WO2014174675A1 - ジスアゾ顔料組成物およびその製造方法 - Google Patents

ジスアゾ顔料組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の実施態様は、下記一般式(1)で表されるジスアゾ顔料(A)と、下記一般式(2)で表されるジスアゾ顔料(B)とを含むジスアゾ顔料組成物であって、ジスアゾ顔料組成物のマススペクトラムにおいて、下記一般式(3)で表されるジスアゾ顔料(C)の分子イオンピークの強度の割合が、ジスアゾ顔料(A)、ジスアゾ顔料(B)およびジスアゾ顔料(C)の全分子イオンピークの強度を積算した値に対して0.5%以下であるジスアゾ顔料組成物を提供する。

Description

ジスアゾ顔料組成物およびその製造方法
 本発明の実施態様は、ジスアゾ顔料組成物およびその製造方法、ならびにジスアゾ顔料組成物を含有してなる印刷インキ組成物に関する。
 一般的なプロセス用オフセットインキの製造方法には、顔料特有の水から油への相転換のし易さを利用して、フラッシャー装置を用いて水性ウエットケーキをフラッシングにより直接インキにする方法がある。また、水性ウエットケーキの乾燥物、いわゆるパウダー顔料を強力な剪断力によってインキ用ビヒクルに分散する方法もある。しかし、前者の方法は、顔料の水性ウエットケーキ自身が安定性に欠けるという問題があった。また、フラッシング性が悪いために熱を長時間受けることになり、熱による不透明化、着色力低下等の品質に対する影響が大きく、安定した品質が得られにくいのが現状であった。
 パウダー顔料から得たインキはフラッシングにより得たインキと比較して、透明性、流動性、および着色力の点で著しく劣っている。ジスアゾ顔料の場合、パウダー顔料から得たインキとフラッシングにより得たインキの品質の差は、パウダー顔料では水を乾燥する際の熱履歴により、著しく結晶が成長してしまうことによって生じる。
 パウダー顔料の耐熱性を向上させる手段として、二成分の同時カップリングによる手段が知られている。たとえば、特許文献1では、アセトアセトアニリドとそのフェニル基に極性基を持つ化合物とを混合カップリングする方法が、また、特許文献2では、アセトアセトアニリド、アセトアセトオルソアニシジド、アセトアセトオルソトルイジド、アセトアセトオルソクロロアニリド、アセトアセト-2,4-キシリジド、およびアセトアセト-2,5-ジメトキシ-4-クロロアニリドから選ばれる2種類またはそれ以上の混合物をカップリングさせる方法が紹介されている。しかし、いずれの方法も生成したパウダー顔料から得たインキの品質は、透明性、流動性、および着色力の点でウエットケーキから得たインキに対して著しく劣っている。
 一方、ウエットケーキから得たインキの品質向上に対しても検討がなされており、透明性および流動性を改良する方法が提案されている。特許文献3では、ジスアゾ顔料にそれらのスルホン酸化合物を混合する方法が、特許文献4では、カップリング成分としてカルボン酸基および/またはスルホン酸基を有する極性カップリング成分と非極性カップリング成分との混合物を使用してなるジスアゾ顔料を用いる方法が、特許文献5および特許文献6では、極性カップリング成分と非極性カップリング成分からなる非対称型ジスアゾ化合物を含有するジスアゾ顔料組成物を用いる方法が開示されている。なかでも、特許文献4では、得られたジスアゾ顔料が印刷インキの透明性を改良する効果が大きいこと、特許文献6では、得られたジスアゾ顔料組成物が印刷インキの流動性を改良する効果が大きいことが開示されている。特許文献7では、アセト酢酸-m-キシリダイド2~40モル%、アセト酢酸o-トルイダイド97.9~60モル%、2-アセトアセチルアミノ安息香酸0.1~10モル%をカップラー成分としてジスアゾ化合物の混合物を製造する例が開示されている。しかし、これら使用された極性カップラー成分は水に対して溶解性を示すため、フラッシングが極端に遅くなり、結果として長時間の熱履歴によって結晶が成長し、色相が変化、不透明化することが知られている。
 また、透明性を改良する方法としては、特許文献8には、非極性カップリング成分とベンジジン類のテトラゾ成分とのカップリング方法が開示されている。特許文献8では、極性基を有するカップラー成分を使用しないため、透明性を改良する効果が大きいことが報告されているが、先に示した極性カップラー類を一切含んでいないためインキとしての性能は不十分である。
 また、特許文献9には、特許文献8で示された製造方法を行う際に、特許文献5および特許文献6等で示された極性カップラー成分を併用する方法が開示されている。この方法では、顔料と印刷インキ用ビヒクルとのフラッシング直後の透明性は大幅に改良されているものの、着色力が低下する問題は解消していない。
 耐熱性を改良する方法としては、特許文献10に、バルビツール酸類を用いる方法が記載されている。しかし、透明性および着色力の低下はある程度防止されるものの、色相が非常に赤味によってしまう問題が残っている。特許文献11には、バルビツール酸類を用いたアゾ顔料に関する記述があり、2,5-ジメトキシ-4-クロロアニリドとバルビツール酸を用い、ベンジジン類のテトラゾ成分とカップリングする方法が開示されている。この方法は、経時変化による褪色が少なく着色剤としては有用であるが、同様に色相が非常に赤味によってしまう問題が依然残っている。
 着色力と流動性を同時に改良する方法については、特許文献12に、ジスアゾ顔料の組成物が開示されている。特許文献12のジスアゾ顔料は、外層部に特定構造のジスアゾ化合物が局在的に配置されているため、高い着色力が得られる。しかし、逆に内層側にジスアゾ顔料のみを含有するためカップリング反応中に粒子成長が顕著に発生し、透明性については他で開示されている顔料に比べ極めて劣る問題が残っている。
特公昭55-10630号公報 特開平01-110578号公報 特公昭45-11026号公報 特公昭55-49087号公報 特開昭63-72762号公報 特開昭63-178169号公報 特許第2682749号公報 特許第2943996号公報 特開2000-7931号公報 特開2009-215332号公報 特開平07-304985号公報 特開2007-284641号公報
 本発明の実施態様は、印刷インキ組成物に使用した場合、優れた色相、着色力、流動性、および透明性を与えるジスアゾ顔料組成物を提供することを目的とする。また、本発明の他の実施態様は、印刷インキ組成物に使用した場合、優れた色相、着色力、流動性、および透明性を与えるジスアゾ顔料組成物の製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明の他の実施態様は、優れた色相、着色力、流動性、および透明性を有する印刷インキ組成物を提供することを目的とする。
 本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。
 すなわち、本発明の実施態様は、下記一般式(1)で表されるジスアゾ顔料(A)と、下記一般式(2)で表されるジスアゾ顔料(B)とを含むジスアゾ顔料組成物であって、ジスアゾ顔料組成物のマススペクトラムにおいて、下記一般式(3)で表されるジスアゾ顔料(C)の分子イオンピークの強度の割合が、ジスアゾ顔料(A)、ジスアゾ顔料(B)およびジスアゾ顔料(C)の全分子イオンピークの強度を積算した値に対して0.5%以下であるジスアゾ顔料組成物に関する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013

(式中、R11~R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R31~R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R31~R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014

(式中、R11~R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。X1~X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、または、イミノ基を表す。R31~R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R31~R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015

