JP2004249358A - ユニバーサルミルの水平ロール側面の研磨装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユニバーサルミルの水平ロール側面における焼付きや異物付着を、簡単な装置でかつオンラインでも効果的に除去することができ、ひいてはフランジ内面の掻疵や線状疵を有利に抑止することができる研磨装置を提案する。
【解決手段】ユニバーサルミルの水平ロール側面に研磨砥石を押し付けて研磨する研磨装置において、上記研磨砥石の押し付けを圧力可変のシリンダーにより行い、かつ、研磨装置全体をロールチョックの内面側に取り付けるか、または、上記シリンダーをロールチョックに内蔵したものとする。
【選択図】 図2
【解決手段】ユニバーサルミルの水平ロール側面に研磨砥石を押し付けて研磨する研磨装置において、上記研磨砥石の押し付けを圧力可変のシリンダーにより行い、かつ、研磨装置全体をロールチョックの内面側に取り付けるか、または、上記シリンダーをロールチョックに内蔵したものとする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユニバーサルミルの水平ロール側面の研磨装置に関し、具体的には、ユニバーサルミルにて圧延される形鋼のフランジ内面に発生する掻き疵等の発生を防止するのに有効な水平ロール側面の研磨装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
形鋼は、ユニバーサル圧延機(ミル)により熱間圧延して製造されるのが一般的である。例えば、フランジを有するH形鋼は、ウェブは、上下の水平ロールの円周面によって圧延され、一方、フランジは、左右の竪ロールの円周面と上記水平ロールの側面によって圧延されて製造される。
【0003】
この圧延時の水平ロール側面の回転速度とフランジの進行速度(圧延速度)とを比較すると、ロール側面の外周側の速度とフランジの進行速度とはほぼ一致しているが、それより中心側では、フランジの進行速度の方がロール速度より大きくなる。そのため、フランジ部分の圧延においては、フランジの内面と水平ロールの側面との間で滑りが生ずることになり、その滑り量は、水平ロールの中心側すなわちフランジ先端側ほど大きい。
【0004】
一方、上記フランジ部には、熱間圧延中に二次スケールが発生するが、上記滑りによって、水平ロールの側面に二次スケールが付着したりあるいは焼付きを起こしたりして、ロール側面と被圧延材との間の摩擦係数を大きくし、さらには、これがフランジ内面の掻き疵や線状疵を引き起こしたりする。特に、滑り量の大きいフランジ先端部での疵の発生は大きな問題となっている。
【0005】
また、形鋼の圧延においては、圧延材を噛込む際に、水平ロールのアール部やロール側面に焼付きが生じ易いという問題もある。このような焼付きが生じると、これにさらに酸化スケール等が付着し、よりロール表面と被圧延材との間の摩擦係数を大きくし、疵の程度を大きくし、場合によっては、製品不良を引き起こす。そのため、このような場合には、圧延ラインを長時間停止して、人力によりロール手入れを行わざるを得ず、生産能率の低下を引き起こしていた。
【0006】
これらの問題に対しては、例えば、水平ロール側面に圧延油を塗布することにより摩擦係数を低減する方法や、逆に、圧延を開始する前にロール側面を研磨して表面を粗し、中立点をフランジ先端側に移動させることにより被圧延材との滑りを抑える方法などの対策が講じられてきた。しかし、圧延油を塗布する方法は、確かに摩擦係数を低減し、線状疵を抑止するのに効果はあるが、逆に、圧延油が有する粘性のために酸化スケール等の異物が付着し易く、却って摩擦係数を増加させるという問題がある。また、中立点を移動させる方法も、その効果は小さく、逆に焼付きを助長することがあり、効果的な方法ではない。
【0007】
また、水平ロール側面にスケール掻取りブラシと油剤を含浸するワイパーを接触させ、物理的に焼付いたスケールを連続的に掻き出し、フランジ内面の掻疵を防止する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この方法も、ワイヤブラシ程度では、焼付きを除去するには限界がある。そこで、最近では、鉄板やバイトをロール側面にスプリング等で押し付けて焼付きを除去する方法が行われている。しかし、この方法も、焼付きのような大きな異物の除去には有効であるが、酸化スケール等細かい異物の付着に対しては不向きである。しかも、鉄板やバイトを強力に押し付けると、ロールに疵を付け、逆に製品への疵の転写を引き起こすという問題もある。
【0008】
