耐放射線性等)を損なうことがない。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、これらの実施例により本願発明は何ら限定されるものではない。
なお、実施例、比較例中に共通する各種試験の試験方法を以下に示す。
1) 等モル組成物のIRスペクトル
Bio−Rad社製FTS−165を用い、液膜法で測定した。
2) 等モル組成物のNMRスペクトル
Varian社製Unity Inova400を用い、液体の組成物をそのまま測定した。
3) 等モル組成物の比誘電率(ε’)、誘電正接(tanδ)
アジレソト・テクノロジー社製精密LCRメーターHP4284A、安藤電気社製測定用電極LE−22を用い、LCRメーターブリッジ法により測定した。測定周波数は1MHz、測定条件は22±1℃/60±2%RHである。
4) ポリイミド粉の対数粘度
サンプル0.50gをp−クロロフェノールとフェノールの混合溶媒(90:10重量比)100mlに加熱溶解した後、35℃にて測定した。
5) 溶融粘度
島津高化式フローテスター(CFT500A)によりオリフィス1.0mm(径)×10mm(長)、荷重100kgf、特記のない場合は滞留時間5分で測定した。
6) 5%重量減少温度
空気中にてDTA−TG(島津DT−40シリーズ、40M)を用い、昇温速度10℃/min.で測定した。
7) ガラス転移温度・結晶融解温度(融点)
DSC(島津DT−40シリーズ、DSC−41M)により昇温速度10℃/min.で測定した。
N−メチル−2−ピロリドンを、十分に乾燥させた充填カラム付きフラスコに装入し、窒素雰囲気下、常圧で精留し、沸点204.5℃、水分量10ppm以下の精製N−メチル−2−ピロリドンを調製した。また、m−クレゾール(特級)を同様にして精留し、沸点202.2℃、水分含量10ppm以下の精製m−クレゾールを調製した。
ドライボックス中で、上記精製N−メチル−2−ピロリドン99.1g(1.00mol)をフラスコに装入し、攪拌しながら、さらに精製m−クレゾール108.1g(1.00mol)を徐々に加え、精製N−メチル−2−ピロリドンと精製m−クレゾールの等モル組成物(液体)を得た。
得られた等モル組成物を、常圧で加熱し、沸騰時の液相と気相の温度を測定したところ、液相、気相ともに230℃であった。これは、精製N−メチル−2−ピロリドンの沸点(204.5℃)より25.5℃高く、精製m−クレゾールの沸点(202.2℃)より27.8℃高い温度であった。また、得られた等モル組成物をフラスコに入れ、0℃の氷水中に3時間さらしたが、等モル組成物は凝固せず、液体状態のままであった。
得られた等モル組成物および試薬特級N−メチル−2−ピロリドン、m−クレゾールのIRスペクトルを図A1に示す。N−メチル−2−ピロリドン、m−クレゾール単体のものに比べ、等モル組成物のIRスペクトルは、分子内及び分子間水素結合を形成するOH伸縮振動を示す3000〜4000cm−1のブロードバンド及びC=O伸縮振動を示す1671cm−1のバンドが低波数シフトしている。さらに、水素結合による会合体形成によるC−O伸縮振動が1287cm−1に観測される。以上の結果は、等モル組成物においてN−メチル−2−ピロリドンのC=Oとm−クレゾールのOHが強固な水素結合を形成していることを示す。
得られた等モル組成物のH−及び13C−NMRスペクトルを図A2,3に示す。等モル組成物のプロトン及びカーボンシグナルは、公知のN−メチル−2−ピロリドン、m−クレゾール単体のものと同等であり、イオン性の結合は形成されていないことが判る。
得られた等モル組成物の誘電率は24.0、誘電正接は0.353であった。また、得られた等モル組成物5gに純水5gをサンプル瓶中に混合し、強攪拌したが、等モル組成物と純水は混じり合わず、2層に分離したままであった。
減圧装置、冷却管、流出液受器、温度計を備え、キャピラリーにより窒素を導入した単蒸発蒸留装置に、実施例A1で得られた組成物40gを装入した。系内を1.33×10 Paに減圧した後、オイルバスで室温から徐々に昇温し、留出した溶液約10gづつを、留出開始から3回に分けて分取した。
得られた初留、中留、後留、釜残(各約10g)の組成を、ガスクロマトグラフィー(カラム:UniotrHP 80/100 KG−02,3.2Φ×6m、カラム温度180℃)で測定したところ、それぞれの組成は、いずれも、N−メチル−2−ピロリドン/m−クレゾール=47.8重量%/52.2重量%(モル比で1:1)であり、それぞれの組成に違いは見られなかった。なお、検量線は、実施例A1で調製した精製N−メチル−2−ピロリドンと精製m−クレゾールを用いて作成した。
実施例A2において、、フラスコの内圧が1.33×10 Paであるのを、フラスコの内圧を1.33×10 Paとした以外は、実施例A2と同様にして、蒸留を行い、初留、中留、後留、釜残をそれぞれ約10g得た。これらに含まれるN−メチル−2−ピロリドンとm−クレゾールの組成を、実施例A2と同様にして測定したところ、それぞれの組成は、いずれも、N−メチル−2−ピロリドン/m−クレゾール=47.8重量%/52.2重量%(モル比で1:1)であり、それぞれの組成に違いは見られなかった。
N−メチル−2−ピロリドン100.0g(1.01mol)とm−クレゾール100.0g(0.925mol)を精秤し、冷却管、留出液受器、温度計を備えた単蒸留装置に装入し、窒素雰囲気下、常圧で、単蒸発蒸留を行った。初留を約20g留出した後、塔頂温が230℃に安定した後、受器を別の受器に切り替えて蒸留を行い、主留約170gを得た。得られた主留の組成は、N−メチル−2−ピロリドン/m−クレゾール=47.8重量%/52.2重量%(モル比で1:1)であった。
実施例A4で得られた主留約100gを、冷却管および留出液受器を備えたフラスコに装入し、窒素雰囲気下、常圧で沸騰させ、留出液受器で全量回収した。回収した液をさらに同様に沸騰、回収した。得られた液の組成は、N−メチル−2−ピロリドン/m−クレゾール=47.8重量%/52.2重量%(モル比で1:1)であった。
実施例A6〜8
