JP4362887B2 - ジスアゾ顔料添加剤および顔料組成物 - Google Patents

ジスアゾ顔料添加剤および顔料組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジスアゾ化合物混合物からなるジスアゾ顔料用添加剤及び顔料組成物に関する。詳しくは、▲1▼流動性に優れた印刷インキを調製できるジスアゾ化合物混合物からなる顔料用添加剤、▲2▼流動性に優れた印刷インキを調製できる顔料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ジスアゾ顔料を含有する印刷インキの透明性・流動性を改良する方法として、例えば、特公昭45−11026号公報には、ジスアゾ顔料に、それらのスルホン酸化合物を混合する方法が、特公昭55−49087号公報には、カップリング成分としてカルボン酸基及び/またはスルホン酸基を有する極性カップリング成分と非極性カップリング成分との混合物を使用して成るジスアゾ顔料を用いる方法が、特開昭63−72762号公報及び特開昭63−178169号公報には、極性カップリング成分と非極性カップリング成分から成る非対称型ジスアゾ顔料組成物を用いる方法が、それぞれ示されている。なかでも、特開昭63−178169号公報で開示されたジスアゾ顔料組成物が印刷インキの流動性を改良する効果大きい事が知られていた。
【0003】
また、特開平4−275373号公報には、アセト酢酸−m−キシリダイド2〜40モル%、アセト酢酸−o−トルイダイド97.9〜60モル%、2−アセトアセトアミド安息香酸0.1〜10モル%をカップラー成分とし、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなるジスアゾ化合物混合物をロジン処理した表面処理顔料が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
印刷業界において、生産性を高める観点から、印刷速度の高速化がめざましく進歩している。毎秒4メートルの印刷が可能な印刷機が主流となっているが、毎秒15メートルの印刷が可能な印刷機も開発されている。印刷速度の高速化にともない、印刷インキには、今まで以上に高い流動性が求められている。
【0005】
特開昭63−178169号公報で開示されたジスアゾ顔料組成物を使用して得られる印刷インキの流動性改良効果には限界があった。
【0006】
また特開平4−275373号公報で開示された、ロジン処理ジスアゾ顔料を使用して得られる印刷インキも同様に、流動性が不充分であった。
【0007】
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、▲1▼流動性に優れた印刷インキを調製できるジスアゾ化合物混合物からなる組成物、▲2▼流動性に優れた印刷インキを調整できる顔料組成物、▲3▼流動性に優れた印刷インキ、に関する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者は、流動性に優れた印刷インキを鋭意検討した結果、▲1▼流動性に優れた印刷インキを調製できる顔料用添加剤、▲2▼流動性に優れた印刷インキを調製できる顔料組成物を開発すべく、鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち本発明は、次の各発明を提供するものである。
以下の式(I)、(IV)及び(V)を少なくとも含有するジスアゾ顔料用添加剤。
【0010】
式(I)
【0011】
【化10】
Figure 0004362887
【0012】
式(IV)
【0013】
【化11】
Figure 0004362887
【0014】
式(V)
【0015】
【化12】
Figure 0004362887
【0016】
1. アセト酢酸−m−キシリダイド39〜47モル%、アセト酢酸−o−トルイダイド11〜19モル%、2−アセトアセトアミド安息香酸38〜46モル%をカップラー成分とし、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなる、ジスアゾ化合物混合物からなる組成物。
【0017】
2. アセト酢酸−m−キシリダイド39〜47モル%、アセト酢酸−o−トルイダイド11〜19モル%、2−アセトアセトアミド安息香酸38〜46モル%をカップラー成分とし、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなる、ジスアゾ化合物混合物からなる組成物に、更にジスアゾ顔料を加えてなる顔料組成物。
【0018】
3. ジスアゾ顔料が、ロジン処理されたジスアゾ顔料である上記2記載の顔料組成物。
【0019】
4. ジスアゾ顔料が、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 14、以下の式(I)で示されるジスアゾ顔料からなる群から選ばれる少なくとも一つのジスアゾ顔料である上記2または3記載の顔料組成物。
【0020】
式(I)
【0021】
【化13】
Figure 0004362887
【0022】
5. ジスアゾ顔料が、アセト酢酸−m−キシリダイドを必須カップラー成分とし、これと、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなるジスアゾ顔料である上記2または3記載の顔料組成物。
【0023】
6. カップラー成分が、アセト酢酸−m−キシリダイド10〜90モル%とアセト酢酸−o−トルイダイド10〜90モル%とからなるカップラー成分である上記5記載の顔料組成物。
【0024】
7. カップラー成分が、アセト酢酸−m−キシリダイド60〜80モル%、アセト酢酸−o−トルイダイド20〜40%からなるカップラー成分である上記5記載の顔料組成物。
【0025】
8. 上記2、3、4、5、6または7記載の顔料組成物を含有する印刷インキ。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明のジスアゾ顔料用添加剤は、上記した式(I)、(IV)及び(V)を少なくとも含有する。これら非対称の化学構造を有する3成分が必須となって顔料や顔料を含む印刷インキの流動性の向上に寄与する。
