JP5238259B2 - モリブデン合金およびそれを用いたx線管回転陽極ターゲット、x線管並びに溶融るつぼ - Google Patents
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Description
ところで、このTZM合金をX線回転陽極ターゲットに用いると、合金中の不純物酸素、炭素、水素等がガス化してX線管内の真空度を低下させX線管の特性を低下させると言った不具合が生じていた。同様に溶融るつぼにおいても溶融中に噴出したガス成分が溶融物を汚染してしまうと言った不具合が生じていた。このように、例えば800℃以上、さらには1200℃以上の高温下で使用される環境においては合金内からガス成分が発生すると言った不具合が生じていた。
このような高温下でのガス成分の発生に対応するために、例えば、特許第3052240号公報(特許文献1)や特開2001−279362号公報(特許文献2)ではTiやZrを炭化物で添加することが試みられている。また、特許文献1および特許文献2では、前記炭化物を添加したMo成形体を水素雰囲気中で焼結した後、真空中で焼結することによりMo焼結体中の炭素量および酸素量の低減を図っている。また、特開2002−170510号公報(特許文献3)では添加したTiおよびZrの一部を複合酸化物としたMo合金が開発されている。特許文献1〜3のMo合金は、いずれもガス放出特性が改善されていることからX線管回転陽極ターゲットに用いた際にガス成分の放出量が少ないので、不良率の少ないX線管を提供できている。
前述に示したような従来のMo合金からなる回転陽極ターゲットは高温に晒されてもガス成分の放出が少なく品質の良いX線管が得られている。しかしながら、更なる大型化(例えば直径100mm以上)を行いシャフトとの組み立て時に大きな負荷がかかると、従来のターゲットは硬さが低いことから割れやクラック等の問題が生じていた。同様に金属等を溶融する際に用いる溶融るつぼにおいても、大型化すると加工時に割れやクラック等の問題が生じていた。このような問題は従来のMo合金の硬さが弱いことが原因であった。
本発明者らは、このような問題に対応するためのものであり、大型化(例えば直径100mm以上)したX線管回転陽極ターゲットに用いたとしても割れ等の不具合の発生しないモリブデン合金を見出し本発明に至った。
また、前記アスペクト比が3.5以上であることが好ましい。また、硬さは250HVを超え、350HV未満であることが好ましい。350HV以上になると、切削加工等でバイト等の磨耗が問題になるため上記範囲が好ましい。
このようなモリブデン合金はX線管回転陽極ターゲットに好適である。
また、本発明のX線管回転陽極ターゲットは、前記モリブデン合金(第1のモリブデン合金)と、酸素を200〜2000ppm含有し、チタンおよびジルコニウムの複合酸化物を含有する第2のモリブデン合金を積層した構造であってもよい。また、直径が100mmを超えている大型のX線管回転陽極ターゲットにも好適である。また、回転シャフトを接合する箇所に前記第1のモリブデン合金を用いた構造が好ましい。
また、電子線照射面にW、Mo、Nb、Ta、Re、Ti、Zr、Cの少なくとも1種の金属または合金層を設けたことが好ましい。また、電子線照射面以外の表面に酸化物被膜を設けたことが好ましい。このようなX線管回転陽極ターゲットはX線管に好適である。
また、前記モリブデン合金は溶融るつぼにも好適である。
まず、酸素含有量が50ppm以下であることを特徴とするものである。酸素含有量が50ppmを超えると高温下に晒されたときにガス成分の放出量が多くなる。好ましくは30ppm以下である。なお、当該酸素量は、モリブデン合金中の酸素量を示し、酸化物として存在している場合はその化合物中の酸素も含めて酸素量とする。酸素量の下限は特に限定されるものではなく低ければ低いほど(測定限界以下)高温下でのガス放出を抑制できるので好ましいが、酸素含有量の低いMo合金を製造するのは製造上の負担が大きいので5ppm以上が目安となる。酸素量の測定には、赤外線吸収法がよい。