(式中、R11~R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。X1~X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、またはイミノ基を表す。)
 また、本発明の実施態様は、下記一般式(4)で表されるベンジジン類(D)1モル部のテトラゾ溶液に、下記一般式(5)で表されるバルビツール酸類(E)0.03~0.10モル部を添加して反応させる第1カップリング反応により、下記一般式(6)で表される化合物を含む第1カップリング反応物(F)を得る工程、および、下記一般式(7)で表されるカップラー成分(G)と前記第1カップリング反応物(F)とを反応させる第2カップリング反応により、下記一般式(1)で表されるジスアゾ顔料(A)と下記一般式(2)で表されるジスアゾ顔料(B)とを含むジスアゾ顔料組成物であって、ジスアゾ顔料組成物のマススペクトラムにおいて、下記一般式(3)で表されるジスアゾ顔料(C)の全分子イオンピークの強度の割合が、ジスアゾ顔料(A)、ジスアゾ顔料(B)およびジスアゾ顔料(C)の分子イオンピークの強度を積算した値に対して0.5%以下であるジスアゾ顔料組成物を得る工程、を有するジスアゾ顔料組成物の製造方法に関する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016

(式中、R11~R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017

(式中、R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。X1~X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、またはイミノ基を表す。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018

(式中、R11~R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。X1~X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、またはイミノ基を表す。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019

(式中、R31~R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R31~R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020

(式中、R11~R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R31~R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R31~R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021

(式中、R11~R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。X1~X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、または、イミノ基を表す。R31~R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R31~R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000022

