JP5232902B2 - コーターブレードおよびコーターブレードの製造方法 - Google Patents
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Description
コーターブレードは、例えば高炭素鋼等の金属材料からなる板部材である。コーターブレードは、ウエブに対して塗工液を供給する塗工液供給手段よりも、ウエブの走行方向における下流側に配置されている。コーターブレード先端の刃先部は、ウエブの塗工面に摺接されており、ウエブに塗工液を塗工しつつ過剰分を掻き落として、ウエブの塗工面を平坦に形成している。刃先部には、高炭素鋼等のコーターブレード母材そのものを使用する場合もあるが、塗工品質と寿命の関係から高品質の塗工紙を抄造するのには適していない。そのため、コーターブレードの刃先部には、寿命の延長および塗工面質の向上の目的で、コーターブレード母材よりも高硬度で耐摩耗性のある、例えばクロムやタングステン等を主成分としたセラミックを溶射して利用しているのが実情である。
また、例えば、特許文献2に記載のコーターブレードは、刃先部がタングステンによって被覆されており、刃先部の被覆には、ウエブの塗工面に面した第1の傾斜面および第2の傾斜面が形成されている。
特許文献1に記載のコーターブレードは、刃先部の被覆がポリウレタン等の軟質の樹脂材料により形成されている。このため、塗工速度の高速化および塗工液固形分の高濃度化に対応して被覆の耐摩耗性を向上させるのには限界がある。
また、特許文献2に記載のコーターブレードは、被覆の厚さが非常に薄く形成されている。このため、塗工速度の高速化および塗工液固形分の高濃度化により被覆が急速に摩耗して、早期にコーターブレード母材が露出するおそれがある。このため、良好な塗工プロファイルおよび塗工面感を維持できず、ストリーク等の塗工欠陥が発生するおそれがある。
また、刃先部の被覆が必要以上に厚く形成されていると、コーターブレード母材の外形に対応して被覆の外表面を形成することが困難となり、被覆の外表面の平面度が悪化するおそれがある。これにより、ウエブに対する良好な塗工面感を維持できず、ストリーク等の塗工欠陥が発生するおそれがある。しかし、本発明によれば、テーパ面被覆部の厚さは135μm以下に形成されているので、被覆が必要以上に厚く形成されることにより被覆の外表面の平面度が悪化するのを防止できる。
したがって、耐摩耗性に優れ、長期にわたって良好な塗工プロファイルおよび塗工面感を維持でき、ストリーク等の塗工欠陥の発生を抑制できるコーターブレードを提供できる。
また、刃先部の被覆が必要以上に厚く形成されていると、コーターブレード母材の外形に対応して被覆の外表面を形成することが困難となり、被覆の外表面の平面度が悪化するおそれがある。これにより、ウエブに対する良好な塗工面感を維持できず、ストリーク等の塗工欠陥が発生するおそれがある。しかし、本発明によれば、テーパ面被覆部の厚さは135μm以下に形成されているので、被覆が必要以上に厚く形成されることにより被覆の外表面の平面度が悪化するのを防止できる。
したがって、耐摩耗性に優れ、長期にわたって良好な塗工プロファイルおよび塗工面感を維持でき、ストリーク等の塗工欠陥の発生を抑制できるコーターブレードを提供できる。
図1は、本実施形態のコーターブレード1を備えたブレード塗工機5の斜視図である。
図2は、ブレード塗工機5の側面図である。
ブレード塗工機5は、紙基材等のウエブ3へ塗工液7aを塗工する装置であり、回転駆動されてウエブ3を走行させるバッキングロール4と、ウエブ3へ塗工液7aを供給する塗工液供給手段7と、ウエブ3に摺接して塗工液7aを塗工するコーターブレード1と、を備えている。なお、以下の説明では、ウエブ3の走行方向における上流側およびウエブ3の走行方向における下流側を、単に「上流側」および「下流側」としている。また、バッキングロール4の中心軸Oに沿う方向を「幅方向」としている。
本実施形態のコーターブレード1は、上記のいずれの方式にも好適に用いられる。例えば、ロールアプリケーション方式は、塗工液がロールによって供給される方式である。ファウンテンアプリケーション方式は、紙基材の幅方向に沿うスリット状開口部により、塗工液を吐出する方式である。ショートドウェル方式は、紙基材の幅方向に沿うスリット状の塗工液吐出口の縁部にブレードを備える方式である。これら各方式は、適用する紙基材の種類や塗工液の種類、塗工液の性状、塗工量等に応じて適宜選択される。
塗工液供給手段7は、バッキングロール4の近傍であってウエブ3の塗工面3a側に設けられている。塗工液供給手段7は、ウエブ3の塗工面3aに向かって塗工液7aを噴射することにより、ウエブ3の塗工面3aに塗工液7aを供給している。