実施例A1で得られた、精製N−メチル−2−ピロリドンと精製m−クレゾールの等モル組成物と、精製N−メチル−2−ピロリドンまたは精製m−クレゾールを、表1に示す量で配合した。実施例A1と同様にして測定した沸点を表1に示す。
また、得られた表1の溶液をそれぞれフラスコに入れ、0℃の氷水中に3時間さらしたが、溶液は凝固せず、液体状態のままであった。
比較例A1〜4
実施例A1で得られた、精製N−メチル−2−ピロリドンと精製m−クレゾールの等モル組成物と、精製N−メチル−2−ピロリドンまたは精製m−クレゾールを、表1に示す量で配合した。実施例A1と同様にして測定した沸点を表1に示す。
p−クレゾール(特級)を実施例A1と同様にして精留し、沸点201.9℃、水分含量10ppm以下の精製p−クレゾールを調製した。
ドライボックス中で、実施例A1で調製した精製N−メチル−2−ピロリドン99.1g(1.00mol)をフラスコに装入して攪拌しながら、さらに精製p−クレゾール108.1g(1.00mol)を徐々に加え、精製N−メチル−2−ピロリドンと精製p−クレゾールの等モル組成物(液体)を得た。
得られた等モル組成物を、常圧で加熱し、沸騰時の液相と気相の温度を測定したところ、液相、気相ともに228℃であった。これは、精製N−メチル−2−ピロリドンの沸点(204.5℃)より23.5℃高く、精製p−クレゾールの沸点(201.9℃)より26.1℃高い温度であった。また、得られた等モル組成物をフラスコに入れ、0℃の氷水中に3時間さらしたが、等モル組成物は凝固せず、液体状態のままであった。
また、得られた等モル組成物5gに純水5gをサンプル瓶中に混合し、強攪拌したが、等モル組成物と純水は混じり合わず、2層に分離したままであった。
p−クロロフェノール(特級)を実施例A1と同様にして精留し、沸点217℃、水分含量10ppm以下の精製p−クロロフェノールを調製した。
ドライボックス中で、実施例A1で調製した精製N−メチル−2−ピロリドン99.1g(1.00mol)をフラスコに装入して攪拌しながら、さらに精製p−クロロフェノール128.6g(1.00mol)を徐々に加え、精製N−メチル−2−ピロリドンと精製p−クロロフェノールの等モル組成物(液体)を得た。
得られた等モル組成物を、常圧で加熱し、沸騰時の液相と気相の温度を測定したところ、液相、気相ともに245℃であった。これは、精製N−メチル−2−ピロリドンの沸点(204.5℃)より約41℃高く、精製p−クロロフェノールの沸点(217℃)より28℃高い温度であった。また、得られた等モル組成物をフラスコに入れ、0℃の氷水中に3時間さらしたが、等モル組成物は凝固せず、液体状態のままであった。
得られた等モル組成物および試薬特級N−メチル−2−ピロリドン、p−クロロフェノールのIRスペクトルを図A4に示す。N−メチル−2−ピロリドン、p−クロロフェノール単体のものに比べ、等モル組成物のIRスペクトルは、分子内及び分子間水素結合を形成するOH伸縮振動を示す3000〜4000cm−1のブロードバンド及びC=O伸縮振動を示す1671cm−1のバンドが低波数シフトしている。さらに、水素結合による会合体形成によるC−O伸縮振動が1269cm−1に観測される。以上の結果は、等モル組成物においてN−メチル−2−ピロリドンのC=Oとp−クロロフェノールのOHが強固な水素結合を形成していることを示す。
得られた等モル組成物のH−及び13C−NMRスペクトルを図A5,6に示す。等モル組成物のプロトン及びカーボンシグナルが、公知のN−メチル−2−ピロリドン、p−クロロフェノール単体のものと同等であり、イオン性の結合は形成されていないことが判る。
得られた等モル組成物の誘電率は32.8、誘電正接は0.434であった。また、得られた等モル組成物5gに純水5gをサンプル瓶中に混合し、強攪拌したが、等モル組成物と純水は混じり合わず、2層に分離したままであった。
Figure 0005246983
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを、十分に乾燥させた充填カラム付きフラスコ装入し、窒素雰囲気下、常圧で精留し、沸点225.5℃、水分量10ppm以下の精製1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを調製した。また、m−クレゾール(特級)を同様にして精留し、沸点202.2℃、水分含量10ppm以下の精製m−クレゾールを調製した。
ドライボックス中で、上記精製1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン114.1g(1.00mol)をフラスコに装入し、攪拌しながら、さらに精製m−クレゾール108.1g(1.00mol)を加え、精製1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンと精製m−クレゾールの等モル組成物(液体)を得た。
得られた等モル組成物を、常圧で加熱し、沸騰時の液相と気相の温度を測定したところ、液相、気相ともに237℃であった。これは、精製1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの沸点(225.5℃)より約12℃高く、精製m−クレゾールの沸点(202.2℃)より約35℃高い温度であった。また、得られた等モル組成物をフラスコに入れ、0℃の氷水中に3時間さらしたが、等モル組成物は凝固せず、液体状態のままであった。
得られた等モル組成物および試薬特級1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、m−クレゾールのIRスペクトルを図B1に示す。1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、m−クレゾール単体のものに比べ、等モル組成物のIRスペクトルは、分子内及び分子間水素結合を形成するOH伸縮振動を示す3000〜4000cm−1のブロードバンド及びC=O伸縮振動を示す1693cm−1のバンドが低波数シフトしている。以上の結果は、等モル組成物において1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンのC=Oとm−クレゾールのOHが強固な水素結合を形成していることを示す。