(式中、R11~R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。X1~X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、またはイミノ基を表す。)
 また、本発明の実施態様は、前記ジスアゾ顔料組成物と印刷インキ用ビヒクルとを含有してなる印刷インキ組成物に関する。
 さらに、本発明の実施態様は、前記の製造方法で製造したジスアゾ顔料組成物と印刷インキ用ビヒクルとを含有してなる印刷インキ組成物に関する。
 本発明の実施態様のジスアゾ顔料組成物は、印刷インキ組成物に使用した場合、優れた色相、着色力、流動性、および透明性を与える。また、本発明の実施態様のジスアゾ顔料組成物の製造方法は、印刷インキ組成物に使用した場合、優れた色相、着色力、流動性、および透明性を与えるジスアゾ顔料組成物を製造することができる方法である。さらに、本発明の実施態様の印刷インキ組成物は、優れた色相、着色力、流動性、および透明性を有する。
 本願の開示は、2011年11月2日に出願された特願2011-241112号に記載の主題と関連しており、その開示内容は引用によりここに援用される。
 以下、本発明の実施態様を詳細に説明する。
<ジスアゾ顔料組成物>
 ジスアゾ顔料組成物は、前記一般式(1)で表されるジスアゾ顔料(A)と、前記一般式(2)で表されるジスアゾ顔料(B)とを含み、前記一般式(3)で表されるジスアゾ顔料(C)を実質的に含まない。
 ジスアゾ顔料組成物中の一般式(3)で表されるジスアゾ顔料(C)の含有量が多くなると、色相が赤みになるか、または、着色力、流動性、もしくは透明性が損なわれるため、本実施態様のジスアゾ顔料組成物は、一般式(3)で表されるジスアゾ顔料(C)を実質的に含まない。ここで、「実質的に含まない」とは、ジスアゾ顔料組成物のマススペクトラムにおいて、ジスアゾ顔料(A)、ジスアゾ顔料(B)、およびジスアゾ顔料(C)の全分子イオンピークの強度を積算した値に対して、ジスアゾ顔料(C)の分子イオンピークの強度の割合が、0.5%以下であることをいう。全分子イオンピークの強度を積算した値とは、ジスアゾ顔料(A)の分子イオンピークの強度、ジスアゾ顔料(B)の分子イオンピークの強度、およびジスアゾ顔料(C)の分子イオンピークの強度を積算した値である。ジスアゾ顔料(C)の分子イオンピークの強度の割合は、0.1%以下が好ましく、0.01%以下がより好ましい。この割合は、ジスアゾ顔料組成物中のジスアゾ顔料(C)のモル%に相当する割合である。したがって、ジスアゾ顔料組成物中のジスアゾ顔料(C)の含有量が0.5モル%以下であれば、実質的に含まないと考えることができる。
 まず一般式(1)について説明する。一般式(1)におけるR11~R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R31~R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。
 R11~R18における、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を説明する。
 ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素が挙げられる。
 また、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ネオペンチル基、n-へキシル基、n-オクチル基、2-エチルへキシル基等の直鎖または分岐アルキル基が挙げられる。この内、炭素数1~4の低級アルキル基が好ましい。
 また、アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3-ジメチル-3-ペントキシ基、n-へキシルオキシ基、n-オクチルオキシ基、2-エチルへキシルオキシ基等の直鎖または分岐アルコキシル基が挙げられる。この内、炭素数1~4の低級アルコキシル基が好ましい。
 また、スルホン酸基とは、スルホ基(-SO3H)を意味し、その金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、アルミニウム塩等の1価~3価の金属塩が挙げられる。
 また、カルボン酸基とは、カルボキシル基(-COOH)を意味し、その金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、アルミニウム塩等の1価~3価の金属塩が挙げられる。
 上記の内、R11~R18としては、水素原子および/またはハロゲン原子が好ましく、水素原子および/または塩素原子がさらに好ましい。
 R31~R35における、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩は、前記で説明した基と同義である。R31~R35における水酸基とは、ヒドロキシル基(-OH)を意味する。
 R31~R35としては、水素原子、アルキル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩が好ましい。
 また、R31~R35は、互いに結合して環を形成しても良い。ここで環とは、脂肪族環または芳香環のいずれでも良く、炭化水素環または複素環のいずれでも良い。したがって、形成しても良い環としては、シクロペンタン環、シクロオクタン環等の脂肪族炭化水素環;ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等の芳香族炭化水素環;テトラヒドロフラン環、テトラヒドロチオフェン環、ピペリジン環等の含酸素、硫黄または窒素の脂肪族複素環;ピリジン環、ピラジン環、ピロール環、キノリン環、キノキサリン環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、インドール環、カルバゾール環等の含酸素、硫黄または窒素の芳香族複素環が挙げられる。
 次に、一般式(2)について説明する。一般式(2)におけるR11~R18およびR31~R35は、一般式(1)におけるR11~R18およびR31~R35と同義である。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。X1~X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、またはイミノ基を表す。
 一般式(2)のR11~R18およびR31~R35における、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩は、前記で説明した基と同義である。また、R21およびR22におけるアルキル基は、前記で説明したアルキル基と同義である。X1~X3におけるイミノ基とは、=NHを意味する。
 R11~R18としては、水素原子および/またはハロゲン原子が好ましく、水素原子および/または塩素原子がさらに好ましい。また、R31~R35としては、水素原子、アルキル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩が好ましい。また、R21およびR22としては、水素原子が好ましい。さらに、X1~X3は、酸素原子または硫黄原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
 次に、一般式(3)について説明する。一般式(3)におけるR11~R18は、一般式(1)におけるR11~R18と同義であり、一般式(3)におけるR21、R22およびX1~X3は、一般式(2)におけるR21、R22およびX1~X3と同義である。
 一般式(3)のR11~R18における、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩は、前記で説明した基と同義である。また、R21およびR22におけるアルキル基は、前記で説明したアルキル基と同義である。X1~X3におけるイミノ基は、前記で説明したものと同義である。
 本実施態様のジスアゾ顔料組成物では、ジスアゾ顔料(A):ジスアゾ顔料(B)(モル比)が、0.85~0.99:0.15~0.01であることが好ましい。
 ジスアゾ顔料組成物に含まれる顔料は、さらに、ロジン類もしくはその金属塩、または印刷インキ用ビヒクルで表面処理されていても良い。ジスアゾ顔料組成物に含まれる顔料とは、少なくとも一般式(1)で表されるジスアゾ顔料(A)と一般式(2)で表されるジスアゾ顔料(B)とを意味する。
<ジスアゾ顔料組成物の製造方法>
 次に、ジスアゾ顔料組成物の製造方法について説明する。前記で説明したジスアゾ顔料組成物は、前記一般式(4)で表されるベンジジン類(D)のテトラゾ溶液に、前記一般式(5)で表されるバルビツール酸類(E)を添加して反応させる第1カップリング反応により、前記一般式(6)で表される化合物を含む第1カップリング反応物(F)を得た後、次いで、前記一般式(7)で表されるカップラー成分(G)と、第1カップリング反応物(F)とを反応させる第2カップリング反応を行うことで製造することができる。一般式(4)で表されるベンジジン類(D)のテトラゾ溶液は、ベンジジン類(D)のテトラゾ化物を含む溶液である。第1カップリング反応物(F)には、バルビツール酸類(E)と反応しなかったベンジジン類(D)のテトラゾ化物が含まれている。
 一般式(4)におけるR11~R18は、一般式(1)におけるR11~R18と同義である。一般式(4)のR11~R18における、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩は、前記で説明した基と同義である。R11~R18としては、水素原子および/またはハロゲン原子が好ましく、水素原子および/または塩素原子がさらに好ましい。
 したがって、ベンジジン類(D)の具体例としては、ベンジジン、3,3’-ジクロロベンジジン、2,2’,5,5’-テトラクロロベンジジン、3,3’-ジメトキシベンジジン、3,3’-ジスルホベンジジン等のベンジジン類が挙げられ、3,3’-ジクロロベンジジンが好ましい。ベンジジン類(D)を、業界公知の方法でテトラゾ化して、テトラゾ溶液を得ることができる。ベンジジン類(D)は、通常はテトラゾ水溶液として使用する。
 また、一般式(5)におけるR21、R22およびX1~X3は、一般式(2)におけるR21、R22およびX1~X3と同義である。一般式(5)のR21およびR22におけるアルキル基は、前記で説明したアルキル基と同義である。X1~X3におけるイミノ基は、前記で説明したものと同義である。R21およびR22としては、水素原子が好ましい。さらに、X1~X3は、酸素原子または硫黄原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
 したがって、バルビツール酸類(E)の具体例としては、バルビツール酸、1,3-ジメチルバルビツール酸、2-チオバルビツール酸、1,3-ジエチル-2-チオ-バルビツール酸、2-イミノ-バルビツール酸、2,4-ジイミノ-バルビツール酸等が挙げられる。透明性に与える効果の点で、バルビツール酸または1,3-ジメチルバルビツール酸が好ましく、着色力及び流動性への効果も加味すると、バルビツール酸が最も好ましい。
 第1カップリング反応では、製造の際に使用するバルビツール酸類(E)のモル比率が高くなると、得られるジスアゾ顔料組成物中のジスアゾ顔料(C)の含有量が多くなる。ジスアゾ顔料(C)の含有量が多くなると、ジスアゾ顔料組成物の色相が赤味にシフトして、黄顔料としての色相から外れてしまう。逆に、バルビツール酸類(E)のモル比率が低くなると、耐熱性が不充分となり、またインキとして使用した場合に透明性が得られ難くなる。したがって、ベンジジン類(D)のテトラゾ溶液に、バルビツール酸類(E)を添加して反応させる第1カップリング反応においては、一般式(6)で表される化合物を選択的に生成させ、バルビツール酸類(E)の残存量を極力抑制することが望ましい。そのためには、ベンジジン類(D)1モル部のテトラゾ溶液、すなわち、ベンジジン類(D)1モル部を用いて得たテトラゾ溶液と、バルビツール酸類(E)0.03~0.10モル部とを反応させる。なお、「モル部」とは、重量部を分子量で除した値を意味する。ベンジジン類(D)のテトラゾ溶液とバルビツール酸類(E)とが、ベンジジン類(D):バルビツール酸類(E)(モル比)が、1:0.03~0.10となる割合で用いられる限り、本発明の実施態様の製造方法に含まれる。
 一般式(6)におけるR11~R18は、一般式(1)におけるR11~R18と同義であり、一般式(6)におけるR21、R22およびX1~X3は、一般式(2)におけるR21、R22およびX1~X3と同義である。
 一般式(6)のR11~R18における、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩は、前記で説明した基と同義である。また、R21およびR22におけるアルキル基は、前記で説明したアルキル基と同義である。X1~X3におけるイミノ基は、前記で説明したものと同義である。
 また、一般式(7)におけるR31~R35は、一般式(1)におけるR31~R35と同義である。一般式(7)のR31~R35における、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩は、前記で説明した基と同義である。また、R31~R35としては、水素原子、アルキル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩が好ましい。
 したがって、カップラー成分(G)の具体例としては、アセトアセトアニリド、アセトアセト-o-トルイジド、アセトアセト-p-トルイジド、アセトアセト-o-キシリダイド、アセトアセト-m-キシリダイド、アセトアセト-p-キシリダイド、アセトアセト-o-キシリダイド、アセトアセト-o-メトキシアニリド、アセトアセト-m-メトキシアニリド、アセトアセト-p-メトキシアニリド、アセトアセト-2,3-ジメトキシアニリド、アセトアセト-2,4-ジメトキシアニリド、アセトアセト-2,5-ジメトキシアニリド、アセトアセト-2,6-ジメトキシアニリド、アセトアセト-2,3-ジメトキシ-4-クロロアニリド、アセトアセト-2,3-ジメトキシ-5-クロロアニリド、アセトアセト-2,3-ジメトキシ-6-クロロアニリド、アセトアセト-2,4-ジメトキシ-3-クロロアニリド、アセトアセト-2,4-ジメトキシ-5-クロロアニリド、アセトアセト-2,4-ジメトキシ-6-クロロアニリド、アセトアセト-2,5-ジメトキシ-3-クロロアニリド、アセトアセト-2,5-ジメトキシ-4-クロロアニリド、アセトアセト-2,5-ジメトキシ-6-クロロアニリド、アセトアセト-2,6-ジメトキシ-3-クロロアニリド、アセトアセト-2,6-ジメトキシ-4-クロロアニリド、アセトアセト-2,6-ジメトキシ-5-クロロアニリド、アセトアセト-o-クロロアニリド、アセトアセト-m-クロロアニリド、アセトアセト-p-クロロアニリド、2-アセトアセチルアミノ安息香酸、3-アセトアセチルアミノ安息香酸、4-アセトアセチルアミノ安息香酸、2-ヒドロキシ-4-アセトアセチルアミノ安息香酸、2-ヒドロキシ-5-アセトアセチルアミノ安息香酸、3-メチル-4-アセトアセチル安息香酸、3-メチル-5-アセトアセチル安息香酸、3-クロロ-4-アセトアセチル安息香酸、またはこれらの金属塩、2-アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸、3-アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸、4-アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸、またはこれらの金属塩等が挙げられる。この内、アセトアセトアニリド、アセトアセト-m-キシリダイド、およびアセトアセト-o-トルイジドを好適に使用することができる。また、4-アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸、2-アセトアセチルアミノ安息香酸、2-ヒドロキシ-5-アセトアセチルアミノ安息香酸、およびこれらの金属塩を好適に使用することができる。
 第2カップリング反応では、カップラー成分(G)と、前記第1カップリング反応物(F)とを反応させるが、この際に用いるカップラー成分(G)は、1種類であっても、異なる2種類以上を併用しても良い。2種類以上の異なるカップラー成分(G)を用いる場合、下記一般式(7-1)で表されるカップラー成分(G1)と下記一般式(7-2)で表されるカップラー成分(G2)とを含むカップラー成分(G)を用いることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000023