ウエブ3は、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプを含み、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどの各種の填料、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を含み、酸性、中性、アルカリ性のいずれかで抄造された紙基材を用いることができる。また、ノーサイズプレス紙、澱粉やポリビニルアルコールなどでサイズプレスされた紙、もしくは顔料塗工液を下塗りした紙などを用いてもよい。
塗工液7aは、無機や有機顔料とバインダーとを含有している。
塗工液7aに用いられる顔料としては、カオリン、炭酸カルシウム、クレー、サチンホワイト、タルク、酸化チタン、焼成カオリン、水酸化アルミニウム、シリカ、酸化亜鉛、活性白土、酸性白土、珪素土、レーキ、プラスチックピグメントなどが挙げられる。
また、必要に応じて、分散液、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤などの通常用いられている各種助剤を適宜使用することもできる。
コーターブレード1は、金属材料等のコーターブレード母材11により形成され、上流側に第1主面Uを有し、下流側に第2主面Lを有する板部材である。
コーターブレード母材11の材料は、適度な硬度を有するとともに、適度な弾力を有することが望ましい。例えば、炭素工具鋼や、合金工具鋼、ステンレス鋼等であることが好ましい。なお、コーターブレード母材11の硬度は、実用的および経済的見地から、ビッカース硬度では、例えば300Hv〜1000Hv程度とするのが望ましい。
コーターブレード1の幅は、ウエブ3の幅よりも広く形成されたほうが好ましい。また、コーターブレード1の基端から先端までの長さ(ブレードの幅)は、例えば50mm以上100mm以下に形成される。コーターブレード1の厚さは、例えば300μm以上1000μm以下、好ましくは400μm以上700μm以下に形成される。
図3は、本実施形態の刃先部10の側面断面図である。なお、図3の上側がウエブ3の走行方向の上流側となっており、図3における下側がウエブ3の走行方向の下流側となっている。
図3に示すように、刃先部10は、コーターブレード母材11の先端を被覆部15で覆うことにより形成されている。
また、刃先部10において、コーターブレード母材11は、第1主面Uと先端側面11bとの角部を角面取りして形成されたテーパ面11aを有している。コーターブレード母材11は、テーパ面11aにより、基端側から先端側(図3における右側から左側)に向かって、厚みが漸次薄くなるように形成されている。
テーパ面11a上には、後述するテーパ面被覆部18の外表面18aが形成されており、テーパ面11aの傾斜角度は、テーパ面被覆部18の外表面18aに要求される傾斜角度に応じて形成される。本実施形態では、テーパ面11aは、コーターブレード母材11の第1主面Uおよび第2主面Lに対して傾斜角度θ1となるように形成される。傾斜角度θ1の具体的な数値範囲については後述する。
被覆部15は、コーターブレード母材11の先端側を覆うように形成されており、第1主面Uの先端側を覆う第1主面被覆部16と、テーパ面11aを覆うテーパ面被覆部18と、第1主面被覆部16とテーパ面被覆部18との間に形成された中間被覆部17と、先端側面11bを覆う先端側面被覆部19と、により構成されている。
なお、以下の説明では、端面被覆部19の外表面(請求項の「ランド面」に相当。以下ランド面19aという。)における下流側端部を角部Aとし、先端側面被覆部19のランド面19aとテーパ面被覆部18の外表面18aとの交差部を角部Bとし、テーパ面被覆部18の外表面18aと中間被覆部17の外表面17aとの交差部を角部Cとし、中間被覆部17の外表面17aと第1主面被覆部16の外表面16aとの交差部を角部Dとしている。
ストリーク抑制の効果から、本発明の被覆部15は、特にクロムメッキが好ましい。クロムメッキが厚いほど、ストリーク抑制効果が良好であり、特にその厚みが40μm以上の場合が顕著である。これは、クロムメッキの靭性としなりやすさが起因であると推測される。
被覆部15は、硬質クロムメッキの他に、例えば、ニッケルコバルト合金メッキやコバルトタングステン合金メッキ等により形成されてもよい。また、被覆部15は、無電解ニッケル−リンメッキを形成した後熱処理を行ってクロムメッキと同等の硬さを得る方法や、無電解ニッケル−ボロンや窒化ホウ素、炭化ケイ素、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ダイヤモンド等の硬質のセラミック材料を添加したメッキ浴からコンポジットメッキを行う方法により形成されてもよい。また、被覆部15は、例えば、イオンプレーティングや浴射、塗装等のメッキ以外の方法により形成されてもよい。
