JP2738632B2 - 乾式調質圧延における下ワークロール圧痕疵防止方法 - Google Patents

乾式調質圧延における下ワークロール圧痕疵防止方法

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JP2738632B2 JP5046796A JP4679693A JP2738632B2 JP 2738632 B2 JP2738632 B2 JP 2738632B2 JP 5046796 A JP5046796 A JP 5046796A JP 4679693 A JP4679693 A JP 4679693A JP 2738632 B2 JP2738632 B2 JP 2738632B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ぶりき、テインフリー
スチール用の表面処理用冷延鋼板の乾式調質圧延におけ
る下ワークロール圧痕疵防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ブライト材が主体であるぶりき
原板の調質圧延においては、光沢を出す必要から乾式調
質圧延が行われている。このような圧延装置のワークロ
ール組替時に、新ワークロール組入れ、圧下締込みを行
い、調質圧延作業を開始した直後に、下ワークロールに
疵が入ることが多い。これは、次の原因により発生する
ものが多い。ワークロール組替中に下バックアップロー
ル上に異物が落下する。この異物が下ワークロールと下
バックアップロールの接触・回転に伴ない、表面硬度の
低いバックアップロールに埋込まれる。そして下バック
アップロールの1回転ごとに異物の圧痕等が下ワークロ
ールに転写される。
【0003】湿式調質圧延の場合は、鋼板やロールにス
プレーされる調質液により異物が洗い流されるため、そ
の発生率が極めて低い。このことと対比すると、4段式
以上の圧延機を用いる乾式調質圧延を行う場合の特徴的
な欠陥発生傾向ともいえる。図2は以上のことを説明す
る図である。バックアップロール1,4、ワークロール
2,3からなる乾式調質圧延機のワークロール取替時
に、図2(a)に示すように、異物5が下バックアップ
ロール1に付着すると、図2(b)に示すようにバック
アップロール1が回転したとき、異物5による圧痕疵9
がワークロール2に生ずる。さらにバックアップロール
1が回転すると、図2(c)に示すように、圧痕疵9が
増加する。この圧痕疵9は冷延鋼板8に転写され、鋼板
8の品質を害する。
【0004】一度バックアップロール1に異物が埋込ま
れてしまうと、自然に異物が脱落することはほとんどな
く、そのままワークロールを交換しただけでは再度同一
のロールマークが発生する。すなわち、オペレータがこ
の異物を除去してやる必要がある。このため、オペレー
タがミル内に入り異物を除去するか、又は下バックアッ
プロールをミル内より引き出して異物除去作業を行わな
ければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】オペレータがミル内に
入って行う作業は安全上の問題があるし、下バックアッ
プロールをミル内より引き出してロールの手入れを行う
場合には、バッチミルではダウンタイムとなり稼動率の
低下となる。また、連続焼鈍ラインにインライン化され
た調質圧延機の場合は、その手入れ作業を完了するま
で、調質圧延を中止し、焼鈍のみしか行えないため、手
入れ作業の間に処理されたコイルは別工程で調質圧延を
行う必要が発生する。
【0006】本発明は、上記の安全上、品質上の問題
や、稼動率低下の問題又は連続焼鈍ラインにインライン
化された調質圧延後の調質圧延比率の低下の問題を解消
し、高生産性と高歩留りを達成するための生産技術を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のように下
バックアップロール駆動型の乾式調質圧延用スキンパス
ミルのワークロール組替中に、下バックアップロールに
落下した異物が圧延作業の開始とともに下バックロール
に埋込まれてしまうことを防止することに着眼してお
り、その技術手段は以下の通りである。
【0008】(1)新ワークロール組入れ後、圧下締込
み作業に先行して、下バックアップロールを180度す
なわち半回転させるシーケンスをワークロールの自動組
替に追加し、重力の作用により異物を下方に落下させて
しまう。 (2)異物に油分がある場合、その粘着作用により重力
のみでは自然落下しない場合もありうるので、圧下締込
み作業に先行して、押付け、開放が可能で下バックアッ
プロールの全幅に接触することが可能なスクレーパを押
付けて下バックアップロールを180度反回転さ、下バ
ックアップロール半回転後に、スクレーパを開放するシ
ーケンスをワークロールの自動組替シーケンスに追加す
る。
【0009】
【作用】下バックアップロールを180度半回転させる
と、ワークロール組入れ時に下バックアップロールに落
ちた異物が重力の作用により落下する。スクレーパを押
付けて下バックアップロールを半回転させると、落下し
にくい異物も容易に落下させることができる。
【0010】ここでスクレーパの押付けを下バックアッ
プロールの180度の半回転に限定しているのは、圧延
作業中常時このスクレーパを押付けていると、高速回転
のため、下バックアップロール表面に擦疵、筋状模様が
発生し、それが下ワークロールに転写することにより発
生する鋼板の外観欠陥を防止するためである。上記によ
り、ワークロール組入れ直後のロール疵発生を防止する
ことが可能となる。
【0011】
【実施例】図1(a)はワークロール2,3の組替後下
バックアップロール1の上面に異物5が落ちていること
を示すミルの断面図である。この状態のまま、ミルの圧
下締込み、調質圧延作業を行うと、下バックアップロー
ル上の異物5は下ワークロール2と下バックアップロー
ル1の接触部に噛み込んだとき下バックアップロール1
の面に埋込まれ、その後下バックアップロールが1回転
するたび下ワークロール2に圧痕疵を与える。
【0012】本発明では図1(b)に示す如く、圧下締
込み前に下バックアップロール1を180度回転させる
ため、下バックアップロール1上の異物5は重力によっ
て自然落下する。従って、下ワークロール2に圧痕疵を
与えない。また、異物に油分があり粘着効果によって自
然落下しない場合でも、図1(c)に示すように、下バ
ックアップロール1の入側に、スクレーパブレード6が
ロール1の全幅に接触し、押付/開放可能なスクレーパ
により異物を除去することが可能なため、下ワークロー
ル2に圧痕疵を与えない。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、乾式調質圧延機のワー
クロール組替後、圧下締込み前に下バックアップロール
上の異物を除去するようにしたので、オペレータがミル
内に入る必要がなく安全性が向上した。鋼板の表面欠陥
の発生を防止できるようになったので品質、歩留りが向
上した。連続焼鈍ラインにインライン化されたミルでは
調質圧延比率が向上し、工程の連続化メリットを最大限
に享受するという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念を示す説明図である。
【図2】従来のワークロール組替後、下ワークロールに
圧痕疵が入る状況を経時的に示した説明図である。
【符号の説明】
1、4 バックアップロール 2、3 ワー
クロール 5 異物 6 スクレ
ーパブレード 7 シリンダ 8 鋼板

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下バックアップロール駆動型の乾式調質
    圧延用スキンパスミルにおいて、ワークロール組入れ
    後、下バックアップロールを180度回転させた後、ミ
    ルの圧下締込みを行うことを特徴とする乾式調質圧延に
    おける下ワークロール圧痕疵防止方法。
  2. 【請求項2】 前記下バックアップロール表面を払拭し
    つつ180度回転させることを特徴とする請求項1記載
    の乾式調質圧延における下ワークロール圧痕疵防止方
    法。
JP5046796A 1993-03-08 1993-03-08 乾式調質圧延における下ワークロール圧痕疵防止方法 Expired - Fee Related JP2738632B2 (ja)

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