【0027】
本発明のジスアゾ化合物混合物からなる組成物は、ジスアゾ顔料用添加剤として用いることができ、例えばアセト酢酸−m−キシリダイド、アセト酢酸−o−トルイダイド、2−アセトアセトアミド安息香酸からなる3成分物をカップラー成分として使用することが出来る。こうすることにより、組成物を上記した式(I)、(IV)及び(V)を含むものとすることが可能となる。しかも、3成分の混合比率は、特に制限されるものではないが、好ましくはアセト酢酸−m−キシリダイド39〜47モル%、アセト酢酸−o−トルイダイド11〜19モル%、2−アセトアセトアミド安息香酸38〜46モル%である。
【0028】
一方、特開昭63−178169号公報で開示されたジスアゾ顔料組成物を調整するために使用するジスアゾ化合物混合物は、アセト酢酸−m−キシリダイドと2−アセトアセトアミド安息香酸とからなる2成分をカップラー成分として使用する事、または、アセト酢酸−o−トルイダイドと2−アセトアセトアミド安息香酸とからなる2成分をカップラー成分として使用する事に特徴がある。従って、前記した組成物を別々に合成し、仮に混合してジスアゾ顔料用添加剤を調製したところで、式(I)が含まれない。これに対して、本発明の顔料用添加剤はそれを含んだものとなる。
【0029】
本発明のジスアゾ化合物混合物からなる組成物は、結晶粒子が細かく、しかも、結晶粒子の凝集性が小さいため、平版インキ製造時に容易に一次粒子まで分散できる。容易に一次粒子まで分散できるため、ジスアゾ顔料の表面にジスアゾ化合物混合物からなる組成物を均一・強固に吸着させる事が可能であり、高速印刷機に対応した流動性に優れた印刷インキが得られる。
【0030】
一方、特開昭63−178169号公報で開示されたジスアゾ顔料組成物を調整するために使用するジスアゾ化合物は、結晶粒子が大きく、しかも、結晶粒子の凝集性が大きいため、平版インキ製造時に一次粒子まで分散する事が難しい。一次粒子まで分散する事が難しいため、ジスアゾ顔料の表面にジスアゾ化合物混合物を均一・強固に吸着させる事が出来ず、高速印刷機に対応した流動性に優れた印刷インキが得られない。
【0031】
本発明のジスアゾ顔料用添加剤は、アセト酢酸−m−キシリダイドと、アセト酢酸−o−トルイダイドと、2−アセトアセトアミド安息香酸とをカップラー成分としてテトラゾ成分と反応を行えば得られるが、上記式(V)のジスアゾ化合物が式(IV)のジスアゾ化合物よりも多く含まれる様な使用割合とすればよく、具体的には、アセト酢酸−m−キシリダイド39〜47モル%、アセト酢酸−o−トルイダイド11〜19モル%、2−アセトアセトアミド安息香酸38〜46モル%をカップラー成分とし、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してすることが出来る。このジスアゾ化合物混合物からなる組成物は、例えば、以下の製造方法に従って製造することができる。
【0032】
▲1▼3,3’−ジクロロベンジジンを常法によりテトラゾ化する。(テトラゾ成分と記載する)
【0033】
▲2▼2−アセトアセトアミド安息香酸38〜46モル%の水溶液または分散液をテトラゾ成分に添加する。(テトラゾ反応物と記載する)
【0034】
▲3▼アセト酢酸−m−キシリダイド39〜47モル%、アセト酢酸−o−トルイダイド11〜19モル%からなる混合カップラー成分を調整する。(混合カップラー成分と記載する)
【0035】
▲4▼テトラゾ反応物と混合カップラー成分とのカップリング反応は、特に制限されないが、常法により酢酸酸性下で行う。この際の条件は、pH6からpH3、温度5℃から30℃、時間30分から180分で行う。(反応スラリーと記載する)
【0036】
▲5▼反応スラリーを、70〜110℃で0.5〜4時間、好ましくは90℃で2時間加熱攪拌する。
▲6▼濾過、水洗、乾燥、粉砕する。
【0037】
ただし、上記▲1▼〜▲6▼記載のモル%は、2−アセトアセトアミド安息香酸とアセト酢酸−m−キシリダイドとアセト酢酸−o−トルイダイドとからなる3種類のカップラー成分の比率を示す。
【0038】
こうして得られたジスアゾ化合物混合物は、次の化学構造を有する6種のジスアゾ化合物の混合物である。
【0039】
式(I)
【0040】
【化14】
Figure 0004362887
【0041】
式(II)
【0042】
【化15】
Figure 0004362887
【0043】
式(III)
【0044】
【化16】
Figure 0004362887
【0045】
式(IV)
【0046】
【化17】
Figure 0004362887
【0047】
式(V)
【0048】
【化18】
Figure 0004362887
【0049】
式(VI)
【0050】
【化19】
Figure 0004362887
【0051】
上記6種のジスアゾ化合物は、それぞれ別々に製造されたものを混合して得ることも可能ではあるが、アセト酢酸−m−キシリダイド39〜47モル%、アセト酢酸−o−トルイダイド11〜19モル%、2−アセトアセトアミド安息香酸38〜46モル%をカップラー成分とし、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなる、6種のジスアゾ化合物の混合物からなる組成物のほうが、結晶粒子が細かく、しかも、結晶粒子の凝集性が小さいため、例えば平版インキ製造時に、容易に一次粒子まで分散できる。
【0052】
この方法によれば、6種のジスアゾ化合物の混合物からなる一次粒子が形成されるため、結晶粒子径が均一分布となり、結晶粒子の凝集性を小さくさせる効果が発現しやすいので好ましい。これに対して、一種のジスアゾ化合物単独で得られた結晶一次粒子は、そのジスアゾ化合物6種毎に大きさが異なるものとなりやすく、上記した様な優れた効果を得るには不充分である。
【0053】
このアセト酢酸−m−キシリダイド39〜47モル%、アセト酢酸−o−トルイダイド11〜19モル%、2−アセトアセトアミド安息香酸38〜46モル%をカップラー成分とし、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなる、6種のジスアゾ化合物の混合物からなる組成物は、そのままで顔料組成物として用いるよりかは、それに、更に、別途準備したジスアゾ顔料を加えたうえで顔料組成物として用いるのが好ましい。