得られた等モル組成物のH−及び13C−NMRスペクトルを図B2,3に示す。等モル組成物のプロトン及びカーボンシグナルは、公知の1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、m−クレゾール単体のものと同等であり、イオン性の結合は形成されていないことが判る。
得られた等モル組成物の誘電率は24.1、誘電正接は0.412であった。また、得られた等モル組成物5gに純水5gをサンプル瓶中に混合し、強攪拌したが、等モル組成物と純水は混じり合わず、2層に分離したままであった。
減圧装置、冷却管、流出液受器、温度計を備え、キャピラリーにより窒素を導入した単蒸発蒸留装置に、実施例B1で得られた組成物40gを装入した。系内を1.33×10 Paに減圧した後、オイルバスで室温から徐々に昇温し、留出した溶液約10gづつを、留出開始から3回に分けて分取した。
得られた初留、中留、後留、釜残(各約10g)の組成を、ガスクロマトグラフィー(カラム:UniotrHP 80/100 KG−02,3.2Φ×6m、カラム温度180℃)で測定したところ、それぞれの組成は、いずれも、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン/m−クレゾール=51.35重量%/48.65重量%(モル比で1:1)であり、それぞれの組成に違いは見られなかった。なお、検量線は、実施例B1で調製した精製1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンと精製m−クレゾールを用いて作成した。
実施例B2において、フラスコの内圧が1.33×10 Paであるのを、1.33×10 Paとした以外は、実施例B2と同様にして、蒸留を行い、初留、中留、後留、釜残をそれぞれ約10g得た。これらに含まれる1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとm−クレゾールの組成を、実施例B2と同様にして測定したところ、それぞれの組成は、いずれも、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン/m−クレゾール=51.35重量%/48.65重量%(モル比で1:1)であり、それぞれの組成に違いは見られなかった。
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン100.0g(0.876mol)とm−クレゾール100.0g(0.925mol)を精秤し、冷却管、留出液受器、温度計を備えた単蒸留装置に装入し、窒素雰囲気下、常圧で、単蒸発蒸留を行った。初留を約30g留出した後、塔頂温が237℃に安定した後、受器を別の受器に切り替えて蒸留を行い、主留約155gを得た。得られた主留の組成は、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン/m−クレゾール=51.35重量%/48.65重量%(モル比で1:1)であった。
実施例B4で得られた主留100gを、冷却管および留出液受器を備えたフラスコに装入し、窒素雰囲気下、常圧で沸騰させ、留出液受器で全量回収した。回収した液をさらに同様に沸騰、回収した。得られた液の組成は、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン/m−クレゾール=51.35重量%/48.65重量%(モル比で1:1)であった。
p−クレゾール(特級)を実施例B1と同様にして精留し、沸点201.9℃、水分含量10ppm以下の精製p−クレゾールを調製した。
ドライボックス中で、実施例B1で調製した精製1,3−ジメチル−2−イミダゾリ製p−クレゾール108.1g(1.00mol)を徐々に加え、精製1,3−ジメチル−2−イジノン114.1g(1.00mol)をフラスコに装入して攪拌しながら、さらに精ミダゾリジノンと精製p−クレゾールの等モル組成物(液体)を得た。
得られた等モル組成物を、常圧で加熱し、沸騰時の液相と気相の温度を測定したところ、液相、気相ともに236℃であった。これは、精製1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの沸点(225.5℃)より約11℃高く、精製p−クレゾールの沸点(201.9℃)より約34℃高い温度であった。また、得られた等モル組成物をフラスコに入れ、0℃の氷水中に3時間さらしたが、等モル組成物は凝固せず、液体状態のままであった。
また、得られた等モル組成物5gに純水5gをサンプル瓶中に混合し、強攪拌したが、等モル組成物と純水は混じり合わず、2層に分離したままであった。
フェノール(特級)を実施例B1と同様にして精留し、沸点181.2℃、水分含量10ppm以下の精製フェノールを調製した。
ドライボックス中で、実施例B1で調製した精製1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン114.1g(1.00mol)をフラスコに装入して攪拌しながら、さらに精製フェノール94.1g(1.00mol)を徐々に加え、精製1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンと精製フェノールの等モル組成物(液体)を得た。
得られた等モル組成物を、常圧で加熱し、沸騰時の液相と気相の温度を測定したところ、液相、気相ともに229℃であった。これは、精製1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの沸点(225.5℃)より約4℃高く、精製p−クレゾールの沸点(201.9℃)より約27℃高い温度であった。また、得られた等モル組成物をフラスコに入れ、0℃の氷水中に3時間さらしたが、等モル組成物は凝固せず、液体状態のままであった。
また、得られた等モル組成物5gに純水5gをサンプル瓶中に混合し、強攪拌したが、等モル組成物と純水は混じり合わず、2層に分離したままであった。
p−クロロフェノール(特級)を実施例B1と同様にして精留し、沸点217℃、水分含量10ppm以下の精製p−クロロフェノールを調製した。
