JP5227506B2 - Ndフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、ビデオカメラ或いはスチールカメラ等の撮影系に使用するのに適したNDフィルタに関するものである。
近年、ビデオカメラ、スチールカメラ等の光学機器において、撮像素子の感度が向上するに伴い、NDフィルタの濃度を濃くすることにより光の透過率をより低下させ、同じ被写界の明るさに対して絞りの開口をより大きくする工夫がなされている。
撮像素子の撮像面とNDフィルタとは平行に配置されるため、撮像面とNDフィルタの相互反射によってゴーストやフレアが発生してしまうことがある。また、NDフィルタの濃度が濃過ぎると絞り開口を小さくしてゆく過程で、NDフィルタが絞り開口部の全面を覆う直前に小絞りと同様な状態となり、回折現象が発生し解像度が低下する等の不具合が生ずる虞れがある。
特許文献1においては、2枚の絞り羽根にそれぞれ光軸中心から放射方向外側へ透過率が低下するようなNDフィルタを取り付けたことにより、解像度の低下を防止する方法が開示されている。
また、特許文献2においては、NDフィルタを逆V字状、又は円弧状となるように曲げて形成することにより、撮像面からの反射光を拡散させる方法が開示されている。
更に、特許文献3においては、NDフィルタの縁部に光軸に対して傾斜した面を設けることにより、そこを通過する光によって起こるフレアを防止する方法が開示されている。
また、従来のグラデーション領域を有するNDフィルタは、蒸着用マスクを用いて濃度勾配を有する蒸着膜を成膜した後に、ゴーストやフレアを防止するためにマスクを取り外し、最表層に均一な厚みを有する反射防止膜を成膜するため、成膜に時間が掛かりコストも高くなっている。
特開平8−43878号公報 特開平11−167140号公報 特開2004−138865号公報
しかしながら、特許文献1において開示された技術においては、透過率が段階的又は連続的に変化するNDフィルタを使用することが開示されているが、特性に関する具体的な値の開示がなく不明確である。
特許文献2において開示された技術では、NDフィルタの形状が逆V字状又は円弧状であるため、光学系スペースを占有する体積が大きくなってしまい、近年の小型・省スペース化に対応できない等の欠点を有している。このように、逆V字状又は円弧状となるように曲げて形成することにより、物理的に撮像面からの反射光を拡散させる方法を採用した単濃度のNDフィルタがある。しかし、それとは異なり濃度が段階的又は連続的に変化する領域を有するNDフィルタは、民生用ビデオカメラに用いられることが多く、常に絞り開口部を進退しているため、このような場合V字状や円弧状にすると他の部材と擦れることにより傷等が発生する可能性もあり、好ましい方法ではない。
また、特許文献3において開示された技術においては、使用される基材の厚みは最大でも0.2mm程度であり、金型による打ち抜き等で縁部に傾斜面を設けるのは、実際には極めて困難であるという問題がある。
本発明の目的は、上述の課題を解消し、絞り開口部へNDフィルタの端部が光路内に進入する際に生ずる回折現象やゴーストやフレア等の画像劣化を防止でき、安価に製造可能なNDフィルタを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係るNDフィルタの技術的特徴は、透明基材上に金属蒸着膜及び酸化金属蒸着膜のうちの少なくとも何れか一方と誘電体蒸着膜を積層してND膜を成膜し、光量絞り装置の絞り開口部に挿入するNDフィルタにおいて、前記透明基材の少なくとも一方の面に成膜したND膜について、膜厚を連続的に変化することにより濃度が連続的に変化するグラデーション領域を少なくとも1つ形成し、前記光量絞り装置の絞り開口部に進入する側となる前記透明基板の端部に達するまで延設された前記グラデーション領域において前記端部の濃度が最も薄くなるように前記グラデーション領域の濃度を連続的に変化させ、前記グラデーション領域が延設された前記透明基板の端部において前記濃度を0.15以上とし、かつ波長550nmの光の反射率を3%以下としたことにある。
本発明に係るNDフィルタによれば、NDフィルタの形状を変形させることなく、ND膜による対応で解決できるため、製造が容易でかつ占有する体積がコンパクトとなり、低いコストで小型・省スペース化を実現することができる。また、特に緑色のフレアの発生を防止することにより、画質の向上を図ることができる。
