JP2007233345A - Ndフィルタ - Google Patents

Ndフィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP2007233345A
JP2007233345A JP2007001180A JP2007001180A JP2007233345A JP 2007233345 A JP2007233345 A JP 2007233345A JP 2007001180 A JP2007001180 A JP 2007001180A JP 2007001180 A JP2007001180 A JP 2007001180A JP 2007233345 A JP2007233345 A JP 2007233345A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
reflected light
filter
light
multilayer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007001180A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4981456B2 (ja
JP2007233345A5 (ja
Inventor
Susumu Abe
進 阿部
Sayoko Amano
佐代子 天野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2007001180A priority Critical patent/JP4981456B2/ja
Priority to US11/669,499 priority patent/US7710670B2/en
Publication of JP2007233345A publication Critical patent/JP2007233345A/ja
Publication of JP2007233345A5 publication Critical patent/JP2007233345A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4981456B2 publication Critical patent/JP4981456B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/20Filters
    • G02B5/205Neutral density filters

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Abstract

【課題】 表面、裏面反射の少ないNDフィルタの製造において、吸収物質の光学特性が変化した場合においても、反射防止効果、透過率平坦性を高精度で維持できる膜構成と製造方法を提供する。
【解決手段】 透過率を制御する光吸収膜を分割積層し、最基板側に設けられる吸収膜をそれぞれ反射光減衰膜として用い、各層の境界域からの反射光を直接減衰させる事により、光学定数や膜厚に対する敏感度を緩和する。これにより、膜厚制御や、光学定数制御の許容値を緩和し、高品質で安定生産を可能にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、NDフィルタおよびその製造方法に関するもので、特にNDフィルタの表面および裏面反射率の軽減と安定生産に関するものである。
従来から、撮影光学系において、被写体輝度が高すぎると、いくら絞りを絞っても(開口径を小さくしても)、感光面へ所定量以上の光量が入射してしまう場合がある。この為、撮撮影光学系の一部にNDフィルターを装着して、感光面への入射光量を規制することが行なわれている。
このときのNDフィルターの分光特性は、単に入射光量を減少させるということから、可視領域全般にわたり均一な透過率を有することが必要となっている。NDフィルターとしては、ガラス(透明基板)に吸収物質を入れて溶解して作ったガラスフィルターや、色素を入れてフィルム状にしたシートフィルター等が多く使用されている。
しかしながら、これらのNDフィルターは可視領域全般にわたり分光特性が均一(ニュートラリティ)でないことや、長時間の使用後に分光特性が変化したり、外観に異常が発生するといった耐久性の問題点があった。
このような問題を解決するため方法としては、真空成膜による薄膜型NDフィルタの利用が以下の特許文献1に開示されている。この薄膜型NDフィルタは、金属酸化物層と誘電膜層とを積層した多層膜の構成となっている。ここでは金属酸化物層を入射光に対する吸収層として使用している。また金属酸化物層と誘電膜層の層厚を調整する、反射防止膜としての機能を発現している。