また、アスペクト比が2以上の炭化チタン、炭化ハフニウム、炭化ジルコニウム、炭化タンタルの少なくとも1種以上を0.2〜1.5wt%含有するものである。炭化物としては炭化チタン(TiC)、炭化ハフニウム(HfC)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化タンタル(TaC)が挙げられ、これら炭化物を1種または2種以上を用いる場合は合計で0.2〜1.5wt%含有するものである。また、前記炭化物の含有量は0.2wt%未満では添加の効果が小さく、1.5wt%を超えると鍛造等の製造工程中にクラックが入り易い。また、硬さも350HVを超えてしまう。これは分散強化が過度に進んでしまうためと考えられる。
本発明ではアスペクト比が2以上の柱状炭化物を含有することが特徴である。柱状炭化物はモリブデン合金中のモリブデン結晶粒同士の粒界相に存在する。粒界相に柱状炭化物が存在すると粒界相が強化されるので硬さが向上する。また、アスペクト比は3.5以上であることが好ましい。アスペクト比が3.5以上と大きい方が硬さを向上させることができる。
また、前記柱状炭化物は、予めアスペクト比が2以上の炭化物を添加しても良いが、焼結中に粒成長させることによりアスペクト比が2以上、さらには3.5以上にさせることが好ましい。粒成長により柱状になったものは、モリブデン結晶粒の粒界相に沿って柱状に粒成長するので、より硬さを向上させることができる。
また、アスペクト比の上限は特に限定されるものではないが、アスペクト比は20以下が好ましい。アスペクト比をあまり大きくすると粒成長過程で炭化物同士がぶつかり、不要な内部応力が発生するので好ましくない。
このような本発明のモリブデン合金であれば、硬さを250HVを超え、350HV未満とすることができる。また、1000℃における引張強さは400MPa以上と優れた強度も得ることができる。つまり、本発明のモリブデン合金は、引張強さを維持したまま硬度を向上させることができるのである。
このような硬さの優れたモリブデン合金は、X線管回転陽極ターゲットや溶融るつぼなどの機械的な硬さが必要とされる部材に好適である。
X線管回転陽極ターゲットを作製する場合、本発明のモリブデン合金(第1のモリブデン合金)のみで形成してもよいし、後述する第2のモリブデン合金との積層体を用いてもよい。
第1のモリブデン合金は、前述のように柱状の炭化物を粒界相に沿って存在させている。柱状炭化物であるが故にモリブデン合金中の酸素と接触し易い構造となっている。柱状炭化物と酸素が接した状態で高温下に置かれると、例えばTiC+TiO2→Ti+CO2+CO等のような反応が起き、ガス成分が発生してしまう。言い換えると、第1のモリブデン合金は高温強度は高いものの、高温下ではガス成分の発生し易い構造となる。そのため、ガス成分の発生し難い第2のモリブデン合金との積層体を作製することが有効である。
第1のモリブデン合金は硬さが高いものの、第2のモリブデン合金と比べるとガス放出特性が悪い。一方、第2のモリブデン合金はガス放出特性は良いものの、第1のモリブデン合金と比べると硬さが低い。このような各モリブデン合金の特性を生かしてX線管回転陽極ターゲットを作製する場合、シャフト(回転軸)を接合する箇所に硬さの高い第1のモリブデン合金を適用した積層構造が好ましい。このような積層構造の一例を図2、図3、図4に示す。図中、3は第1のモリブデン合金、4は第2のモリブデン合金、5はシャフトである。つまり、応力負荷のかかりやすい場所に第1のモリブデン合金を適用することにより、割れ、クラックの高いX線管回転陽極ターゲットを作製することができる。
このように硬さの優れたX線管回転陽極ターゲットであれば、直径100mmを超えた(更には130mm以上)負荷のかかるターゲットにも好適である。
また、X線管回転陽極ターゲットの前記電子線照射面以外の表面に酸化物被膜を設けることが好ましい。酸化物被膜としては、Al2O3(酸化アルミニウム)、TiO2(酸化チタン)、ZrO2(酸化ジルコニウム)、SiO2(酸化珪素)またはそれらの混合物が好ましい。また、酸化物被膜は単層でもよいし、多層としてもよい。また、酸化物被膜の形成方法は、溶射法、CVD法、PVD法(蒸着法、スパッタ法)などが挙げられる。酸化物被膜を設けるとX線管回転陽極ターゲットのガス放出量を低減させることができる。前述のように第1のモリブデン合金は、第2のモリブデン合金と比べてガス放出特性は悪い。そのため、酸化物被膜を設けることによりガス放出量を低減させることが有効である。
