JP5232973B2 - ジスアゾ顔料組成物およびその製造方法、印刷インキ組成物 - Google Patents

ジスアゾ顔料組成物およびその製造方法、印刷インキ組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ジスアゾ顔料組成物およびその製造方法、ならびにジスアゾ顔料組成物を含有してなる印刷インキに関する。
一般的なプロセス用オフセットインキの製造法には顔料特有の水から油への相転換のし易さを利用してフラッシャー装置を用いて、水性ウエットケーキをフラッシングにより直接インキに製造する方法がある。また、水性ウエットケーキの乾燥物いわゆるパウダー顔料を強力な剪断力によってインキ用ビヒクルに分散することによって得る方法もある。しかし、前者の方法は顔料の水性ウエットケーキ自身の安定性に欠ける問題や、フラッシング性が悪いことによって長時間受ける熱によって不透明化、着色力低下等の品質に対する影響が大きく安定した品質が得られにくいのが現状であった。
パウダー顔料からインキ化したものはフラッシングからインキ化したものと比較して透明性、流動性、着色力の点で著しく劣っている。ジスアゾ顔料の場合、パウダー顔料からのインキ化物とフラッシングからのインキ化物の品質の差は、パウダー顔料が水を乾燥する際の熱履歴により著しく結晶が成長してしまうことによって引き起こされる。
パウダー顔料の耐熱性を向上させる手段として二成分の同時カップリングによる解決手段が、たとえば特許文献1ではアセトアセトアニリドとそのフェニル基に極性基を持つものとの混合カップリングする方法として、また、特許文献2ではアセトアセトアニリド、アセトアセトオルソアニシジド、アセトアセトオルソトルイジド、アセトアセトオルソクロロアニリド、アセトアセト−2,4−キシリジド、及びアセトアセト−2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリドから選ばれる2種類またはそれ以上の混合物をカップリングさせる方法として、紹介されているがいずれの方法も生成したパウダー顔料からのインキ化物の品質は透明性、流動性、着色力の点でウエットケーキからのインキ化物に対して著しく劣っていた。
一方、ウエットケーキからのインキ化物の品質向上に対しても検討がなされており、透明性・流動性を改良する方法として特許文献3では、ジスアゾ顔料にそれらのスルホン酸化合物を混合する方法が、特許文献4では、カップリング成分としてカルボン酸基及び/またはスルホン酸基を有する極性カップリング成分と非極性カップリング成分との混合物を使用して成るジスアゾ顔料を用いる方法が、特許文献5及び特許文献6では、極性カップリング成分と非極性カップリング成分から成る非対称型ジスアゾ化合物を含有するジスアゾ顔料組成物を用いる方法が開示されている。なかでも、特許文献4で開示された製造方法より得られたジスアゾ顔料が印刷インキの透明性を改良する効果が大きいこと、特許文献6で開示されたジスアゾ顔料組成物が印刷インキの流動性を改良する効果が大きいことが開示されており、特許文献7ではアセト酢酸−m−キシリダイド2〜40モル%、アセト酢酸o−トルイダイド97.9〜60モル%、2−アセトアセチルアミノ安息香酸0.1〜10モル%をカップラー成分としてジスアゾ化合物混合物を製造する例が開示されているが、これら使用された極性カップラー成分は水に対して溶解性を示すため、フラッシングが極端に遅くなり結果として長時間の熱履歴によって結晶が成長してしまったり、色相が変化、不透明化する事が知られていた。
また、透明性を改良する方法としては、特許文献8に非極性カップリング成分とベンジジン類のテトラゾ成分とのカップリング方法に関して開示されており、極性基を有するカップラー成分を使用することなく透明性を改良する効果が大きいことが報告されているが、先に示した極性カップラー類を一切含んでいないためインキとしての性能は不十分であった。
また、特許文献9には、特許文献8で示された製造方法を行う際に特許文献5及び特許文献6等で示された極性カップラー成分を併用する方法が開示しているが、顔料と印刷インキ用ビヒクルとのフラッシング直後の透明性は大幅に改良されているものの、着色力低下する問題は解消していない。
耐熱性を改良する方法としては、特許文献10に、バルビツール酸類を用いる方法が記載されている。しかし透明性、着色力の低下はある程度防止されるものの色相が非常に赤味によってしまう問題が残っていた。特許文献11にはバルビツール酸類アゾ顔料に関する記述があり、2、5ジメトキシ−4−クロロアニリドとバルビツール酸を用い、ベンジジン類のテトラゾ成分とのカップリング方法が開示されているが経時変化による褪色が少なく着色剤としては有用であるが、同様に色相が非常に赤味によってしまう問題が依然残っている。
着色力と流動性を同時に改良する方法については、特許文献12に、ジスアゾ顔料の組成物が開示されている。外層部に特定構造のジスアゾ化合物が局在的に配置されているため高い着色力が得られるものの、逆に透明性については内層側にジスアゾ顔料のみを含有するためカップリング反応中に粒子成長が顕著に発生し、透明性については他の開示されている方法に比べ極めて劣る問題が残っていた。
特公昭55−10630号 特開平1−110578号 特公昭45−11026号 特公昭55−49087号 特開昭63−72762号 特開昭63−178169号 登録第2682749号 登録第2943996号 特開2000−7931号 特開2009−215332号 特開平07−304985号 特開2007−284641号
本発明が解決しようとする課題は、オフセットインキ、グラビアインキ等の印刷インキ組成物に使用した場合、優れた色相、着色力、流動性、透明性を与えるジスアゾ顔料組成物およびその製造方法を提供することにある。また、フラッシング法等によるインキ化工程での熱による顔料の結晶成長が抑制できる優れた耐熱性を有するジスアゾ顔料組成物およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表わされるジスアゾ顔料(A)と、下記一般式(2)で表わされるジスアゾ顔料(B)とを含み、ジスアゾ顔料組成物のマススペクトラムにおいて、全分子イオンピークを積算した値に対して、下記一般式(3)で表わされるジスアゾ顔料(C)の分子イオンピークの割合が、0.5%以下であることを特徴とするジスアゾ顔料組成物に関する。
Figure 0005232973

(式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R31〜R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R31〜R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
Figure 0005232973

(式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基を表わす。X1〜X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、イミノ基を表す。R31〜R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R31〜R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
Figure 0005232973