【0054】
この6種のジスアゾ化合物の混合物は、ロジン処理しないものが好ましい。
【0055】
本発明で使用するジスアゾ顔料は、公知慣用のものがいずれも使用できる。
【0056】
具体的には、▲1▼C.I.Pigment Yellow 13、同14、同55、同12、▲2▼前記▲1▼記載の2種以上の混合物、▲3▼特公昭48−26373号公報に記載されたジスアゾ顔料の混晶、例えば、アセト酢酸−m−キシリダイドとアセト酢酸−o−トルイダイドからなる混合カップラー成分と、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなる事を特徴とするジスアゾ顔料の混晶、▲4▼上記式(I)で示されるジスアゾ化合物からなるジスアゾ顔料、等が挙げられる。
【0057】
本発明で用いるジスアゾ顔料としては、流動性の改良効果が大きい点で、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 14、上記式(I)で示されるジスアゾ顔料からなる群から選ばれる少なくとも一つのジスアゾ顔料が好ましい。これは1種のジスアゾ化合物のみからなるジスアゾ顔料の2種以上を混合した混合物であってもよいが、それらの混晶が特に好ましい。
【0058】
上記に具体的に示したジスアゾ顔料は、アセト酢酸−m−キシリダイド、アセト酢酸−o−トルイダイド、アセト酢酸−p−トルイダイド、アセト酢酸アニリドからなる群より選ばれる少なくとも一種のカップラー成分と、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応することにより得られるジスアゾ顔料である。
【0059】
尚、上記アセト酢酸−m−キシリダイドとアセト酢酸−o−トルイダイドからなる混合カップラー成分と、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなるジスアゾ顔料は、C.I.Pigment Yellow 13、同14及び上記式(I)で示されるジスアゾ化合物を全て含んでなるジスアゾ顔料である。
【0060】
もう一方の好ましいジスアゾ顔料は、式(III)で示されるジスアゾ化合物を必須成分として含んでなるジスアゾ顔料である。これは、アセト酢酸−m−キシリダイドを必須カップラー成分とし、これと、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなるジスアゾ顔料である。
【0061】
このジスアゾ顔料としては、流動性の改良効果が大きく、しかも、平版インキに使用した場合に透明性が高く印刷物が鮮明に仕上がる点で、カップラー成分として、アセト酢酸−m−キシリダイド10〜90モル%とアセト酢酸−o−トルイダイド10〜90モル%とからなる混合カップラー成分を用いて反応させたものが好ましく、流動性の改良効果が最も大きく、しかも、平版インキに使用した場合に透明性が最も高く印刷物が鮮明に仕上がる点で、カップラー成分として、アセト酢酸−m−キシリダイド60〜80モル%、アセト酢酸−o−トルイダイド20〜40%からなる混合カップラー成分を用いて反応させたものが特に好ましい。
【0062】
本発明で使用するジスアゾ顔料は、例えば、以下の製造方法に従って製造することができる。
【0063】
▲1▼3,3’−ジクロロベンジジンを常法によりテトラゾ化する。(テトラゾ成分と記載する)
【0064】
▲2▼アセト酢酸−m−キシリダイド、アセト酢酸−o−トルイダイド、アセト酢酸−p−トルイダイド、アセト酢酸アニリドからなる群より選ばれるカップラー成分を調整する。(カップラー成分と記載する)
【0065】
▲3▼テトラゾ成分とカップラー成分とのカップリング反応は、特に制限されないが、 常法により酢酸酸性下で行う。この際の条件は、pH6からpH3、温度5℃ から30℃、時間30分から180分で行う。(反応スラリーと記載する)
【0066】
▲4▼反応スラリーを、60〜110℃で0.2〜120分、好ましくは80℃で90分加熱攪拌する。
▲5▼濾過、水洗、乾燥、粉砕する。
【0067】
ジスアゾ顔料の分散性を改良する目的で、ノニオン性界面活性剤による表面処理、カチオン性界面活性剤による表面処理、アニオン性界面活性剤による表面処理、樹脂による表面処理、ロジンによる表面処理を行う事は可能である。
【0068】
なかでも、分散性を改良する効果が大きく、透明性も改良する効果を兼ね備えている点で、ロジンによる表面処理を行う事が好ましい。
【0069】
ロジンによる表面処理方法としては、例えば、次の方法が挙げられる。
【0070】
▲1▼反応スラリ−をアルカリ性に調整する。
▲2▼苛性ソーダで溶解したロジン溶液を添加する。
▲3▼60〜100℃で0.2〜120分、好ましくは90℃で90分加熱攪拌する。
【0071】
▲4▼塩酸を滴下してロジンを酸析する。または、塩化カルシウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の無機塩を添加してロジンを難溶性塩に変換する。
▲5▼濾過、水洗、乾燥、粉砕する。
【0072】
本発明の、ジスアゾ顔料と、前記ジスアゾ化合物混合物からなる組成物を含有してなる顔料組成物を製造する方法としては、次の2つの方法が挙げられる。
【0073】
▲1▼ジスアゾ顔料を含有する水懸濁液に、前記ジスアゾ化合物混合物からなる組成物を含有する水懸濁液を添加する方法。
【0074】
▲2▼粉砕して粉状としたジスアゾ顔料に、粉砕して粉状とした前記ジスアゾ化合物混合物からなる組成物を添加する方法。
【0075】
本発明において、前記ジスアゾ化合物混合物からなる組成物がロジンで被覆されると流動性の改良効果が小さくなる場合があるため、ロジン処理されたジスアゾ顔料と、ジスアゾ化合物混合物を含有してなる顔料組成物を製造する方法としては、次の方法が推奨される。
【0076】
▲1▼ロジンを酸析する事または難溶性塩に変換する事によりロジン処理されたジスアゾ顔料を調整後、ロジン処理されたジスアゾ顔料を含有する水懸濁液に、前記ジスアゾ化合物混合物からなる組成物を含有する水懸濁液を添加する方法。