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は撮影光学系の構成図を示し、レンズ1、光量絞り装置2、レンズ3、4、5、ローパスフィルタ6、CCD等から成る固体撮像素子7が順次に配列されている。光量絞り装置2においては、絞り羽根支持板8に一対の絞り羽根9a、9bが可動に取り付けられている。絞り羽根9aには、絞り羽根9a、9bにより形成される略菱形形状の開口部を通過する光量を減光するためのNDフィルタ10が接着されている。
図2はNDフィルタ10を製造するための真空蒸着機のチャンバの構成図を示している。チャンバ11内には、蒸着源12、回転可能な蒸着傘13が設けられ、この蒸着傘13には基板治具14が配置されている。図3は基板治具14の拡大断面図を示しており、この基板治具14にはNDフィルタ10の基板となる透明基板15が取り付けられ、蒸着傘13と共にZ軸を中心に回転し成膜が行われる。
本実施例においては、基板15の温度は100〜130℃の範囲で設定し、真空度は1.0×10-3〜8.0×10-4Paの範囲の環境下で成膜を行い、チャンバ11は蒸着源12から基板15までの距離が950mmのものを使用する。
また、基板15の基材としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、TAC(トリアセテート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)や光学用フィルムとして知られているZEONOR(株式会社オプティス製:商品名)やARTON(JSR製:商品名)等を使用する。一般に、基板15の板厚は、通常50〜100μmの範囲のものを使用する。
本実施例では、図4に示すように反射率特性が異なる板厚100μmのPET、板厚100μmのPC、板厚100μmのZEONOR、板厚100μmのARTONの4種類の基15を使用している。
基板15上に薄膜を成膜する方法に関しては、真空蒸着法、スパッタリング法、EB法、IAD法、IBS法、クラスタ蒸着法、インクジェットプリンティング法等の様々な方法がある。本実施例では、膜厚を比較的に容易に制御でき、かつ可視波長域の光の散乱が非常に小さいND膜を成膜することが可能な真空蒸着法により成膜している。
図5は本実施例におけるNDフィルタ10のND膜21の膜構成図を示しており、基板15に誘電体膜としてAl23膜22と、光を減衰させる金属酸化膜としてTixOy膜23を交互に積層し、空気と接する最表層に金属の酸化を防止する効果と反射防止効果とを有するMgF2膜24を積層している。
一般に、NDフィルタ10のND膜21には、光を吸収する金属膜又は金属酸化膜と誘電体膜等との複数層から構成されている。この光を吸収させる金属膜又は金属酸化膜としては、Ti、Tb、Nb、Ta、Y、Zn、Zrや、これらを酸化させた材料が用いられ、本実施例においてはTixOyを用いている。また、誘電体膜としては、Al23、SiO2、MgF2から選択された材料が用いられるが、本実施例においてはAl23が用いられている。
このような膜構成とすることにより、透過率の平坦性に優れ反射率が低反射な光学特性を実現できる。なお、透過率の平坦性は波長400〜700nmの範囲における透過率の最大値Tmaxから最小値Tminを引いた差を、波長550nmの透過率T550nmで除算した商として求める。
図6(a)はNDフィルタ10の平面図、(b)は断面図を示しており、濃度0.1である端部から均一な濃度1.0を有する均一濃度領域に至るまで、徐々に変化するグラデーション領域が4.5mmの長さとなるように成膜している。なお、濃度Dは透過率TからD=log10(1/T)で求めた値である。
図7は濃度0.2の端部から濃度1.0の均一濃度領域に至るまで、徐々に変化する領域を4.5mmの長さとしたグラデーション領域を有するNDフィルタ10の平面図である。図8は濃度0.3の端部から濃度1.0の均一濃度領域に至るまで、徐々に変化するグラデーション領域を4.5mmの長さとしたグラデーションND10の平面図である。