(式中、R41~R45は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、または、アルコキシル基を表す。R41~R45は、互いに結合して環を形成しても良い。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000024

(式中、R51~R55は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表すが、R51~R55の少なくとも一つは、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩である。R51~R55は、互いに結合して環を形成しても良い。)
 一般式(7-1)のR41~R45における水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、または、アルコキシル基は、前記で説明した基と同義である。一般式(7-2)のR51~R55における水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩は、前記で説明した基と同義である。
 したがって、カップラー成分(G1)の具体例としては、アセトアセトアニリド、アセトアセト-o-トルイジド、アセトアセト-p-トルイジド、アセトアセト-o-キシリダイド、アセトアセト-m-キシリダイド、アセトアセト-p-キシリダイド、アセトアセト-o-キシリダイド、アセトアセト-o-メトキシアニリド、アセトアセト-m-メトキシアニリド、アセトアセト-p-メトキシアニリド、アセトアセト-2,3-ジメトキシアニリド、アセトアセト-2,4-ジメトキシアニリド、アセトアセト-2,5-ジメトキシアニリド、アセトアセト-2,6-ジメトキシアニリド、アセトアセト-2,3-ジメトキシ-4-クロロアニリド、アセトアセト-2,3-ジメトキシ-5-クロロアニリド、アセトアセト-2,3-ジメトキシ-6-クロロアニリド、アセトアセト-2,4-ジメトキシ-3-クロロアニリド、アセトアセト-2,4-ジメトキシ-5-クロロアニリド、アセトアセト-2,4-ジメトキシ-6-クロロアニリド、アセトアセト-2,5-ジメトキシ-3-クロロアニリド、アセトアセト-2,5-ジメトキシ-4-クロロアニリド、アセトアセト-2,5-ジメトキシ-6-クロロアニリド、アセトアセト-2,6-ジメトキシ-3-クロロアニリド、アセトアセト-2,6-ジメトキシ-4-クロロアニリド、アセトアセト-2,6-ジメトキシ-5-クロロアニリド、アセトアセト-o-クロロアニリド、アセトアセト-m-クロロアニリド、アセトアセト-p-クロロアニリド等が挙げられる。この内、アセトアセトアニリド、アセトアセト-m-キシリダイド、およびアセトアセト-o-トルイジドが好ましい。
 また、カップラー成分(G2)の具体例としては、2-アセトアセチルアミノ安息香酸、3-アセトアセチルアミノ安息香酸、4-アセトアセチルアミノ安息香酸、2-ヒドロキシ-4-アセトアセチルアミノ安息香酸、2-ヒドロキシ-5-アセトアセチルアミノ安息香酸、3-メチル-4-アセトアセチル安息香酸、3-メチル-5-アセトアセチル安息香酸、3-クロロ-4-アセトアセチル安息香酸、またはこれらの金属塩、2-アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸、3-アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸、4-アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸、またはこれらの金属塩等が挙げられる。この内、4-アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸、2-アセトアセチルアミノ安息香酸、2-ヒドロキシ-5-アセトアセチルアミノ安息香酸、およびこれらの金属塩が好ましい。
 カップラー成分(G1)とカップラー成分(G2)とを用いる場合、カップラー成分(G1):カップラー成分(G2)(モル比)が、0.85~0.99:0.15~0.01であることが好ましい。また、バルビツール酸類(E)とカップラー成分(G)とのモル比は、0.01~0.15:0.99~0.85であることが好ましく、0.015~0.05:0.985~0.95であることがさらに好ましい。
 実施態様であるジスアゾ顔料組成物の製造方法には、例えば、苛性ソーダで溶解した後、酸性成分で酸析したカップラー成分(G)に、テトラゾ溶液にバルビツール酸類を反応させて得た第1カップリング反応物(F)を注入してカップリングする方法がある。また、例えば、酸性溶液中または酸性緩衝液中(酢酸、苛性ソーダ等を任意量添加して酸性にする)に、カップラー成分(G)と、テトラゾ溶液にバルビツール酸類を反応させて得た第1カップリング反応物(F)とを並行して注入して製造する方法がある。どちらの方法でも良い。
 カップリング反応で使用する酸性溶液は、カップリング反応系を好ましくはpH3~6.5の範囲、より好ましくはpH3.5~6.3に保つことができる溶液であることが好ましい。酸性溶液は、従来公知のカップリング反応で使用される公知の酸の水溶液でよい。上記pH領域の保持は、一般式(6)で表される化合物の分解、縮合などの副反応を抑制するために望ましく、反応開始から終了時まで、上記pHの範囲に保持することが好ましい。このため、反応途中において、カップリング反応系に、酸あるいはアルカリを断続的にあるいは連続的に添加しても良い。操作の容易さの面からはpH緩衝性のある水溶液系、例えば、従来公知のカップリング反応で使用される酢酸-酢酸ナトリウム系、ギ酸-ギ酸ナトリウム系等の緩衝水溶液を用いると、pHの変動が少なく、pHの保持が容易となり好ましい。
 カップリング温度は、公知慣用の条件で行うことができる。温度が高いと一般式(6)で表される化合物の分解が進行し易くなるため、得られるジスアゾ顔料組成物の色相が赤味を帯び、不鮮明化する恐れがある。
 ジスアゾ顔料組成物の特性を向上させるために、ジスアゾ顔料の水スラリーに対して、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、および塩化カルシウムからなる群から選ばれる水溶性無機塩を添加してもよい。また、ロジン類もしくはその金属塩、あるいは印刷インキ用ビヒクルによって、顔料組成物に表面処理を施してもよい。表面処理用のロジンの種類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、水添ロジン、マレイン化ロジン等の一般的に顔料のロジン処理に使用されるロジン類、または、水酸化ナトリウム溶液もしくは水酸化カリウム溶液タイプのロジン溶液等が挙げられる。表面処理用の印刷インキ用ビヒクルとしては、酸価が高く、アルカリ水溶液となるロジン変性フェノール樹脂が好ましい。ロジン変性フェノール樹脂に、アルキッド樹脂、石油樹脂等を併用しても良い。また溶剤に印刷インキ用ビヒクルを溶解後、得られた溶液をカップリングスラリー中に添加しても良い。ロジン類もしくはその金属塩、または印刷インキ用ビヒクルの合計添加量は、固形分換算で、ジスアゾ顔料に対して、好ましくは2~150重量%、より好ましくは3~80重量%である。
<印刷インキ組成物>
 ジスアゾ顔料組成物は、印刷インキ用ビヒクルと混練して、色相、透明性、流動性、および着色力に優れた印刷インキ組成物として使用することができる。公知の印刷インキ用ビヒクルを用いることができるが、特にオフセットインキ用ビヒクルとしては、例えば、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂など印刷インキに適した乾性油変性樹脂等の樹脂と、必要に応じてアマニ油、桐油、大豆油等の植物油と、n-パラフィン、イソパラフィン、アロマテック、ナフテン、α-オレフィン等の溶剤とからなるビヒクルが好ましい。印刷インキ組成物中のこれらの割合は、重量比で樹脂:植物油:溶剤=20~50重量部:0~30重量部:10~60重量部の範囲が好ましい。さらに、ジスアゾ顔料組成物を配合したオフセットインキ用ビヒクルは、必要に応じて、インキ溶剤、ドライヤー、レベリング改良剤、増粘剤、酸化防止剤等の公知の添加剤を適宜配合して、印刷インキ組成物として使用することができる。印刷インキ中のジスアゾ顔料組成物と印刷インキ用ビヒクルとの割合は、重量比でジスアゾ顔料組成物:印刷インキ用ビヒクル=6~18重量部:94~82重量部の範囲が好ましい。印刷インキ組成物中の一般式(1)で表されるジスアゾ顔料(A)および一般式(2)で表されるジスアゾ顔料(B)の合計量は、好ましくは5~18重量%、より好ましくは8~12重量%である。