さらに、形鋼圧延機にオンラインのロール研削装置を設置し、圧延ロールの円周面と側面の両面を研削できるようにした技術が特許文献2に開示されている。
【0009】
【特許文献1】実公昭51−008050号公報
【特許文献2】特開平08−300015号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2に記載された技術は、設備が大掛かりであり、狭い圧延機の内部に取り付けるにはスペース的に無理がある。また、この装置は、大きいだけでなく、1台の研磨装置で水平ロールの外周面と両側面を研磨するようにしているため、オンラインで研磨を行うには効果的でないという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、ユニバーサルミルの水平ロール側面における焼付きや異物付着を、簡単な装置でかつオンラインでも効果的に除去することができ、ひいてはフランジ内面の掻疵や線状疵を有利に抑止することができる水平ロール側面の研磨装置を提案することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、従来技術が抱える上記問題点を解消する方法、すなわち、ロール側面に疵を生ずることなく、小さな焼付きや異物付着をも除去することができ、かつ、上記作業を、ラインを停止しないでオンラインで可能とする装置について検討を行った。その結果、水平ロールの側面に研磨用砥石を圧力可変型のシリンダーで押し付ける研磨措置を用いることによって焼付きや異物付着を効率良く除去できること、さらに、上記研磨装置を水平ロール側面に対向するロールチョック、とくに水平ロール対向側面(ロール側)に取り付けるか、あるいは、この装置をロールチョック内部に配設することにより、オンラインでの研磨が可能となることを見出した。
【0013】
上記、知見に基づき完成させた本発明は、研磨砥石を水平ロール側面にシリンダーを介して押し付けることによりその側面を研磨する研磨装置が、前記水平ロール側面に対向するロールチョックに取り付けられていることを特徴とするユニバーサルミルの水平ロール側面の研磨装置である。
【0014】
また、本発明の研磨装置は、上記シリンダーが、水平ロール側面に対向するロールチョック内部に配設されていることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の研磨装置は、ユニバーサルミルの水平ロール側面に付着した焼付きや酸化スケール等の異物を、小さなものまで除去し、ロール側面と被圧延材との間の摩擦係数の増加を抑え、もって製品表面への線状疵や掻き疵等の発生を低減することを目的として開発したもので、小型であるため装置全体をロールチョックに取り付けるか、あるいはシリンダーをロールチョックに内蔵することができるので、オンラインでロールを回転させて研磨することができ、しかもロール幅の大小によらず砥石の位置を調整可能としたところに特徴がある。
【0016】
以下、本発明の装置について図面を用いて具体的に説明する。
図2は、本装置を水平ロール1の側面2に対向するロールチョック4の内面側(ロール側)に、直接取り付けた例である。研磨装置本体は、研磨用砥石5を保持した砥石ホルダー6と該ホルダーをロール側面に押し付けるシリンダー7とからなり、該シリンダー7は、伸縮可能でかつ加圧力を変えられるタイプのものである。そして、シリンダー7を作動させることにより、研磨砥石を水平ロール側面2に押し当てることができ、シリンダーの圧力も調整することができるので、ロール側面2に疵を付けることなく、焼付きや異物付着を除去することができる。また、この図2の研磨装置は、非常に小型であるため、ロールチョック4に直接取り付けることができ、例えば、JIS H400×400のように定尺物を圧延する場合には、水平ロールの幅が固定しているので好適に用いることができる。
【0017】
図3は、本発明の、他の実施形態を示したもので、研磨装置のシリンダー7を含む研磨機ユニット9をロールチョック4内に配設すると共に、固定ナット10、位置調整ネジ11を調整することにより、内蔵された研磨機ユニット9を水平ロール幅の変動に対応して移動できるようにした例である。また、図中の案内ロッド12は、研磨砥石がロールの回転によって回転したり振動したりするのを防止し、ロール側面2への密着性を高めるために設けたもので、必要に応じて設けることができる。
以上説明したような構造とすることにより、ロールチョックとロール側面との間には、基本的に砥石と砥石ホルダーとだけとなり、狭い空間でも設置を可能としている。
【0018】
