JP5220500B2 - 外観意匠性を改善したアクリル系樹脂フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アクリル系樹脂フィルムおよびその製造方法に関する。更に詳しくは、アクリル系樹脂フィルムもしくは多層のフィルムまたはシートが熱可塑性樹脂成形品の表面に積層一体化された積層成形品に関する。
近年、塗装に代わる樹脂成形品の表面に加飾する方法として、印刷等により加飾されたアクリル系樹脂フィルム(以降、「加飾用積層フィルム」と記す)を、射出成形金型内に挿入し、射出成形した後、加飾層のみを成形品表面に転写してからフィルムを剥がす転写法;加飾フィルムを成形品の最表面として成形品に残すインサート成形法、インモールド成形法等の射出成形と同時に加飾を施す方法、フィルムを射出成形品表面にラミネーションする方法、等が広く使用されている。
加飾用積層フィルムは、アクリル系樹脂フィルムに、印刷を施すことにより得られるものである。
しかしながら、加飾用積層フィルムを、自動車等車両の内外装材料、光学材料、建設材料、パソコン部材、家庭電化製品の保護用フィルムや加飾用フィルムとして使用する場合、フィルム中に100μm以上のきょう雑物が存在することが問題となっていた。
このことは、上記加飾用積層フィルムの使用条件を著しく限定することとなっていた。
フィルム中のきょう雑物を除去する方法としては、例えば、アクリル系樹脂の押出工程において、200〜600メッシュのスクリーンメッシュを用いて、ろ過を行う方法が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、スクリーンメッシュを用いる方法では、ろ過面積が小さく、スクリーンメッシュ自体の強度も小さいことから、目開きを細かくすると押出吐出量を上げることができないため、好ましくない。
また、フィルム中のきょう雑物を除去する方法として、リーフディスクタイプのポリマーフィルターを用いてろ過を行う方法が知られている(特許文献2〜5参照)。リーフディスクタイプのポリマーフィルターは、ろ過面積が広く、高粘度の樹脂をろ過した場合でも圧力損失が少ないポリマーフィルターである。しかしながら、リーフディスクタイプのフィルターを直列方向に連結することにより、ろ過面積を広くしている為に、フィルターの直径に対して連結枚数が多いと、フィルターを支えるセンターポストに無理な力がかかって曲がったり、滞留時間が延びて熱により樹脂が劣化して、逆にきょう雑物が増えることがある。また、フィルターの直径に対して連結枚数が少ないと、フィルターをセットするハウジングと呼ばれる容器内部の隅に、樹脂が流れ難い箇所が発生し、樹脂の劣化やガス溜まりによる気泡が発生し、安定的に生産することができないことがある。
特開平9−263614号公報 実開昭61−815号公報 特開2006−88081号公報 特開2007−254727号公報 特開2007−262399号公報
そこで、本発明の目的は、一定の溶融粘度以下に保持したアクリル系樹脂を、リーフディスクタイプのポリマーフィルターを用いてろ過する際に、連結枚数(x)とフィルターの直径(yインチ)との比を特定の値とすることにより、きょう雑物が少なく、安定生産可能なアクリル樹脂フィルムの製造方法を提供することである。
さらには、きょう雑物を減少させることにより、外観意匠性に優れ、種々の用途に適用し得るアクリル系樹脂フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記問題点について鋭意検討の結果、温度260℃およびせん断速度120(1/s)での溶融粘度が2500Pa・sec以下であるアクリル系樹脂組成物(C)を、ろ過精度が3〜25μmであり、連結枚数(x)とフィルターの直径(yインチ)との比が特定の値を有するリーフディスクフィルターを用いた押出機でろ過精製することにより、きょう雑物を少なくし、樹脂の劣化や気泡を発生させずに安定的に生産ができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1] 温度260℃およびせん断速度120(1/sec)での溶融粘度が2500Pa・sec以下であるアクリル系樹脂組成物(C)を、ろ過精度が3〜25μmであるリーフディスクタイプのフィルターを用いた押出機を用いてろ過精製する工程を含む、アクリル系樹脂フィルムの製造方法であって、
リーフディスクタイプのフィルター連結枚数をx枚、フィルター直径をyインチとした場合に、x/y=3〜15の関係式を満たすことを特徴とする、アクリル系樹脂フィルムの製造方法、
[2] フィルム中に存在する100μm以上のきょう雑物の個数が10個/m以下であることを特徴とする、[1]記載のアクリル系樹脂フィルムの製造方法、
[3] ろ過精製工程がペレット製造工程であり、アクリル系樹脂組成物(C)が、全体量を100重量部とした場合、アクリル系グラフト共重合体(A)を20重量部以上含むことを特徴とする、[1]または[2]に記載のアクリル系樹脂フィルムの製造方法、
[4] 押出機がベント付き単軸押出機であり、ギアポンプを使用しないことを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載のアクリル系樹脂フィルムの製造方法、
[5] フィルム中のメタクリル酸メチルモノマーの残存量が1.2%以下であることを特徴とする、[3]または[4]に記載のアクリル系樹脂フィルムの製造方法、
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載のアクリル系樹脂フィルムの製造方法により得られることを特徴とする、アクリル系樹脂フィルム、