 溶剤としては、高沸点石油系溶剤、脂肪族炭化水素溶剤、高級アルコール系溶剤など、印刷インキに適した溶剤であれば用いることができる。芳香族成分を含まない溶剤であってもよい。溶剤として、単独あるいは2種類以上の組み合わせからなる溶剤も使用できる。好ましくは、ナフテン系成分、パラフィン系成分等の炭化水素から実質的になり、芳香族成分が1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下である溶剤が印刷インキ用溶剤として好適に使用できる。溶剤のアニリン点は、65~100℃のものが好ましい。これらの溶剤は例えば、JX日鉱日石エネルギー社製のAFソルベント4号(芳香族成分含有量0.1重量%)、AFソルベント5号(同0.2重量%)、AFソルベント6号(同0.2重量%)、AFソルベント7号(同0.3重量%)等として入手できるものである。
 以下に、本発明の実施態様を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、特に断りの無い限り「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。「モル部」とは、重量部を分子量で除した値を意味する。「Exact Mass」は、計算精密質量を表し、「Mol. Wt.」は分子量を表す。
(ジスアゾ顔料組成物のマススペクトルの測定方法)
 ジスアゾ顔料組成物中の各成分の含有率(モル比)は、マススペクトル測定により測定した。ブルカー・ダルトニクス社製飛行時間型質量分析装置(TOF-MS)autoflexIIを用いて、顔料組成物のマススペクトルを測定し、得られたマススペクトラムの各成分の信号強度(ピーク)の比を、顔料組成物中の各成分のモル比とした。試料は、ジスアゾ顔料組成物1mgを採取して乳鉢で粉砕し、メタノール1mLに懸濁した液1μLをステンレス製試料板(ターゲット)上で自然乾燥することにより調製した。測定条件は、正イオンのリフレクトロンモードとし、m/z=3000まで測定した。イオン化は窒素レーザー(波長:337nm、パルス幅:3nm)を用い、加速電圧20.08eVにて行った。
実施例1
(第1カップリング反応)
 水250部に35%塩酸56.8部と3,3’-ジクロロベンジジン(分子量253.13)45.9部(0.181モル部)を加えて、充分撹拌した後、氷300部を加え-5℃以下に冷却し、水溶液を得た。さらに、得られた水溶液に亜硝酸ナトリウム26.0部を水46.0部で溶解した液を加えてテトラゾ溶液を得た。このテトラゾ溶液にスルファミン酸を少量添加して過剰の亜硝酸イオンを消失させた。バルビツール酸(分子量128.09)0.74部(0.00578モル部)を水130部に溶解後、テトラゾ溶液に30分掛けて添加して橙色のスラリー(第1カップリング反応物)を得た。
(第2カップリング反応)
 引き続き、アセトアセトアニリド(分子量177.2)65.2部(0.368モル部)、4-アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸カリウム(分子量295.35)1.7部(0.00576モル部)、水酸化ナトリウム27.0部、および水1000部からなる水溶液に、酢酸48.9部を水165部で希釈した液を30分掛けて滴下してカップラーを再結晶化させた。このカップラーを再結晶化させた溶液に前記の橙色のスラリー(第1カップリング反応物)を20~25℃の温度範囲を維持しながら40分掛けて添加してカップリング反応を行い、ジスアゾ顔料組成物を得た。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、一般式(1)に相当する下記化合物(1)および(2)の分子イオンピークが、m/z=628および746として検出され、一般式(2)に相当する下記化合物(3)の分子イオンピークが、m/z=579として検出された。これらm/z=628、746、579のピーク強度比(高さ比)は、95.3:1.6:3.1であった。また、一般式(3)に相当する下記化合物(4)に由来するm/z=530のピークは検出されなかった。この測定結果より、第1カップリング反応において、3,3’-ジクロロベンジジンのテトラゾ成分は、バルビツール酸と反応して一般式(6)に相当する化合物(F-1)を生成し、これと未反応のテトラゾ成分に、カップラー成分が第2カップリング反応することでジスアゾ顔料組成物が得られたことが裏付けられた。
(ジスアゾ顔料組成物の表面処理)
 上記で得られたジスアゾ顔料組成物119.7部に適宜な量の水酸化ナトリウムを加えてpHを10.0~10.5に調整してから、ロンヂスK-25(荒川化学工業社製ロジン、25%溶液)16.5部を加えて充分撹拌した。液体硫酸バンド(日本軽金属社製)7.9部を、上記で得たジスアゾ顔料組成物を含む含水スラリーに加えてロジンを顔料の表面に析出させた。濾過、水洗、圧搾して、顔料組成物分28重量%のウエットケーキを得た(ウエットケーキ中の顔料組成物123.8部)。ウエットケーキを一部採取して乾燥させた顔料組成物について、上記と同様にマススペクトル測定したところ、化合物(1)、(2)、および(3)に相当する分子イオンピークm/z=628、746、および579がそれぞれ検出され、これらのピーク強度比は95.3:1.6:3.1であった。また、化合物(4)に由来するm/z=530のピークは認められなかった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000025
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000026
実施例2
 アセトアセトアニリド65.2部を、アセトアセト-m-キシリダイド(分子量205.25)74.4部(0.362モル部)に、4-アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸カリウム1.7部を、2-アセトアセチルアミノ安息香酸(分子量221.21)2.6部(0.0118モル部)に変更した以外は、実施例1と同様にカップリング反応を行い、ジスアゾ顔料組成物を得た。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、一般式(1)に相当する下記化合物(5)および(6)の分子イオンピークが、m/z=684および700として検出され、一般式(2)に相当する下記化合物(7)の分子イオンピークが、m/z=607として検出された。これらm/z=684、700、607のピーク強度比は、93.6:3.3:3.1であった。また、一般式(3)に相当する化合物(4)に由来するm/z=530のピークは検出されなかった。
 さらに、上記で得られたジスアゾ顔料組成物130.1部に適宜な量の水酸化ナトリウムを加えてpHを10.0~10.5に調整してから、ロンヂスK-25(荒川化学工業社製ロジン)16.5部を加えて充分撹拌した。液体硫酸バンド(日本軽金属社製)7.9部を、上記で得たジスアゾ顔料組成物を含む含水スラリーに加えてロジンを顔料の表面に析出させた。濾過、水洗、圧搾して、顔料組成物分28重量%のウエットケーキを得た(ウエットケーキ中の顔料組成物134.2部)。ウエットケーキを一部採取して乾燥させた顔料組成物について、上記と同様にマススペクトル測定したところ、化合物(5)、(6)、および(7)に相当する分子イオンピークm/z=684、700、および607がそれぞれ検出され、これらのピーク強度比は93.6:3.3:3.1であった。また、化合物(4)に由来するm/z=530のピークは認められなかった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000027
実施例3
 バルビツール酸を1.48部(0.0116モル部)、アセトアセトアニリドを64.2部(0.362モル部)に変更し、4-アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸カリウム1.7部を、5-アセトアセチルアミノ-2-ヒドロキシ安息香酸(分子量237.21)1.4部(0.00590モル部)に変更した以外は、実施例1と同様にカップリング反応を行い、ジスアゾ顔料組成物を得た。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、一般式(1)に相当する化合物(1)および(8)の分子イオンピークが、m/z=628および688として検出され、一般式(2)に相当する化合物(3)の分子イオンピークが、m/z=579として検出された。これらm/z=628、688、579のピーク強度比は、92.5:1.2:6.3であった。また、一般式(3)に相当する化合物(4)に由来するm/z=530のピークは検出されなかった。
 さらに、上記で得られたジスアゾ顔料組成物119.4部に適宜な量の水酸化ナトリウムを加えてpHを10.0~10.5に調整してから、ロンヂスK-25(荒川化学工業社製ロジン)16.5部を加えて充分撹拌した。液体硫酸バンド(日本軽金属社製)7.9部を、上記で得たジスアゾ顔料組成物を含む含水スラリーに加えてロジンを顔料の表面に析出させた。濾過、水洗、圧搾して、顔料組成物分30重量%のウエットケーキを得た(ウエットケーキ中の顔料組成物123.5部)。ウエットケーキを一部採取して乾燥させた顔料組成物について、上記と同様にマススペクトル測定したところ、化合物(1)、(8)、および(3)に相当する分子イオンピークm/z=628、688、および579がそれぞれ検出され、これらのピーク強度比は92.5:1.2:6.3であった。また、化合物(4)に由来するm/z=530のピークは認められなかった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000028