本研磨装置を用いることにより、ロール側面の広範囲にわたって砥石を当てることができるので、押付けによってロール表面を疵付けることもなく、酸化スケール等の細かい異物まで有効に除去することができる。また、押付け圧を、シリンダーの圧力により調整できるので、大きな焼付きや異物を取り除く場合にも、研磨機の破損を伴わずに効率的に行うことができる。さらに、ロール表面の異物が少ないことから、圧延油を併用した場合には、その潤滑効果を最大限に引き出すことが可能となる。
【0019】
なお、本発明において用いる研磨用の砥石としては、セラミック砥石、CBN(六方晶窒化硼素)砥石等を用いることができる。また、砥石の大きさは、少なくともフランジに疵を発生させる焼付きや異物付着が発生し易いフランジ側面部分をカバーできる大きさである必要があり、好ましくは、接触面の大きさが40×180mm程度のものを用いるのがよい。また、砥石をロール側面に押付ける圧力は、小さすぎると焼付きや異物除去ができず、逆に、大き過ぎると、ロール側面が異常磨耗し、あるいは砥石の消耗が激しくなるので適正な圧力とする必要があり、0.2〜2.0MPaの範囲とするのが好ましい。
【0020】
【実施例】
図2に示した研磨装置を実圧延機に設置し、JIS H400×400のH形鋼の圧延に適用し、フランジ先端部に円弧状の線状疵が発生したときに、本装置を用いてオンラインで研磨を行った。このときの研磨条件は、研磨砥石は、セラミック砥石を用い、ロール回転速度を10〜30rpmの範囲とし、砥石の押付け面圧は0.7〜0.8MPaで行った。そして、研磨装置設置前のロール手入に要した所要時間すなわちライン停止時間を、研磨装置設置後と比較した。
【0021】
上記調査した結果を、図4に示した。この図は、ロール手入によるライン停止時間の稼働時間に対する比率の変化を示したものであるが、本発明の研磨装置を設置したことにより、ラインの停止時間を大幅に低減することができた。また、ロール手入を人力に頼る必要が無くなったことで、安全性も大きく向上した。さらに、本装置の設置により、ロール手入を容易にかつ何時でもできるので、線状疵の発生も大幅に低減することができた。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ユニバーサルミルの水平ロール側面に対し、砥石を適正な圧力で押し付けることが可能になる。その結果、ロール側面の焼付きや異物付着を、ロールに疵を付けることなくほぼ完全に除去することができ、ひいては、これらに起因したフランジ部の線状庇や掻き疵を有効に防止することができるから、製品歩留りの向上、品質の向上に大いに寄与する。また、本発明に係る装置は、ラインを停止することなくオンラインで研磨ができるので、人力によるロール手入を行う必要がなく、能率向上、安全性の向上に大いに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】フランジ部の疵の発生メカニズムを模式的に示す図である。
【図2】本発明の研磨装置をロールチョックに取り付けた例を示す図である。
【図3】本発明の研磨装置のシリンダーをロールチョックに内蔵した例を示す図である。
【図4】本発明の研磨装置を設置する前後のロール手入れ時間比率と不良率の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1.水平ロール
2.水平ロール側面
3.被圧延材(形鋼)
4.ロールチョック
5.砥石
6.砥石ホルダー
7.シリンダー
8.スプリング
9.研磨機ユニット
10.固定ナット
11.位置調整ネジ
12.案内ロッド
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユニバーサルミルの水平ロール側面の研磨装置に関し、具体的には、ユニバーサルミルにて圧延される形鋼のフランジ内面に発生する掻き疵等の発生を防止するのに有効な水平ロール側面の研磨装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
形鋼は、ユニバーサル圧延機(ミル)により熱間圧延して製造されるのが一般的である。例えば、フランジを有するH形鋼は、ウェブは、上下の水平ロールの円周面によって圧延され、一方、フランジは、左右の竪ロールの円周面と上記水平ロールの側面によって圧延されて製造される。
【0003】
この圧延時の水平ロール側面の回転速度とフランジの進行速度(圧延速度)とを比較すると、ロール側面の外周側の速度とフランジの進行速度とはほぼ一致しているが、それより中心側では、フランジの進行速度の方がロール速度より大きくなる。そのため、フランジ部分の圧延においては、フランジの内面と水平ロールの側面との間で滑りが生ずることになり、その滑り量は、水平ロールの中心側すなわちフランジ先端側ほど大きい。