近年、カメラの更なる小型化、センサのCCD化に伴い、レンズ系とCCDセンサの位置関係が接近する傾向にある。そのため、入射した光の一部がCCD面より反射する戻り光が、ゴーストやフレアとなり画質に影響を及ぼすといった問題が発生している。即ち、NDフィルターとしては、平坦な透過率特性と表面反射防止特性のみならず、裏面反射防止特性にも優れていることが要求されている。しかしながら、上記の特許文献1に記載の薄膜型NDフィルタのうち、片面に多層膜を有するタイプでは、表面反射防止特性に優れるものの、裏面反射防止特性に関しては不充分なものであった。また、両面に多層膜を有するタイプでは、裏面反射防止特性も得ることが出来るものの、成膜回数が倍になり、コストも倍になるため、生産上現実的ではなかった。
特許文献2には、良好な表面反射特性、裏面反射防止特性と10%以下の透過率を実現するNDフィルタの例が開示されている。しかしながら特許文献2において、屈折率2.0以上の屈折率を有する物質例として、用いられているTiO、Nb、ZrO等は、屈折率の安定性や透明性の確保の為に酸素雰囲気での成膜が一般的に行われている。この場合、成膜後の酸素分圧の変化等により光吸収膜の光学定数が変化してしまい、特に裏面反射に大きなばらつきが発生してしまう。
特許第3359114号公報 特開2003−344612号公報
近年の撮像素子の高感度化や高集積化に伴う小絞りによる回折による画質低下等に対応する為に、光学濃度1〜2程度、即ち透過率5%以上15%以下の高濃度のNDフィルタが求められるようになってきている。そのため入射光を吸収する吸収膜の総層厚を厚くする必要がある。
一般に、このような高濃度のNDフィルタに対応する為には、吸収膜の各層の膜厚を増加させれば良い。しかしながら、吸収膜を厚くすると、入射光が各層毎に減衰する為に、多層透明光学薄膜のような光干渉を用いた反射防止効果を得る事は難しい。また、光吸収膜自体の光学定数(屈折率、吸収係数)の変化の影響を受けやすく、光学性能が安定しない。そのため、また吸収膜の吸収係数の波長依存性により、透過光の平坦性の維持が困難になるという問題もある。
このような問題を解決する為に、吸収膜を複数層に分割し、反射防止効果や透過率平坦性を確保する事が可能である。しかしながらこの場合、全体の層数が大幅に増えるため、成膜時間の増加によるコストアップが問題となる。また、表面反射防止特性を考慮して設計された層構成は、裏面反射防止特性を満足させるものではないため、裏面反射防止特性は不充分なものとなる。
そこで本出願では、光吸収膜の光学定数の変化に対しても、可視領域全般に亙って安定した光学性能(透過率、表面反射率、裏面反射率)を維持しつつ、層数の増加を軽減可能なNDフィルタを提供することを目的としている。
このような課題を解決するため、本発明では、透明基板上に形成され、屈折率の異なる2つの膜を交互に積層した交互層からなるNDフィルタにおいて、前記交互層は、前記透明基板側から基板側反射光減衰多層膜、透過率調整多層膜の順に形成されており、該基板側反射光減衰多層膜の光吸収量は20%以上30%以下であるNDフィルタを提供している。
また本発明では、透明基板上に形成され、屈折率の異なる2つの膜を交互に積層した交互層からなるNDフィルタにおいて、前記交互層は、前記透明基板側から基板側反射光減衰多層膜、透過率調整多層膜、表面側反射光減衰多層膜の順に形成されており、該基板側反射光減衰多層膜及び表面側反射光減衰多層膜の光吸収量は20%以上30%以下であるNDフィルタを提供している。
本出願に係る発明の実施により、可視全域(400nm以上700nm以下)に対して、5%以上15%以下の透過率を維持したまま、良好な表面反射特性、裏面反射防止特性を有するNDフィルタを安定して得る事が可能になる。また、ゴースト、干渉等の防止といった光学性能の向上、また生産時においては歩留まりの向上やコストダウンといった効果が得られる。
本発明では金属酸化物層と誘電膜層とを積層した多層膜のうち、基板側に、誘電膜層の膜厚を厚く金属酸化物層の膜厚を薄くした反射光減衰多層膜12aを配置している。反射光減衰多層膜12aは、裏面からの入射光及び反射光を吸収するため、裏面反射防止特性を改善する。また、透過率の調製は透過率調整部分は13aの層厚さにより調製している。
図1を用いて説明する。図1に示すように、本発明のNDフィルタは、透明基板11a上に基板側反射光減衰膜12a、透過率調整多層膜13aが順に積層された構成となっている。基板側反射光減衰膜12a、透過率調整多層膜13aは共に、金属酸化膜と誘電体膜の繰り返しからなる多層膜である。基板側反射光減衰膜12aは金属酸化膜を薄くし誘電体膜を厚くすることにより、主に裏面からの反射光の減衰膜として機能する。また透過率調整多層膜13aは、金属酸化膜を厚くし誘電体膜を薄くすることにより、主に透過光の吸収膜として機能する。透過率調整多層膜13aの光吸収量は、20%以上30%いかが好ましい。また表面からの入射光に対しては、多層膜間の光干渉により反射防止効果が得られるように設計されている。