[7] アクリル系樹脂組成物(C)が、アクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)を含むアクリル系グラフト共重合体(A)およびメタクリル酸メチル単位を80重量%以上含有するメタクリル系重合体(B)からなり、かつ前記アクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)の平均粒子径が50〜200nmであることを特徴とする、[6]記載のアクリル系樹脂フィルム、
[8] アクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)の平均粒子径d(nm)および前記アクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)中に用いられる架橋剤の量w(重量%)が下記の関係式を満たし、
0.02d≦w≦0.06d
かつ、前記樹脂組成物(C)のメチルエチルケトン可溶分の還元粘度が0.2〜0.8dl/gであることを特徴とする、[6]または[7]に記載のアクリル系樹脂フィルム、
[9] フィルムを0.1秒間で180°にフィルムを折り曲げた場合に白くならないことを特徴とする、[6]〜[8]のいずれかに記載のアクリル系樹脂フィルム、および
[10] [6]〜[9]のいずれかに記載のアクリル系樹脂フィルムを積層してなる、積層品
に関する。
本発明の製造方法によれば、設備の破損や樹脂の劣化、ガス溜まりが小さく、安定的にきょう雑物の少ないアクリル系樹脂フィルムを製造することができる。
さらに、本発明により得られたフィルムは、きょう雑物が除去されることにより、外観意匠性に優れたアクリル系樹脂フィルムである。
本発明にかかるアクリル系樹脂フィルムの製造方法は、せん断速度120(1/sec)、加工温度260℃での溶融粘度が2500Pa・sec以下である樹脂組成物(C)を、ろ過精度が3〜25μmであり、連結枚数(x)と直径(yインチ)との比(x/y)が特定の値を有するリーフディスクタイプポリマーフィルターを用いた押出機にてろ過精製する工程を含むことを特徴としている。
きょう雑物を除去する為に使用するポリマーフィルターとしては、リーフディスクタイプが好ましい。
本発明で用いるリーフディスクタイプのポリマーフィルターについて説明する。一般的に販売されている代表的な商品名として、ナスロン(日本精線株式会社製)やデナフィルター(長瀬産業株式会社製)がある。
リーフディスクタイプのポリマーフィルターは、以下のような構造である。すなわち、図1に示すように、内部にポリマーの流路を形成されたリーフディスク状のフィルター1は、センターポスト3と呼ばれる金属で作製された中心軸に算盤玉状に複数枚重ねられ、ベッセルと呼ばれる耐圧容器2に収納されている。
溶融状態のポリマーは、図2に示すように、押出機側4から外周部5側に通過させて、きょう雑物等がろ過・除去され、ろ過されたポリマーは、フィルター1内を中心部6に向かって流れ、センターポスト3内を通って耐圧容器外へと導出される、さらに、ダイス側7へと流れていく。
ポリマーフィルターの材質は、ステンレス繊維を焼結プレスして、目開きを細かくしたステンレス繊維焼結タイプが強度を保ち、圧力損失が大きい時にも目開きしにくいことから好ましい。
ポリマーフィルターの直径(y)は、4〜12インチであることが好ましく、7〜12インチであることがよりに好ましい。ポリマーフィルターの直径が4インチ以上であれば、押出吐出量を30kg/Hrに上げやすく、生産性が良いことから好ましく、12インチ以下であれば、樹脂の滞留時間が短くなり、樹脂の劣化を抑制できることから好ましい。
ポリマーフィルターの連結枚数(x)は、150枚以下であることがコスト面から好ましい。
フィルターの耐圧容器は、樹脂の流路面にハードクロムメッキ処理、または0.5S以下の鏡面磨き処理を行うこともでき、これらの処理を行うことにより、樹脂の滞留劣化を抑制できる。
本発明で用いられる樹脂組成物(C)の、せん断速度120(1/sec)、加熱温度260℃での溶融粘度は、2500Pa・sec以下であることが好ましく、2000Pa・secであることがより好ましい。樹脂組成物(C)の溶融粘度が2500Pa・sec以下であれば、ペレット製造時およびTダイ法でのフィルム成形時に押出機への負荷が小さいこと、また、吐出量を増やすことができ、生産性が向上することから好ましい。
リーフディスクタイプのポリマーフィルターのろ過精度は、3〜25μmが好ましく、5〜20μmがより好ましい。リーフディスクタイプのポリマーフィルターのろ過精度が3μm以上であれば、リーフディスクタイプのポリマーフィルターのろ過面積を小さくすることができ、フィルターの使用枚数を少なくでき、製造コストが安く抑えられ、圧力損失も小さいことから押出吐出量を増やすことができるために好ましい。ろ過精度が25μm以下であれば、きょう雑物の除去の観点から好ましい。
リーフディスクタイプのステンレス繊維焼結フィルターの連結枚数(x枚)と、フィルター直径(yインチ)の関係式として、x/y=3〜15を満たすことが好ましく、x/y=3.5〜10となることがより好ましい[例えば、直径8インチのフィルターを80枚使用した場合には、x/y=10となる]。x/yが3以上であれば、フィルター容器内の滞留箇所が少なくなり、樹脂の劣化を抑制でき(すなわち、アクリル系樹脂の解重合を抑制することができ、メタクリル酸メチルモノマーの残存量を低減させることができ)、また、ガス溜まりが少なくなることから好ましく、x/yが15以下であれば、フィルター中央部のセンターポストが曲がって破損し難くなることから、好ましい。