ドライボックス中で、実施例B1で調製した精製1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン114.1g(1.00mol)をフラスコに装入して攪拌しながら、さらに精製p−クロロフェノール128.6g(1.00mol)を徐々に加え、精製1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンと精製p−クロロフェノールの等モル組成物(液体)を得た。
得られた等モル組成物を、常圧で加熱し、沸騰時の液相と気相の温度を測定したところ、液相、気相ともに257℃であった。これは、精製1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの沸点(225.5℃)より約32℃高く、精製p−クロロフェノールの沸点(217℃)より40℃高い温度であった。また、得られた等モル組成物をフラスコに入れ、0℃の氷水中に3時間さらしたが、等モル組成物は凝固せず、液体状態のままであった。
得られた等モル組成物および試薬特級1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、p−クロロフェノールのIRスペクトルを図B4に示す。1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、p−クロロフェノール単体のものに比べ、等モル組成物のIRスペクトルは、分子内及び分子間水素結合を形成するOH伸縮振動を示す3000〜4000cm−1のブロードバンド及びC=O伸縮振動を示す1693cm−1のバンドが低波数シフトしている。以上の結果は、等モル組成物において1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンのC=Oとp−クロロフェノールのOHが強固な水素結合を形成していることを示す。
得られた等モル組成物のH−及び13C−NMRスペクトルを図B5,6に示す。等モル組成物のプロトン及びカーボンシグナルは、公知の1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、p−クロロフェノール単体のものと同等であり、イオン性の結合は形成されていないことが判る。
得られた等モル組成物の誘電率は32.5、誘電正接は0.495であった。また、得られた等モル組成物5gに純水5gをサンプル瓶中に混合し、強攪拌したが、等モル組成物と純水は混じり合わず、2層に分離したままであった。
実施例B9〜11
実施例B1で得られた、精製1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンと精製p−クロロフェノールの等モル組成物と、精製1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンまたは精製p−クロロフェノールを、表B1に示す量で配合した。実施例B1と同様にして測定した沸点を表B1に示す。
また、得られた表B1の溶液をそれぞれフラスコに入れ、0℃の氷水中に3時間さらしたが、溶液は凝固せず、液体状態のままであった。
比較例B1、2
実施例B1で得られた、精製1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンと精製p−クロロフェノールの等モル組成物と、精製1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンまたは精製p−クロロフェノールを、表B1に示す量で配合した。実施例B1と同様にして測定した沸点を表B1に示す。
Figure 0005246983
実施例C1〜9、比較例C1〜9
攪拌機、還流冷却器、水分離器、および窒素導入管を備えた容器に、表C1に示す組成の溶媒799g(比較例C9についてのみ溶媒量は2570g)と、ポリイミドの原料モノマー、
(1)1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、kk 146.17g(0.500mol)、
(2)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、kk 143.43g(0.4875mol)kk (3)無水フタル酸、
3.703g(25.00mmol)
を装入し、この混合物を窒素雰囲気下、攪拌しながら2時間30分かけて室温から200℃まで加熱昇温し、200℃で12時間反応を行った。なお、この場合のポリマーの理論収量は275.3g、ポリマー濃度は25.6%(比較例C9についてのみ9.7%)である。
室温から200℃における昇温過程および200℃での反応過程での反応溶液の状態を表C2に示す。ただし、表C2中、各記号は下記の状態を示す。
「SL」……スラリー状態
「B」……ポリイミドが溶解
「C」……ポリイミドがわずかに析出またはわずかに溶け残る
「D」……ポリイミドが一部固化し壁面・攪拌ばね等に付着
さらに、反応溶液が攪拌可能なもの(実施例C1〜9、比較例C9)について、無水フタル酸3.703g(25.00mmol)が各々の溶媒70gに溶解した溶液を滴下し、200℃でさらに6時間反応を行った。
その後30℃まで反応系内を冷却し、実施例C1〜9については、得られた析出物を濾別した。比較例C9についてはこの段階では析出物は得られず、得られた粘稠なポリマー溶液を強撹拌下のトルエン10リットル中に排出し、析出したポリマーを濾別した。
さらに、実施例C1〜9については、得られたポリマーを各溶媒1リットルで、続いてトルエン1リットルで洗浄した。また、比較例C9については得られたポリマーをトルエン2リットルで洗浄した。このようにして得られたポリマーを、50℃、24時間の予備乾燥の後、窒素気流下、300℃で12時間乾燥した。
実施例C1〜9、比較例C9について、得られたポリイミド粉の対数粘度、ガラス転移温度、5%重量減少温度、溶融粘度(430℃/5分)を前記の方法により計測した。得られた結果を表C3に示す。