【0077】
▲2▼粉砕して粉状としたジスアゾ顔料に、粉砕して粉状とした前記ジスアゾ化合物混合物からなる組成物を添加する方法。
【0078】
即ち、本発明の顔料組成物は、ロジン処理されたジスアゾ顔料と、アセト酢酸−m−キシリダイド39〜47モル%、アセト酢酸−o−トルイダイド11〜19モル%、2−アセトアセトアミド安息香酸38〜46モル%をカップラー成分とし、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなる、ジスアゾ化合物混合物からなる、ロジン未処理の組成物とからなるものが好ましい。
【0079】
この本発明における好ましい顔料組成物は、アセト酢酸−m−キシリダイド2〜40モル%、アセト酢酸−o−トルイダイド97.9〜60モル%、2−アセトアセトアミド安息香酸0.1〜10モル%をカップラー成分とし、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなるジスアゾ化合物混合物をロジン処理した表面処理顔料をそのままジスアゾ顔料として用いた、即ち、従来のジスアゾ顔料をそのまま用いるのよりも優れた流動性を呈する。
【0080】
本発明において、ジスアゾ顔料との比率としては、ジスアゾ顔料85〜99重量%、前記ジスアゾ化合物混合物からなる組成物1〜15重量%、好ましくは、ジスアゾ顔料93〜97重量%、前記ジスアゾ化合物混合物からなる組成物3〜7重量%である。前記ジスアゾ化合物混合物からなる組成物の比率が小さくなると流動性の改良効果が小さくなり、前記ジスアゾ化合物混合物からなる組成物の比率が大きくなると、着色力が小さくなる。
【0081】
本発明の、顔料組成物を含有する印刷インキは、例えば以下の製造方法により製造できる。
【0082】
▲1▼ワニスと顔料組成物を分散機を用いて分散させる方法。
▲2▼ワニスと前記ジスアゾ化合物混合物からなる組成物とジスアゾ顔料とを分散機を用いて分散させる方法。
【0083】
分散機としては、例えば3本ロールやビーズミルやニーダーが挙げられる。
【0084】
ワニスとしては、例えば、ロジン変成フェノール樹脂、石油樹脂、アルキッド樹脂又はこれら乾性油変性樹脂等の樹脂と、必要に応じて、アマニ油、桐油、大豆油等の植物油と、n−パラフィン、イソパラフィン、アロマテック、ナフテン、α−オレフィン等の溶剤からなるものであって、それらの混合割合は、重量比で、樹脂:植物油:溶剤=20〜50部:0〜30部、10〜60部の範囲が好ましい。また、アクリル酸エステルを含有するワニスが挙げられる。
【0085】
本発明の顔料組成物を配合した印刷インキには、必要に応じて、インキ溶剤、ドライヤー、レベリング改良剤、増粘剤等の公知の添加剤を適宜配合する事も可能である。
【0086】
【実施例】
以下、実施例、比較例及び試験例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の例中における「部」および「%」は、特に断りのない限り、いずれも重量基準である。
【0087】
<ジスアゾ化合物混合物の製造実施例1>
3,3’−ジクロロベンジジン38.2部と35%塩酸85部と水800部とを混合、攪拌した後、氷浴下、亜硝酸ナトリウム21.9部からなる水溶液を加えて、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ溶液を得た。攪拌しながら、この中に、2−アセトアセトアミド安息香酸26.7部を水250部に分散した分散液を2時間かけて滴下した後、1時間攪拌して橙色スラリーを得た。
【0088】
アセト酢酸−m−キシリダイド26.0部、アセト酢酸−o−トルイダイド10.4部を水酸化ナトリウム30.6部及び水600部からなる水溶液に溶解した後、酢酸52.1部を水200部で希釈したものを1時間かけて滴下し、結晶を析出させた。次いでこれを15〜17℃に調整し、攪拌しながら、上記の橙色スラリーを2時間かけて滴下して、ジスアゾ化合物の橙黄色スラリーを得た。
【0089】
さらに1時間攪拌後、90℃まで加熱し、2時間攪拌する。濾過、水洗し、ジスアゾ化合物混合物のウエットケーキを得た。ウエットケーキを90℃にて乾燥した後、粉砕して粉状としたジスアゾ化合物混合物(ジスアゾ化合物混合物1)を得た。
【0090】
このジスアゾ化合物混合物は、アセト酢酸−m−キシリダイド42モル%、アセト酢酸−o−トルイダイド18モル%、2−アセトアセトアミド安息香酸40モル%をカップラー成分とし、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなるジスアゾ化合物混合物に相当する。
【0091】
<ジスアゾ化合物混合物の製造比較例1>
特公昭63−178169号公報に記載されているジスアゾ顔料化合物の合成の製造例に従い、ジスアゾ化合物混合物を製造した。具体的な製造方法を以下に示す。
【0092】
3,3’−ジクロロベンジジン38.2部と35%塩酸85部と水800部とを混合、攪拌した後、氷浴下、亜硝酸ナトリウム21.9部からなる水溶液を加えて、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ溶液を得た。攪拌しながら、この中に、2−アセトアセトアミド安息香酸33.4部を水250部に分散した分散液を2時間かけて滴下した後、1時間攪拌して橙色スラリーを得た。
【0093】
アセト酢酸−o−トルイダイド28.8部を水酸化ナトリウム30.6部及び水600部からなる水溶液に溶解した後、酢酸52.1部を水200部で希釈したものを1時間かけて滴下し、結晶を析出させた。次いでこれを5〜10℃に冷却し、攪拌しながら、上記の橙色スラリーを2時間かけて滴下して、ジスアゾ化合物の橙黄色スラリーを得た。
【0094】
さらに1時間攪拌後、90℃まで加熱し、2時間攪拌する。濾過、水洗し、ジスアゾ化合物混合物のウエットケーキを得た。ウエットケーキを90℃にて乾燥した後、粉砕して粉状としたジスアゾ化合物混合物(ジスアゾ化合物混合物比較1)を得た。
【0095】
<ジスアゾ化合物混合物の製造比較例2>