ここで、本発明におけるNDフィルタの裏面反射防止のメカニズムを説明する。説明を容易にするため、表面反射防止特性を考慮して設計された、従来の金属酸化物層と誘電膜層とを積層した多層膜からなるNDフィルタを図2に示し、それと比較して説明する。
図1に示す矢印Aは、NDフィルタの基板側からの入射光である。入射光Aの一部は、透明基板11aと基板側反射光減衰膜12aの境界面で反射され反射光20aとなる。次に基板側反射光減衰膜12aの表面で反射されなかった入射光Aは、基板側反射光減衰膜12aにより約30%が吸収される。基板側反射光減衰膜12aを透過した入射光Aの一部は、基板側反射光減衰膜12と透過率調整多層膜13aとの境界面で反射され反射光18aとなる。この反射光18aは、NDフィルタの表面からの反射光として出射する前に、基板側反射光減衰膜12aにより再度その約30%が吸収される。
基板側反射光減衰膜12aと透過率調整多層膜13aの境界面で反射されなかった入射光Bは、基板側反射光減衰膜12aにより吸収され表面側に透過光17aとして透過する。尚、入射光Aは表面側反射光減衰膜13aの各層の境界面でも反射光21aとして反射するが、その量は極僅かである。
従って、入射光Bに対するNDフィルタによる裏面反射光は反射光20aと反射光18aと21aを足した値となる。しかしながら反射光18aと21aは、入射光Aが基板側反射光減衰膜12aを通過し30%吸収された後の反射であり、また反射後に、再度基板側反射光減衰膜12aを通過し30%吸収されるため、その量は極僅かである。従って、実質的には反射光20aが裏面反射光となる。
図2は従来の表面反射防止特性を考慮した多層膜からなるNDフィルタである。透明基板11b上に透過率調整多層膜13bが積層された構成となっている。透過率調整多層膜13bは、金属酸化膜と誘電体膜の繰り返しからなる多層膜である。透過率調整多層膜13bは、複数の誘電体層を有しており、主に透過光の吸収膜として機能する。また表面からの入射光に対して、多層膜間の光干渉により反射防止効果が得られるように設計されている。透過率調整多層膜13bは図1に示した透過率調整多層膜13aと、膜の構成は同じであり、透過率を等しくするために多層膜の層数が多くなっている。
図2に示す矢印Cは、NDフィルタの基板側からの入射光である。入射光Cの一部は、透明基板11aと透過率調整多層膜13bの境界面で反射され反射光20bとなる。次に透明基板11aと透過率調整多層膜13bの境界面で反射されなかった入射光Cは、透過率調整多層膜13bの各層の境界面で反射光21bとして反射される。反射光21bは図1の場合と異なり、基板側反射光減衰膜を通過しているわけではないので、反射光20bに比べて無視できるような僅かな値とはならない。反射光21bは透過率調整多層膜13bにより反射及び吸収されなかった入射光Cは、表面側に透過光17bとして透過する。従って、入射光Bに対するNDフィルタによる裏面反射光は反射光20bと透過率調整多層膜13bの各層の境界面で反射された反射光21bの和となる。
図1の裏面反射光である反射光20aと18aと21a、図2の裏面反射光である反射光20bと反射光21bを比較する。反射光20aと反射光20bはともにガラス基板との界面であり、ほぼ同様の値を示す。反射光18aと21aは前述したように、極僅かであり実質的には無視しても良い値である。これに対して反射光21bは、反射光20bに比べて無視できるような値ではない。従って、図1のNDフィルタの裏面反射防止特性は、図2のNDフィルタの裏面反射防止特性に比べて、大幅に向上することがわかる。しかも図1のNDフィルタは図2のNDフィルタに比べ層数が少ないため、生産時間も短くコストダウンを実現することができる。
尚、図1において反射光減衰膜は基盤側にのみ設けられている。しかしながら本発明はこれに限ったものではなく、図3に示すように、NDフィルタの表面(媒体側)に設けることもできる。図3において14aは、表面側反射光減衰膜である。表面側反射光減衰膜14aの構成としては、基板側反射光減衰膜12aと同じである。
図3に示す矢印Bは、NDフィルタの表面側からの入射光である。入射光Bの一部は、表面側反射光減衰膜14aの表面で反射され反射光19aとなる。反射光19aの反射光量は、表面側反射光減衰膜14aの誘電膜が厚いため、通常の反射防止膜よりも多少大きくなる。次に基板側反射光減衰膜14aの表面で反射されなかった入射光Bは、表面側反射光減衰膜14aにより約30%が吸収される。表面側反射光減衰膜14aを透過した入射光Bの一部は、表面側反射光減衰膜14aと透過率調整多層膜13aとの境界面で反射され反射光16aとなる。この反射光16aは、NDフィルタの表面からの反射光として出射する前に、基板側反射光減衰膜14aにより再度その約30%が吸収される。
基板側反射光減衰膜14aと透過率調整多層膜13aの境界面で反射されなかった入射光Bは、基板側反射光減衰膜14aにより吸収され基板側に10%以下の透過光15aとして透過する。尚、入射光Bは表面側反射光減衰膜13aの各層の境界面でも反射するが、その量は極僅かである。従って図3の場合の表面反射防止特性は、図1の場合の表面反射防止特性とほぼ同等であると言える。