なお、実施例C1〜9からわかるとおり、本発明に係る溶媒を用いると、比較例C(比較例C2,4,6または8)で示すような通常の溶媒系では実現不可能な高濃度(約25wt%)においても充分にポリイミドの合成が可能であり、本発明の方法で得られたポリイミドは通常の溶媒系での低濃度重合(比較例C9;約10wt%)により得られるポリイミドと同等の物性を有している。
また、本発明に係る製造方法によれば、反応系がスラリー状態となるため、ポリイミドの単離は濾過するだけですみ、簡便なプロセスとなる。また、通常の方法により得られるポリイミドと比較し、物性は何ら変わらず、良好な耐熱性を保っている。
Figure 0005246983
特許
Figure 0005246983
特許
Figure 0005246983
実施例C10〜12、比較例C10、11
攪拌機、還流冷却器、水分離器、および窒素導入管を備えた容器に、表C4に示す組成の溶媒2437gと、ポリイミドの原料モノマー、
(1)4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、
368.43g(1.000mol)、
(2)ピロメリット酸二無水物、
102.52g(0.470mol)、
(3)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
138.28g(0.470mol)、
(4)無水フタル酸、
17.77g(120.0mmol)
を装入し、この混合物を窒素雰囲気下、攪拌しながら2時間30分かけて室温から200℃まで加熱昇温し、200℃で4時間反応を行った。なお、この場合のポリマーの理論収量は591.0g、ポリマー濃度は19.5%である。
室温から200℃における昇温過程および200℃での反応過程での反応溶液の状態を表C5に示す。ただし、表C5中、各記号は下記の状態を示す。
「SL」……ポリイミドが析出し反応溶液はスラリー状態
「B」……ポリイミドが溶解
「C」……ポリイミドがわずかに析出またはわずかに溶け残る
「D」……ポリイミドが一部固化し壁面・攪拌ばね等に付着
さらに、反応溶液が攪拌可能なもの(実施例C10〜12、比較例C10)について、無水フタル酸17.77g(120.0mmol)を装入し、200℃でさらに4時間反応を行った。
その後30℃まで冷却し、実施例C10〜12については、得られた析出物を濾別した。比較例C10についてはこの段階では析出物は得られず、得られた粘稠なポリマー溶液を強撹拌下のトルエン10リットル中に排出し、析出したポリマーを濾別した。
さらに、実施例C10〜12については、得られたポリマーを各溶媒1リットルで、続いてトルエン1リットルで洗浄した。また、比較例C10については得られたポリマーをトルエン2リットルで洗浄した。このようにして得られたポリマーを、50℃、24時間の予備乾燥の後、窒素気流下、200℃で12時間減圧乾燥した。
実施例C10〜12、比較例C10について、得られたポリイミド粉の対数粘度、ガラス転移温度、5%重量減少温度を前記の方法により計測した。得られた結果を表C6に示す。
Figure 0005246983
Figure 0005246983
これらの実施例C1〜12の結果から、本発明に係る製造方法によれば、反応系がスラリー状態となるため、ポリイミドの単離は濾過するだけですみ、簡便なプロセスとなる。また、通常の方法により得られるポリイミドと比較し、物性は何ら変わらず、良好な耐熱性を保っている。
実施例C10において、当初装入の無水フタル酸および撹拌可能な反応溶液にさらに装入する無水フタル酸の代わりに、それぞれ無水フタル酸10.66g(72.00mmol)および4−フェニルエチニルフタル酸無水物11.92g(48.00mmol)に変更した以外は、実施例C10と同様の条件でポリイミドを得た。得られたポリイミド粉のガラス転移温度は238℃であった。
さらにこの粉を360℃の炉の中で融解させ、4時間保持して塊状のポリイミドを得た。このポリイミドのガラス転移温度は246℃であった。
実施例D1〜9、比較例D1〜9
攪拌機、還流冷却器、水分離器、および窒素導入管を備えた容器に、表D1に示す組成の溶媒799g(比較例D9についてのみ溶媒量は2570g)と、ポリイミドの原料モノマーとして、
(1)1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
146.17g(0.500mol)、
(2)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
143.43g(0.4875mol)
(3)無水フタル酸、
3.703g(25.00mmol)
を装入し、この混合物を窒素雰囲気下、攪拌しながら2時間30分かけて室温から200℃まで加熱昇温し、200℃で12時間反応を行った。なお、この場合のポリマーの理論収量は275.3g、ポリマー濃度は25.6%(比較例D9についてのみ9.7%)である。
室温から200℃における昇温過程および200℃での反応過程での反応溶液の状態を表D2に示す。ただし、表D2中、各記号は下記の状態を示す。
「SL」……スラリー状態
「B」……ポリイミドが溶解
「C]……ポリイミドがわずかに析出またはわずかに溶け残る
「D」……ポリイミドが一部固化し壁面・攪拌ばね等に付着
さらに、反応溶液が攪拌可能なもの(実施例D1〜9、比較例D9)について、無水フタル酸3.703g(25.00mmol)が各々の溶媒70gに溶解した溶液を滴下し、200℃でさらに6時間反応を行った。
その後30℃まで反応系内を冷却し、実施例D1〜9については、得られた析出物を濾別した。比較例D9についてはこの段階では析出物は得られず、得られた粘稠なポリマー溶液を強撹拌下のトルエン10リットル中に排出し、析出したポリマーを濾別した。
さらに、実施例D1〜9については、得られたポリマーを各溶媒1リットルで、続いてトルエン1リットルで洗浄した。また、比較例D7については得られたポリマーをトルエン2リットルで洗浄した。このようにして得られたポリマーを、50℃、24時間の予備乾燥の後、窒素気流下、300℃で12時間乾燥した。
実施例D1〜9、比較例D9について、得られたポリイミド粉の対数粘度、ガラス転移温度、5%重量減少温度、溶融粘度(430℃/5分)を前記の方法により計測した。得られた結果を表D4に示す。