この仕様において、端部近傍の濃度勾配は端部から0.5mm離れるごとに濃度が概ね濃度0.1ずつ増加するようになっている。基板15に成膜されるND膜21の膜厚を連続的に変化させるために、基板15に対して所定の位置に蒸着用マスクを設置して蒸着を行う公知の手法を用いている。最表層のMgF2膜24もこの蒸着用マスクを設置したまま蒸着を行い、Al23膜22及びTixOy膜23と同様な比率の膜厚分布を有している。ND膜21の膜厚勾配が急になるほど、グラデーション領域を有するNDフィルタ10全域での膜厚分布差が大きくなり、絞り開口部に進入する端部のMgF2膜24が薄くなり反射率が高くなる傾向がある。
しかし、図6〜図8に示すようにグラデーション領域の長さが4.5mm程度あればその影響は殆どない。また、最表層のMgF2膜24の膜厚は厚過ぎてもクラックの発生や、均一濃度領域での反射率の増加等の問題が生ずる。そのため、MgF2膜24の膜厚をそのような問題を発生しないよう制御可能な範囲で変え、端部の反射率が最小又は所定の値以下になるように制御している。
本実施例においては、NDフィルタ10の形状そのものには複雑な加工を行うことなく、NDフィルタ10の反射率特性を低反射にし、その反射率範囲を特定することでフレアの発生を防止する。また、反射防止機能を有する最表層まで同一の蒸着用マスクを用いて蒸着を行うことにより、従来の蒸着用マスクを取り外して別途反射防止膜を蒸着していた場合と比較して大幅に成膜工程を簡素化でき、短時間で製造可能となり、コストを削減することができる。
図9は基板15の基材にPETを用いたグラデーション領域を有する4枚の異なる濃度のNDフィルタ10の反射特性図を示している。図6に示す端部が濃度0.1のNDフィルタ10では、透過率79.4%となる領域が最初に絞り開口部に進入する。最表層の膜厚を上述の問題を発生しない範囲で最も厚くすることにより、ND膜21が成膜された側の端部の反射率を波長550nmの光で4%、波長700nmの光で約6%まで低減することができる。しかし、このNDフィルタ10は絞り開口部にNDフィルタ10の端部が進入した時に緑色のフレアを発生してしまった。
図7に示す端部が濃度0.2のNDフィルタ10では、透過率63.1%となる領域が最初に絞り開口部に進入する。最表層の膜厚を調整することにより、ND膜21が成膜された側の端部の反射率を、波長550nmの光で約2%まで低減することができた。このNDフィルタ10は、絞り開口部にNDフィルタ10の端部が進入した時にもフレアを発生しない。
図8に示す濃度を有するNDフィルタ10では、透過率50.1%となる領域が最初に絞り開口部に進入する。最表層の膜厚を調整することにより、ND膜21が成膜された側の端部の反射率を波長550nmの光で1.0%まで低減することができた。このNDフィルタ10は、絞り開口部にNDフィルタ10の端部が進入した時にもフレアを発生しない。
なお、図6と図7の中間の濃度として、PET基板上に端部が濃度0.15の濃度のND膜21を形成した場合には、最表層の膜厚を調整することにより、端部の反射率は波長550nmの光で2.6%に抑えることができた。このNDフィルタ10はフレアを発生しない。この結果から分るように、基板15の基材にPETを用いたNDフィルタ10においては、波長550nmの反射率が2.6%以下であればフレアは発生することはない。また、概ね3%以下の反射率とすることが必要であることがわかる。
しかし、NDフィルタ10の端部が濃度0.1のように薄いと、光吸収膜の役割をしている金属膜の膜厚も薄くなり、光の吸収よりも反射により透過率を減衰させるため、基材自身の反射率を蒸着膜の構成を工夫することでは十分に抑制することができなくなり、反射率は必然的に高くなってしまう。
更に、端部の濃度を濃度0のように透明近くまで薄くしてしまうと、基板15そのものの反射率と同等となり、図4に示す基材そのものの反射率特性図に示すように、可視光全域で10%弱の高反射率となってしまう。
従って、グラデーション領域を有するNDフィルタ10の端部近傍は、或る程度の濃度が必要である。しかし、逆に反射率を抑制するために端部の濃度を濃くし過ぎてしまうと、絞り羽根の端部にグラデーション領域を有するNDフィルタ10の端部が接近したとき小絞りと同じ状況を起こし、光の回折による画像劣化が発生する。このことから端部の近傍の濃度を濃度0.3以下に抑えることが必要である。また、濃度勾配を急激にし過ぎても同様のことが起こるため、上述したように端部から0.5mm離れても、濃度の増加が0.1以内であるように濃度勾配を制限する必要がある。