テーパ面被覆部18は、外表面18aがテーパ面11aと略平行になるように一定の厚さで形成されている。テーパ面被覆部18の外表面18aにおけるB−C間の長さは、400μm以上800μm以下に形成される。
コーターブレード母材11に対するテーパ面被覆部18の外表面18aの傾斜角度θ1は、10°以上45°以下、好ましくは20°以上40°以下、さらに好ましくは25°以上35°以下に形成される。このような範囲に傾斜角度θ1を規定したのは、傾斜角度θ1が10°未満に形成されると、ストリークが発生しやすくなり、傾斜角度θ1が45°よりも大きく形成されると、塗工面の品質が劣化しやすくなるためである。
テーパ面被覆部18の厚さd1が40μm未満に形成された場合、塗工速度の高速化および塗工液固形分の高濃度化によりテーパ面被覆部18が急速に摩耗して、コーターブレード母材11が早期に露出するおそれがある。これに対して、テーパ面被覆部18の厚さd1が135μmよりも厚く形成された場合、コーターブレード母材11のテーパ面11aに対応してテーパ面被覆部18の外表面18aを形成することが困難となり、外表面18aの平面度が悪化するおそれがある。これにより、ウエブ3に対する良好な塗工面感を維持できないおそれがある。さらに、必要以上にテーパ面被覆部18の厚さd1が厚いと、テーパ面被覆部18を形成する材料が多くなり高コストとなる。したがって、テーパ面被覆部18の厚さd1は、40μm以上135μm以下に形成される。なお、テーパ面被覆部18の厚さd1を種々変更してコーターブレード評価試験を行い、上記に示すテーパ面被覆部18の厚さd1の範囲が決定された。コーターブレード評価試験の結果については後述する。
第1主面被覆部16は、外表面16aが第1主面Uと略平行になるように一定の厚さで形成されている。第1主面被覆部16の厚さd2は、テーパ面被覆部18の厚さd1との関係において、加工のしやすさの観点から1.1≦d1/d2≦4.0が好ましく、1.2≦d1/d2≦3.2がさらに好ましい。
なお、後述するコーターブレード評価試験の結果から1.2≦d1/d2<3.2を満足するように決定するのがより好ましいことが確認できた。
第1主面被覆部16は、第1主面Uの先端側の一部にのみ形成されており、ウエブ3と摺接する範囲に対応した領域に第1主面被覆部16が形成される。
中間被覆部17は、テーパ面被覆部18に先立って塗工液7aの過剰分を掻き落とすために設けている。
中間被覆部17は、第1主面被覆部16とテーパ面被覆部18との間において、外表面17aが第1主面被覆部16およびテーパ面被覆部18と交差するように傾斜して形成されている。中間被覆部17の外表面17aにおけるC−D間の長さは、100μm以上500μm以下、好ましくは200μm以上400μm以下に形成される。また、中間被覆部17のC−D間の長さは、テーパ面被覆部18のB−C間の長さよりも短く形成されることが好ましい。これにより、ストリークの抑制と、塗工面の品質とのバランスが取れる。
このような範囲に傾斜角度θ2を規定したのは、傾斜角度θ2が5°未満に形成されると塗工面の品質が劣化しやすくなり、傾斜角度θ2が25°よりも大きく形成されるとストリークが発生しやすくなるためである。
また、傾斜角度θ1と傾斜角度θ2との角度差は、10°以上が好ましく、15°以上35°以下がさらに好ましい。
このような範囲に傾斜角度θ1と傾斜角度θ2との角度差を規定したのは、角度差が10°未満に形成されるとストリークが発生しやすくなり、角度差が35°よりも大きく形成されると塗工面の面質が劣化しやすくなるためである。
先端側面被覆部19は、ランド面19aがコーターブレード母材11の先端側面11bと略平行になるように形成されている。ランド面19aは、第2主面Lおよびテーパ面被覆部18の外表面18aと交差して形成されている。
先端側面被覆部19の厚さd3は、テーパ面被覆部18の厚さd1よりも薄く形成されており、好ましくは10μm以上70μm以下、さらに好ましくは15μm以上45μm以下に形成される。
このような範囲に先端側面被覆部19の厚さd3を規定したのは、先端側面被覆部19の厚さd3が10μm未満に形成されると早期にコーターブレード母材11が露出しやすくなり、先端側面被覆部19の厚さd3が70μmよりも大きく形成されるとストリークが発生しやすくなり、さらに高コストとなるためである。
また、先端側面被覆部19のランド面19aにおけるA−B間の長さは、テーパ面11aの長さやテーパ面被覆部18の外表面18aの傾斜角度θ1、テーパ面被覆部18の厚さd1等に応じて適宜設定される。