なお、実施例D1〜9からわかるとおり、本発明に係る溶媒を用いると、比較例D(比較例D2,4,6または8)で示すような通常の溶媒系では実現不可能な高濃度(25wt%)においても充分にポリイミドの合成が可能であり、本発明の方法で得られたポリイミドは通常の溶媒系での低濃度重合(比較例D9;10wt%)により得られるポリイミドと同等の物性を有している。
また、本発明に係る製造方法によれば、反応系がスラリー状態となるため、ポリイミドの単離は濾過するだけですみ、簡便なプロセスとなる。また、通常の方法により得られるポリイミドと比較し、物性は何ら変わらず、良好な耐熱性を保っている。
Figure 0005246983
Figure 0005246983
Figure 0005246983
実施例D10〜12、比較例D10、11
攪拌機、還流冷却器、水分離器、および窒素導入管を備えた容器に、表D4に示す組成の溶媒2437gを装入し、さらに、ポリイミドの原料として、
(1)4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、
368.43g(1.000mol)、
(2)ピロメリット酸二無水物、
102.52g(0.470mol)、
(3)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
138.28g(0.470mol)、
(4)無水フタル酸、
17.77g(120.0mmol)
を装入し、この混合物を窒素雰囲気下、攪拌しながら2時間30分かけて室温から200℃まで加熱昇温し、200℃で4時間反応を行った。なお、この場合のポリマーの理論収量は591.0g、ポリマー濃度は19.5%である。
室温から200℃における昇温過程および200℃での反応過程での反応溶液の状態を表D5に示す。ただし、表D5中、各記号は下記の状態を示す。
「SL」……ポリイミドが析出し反応溶液はスラリー状態
「B」……ポリイミドが溶解
「C」……ポリイミドがわずかに析出またはわずかに溶け残る
「D」……ポリイミドが一部固化し壁面・攪拌ばね等に付着
さらに、反応溶液が攪拌可能なもの(実施例D10〜12、比較例D10)について、無水フタル酸17.77g(120.0mmol)を装入し、200℃でさらに4時間反応を行った。
その後30℃まで反応系内を冷却し、実施例D10〜12については、得られた析出物を濾別した。比較例D10についてはこの段階では析出物は得られず、得られた粘稠なポリマー溶液を強撹拌下のトルエン10リットル中に排出し、析出したポリマーを濾別した。
さらに、実施例D10〜12については、得られたポリマーを各溶媒1リットルで、続いてトルエン1リットルで洗浄した。また、比較例D10については得られたポリマーをトルエン2リットルで洗浄した。このようにして得られたポリマーを、50℃、24時間の予備乾燥の後、窒素気流下、200℃で12時間減圧乾燥した。
実施例D10〜12、比較例D10について、得られたポリイミド粉の対数粘度、ガラス転移温度、5%重量減少温度を前記の方法により計測した。得られた結果を表D6に示す。
Figure 0005246983
Figure 0005246983
これらの結果から、本発明に係る製造方法によれば、反応系がスラリー状態となるため、ポリイミドの単離は濾過するだけですみ、簡便なプロセスとなる。また、通常の方法により得られるポリイミドと比較し、物性は何ら変わらず、良好な耐熱性を保っている。
実施例D10において、当初装入の無水フタル酸および撹拌可能な反応溶液にさらに装入する無水フタル酸の代わりに、それぞれ無水フタル酸10.66g(72.00mmol)および4−フェニルエチニルフタル酸無水物11.92g(48.00mmol)を用いた以外は、実施例D10と同様にしてポリイミドを得た。得られたポリイミド粉のガラス転移温度は238℃であった。さらにこの粉を360℃の炉の中で融解させ、4時間保持して塊状のポリイミドを得た。このポリイミドのガラス転移温度は245℃であった。
実施例E1,2,比較例E1−12
表E1に示す組成の溶媒1031gを用いた他は実施例C1に従い反応を行った。ただし、比較例E5−8については、溶媒の還流下、溶媒の沸点温度(180〜200℃)で反応を行った。なお、この場合のポリマーの理論収量は275.3g、ポリマー濃度は21.1%である。
室温から反応温度までにおける昇温過程および反応過程での反応溶液の状態を表E2に示す。ただし、表E2中、各記号は下記の状態を示す。
「SL」……スラリー状態
「B」……ポリイミドが溶解
「C」……ポリイミドがわずかに析出またはわずかに溶け残る
「D」……ポリイミドが一部固化し壁面・攪拌ばね等に付着
さらに、反応溶液が攪拌可能なもの(実施例E1,2、比較例E3,4,8,10)について、無水フタル酸3.703g(25.00mmol)が各々の溶媒70gに溶解した溶液を滴下し、200℃でさらに6時間反応を行った。
その後30℃まで反応系内を冷却し、析出物を濾別、各溶媒1リットルで、続いてトルエン1リットルで洗浄した。このようにして得られたポリマーを、50℃、24時間の予備乾燥の後、窒素気流下、300℃で12時間乾燥した。
得られたポリイミド粉の対数粘度、ガラス転移温度、5%重量減少温度、溶融粘度(430℃/5分)を前記の方法により計測した。得られた結果を表E4に示す。
比較例E1,2,5〜7,9,11,12からわかるとおり、等モル組成物を含有しない溶媒を用い、モノマー及び/またはポリイミド前駆体が溶解し、溶液が均一状態になる場合には、イミド化の進行と共に析出物により反応溶液が急激にゼリー状あるいは固化する。また、比較例E3,4,8,10からわかるとおり、等モル組成物を含有しない溶媒を用い、モノマー及び/またはポリイミド前駆体が溶解せず、スラリー状態のまま反応が進行する場合には、得られるポリイミドの重合度(対数粘度)は異常に高く、熱安定性(重量減少温度)及び溶融流動性(溶融粘度)は著しく悪い。
Figure 0005246983
Figure 0005246983
Figure 0005246983
実施例E4−7,比較例E13−15、参考例1
表E4に示す組成の溶媒1098gを用いた他は実施例C10に従い反応を行った。なお、この場合のポリマーの理論収量は591.0g、ポリマー濃度は35.0%である。