【0004】
一方、上記フランジ部には、熱間圧延中に二次スケールが発生するが、上記滑りによって、水平ロールの側面に二次スケールが付着したりあるいは焼付きを起こしたりして、ロール側面と被圧延材との間の摩擦係数を大きくし、さらには、これがフランジ内面の掻き疵や線状疵を引き起こしたりする。特に、滑り量の大きいフランジ先端部での疵の発生は大きな問題となっている。
【0005】
また、形鋼の圧延においては、圧延材を噛込む際に、水平ロールのアール部やロール側面に焼付きが生じ易いという問題もある。このような焼付きが生じると、これにさらに酸化スケール等が付着し、よりロール表面と被圧延材との間の摩擦係数を大きくし、疵の程度を大きくし、場合によっては、製品不良を引き起こす。そのため、このような場合には、圧延ラインを長時間停止して、人力によりロール手入れを行わざるを得ず、生産能率の低下を引き起こしていた。
【0006】
これらの問題に対しては、例えば、水平ロール側面に圧延油を塗布することにより摩擦係数を低減する方法や、逆に、圧延を開始する前にロール側面を研磨して表面を粗し、中立点をフランジ先端側に移動させることにより被圧延材との滑りを抑える方法などの対策が講じられてきた。しかし、圧延油を塗布する方法は、確かに摩擦係数を低減し、線状疵を抑止するのに効果はあるが、逆に、圧延油が有する粘性のために酸化スケール等の異物が付着し易く、却って摩擦係数を増加させるという問題がある。また、中立点を移動させる方法も、その効果は小さく、逆に焼付きを助長することがあり、効果的な方法ではない。
【0007】
また、水平ロール側面にスケール掻取りブラシと油剤を含浸するワイパーを接触させ、物理的に焼付いたスケールを連続的に掻き出し、フランジ内面の掻疵を防止する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この方法も、ワイヤブラシ程度では、焼付きを除去するには限界がある。そこで、最近では、鉄板やバイトをロール側面にスプリング等で押し付けて焼付きを除去する方法が行われている。しかし、この方法も、焼付きのような大きな異物の除去には有効であるが、酸化スケール等細かい異物の付着に対しては不向きである。しかも、鉄板やバイトを強力に押し付けると、ロールに疵を付け、逆に製品への疵の転写を引き起こすという問題もある。
【0008】
さらに、形鋼圧延機にオンラインのロール研削装置を設置し、圧延ロールの円周面と側面の両面を研削できるようにした技術が特許文献2に開示されている。
【0009】
【特許文献1】実公昭51−008050号公報
【特許文献2】特開平08−300015号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2に記載された技術は、設備が大掛かりであり、狭い圧延機の内部に取り付けるにはスペース的に無理がある。また、この装置は、大きいだけでなく、1台の研磨装置で水平ロールの外周面と両側面を研磨するようにしているため、オンラインで研磨を行うには効果的でないという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、ユニバーサルミルの水平ロール側面における焼付きや異物付着を、簡単な装置でかつオンラインでも効果的に除去することができ、ひいてはフランジ内面の掻疵や線状疵を有利に抑止することができる水平ロール側面の研磨装置を提案することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、従来技術が抱える上記問題点を解消する方法、すなわち、ロール側面に疵を生ずることなく、小さな焼付きや異物付着をも除去することができ、かつ、上記作業を、ラインを停止しないでオンラインで可能とする装置について検討を行った。その結果、水平ロールの側面に研磨用砥石を圧力可変型のシリンダーで押し付ける研磨措置を用いることによって焼付きや異物付着を効率良く除去できること、さらに、上記研磨装置を水平ロール側面に対向するロールチョック、とくに水平ロール対向側面(ロール側)に取り付けるか、あるいは、この装置をロールチョック内部に配設することにより、オンラインでの研磨が可能となることを見出した。
【0013】
上記、知見に基づき完成させた本発明は、研磨砥石を水平ロール側面にシリンダーを介して押し付けることによりその側面を研磨する研磨装置が、前記水平ロール側面に対向するロールチョックに取り付けられていることを特徴とするユニバーサルミルの水平ロール側面の研磨装置である。