本発明の第1の特徴としては、透過率を制御目的で用いられる光吸収性膜を割積層し、最表面側、最基板側の吸収膜をそれぞれ反射光減衰膜とした点である。一般に干渉を利用した光学多層膜は、多層膜系全体の光学定数の影響を受ける為、成膜途中の層の学定数が変化した場合、多層膜系全体の光学特性が変化してしまうという問題がある。この事は特に不完全金属酸化物を吸収膜として利用した場合には、生産安定性や歩留まりを左右する大きな問題である。これに対して反射光減衰多層膜を使用した場合、入射光Aおよび基板側反射光減衰膜12aと透過率調整多層膜13aとの境界面からの反射光20aは反射光減衰多層膜12aにより直接減光される為に、透過率調整多層膜13aの光学定数の変化の影響を軽減できる事である。
次に本発明の第2の特徴としては、基板側からみた最初の光吸収膜および表面(媒質)側からみた最初の光吸収膜のそれぞれの層における光吸収量が20%以上30%以下になるように設定した事である。光吸収量が30%を越えると、該当膜部分からの反射率を十分に軽減する事が出来ず、残存反射率の悪化をもたらす。また、光吸収量が20%よりも小さいと、透過率調整多層膜13aの光学定数の変化の影響を十分に軽減する事が出来ない。
例えば、吸収膜としてTiOを使用した場合のTiO単層での分光特性図を図4に示す。図4より、例えば吸収膜TiOを使用した場合、膜厚が約6nmで透過率60%、反射率10%で該当膜の吸収量が30%になる事が確認出来る。この場合、基板側からみた最初の光吸収膜および基板側からみた最初の光吸収膜単膜からの反射率は10%と低く、光吸収膜の前後に設けられた透明誘電体膜との光干渉により十分に反射光を軽減出来る事がシミュレーションおよび実験により確認されている。
更に、外部から入射した光が、透過率調整多層膜13aで反射し、外部に戻る場合には、光は該光吸収膜の中を往復する為、その影響量は(100%−30%)×(100%−30%)=49%となる。従って反射光における透過率調整多層膜13aの影響量を半分以下に軽減できる為に、本出願では該当膜の吸収量を30%以下、望ましくは20%以上30%以下と設定した。
次に本発明の第3の特徴としては、本発明が対象としているNDフィルタの透過率を25%以下とする事である。前述の様に、反射光減衰多層膜12a、14aでの光減衰量を各々30%と設定した場合、この反射光減衰多層膜12a、14aだけで全体光量を49%までに減衰させるものである。そのために、透過率調整多層膜13aによる透過率調整の範囲が少なくなる事を考慮した結果、反射光減衰多層膜12a、14aによる吸収量と同等の吸収量を透過率調整多層膜13aで調整可能になるように設定した。その結果として本発明が対象とするNDフィルタの透過率を25%以下に設定したものである。
次に本発明の第4の特徴としては、前記NDフィルタを真空蒸着もしくはスパッタリングにより形成する事である。加工雰囲気を真空状態にする事により、成膜中の酸素量を軽減させる事により、本発明で使用する吸収膜材料である金属酸化物の酸化状態を一定に保つ事が可能となり、成膜中の光学定数の安定化を可能にした。
次に本発明の第5の特徴としては、反射光減衰効果を有する層の透過率(T1、Tn)の膜厚制御を透過光量制御により行う事を特徴とした事である。一般的に真空成膜による薄膜の膜厚制御方法としては、水晶振動子を用いる方法や薄膜の光学特性の変化を監視する方法等が多用されている。しかしながら、本発明では透過光量の制御精度を高める事を目的として吸収膜の透過率変化、例えば透過率90%スタートで70%終了等の方法が最も再現性が良好である事を実験により検証した。
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
本実施例は、図3に膜構成を有するNDフィルタであり、透明基板11aを光学ガラスとし、光吸収性多層反射防止膜12aをAl/TiO/Alの3層構成としている。透過率調整多層膜13aはTiO/Al/TiO/Al/TiOの5層構成とし、さらに光吸収性多層反射防止膜14aをAl/TiO/MgFの3層構成としている。光吸収性多層反射防止膜12a、14aにおけるTiOの膜厚は6nmと設定した。この時の、光吸収性多層反射防止膜12aおよび光吸収性多層反射防止膜14aにおける光吸収量は25%であった。各層の膜厚は図5に示したとおりである。このNDフィルタの分光特性を図6に示す。
図6より、可視全域(400nm−700nm)において透過率が約10%と一定で、なおかつ表面反射率、裏面反射率ともに1%以下と、NDフィルタとして十分な性能を実現していることがわかる。また、本発明の特徴である光吸収性多層反射防止膜12a、14aに使用される吸収膜として、TiOを一定膜厚にする事が可能であり、これにより膜厚制御精度の向上が期待できる。
[実施例2]