アセト酢酸−o−トルイダイド28.8部の代わりにアセト酢酸−m−キシリダイド31.0部を使用した事以外は、ジスアゾ化合物混合物の製造比較例1と同様にして、ジスアゾ化合物混合物(ジスアゾ化合物混合物比較2)を得た。
【0096】
<ジスアゾ化合物混合物の製造比較例3>
28.6部のジスアゾ化合物混合物比較1と71.4部のジスアゾ化合物混合物比較2とを混合して、ジスアゾ化合物混合物(ジスアゾ化合物混合物比較3)を得た。
【0097】
<ジスアゾ顔料の製造例1>
水4000部に3,3’−ジクロロベンジジンの塩酸塩(3,3’−ジクロロベンジジン250部に相当する量)と35%塩酸316部を加える。この溶液を0℃に冷却後、40%亜硝酸ソーダ溶液を358部加え、1時間攪拌する。少量のスルファミン酸を加え、過剰の亜硝酸ソーダを消失させて、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ溶液とする。
【0098】
水7500部にアセト酢酸−m−キシリダイド415部と25%苛性ソーダ835部を加えて溶解する。この溶液に10%酢酸3150部を少しずつ加えて懸濁液とする。
【0099】
懸濁液にテトラゾ液を2時間かけて加える。この間、反応液の温度は15〜17℃に保っておく。さらに1時間攪拌後、苛性ソーダにてpH12に調整し、苛性ソーダで溶解したロジン(ロジンとして100部)を添加する。90℃まで加熱し、2時間攪拌する。35%塩化カルシウム75部を添加し、1時間攪拌する。
【0100】
濾過、水洗し、ジスアゾ顔料のプレスケーキを得た。プレスケーキを90℃にて乾燥した後、粉砕して粉状としたジスアゾ顔料(ジスアゾ顔料1)を得た。
【0101】
本顔料は、アセト酢酸−m−キシリダイド100モル%からなるカップラー成分と、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなる事を特徴とする、ロジン処理されたジスアゾ顔料(C.I.Pigment Yellow 13)に相当する。
【0102】
<ジスアゾ顔料の製造例2>
アセト酢酸−m−キシリダイド415部の代わりに、アセト酢酸−m−キシリダイド332.2部とアセト酢酸−o−トルイダイド77.4部を使用した事以外は、ジスアゾ顔料の製造例1と同様にして、粉砕して粉状としたジスアゾ顔料(ジスアゾ顔料2)を得た。
【0103】
本顔料は、アセト酢酸−m−キシリダイド80モル%とアセト酢酸−o−トルイダイド20モル%とからなる混合カップラー成分と、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなる事を特徴とする、ロジン処理されたジスアゾ顔料に相当する(C.I.Pigment Yellow 13と同一化学構造の化合物、C.I.Pigment Yellow 14と同一化学構造の化合物及び式(I)の化合物を含む。)。
【0104】
<ジスアゾ顔料の製造例3>
アセト酢酸−m−キシリダイド415部の代わりに、アセト酢酸−m−キシリダイド311.5部とアセト酢酸−o−トルイダイド96.7部を使用した事以外は、ジスアゾ顔料の製造例1と同様にして、粉砕して粉状としたジスアゾ顔料(ジスアゾ顔料3)を得た。
【0105】
本顔料は、アセト酢酸−m−キシリダイド75モル%とアセト酢酸−o−トルイダイド25モル%とからなる混合カップラー成分と、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなる事を特徴とする、ロジン処理されたジスアゾ顔料に相当する(C.I.Pigment Yellow 13と同一化学構造の化合物、C.I.Pigment Yellow 14と同一化学構造の化合物及び式(I)の化合物を含む。)。
【0106】
<ジスアゾ顔料の製造例4>
アセト酢酸−m−キシリダイド415部の代わりに、アセト酢酸−m−キシリダイド269.9部とアセト酢酸−o−トルイダイド135.4部を使用した事以外は、ジスアゾ顔料の製造例1と同様にして、粉砕して粉状としたジスアゾ顔料(ジスアゾ顔料4)を得た。
【0107】
本顔料は、アセト酢酸−m−キシリダイド65モル%とアセト酢酸−o−トルイダイド35モル%とからなる混合カップラー成分と、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなる事を特徴とする、ロジン処理されたジスアゾ顔料に相当する(C.I.Pigment Yellow 13と同一化学構造の化合物、C.I.Pigment Yellow 14と同一化学構造の化合物及び式(I)の化合物を含む。)。
【0108】
<ジスアゾ顔料の製造例5>
アセト酢酸−m−キシリダイド415部の代わりに、アセト酢酸−m−キシリダイド83.1部とアセト酢酸−o−トルイダイド309.5部を使用した事以外は、ジスアゾ顔料の製造例1と同様にして、粉砕して粉状としたジスアゾ顔料(ジスアゾ顔料5)を得た。
【0109】
本顔料は、アセト酢酸−m−キシリダイド20モル%とアセト酢酸−o−トルイダイド80モル%とからなる混合カップラー成分と、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなる事を特徴とする、ロジン処理されたジスアゾ顔料に相当する(C.I.Pigment Yellow 13と同一化学構造の化合物、C.I.Pigment Yellow 14と同一化学構造の化合物及び式(I)の化合物を含む。)。
【0110】
<ジスアゾ顔料の製造例6>
アセト酢酸−m−キシリダイド415部の代わりに、アセト酢酸−o−トルイダイド386.9部を使用した事以外は、ジスアゾ顔料の製造例1と同様にして、粉砕して粉状としたジスアゾ顔料(ジスアゾ顔料6)を得た。
【0111】
本顔料は、アセト酢酸−o−トルイダイド100モル%からなるカップラー成分と、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなる事を特徴とする、ロジン処理されたジスアゾ顔料(C.I.Pigment Yellow 14)に相当する。
【0112】
<ジスアゾ顔料の製造例7>