以上のようなX線管回転陽極ターゲットを用いたX線管は硬さに優れ、ガス放出特性も優れている。そのため、医療用CT装置、手荷物検査装置等の非破壊検査装置など様々な分野のX線検査装置に適用できる。特にターゲットの硬さを改善しているので、大型または高出力のX線管に好適である。
次に、第1のモリブデン合金の製造方法について説明する。モリブデン合金の製造方法については特に限定されるものではないが、好ましい製法として以下のものが挙げられる。
まず、原料粉として、Mo粉末、TiC等の炭化物粉末を用意し、ボールミル等で混合する。Mo粉末としては平均粒径5μm以下、炭化物粉末は平均粒径2μm以下のものが好ましく、より好ましくは(Mo粉末の平均粒径>炭化物粉末の平均粒径)であり、さらに好ましくは[Mo粉末の平均粒径>3(炭化物粉末の平均粒径)]である。炭化物粉末の平均粒径がMo粉末の平均粒径より小さい方が、炭化物がMoの粒界相に均一に分散し易い。
次に、混合した原料粉を200MPa以上の圧力で金型成形し、成形体を得る。成形圧力は200〜500MPaが好ましい。成形圧力が200MPa未満では成形体の密度が不十分であるため高密度の焼結体が得難く、一方、500MPaを超えると成形体にクラックが入り易いので好ましくない。
不活性雰囲気中の焼結であれば、焼結中にMo焼結体(Mo成形体)と不活性ガスが反応することがないので、焼結体中に存在する不要なCOガス、CO2ガスのみが放出され必要以上に炭化物が分解することがない。そのため、焼結中において炭化物の粒成長が行われアスペクト比2以上、さらには3.5以上に粒成長させることができる。焼結時間は5〜20時間程度である。また、焼結温度は1900℃未満であると、アスペクト比2以上の炭化物への粒成長が起こり難くなる。
また、より好ましい焼結条件としては次のものが挙げられる。まず、成形体を1500〜1800℃真空中で焼結する第1焼結工程と、その後、1900℃以上、不活性ガス中で焼結する第2焼結工程を行う方法である。
また、第1焼結工程は10−3Pa以下の真空度が好ましく、焼結時間は1〜10時間程度が好ましい。真空焼結(第1焼結工程)を行えば焼結中に炭化物が分解することが少ないので好ましい。第2焼結工程の条件は前述の通りである。このように、真空焼結(第1焼結工程)と不活性ガス焼結(第2焼結工程)を組合せることにより、炭化物が分解し難くかつ粒成長し易くなり本発明の第1のモリブデン合金を得易い。なお、第1焼結工程と第2焼結工程で焼結雰囲気を変えたのは、高温で真空を維持するのは工業的に非常に負荷が大きくコストアップの要因となるため、あまり好ましくない。また、特許文献1のように水素雰囲気中で焼結を行うと、炭化物が分解(水素による脱炭作用が発生)するおそれがあり、炭化物の粒成長を阻害するので好ましくない。なお、この第1および第2焼結工程を行う際もカーボン製るつぼを用いることが好ましい。
るつぼ等を用いて焼結する場合は、ニアネットで製造されることが望ましいため、焼結体のままで使用してもよいが、必要に応じて鍛造、圧延を行っても良い。鍛造や圧延を行うとモリブデン合金の組織が鍛造または圧延方向に伸びるので炭化物のアスペクト比を2以上、さらには3.5以上にし易い。特に鍛造や圧延は、合金中の炭化物の80%以上をアスペクト比2以上、さらには3.5以上の柱状炭化物にし易い。
また、電子照射面にW等の金属層または合金層を用いる場合は、一緒に成形して焼結しても良いし、モリブデン合金の焼結体を作製した後、一体化してもよい。また、必要に応じ酸化物被膜を設けるものとする。
また、X線管回転陽極ターゲットを完成させた後、必要に応じ、脱ガス処理を行っても良い。脱ガス処理は、1400〜1800℃、10−3Pa以下、2〜7時間程度行っても良い。また、このようなX線管回転陽極ターゲットを作製した後、シャフトを接合したX線管回転陽極を完成させ、X線管に搭載することによりX線管を完成させる。