(式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基を表わす。X1〜X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、イミノ基を表す。)
また、本発明は、ジスアゾ顔料(A):ジスアゾ顔料(B)(モル比)が、0.85〜0.99:0.15〜0.01である前記ジスアゾ顔料組成物に関する。
また、本発明は、さらに、ロジン類または印刷インキ用ビヒクルで表面処理されてなる前記ジスアゾ顔料組成物に関する。
また、本発明は、下記一般式(4)で表わされるベンジジン類(D)のテトラゾ溶液に、下記一般式(5)で表わされるバルビツール酸類(E)を添加して反応させる第1カップリング反応により、下記一般式(6)を含む第1カップリング反応物(F)を得た後、次いで、下記一般式(7)で表わされるカップラー成分(G)に、前記第1カップリング反応物を添加して反応させる第2カップリング反応を行ない、下記一般式(1)で表わされるジスアゾ顔料(A)と、下記一般式(2)で表わされるジスアゾ顔料(B)とを含み、ジスアゾ顔料組成物のマススペクトラムにおいて、全分子イオンピークを積算した値に対して、下記一般式(3)で表わされるジスアゾ顔料(C)の分子イオンピークの割合が、0.5%以下であることを特徴とするジスアゾ顔料組成物の製造方法であって、ベンジジン類(D)1モル部のテトラゾ溶液に、バルビツール酸類(E)0.03〜0.10モル部添加して反応させるジスアゾ顔料組成物の製造方法に関する。
Figure 0005232973
(式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。)
Figure 0005232973
(式中、R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基を表わす。X1〜X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、イミノ基を表す。)
Figure 0005232973
(式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基を表わす。X1〜X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、イミノ基を表す。)
Figure 0005232973
(式中、R31〜R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R31〜R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
Figure 0005232973

(式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R31〜R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R31〜R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
Figure 0005232973

(式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基を表わす。X1〜X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、イミノ基を表す。R31〜R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R31〜R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
Figure 0005232973

(式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基を表わす。X1〜X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、イミノ基を表す。)
また、本発明は、カップラー成分(G)が、下記一般式(7−1)で表わされるカップラー成分(G1)と下記一般式(7−2)で表わされるカップラー成分(G2)とからなるカップラー成分(G)である前記ジスアゾ顔料組成物の製造方法に関する。
Figure 0005232973

(式中、R41〜R45は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基を表わす。R41〜R45は、互いに結合して環を形成しても良い。)
Figure 0005232973

(式中、R51〜R55は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わすが、R51〜R55の少なくとも一つは、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩である。R51〜R55は、互いに結合して環を形成しても良い。)
また、本発明は、カップラー成分(G1):カップラー成分(G2)(モル比)が、0.85〜0.99:0.15〜0.01である前記ジスアゾ顔料組成物の製造方法に関する。
また、本発明は、前記ジスアゾ顔料組成物と印刷インキ用ビヒクルとを含有してなる印刷インキ組成物に関する。
また、本発明は、前記の方法で製造したジスアゾ顔料組成物と印刷インキ用ビヒクルとを含有してなる印刷インキ組成物に関する。
本発明のジスアゾ顔料組成物を使用して製造した印刷インキは、優れた色相、着色力、流動性、透明性を与える。したがって、オフセットインキ、グラビアインキ等の印刷インキ組成物に好適に使用することができる。また、本発明のジスアゾ顔料組成物は、優れた耐熱性を有するため、フラッシング法等によるインキ化工程での熱による顔料の結晶成長が抑制できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<ジスアゾ顔料組成物>
本発明のジスアゾ顔料組成物は、前記一般式(1)で表わされるジスアゾ顔料(A)と、一般式(2)で表わされるジスアゾ顔料(B)とを含み、一般式(3)で表わされるジスアゾ顔料(C)を実質的に含まないことを特徴とするジスアゾ顔料組成物である。
ジスアゾ顔料組成物中の一般式(3)で表わされるジスアゾ顔料(C)の含有量が多くなると、色相が赤みになり、着色力、流動性、透明性が損なわれるため、本発明のジスアゾ顔料組成物は、一般式(3)で表わされるジスアゾ顔料(C)を実質的に含まないことが特徴である。ここで、「実質的に含まない」とは、マススペクトル等の業界公知の通常行われる分析手段によって検出されないという意味であって、これら通常行われる分析手段によって検出されない程度の極微量の含有をも除外するものではない。
例えば、マススペクトルによる分析では、ジスアゾ顔料組成物のマススペクトラムにおいて、全分子イオンピークを積算した値に対して、ジスアゾ顔料(C)の分子イオンピークの割合が、1%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましく、0.1%以下がさらに好ましく、0.01%以下が特に好ましい。この割合は、ジスアゾ顔料組成物中に含まれる各ジスアゾ顔料成分の検出感度に差が無いと仮定すると、ジスアゾ顔料組成物中のジスアゾ顔料(C)のモル%に相当する割合である。したがって、ジスアゾ顔料組成物中のジスアゾ顔料(C)含有量が1モル%以下であれば、実質的に含まないと考えることができる。
まず一般式(1)について説明する。一般式(1)におけるR11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R31〜R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
また、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基、2−エチルへキシル基等の直鎖又は分岐アルキル基が挙げられる。この内、炭素数1〜4の低級アルキル基が好ましい。
また、アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3−ジメチル−3−ペントキシ基、n−へキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルへキシルオキシ基等の直鎖又は分岐アルコキシル基が挙げられる。この内、炭素数1〜4の低級アルコキシル基が好ましい。
また、スルホン酸基とは、スルホ基(−SO3H)を意味し、その金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、アルミニウム塩等の1価〜3価の金属が挙げられる。
また、カルボン酸基とは、カルボキシル基(−COOH)を意味し、その金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、アルミニウム塩等の1価〜3価の金属が挙げられる。
上記の内、R11〜R18としては、水素原子および/またはハロゲン原子が好ましく、水素原子および/または塩素原子がさらに好ましい。
31〜R35における、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩は、前記で説明した基と同義である。
31〜R35としては、水素原子、アルキル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩が好ましい。
また、R31〜R35は、互いに結合して環を形成しても良い。ここで環とは、脂肪族環、芳香環のいずれでも良く、炭化水素環、複素環のいずれでも良い。したがって、形成しても良い環としては、シクロペンタン環、シクロオクタン環等の脂肪族炭化水素環、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等の芳香族炭化水素環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロチオフェン環、ピペリジン環等の含酸素、硫黄、窒素の脂肪族複素環、ピリジン環、ピラジン環、ピロール環、キノリン環、キノキサリン環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、インドール環、カルバゾール環等の含酸素、硫黄、窒素の芳香族複素環が挙げられる。
次に、一般式(2)について説明する。一般式(2)のR11〜R18、R31〜R35における、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩は、前記で説明した基と同義である。また、R21およびR22におけるアルキル基は、前記で説明したアルキル基と同義である。X1〜X3におけるイミノ基とは、=NHを意味する。
11〜R18としては、水素原子および/またはハロゲン原子が好ましく、水素原子および/または塩素原子がさらに好ましい。また、R31〜R35としては、水素原子、アルキル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩が好ましい。また、R21およびR22としては、水素原子が好ましい。さらに、X1〜X3は、酸素原子、硫黄原子、が好ましく、酸素原子がより好ましい。
次に、一般式(3)について説明する。一般式(3)のR11〜R18における、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩は、前記で説明した基と同義である。また、R21およびR22におけるアルキル基は、前記で説明したアルキル基と同義である。X1〜X3は、前記で説明したものと同義である。
本発明のジスアゾ顔料組成物は、ジスアゾ顔料(A):ジスアゾ顔料(B)(モル比)が、0.85〜0.99:0.15〜0.01であることが好ましい。
本発明のジスアゾ顔料組成物は、さらに、ロジン類または印刷インキ用ビヒクルで表面処理されていても良い。
<ジスアゾ顔料組成物の製造方法>
次に、本発明のジスアゾ顔料組成物の製造方法について説明する。本発明のジスアゾ顔料組成物は、一般式(4)で表わされるベンジジン類(D)のテトラゾ溶液に、一般式(5)で表わされるバルビツール酸類(E)を添加して反応させる第1カップリング反応により、一般式(6)を含む第1カップリング反応物(F)を得た後、次いで、一般式(7)で表わされるカップラー成分(G)に、第1カップリング反応物を添加して反応させる第2カップリング反応を行なうことで製造することができる。
一般式(4)のR11〜R18における、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩は、前記で説明した基と同義である。R11〜R18としては、水素原子および/またはハロゲン原子が好ましく、水素原子および/または塩素原子がさらに好ましい。
したがって、ベンジジン類(D)の具体例としては、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、2,2’,5,5’−テトラクロロベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、3,3’−ジスルホベンジジン等のベンジジン類が挙げられ、3,3’−ジクロロベンジジンが好ましい。ベンジジン類(D)は、業界公知の方法でテトラゾ化してテトラゾ溶液を得ることができ、通常はテトラゾ水溶液として使用する。
また、一般式(5)のR21およびR22におけるアルキル基は、前記で説明したアルキル基と同義である。R21およびR22としては、水素原子が好ましい。さらに、X1〜X3は、酸素原子、硫黄原子、が好ましく、酸素原子がより好ましい。
したがって、バルビツール酸類(E)の具体例としては、バルビツール酸、1,3−ジメチルバルビツール酸、2−チオバルビツール酸、1,3−ジエチル−2−チオ−バルビツール酸、2−イミノ−バルビツール酸、2,4−ジイミノ−バルビツール酸等が挙げられる。透明性に与える効果の点で、バルビツール酸、1,3−ジメチルバルビツール酸が好ましく、着色力や流動性への効果も加味すると、バルビツール酸が最も好ましい。
第1カップリング反応では、製造の際に使用するバルビツール酸類(E)のモル比率が高くなると、得られるジスアゾ顔料組成物中のジスアゾ顔料(C)の含有量が多くなるため、ジスアゾ顔料組成物の色相が赤味にシフトして、黄顔料としての色相から外れてしまうため好ましくない。逆に、モル比率が低くなると、耐熱性が不充分となり、またインキとして使用した場合の透明性が得られ難くなる。したがって、ベンジジン類(D)のテトラゾ溶液に、バルビツール酸類(E)を添加して反応させる第1カップリング反応においては、第1カップリング反応物(F)を選択的に生成させ、バルビツール酸類(E)の生成を極力抑制する必要があるが、そのためには、ベンジジン類(D)1モル部のテトラゾ溶液に、バルビツール酸類(E)を0.01〜0.15モル部添加して反応させることが好ましい。
また、一般式(7)のR31〜R35における、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩は、前記で説明した基と同義である。また、R31〜R35としては、水素原子、アルキル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩が好ましい。
したがって、カップラー成分(G)の具体例としては、アセトアセトアニリド、アセトアセト−o−トルイジド、アセトアセト−p−トルイジド、アセトアセト−o−キシリダイド、アセトアセト−m−キシリダイド、アセトアセト−p−キシリダイド、アセトアセト−o−キシリダイド、アセトアセト−o−メトキシアニリド、アセトアセト−m−メトキシアニリド、アセトアセト−p−メトキシアニリド、アセトアセト−2,3−ジメトキシアニライド、アセトアセト−2,4−ジメトキシアニリド、アセトアセト−2,5−ジメトキシアニリド、アセトアセト−2,6−ジメトキシアニリド、アセトアセト−2,3−ジメトキシ−4−クロロアニリド、アセトアセト−2,3−ジメトキシ−5−クロロアニリド、アセトアセト−2,3−ジメトキシ−6−クロロアニリド、アセトアセト−2,4−ジメトキシ−3−クロロアニリド、アセトアセト−2,4−ジメトキシ−5−クロロアニリド、アセトアセト−2,4−ジメトキシ−6−クロロアニリド、アセトアセト−2,5−ジメトキシ−3−クロロアニリド、アセトアセト−2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリド、アセトアセト−2,5−ジメトキシ−6−クロロアニリド、アセトアセト−2,6−ジメトキシ−3−クロロアニリド、アセトアセト−2,6−ジメトキシ−4−クロロアニリド、アセトアセト−2,6−ジメトキシ−5−クロロアニリド、アセトアセト−o−クロロアニリド、アセトアセト−m−クロロアニリド、アセトアセト−p−クロロアニリド、2−アセトアセチルアミノ安息香酸、3−アセトアセチルアミノ安息香酸、4-アセトアセチルアミノ安息香酸、2−ヒドロキシ−4−アセトアセチルアミノ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−アセトアセチルアミノ安息香酸、3−メチル−4−アセトアセチル安息香酸、3−メチル−5−アセトアセチル安息香酸、3−クロロ−4−アセトアセチル安息香酸、またはその金属塩、2−アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸、3−アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸、4−アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸、またはその金属塩など等が挙げられる。この内、アセトアセトアニリド、アセトアセト−m−キシリダイド、アセトアセト−o−トルイジドは好適に使用することができる。
第2カップリング反応では、カップラー成分(G)に、前記第1カップリング反応物を添加して反応させるが、この際に用いるカップラー成分(G)は、1種類であっても、異なる2種類以上を併用しても良い。2種類以上の異なるカップラー成分(G)を用いる場合、一般式(7−1)で表わされるカップラー成分(G1)と下記一般式(7−2)で表わされるカップラー成分(G2)とからなるカップラー成分(G)を用いることが好ましい。
したがって、カップラー成分(G1)の具体例としては、アセトアセトアニリド、アセトアセト−o−トルイジド、アセトアセト−p−トルイジド、アセトアセト−o−キシリダイド、アセトアセト−m−キシリダイド、アセトアセト−p−キシリダイド、アセトアセト−o−キシリダイド、アセトアセト−o−メトキシアニリド、アセトアセト−m−メトキシアニリド、アセトアセト−p−メトキシアニリド、アセトアセト−2,3−ジメトキシアニライド、アセトアセト−2,4−ジメトキシアニリド、アセトアセト−2,5−ジメトキシアニリド、アセトアセト−2,6−ジメトキシアニリド、アセトアセト−2,3−ジメトキシ−4−クロロアニリド、アセトアセト−2,3−ジメトキシ−5−クロロアニリド、アセトアセト−2,3−ジメトキシ−6−クロロアニリド、アセトアセト−2,4−ジメトキシ−3−クロロアニリド、アセトアセト−2,4−ジメトキシ−5−クロロアニリド、アセトアセト−2,4−ジメトキシ−6−クロロアニリド、アセトアセト−2,5−ジメトキシ−3−クロロアニリド、アセトアセト−2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリド、アセトアセト−2,5−ジメトキシ−6−クロロアニリド、アセトアセト−2,6−ジメトキシ−3−クロロアニリド、アセトアセト−2,6−ジメトキシ−4−クロロアニリド、アセトアセト−2,6−ジメトキシ−5−クロロアニリド、アセトアセト−o−クロロアニリド、アセトアセト−m−クロロアニリド、アセトアセト−p−クロロアニリド等が挙げられ、この内、アセトアセトアニリド、アセトアセト−m−キシリダイド、アセトアセト−o−トルイジドが好ましい。
また、カップラー成分(G2)の具体例としては、2−アセトアセチルアミノ安息香酸、3−アセトアセチルアミノ安息香酸、4-アセトアセチルアミノ安息香酸、2−ヒドロキシ−4−アセトアセチルアミノ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−アセトアセチルアミノ安息香酸、3−メチル−4−アセトアセチル安息香酸、3−メチル−5−アセトアセチル安息香酸、3−クロロ−4−アセトアセチル安息香酸、またはその金属塩、2−アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸、3−アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸、4−アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸、またはその金属塩が挙げられる。
カップラー成分(G2)の比率は、使用するカップラー成分(G)中、0.5〜20モル%が好ましく、1〜10モル%であることがさらに好ましい。また、バルビツール酸類(E)とカップラー成分(G)とのモル比は、0.01〜0.15:0.99〜0.85である事が好ましく、0.015〜0.05:0.985〜0.95である事がさらに好ましい。
本発明のジスアゾ顔料組成物の製造方法は、苛性ソーダで溶解したカップラー成分(G)を酸性成分で酸析後に、テトラゾ溶液にバルビツール酸類を反応させたテトラゾ成分を注入してカップリングする方法や、酸性緩衝液中(酢酸や苛性ソーダ等を任意量添加して酸性溶液にする)に、カップラー成分(G)とテトラゾ溶液にバルビツール酸類反応させたテトラゾ成分とを並行して注入して製造する方法のどちらでも良い。
カップリング反応で使用する酸性溶液は、カップリング反応系をpH3〜6.5の範囲、好ましくはpH3.5〜6.3に保つことが好ましく、従来公知のカップリング反応で使用される公知の酸の水溶液でよい。上記pH領域の保持は、テトラゾ成分の分解や縮合などの副反応を抑制するために必要であり、反応開始から終了時まで、上記pHの範囲に保持することが好ましい。このため、反応途中において、酸あるいはアルカリを断続的にあるいは連続的に添加しても良いが、操作の容易さの面からはpH緩衝性のある水溶液系、例えば、従来のカップリング反応で使用される酢酸−酢酸ナトリウム系や、ギ酸−ギ酸ナトリウム系等の緩衝水溶液を用いると、pHの変動が少なく、pHの保持が容易となり好ましい。
カップリング温度は、公知慣用の条件で行うことができる。温度が高いとテトラゾ成分の分解が進行し易くなるため、得られるジスアゾ顔料組成物の色相が赤味、不鮮明化する恐れがある。
本発明においてジスアゾ顔料組成物の特性を向上させるために、ジスアゾ顔料の水スラリーに対して、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、および塩化カルシウムからなる群から選ばれる水溶性無機塩を添加したり、更には、ロジン類あるいは印刷インキ用ビヒクルもしくはそれらの金属塩によって、顔料組成物の表面処理を施してもよい。表面処理用のロジンの種類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、水添ロジン、マレイン化ロジン等、一般的に顔料のロジン処理に使用されるロジン類や、水酸化ナトリウム溶液もしくは水酸化カリウム溶液タイプのロジン溶液等が挙げられる。表面処理用の印刷インキ用ビヒクルとしては、酸価が高く、アルカリ水溶液となるロジン変性フェノール樹脂が好ましく、これにアルキッド樹脂、石油樹脂等を併用しても良い。また溶剤に印刷インキ用ビヒクルを溶解後、カップリングスラリー中に添加しても良い。ロジンまたは印刷インキ用ビヒクルの添加量は、固形分換算でジスアゾ顔料組成物に対して、2〜150重量%、好ましくは3〜80重量%である。
<印刷インキ組成物>
本発明のジスアゾ顔料組成物は、印刷インキ用ビヒクルと混練して、透明性と流動性と着色力に優れた印刷インキに使用することができる。印刷インキ用のオフセットインキ用ビヒクルとしては、例えば、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂など印刷インキに適した乾性油変成樹脂等の樹脂と、必要に応じてアマニ油、桐油、大豆油等の植物油と、n−パラフィン、イソパラフィン、アロマテック、ナフテン、α−オレフィン等の溶剤とから成るものであって、それらの混合割合は、重量比で樹脂:植物油:溶剤=20〜50部:0〜30部:10〜60部の範囲が好ましい。更に、本発明のジスアゾ顔料組成物を配合したオフセットインキ用ビヒクルは、必要に応じて、インキ溶剤、ドライヤー、レベリング改良剤、増粘剤等の公知の添加剤を適宜配合して印刷インキとして使用することができる。
印刷インキ用溶剤またはワニス中の溶剤としては、高沸点石油系溶剤、脂肪族炭化水素溶剤、高級アルコール系溶剤など、印刷インキに適した溶剤であれば、芳香族を含まない溶剤であっても、単独あるいは2種類以上の組み合わせからなる溶剤でも使用できる。好ましくは、ナフテン系成分やパラフィン系成分等の炭化水素から実質的になり、芳香族成分が1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下であるものが印刷インキ用溶剤として好適に使用できる。溶剤のアニリン点は、65〜100℃のものが好ましい。これらの溶剤は例えば、日本石油社製のAFソルベント4号(芳香族成分含有量0.1重量%)、AFソルベント5号(同0.2重量%)、AFソルベント6号(同0.2重量%)、AFソルベント7号(同0.3重量%)等として入手できるものである。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、特に断りの無い限り「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。「モル部」とは、重量部を分子量で除した値を意味する。「Exact Mass」は、マススペクトル測定で検出される分子イオンピークを、「Mol. Wt.」は分子量を表わす。
(ジスアゾ顔料組成物のマススペクトルの測定方法)
ジスアゾ顔料組成物中の各成分の含有率(モル比)は、マススペクトル測定により決定した。ブルカー・ダルトニクス社製飛行時間型質量分析装置(TOF−MS)autoflexIIを用いて、顔料組成物のマススペクトルを測定し、得られたマススペクトラムの各成分の信号強度(ピーク)の比を、顔料組成物中の各成分のモル比とした。
実施例1
(第1カップリング反応)
水250部に35%塩酸56.8部と3、3’−ジクロロベンジジン(分子量253.13)45.9部(0.181モル部)を加えて、充分攪拌した後、氷300部を加え−5℃以下に冷却した。さらに、亜硝酸ナトリウム26.0部を水46.0部で溶解した液を加えてテトラゾ溶液を得た。このテトラゾ溶液にスルファミン酸を少量添加して過剰の亜硝酸イオンを消失させた。バルビツール酸(分子量128.09)0.74部(0.00578モル部)を水130gに溶解後、テトラゾ溶液に30分掛けて添加して橙色のスラリー(第1カップリング反応物)を得た。
(第2カップリング反応)
引き続き、アセトアセトアニリド(分子量177.2)65.2部(0.368モル部)、4−アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸カリウム(分子量295.35)1.7部(0.00576モル部)、水酸化ナトリウム27.0部、及び水1000部からなる水溶液に、酢酸48.9部を水165部で希釈した液を30分掛けて滴下してカップラーを再結晶化させた。この再結晶化させた溶液に前記の橙色のスラリー(第1カップリング反応物)を20〜25℃の温度範囲を維持しながら40分掛けて添加してカップリング反応を行ない、ジスアゾ顔料組成物を得た。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、一般式(1)に相当する下記化合物(1)および(2)の分子イオンピークが、m/z=628および746として検出され、一般式(2)に相当する下記化合物(3)の分子イオンピークが、m/z=579して検出された。これらm/z=628、746、579のピーク強度比は、95.3:1.6:3.1であった。また、一般式(3)に相当する下記化合物(4)に由来するm/z=530のピークは検出されなかった。この測定結果より、第1カップリング反応において、3、3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ成分は、バルビツール酸と反応して一般式(6)に相当する下記第1カップリング反応物(F−1)を生成し、これと未反応のテトラゾ溶液に、カップラー成分が第2カップリング反応することでジスアゾ顔料組成物が得られたことが裏付けられた。
(ジスアゾ顔料組成物の表明処理)
適宜な量の水酸化ナトリウムを加えてpHを10.0〜10.5に調製してから、ロンジスK−25(荒川化学社製ロジン)16.5部を加えて充分攪拌した。液体硫酸バンド(日本軽金属社製)7.9部を、上記で得たジスアゾ顔料組成物を含む含水スラリーに加えてロジンを顔料組成物の表面に析出させた。濾過、水洗、圧搾して、顔料組成物分28%のウェットケーキを得た。ウェットケーキを一部採取して乾燥させた顔料組成物について、上記と同様にマススペクトル測定したところ、化合物(1)、(2)、および(3)に相当する分子イオンピークm/z=628、746、および579がそれぞれ検出され、これらのピーク比は95.3:1.6:3.1であった。また、化合物(4)に由来するm/z=530のピークは認められなかった。
Figure 0005232973
Figure 0005232973
実施例2
アセトアセトアニリド65.2部を、アセトアセト−m−キシリダイド(分子量205.25)74.4部(0.362モル部)に、4−アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸カリウム1.7部を、2−アセトアセチルアミノ安息香酸(分子量221.21)2.6部(0.0118モル部)に変更した以外は、実施例1と同様にカップリング反応を行ない、ジスアゾ顔料組成物を得た。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、一般式(1)に相当する下記化合物(5)および(6)の分子イオンピークが、m/z=684および700として検出され、一般式(2)に相当する下記化合物(7)の分子イオンピークが、m/z=607して検出された。これらm/z=684、700、607のピーク強度比は、93.6:3.3:3.1であった。また、一般式(3)に相当する化合物(4)に由来するm/z=530のピークは検出されなかった。
さらに、適宜な量の水酸化ナトリウムを加えてpHを10.0〜10.5に調製してから、ロンジスK−25(荒川化学社製ロジン)16.5部を加えて充分攪拌した。液体硫酸バンド(日本軽金属社製)7.9部を、上記で得たジスアゾ顔料組成物を含む含水スラリーに加えてロジンを顔料組成物の表面に析出させた。濾過、水洗、圧搾して、顔料組成物分28%のウェットケーキを得た。ウェットケーキを一部採取して乾燥させた顔料組成物について、上記と同様にマススペクトル測定したところ、化合物(5)、(6)、および(7)に相当する分子イオンピークm/z=684、700、および607がそれぞれ検出され、これらのピーク比は93.6:3.3:3.1であった。また、化合物(4)に由来するm/z=530のピークは認められなかった。
Figure 0005232973
実施例3
バルビツール酸を1.48部(0.0116モル部)、アセトアセトアニリドを64.2部(0.362モル部)に変更し、4−アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸カリウム1.7部を、5−アセトアセチルアミノ−2−ヒドロキシ安息香酸(分子量237.21)1.4部(0.00590モル部)に変更した以外は、実施例1と同様にカップリング反応を行ない、ジスアゾ顔料組成物を得た。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、一般式(1)に相当する化合物(1)および(8)の分子イオンピークが、m/z=628および688として検出され、一般式(2)に相当する化合物(3)の分子イオンピークが、m/z=579して検出された。これらm/z=628、688、579のピーク強度比は、92.5:1.2:6.3であった。また、一般式(3)に相当する化合物(4)に由来するm/z=530のピークは検出されなかった。
さらに、適宜な量の水酸化ナトリウムを加えてpHを10.0〜10.5に調製してから、ロンジスK−25(荒川化学社製ロジン)16.5部を加えて充分攪拌した。液体硫酸バンド(日本軽金属社製)7.9部を、上記で得たジスアゾ顔料組成物を含む含水スラリーに加えてロジンを顔料組成物の表面に析出させた。濾過、水洗、圧搾して、顔料組成物分30%のウェットケーキを得た。ウェットケーキを一部採取して乾燥させた顔料組成物について、上記と同様にマススペクトル測定したところ、化合物(1)、(8)、および(3)に相当する分子イオンピークm/z=628、688、および579がそれぞれ検出され、これらのピーク比は92.5:1.2:6.3であった。また、化合物(4)に由来するm/z=530のピークは認められなかった。
Figure 0005232973
実施例4
バルビツール酸を2.43部(0.0190モル部)に変更、アセトアセトアニリド65.2部を、アセトアセト−m−キシリダイド(分子量205.25)36.8部(0.179モル部)とアセトアセト−o−トルイダイド(分子量191.23)34.3部(0.179モル部)との混合物に変更した以外は、実施例1と同様にカップリング反応を行ない、ジスアゾ顔料組成物を得た。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、一般式(1)に相当する化合物(5)、(9)、(10)、(11)、(12)の分子イオンピークが、それぞれm/z=684、656、670、738、724として検出され、一般式(2)に相当する化合物(7)、(13)の分子イオンピークが、それぞれm/z=607、593して検出された。これらm/z=684、656、670、738、724、607、593のピーク強度比は、29.0:30.5:31.5:2.0:2.1:2.5:2.4であった。また、一般式(3)に相当する化合物(4)に由来するm/z=530のピークは検出されなかった。
さらに、適宜な量の水酸化ナトリウムを加えてpHを10.0〜10.5に調製してから、ロンジスK−25(荒川化学社製ロジン)16.5部を加えて充分攪拌した。液体硫酸バンド(日本軽金属社製)7.9部を、上記で得たジスアゾ顔料組成物を含む含水スラリーに加えてロジンを顔料組成物の表面に析出させた。濾過、水洗、圧搾して、顔料組成物分29%のウェットケーキを得た。ウェットケーキを一部採取して乾燥させた顔料組成物について、上記と同様にマススペクトル測定したところ、化合物化合物(5)、(9)、(10)、(11)、(12)、(7)、(13)に相当する分子イオンピークm/z=684、656、670、738、724、607、593がそれぞれ検出され、これらのピーク比は29.0:30.5:31.5:2.0:2.1:2.5:2.4であった。また、化合物(4)に由来するm/z=530のピークは認められなかった。
Figure 0005232973
実施例5
実施例1と同様の方法でテトラゾ溶液を得た。このテトラゾ溶液にスルファミン酸を少量添加して過剰の亜硝酸イオンを消失させた。バルビツール酸0.74部(0.00578モル部)を水130gに溶解後、テトラゾ溶液に30分掛けて加えて橙色のスラリーを得た。アセトアセトアニリド62.9部(0.355モル部)と2−アセトアセチルアミノ安息香酸4.2部(0.0190モル部)を水酸化ナトリウム27.0部及び水300部からなる水溶液に溶解し、カップラー溶液を得た。反応容器に水酸化ナトリウム7.7部と酢酸23.2部と水800部を加え、pH6〜7の酢酸ナトリウムのバッファー(緩衝)溶液を作成した。このバッファー溶液に、橙色のスラリーとカップラー溶液を20〜25℃の温度範囲を維持しながら、同時に40分掛けて滴下してカップリング反応を行ない、ジスアゾ顔料組成物を得た。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、一般式(1)に相当する化合物(1)および(14)の分子イオンピークが、m/z=684および672として検出され、一般式(2)に相当する化合物(3)の分子イオンピークが、m/z=579して検出された。これらm/z=684、672、579のピーク強度比は、93.1:3.9:3.0であった。また、一般式(3)に相当する化合物(4)に由来するm/z=530のピークは検出されなかった。
Figure 0005232973
さらに適宜な量の水酸化ナトリウムを加えてpHを10.0〜10.5にしてからロンジスK−25(荒川化学製)を16.5部加えて充分攪拌した。液体バンド7.9部を加えてロジンを顔料組成物表面に析出させた。さらに印刷インキ用ビヒクル(ロジン変性フェノール樹脂(タマノル340、荒川化学社製)/AFソルベント7号(JX日鉱日石エネルギー社製)=30部/70部)10部を加えて充分攪拌した。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、一般式(1)に相当する化合物(1)および(14)に相当する分子イオンピークが、m/z=684および672として検出され、一般式(2)に相当する化合物(3)の分子イオンピークが、m/z=579して検出された。これら684、672、579のピーク強度比は、93.1:3.9:3.0であった。また、一般式(3)に相当する化合物(4)に由来するm/z=530のピークは検出されなかった。
比較例1
実施例1と同様の方法でテトラゾ溶液を得た。このテトラゾ溶液にスルファミン酸を少量添加して過剰の亜硝酸イオンを消失させた。アセトアセトアニリド65.2部(0.368モル部)と4−アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸カリウム1.7部(0.00576モル部)とバルビツール酸0.74部(0.00578モル部)を、水酸化ナトリウム27.0部及び水800gからなる水溶液に溶解後、酢酸48.9部を水165部で希釈したものを30分掛けて滴下してカップラーを再結晶させた。この溶液に上記テトラゾ溶液を20〜25℃の温度範囲を維持しながら40分掛けてカップリング反応を行ない、ジスアゾ顔料組成物を得た。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、一般式(1)に相当する化合物(1)および(2)の分子イオンピークが、m/z=628および746として検出され、一般式(2)に相当する化合物(3)の分子イオンピークが、m/z=579して検出された。さらに、一般式(3)に相当する化合物(4)に由来するm/z=530のピークも検出された。これらm/z=628、746、579、530のピーク強度比は、95.2:1.5:2.0:1.1であった。
さらに、適宜な量の水酸化ナトリウムを加えてpHを10.0〜10.5にしてからロンジスK−25(荒川化学社製)を16.5部加えて充分攪拌した。液体バンド7.9部を加えてロジンを顔料表面に析出させた。濾過、水洗、圧搾して顔料組成物分28%のウェットケーキを得た。ウェットケーキを一部採取して乾燥させた顔料組成物について、上記と同様にマススペクトル測定したところ、化合物(1)、(2)、(3)および(4)に相当する分子イオンピークm/z=628、746、579、および530がそれぞれ検出され、これらのピーク比は95.2:1.5:2.0:1.1であった。
比較例2
実施例1と同様の方法でテトラゾ溶液を得た。このテトラゾ溶液にスルファミン酸を少量添加して過剰の亜硝酸イオンを消失させた。アセトアセトアニリド64.2部(0.362モル部)と4−アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸カリウム1.7部(0.00576モル部)とバルビツール酸1.48部(0.0116モル部)とを、水酸化ナトリウム27.0部及び水800gからなる水溶液に溶解後、酢酸48.9部を水165部で希釈したものを30分掛けて滴下してカップラーを再結晶させた。この溶液に上記テトラゾ溶液を20〜25℃の温度範囲を維持しながら、40分掛けてカップリング反応を行ない、ジスアゾ顔料組成物を得た。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、化合物(1)、(2)、(3)、および(4)に相当する分子イオンピークm/z=628、746、579、および530がそれぞれ検出された。これら、m/z=628、746、579、530のピーク強度比は、92.9:1.1:3.9:2.1であった。
さらに適宜な量の水酸化ナトリウムを加えてpHを10.0〜10.5にしてからロンジスK−25(荒川化学社製)を16.5部加えて充分攪拌した。液体バンド7.9部を加えてロジンを顔料表面に析出させた。濾過、水洗、圧搾して顔料組成物分28%のウェットケーキを得た。ウェットケーキを一部採取して乾燥させた顔料組成物について、上記と同様にマススペクトル測定したところ、化合物(1)、(2)、(3)および(4)に相当する分子イオンピークm/z=628、746、579、および530がそれぞれ検出され、これらのピーク比は92.9:1.1:3.9:2.1であった。
比較例3
実施例1と同様の方法でテトラゾ溶液を得た。このテトラゾ溶液にスルファミン酸を少量添加して過剰の亜硝酸イオンを消失させた。アセトアセトアニリド62.9部(0.355モル部)と4−アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸カリウム1.7部(0.00576モル部)とバルビツール酸2.43部(0.0190モル部)とを、水酸化ナトリウム27.0部及び水800gからなる水溶液に溶解後、酢酸48.9部を水165部で希釈したものを30分掛けて滴下してカップラーを再晶させた。この溶液に上記テトラゾ溶液を20〜25℃の温度範囲を維持しながら40分掛けてカップリング反応を行ない、ジスアゾ顔料組成物を得た。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、化合物(1)、(2)、(3)、および(4)に相当する分子イオンピークm/z=628、746、579、および530がそれぞれ検出された。これら、m/z=628、746、579、530のピーク強度比は、91.0:0.7:5.5:2.8であった。
さらに適宜な量の水酸化ナトリウムを加えてpHを10.0から10.5にしてから、ロンジスK−25(荒川化学社製)を16.5部加えて充分攪拌した。液体バンド7.9部を加えてロジンを顔料表面に析出させた。濾過、水洗、圧搾して顔料分28%のウェットケーキを得た。ウェットケーキを一部採取して乾燥させた顔料組成物について、上記と同様にマススペクトル測定したところ、化合物(1)、(2)、(3)および(4)に相当する分子イオンピークm/z=628、746、579、および530がそれぞれ検出され、これらのピーク比は91.0:0.7:5.5:2.8であった。
比較例4
実施例1と同様の方法でテトラゾ溶液を得た。このテトラゾ溶液にスルファミン酸を少量添加して過剰の亜硝酸イオンを消失させた。アセトアセトアニリド66.3部(0.374モル部)と4−アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸カリウム1.7部(0.00576モル部)を水酸化ナトリウム27.0部及び水800gからなる水溶液に溶解後、酢酸48.9部を水165部で希釈したものを30分掛けて滴下してカップラーを再結晶させた。この溶液に上記テトラゾ溶液を20〜25℃の温度範囲を維持しながら40分掛けてカップリング反応を行ない、ジスアゾ顔料組成物を得た。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、化合物(1)および(2)に相当する分子イオンピークm/z=628および746がそれぞれ検出された。これら、m/z=628、746のピーク強度比は、97.1:2.9であった。
さらに適宜な量の水酸化ナトリウムを加えてpHを10.0〜10.5にしてからロンジスK−25(荒川化学製)を16.5部加えて充分攪拌した。液体バンド7.9部を加えてロジンを顔料組成物表面に析出させた。濾過、水洗、圧搾して顔料組成物分28%のウェットケーキを得た。ウェットケーキを一部採取して乾燥させた顔料組成物について、上記と同様にマススペクトル測定したところ、化合物(1)および(2)に相当する分子イオンピークm/z=628および746がそれぞれ検出され、これらのピーク比は97.1:2.9であった。
<印刷インキ組成物(オフセットインキ)の製造>
各々、前記顔料ウエットケーキ(乾燥重量換算で80部)と、予め100℃に温めたロジン変性フェノール樹脂系ワニス(タマノル340(荒川化学社製)/AFソルベント7号(JX日鉱日石エネルギー社製)=30部/70部)190部とを、1Lフラッシャー(入江商会社製:PNV−1)中に同時に投入し、フラッシングを行った(オープンフラッシング工程:所要時間15分)。次にフラッシングによって生成した水を除去後、減圧(1〜8×103Pa)下、インキの温度が100℃になるまで加熱を60分間行い、インキ中の水を完全に除去した(バキュームフラッシング工程)。このインキに、ロジン変性フェノール樹脂390部とAFソルベント7号44部とを、徐々に加えた後、フラッシャーから取り出した。その後、3本ロールを用いてロール温度60℃、10Barrの圧力にて練肉し、粗大粒子を除去し、ベースインキを得た。このベースインキ62部に、ロジン変性フェノール樹脂系ワニス25部、AFソルベント7号10部、その他の補助剤として大豆油(豊年社製)2.5部、酸化防止剤(H−BHT、本州化学工業社製)0.5部を加え、タック5.8〜6.0に調整してオフセットインキを得た。
<インキ評価>
得られた各オフセットインキについて、着色力、色相、流動性、透明性を測定した。各オフセットインキを、JIS K 5701−1によって定められた展色方法に則ってインキ0.15gをオフ輪インキ用の展色紙に展色し、常法により乾燥して展色物を得た。
着色力は、展色物をマクベス反射率濃度計(マクベス社製D19C)で測定し、実施例1を100%として相対値で算出した。数値の高いもの程、着色力が高いことを示す。
色相は、目視と測色によって評価した。測色は、展色物を日本電色社製SE−2000でL*、a*、b*を測色した。実施例1で得られた顔料組成物を用いて製造したオフセットインキの展色物のa*値を標準として、それとの相対値を△a*とした。△a*が2以内であるものが、目標の色相であるジャパンカラー(黄:L*=87.9、a*=−7.5、b*=91.5)の規格内であることを示す。
流動性は、各オフセットインキをインキ壺に入れ、1時間静置した後、オフセットインキを傾斜板上に取り出して90°に傾け、30分間流動した長さ(静置したインキの下端から下方に向かって流動したインキの先端までの長さ)をmm単位で測定した。数値が高いもの程、流動性が優れていることを示す。
透明性は、黒帯のある展色紙にオフセットインキを展色し、黒帯上の展色物の透過度合を目視によって10段階で評価した。数値の大きいもの程、透明性が高いことを示す。
実施例1〜5、比較例1〜4で得られた顔料組成物を用いて製造したオフセットインキの評価結果を表1に示す。
Figure 0005232973
従来、バルビツール酸類とテトラゾとの反応によって生成する色素は、印刷インキ組成物に使用した際、インキの流動性及び耐熱性に効果があり、フラッシング法によるインキ化工程での熱による顔料の結晶成長を抑え、ある程度の着色力と透明性を有するインキを製造することができた。しかし、さらなる耐熱性向上のために、バルビツール酸の使用量を増やすと、公知の製造方法によって得られる顔料では、赤味過多に陥り、目標とする色相であるジャパンカラーから逸脱してしまう。これに対して、本発明で製造されるジスアゾ顔料組成物は、公知の製造方法で製造されるジスアゾ顔料よりも、高い耐熱性を有し、印刷インキ組成物に使用した際、ジャパンカラーの色相を維持しながら、着色力、流動性、透明性に優れることが明らかとなった。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表わされるジスアゾ顔料(A)と、下記一般式(2)で表わされるジスアゾ顔料(B)とを含み、ジスアゾ顔料組成物のマススペクトラムにおいて、全分子イオンピークを積算した値に対して、下記一般式(3)で表わされるジスアゾ顔料(C)の分子イオンピークの割合が、0.5%以下であることを特徴とするジスアゾ顔料組成物。
    Figure 0005232973

    (式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R31〜R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R31〜R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
    Figure 0005232973

    (式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基を表わす。X1〜X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、イミノ基を表す。R31〜R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R31〜R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
    Figure 0005232973

    (式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基を表わす。X1〜X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、イミノ基を表す。)
  2. ジスアゾ顔料(A):ジスアゾ顔料(B)(モル比)が、0.85〜0.99:0.15〜0.01である請求項1記載のジスアゾ顔料組成物。
  3. さらに、ロジン類または印刷インキ用ビヒクルで表面処理されてなる請求項1または2記載のジスアゾ顔料組成物。
  4. 下記一般式(4)で表わされるベンジジン類(D)のテトラゾ溶液に、下記一般式(5)で表わされるバルビツール酸類(E)を添加して反応させる第1カップリング反応により、下記一般式(6)を含む第1カップリング反応物(F)を得た後、次いで、下記一般式(7)で表わされるカップラー成分(G)に、前記第1カップリング反応物を添加して反応させる第2カップリング反応を行ない、下記一般式(1)で表わされるジスアゾ顔料(A)と、下記一般式(2)で表わされるジスアゾ顔料(B)とを含み、ジスアゾ顔料組成物のマススペクトラムにおいて、全分子イオンピークを積算した値に対して、下記一般式(3)で表わされるジスアゾ顔料(C)の分子イオンピークの割合が、0.5%以下であることを特徴とするジスアゾ顔料組成物の製造方法であって、ベンジジン類(D)1モル部のテトラゾ溶液に、バルビツール酸類(E)0.03〜0.10モル部添加して反応させるジスアゾ顔料組成物の製造方法。
    Figure 0005232973

    (式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。)
    Figure 0005232973

    (式中、R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基を表わす。X1〜X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、イミノ基を表す。)
    Figure 0005232973

    (式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基を表わす。X1〜X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、イミノ基を表す。)
    Figure 0005232973

    (式中、R31〜R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R31〜R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
    Figure 0005232973

    (式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R31〜R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R31〜R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
    Figure 0005232973

    (式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基を表わす。X1〜X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、イミノ基を表す。R31〜R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R31〜R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
    Figure 0005232973

    (式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わす。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基を表わす。X1〜X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、イミノ基を表す。)
  5. カップラー成分(G)が、下記一般式(7−1)で表わされるカップラー成分(G1)と下記一般式(7−2)で表わされるカップラー成分(G2)とからなるカップラー成分(G)である請求項記載のジスアゾ顔料組成物の製造方法。
    Figure 0005232973

    (式中、R41〜R45は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基を表わす。R41〜R45は、互いに結合して環を形成しても良い。)
    Figure 0005232973

    (式中、R51〜R55は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩を表わすが、R51〜R55の少なくとも一つは、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カルボン酸基もしくはその金属塩である。R51〜R55は、互いに結合して環を形成しても良い。)
  6. カップラー成分(G1):カップラー成分(G2)(モル比)が、0.85〜0.99:0.15〜0.01である請求項記載のジスアゾ顔料組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜3記載のジスアゾ顔料組成物と印刷インキ用ビヒクルとを含有してなる印刷インキ組成物。
  8. 請求項4〜記載の方法で製造したジスアゾ顔料組成物と印刷インキ用ビヒクルとを含有してなる印刷インキ組成物。
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