アセト酢酸−m−キシリダイド415部の代わりに、アセト酢酸−p−トルイダイド386.9部を使用した事以外は、ジスアゾ顔料の製造例1と同様にして、粉砕して粉状としたジスアゾ顔料(ジスアゾ顔料7)を得た。
【0113】
本顔料は、アセト酢酸−p−トルイダイド100モル%とからなるカップラー成分と、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなる事を特徴とする、ロジン処理されたジスアゾ顔料(C.I.Pigment Yellow 55)に相当する。
【0114】
<試験例1>
40℃に加熱したワニス(ロジン変性フェノール樹脂含有)300部を秤量したステンレス容器に、95部のジスアゾ顔料1と5部のジスアゾ化合物混合物1とを混合してなる顔料組成物を仕込み、ラボミキサーを使用して混合して、ミルベースを作製した。ミルベースを3本ロールを使用して練肉して、ベースインキを作製した。3本ロール上で、ベースインキに平版インキ用途ワニス170部及び軽油5部を徐々に加え、試験インキを調製した。
【0115】
上記方法により調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表1にまとめて示した。
【0116】
<比較試験例1−1>
40℃に加熱したワニス(ロジン変性フェノール樹脂含有)300部を秤量したステンレス容器に、95部のジスアゾ顔料1と5部のジスアゾ化合物混合物比較1とを混合してなる顔料組成物を仕込み、ラボミキサーを使用して混合して、ミルベースを作製した。ミルベースを3本ロールを使用して練肉して、ベースインキを作製した。3本ロール上で、ベースインキに平版インキ用途ワニス170部及び軽油5部を徐々に加え、試験インキを調製した。試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表1にまとめて示した。
【0117】
<比較試験例1−2>
40℃に加熱したワニス(ロジン変性フェノール樹脂含有)300部を秤量したステンレス容器に、95部のジスアゾ顔料1と5部のジスアゾ化合物混合物比較2とを混合してなる顔料組成物を仕込み、ラボミキサーを使用して混合して、ミルベースを作製した。ミルベースを3本ロールを使用して練肉して、ベースインキを作製した。3本ロール上で、ベースインキに平版インキ用途ワニス170部及び軽油5部を徐々に加え、試験インキを調製した。試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表1にまとめて示した。
【0118】
<比較試験例1−3>
40℃に加熱したワニス(ロジン変性フェノール樹脂含有)300部を秤量したステンレス容器に、95部のジスアゾ顔料1と5部のジスアゾ化合物混合物比較3とを混合してなる顔料組成物を仕込み、ラボミキサーを使用して混合して、ミルベースを作製した。ミルベースを3本ロールを使用して練肉して、ベースインキを作製した。3本ロール上で、ベースインキに平版インキ用途ワニス170部及び軽油5部を徐々に加え、試験インキを調製した。試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表1にまとめて示した。
【0119】
<ガラス板流動性の評価方法>
傾斜角度70°のガラス板上部に、へらを用いて軽く混ぜ合わせた試験インキをのせ、ガラス板の上で流動させる。1時間放置し、インキの流動部の先端を測定し、ガラス板流動性とする。ガラス板流動性の測定値が大きいものを流動性が高いと判断する。なお、試験例で得られた試験インキの測定値を100%とした百分率で表示した。
【0120】
<透明性の評価方法>
黒インキを用いて黒帯を印刷した白い展色紙に、試験インキを展色し、黒帯の上の展色状態を目視で観察する。黒帯の上に試験インキが展色される事により黒帯が白く見えるものを不透明と判断し、目視判定1とする。黒帯上に試験インキが展色されているのがわかりにくいものを透明と判断し、目視判定5とする。
【0121】
【表1】
Figure 0004362887
【0122】
<試験例2>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料2を使用した事以外は試験例1と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表2にまとめて示した。
【0123】
<比較試験例2−1>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料2を使用した事以外は比較試験例1−1と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表2にまとめて示した。
【0124】
<比較試験例2−2>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料2を使用した事以外は比較試験例1−2と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表2にまとめて示した。
【0125】
<比較試験例2−3>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料2を使用した事以外は比較試験例1−3と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表2にまとめて示した。
【0126】
【表2】
Figure 0004362887
【0127】
<試験例3>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料3を使用した事以外は試験例1と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表3にまとめて示した。
【0128】
<比較試験例3−1>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料3を使用した事以外は比較試験例1−1と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表3にまとめて示した。
【0129】