溶融るつぼの作製に関しても同様の焼結方法が適用でき、必要に応じ酸化物被膜を設けても良い。
平均粒径4μmのMo粉末に、平均粒径1μmのTiC、HfC、ZrC、TaCの少なくとも1種以上の炭化物粉末を表1に示した量添加し、ボールミルで混合する。次に300MPaの圧力で金型成形し、成形体を得た。
次に、成形体をカーボン製のるつぼの中に入れ、第1焼結工程として真空中(10−3Pa)1500〜1700℃で焼結した後、不活性雰囲気中、表1〜4に示す温度で第2焼結工程を行った。焼結体の形状は直径φ40×長さL500mmで統一した。得られた焼結体を鍛造により、φ28mmまで加工を行い実施例にかかるモリブデン合金とした。
比較例としてカーボン製のるつぼを用いずに不活性雰囲気中または真空(10−3Pa)中で焼結したものについても用意した。なお、表中、特に記載のないものは不活性雰囲気中で焼結したものである。
各実施例および比較例にかかるモリブデン合金焼結体において、合金中の酸素量を測定した。酸素量の測定は、赤外線吸収法により行った。
また、軸方向(長さ)について断面組織を観察し、炭化物のアスペクト比を調べた。具体的には、200倍の視野でEPMA(スポット径100μm、CuKα線)により炭化物を広域元素分布で同定、マッピング後、観察された炭化物粒子の長軸長さX、短軸長さYを測定し、それぞれ合計した後、観察された個数で割り、平均のアスペクト比(X/Y)を算出した。
次に、φ28mmの中央部より、φ5.0×L68の試験片を切り出し、真空雰囲気、加熱速度10℃/分、試験温度1000℃、保持時間5分、試験速度2.5mm/分で引張試験を行い、高温引張強さを算出した。
また、ビッカース硬度はJIS−Z−2244に準ずる方法で算出した。
各測定結果を表1〜4に示す。
平均粒径4μmのMo粉末に、平均粒径1μmのTiC、ZrCを、Ti、Zr重量%相当(換算)で、0.5%、0.07%添加し、ボールミルで混合し、Mo混合粉末を得た。続いて、3wt%Re−W合金粉末と前記Mo混合粉末を金型に積層して入れ、300MPaの圧力で金型成形し、Re−WとMo合金の積層成形体を得た。
続いて、成形体をカーボン製のるつぼの中に入れ、真空中1600℃で第1焼結工程後、Ar雰囲気中2200℃で第2焼結工程を行った。その後、鍛造等を行い直径120mmの実施例2にかかるX線管回転陽極ターゲットを作製した。なお、モリブデン合金は、炭化物のアスペクト比3.6、ビッカース硬度280であった。
なお、比較としてカーボン製のるつぼに入れないで真空で焼結した以外は実施例2と同じものを比較例2として用意した。
実施例2および比較例2にかかるターゲットにシャフト(回転軸)を取り付け、X線管に組み込むことによりX線管を作製した。各X線管を用いて10000回X線(回転速度8000rpm)を出力する間の放電回数を評価した。この結果を表5に示す。
まず、酸素を300ppm含有し、TiおよびZrの複合酸化物を含有するMo合金(第2のモリブデン合金)からなる基材(焼結体)を作製した。
次に、平均粒径4μmのMo粉末に、平均粒径1μmのTiC、ZrCを、Ti、Zr重量%相当(換算)で、0.5%、0.08%添加し、ボールミルで混合し、第1のMo混合粉末を得た。
続いて、前記基材上に、第1のMo混合粉末および5wt%Re−W合金粉末を積層させ、300MPaの圧力で金型成形し、Re−W層/第1のMo合金層/第2のMo合金層の積層成形体を得た。
その後、カーボン製のるつぼの中に入れ、真空中1500℃で第1焼結工程後、Ar雰囲気中2250℃で第2焼結工程を行った。その後、鍛造等を行い直径140mmの実施例3にかかるX線管回転陽極ターゲットを作製した。なお、モリブデン合金は、炭化物のアスペクト比3.8、ビッカース硬度290であった。
次に、TiO2−Al2O3を所定組成で混合した溶射膜をRe−W層以外の表面に成膜することにより、実施例にかかるX線管回転陽極ターゲットを作製した。