本実施例は、図3に膜構成を有するNDフィルタであり、透明基板11aを光学ガラスとし、光吸収性多層反射防止膜12aをAl/TiO/Alの3層構成としている。透過率調整多層膜13aはTiO/Al/TiO/Al/TiOの5層構成とし、さらに光吸収性多層反射防止膜14aをAl/TiO/MgFの3層構成としている。光吸収性多層反射防止膜12a、14aにおけるTiOの膜厚は6nmと設定した。この時の、光吸収性多層反射防止膜12aおよび光吸収性多層反射防止膜14aにおける光吸収量は25%であった。各層の膜厚は図7に示したとおりである。このNDフィルタの分光特性を図8に示す。
図8より、可視全域(400nm−700nm)において透過率が約10%と一定で、なおかつ表面反射率、裏面反射率ともに1%以下と、NDフィルタとして十分な性能を実現していることがわかる。また、本発明の特徴である光吸収性多層反射防止膜12a、14aに使用される吸収膜として、TiOを一定膜厚にする事が可能であり、これにより膜厚制御精度の向上が期待できる。
実施例2では、実施例1で示した膜構成の内、透過率調整多層膜(13)内のTiO膜部の膜厚変更のみにより、透過率を自由に制御出来る事を示しており、本発明の有効性が確認出来る。
[実施例3]
本実施例は、図3に膜構成を有するNDフィルタであり、透明基板11aを光学ガラスとし、光吸収性多層反射防止膜12aをAl/TiO/Alの3層構成としている。透過率調整多層膜13aはTiO/Al/TiOの3層構成とし、さらに光吸収性多層反射防止膜14aをAl/TiO/MgFの3層構成としている。光吸収性多層反射防止膜12a、14aにおけるTiOの膜厚は6nmと設定した。この時の、光吸収性多層反射防止膜12aおよび光吸収性多層反射防止膜14aにおける光吸収量は25%であった。各層の膜厚は図9に示したとおりである。このNDフィルタの分光特性を図10に示す。
図10より、可視全域(400nm−700nm)において透過率が約10%と一定で、なおかつ表面反射率、裏面反射率ともに1%以下と、NDフィルタとして十分な性能を実現していることがわかる。また、本発明の特徴である光吸収性多層反射防止膜12a、14aに使用される吸収膜として、TiOを一定膜厚にする事が可能であり、これにより膜厚制御精度の向上が期待できる。
実施例3では、実施例1で示した膜構成に比べより簡単な膜構成でありながら反射率3%以下を実現しており、また、TiO膜厚も制御が容易な構成とする事が可能であり、本発明の有効性が確認出来る。
(比較例1)
比較例として、図2に膜構成を有するNDフィルタであり、Al/TiO/Al/TiO/Al/TiO/Al/TiO/Alの9層構成としている。各層の膜厚は図11に示したとおりである。このNDフィルタの分光特性を図12に示す。
図12より、可視全域(400nm−700nm)において透過率は10%とほぼ一定で、なおかつ表面反射率は1%以下であり、NDフィルタとして十分な性能を実現していることがわかる。しかしながら裏面反射率は3%以〜7%と非常に大きな値となり、必要な特性を満足することができない。また図11から明らかなように、比較例1では吸収膜であるTiOの膜厚が全層でばらばらになる為に、膜厚制御誤差の影響を受けやすく、また光学濃度の変更時に条件設定が複雑になる。
本発明の場合は、反射率の調整を光吸収性多層反射防止膜で行い、透過率の調整を透過率調整多層膜で行う構成の為、例えば透過率の調整が用意である。しかしながら、比較例の場合はこれに該当する部分が無い為、透過率を調整する為にTiO膜厚を修正した場合には同時に反射率の悪化を招くことになる。
なお、同様に光吸収性を有する膜としてNbOx等を使用し、誘電体部分をSiOで構成した場合においても本発明の効果は有効である。図13にNbOxとSiOによる実施例の膜構成を、図14に分光特性図を示す。以上のように本発明を実施する事により、光学性能を向上させたNDフィルタの安定的な生産が実現出来る為、製造不良率の減少やコストダウンが期待できる。
本発明におけるNDフィルタの断面図。 従来におけるNDフィルタの断面図。 本発明におけるNDフィルタの断面図。 本発明におけるNDフィルタの分光特性図。 実施例1におけるNDフィルタの膜構成を示す図。 実施例1におけるNDフィルタの分光特性図。 実施例2におけるNDフィルタの膜構成を示す図。 実施例2におけるNDフィルタの分光特性図。 実施例3におけるNDフィルタの膜構成を示す図。 実施例3におけるNDフィルタの分光特性図。 比較例1におけるNDフィルタの膜構成を示す図。 比較例1におけるNDフィルタの分光特性図。 NbOx、SiOの多層膜により構成したNDフィルタの膜構成を示す図。 NbOx、SiOの多層膜により構成したNDフィルタの分光特性図。
符号の説明
11a、11b 透明基板
12a、12b 基板側反射光減衰膜
13a、13b 多層透過率調整膜
14a、14b 表面側反射光減衰膜
15a、15b 表面透過光線
16a、16b 表面反射光線
17a、17b 裏面透過光線
18a 裏面反射光線
19a 裏面反射光線
20a、20b 裏面反射光線
21a 裏面反射光線