<比較試験例3−2>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料3を使用した事以外は比較試験例1−2と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表3にまとめて示した。
【0130】
<比較試験例3−3>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料3を使用した事以外は比較試験例1−3と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表3にまとめて示した。
【0131】
【表3】
Figure 0004362887
【0132】
<試験例4>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料4を使用した事以外は試験例1と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表4にまとめて示した。
【0133】
<比較試験例4−1>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料4を使用した事以外は比較試験例1−1と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表4にまとめて示した。
【0134】
<比較試験例4−2>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料4を使用した事以外は比較試験例1−2と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表4にまとめて示した。
【0135】
<比較試験例4−3>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料4を使用した事以外は比較試験例1−3と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表4にまとめて示した。
【0136】
【表4】
Figure 0004362887
【0137】
<試験例5>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料5を使用した事以外は試験例1と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表5にまとめて示した。
【0138】
<比較試験例5−1>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料5を使用した事以外は比較試験例1−1と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表5にまとめて示した。
【0139】
<比較試験例5−2>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料5を使用した事以外は比較試験例1−2と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表5にまとめて示した。
【0140】
<比較試験例5−3>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料5を使用した事以外は比較試験例1−3と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表5にまとめて示した。
【0141】
【表5】
Figure 0004362887
【0142】
<試験例6>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料6を使用した事以外は試験例1と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表6にまとめて示した。
【0143】
<比較試験例6−1>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料6を使用した事以外は比較試験例1−1と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表6にまとめて示した。
【0144】
<比較試験例6−2>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料6を使用した事以外は比較試験例1−2と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表6にまとめて示した。
【0145】
<比較試験例6−3>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料6を使用した事以外は比較試験例1−3と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表6にまとめて示した。
【0146】
【表6】
Figure 0004362887
【0147】
<試験例7>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料7を使用した事以外は試験例1と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表7にまとめて示した。
【0148】
<比較試験例7−1>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料7を使用した事以外は比較試験例1−1と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表7にまとめて示した。
【0149】
<比較試験例7−2>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料7を使用した事以外は比較試験例1−2と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表7にまとめて示した。
【0150】
<比較試験例7−3>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料7を使用した事以外は比較試験例1−3と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表7にまとめて示した。
【0151】
【表7】
Figure 0004362887
【0152】
<ジスアゾ化合物混合物の製造実施例2>
2−アセトアセトアミド安息香酸26.7部とアセト酢酸−m−キシリダイド26.0部とアセト酢酸−o−トルイダイド10.4部を使用する代わりに、2−アセトアセトアミド安息香酸28.7部、アセト酢酸−m−キシリダイド27.9部、アセト酢酸−o−トルイダイド6.9部を使用する事以外は、ジスアゾ化合物混合物の製造実施例1と同様にして、ジスアゾ化合物混合物(ジスアゾ化合物混合物2)を得た。
【0153】
このジスアゾ化合物混合物は、アセト酢酸−m−キシリダイド45モル%、アセト酢酸−o−トルイダイド12モル%、2−アセトアセトアミド安息香酸43モル%を混合カップラー成分とし、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなるジスアゾ化合物混合物に相当する。
【0154】
<試験例8>
ジスアゾ化合物混合物1の代わりにジスアゾ化合物混合物2を使用し、ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料3を使用した事以外は試験例1と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表8にまとめて示した。
【0155】
<比較試験例8−1>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料3を使用した事以外は比較試験例1−1と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表8にまとめて示した。
【0156】
<比較試験例8−2>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料3を使用した事以外は比較試験例1−2と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表8にまとめて示した。
【0157】
<比較試験例8−3>
ジスアゾ顔料1の代わりにジスアゾ顔料3を使用した事以外は比較試験例1−3と同様にして調製した試験インキについて、ガラス板流動性と透明性を測定し、その結果を表8にまとめて示した。
【0158】
【表8】
Figure 0004362887
【0159】
本発明の顔料組成物を使用して製造した、試験例1〜試験例8で得た試験インキは、流動性に優れた印刷インキである。比較試験例1−1〜比較試験例8−3で得た従来法の試験インキは、流動性が劣っている印刷インキである事が理解できる。
【0160】
【発明の効果】
本発明のジスアゾ化合物混合物からなる組成物(ジスアゾ顔料用添加剤)は、特定の3種のジスアゾ化合物を必須として含むので、ジスアゾ顔料と混合して用いた場合に、従来のジスアゾ顔料に比べて、良好な分散性を有し、ジスアゾ顔料と、当該ジスアゾ化合物混合物からなる組成物とを含む顔料組成物は、流動性に優れた印刷インキを提供できる。
また、本発明は特定モル比とした特定カップラー成分を用いて反応させて得られたジスアゾ化合物混合物からなるジスアゾ顔料用添加剤なので、ジスアゾ顔料と混合して用いた場合に、従来のジスアゾ顔料に比べて、より良好な分散性を有し、ジスアゾ顔料と、当該ジスアゾ化合物混合物からなる組成物とを含む顔料組成物は、より流動性に優れた印刷インキを提供できる。
特に特定のジスアゾ顔料を用いた場合には、その印刷インキは、透明性が高く印刷物をより鮮明に仕上げることが可能である。

Claims (9)

  1. 以下の式(I)、(IV)及び(V)を少なくとも含有するジスアゾ顔料用添加剤。
    式(I)
    Figure 0004362887
    式(IV)
    Figure 0004362887
    式(V)
    Figure 0004362887
  2. 以下の式(I)〜(VI)を含有するジスアゾ顔料用添加剤。
    式(I)
    Figure 0004362887
    式(II)
    Figure 0004362887
    式(III)
    Figure 0004362887
    式(IV)
    Figure 0004362887
    式(V)
    Figure 0004362887
    式(VI)
    Figure 0004362887
  3. 式(V)のジスアゾ化合物を式(IV)のジスアゾ化合物より多く含む請求項1または2記載のジスアゾ顔料用添加剤。
  4. アセト酢酸−m−キシリダイド、アセト酢酸−o−トルイダイド、2−アセトアセトアミド安息香酸をカップラー成分とし、3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ化物をテトラゾ成分として反応してなる、ジスアゾ化合物6種を含んでなるジスアゾ顔料用添加剤。
  5. カップラー成分のモル比が、アセト酢酸−m−キシリダイドル39〜47%、アセト酢酸−o−トルイダイド11〜19モル%、2−アセトアセトアミド安息香酸38〜46モル%である請求項4記載のジスアゾ顔料用添加剤。
  6. ロジン処理されていない請求項1、2、3、4または5記載のジスアゾ顔料用添加剤。
  7. 請求項1、2、3、4、5または6記載の添加剤と、ジスアゾ顔料とからなるジスアゾ顔料組成物。
  8. 請求項1、2、3、4、5または6記載の添加剤と、ロジン処理されたジスアゾ顔料とからなるジスアゾ顔料組成物。
  9. ジスアゾ顔料が、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 14または式(I)で示されるジスアゾ顔料からなる群から選ばれる少なくとも一つのジスアゾ顔料である請求項7または8記載のジスアゾ顔料組成物。
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