実施例4
 バルビツール酸を2.43部(0.0190モル部)に変更、アセトアセトアニリド65.2部を、アセトアセト-m-キシリダイド(分子量205.25)36.8部(0.179モル部)とアセトアセト-o-トルイダイド(分子量191.23)34.3部(0.179モル部)との混合物に変更し、4-アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸カリウム1.7部を、2-アセトアセチルアミノ安息香酸(分子量221.21)2.6部(0.0118モル部)に変更した以外は、実施例1と同様にカップリング反応を行い、ジスアゾ顔料組成物を得た。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、一般式(1)に相当する化合物(5)、(9)、(10)、(11)、(12)の分子イオンピークが、それぞれm/z=684、656、670、738、724として検出され、一般式(2)に相当する化合物(7)、(13)の分子イオンピークが、それぞれm/z=607、593として検出された。これらm/z=684、656、670、738、724、607、593のピーク強度比は、29.0:30.5:31.5:2.0:2.1:2.5:2.4であった。また、一般式(3)に相当する化合物(4)に由来するm/z=530のピークは検出されなかった。
 さらに、上記で得られたジスアゾ顔料組成物129.7部に適宜な量の水酸化ナトリウムを加えてpHを10.0~10.5に調整してから、ロンヂスK-25(荒川化学工業社製ロジン)16.5部を加えて充分撹拌した。液体硫酸バンド(日本軽金属社製)7.9部を、上記で得たジスアゾ顔料組成物を含む含水スラリーに加えてロジンを顔料の表面に析出させた。濾過、水洗、圧搾して、顔料組成物分29重量%のウエットケーキを得た(ウエットケーキ中の顔料組成物133.9部)。ウエットケーキを一部採取して乾燥させた顔料組成物について、上記と同様にマススペクトル測定したところ、化合物(5)、(9)、(10)、(11)、(12)、(7)、(13)に相当する分子イオンピークm/z=684、656、670、738、724、607、593がそれぞれ検出され、これらのピーク強度比は29.0:30.5:31.5:2.0:2.1:2.5:2.4であった。また、化合物(4)に由来するm/z=530のピークは認められなかった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000029
実施例5
(第1カップリング反応)
 実施例1と同様の方法でテトラゾ溶液を得た。このテトラゾ溶液にスルファミン酸を少量添加して過剰の亜硝酸イオンを消失させた。バルビツール酸0.74部(0.00578モル部)を水130部に溶解後、テトラゾ溶液に30分掛けて加えて橙色のスラリー(第1カップリング反応物)を得た。
(第2カップリング反応)
 アセトアセトアニリド62.9部(0.355モル部)と2-アセトアセチルアミノ安息香酸4.2部(0.0190モル部)を、水酸化ナトリウム27.0部および水300部からなる水溶液に溶解し、カップラー溶液を得た。反応容器に水酸化ナトリウム7.7部と酢酸23.2部と水800部を加え、pH6の酢酸ナトリウムのバッファー(緩衝)溶液を作成した。このバッファー溶液に、橙色のスラリーとカップラー溶液を20~25℃の温度範囲を維持しながら、同時に40分掛けて滴下してカップリング反応を行い、ジスアゾ顔料組成物を得た。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、一般式(1)に相当する化合物(1)および(14)の分子イオンピークが、m/z=684および672として検出され、一般式(2)に相当する化合物(3)の分子イオンピークが、m/z=579として検出された。これらm/z=684、672、579のピーク強度比は、93.1:3.9:3.0であった。また、一般式(3)に相当する化合物(4)に由来するm/z=530のピークは検出されなかった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000030
(ジスアゾ顔料組成物の表面処理)
 さらに、上記で得られたジスアゾ顔料組成物120.1部に適宜な量の水酸化ナトリウムを加えてpHを10.0~10.5にしてからロンジスK-25(荒川化学工業製)を16.5部加えて充分撹拌した。液体バンド7.9部を加えてロジンを顔料の表面に析出させた(この段階での顔料組成物の収量:124.3部)。さらに印刷インキ用ビヒクル(ロジン変性フェノール樹脂(タマノル340、荒川化学社製)/AFソルベント7号(JX日鉱日石エネルギー社製)=30部/70部)10部を加えて充分撹拌した。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、一般式(1)に相当する化合物(1)および(14)に相当する分子イオンピークが、m/z=684および672として検出され、一般式(2)に相当する化合物(3)の分子イオンピークが、m/z=579として検出された。これら684、672、579のピーク強度比は、93.1:3.9:3.0であった。また、一般式(3)に相当する化合物(4)に由来するm/z=530のピークは検出されなかった。
比較例1
(カップリング反応)
 実施例1と同様の方法でテトラゾ溶液を得た。このテトラゾ溶液にスルファミン酸を少量添加して過剰の亜硝酸イオンを消失させた。アセトアセトアニリド65.2部(0.368モル部)と4-アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸カリウム1.7部(0.00576モル部)とバルビツール酸0.74部(0.00578モル部)を、水酸化ナトリウム27.0部および水800部からなる水溶液に溶解後、得られた水溶液に酢酸48.9部を水165部で希釈した液を30分掛けて滴下してカップラーを再結晶させた。このカップラーを再結晶化させた溶液に上記テトラゾ溶液を20~25℃の温度範囲を維持しながら40分掛けて添加してカップリング反応を行い、ジスアゾ顔料組成物を得た。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、一般式(1)に相当する化合物(1)および(2)の分子イオンピークが、m/z=628および746として検出され、一般式(2)に相当する化合物(3)の分子イオンピークが、m/z=579として検出された。さらに、一般式(3)に相当する化合物(4)に由来するm/z=530のピークも検出された。これらm/z=628、746、579、530のピーク強度比は、95.2:1.5:2.2:1.1であった。
(ジスアゾ顔料組成物の表面処理)
 さらに、上記で得られたジスアゾ顔料組成物119.7部に適宜な量の水酸化ナトリウムを加えてpHを10.0~10.5にしてからロンヂスK-25(荒川化学工業社製)を16.5部加えて充分撹拌した。液体バンド7.9部を加えてロジンを顔料表面に析出させた。濾過、水洗、圧搾して顔料組成物分28重量%のウエットケーキを得た(ウエットケーキ中の顔料組成物123.8部)。ウエットケーキを一部採取して乾燥させた顔料組成物について、上記と同様にマススペクトル測定したところ、化合物(1)、(2)、(3)および(4)に相当する分子イオンピークm/z=628、746、579、および530がそれぞれ検出され、これらのピーク強度比は95.2:1.5:2.0:1.1であった。
比較例2
(カップリング反応)
 実施例1と同様の方法でテトラゾ溶液を得た。このテトラゾ溶液にスルファミン酸を少量添加して過剰の亜硝酸イオンを消失させた。アセトアセトアニリド64.2部(0.362モル部)と4-アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸カリウム1.7部(0.00576モル部)とバルビツール酸1.48部(0.0116モル部)とを、水酸化ナトリウム27.0部および水800部からなる水溶液に溶解後、得られた水溶液に酢酸48.9部を水165部で希釈した液を30分掛けて滴下してカップラーを再結晶させた。このカップラーを再結晶化させた溶液に上記テトラゾ溶液を20~25℃の温度範囲を維持しながら、40分掛けて添加してカップリング反応を行い、ジスアゾ顔料組成物を得た。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、化合物(1)、(2)、(3)、および(4)に相当する分子イオンピークm/z=628、746、579、および530がそれぞれ検出された。これら、m/z=628、746、579、530のピーク強度比は、92.9:1.1:3.9:2.1であった。
(ジスアゾ顔料組成物の表面処理)
 さらに、上記で得られたジスアゾ顔料組成物112.6部に適宜な量の水酸化ナトリウムを加えてpHを10.0~10.5にしてからロンヂスK-25(荒川化学工業社製)を16.5部加えて充分撹拌した。液体バンド7.9部を加えてロジンを顔料表面に析出させた。濾過、水洗、圧搾して顔料組成物分28重量%のウエットケーキを得た(ウエットケーキ中の顔料組成物116.8部)。ウエットケーキを一部採取して乾燥させた顔料組成物について、上記と同様にマススペクトル測定したところ、化合物(1)、(2)、(3)および(4)に相当する分子イオンピークm/z=628、746、579、および530がそれぞれ検出され、これらのピーク強度比は92.9:1.1:3.9:2.1であった。
比較例3
(カップリング反応)
 実施例1と同様の方法でテトラゾ溶液を得た。このテトラゾ溶液にスルファミン酸を少量添加して過剰の亜硝酸イオンを消失させた。アセトアセトアニリド62.9部(0.355モル部)と4-アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸カリウム1.7部(0.00576モル部)とバルビツール酸2.43部(0.0190モル部)とを、水酸化ナトリウム27.0部および水800部からなる水溶液に溶解後、得られた水溶液に酢酸48.9部を水165部で希釈した液を30分掛けて滴下してカップラーを再結晶させた。このカップラーを再結晶化させた溶液に上記テトラゾ溶液を20~25℃の温度範囲を維持しながら40分掛けて添加してカップリング反応を行い、ジスアゾ顔料組成物を得た。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、化合物(1)、(2)、(3)、および(4)に相当する分子イオンピークm/z=628、746、579、および530がそれぞれ検出された。これら、m/z=628、746、579、530のピーク強度比は、91.0:0.7:5.5:2.8であった。
(ジスアゾ顔料組成物の表面処理)
 さらに、上記で得られたジスアゾ顔料組成物119.5部に適宜な量の水酸化ナトリウムを加えてpHを10.0~10.5にしてからロンヂスK-25(荒川化学工業社製)を16.5部加えて充分撹拌した。液体バンド7.9部を加えてロジンを顔料表面に析出させた。濾過、水洗、圧搾して顔料組成物分28重量%のウエットケーキを得た(ウエットケーキ中の顔料組成物123.6部)。ウエットケーキを一部採取して乾燥させた顔料組成物について、上記と同様にマススペクトル測定したところ、化合物(1)、(2)、(3)および(4)に相当する分子イオンピークm/z=628、746、579、および530がそれぞれ検出され、これらのピーク強度比は91.0:0.7:5.5:2.8であった。
比較例4
(カップリング反応)
 実施例1と同様の方法でテトラゾ溶液を得た。このテトラゾ溶液にスルファミン酸を少量添加して過剰の亜硝酸イオンを消失させた。アセトアセトアニリド66.3部(0.374モル部)と4-アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸カリウム1.7部(0.00576モル部)とを、水酸化ナトリウム27.0部および水800部からなる水溶液に溶解後、得られた水溶液に酢酸48.9部を水165部で希釈した液を30分掛けて滴下してカップラーを再結晶させた。このカップラーを再結晶化させた溶液に上記テトラゾ溶液を20~25℃の温度範囲を維持しながら40分掛けて添加してカップリング反応を行い、ジスアゾ顔料組成物を得た。得られたジスアゾ顔料組成物を一部採取してマススペクトルを測定したところ、化合物(1)および(2)に相当する分子イオンピークm/z=628および746がそれぞれ検出された。これら、m/z=628、746のピーク強度比は、97.1:2.9であった。
(ジスアゾ顔料組成物の表面処理)
 さらに、上記で得られたジスアゾ顔料組成物120.6部に適宜な量の水酸化ナトリウムを加えてpHを10.0~10.5にしてからロンヂスK-25(荒川化学工業製)を16.5部加えて充分撹拌した。液体バンド7.9部を加えてロジンを顔料組成物表面に析出させた。濾過、水洗、圧搾して顔料組成物分28重量%のウエットケーキを得た(ウエットケーキ中の顔料組成物124.7部)。ウエットケーキを一部採取して乾燥させた顔料組成物について、上記と同様にマススペクトル測定したところ、化合物(1)および(2)に相当する分子イオンピークm/z=628および746がそれぞれ検出され、これらのピーク強度比は97.1:2.9であった。
<印刷インキ組成物(オフセットインキ)の製造>
 各々、前記顔料ウエットケーキ(乾燥重量換算で80部)と、予め100℃に温めたロジン変性フェノール樹脂系ワニス(タマノル340(荒川化学工業社製)/AFソルベント7号(JX日鉱日石エネルギー社製)=30部/70部)190部とを、1Lフラッシャー(入江商会社製:PNV-1)中に同時に投入し、フラッシングを行いインキを得た(オープンフラッシング工程:所要時間15分)。次にフラッシングによって生成した水を除去後、減圧(1~8×103Pa)下、インキの温度が100℃になるまで加熱を60分間行い、インキ中の水を完全に除去した(バキュームフラッシング工程)。このインキに、ロジン変性フェノール樹脂390部とAFソルベント7号44部とを、徐々に加えた後、フラッシャーから取り出した。その後、3本ロールを用いてロール温度60℃、10Barrの圧力にて練肉し、粗大粒子を除去し、ベースインキを得た。このベースインキ62部に、ロジン変性フェノール樹脂系ワニス25部、AFソルベント7号10部、その他の補助剤として大豆油(J-オイルミルズ社製)2.5部、酸化防止剤(H-BHT、本州化学工業社製)0.5部を加え、タック値5.8~6.0に調整してオフセットインキを得た。なお、上記タック値は、東洋精機社製のディジタルインコメーターを用いて、25℃で400rpmでの1分間測定した値とした。
<インキ評価>
 得られた各オフセットインキについて、着色力、色相、流動性、および透明性を測定した。測定はいずれも25℃にて行った。各オフセットインキを、JIS K 5701-1によって定められた展色方法に則ってインキ0.15gをオフ輪インキ用の展色紙(コート紙73K)に展色し、常法により乾燥して展色物を得た。
 着色力は、展色物をマクベス反射率濃度計(グレタグ マクベス社製D19C)で測定し、実施例1を100%として相対値で算出した。数値の高いもの程、着色力が高いことを示す。
 色相は、目視と測色によって評価した。測色は、展色物を日本電色工業社製SE-2000で測定し、L*、a*、b*を求めることによって行った。実施例1で得られたジスアゾ顔料組成物を用いて製造したオフセットインキの展色物のa*値を標準として、それとの相対値を△a*とした。△a*が2以内であるものが、目標の色相であるジャパンカラー(黄:L*=87.9、a*=-7.5、b*=91.5)の規格内であることを示す。目視による評価においても、実施例1で得られたジスアゾ顔料組成物を用いて製造したオフセットインキの展色物を標準とした。
 流動性は、各オフセットインキ5gをインキ壺に入れ、1時間静置した後、オフセットインキを傾斜板(銅板)上に水平状態で、ヘラを用いて全量取り出した後、90°に傾け、30分間流動させた後の長さ(静置したインキの下端から下方に向かって流動したインキの先端までの長さ)をmm単位で測定した。数値が高いもの程、流動性が優れていることを示す。
 透明性は、黒帯のある展色紙(コート紙73K)にオフセットインキを展色し、黒帯上の展色物の透過度合を目視によって10段階で評価した。数値の大きいもの程、透明性が高いことを示す。
 実施例1~5、比較例1~4で得られた顔料組成物を用いて製造したオフセットインキの評価結果を表1に示す。着色力、色相、流動性、および透明性の観点から、顔料組成物を判定した。○は良好、×は不良を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000031
 従来、バルビツール酸類とテトラゾ化物との反応によって生成する色素は、印刷インキ組成物に使用した際、インキの流動性および耐熱性に効果があり、フラッシング法によるインキ化工程での熱による顔料の結晶成長を抑え、ある程度の着色力と透明性を有する印刷インキ組成物を製造することができた。しかし、さらなる耐熱性向上のために、バルビツール酸の使用量を増やすと、公知の製造方法によって得られる顔料では、赤味過多に陥り、目標とする色相であるジャパンカラーから逸脱してしまう。これに対して、本実施態様のジスアゾ顔料組成物は、高い耐熱性を有し、印刷インキ組成物に使用した際、ジャパンカラーの色相を維持しながら、着色力、流動性、および透明性に優れていた。
 本発明の実施態様であるジスアゾ顔料組成物を使用して製造した印刷インキ組成物は、優れた色相、着色力、流動性、および透明性を有する。したがって、オフセットインキ、グラビアインキ等の印刷インキ組成物に好適に使用することができる。また、本発明の実施態様であるジスアゾ顔料組成物は、優れた耐熱性を有するため、フラッシング法等によるインキ化工程での熱による顔料の結晶成長が抑制できる。

Claims (8)

  1.  下記一般式(1)で表されるジスアゾ顔料(A)と、下記一般式(2)で表されるジスアゾ顔料(B)とを含むジスアゾ顔料組成物であって、ジスアゾ顔料組成物のマススペクトラムにおいて、下記一般式(3)で表されるジスアゾ顔料(C)の分子イオンピークの強度の割合が、ジスアゾ顔料(A)、ジスアゾ顔料(B)およびジスアゾ顔料(C)の全分子イオンピークの強度を積算した値に対して0.5%以下であるジスアゾ顔料組成物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001

    (式中、R11~R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R31~R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R31~R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002

    (式中、R11~R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。X1~X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、または、イミノ基を表す。R31~R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R31~R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003

    (式中、R11~R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。X1~X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、または、イミノ基を表す。)
  2.  ジスアゾ顔料(A)とジスアゾ顔料(B)のモル比が、ジスアゾ顔料(A):ジスアゾ顔料(B)=0.85~0.99:0.15~0.01である請求項1記載のジスアゾ顔料組成物。
  3.  ジスアゾ顔料(A)及びジスアゾ顔料(B)が、ロジン類もしくはその金属塩、または印刷インキ用ビヒクルで表面処理されてなる請求項1または2記載のジスアゾ顔料組成物。
  4.  下記一般式(4)で表されるベンジジン類(D)1モル部のテトラゾ溶液に、下記一般式(5)で表されるバルビツール酸類(E)0.03~0.10モル部を添加して反応させる第1カップリング反応により、下記一般式(6)で表される化合物を含む第1カップリング反応物(F)を得る工程、および、
     下記一般式(7)で表されるカップラー成分(G)と前記第1カップリング反応物(F)とを反応させる第2カップリング反応により、下記一般式(1)で表されるジスアゾ顔料(A)と下記一般式(2)で表されるジスアゾ顔料(B)とを含むジスアゾ顔料組成物であって、ジスアゾ顔料組成物のマススペクトラムにおいて、下記一般式(3)で表されるジスアゾ顔料(C)の分子イオンピークの強度の割合が、ジスアゾ顔料(A)、ジスアゾ顔料(B)およびジスアゾ顔料(C)の全分子イオンピークの強度を積算した値に対して0.5%以下であるジスアゾ顔料組成物を得る工程、
     を有するジスアゾ顔料組成物の製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004

    (式中、R11~R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005

    (式中、R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。X1~X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、または、イミノ基を表す。)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006

    (式中、R11~R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。X1~X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、または、イミノ基を表す。)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007

    (式中、R31~R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R31~R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008

    (式中、R11~R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R31~R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R31~R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009

    (式中、R11~R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。X1~X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、または、イミノ基を表す。R31~R35は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R31~R35は、互いに結合して環を形成しても良い。)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010

    (式中、R11~R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表す。R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。X1~X3は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、または、イミノ基を表す。)
  5.  カップラー成分(G)が、下記一般式(7-1)で表されるカップラー成分(G1)と下記一般式(7-2)で表されるカップラー成分(G2)とを含む請求項4記載のジスアゾ顔料組成物の製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011

    (式中、R41~R45は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、または、アルコキシル基を表す。R41~R45は、互いに結合して環を形成しても良い。)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012

    (式中、R51~R55は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩を表すが、R51~R55の少なくとも一つは、水酸基、スルホン酸基もしくはその金属塩、または、カルボン酸基もしくはその金属塩である。R51~R55は、互いに結合して環を形成しても良い。)
  6.  カップラー成分(G1)とカップラー成分(G2)のモル比が、カップラー成分(G1):カップラー成分(G2)=0.85~0.99:0.15~0.01である請求項5記載のジスアゾ顔料組成物の製造方法。
  7.  請求項1~3いずれかに記載のジスアゾ顔料組成物と印刷インキ用ビヒクルとを含有してなる印刷インキ組成物。
  8.  請求項4~6いずれかに記載の製造方法で製造したジスアゾ顔料組成物と印刷インキ用ビヒクルとを含有してなる印刷インキ組成物。
PCT/JP2013/062435 2013-04-26 2013-04-26 ジスアゾ顔料組成物およびその製造方法 WO2014174675A1 (ja)

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