続いて、上述したコーターブレード1の製造方法について、図面を参照して説明する。
図4は、コーターブレード1の製造工程のフローチャートである。
図4に示すように、コーターブレード1の製造工程は、板部材準備工程S10と、テーパ面形成工程S20と、テーパ面被覆部形成工程S30と、第1主面被覆部形成工程S40と、中間被覆部形成工程S50と、仕上加工工程S60とを備えている。以下に、各工程について説明する。
板部材準備工程S10では、炭素工具鋼からなる板部材を準備する。板部材は、平面視略矩形状をしており、例えばプレス加工により形成される。
図5は、テーパ面形成工程S20の説明図である。
続いて、板部材を加工してコーターブレード母材11のテーパ面11aを形成するテーパ面形成工程S20を行う。
図5に示すように、テーパ面形成工程S20では,先端側面11bと第1主面Uとで形成される角部11cを切削加工することによりテーパ面11aを形成している。
図6は、テーパ面被覆部形成工程S30の説明図である。
続いて、被覆13を形成し、テーパ面被覆部18を形成するテーパ面被覆部形成工程S30を行う。
図6に示すように、テーパ面被覆部形成工程S30では、第1主面Uにおける後の刃先部10に対応する領域、テーパ面11aおよび先端側面11bを覆うように、クロムメッキの被覆13を形成している。
クロムメッキによる被覆13は、例えば電気メッキにより形成している。被覆13を形成しない領域(第1主面Uにおける刃先部10以外の領域および第2主面L)には、絶縁物を貼り付けるなどしてマスク処理を行い、電気メッキを行っている。
ここで、被覆13の厚さは、40μm以上135μm以下であって、テーパ面被覆部18の厚さd1に対応した厚さとなるように形成される。これにより、本工程以降に機械加工を行うことなくテーパ面被覆部18を厚さd1に形成できる。
図7は、第1主面被覆部形成工程S40の説明図である。
続いて、第1主面U上の被覆13aを加工し、第1主面被覆部16を形成する第1主面被覆部形成工程S40を行う。
図7に示すように、第1主面被覆部形成工程S40では、厚さd1の第1主面U上の被覆13aを研磨し、厚さd2の第1主面被覆部16を形成している。研磨により、精度よく第1主面被覆部16を形成できる。
図8は、中間被覆部形成工程S50の説明図である。
続いて、テーパ面被覆部18の外表面18aと第1主面被覆部16の外表面16aとで形成された角部13bを加工し、中間被覆部17を形成する中間被覆部形成工程S50を行う。
図8に示すように、中間被覆部形成工程S50では、角部13bを研磨し、コーターブレード母材11の第1主面Uに対して、外表面17aが所定の傾斜角度θ2を有する中間被覆部17を形成している。研磨により、精度よく中間被覆部17を形成できる。
最後に、先端側面被覆部19を形成し、さらに先端側面被覆部19のランド面19aとテーパ面被覆部18の外表面18aとの角部B、およびテーパ面被覆部18の外表面18aと中間被覆部17の外表面17aとの角部Cの丸面取りを行う仕上加工工程S60を行う。
仕上加工工程S60では、被覆13の先端部13cを研磨し、厚さd3を有する先端側面被覆部19を形成している。また、角部Bおよび角部Cを研磨し、先端側面被覆部19のランド面19aとテーパ面被覆部18の外表面18aとの間に曲面15aを形成し、テーパ面被覆部18の外表面18aと中間被覆部17の外表面17aとの間に曲面15bを形成している。
仕上加工工程S60が終了した時点で、コーターブレード形成工程が終了する。
刃先部10の被覆が薄すぎると、塗工速度の高速化および塗工液固形分の高濃度化により被覆が急速に摩耗して、コーターブレード母材11が早期に露出するおそれがある。しかし、本実施形態によれば、第1主面被覆部16の厚さは40μm以上と、十分厚く形成されている。これにより、塗工速度の高速化や塗工液固形分の高濃度化がされた場合でも、コーターブレード母材11が早期に露出するのを抑制できる。
また、刃先部10の被覆が厚く形成されていると、コーターブレード母材11の外形に対応して被覆の外表面を形成することが困難となり、被覆の外表面の平面度が悪化するおそれがある。これにより、ウエブ3に対する良好な塗工面感を維持できないおそれがある。しかし、本実施形態によれば、第1主面被覆部16の厚さは135μm以下に形成されているので、第1主面被覆部16が必要以上に厚く形成されることにより第1主面被覆部16の外表面の平面度が悪化するのを防止できる。
したがって、耐摩耗性に優れ、長期にわたって良好な塗工プロファイルおよび塗工面感を維持でき、ストリーク等の塗工欠陥の発生を抑制できるコーターブレード1を提供できる。
続いて、後述する実施例および比較例の様々なコーターブレードを作製して、コーターブレード評価試験を行った。以下に、作成した様々なコーターブレードを使用してウエブ3に塗工した際の、コーターブレード評価試験およびコーターブレード評価試験結果について説明する。