【0014】
また、本発明の研磨装置は、上記シリンダーが、水平ロール側面に対向するロールチョック内部に配設されていることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の研磨装置は、ユニバーサルミルの水平ロール側面に付着した焼付きや酸化スケール等の異物を、小さなものまで除去し、ロール側面と被圧延材との間の摩擦係数の増加を抑え、もって製品表面への線状疵や掻き疵等の発生を低減することを目的として開発したもので、小型であるため装置全体をロールチョックに取り付けるか、あるいはシリンダーをロールチョックに内蔵することができるので、オンラインでロールを回転させて研磨することができ、しかもロール幅の大小によらず砥石の位置を調整可能としたところに特徴がある。
【0016】
以下、本発明の装置について図面を用いて具体的に説明する。
図2は、本装置を水平ロール1の側面2に対向するロールチョック4の内面側(ロール側)に、直接取り付けた例である。研磨装置本体は、研磨用砥石5を保持した砥石ホルダー6と該ホルダーをロール側面に押し付けるシリンダー7とからなり、該シリンダー7は、伸縮可能でかつ加圧力を変えられるタイプのものである。そして、シリンダー7を作動させることにより、研磨砥石を水平ロール側面2に押し当てることができ、シリンダーの圧力も調整することができるので、ロール側面2に疵を付けることなく、焼付きや異物付着を除去することができる。また、この図2の研磨装置は、非常に小型であるため、ロールチョック4に直接取り付けることができ、例えば、JIS H400×400のように定尺物を圧延する場合には、水平ロールの幅が固定しているので好適に用いることができる。
【0017】
図3は、本発明の、他の実施形態を示したもので、研磨装置のシリンダー7を含む研磨機ユニット9をロールチョック4内に配設すると共に、固定ナット10、位置調整ネジ11を調整することにより、内蔵された研磨機ユニット9を水平ロール幅の変動に対応して移動できるようにした例である。また、図中の案内ロッド12は、研磨砥石がロールの回転によって回転したり振動したりするのを防止し、ロール側面2への密着性を高めるために設けたもので、必要に応じて設けることができる。
以上説明したような構造とすることにより、ロールチョックとロール側面との間には、基本的に砥石と砥石ホルダーとだけとなり、狭い空間でも設置を可能としている。
【0018】
本研磨装置を用いることにより、ロール側面の広範囲にわたって砥石を当てることができるので、押付けによってロール表面を疵付けることもなく、酸化スケール等の細かい異物まで有効に除去することができる。また、押付け圧を、シリンダーの圧力により調整できるので、大きな焼付きや異物を取り除く場合にも、研磨機の破損を伴わずに効率的に行うことができる。さらに、ロール表面の異物が少ないことから、圧延油を併用した場合には、その潤滑効果を最大限に引き出すことが可能となる。
【0019】
なお、本発明において用いる研磨用の砥石としては、セラミック砥石、CBN(六方晶窒化硼素)砥石等を用いることができる。また、砥石の大きさは、少なくともフランジに疵を発生させる焼付きや異物付着が発生し易いフランジ側面部分をカバーできる大きさである必要があり、好ましくは、接触面の大きさが40×180mm程度のものを用いるのがよい。また、砥石をロール側面に押付ける圧力は、小さすぎると焼付きや異物除去ができず、逆に、大き過ぎると、ロール側面が異常磨耗し、あるいは砥石の消耗が激しくなるので適正な圧力とする必要があり、0.2〜2.0MPaの範囲とするのが好ましい。
【0020】
【実施例】
図2に示した研磨装置を実圧延機に設置し、JIS H400×400のH形鋼の圧延に適用し、フランジ先端部に円弧状の線状疵が発生したときに、本装置を用いてオンラインで研磨を行った。このときの研磨条件は、研磨砥石は、セラミック砥石を用い、ロール回転速度を10〜30rpmの範囲とし、砥石の押付け面圧は0.7〜0.8MPaで行った。そして、研磨装置設置前のロール手入に要した所要時間すなわちライン停止時間を、研磨装置設置後と比較した。
【0021】