図10は基板15の基材にPCを用いたグラデーション領域を有する3枚の異なる濃度のNDフィルタ10の端部の反射特性図を示している。図9に示すPETを用いた場合と同様に、図6に示す端部が濃度0.1のNDフィルタ10では、最表層の膜厚を上述の問題の発生しない範囲で最も厚くして、ND膜21が成膜された側の反射率を波長550nmの光で3.1%、波長700nmの光で6%まで低減することができた。しかし、絞り開口部にNDフィルタ10の端部が進入した際に、僅かにフレアが発生してしまった。
図7に示す端部が濃度0.2のNDフィルタ10では、ND膜21が成膜された側の端部の反射率を波長550nmの光で1.5%まで低減することができ、絞り開口部にNDフィルタ10の端部が進入した際においてもフレアは発生することはない。
図8に示す端部が濃度0.3のNDフィルタ10では、ND膜21が成膜された側の端部の反射率を波長550nmの光で1.0%まで低減することができ、絞り開口部にNDフィルタ10の端部が進入した際においてもフレアは発生することはない。
図11は基板15の基材にZEONORを用いたグラデーション領域を有する3枚の異なる濃度のNDフィルタ10の端部の反射特性図を示している。図6に示す端部が濃度0.1のNDフィルタ10では、最表層の膜厚を上述の問題の発生しない範囲で最も厚くして、ND膜21が成膜された側の端部の反射率を波長550nmの光で4%、波長700nmの光で6%まで低減することができた。しかし、絞り開口部にNDフィルタ10の端部が進入した際に緑色のフレアを発生してしまった。
図7に示す端部が濃度0.2のNDフィルタ10では、ND膜21が成膜された側の端部の反射率を波長550nmの光で1.5%まで低減することができ、絞り開口部にNDフィルタ10の端部が進入した際においてもフレアは発生しない。
図8に示す端部が濃度0.3のNDフィルタ10では、ND膜21が成膜された側の端部の反射率を波長550nmの光で1.0%まで低減することができ、絞り開口部にNDフィルタ10の端部が進入した際においてもフレアは発生しない。
図12は基板15の基材にARTONを用いたグラデーション領域を有する3枚の異なる濃度のNDフィルタ10の反射特性図を示している。図6に示す端部が濃度0.1のNDフィルタ10では、ND膜21が成膜された側の端部の反射率を波長550nmの光で4.5%、波長700nmの光で7%まで低減することができるが、絞り開口部にNDフィルタ10の端部が進入した際に、緑色のフレアが発生してしまう。
図7に示す端部が濃度0.2のNDフィルタ10では、ND膜21が成膜された側の端部の反射率を波長550nmの光で2%まで低減することができ、絞り開口部にNDフィルタ10の端部が進入した際においてもフレアは発生しない。
図8に示す端部が濃度0.3のNDフィルタ10では、ND膜21が成膜された側の端部の反射率を波長550nmの光で1.5%まで低減することができ、絞り開口部へNDフィルタ10の端部が進入した際においてもフレアは発生しない。
このような結果から、基板15の基材の種類によらず、端部の濃度が濃度0.1のグラデーション領域を有するNDフィルタ10においては、最表層のMgF2膜24の膜厚を上述の問題を発生させずに制御できる範囲では、ND膜21を成膜した側の端部の反射率を3%以下に抑制することができず最良でも3.1%であり、僅かではあるがフレアが発生してしまう。このことから、反射率を3%に抑制することが目安となる。また、ND膜21の蒸着材料や構成によっても反射率と濃度の関係は変化するが、如何なる膜においても、濃度0.1の濃度では反射率を3%以下に抑えることは困難である。
また図9に示すように、端部の濃度が濃度0.15のグラデーション領域を有するNDフィルタ10においては、波長550nmの光での反射率を2.6%に抑制することができ、フレアは発生しない。
このことから、グラデーション領域を有するNDフィルタ10の端部近傍の濃度を濃度0.15〜0.3として、かつ波長550nmの光での反射率を3%以下に抑制するように、最表層のMgF2膜24の膜厚を制御することで、絞り開口部にNDフィルタ10の端部が進入した際のフレア現象を防止できる。また、小絞り状態に類似した回折による画質の劣化も防止することができる。