具体的には以下の条件でコーターブレード評価試験を行った。
コーターブレード評価試験で使用された塗工液7aの組成は下記のとおりであり、固形分濃度を62%に調整して塗工した。
(1)顔料
塗工液7aに含有される顔料は、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、備北粉化工業社製)を40重量部とし、微粒カリオンクレー(商品名:ハイドログロス90、ヒューバー社製)を60重量部とした。
(2)バインダー
塗工液7aに含有されるバインダーは、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:PA−5022、日本A&L社製)を8.0重量部とし、酸化澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ社製)を1.0重量部とした。
コーターブレード評価試験で使用されたウエブ3は紙基材であり、以下のように製造した。
原料パルプとして、LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)とNBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)とを80:20の質量割合で配合し、このパルプ(絶乾量)に対して、固形分で、内添サイズ剤(商品名:サイズパインNT−78、荒川化学工業社製)0.03質量%、カチオン化澱粉(商品名:王子コンスK、王子コーンスターチ社製)1.0質量%、および歩留向上剤(商品名:ポリテンション1001、荒川化学工業社製)0.02質量%をそれぞれ添加して5質量%のパルプスラリーを得た。
そして、抄紙機を用いてこのパルプスラリーから紙基材を抄造した。抄紙機は、ワイヤーパート、プレスパート、プレドライヤーパート、サイズプレスパート、アフタードライヤーパートを備えている。
1200m/minの抄速で、パルプスラリーをワイヤーパートにて抄紙した後、プレスパートおよびプレドライヤーパートに供して、坪量44g/m2のシートを製造した。次いで、サイズプレスパートにて、酸化澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ社製)を両面合計で0.5g/m2となるよう、シートの両面に下塗り塗工し、アフタードライヤーパートで乾燥させて、紙基材のウエブ3を得た。
以下の条件でウエブ3への塗工液7aの塗工を行った。なお、ウエブ3の両面に対して塗工を行っており、ウエブ3の一方側面に対して塗工液7aを塗工し乾燥した後、ウエブ3の他方側面に対して塗工液7aを塗工し乾燥した。
コーターブレード1を使用し、図1に示すように、1200m/minの塗工速度でウエブ3の一方側の塗工面3aに対して塗工液7aを塗工した。ウエブ3の塗工面3aには、10g/m2の塗工層が形成されるように塗工液7aを塗工した。塗工後、ウエブ3の乾燥は、赤外線方式でまず乾燥を行い、続いて熱風乾燥を行った。
ウエブ3の一方側面に塗工層を形成した後、ウエブ3の他方側の塗工面3aに対して同様に、1200m/minの塗工速度で塗工液7aを塗工し乾燥した。最後に、線圧150kN/m、速度800m/minの条件でカレンダー処理を行ってウエブ3の平坦化処理を施し、印刷用塗工紙を製造した。
図9は、コーターブレード評価試験の一覧表である。
上述した条件のもと、実施例および比較例のコーターブレード評価試験を行った。図9に示す各評価項目および各評価方法は以下のとおりである。
(a)ストリーク
ウエブ3への塗工長100000mあたりにおける、長さ70m以上のストリークの発生本数を、以下の評価基準づいて評価した。
◎:1本未満
○:1本以上3.5本未満
△:3.5本以上6本未満
×:6本以上
(b)寿命時間
コーターブレードの寿命時間を、以下の評価基準に基づいて評価した。コーターブレードの寿命時間とは、塗工面3aに光沢ムラが発生し、以降継続してコーターブレードを使用することができなくなったときの時間である。なお、比較例2における寿命時間「−」は、当初から光沢ムラが発生し、塗工面の品質に問題があるため、寿命時間の評価ができないことを示している。
◎:50時間以上であり、寿命時間に問題がないレベル
○:30時間以上、50時間未満であるため、コーターブレードの交換頻度が上がって塗工効率がわずかに低下するが、寿命時間に問題がないレベル
△:20時間以上、30時間未満であるため、コーターブレードの交換頻度が上がって多少塗工効率が低下するが、寿命時間に問題がないレベル
×:20時間未満であり、コーターブレードの交換頻度が上がって著しく塗工効率が低下するため、寿命時間に問題があるレベル
