JPH0647399U - フロークリンドクターブレード - Google Patents

フロークリンドクターブレード

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JPH0647399U
JPH0647399U JP8568292U JP8568292U JPH0647399U JP H0647399 U JPH0647399 U JP H0647399U JP 8568292 U JP8568292 U JP 8568292U JP 8568292 U JP8568292 U JP 8568292U JP H0647399 U JPH0647399 U JP H0647399U
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JP
Japan
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coating
doctor blade
backing roll
flow clean
blade
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Pending
Application number
JP8568292U
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English (en)
Inventor
広敏 野村
恵次 中山
久和 高岸
保志 北村
篤美 池田
Original Assignee
ノムラテクノリサーチ株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ゴム製のバッキングロールを痛めることなく、
炭素工具鋼やステンレス鋼の短寿命という問題点を解決
し、尚且つSK材に見られる発錆を防止できるようにし
たフロークリンドクターブレードを安価に提供する。 【構成】塗工用原紙に塗工液を塗布するためのブレード
コータの運転中にバッキングロールの表面の汚染原因と
なる塗工残液を連続的に除去するためのフロークリンド
クターブレードにおいて、少なくともバッキングロール
の表面に押し当てられる片側面の一部あるいはすべてに
クロムめっき被覆を施した。 【効果】フロークリンドクターブレードの耐蝕性、耐久
性が改善され、コーターブレードの連続操業時間を飛躍
的に延長でき、生産性の向上に大きく寄与できるという
効果がある。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ブレードコータにおいて、塗工用原紙の紙端部近傍からはみ出した 余剰の或いは該原紙を透過してゴム製バッキングロールの表面を汚染する有害な 塗工残液を連続的に除去し、常にそれを清浄な状態に保つためのドクターブレー ド、すなわち、フロークリンドクターブレード(水切りドクターブレード)に関 するものであり、例えば、塗工用原紙に塗工液を塗布して各種の印刷用紙、複写 用紙とするための塗工工程で利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
図1は塗工工程で使用されるブレードコータの概略構成を示している。図中、 1はバッキングロール、2は塗工用原紙、3はコーターブレード、4はフローク リンドクターブレード、5はアプリケーターロール、6は液溜器である。バッキ ングロール1に巻き付けられた塗工用原紙2には、アプリケーターロール5によ り液溜器6の塗工液が塗布されて、コーターブレード3により均一に塗布される 。このとき、塗工用原紙2の多孔性によって塗工液が塗工用原紙2を浸透し、バ ッキングロール1側に移行してバッキングロール1の表面を汚染することがある 。この塗工残液7は、フロークリンドクターブレード4により除去される。また 、塗工用原紙2の紙端部近傍からはみ出した余剰の塗工液も、フロークリンドク ターブレード4により除去される。ここで、バッキングロール1は、一般にゴム 硬度60〜80°のニトリルゴム巻きの鉄鋼製ロールが使用されており、周速5 00〜1300m/min.で矢印Rに示す方向に回転している。図2はフロー クリンドクターブレード4をバッキングロール1に押し当てた状態を示している 。図中、7は除去された塗工残液である。
【0003】 従来、フロークリンドクターブレードとしては、JIS−G−4401に規定 された炭素工具鋼、SK−4、SK−5が多用されている。その理由は、これら の素材がばね性を有することや、焼き入れ、調質することにより適度な硬さ(ビ ッカース硬さ;500〜550)とすることができ、それによってゴム製のバッ キングロールに損傷を与えることなく、耐磨耗性を付与できるからである。しか しながら、鋼材であるために使用中の発錆は避け難く、これがゴム製のバッキン グロールに付着し、ひいては塗工紙を汚染する原因となる。また、塗工液やバッ キングロールで連続的に擦られているために、寿命も20〜24時間と短く、短 時間での交換を余儀無くされているのが実状である。そこで、錆の影響を出来る だけ無くすためにステンレス材を利用することもあるが、SK−4、SK−5と 較べて寿命が極端に伸びる訳でも無く、寿命の割りには高価なものとなっている 。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は上述のような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ は、ゴム製のバッキングロールを痛めることなく、炭素工具鋼やステンレス鋼の 短寿命という問題点を解決し、尚且つSK材に見られる発錆を防止できるように したフロークリンドクターブレードを安価に提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上述べたSK−4、SK−5あるいはステンレス鋼製のフロークリンドクタ ーブレードの耐蝕性、耐久性を改善するために種々検討した結果、塗工液は無機 質成分として、クレー、炭酸カルシウム、焼成カオリン、タルク、チタン白、水 酸化アルミニウム、シリカ等を一種類から数種類含み、これに対して、水、澱粉 、或いはラテックス等を適量配合したものからなり、したがって、フロークリン ドクターブレードの磨耗は、主として上述の無機質成分との摺動によるものと考 えられ、また、その発錆は水を多量に含む塗工液と常時接触するために生じるこ とが判明した。
【0006】 フロークリンドクターブレードの寿命に至るまでの磨耗形態を詳細に調査する と、まず、図2に示すように、これから使用しようとする新品のフロークリンド クターブレード4に荷重Pを付与すると、初期には線圧(kg/cm)としてフ ロークリンドクターブレード4に一定荷重が掛かっていたものが、ある期間運転 すると、図3の如くフロークリンドクターブレード4の先端が次第に磨耗し、面 圧(kg/cm2 )に変化して行き、押し付け荷重が変化しない限り、それはど んどん低下して行く傾向にある。やがて、フロークリンドクターブレード4の長 さ(面長)方向において、磨耗によりある部分の面圧が不均一となり、除去すべ き塗工残液7へのダム性(堰き止め効果)が無くなってフロークリンドクターブ レードの反対側(裏側)に抜け出るようになり、寿命に至ることが分かった。
【0007】 したがって、バッキングロールの表面に付着する塗工残液に対して耐磨耗性と 耐蝕性があって、尚且つバッキングロールを損傷しない被覆材料を発見できれば 、従来からのフロークリンドクターブレードの難点、問題点を一挙に解決できる ことになる。
【0008】 本考案者等は、以上に鑑みてフロークリンドクターブレードに被覆できる材料 を種々検討するために、まず、バッキングロールを損傷しない被覆材料の発見に 努めた。そのために、幅100mm、長さ300mm、厚み20mmの鉄板の片 側表面に、ゴム硬度70°のニトリルゴムを被覆したものを準備し、当ニトリル ゴムに対する摩擦係数の調査を行った。摩擦係数の調査は、塗工液の無い状態と 塗工液を介した状態について行い、表1に示した結果を得た。なお、摩擦係数の 測定に当たって、条件を一定とするために、ニトリルゴムの表面粗さは0.8μ Rzとし、また、それぞれの被覆材料を施した試料の表面粗さを0.6〜0.8 μRzに調整した。
【0009】
【表1】
【0010】 また、それぞれの被覆材料の形成方法は、クロムめっき被覆と無電解ニッケル めっき被覆についてはめっき法、グレイアルミナ被覆とタングステンカーバイト 被覆については溶射法を用いた。さらに、塗工液については、次の組成のものを 使用した。
【0011】 塗工液の組成 1)クレー(アルミナ、炭酸カルシウム等) 9部 2)酸化チタン(チタン白) 1部 3)ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.03部 4)カゼイン 1部 5)ラテックス 1部 6)アンモニア水 0.01部 7)炭酸ナトリウム 0.01部 8)水 90部
【0012】 表1によると、塗工液が有る状態と無い状態とで結果が異なるが、塗工液の有 る状態、つまり、運転時の状態で摩擦係数の低い被覆材料は、クロムめっきであ ることが分かった。摩擦係数が小さいことは、摺動磨耗の低減に有利に働くと共 に、お互いに損傷し難いことを意味する。
【0013】 そこで、今度は、これらの被覆材料の耐磨耗性やバッキングロールへの影響を 評価すべく直径360mm、面長500mmの鉄鋼製ロールの表面に、硬度70 °のニトリルゴム(西武ゴムのブラックコートBC−21)を被覆して実際にテ スト用バッキングロールを製作した。なお、評価に供したフロークリンドクター ブレードは、幅45mm、長さ100mm、厚み0.4mmのSK−5製のもの を作製し、図4のごとくブレード4の先端より10mmまで評価しようとする被 覆材料8を被覆した。ただし、グレイアルミナやタングステンカーバイトのよう に溶射で形成するものにあっては、板厚dに該当する部分には、被覆することが 困難であるので、被膜を設けていない。被覆厚みは、めっきにするものは全て5 0μmとし、溶射によるものは150μm被覆した後、研磨して100μmとし た。テストコータでの耐磨耗性の評価は一定時間摺動後の磨耗体積の測定で、さ らにバッキングロールへの影響やドクターとしての性能評価は肉眼観察で行った が、試験の条件を次に示した。また、測定の結果を表2に示した。
【0014】 試験条件 1)バッキングロールの周速 1000m/min. 2)塗工液の組成 摩擦係数の測定に 用いたものと同じ。 3)塗工液の滴下量 2リットル/min. 4)フロークリンドクターブレード に付与した線圧 300g/cm 5)摺動時間 13時間
【0015】
【表2】
【0016】 表2において、タングステンカーバイトが良好な耐磨耗性を示すことが分かる が、一方で摩擦係数が大きいせいと考えられるが、バッキングロールの表面損傷 が大きく、そのためにドクター性能が低下し、裏抜けが始まっている。バッキン グロールへのダメージは、溶射法で形成したグレイアルミナにも見られ、結局の ところ、クロムめっき被覆したものが、耐磨耗性が高く、バッキングロールへの 損傷もなく、ドクター効果に最も優れていることを発見した。
【0017】
【作用】
以下、クロムめっき被覆した場合の耐久性向上の作用を、図5及び図6によっ て説明する。まず、図5は新品のクロムめっき被覆したフロークリンドクターブ レード4をバッキングロール1に押し当てた状態である。時間が経過すると、図 6のごとく被覆されたクロムめっきが磨耗して行くが、その速度は極めて緩慢で あり、コーナー部のクロムメッキが磨耗しても今度は、図4の板厚dに該当する 部分のクロムめっきがバッキングロールに当たるようになって素材の急激な磨減 が起こらないので、極めて長時間にわたって加圧力(線圧)の持続が可能となり 、ドクター効果を維持できることになる。しかも、塗工液と接触する部分は、ク ロムめっきで保護されているために、錆等の弊害が無い。
【0018】
【実施例】
幅43mm、長さ3,852mm、厚さ0.4mmのSK−5からなるフロー クリンドクターブレード2枚について、それぞれ先端より25mmまでの両面を クロムめっきにより30μm被覆した。これらクロムめっき被覆フロークリンド クターブレードを、周速800m/min.で運転されているバッキングロール に線圧95g/cmで押し当てて使用したところ1枚目は7日間(168時間) 、2枚目は6.2日間(148時間)使用することができた。ちなみに、クロム めっき被覆しないフロークリンドクターブレードでは、当コーターのバッキング ロールでの平均寿命は、約1日(23時間)であり、クロムめっき被覆フローク リンドクターブレードは、約7倍の寿命を示し、バッキングロールの損傷や、塗 工液と接触する部分には何等発錆も認められなかった。
【0019】 本考案において、最も効果的なクロムめっき被覆厚みは、5〜500μmの範 囲であり、好ましくは10〜100μmである。これよりも被覆厚みが少ないと 耐久性が得られず、厚過ぎると被覆面の粗化のみならず、被膜形成に長時間掛か るために不経済である。また、その被覆範囲は、フロークリンドクターブレード 素材の先端から少なくとも3mm以上、塗工液による発錆の影響を防止するため には、表裏共に10mm以上被覆されていることが望ましい。そして、被覆に利 用できるクロムめっき液は、通常使用されるもののいずれをも使用できる。また 、SK−4、SK−5からフロークリンドクターブレードのバッキングロールへ の初期接触部に、始めから僅かに面取りを施してからクロムめっき被覆すると、 バッキングロールへの接触がソフトタッチとなり、その損傷をより低減する効果 がある。フロークリンドクターブレードにステンレス材を使用し、同じようにク ロムめっき被覆すると耐久性が飛躍的に改善できるばかりか、クロムめっき被覆 されていない部分の発錆を完全に防止できる。図7(a)〜(h)にクロムめっ き被覆したフロークリンドクターブレードの被覆形態を示したが、これらはいず れも本考案の実施範囲に含まれるものである。
【0020】
【考案の効果】
本考案によれば、フロークリンドクターブレードの耐蝕性、耐久性が改善され 、コーターブレードの連続操業時間を飛躍的に延長できるので、フロークリンド クターブレードの交換時に発生する損紙の量を低減できるだけでなく、生産性の 向上に大きく寄与できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案が適用されるブレードコータの概略構成
図である。
【図2】従来のブレードの使用初期の状態を示す説明図
である。
【図3】従来のブレードの使用末期の状態を示す説明図
である。
【図4】本考案の試作段階で用いたテストブレードの断
面図である。
【図5】本考案のブレードの使用初期の状態を示す説明
図である。
【図6】本考案のブレードの使用末期の状態を示す説明
図である。
【図7】本考案のブレードの実施態様を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 バッキングロール 2 塗工用原紙 3 コーターブレード 4 フロークリンドクターブレード 5 アプリケーターロール 6 液溜器 7 塗工残液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 北村 保志 大阪府大阪市西淀川区姫島5丁目12番20号 ノムラテクノリサーチ株式会社内 (72)考案者 池田 篤美 大阪府大阪市西淀川区姫島5丁目12番20号 ノムラテクノリサーチ株式会社内

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗工用原紙に塗工液を塗布するための
    ブレードコータの運転中にバッキングロールの表面の汚
    染原因となる塗工残液を連続的に除去するためのフロー
    クリンドクターブレードにおいて、少なくともバッキン
    グロールの表面に押し当てられる片側面の一部あるいは
    すべてにクロムめっき被覆を施したフロークリンドクタ
    ーブレード。
  2. 【請求項2】 クロムめっき被覆されるフロークリン
    ドクターブレードは、厚さ0.1mm〜1.0mm、幅
    20〜100mm、長さ8,000mm迄の鋼材又はス
    テンレス鋼である請求項1記載のフロークリンドクター
    ブレード。
  3. 【請求項3】 クロムめっき被覆の厚みは、5〜50
    0μmの範囲である請求項1又は2に記載のフロークリ
    ンドクターブレード。
  4. 【請求項4】 バッキングロールへの初期接触部を面
    取りした請求項1又は2又は3に記載のフロークリンド
    クターブレード。
JP8568292U 1992-12-14 1992-12-14 フロークリンドクターブレード Pending JPH0647399U (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002266842A (ja) * 2001-03-06 2002-09-18 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 塗工用ロール
JP2013031821A (ja) * 2011-08-03 2013-02-14 Oji Holdings Corp コーターブレードおよびコーターブレードの製造方法

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