上記調査した結果を、図4に示した。この図は、ロール手入によるライン停止時間の稼働時間に対する比率の変化を示したものであるが、本発明の研磨装置を設置したことにより、ラインの停止時間を大幅に低減することができた。また、ロール手入を人力に頼る必要が無くなったことで、安全性も大きく向上した。さらに、本装置の設置により、ロール手入を容易にかつ何時でもできるので、線状疵の発生も大幅に低減することができた。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ユニバーサルミルの水平ロール側面に対し、砥石を適正な圧力で押し付けることが可能になる。その結果、ロール側面の焼付きや異物付着を、ロールに疵を付けることなくほぼ完全に除去することができ、ひいては、これらに起因したフランジ部の線状庇や掻き疵を有効に防止することができるから、製品歩留りの向上、品質の向上に大いに寄与する。また、本発明に係る装置は、ラインを停止することなくオンラインで研磨ができるので、人力によるロール手入を行う必要がなく、能率向上、安全性の向上に大いに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】フランジ部の疵の発生メカニズムを模式的に示す図である。
【図2】本発明の研磨装置をロールチョックに取り付けた例を示す図である。
【図3】本発明の研磨装置のシリンダーをロールチョックに内蔵した例を示す図である。
【図4】本発明の研磨装置を設置する前後のロール手入れ時間比率と不良率の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1.水平ロール
2.水平ロール側面
3.被圧延材(形鋼)
4.ロールチョック
5.砥石
6.砥石ホルダー
7.シリンダー
8.スプリング
9.研磨機ユニット
10.固定ナット
11.位置調整ネジ
12.案内ロッド
Claims (2)
- 研磨砥石を水平ロール側面にシリンダーを介して押し付けることによりその側面を研磨する研磨装置が、前記水平ロール側面に対向するロールチョックに取り付けられていることを特徴とするユニバーサルミルの水平ロール側面の研磨装置。
- 上記シリンダーが、水平ロール側面に対向するロールチョック内部に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の研磨装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003044775A JP2004249358A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | ユニバーサルミルの水平ロール側面の研磨装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003044775A JP2004249358A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | ユニバーサルミルの水平ロール側面の研磨装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004249358A true JP2004249358A (ja) | 2004-09-09 |
Family
ID=33027375
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003044775A Pending JP2004249358A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | ユニバーサルミルの水平ロール側面の研磨装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004249358A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015199157A (ja) * | 2014-04-07 | 2015-11-12 | Jfeスチール株式会社 | ロール孔型研磨装置 |
JP2019155487A (ja) * | 2018-03-07 | 2019-09-19 | 株式会社東京精密 | 研削盤 |
-
2003
- 2003-02-21 JP JP2003044775A patent/JP2004249358A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015199157A (ja) * | 2014-04-07 | 2015-11-12 | Jfeスチール株式会社 | ロール孔型研磨装置 |
JP2019155487A (ja) * | 2018-03-07 | 2019-09-19 | 株式会社東京精密 | 研削盤 |
JP7128635B2 (ja) | 2018-03-07 | 2022-08-31 | 株式会社東京精密 | 研削盤 |
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