(c)塗工面感
塗工面感は、塗工直後の塗工面3aを目視で確認することにより行い、光沢ムラの程度により以下のように評価した。
◎:光沢ムラが発生しておらず、塗工面の品質に問題がないレベル
○:光沢ムラがわずかに発生したが、塗工面の品質に問題がないレベル
△:光沢ムラが多少発生したが、塗工面の品質に問題がないレベル
×:光沢ムラが発生し、塗工面の品質に問題があるレベル
上記の条件のもと、以下の各実施例のコーターブレード1を使用してウエブ3に塗工液7aを塗工した。また、各実施例の比較対象として、以下の各比較例のコーターブレードを使用してウエブ3に塗工液7aを塗工した。
炭素工具鋼からなる厚さ600μmのコーターブレード母材11の先端側に刃先部10を形成して、実施例および比較例のコーターブレードを形成した。
実施例および比較例のコーターブレードは、テーパ面被覆部18の厚さd1、第1主面被覆部16の厚さd2、テーパ面被覆部18の外表面18aの傾斜角度θ1、中間被覆部17の外表面17aの傾斜角度θ2、被覆部15の材質、およびR加工の有無を変化させて形成した。なお、図9の実施例および比較例はd1が小さい順に記載している。また、図9の一覧表における「R加工 有り」とは、曲面15aおよび曲面15bが形成されたことを表し、「R加工 無し」とは、曲面15aおよび曲面15bが形成されていないことを表している。
また、実施例および比較例のコーターブレードは、先端側面被覆部19の厚さd3を30μm、ランド面19aにおけるA−B間の長さを250μm、中間被覆部17の外表面17aにおけるC−D間の長さを200μmと一定にして形成した。
テーパ面被覆部18の厚さd1を45μmに、第1主面被覆部16の厚さd2を30μmに、テーパ面被覆部18の外表面18aの傾斜角度θ1を30°に、中間被覆部17の外表面17aの傾斜角度θ2を10°に変化させて形成した。また、被覆部15の材質をクロムに、R加工を有りに変化させて形成した。
テーパ面被覆部18の厚さd1を45μmに、第1主面被覆部16の厚さd2を30μmに、テーパ面被覆部18の外表面18aの傾斜角度θ1を30°に、中間被覆部17の外表面17aの傾斜角度θ2を10°に変化させて形成した。また、被覆部15の材質を、タングステンを主成分とするセラミックに、R加工を有りに変化させて形成した。
テーパ面被覆部18の厚さd1を60μmに、第1主面被覆部16の厚さd2を80μmに、テーパ面被覆部18の外表面18aの傾斜角度θ1を30°に、中間被覆部17の外表面17aの傾斜角度θ2を10°に変化させて形成した。また、被覆部15の材質をクロムに、R加工を有りに変化させて形成した。
テーパ面被覆部18の厚さd1を70μmに、第1主面被覆部16の厚さd2を50μmに、テーパ面被覆部18の外表面18aの傾斜角度θ1を30°に、中間被覆部17の外表面17aの傾斜角度θ2を10°に変化させて形成した。また、被覆部15の材質をクロムに、R加工を無しに変化させて形成した。
テーパ面被覆部18の厚さd1を70μmに、第1主面被覆部16の厚さd2を50μmに、テーパ面被覆部18の外表面18aの傾斜角度θ1を30°に、中間被覆部17の外表面17aの傾斜角度θ2を10°に変化させて形成した。また、被覆部15の材質をクロムに、R加工を有りに変化させて形成した。
テーパ面被覆部18の厚さd1を70μmに、第1主面被覆部16の厚さd2を60μmに、テーパ面被覆部18の外表面18aの傾斜角度θ1を30°に、中間被覆部17の外表面17aの傾斜角度θ2を10°に変化させて形成した。また、被覆部15の材質をクロムに、R加工を有りに変化させて形成した。
テーパ面被覆部18の厚さd1を70μmに、第1主面被覆部16の厚さd2を50μmに、テーパ面被覆部18の外表面18aの傾斜角度θ1を30°に、中間被覆部17の外表面17aの傾斜角度θ2を10°に変化させて形成した。また、被覆部15の材質を、タングステンを主成分とするセラミックに、R加工を有りに変化させて形成した。
テーパ面被覆部18の厚さd1を70μmに、第1主面被覆部16の厚さd2を50μmに、テーパ面被覆部18の外表面18aの傾斜角度θ1を40°に、中間被覆部17の外表面17aの傾斜角度θ2を15°に変化させて形成した。また、被覆部15の材質をクロムに、R加工を有りに変化させて形成した。
テーパ面被覆部18の厚さd1を70μmに、第1主面被覆部16の厚さd2を50μmに、テーパ面被覆部18の外表面18aの傾斜角度θ1を40°に、中間被覆部17の外表面17aの傾斜角度θ2を15°に変化させて形成した。また、被覆部15の材質を、タングステンを主成分とするセラミックに、R加工を有りに変化させて形成した。