なお、基板15の両面にND膜21を成膜し、両方のND膜21の効果により所望の光減衰特性を得ることもできる。ND膜21が基板15の片面にしか成膜されていない場合でも、撮像素子と対向するND膜21の成膜された側の反射率が、フレア等の発生に影響する度合いが非常に大きい。そのため、ND膜21が成膜されていない面にも反射防止膜を成膜するか否かに拘わらず、ND膜21を成膜した面の反射率を3%以下に抑制するように、MgF2膜24の膜厚を制御する必要がある。
また、環境安定性を調べるために、上述のグラデーション領域を有するNDフィルタ10に成膜後の熱処理を行った後に、温度60℃、湿度90%で240時間の条件における放置試験を行い、試験前後での透過率を測定すると、その差が0.2%以下と殆ど差は見られなかった。一方、熱処理を行わないものを同様な環境試験を行い、試験前後での透過率を測定すると透過率が2%前後増加していた。
このような現象が起きる要因としては、真空蒸着時の基板温度が低いことが挙げられる。膜の封止密度は成膜時の基板15の温度が大きく影響し、温度が低いと封止密度が低くなり、水分・酸素等を透過し易く、そのため光吸収膜であるTixOy膜23自体の酸化が促進され、これに加えて、保護するAl23膜22等の誘電体膜の保護効果が少ないために、透過率が上昇するものと考えられる。このような熱処理を行うことにより、環境安定性が向上するのは、エージング効果であると考えられる。
なお本実施例においては、均一濃度部の濃度を濃度1.0としたこと及びグラデーション領域の長さを4.5mmとしたが、それは1つの例であって、これに限定されるものではない。また、光量絞り装置の絞り開口部に進入する先端部は一直線に形成することが一般的であるが、曲線又は複数の直線で表される形状等に変更してもよい。
撮影光学系の構成図である。 チャンバの構成図である。 基板治具の拡大断面図である。 基材の反射率特性図である。 NDフィルタの膜構成である。 グラデーション領域を有するNDフィルタの平面図と断面図である。 グラデーション領域を有するNDフィルタの平面図である。 グラデーション領域を有するNDフィルタの平面図である。 PET基板を用いたグラデーション領域を有するNDフィルタの端部近傍における反射率特性図である。 PC基板を用いたグラデーション領域を有するNDフィルタの端部近傍における反射率特性図である。 ZEONOR基板を用いたグラデーション領域を有するNDフィルタの端部近傍における反射率特性図である。 ARTON基板を用いたグラデーション領域を有するNDフィルタの端部近傍における反射率特性図である。
符号の説明
1、3、4、5 レンズ
2 光量絞り装置
6 ローパスフィルタ
7 固体撮像素子
8 絞り羽根支持板
9 絞り羽根
10 NDフィルタ
11 チャンバ
12 蒸着源
13 蒸着傘
14 基板治具
15 基板
21 ND膜
22 Al23
23 TixOy膜
24 MgF2

Claims (4)

  1. 透明基材上に金属蒸着膜及び酸化金属蒸着膜のうちの少なくとも何れか一方と誘電体蒸着膜を積層してND膜を成膜し、光量絞り装置の絞り開口部に挿入するNDフィルタにおいて、前記透明基材の少なくとも一方の面に成膜したND膜について、膜厚を連続的に変化することにより濃度が連続的に変化するグラデーション領域を少なくとも1つ形成し、前記光量絞り装置の絞り開口部に進入する側となる前記透明基板の端部に達するまで延設された前記グラデーション領域において前記端部の濃度が最も薄くなるように前記グラデーション領域の濃度を連続的に変化させ、前記グラデーション領域が延設された前記透明基板の端部において前記濃度を0.15以上とし、かつ波長550nmの光の反射率を3%以下としたことを特徴とするNDフィルタ。
  2. 前記端部近傍において前記濃度を0.15〜0.3とし、波長550nmの光の反射率を2.6%以下としたことを特徴とする請求項1に記載のNDフィルタ。
  3. 前記端部から0.5mmの範囲は濃度0.1以下の濃度変化を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のNDフィルタ。
  4. 絞り羽根を有する光量絞り装置において、請求項1〜3の何れか1つの請求項に記載のNDフィルタを絞り羽根の近傍に配置したことを特徴とする光量絞り装置。
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