室温から反応温度までにおける昇温過程および反応過程での反応溶液の状態を表E5に示す。ただし、表E5中、各記号は下記の状態を示す。
「SL」……スラリー状態
「B」……ポリイミドが溶解
「C」……ポリイミドがわずかに析出またはわずかに溶け残る
「D」……ポリイミドが一部固化し壁面・攪拌ばね等に付着
さらに、反応溶液が攪拌可能なもの(実施例E4〜7)について、無水フタル酸17.77g(120.0mmol)を装入し、200℃でさらに4時間反応を行った。
その後30℃まで反応系内を冷却し、析出物を濾別、各溶媒1リットルで、続いてトルエン1リットルで洗浄した。このようにして得られたポリマーを、50℃、24時間の予備乾燥の後、窒素気流下、200℃で12時間乾燥した。
得られたポリイミド粉の対数粘度、ガラス転移温度、5%重量減少温度、溶融粘度(420℃/5分)を前記の方法により計測した。得られた結果を表E4に示す。
実施例E4〜7からわかるとおり、用いる溶媒中の等モル組成物含有量が高い場合には、ポリマー濃度約35wt%といった極めて高濃度の条件下においても十分にポリイミドの合成が可能であり、しかも、得られたポリイミドは良好な物性を有している。
Figure 0005246983
Figure 0005246983
実施例E8,9
反応温度を、実施例E8は200℃、実施例E9は230℃とし、実施例C10に従い、ポリイミドを合成した。反応開始後、3,6,9時間で反応スラリー液の一部を採取し、濾過、乾燥を行ったのち、得られたサンプルの対数粘度を測定した。結果を表E7に示す。
結果より分かるように、反応温度を200℃より高くすることにより、反応時間を短縮することが可能である。
Figure 0005246983
実施例E10−13、比較例E17−26、参考例E2
攪拌機、還流冷却器、水分離器、および窒素導入管を備えた容器に、表E8に示す溶媒とポリイミドの原料を装入し、この混合物を窒素雰囲気下、攪拌しながら2時間30分かけて室温から200℃まで加熱昇温、200℃で4時間反応を行った。なお、この重合時のポリマー濃度は25.0%である。
室温から200℃における昇温過程および200℃での反応過程での反応溶液の状態を表E9に示す。
さらに、無水フタル酸17.77g(120.0mmol)を装入し、200℃でさらに4時間反応を行った。
その後30℃まで反応系内を冷却し、析出物を濾別、溶媒1リットルおよびトルエン1リットルで洗浄した。なお、比較例E19,21,23,25についてはこの段階では析出物は得られなかったため、粘稠なポリマー溶液を強撹拌下のトルエン10リットル中に排出し、析出したポリマーを濾別、トルエン2リットルで洗浄した。このようにして得られたポリマーを、50℃、24時間の予備乾燥の後、窒素気流下、200℃で12時間減圧乾燥した。
実施例E10〜13、比較例E17,19,21,23,25については、得られたポリイミド粉の対数粘度、ガラス転移温度を前記の方法により計測した。得られた結果を表E9に示す。
Figure 0005246983
Figure 0005246983
比較例E17、参考例E2の結果より、テトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物を用いたポリイミドは、溶媒として等モル組成物を用いた場合、イミド化の進行と共にポリイミドが析出し、反応液が固化するため好ましくない。また、このポリイミドは、溶媒としてクレゾールを用いた場合に、イミド化の進行と共にポリイミドが析出し良好なスラリー状態となる。
一方、テトラカルボン酸二無水物としてビフェニルテトラカルボン酸二無水物を30モル%以上含むポリイミドは、溶媒としてクレゾールを用いた場合にはイミド化が進行しても、ポリイミドが析出してこないためポリマーの回収に多量の貧溶媒を必要とするが、溶媒として等モル組成物を用いた場合には、イミド化の進行と共にポリイミドが析出し良好なスラリー状態となる。
これらの結果から、本発明に係るビフェニルテトラカルボン酸型ポリイミドの製造方法によれば、反応系がスラリー状態となるため、ポリイミドの単離は濾過するだけですみ、簡便なプロセスとなる。また、通常の方法により得られるポリイミドと比較し、物性は何ら変わらず、良好な耐熱性を保っている。
実施例E14−E15、比較例E27−E39、参考例E3,4
攪拌機、還流冷却器、水分離器、および窒素導入管を備えた容器に、表E10に示す溶媒とポリイミドの原料を装入し、この混合物を窒素雰囲気下、攪拌しながら2時間かけて室温から200℃まで加熱昇温、200℃で4時間反応を行った。なお、この重合時のポリマー濃度は25.0%である。
室温から200℃における昇温過程および200℃での反応過程での反応溶液の状態を表E10に示す。
これらの結果から、テトラカルボン酸二無水物としてビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)エーテル二無水物や脂肪族テトラカルボン酸二無水物であるビシクロ(2,2,2)−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物を用いた場合には得られるポリイミドの溶剤溶解性が高すぎるため、溶媒として等モル組成物を用いた場合においても、得られるポリイミドは析出してこない。
Figure 0005246983
図A1は、N−メチル−2−ピロリドン、m−クレゾールおよびこれらの等モル組成物のIRスペクトルのチャートである。
図A2は、N−メチル−2−ピロリドン、m−クレゾールからなる等モル組成物のH−NMRスペクトルのチャートである。
図A3は、N−メチル−2−ピロリドン、m−クレゾールからなる等モル組成物の13C−NMRスペクトルのチャートである。
図A4は、N−メチル−2−ピロリドン、p−クロロフェノールおよびこれらの等モル組成物のIRスペクトルのチャートである。
図A5は、N−メチル−2−ピロリドン、p−クロロフェノールからなる等モル組成物のH−NMRスペクトルのチャートである。
図A6は、N−メチル−2−ピロリドン、p−クロロフェノールからなる等モル組成物の13C−NMRスペクトルのチャートである。