テーパ面被覆部18の厚さd1を70μmに、第1主面被覆部16の厚さd2を50μmに、テーパ面被覆部18の外表面18aの傾斜角度θ1を25°に、中間被覆部17の外表面17aの傾斜角度θ2を15°に変化させて形成した。また、被覆部15の材質をクロムに、R加工を有りに変化させて形成した。
テーパ面被覆部18の厚さd1を80μmに、第1主面被覆部16の厚さd2を25μmに、テーパ面被覆部18の外表面18aの傾斜角度θ1を30°に、中間被覆部17の外表面17aの傾斜角度θ2を10°に変化させて形成した。また、被覆部15の材質をクロムに、R加工を有りに変化させて形成した。
テーパ面被覆部18の厚さd1を130μmに、第1主面被覆部16の厚さd2を100μmに、テーパ面被覆部18の外表面18aの傾斜角度θ1を30°に、中間被覆部17の外表面17aの傾斜角度θ2を10°に変化させて形成した。また、被覆部15の材質をクロムに、R加工を有りに変化させて形成した。
テーパ面被覆部18の厚さd1を35μmに、第1主面被覆部16の厚さd2を25μmに、テーパ面被覆部18の外表面18aの傾斜角度θ1を30°に、中間被覆部17の外表面17aの傾斜角度θ2を10°に変化させて形成した。また、被覆部15の材質をクロムに、R加工を有りに変化させて形成した。
テーパ面被覆部18の厚さd1を35μmに、第1主面被覆部16の厚さd2を25μmに、テーパ面被覆部18の外表面18aの傾斜角度θ1を30°に、中間被覆部17の外表面17aの傾斜角度θ2を10°に変化させて形成した。また、被覆部15の材質を、タングステンを主成分とするセラミックに、R加工を有りに変化させて形成した。
テーパ面被覆部18の厚さd1を140μmに、第1主面被覆部16の厚さd2を50μmに、テーパ面被覆部18の外表面18aの傾斜角度θ1を30°に、中間被覆部17の外表面17aの傾斜角度θ2を10°に変化させて形成した。また、被覆部15の材質をクロムに、R加工を有りに変化させて形成した。
図9に示すように、実施例4では、ストリークおよび塗工面感の各評価項目は◎となり、寿命時間の評価項目は○となった。したがって、実施例4が総合評価として最良であり、ベストモードであるといえる。
また、実施例1〜実施例10のコーターブレード1は、テーパ面被覆部18の厚さd1が40μm以上130μm以下に形成されている。このとき、ストリーク、寿命時間、塗工面感の各評価項目は△〜◎となっており、使用に問題がないレベルであるという結果が得られた。
これに対して、比較例1のコーターブレードは、コーターブレード評価試験を行った結果、コーターブレードの寿命時間が×となった。また、比較例2のコーターブレードは、コーターブレード評価試験を行った結果、塗工面感が×となった。
これに対して、比較例1のテーパ面被覆部18の厚さd1は、35μmと非常に薄く形成されているので、テーパ面被覆部18が急速に摩耗してコーターブレード母材11が早期に露出したと考えられる。これにより、比較例1において、コーターブレードの十分な寿命が確保できなかったと考えられる。
また、セラミックでテーパ面被覆部18が形成された比較例1´、実施例1´、実施例6および実施例7´は、いずれもストリークが発生しやすい。換言すれば、本願発明のように、厚みのあるクロムメッキでテーパ面被覆部18が形成されたコーターブレード1は、一般的に使用されているセラミックでテーパ面被覆部18が形成されたコーターブレードよりも、ストリークの向上効果が著しい。
これに対して、比較例2のテーパ面被覆部18の厚さd1は、140μmと非常に厚く形成されているので、コーターブレード母材11の外形に対応してテーパ面被覆部18の外表面18aを形成できず、テーパ面被覆部18の外表面18aの平面度が悪化していたと考えられる。これにより、比較例2において、良好な塗工面感が確保できなかったと考えられる。
これは、実施例4では、曲面15a,15bがウエブ3と摺接してウエブ3に塗工液7aを塗工できるので、摺接部分の圧力上昇に起因したストリークの発生や、塗工面感の悪化を抑制できたと考えられる。
クロムメッキによりテーパ面被覆部18および中間被覆部17を形成することで、実施例6のようにセラミックによりテーパ面被覆部18および中間被覆部17を形成した場合よりも、ストリークが著しく向上していることが読み取れる。
ところで、セラミックによりテーパ面被覆部18および中間被覆部17を形成する場合、例えば、セラミック粒子を溶射ガン等で吹き付けることで行われる。このとき、セラミックの被覆内には気孔(ボイド)が形成されるが、テーパ面被覆部18および中間被覆部17が磨耗して気孔が露呈すると、ストリーク発生および塗工面の面質劣化の要因となってしまう。
実施例5は、d1/d2=1.2となるように形成されており、このときの寿命時間の評価は○となった。