また、各ターゲットのガス放出特性を、ガス放出測定装置を用いて調べた。この装置は石英ベルジャー内にある試験製品を加熱炉を用いて所定の温度に上昇させる事が可能で、電離真空計とQ−MASを用いて真空度の変化と発生しているガス分圧を測定する装置である。具体的には各ターゲットを1100℃の石英ベルジャー管球内の高温雰囲気中にさらし、管球全体の全圧の変化と各ガス成分の分圧(H2、CO、CO2、H2O、N2、O2、HC、Ar、その他希少ガス)の変化を測定し、Torr.CCで表した。この値が大きいほど、ガス放出量が多く、管球真空度を下げる方向になる。小さければ小さい程、高温下でのガス放出量が少ないということになる。ここでは全圧と最も放出量の多いCOガス分圧量を記載する。全圧は前記各種放出ガスの分圧の和で構成される。また、このガス放出量がX線管を作製する上で問題とならない量の発生割合をX線管球工程での歩留まり(%)として表記した。その結果を表6に示す。また上記方法以外でも第1のMo合金のみでX線管回転陽極ターゲットを作製した(試料79)。その結果も併せて表6に示す。
次に、溶融るつぼに用いた例を示す。
平均粒径3μmのMo粉末に、平均粒径1μmのTiC、ZrCを、Ti、Zr質量%相当で、0.5%、0.07%添加し、ボールミルで混合した。続いて、CIP成形で200MPaの圧力で、るつぼ状に成形を行った。その後、カーボン製るつぼに成形体を入れて、真空中1500℃で第1焼結工程を行った後、窒素雰囲気中、2100℃で第2焼結工程を行うことにより実施例4にかかる溶融るつぼを作製した。
なお、比較例としてカーボン製のるつぼに入れないで真空で焼結したものについても準備した。
焼結後のるつぼ形状は、肉厚10mm、高さ50mm、外径φ100mmであった。また、実施例にかかるモリブデン合金は炭化物のアスペクト比が3.6、ビッカース硬度は280であり、比較例のものは炭化物のアスペクト比1.3、ビッカース硬度200であった。
各るつぼの中に、金属イットリウムを入れて1700℃×30分で溶融させ、何回でるつぼに穴が空くか試験を行った。この結果を表7に示す。
次に、ZrCをさらに0.07wt%添加した以外は試料5と同じものを試料82として用意した。試料82に対し、試料5と同様の測定を行った。その結果、試料82の酸素量は30ppm、炭化物のアスペクト比4.5、硬さ(HV)290、引張強さ540MPaであった。
また、試料5と試料82の炭素量も測定した。その結果を表8に示す。
Claims (11)
- 酸素含有量が50ppm以下で、炭化チタン、炭化ハフニウム、炭化ジルコニウム、炭化タンタルの少なくとも1種以上の炭化物を0.2〜1.5wt%含有し、残部モリブデンおよび不可避不純物からなり、
前記炭化物のアスペクト比の平均値が、2以上かつ20未満であることを特徴とするモリブデン合金。 - 前記アスペクト比の平均値が、3.5以上かつ20未満であるである、請求項1に記載のモリブデン合金。
- ビッカース硬さが250HVを超え、350HV未満である、請求項1に記載のモリブデン合金。
- 請求項1に記載のモリブデン合金を用いたことを特徴とするX線管回転陽極ターゲット。
- 請求項1に記載の第1のモリブデン合金と、酸素を200〜2000ppm含有し、チタンおよびジルコニウムの複合酸化物を含有する第2のモリブデン合金を積層した構造を具備することを特徴とするX線管回転陽極ターゲット。
- 直径が100mmを超えているものである、請求項4に記載のX線管回転陽極ターゲット。
- 回転シャフトを接合する箇所に前記第1のモリブデン合金を用いたことを特徴とする請求項5に記載のX線管回転陽極ターゲット。
- 電子線照射面にW、Mo、Nb、Ta、Re、Ti、Zr、Cの少なくとも1種の金属または合金層を設けたことを特徴とする請求項4に記載のX線管回転陽極ターゲット。
- 電子線照射面以外の表面に酸化物被膜を設けたことを特徴とする請求項8に記載のX線管回転陽極ターゲット。
- 請求項4に記載のX線管回転陽極ターゲットを用いたことを特徴とするX線管。
- 請求項1に記載のモリブデン合金を用いたことを特徴とする溶融るつぼ。
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