Claims (6)

  1. 透明基板上に形成され、屈折率の異なる2つの膜を交互に積層した交互層からなるNDフィルタにおいて、前記交互層は、前記透明基板側から基板側反射光減衰多層膜、透過率調整多層膜の順に形成されており、該基板側反射光減衰多層膜の光吸収量は20%以上30%以下であることを特徴とするNDフィルタ。
  2. 透明基板上に形成され、屈折率の異なる2つの膜を交互に積層した交互層からなるNDフィルタにおいて、前記交互層は、前記透明基板側から基板側反射光減衰多層膜、透過率調整多層膜、表面側反射光減衰多層膜の順に形成されており、該基板側反射光減衰多層膜及び表面側反射光減衰多層膜の光吸収量は20%以上30%以下であることを特徴とするNDフィルタ。
  3. 前記交互層は誘電膜と金属酸化膜からなっていることを特徴とする請求項1または2に記載のNDフィルタ。
  4. 前記誘電膜は、Al2O3、SiO2、MgF2から選択された1つの膜であり、前記金属酸化膜は、TiOx、NbOxから選択された1つの膜であることを特徴とする請求項3に記載のNDフィルタ。
  5. 前記基板側反射光減衰多層膜における誘電膜の膜厚は、前記透過率調整多層内層における誘電膜の膜厚よりも厚いことを特徴とする請求項3に記載のNDフィルタ。
  6. 可視全域(400nm以上700nm以下)において、透過率が5%以上15%以下であり、表面反射率および裏面反射率がともに1%以下であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載のNDフィルタ。
JP2007001180A 2006-02-03 2007-01-09 Ndフィルタ Expired - Fee Related JP4981456B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007001180A JP4981456B2 (ja) 2006-02-03 2007-01-09 Ndフィルタ
US11/669,499 US7710670B2 (en) 2006-02-03 2007-01-31 ND filter