これに対して、実施例2では、d1/d2=0.8となるように形成されており、このときの寿命時間の評価は△となった。
また、実施例9では、d1/d2=3.2となるように形成されており、このときの寿命時間の評価は、実施例2と同様に△となった。
したがって、以上の評価試験結果から、1.2≦d1/d2<3.2を満足するように、テーパ面被覆部18の厚さd1および第1主面被覆部16の厚さd2を決定するのがより好ましいといえる。
実施例7では、傾斜角度θ1を40°に、傾斜角度θ2を15°に変化させた。また、実施例8では、傾斜角度θ1を25°に、傾斜角度θ2を15°に変化させた。実施例7および実施例8のストリーク、寿命時間、塗工面感の各評価試験結果は、傾斜角度θ1を30°に、傾斜角度θ2を10°に変化させた他の実施例(実施例1〜6、実施例9および10)と同様に良好な結果が得られた。
したがって、以上の評価試験結果から、傾斜角度θ1を25°以上40°以下とすることにより、また傾斜角度θ2を10°以上15°以下とすることにより、各評価項目で良好な結果が得られることが確認された。
本実施形態では、コーターブレード母材11の先端側面11bを覆う先端側面被覆部19を形成し、先端側面被覆部19の端面をランド面19aとした。しかし、例えば、先端側面被覆部19を形成せずに、コーターブレード母材11の先端側面11bをランド面19aとしてもよい。ただし、先端側面被覆部19の端面をランド面19aとすることで、コーターブレード母材11よりも硬度の高いクロムメッキがウエブ3に摺接するので、刃物部10の先端の形状を長期にわたって維持できる。したがって、ストリークの発生を防止でき、良好な塗工プロファイルおよび塗工面感を長期にわたって確保できる点で、本実施形態に優位性がある。
また、本実施形態ではランド面19aの下流側端部に角部Aを形成していたが、曲面15a、曲面15bおよび曲面15cに加えて角部Aに曲面を形成してもよい。これにより、角部A〜角部Dがウエブ3と摺接するのを防止できるので、ウエブ3の切欠を防止でき、より良好な塗工面感を有する印刷用塗工紙を形成できる。
Claims (4)
- ウエブの走行方向に厚みを有するコーターブレード母材と、
前記コーターブレード母材を覆う被覆部と、
を備え、前記ウエブと摺接し、前記ウエブに塗工液を塗工するコーターブレードであって、
前記コーターブレード母材は、
前記走行方向の上流側に配置される第1主面と、
前記走行方向の下流側に配置される第2主面と、
前記ウエブ側に配置される先端側面と、
前記第1主面と前記先端側面との角部を角面取りして形成されたテーパ面と、
を有し、
前記被覆部は、
前記第1主面を所定厚さで覆う第1主面被覆部と、
前記テーパ面を所定厚さで覆うテーパ面被覆部と、
前記第1主面被覆部の外表面と前記テーパ面被覆部の外表面との角部を角面取りして形成された中間被覆部と、
を有し、
前記テーパ面被覆部の厚さは40μm以上135μm以下に形成されていることを特徴とするコーターブレード。 - 請求項1に記載のコーターブレードであって、
前記コーターブレード母材の前記先端側面または前記先端側面を覆う先端側面被覆部の外表面をランド面として、
前記ランド面と前記テーパ面被覆部の外表面との角部、および前記テーパ面被覆部の外表面と前記中間被覆部の外表面との角部には、それぞれ丸面取りが施されていることを特徴とするコーターブレード。 - 請求項1または2に記載のコーターブレードであって、
前記被覆部は、クロムメッキにより形成されていることを特徴とするコーターブレード。 - ウエブの走行方向に厚みを有するコーターブレード母材と、
前記コーターブレード母材を覆う被覆部と、
を備え、前記ウエブと摺接し、前記ウエブに塗工液を塗工するコーターブレードの製造方法であって、
前記コーターブレード母材は、
前記走行方向の上流側に配置される第1主面と、
前記走行方向の下流側に配置される第2主面と、
前記ウエブ側に配置される先端側面と、
前記第1主面と前記先端側面との角部を角面取りして形成されたテーパ面と、
を有し、
コーターブレード形成工程は、
前記コーターブレード母材の前記テーパ面を形成するテーパ面形成工程と、
少なくとも前記第1主面および前記テーパ面に、厚さが40μm以上135μm以下の被覆を形成することで、前記テーパ面上にテーパ面被覆部を形成するテーパ面被覆部形成工程と、
前記第1主面上の前記被覆を加工し、前記第1主面上に第1主面被覆部を形成する第1主面被覆部形成工程と、
前記第1主面被覆部の外表面と前記テーパ面被覆部の外表面との角部を角面取りし、中間被覆部を形成する中間被覆部形成工程と、
を備えたことを特徴とするコーターブレードの製造方法。
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