図B1は、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、m−クレゾールおよびこれらの等モル組成物のIRスペクトルのチャートである。
図B2は、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、m−クレゾールからなる等モル組成物のH−NMRスペクトルのチャートである。
図B3は、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、m−クレゾールからなる等モル組成物の13C−NMRスペクトルのチャートである。
図B4は、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、p−クロロフェノールおよびこれらの等モル組成物のIRスペクトルのチャートである。
図B5は、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、p−クロロフェノールからなる等モル組成物のH−NMRスペクトルのチャートである。
図B6は、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、p−クロロフェノールからなる等モル組成物の13C−NMRスペクトルのチャートである。

Claims (10)

  1. 下記化学式(1)で表される含窒素環状化合物と下記化学式(2)で表されるフェノール類との等モル組成物を50〜100重量%含む溶媒中で、芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸二無水物とのイミド化反応を行うポリイミドの製造方法:
    Figure 0005246983
    (式(1)中、Xは−CH2−または−N(CH3)−を示す。式(2)中、R1、R2は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ、−H、−OH、−CH3、−C25、−C37、−C49、−C511、−C613、−C715、−C817、−C919、−C1021、−OCH3、−O(C65)、−NO2、−Cl、−Brまたは−Fのいずれかを示す。)。
  2. 前記芳香族テトラカルボン酸二無水物が、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含有することを特徴とする請求項1に記載のポリイミドの製造方法。
  3. 前記芳香族テトラカルボン酸二無水物が、全テトラカルボン酸二無水物に対して、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を30〜100モル%の割合で含むことを特徴とする請求項1または2に記載のポリイミドの製造方法。
  4. 前記イミド化反応で得られるポリイミドが、下記化学式(3)で表される繰り返し構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリイミドの製造方法:
    Figure 0005246983
    (式(3)中、Yは式(e)〜(h)からなる群より選択される少なくとも一つで表される。)
    Figure 0005246983
    (ここで、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ、単結合,−O−,−CO−,−SO2−,−S−,−CH2−または−C(CH32−のいずれかを示す。)。
  5. 前記化学式(3)で表される繰り返し構造が、全繰り返し構造中、30〜100モル%の割合で含まれ、前記化学式(3)で表される繰り返し構造と異なる残部が0〜70モル%の割合で含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリイミドの製造方法。
  6. 前記残部が、前記化学式(3)で表される繰り返し構造と異なる繰り返し構造であって、芳香族テトラカルボン酸に由来する成分単位からなる繰り返し構造を有することを特徴とする請求項5に記載のポリイミドの製造方法。
  7. 前記芳香族テトラカルボン酸に由来する成分単位からなる繰り返し構造が、下記化学式(a)及び/又は(b)で表される繰り返し構造であることを特徴とする請求項6に記載のポリイミドの製造方法;
    Figure 0005246983
    (前記式(a)及び式(b)中、Ar1は式(e)〜(h)
    Figure 0005246983
    からなる群より選択される少なくとも一つで表され、式(f)、(g)および(h)中、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ、単結合、−O−,−CO−,−SO2−,−S−,−CH2−または−C(CH32−のいずれかを示す。
    前記式(b)中、Ar2は−O−,−CO−,−SO2−,−S−,−CH2−または−C(CH32−からなる群より選択される少なくとも一つで表される。)。
  8. 前記一般式(3)で表される繰り返し構造を有するポリイミドが、下記一般式(4)〜(6)のいずれかで表される繰り返し構造を少なくとも1種有するポリイミドであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のポリイミドの製造方法:
    Figure 0005246983
  9. 前記化学式(1)で表される化合物が、N−メチル−2−ピロリドン及び/又は1,3'−ジメチル−2−イミダゾリジノンであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のポリイミドの製造方法。
  10. 前記化学式(2)で表されるフェノール類が、フェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノールからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のポリイミド製造方法。
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