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006026749 2006-02-03
JP2006026749 2006-02-03
JP2007001180A JP4981456B2 (ja) 2006-02-03 2007-01-09 Ndフィルタ

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2007233345A true JP2007233345A (ja) 2007-09-13
JP2007233345A5 JP2007233345A5 (ja) 2010-02-12
JP4981456B2 JP4981456B2 (ja) 2012-07-18

Family

ID=38333789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007001180A Expired - Fee Related JP4981456B2 (ja) 2006-02-03 2007-01-09 Ndフィルタ

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7710670B2 (ja)
JP (1) JP4981456B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011048026A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Ricoh Co Ltd 撮像光学系およびカメラ装置および携帯情報端末装置

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MX2009002822A (es) * 2009-03-17 2010-02-22 Juan Luis Rendon Granados Un vidrio antirreflejante por una o ambas caras, en forma parcial o total, de un tacto suave y terso, con un aspecto que no refleja la luz y agradable a la vista.
CN110475663B (zh) * 2017-03-30 2021-07-16 富士胶片株式会社 层叠体、建材、窗户材料及辐射冷却装置
WO2024114989A1 (en) * 2022-12-01 2024-06-06 Admesy B.V. Optical filter arrangement
CN116500715A (zh) * 2023-04-24 2023-07-28 中山吉联光电科技有限公司 一种中性光学衰减片及其制备方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02113202A (ja) * 1988-10-21 1990-04-25 Nippon Shinku Kogaku Kk 中性濃度フィルター
JPH0763915A (ja) * 1993-08-26 1995-03-10 Canon Inc 薄膜型ndフィルター及びその製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5688608A (en) * 1994-02-10 1997-11-18 Industrial Technology Research Institute High refractive-index IR transparent window with hard, durable and antireflective coating
JP3913109B2 (ja) 2002-05-28 2007-05-09 キヤノン株式会社 薄膜型ndフィルター
JP4595687B2 (ja) * 2004-07-20 2010-12-08 住友金属鉱山株式会社 吸収型多層膜ndフィルター

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02113202A (ja) * 1988-10-21 1990-04-25 Nippon Shinku Kogaku Kk 中性濃度フィルター
JPH0763915A (ja) * 1993-08-26 1995-03-10 Canon Inc 薄膜型ndフィルター及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011048026A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Ricoh Co Ltd 撮像光学系およびカメラ装置および携帯情報端末装置

Also Published As

Publication number Publication date
US7710670B2 (en) 2010-05-04
US20070183069A1 (en) 2007-08-09
JP4981456B2 (ja) 2012-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102061477B1 (ko) 근적외선 커트 필터
KR101374755B1 (ko) 적외선 차단 필터
JP6003895B2 (ja) 近赤外線カットフィルター
US9322965B2 (en) Optical member
US9726797B2 (en) Near-infrared cut filter
US20100188737A1 (en) Dielectric multilayer filter
JP2021140177A (ja) 光学フィルタおよび撮像装置
KR100275917B1 (ko) 광흡수체 및 이것을 이용한 광학기기
US20080013178A1 (en) Dielectric multilayer filter
JP5885649B2 (ja) 反射防止膜を有する光学素子、光学系および光学機器
KR20210035516A (ko) 폴디드 카메라 모듈 및 그것을 갖는 모바일 장치
JP4981456B2 (ja) Ndフィルタ
JP2004354735A (ja) 光線カットフィルタ
JP4801442B2 (ja) 光量絞り用ndフィルタ
JP2017040909A (ja) 光学フィルタおよびそれを有する光学系、撮像装置、レンズ装置
JP3917261B2 (ja) 光吸収体およびこれを用いた光学機器
JP2010032867A (ja) Irカットフィルタ
JP6174379B2 (ja) 可視光透過フィルタ
JP5879021B2 (ja) Ndフィルタ
JP2013083885A (ja) Ndフィルタ
JP2010175941A (ja) 光学フィルタ及び光学フィルタの製造方法、並びにこれらの光学フィルタを有する撮像装置
JP2004258494A (ja) Ndフィルタ
JP2007225735A (ja) Ndフィルタ、該ndフィルタによる光量絞り装置及び撮像装置
JP7261556B2 (ja) 光学フィルタ、撮像装置、光学センサ
JP4905155B2 (ja) 吸収型多層膜片面ndフィルターの設計方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091221

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091221

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100201

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20100630

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120110

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120321

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120402

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120417

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120420

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150427

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees