JP2747499B2 - 圧延機のロール表面手入れ方法 - Google Patents

圧延機のロール表面手入れ方法

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JP2747499B2
JP2747499B2 JP5226774A JP22677493A JP2747499B2 JP 2747499 B2 JP2747499 B2 JP 2747499B2 JP 5226774 A JP5226774 A JP 5226774A JP 22677493 A JP22677493 A JP 22677493A JP 2747499 B2 JP2747499 B2 JP 2747499B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼帯等の金属ストリッ
プを冷間圧延する圧延機のロール表面に付着した異物を
除去する圧延機のロール表面手入れ方法に関し、特に圧
延油や冷却水等の液体を使用しないドライ圧延における
圧延機のロール表面手入れ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼帯やステンレス鋼帯等の金属ストリッ
プ(以下代表して鋼帯という)を冷間圧延する際、ロー
ルの表面に異物が付着していると、バックアップロール
とワークロールのかみ合い位置で硬度の低いバックアッ
プロール側に異物が食い込み、さらにそれがワークロー
ルに転写され、被圧延材である鋼帯に表面疵が発生す
る。そこで、たとえば特開平4-52013号公報に記載され
ているように、薄い刃物状のドクタブレードをロール表
面に押し当てて付着した異物を機械的に除去する表面手
入れ装置を連続使用することが行われている。
【0003】図3はこの表面手入れ装置をワークロール
に使用している従来例の側断面図で、1は鋼帯、2はワ
ークロール、3はロール表面手入れ装置、31はブレード
ホルダ、32は回動軸、33はドクタブレード、34はブレー
ド押さえ、35はカウンタウエイトである。図のように、
ドクタブレード33は回動軸32により回動自在なブレード
ホルダ31にブレード押さえ34により取り付けられ、Gで
示した重心位置に作用する自重Wによる回動軸32回りの
モーメントでワークロール2の表面に押し当てられ、ロ
ールの回転により表面に付着した異物をそぎ落とすので
ある。押しつけ力Fは自重Wによるが、カウンタウエイ
ト35により調整できる。
【0004】このようなやり方は、圧延油やスキンパス
油、冷却水等を使用する圧延機においてはとくに問題が
ないが、これらの液体を使用しないドライ圧延の場合、
たとえばダル仕上げを行ういわゆるダルロールなどで
は、ロール表面に施された微小な凹凸によって鋼帯表面
から発生する鉄粉(以下「ダル粉」という)が異物と共
にロール表面に付着し、ドクタブレードを押し当てると
摩擦熱によって火花を発生することがある。火花の発生
した部分の鋼帯には筋模様が発生すると共に、火災の危
険もあった。このため、異物付着が認められた場合、圧
延を中断して手作業によりロール手入れを行う必要があ
り、この間圧延機は停止しており、生産性を阻害してい
る。
【0005】なお、前記特開平4-52013号公報には、微
小な異物がロールとドクタブレードの接触位置で噛み込
まれるとロール表面に筋状疵が発生することへの対策と
して、ドクタブレードをロール胴長方向に往復摺動させ
ることも記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解消し、ドライ圧延を行う圧延機のとくにバック
アップロール表面に付着した異物除去に好適な圧延機の
ロール表面手入れ方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属ストリッ
プを冷間圧延する圧延機のロール表面にカーボン繊維製
のドクターブレードを押し当ててロール表面に付着した
異物を除去する圧延機のロール表面手入れ装置を使用す
る圧延機のロール表面手入れ方法において、
【0008】圧延速度を検出して、80mpm 以下の低速時
のみ圧延機のロール表面にドクターブレードを押し当
て、それ以外のときは開放して使用しないことを特徴と
する圧延機のロール表面手入れ方法である。
【0009】
【作 用】ドクタブレードの材質としては従来、SK5
などの工具鋼が使用されていたが、摩擦熱によるトラブ
ルが多いことから、本発明ではこれを強度の高いカーボ
ン繊維製とし、刃先の厚みを薄くしてかつしなやかさを
増したことにより、摩擦熱の発生が減少し、噛み込みも
少なくなり微小な異物も極力そぎ落とせるようになっ
た。
【0010】また、ブライト(鏡面)ロールとダルロー
ルを比較すると、異物の付着しやすいのは圧倒的にダル
ロールであり、しかも異物の付着するタイミングはロー
ル交換後のわずかな期間であって、その後、ロールが馴
染んだ後はほとんど異物が付着しないことがわかった。
ロール交換直後は80mpm 以下程度の低速運転を行い、そ
の後加速して高速運転に入るのが通常であるが、この低
速運転の時期以外はドクタブレードを使用しないように
することで摩擦熱の発生を抑制し、しかも異物の除去は
十分に達成することができる。
【0011】
【実施例】本発明の一実施例を図1、図2により説明す
る。図1は本発明の圧延機のロール表面手入れ装置の斜
視図、図2は圧延機のロール構成図である。1は鋼帯、
2は圧延機のワークロール、2’はバックアップロー
ル、21はロールチョック、3はロール表面手入れ装置で
32は回動軸、33はドクタブレード、36は往復摺動用エア
シリンダ、37は押しつけ、開放用エアシリンダで、図3
に示した従来のロール表面手入れ装置と異なり、自重で
はなくシリンダの圧力によってロールに押しつける構造
となっている。
【0012】図2に示すような圧延機で鋼帯1を圧延す
るとき、特にダルロールによるドライ圧延の場合など
は、圧延によってロール表面の急峻な凹凸がすぐに鈍化
してしまうので、品質上頻繁にワークロールを交換しな
ければならない。新ロールに付着した異物や、圧延機内
にあった異物などがロール交換の際の振動等によって圧
延機内下部に落下して下バックアップロール表面に付着
し、これがワークロールや鋼帯に転写されて押し疵発生
となる。
【0013】そこで、ロール交換後低速運転の間は、本
発明のロール表面手入れ装置3を使用する。すなわち、
エアシリンダ37によりドクタブレード33を下バックアッ
プロール2’表面に押し当て、往復摺動用エアシリンダ
36を作動させてロール胴長方向に往復摺動させ、ドクタ
ブレード33によるすり疵発生を防止する。ライン速度が
80rpm以上となったら、摩擦熱により火花が発生して危
険となるのでエアシリンダ37によりドクタブレード33を
下バックアップロール2’から開放する。
【0014】なお、以上本発明のロール表面手入れ装置
を下バックアップロールに適用する場合について説明し
たが、本発明の対象は下バックアップロールに限定され
るものでないことはいうまでもない。ワークロールに設
置してもよいし、各ロールに並行して設置してもよい。
火花による筋疵発生トラブル頻度を、従来の鋼製ブレー
ドによるロール表面手入れ装置使用時を 100として比較
すると、ブレードの材質をカーボン繊維としたことによ
りおよそ40となり、さらに 80mpm以下の低速域のみの使
用としたことによって鋼製ブレードに比較すると 5〜6
程度にまで減少した。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、火花発生による筋模様
発生が前記のように低減するとともに、副次効果として
手作業によるロール手入れや圧延機停止時間が削減さ
れ、ロール交換周期が延長されるなどの多くのすぐれた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を示す斜視図である。
【図2】本発明に係わる圧延機のロール構成図である。
【図3】従来の技術を示す側断面図である。
【符号の説明】 1 鋼帯 2 ワークロール 2’ バックアップロール 21 ロールチョック 3 ロール表面手入れ装置 31 ブレードホルダ 32 回動軸 33 ドクタブレード 34 ブレード押さえ 35 カウンタウエイト 36 往復摺動用エアシリンダ 37 押しつけ、開放用エアシリンダ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属ストリップ(1)を冷間圧延する圧
    延機のロール(2)表面にカーボン繊維製のドクターブ
    レード(33)を押し当ててロール表面に付着した異物を
    除去する圧延機のロール表面手入れ装置(3)を使用す
    る圧延機のロール表面手入れ方法において、圧延速度を
    検出して、80mpm 以下の低速時のみ圧延機のロール表面
    にドクターブレードを押し当て、それ以外のときは開放
    して使用しないことを特徴とする圧延機のロール表面手
    入れ方法。
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JPH0780518A JPH0780518A (ja) 1995-03-28
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