本発明におけるアクリル系樹脂フィルムでは、100μm以上のきょう雑物が10個/m以下であることが好ましく、6個/m以下であることが更に好ましい。100μm以上のきょう雑物が10個/m以下であれば、自動車内装部材、自動車外装部材、携帯電話外装部材、パソコン外装部材、家電外装部材、その他意匠性を重要視する部材に使用することができ、フィルムの片面に印刷する場合に印刷抜けが少なくなることから好ましい。
なお、きょう雑物の大きさは、得られた1mのフィルムを、20cmの距離から透過で目視観察して、きょう雑物が観察された箇所について、マイクロハイスコープ[キーエンス(株)製]を用いて、長手方向の径を測定した値である。
本発明の製造方法においては、リーフディスクタイプのポリマーフィルターを用いたろ過精製工程は、ペレット製造工程であることが好ましい。ろ過精製工程がペレット製造工程であれば、圧力の変動や気泡の発生時に不良品となることなく、大量生産ができ、製造コストを抑えることができることから、好ましい。
本発明の製造方法においては、図3に示したように、押出機としてベント付き単軸押出機を用い、ギアポンプを使用しないでろ過精製することが好ましい。ギアポンプを使用しないことにより、樹脂の発熱を抑え、樹脂の劣化を抑制でき、更にアクリル系樹脂組成物(C)が、重量平均粒子径が500μm以下のアクリル系グラフト共重合体(A)を20重量部以上含んで押出する場合には、樹脂圧力の変動が小さく、安定的に生産できることから、好ましい。
リーフディスクタイプのポリマーフィルターは、上記押出機に対して直列にセッティングすることが好ましい。ポリマーフィルターを直列にセッティングすることにより、ポリマーフィルター以降に連結管を取り付ける必要が無くなり、圧力損失を抑えることができ、ギアポンプを取り付けなくてもベントアップしないことから、好ましい。
アクリル系樹脂フィルムのメタクリル酸メチルモノマーの残存量は1.2%以下であれば、ダイリップ先端部に目ヤニの付着などが無くなることから好ましく、1.0%以下であることがより好ましい。
本発明の製造方法に用いられる基体フィルムを構成するアクリル系樹脂組成物(C)は、フィルムの割れ性を向上させ、トリミングや二次成形時にフィルムが伸ばされた時に白くなりにくいことから、アクリル系ゴム状重合体(A−a)を含むアクリル系グラフト共重合体(A)および前記架橋粒子を含むことが好ましく;さらには、硬度を高くできる点から、アクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)を含むアクリル系グラフト共重合体(A)およびメタクリル酸メチル単位を80重量%以上含有するメタクリル系重合体(B)からなるものが好ましい。
本発明の基体フィルムにおける樹脂組成物(C)は、アクリル系グラフト共重合体(A)およびメタクリル系重合体(B)をそれぞれ重合して、これらを混合して得ることができるが、製造に際しては、同一の反応機内でアクリル系グラフト共重合体(A)を製造した後、メタクリル系重合体(B)を続けて製造することもできる。アクリル系グラフト共重合体(A)およびメタクリル系重合体(B)を混合する方法としては、ラテックス状あるいはパウダー、ビーズ、ペレット等で混合が可能である。
本発明で用いられるアクリル系グラフト共重合体(A)としては、アクリル酸エステル系ゴム状重合体[アクリル酸エステルを主成分とした架橋ゴム状重合体](A−a)の存在下に、メタクリル酸エステルを主成分とする単量体混合物(A−b)を1段以上でグラフト重合して得られるものが、生産性や物性調整の点から好ましい。
本発明で用いられるアクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)は、アクリル酸エステル、共重合可能な他のビニル系単量体および特定量の共重合可能な架橋剤からなる単量体混合物を、重合させてなるものである。
本発明のアクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)に用いられるアクリル酸エステルとしては、重合性やコストの点より、アルキル基の炭素数1〜12のものを用いることができる。その具体例としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル等が挙げられる。これらの単量体は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のアクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)に用いられる共重合可能な他のビニル系単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル類;スチレン、メチルスチレン等の芳香族ビニル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類があげられる。これらのうちでは、耐候性、透明性の点から、メタクリル酸エステル類が特に好ましい。これらの単量体は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のアクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)におけるアクリル酸エステルと共重合可能な他のビニル系単量体との組成比率は、アクリル酸エステル50〜100重量%、および他のビニル系単量体0〜50重量%である[アクリル酸エステル、および他のビニル系単量体の合計量は100重量%]ことが好ましく、アクリル酸エステル60〜100重量%、および他のビニル系単量体0〜40重量%であることがより好ましく、アクリル酸エステル70〜100重量%および他のビニル系単量体0〜30重量%であることがさらに好ましい。アクリル酸エステルの組成比率が50重量%以上であれば、耐衝撃性が向上し、引張破断時の伸びが向上し、フィルム切断時にクラックが生じにくくなるために好ましい。
本発明のアクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)に用いられる架橋剤としては、例えば、アクリルメタクリレート、アリルアクリレート、トリアクリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジビニルアジペート、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチルロールプロパントリメタクリレート、テトロメチロールメタンテトラメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレートおよびこれらのアクリレート類などがあげられる。
これらの架橋剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明における共重合可能な架橋剤の添加量wは、アクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)の重量平均粒子径と共に、基体フィルムの応力白化、引張破断時の伸びあるいは透明性に大きく影響するため、アクリル酸エステル系ゴム状重合体の重量平均粒子径d(nm)とアクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)中に含まれる架橋剤量w(重量%)が次式を満たすことが好ましい。
0.02d≦w≦0.06d
架橋剤の添加量wは、上記式に示される範囲が好ましく、この範囲外では応力白化が生じ、耐衝撃性が低下し、引張破断時の伸びが低下しフィルム切断時にクラックが生じやすく、透明性が低下し、フィルムの成形性が悪化する傾向がある。
なお、アクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)の重量平均粒子径dは、50〜200nmが好ましく、50〜180nmがより好ましく、50〜150nmがさらに好ましく、60〜120nmが特に好ましい。アクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)の平均粒子径が50nm以上であれば、耐衝撃性および引張破断時の伸びが低下しにくく、フィルム切断時にクラックが生じにくくなるため好ましく、200nm以下であれば、応力白化が生じにくく、透明性、特に真空成形後の透明性を確保することができ、好ましい。
本発明のアクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)の製造においては、上記単量体混合物を全部混合して重合してもよく、また、単量体組成を変化させて2段以上で重合してもよい。
本発明で用いられるアクリル系グラフト共重合体(A)は、好ましくは、前記アクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)5〜75重量部の存在下に、メタクリル酸エステルを主成分とする単量体混合物(A−b)95〜25重量部をグラフト重合させることより得られる。
本発明におけるグラフト共重合組成[単量体混合物(A−b)の組成]は、得られるフィルムの耐熱性、耐溶剤性の点から、メタクリル酸エステル50〜100重量%およびアクリル酸エステル0〜50重量%が好ましく、メタクリル酸エステル60〜100重量%およびアクリル酸エステル0〜40重量%がより好ましく、得られるフィルムの硬度、剛性の点からは、メタクリル酸エステル80〜100重量%およびアクリル酸エステル0〜20重量%がさらに好ましく、メタクリル酸エステル85〜100重量およびアクリル酸エステル0〜15重量%が特に好ましい。グラフト共重合に用いられるメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルの具体例としては、前記アクリル酸エステル系ゴム状重合体にて例示したものが使用可能である。
本発明で用いられるアクリル系グラフト共重合体(A)では、(A−b)のグラフト重合において、第1段階でメタクリル酸エステルを86重量%以上含有する単量体混合物をグラフト重合させ、第2段階でメタクリル酸エステルを85重量%以下含有する単量体混合物をグラフト重合させても構わない。第1段階でメタクリル酸エステルを86重量%以上含有する単量体混合物をグラフト重合させ、第2段階でメタクリル酸エステルを85重量%以下含有する単量体混合物をグラフト重合させたものでは、応力白化が生じにくくなるため好ましい。
この際、単量体混合物(A−b)のうち、アクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)にグラフト反応せずに未グラフトの重合体となる成分が生じる。該未グラフト成分は共重合体(B)の一部または全部を構成する。アクリル系グラフト共重合体(A)は、メチルエチルケトンに不溶となる。
本発明のアクリル系グラフト共重合体(A)におけるアクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)に対するグラフト率は、30〜200%が好ましく、50〜200%我より好ましく、80〜200%がさらに好ましい。グラフト率が30%以上であれば透明性が低下せず、引張破断時の伸びが低下せず、フィルム切断時にクラックが生じにくくなるため好ましく、200%以下であればフィルム成形時の溶融粘度が高くならず、フィルムの成形性が低下せず好ましい。
なお、グラフト率とは、アクリル酸エステル系ゴム重合体(A−a)に対するグラフト層の割合を測定した値であり、以下の操作により得られるメチルエチルケトン不溶分を、アクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)およびグラフト層(A−bの一部または全部)として、次式により算出する。
グラフト率G(%)={(メチルエチルケトン不溶分の重量−アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(A−a)の重量)/アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(A−a)の重量}×100
すなわち、メタクリル系樹脂組成物(C)1gをメチルエチルケトン40mlに添加し、12時間室温で放置後、マグネチックスターラーを用い30分間攪拌を行う。これを遠心分離機(日立工機(株)製、CP60E)を用い30000rpmで1時間遠心分離し、デカンテーションにより、メチルエチルケトン不溶分および可溶分(溶液)に分離する。メチルエチルケトン不溶分に、さらにメチルエチルケトン20mlを加え、同様に遠心分離およびデカンテーションを2回繰り返すことにより、メチルエチルケトン不溶分と可溶分に分離する。
本発明で用いられるメタクリル系重合体(B)は、得られるフィルムの耐熱性、耐溶剤性の点から、メタクリル酸エステル50〜100重量%およびアクリル酸エステル0〜50重量%を含有する単量体混合物を、少なくとも1段以上で共重合させてなるものであるが、より好ましくは、メタクリル酸エステル60〜100重量%およびアクリル酸エステル0〜40重量%を含有するものである。特に、得られるフィルムの硬度、剛性を重視する場合には、メタクリル系重合体(B)の単量体混合物組成としては、メタクリル酸メチルを80重量%以上含有するものが好ましく、85重量%以上含有するものがより好ましく、90重量%以上含有するものがさらに好ましく、92重量%以上含有するものが特に好ましい。
また、本発明のメタクリル系重合体(B)においては、必要に応じて、メタクリル酸アルキルエステルおよびアクリル酸アルキルエステルに対して共重合可能なエチレン系不飽和単量体を共重合してもかまわない。これらの共重合可能なエチレン系不飽和単量体としては、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル誘導体、塩化ビニリデン、弗化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン、アクリル酸、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カルシウム等のアクリル酸およびその塩、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸グリシジル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等のアクリル酸アルキルエステル誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸カルシウム等のメタクリル酸およびその塩、メタクリルアミド、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル等のメタクリル酸アルキルエステル誘導体等があげられ、これらの単量体は2種以上が併用されてもよい。
本発明で用いられる樹脂組成物(C)中におけるアクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)の含有量は、5〜40重量%が好ましく、10〜35重量%がより好ましい。アクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)の含有量が5重量%以上であれば、得られる基体フィルムの引張破断時の伸びが低下せず、応力白化が生じにくくなるため、好ましい。含有量が40重量%以下であれば、得られるフィルムの硬度、剛性が低下しにくくなるため、好ましい。
本発明で用いられる樹脂組成物(C)のメチルエチルケトン可溶分の還元粘度は、0.2〜0.8dl/gが好ましく、0.3〜0.7dl/gがより好ましい。メチルエチルケトン可溶分の還元粘度が0.2dl/g以上であれば、得られるフィルムの引張破断時の伸びが低下せず、耐溶剤性が低下せず好ましく、0.8dl/g以下であればフィルムの成形性が低下しにくく、好ましい。
ここで、メタクリル系樹脂組成物(C)のメチルエチルケトン可溶分の還元粘度とは、上記の操作により得られたるメチルエチルケトン可溶分150mgをN,N−ジメチルホルムアミド50mlに溶解させた溶液に対して、JIS K6721に従い、30℃での還元粘度を測定した値である。
すなわち、メタクリル系樹脂組成物(C)をメチルエチルケトン40mlに添加し、12時間室温で放置後、マグネチックスターラーを用い30分間攪拌を行う。これを遠心分離機(日立工機(株)製、CP60E)を用い30000rpmで1時間遠心分離し、デカンテーションにより、メチルエチルケトン不溶分および可溶分(溶液)に分離する。メチルエチルケトン不溶分に、さらにメチルエチルケトン20mlを加え、同様に遠心分離およびデカンテーションを2回繰り返すことによりメチルエチルケトン不溶分と可溶分とに分離する。さらに、メチルエチルケトン可溶分は、該溶液に対してメタノールを用いて析出させ、真空乾燥機を用いて60℃にて10時間乾燥させて、可溶分サンプルを得る。
本発明で用いられる樹脂組成物(C)におけるアクリル系グラフト共重合体(A)およびメタクリル系重合体(B)の製造方法は、特に限定されたものではなく、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法等が適用可能である。
乳化重合法においては、通常の重合開始剤が使用される。その具体例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの無機過酸化物;クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物;さらにアゾビスイソブチロニトリルなどの油溶性開始剤があげられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
これらの開始剤は、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒド、スルフォキシレート、アスコロビン酸、硫酸第一鉄などの還元剤と組み合わせた通常のレドックス型重合開始剤として使用してもよい。
前記乳化重合に使用される界面活性剤にも特に制限はなく、通常の乳化重合用の界面活性剤であれば使用することができる。その具体例としては、例えば、アルキル硫酸ソーダ、アルキルスルフォン酸ソーダ、アルキルベンデンスルフォン酸ソーダ、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリン酸ソーダなどの陰イオン性界面活性剤や、アルキルフェノール類とエチレンオキサイドとの反応生成物などの非イオン性界面活性剤などが示される。これらの界面滑性剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
このように得られる共重合体ラテックスから、通常の凝固と洗浄により、または、スプレー乾燥、凍結乾燥などによる処理により、アクリル系グラフト共重合体(A)またはメタクリル系重合体(B)が分離、回収される。
本発明のアクリル系樹脂組成物には、艶消し用架橋アクリル系重合体等の架橋粒子の他、着色のため無機または有機系の顔料、染料、熱や光に対する安定性をさらに向上させるための抗酸化剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤などを単独または2種以上組み合わせて添加してもよい。
本発明においては、紫外線吸収剤を含有させることにより、耐候性の優れた成形品とすることができる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤やベンゾフェノン系の紫外線吸収剤を、それぞれ単独で、または2種以上混合して用いることができる。なかでも、高分子量のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、例えば、2,2′−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]などが、耐候性が高く、フィルムからの揮発も少ないことから好ましい。
本発明においては、樹脂組成物(C)に紫外線吸収性を示す単量体を共重合することもできる。そのことにより、押出成形時に紫外線吸収剤の一部が揮発することなく、押出成形時のロールおよび金属ベルト、または、射出成形用金型への揮発成分の付着による汚れが少なくなる。
紫外線吸収性能を示す単量体としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール類であり、2−(2’−ヒドロキシ−5’−アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシプロピルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチル−3’−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらのうちでも、より好ましくは、コストおよび取り扱い性から、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールである。
紫外線吸収性を示す単量体の共重合比率は、樹脂組成物(C)100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましく、0.05〜5重量部が特に好ましい。共重合比率が0.01〜5重量部の範囲では、フィルムの耐候性と乳化重合の安定性とのバランスが良好となる。
本発明の製造方法においては、アクリル系樹脂組成物(C)を前述のように精製ろ過した後、例えば、通常の溶融押出法であるインフレーション法やTダイ押出法により成形加工することにより、アクリル樹脂系フィルムを得ることができる。これらフィルム成形法のなかでは、生産性やフィルム膜厚の均一性の点から、Tダイ押出法が好ましい。
Tダイ押出法にてフィルム成形する場合、ペレット形状とした樹脂を使用することが好ましい。
Tダイ押出法において用いられる押出機としては、スクリュー径が50mmφ以上の単軸押出機、または、スクリュー径が32mmφ以上の二軸押出機を用いることが好ましく、例えば、シリンダおよび連結管の設定温度を150〜280℃の範囲で運転し、170〜280℃の範囲に設定したTダイから溶融樹脂を吐出させることにより、フィルムを得ることができる。また、必要に応じ、該押出機には、ベント、ギアポンプ、スクリーンチェンジャー、ろ過精度が3〜25μmのリーフディスクタイプのステンレス繊維焼結フィルター等を用いることができる。
Tダイ法に用いられるTダイのリップ先端としては、ハードクロムメッキ処理またはタングステンカーバイドによる溶射処理がされているものが好ましい。ハードクロムメッキ処理またはタングステンカーバイドによる溶射処理がされていることにより、リップ部への樹脂の粘着性が小さくなり、目ヤニの付着によるきょう雑物の発生やダイラインが改善されフィルムの外観意匠性が向上することから、好ましい。
Tダイ法によるフィルム成形においては、Tダイのリップ部のクリアランスを0.3〜1.2mmとすることが好ましく、0.3〜1.0mmとすることがより好ましい。Tダイのリップ部のクリアランスが0.3mm以上であれば、リップ先端同士の衝突を防止できることから好ましく、1.2mm以下であれば、メルトフラクチャ−による膜厚変動が発生しにくいことから好ましい。
本発明において、フィルムをTダイ法により成形するに際し、Tダイより吐出される溶融状態の基体樹脂の片面を金属ロールまたは金属ベルトに接触させ、反対の面を金属ロール、金属ベルト、ゴムロール、金属スリーブ付きゴムロールおよびポリエチレンテレフタレート系樹脂よりなる群より選ばれるいずれか1種に接触させることにより、得られるフィルム表面の平滑性を向上させることができる。また、アクリル樹脂フィルムにおいては、エンボス柄を賦形しても良い。
本発明の製造方法により得られるアクリル樹脂フィルムとしては、気温23℃の環境下で、0.1秒間にてフィルムを180°折り曲げた際に白くならないことが、インサート成形やインモールド成形時に部材の曲面やトリミング加工時に白くならないことから好ましい。
本発明の製造方法により得られるアクリル樹脂フィルムの厚みは、30〜400μmが好ましく、30〜300μmがさらに好ましい。アクリル樹脂フィルムの厚みが30μm以上であれば、絵柄を印刷した場合に深みのある外観が得られ易いことから、好ましい。また、厚みが400μm以下であれば、コストが高くなり過ぎないことから、より使用し易い。
本発明のアクリル系樹脂フィルムには、コーティング層、プライマー層、絵柄印刷層、または蒸着層を設けることができ、自動車用部品やパソコン部品、家電製品として使用する際、意匠性の面で好ましい。
絵柄を印刷する場合は、グラビア印刷、スクリーン印刷あるいはインクジェットプリンター等による印刷などの公知の方法を採用することができる。
コーティング層の形成方法としては、ダイコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ディップコート法、リバースコート法など、公知の各種方法が使用出来る。外観を均一に保つ為、グラビアコート法、またはマイクログラビアコート法が更に好ましい。
コーティング層を形成する樹脂組成物としては、公知の熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂を用いることが、フィルムの耐擦傷性の観点から好ましく、さらにフィルムの伸び性を高くできることから、熱硬化性樹脂を用いることがより好ましい。熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン−アクリレート系樹脂、シリコーン−アクリレート系樹脂、エポキシ系樹脂、エステル系樹脂、フッ素系樹脂、フッ素シリコーン系樹脂を用いることができる。
コーティング層には、艶消し剤を含有することができる。艶消し剤としては、シリカ、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの無機系微粒子、アクリル系樹脂架橋樹脂粒子、フッ素系樹脂架橋粒子などの架橋樹脂粒子等が好ましい。
本発明のアクリル系樹脂フィルムを、他のフィルム、シート、射出成形材料等に積層することにより、フィルム単体では表現できない意匠性を持たせることや、耐熱性、硬度、接着性などの特性を変化させることもできる。
本発明で得られる積層品の製造方法は、特に制限されるものではない。例えば、前記印刷層にはプライマーや接着剤を塗布することができ、公知の樹脂からなる基材樹脂成形品と積層することができる。また、コーティング層が表層にある積層品は、意匠性の面で好ましい。
また、二次元形状(シート・フィルム状)の基材で、かつ基材が熱融着できるものの場合には、熱ラミネーション等の公知の方法を用いることができる。また、熱融着しない基材に対しては、プライマー層または接着層を介して貼り合せることが可能である。二次元形状の積層品に関しては、真空成形等を行うことにより、三次元形状とすることができる。
三次元形状の積層品を得る場合には、例えば、加飾フィルムを成型品の最表面とするインサート成形法、インモールド成形法、等の公知の射出成形同時貼合法を用いることができる。ところで、特にインサート成形においては、アクリル系樹脂フィルムとシートを熱ラミートし、真空成形を行った後に不必要な箇所をトリミングする工程を経るが、本発明のアクリル系樹脂フィルムは白くならないことから、好ましく使用できる。
射出成形される樹脂としては、種類は問わず、射出成形可能な全ての樹脂が使用可能である。
本発明のアクリル系樹脂フィルムは、共押出法によっても、熱可塑性樹脂に積層することができる。共押出法としては、特に限定されないが、通常の多層押出成形が有用であり、例えば、通常の溶融Tダイ押出法等により良好に加工される。また、得られる成形品がフィルムやシートの場合は、必要に応じて、両面をロールまたは金属ベルトに同じに接触させることができ、コーティング加工や印刷を施し易くなることから好ましい。また、目的に応じて、二軸延伸によりアクリル系樹脂シートの改質も可能である。
共押出できる熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS系樹脂、AS系樹脂、MBS系樹脂、MS系樹脂、スチレン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリグルタルイミド、無水グルタル酸ポリマー、ラクトン環化メタクリル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の組成物があげられ、これらの組成物は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。相溶性と工業的観点から、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS系樹脂、ポリフッ化ビニリデンの組成物が好ましい。
なお、ポリ塩化ビニル系樹脂には、塩化ビニル単独重合体だけでなく、塩化ビニルおよび酢酸ビニル等の他の単量体との共重合体、後塩素化した塩素化塩化ビニル樹脂も含まれる。また、軟質塩化ビニル樹脂も含まれる。
本発明の積層品の使用方法は、特に制限されるものではないが、例えば、自動車内装や自動車外装や携帯電話の部材、AV機器の部材、パソコン機器の部材、家具製品、各種ディスプレイ、レンズ、窓ガラス、小物、雑貨等の、外観意匠性の必要となる各種用途等に使用することができる。
以下に、実施例、比較例により本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
なお、実施例、比較例にある「部」は重量部、「%」は重量%を表す。また、略号は、それぞれ下記の物質を表す。
OSA:ソジウムジオクチルスルホサクネシート
BA:アクリル酸ブチル
MMA:メタクリル酸メチル
AlMA:メタクリル酸アリル
CHP:キュメンハイドロパーオキサイド
tDM:ターシャリードデシルメルカプタン
EA:アクリル酸エチル
得られたフィルムの特性評価は、以下の方法、条件に従った。
(アクリル酸エステル系ゴム状重合体の重量平均粒子径)
得られたアクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)ラテックスを、固形分濃度0.02%に希釈したものを試料として、分光光度計(HITACHI製、Spectrophotometer U−2000)を用いて、波長546nmでの光線透過率より、重量平均粒子径を求めた。
(グラフト率G)
製造例で得られた樹脂粉末1gをメチルエチルケトン40mlに添加し、12時間室温で放置後、マグネチックスターラーを用いて30分間攪拌を行った。
これを遠心分離機(日立工機(株)製、CP60E)を用い、30000rpmにて1時間遠心分離し、デカンテーションにより、メチルエチルケトン不溶分と可溶分(溶液)とに分離した。メチルエチルケトン不溶分に、さらにメチルエチルケトン20mlを加え、同様に遠心分離およびデカンテーションを2回繰り返すことにより、メチルエチルケトン不溶分と可溶分とに分離した。
得られたメチルエチルケトン不溶分を、アクリル酸エステル系ゴム状重合体(A−a)およびグラフト分(A−bの一部または全部)とみなして、次式により算出した。
グラフト率G(%)={(メチルエチルケトン不溶分の重量−アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(A−a)の重量)/アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(A−a)の重量}×100
(還元粘度)
グラフト率測定の前処理にて得られたメチルエチルケトン可溶分(溶液)に対して、さらに以下の操作を行い、メチルエチルケトン可溶分サンプルを得た。
すなわち、メチルエチルケトン可溶分(溶液)を過剰量のメタノールにより析出させ、真空乾燥機を用いて60℃にて10時間乾燥させて、可溶分サンプルを得た。
得られたメチルエチルケトン可溶分サンプル150mgを、N,N−ジメチルホルムアミド50mlに溶解させた溶液に対して、JIS K6721に従い、30℃での還元粘度を測定した。
(ステンレス繊維焼結フィルターのろ過精度)
使用したステンレス繊維焼結フィルターのろ過精度は、JIS B8356に準拠した方法により、ステンレス繊維焼結フィルターメディアを透過する捕集効率95%のコンタミナント粒径として示した。
(フィルムの表面外観)
(1)目ヤニ
ペレット加工時に、ダイス先端に付着した目ヤニと呼ばれる樹脂カスの発生状況を観察した。
○:目ヤニの発生が認められない
△:僅かに目ヤニの発生が認められる。
×:目ヤニの発生が著しい。
(2)きょう雑物
得られた1mのフィルムを、20cmの距離から透過で目視観察して、きょう雑物が観察された箇所について、マイクロハイスコープ[キーエンス(株)製]を用いて、長手方向のサイズを測定した。
◎:100μm以上のきょう雑物が、6個/m以下。
○:100μm以上のきょう雑物が、6個/m超10個/m以下。
△:100μm以上のきょう雑物が、10個/m超20個/m以下。
×:100μm以上のきょう雑物が、20個/m超。
(溶融粘度)
得られた樹脂ペレットを85℃にて5時間以上乾燥した後、キャピログラフ(東洋精機(株)製、キャピログラフ1D、オリフィス:径φ1mm、L=10mm)を用いて、温度260℃温度条件にて測定し、剪断速度120(1/s)での溶融粘度の値を示した。
(残存MMAモノマー量)
得られたフィルムをジメチルアセトアミドに溶解させて、10質量%溶液を作製した後、炭酸ジフェニルを内部標準液として、ガスクロマトグラフィーにて定量した。
(ペレット工程加工成形性)
ペレット化運転時の樹脂圧力の変動を測定し、加工成形性を評価した。
○:ダイス前の樹脂圧力値の10分間における最大値と最小値の差が2MPa未満
△:ダイス前の樹脂圧力値の10分間における最大値と最小値の差が4MPa未満
×:ダイス前の樹脂圧力値の10分間における最大値と最小値の差が4MPa以上、またはペレット加工できない。
(応力白化)
得られたフィルムを、23℃において180度折り曲げて、白化状態を観察し、次の基準にて評価をした。
○:白化が認められない。
△:白化がわずか認められる。
×:白化が著しい。
(設備の破損に関する評価)
○:設備の破損、変形が無く、安定的に運転出来る。
×:設備の破損、変形が発生し、運転が出来ない。
(ガス溜まりに関する評価)
○:20時間の連続運転中に、ダイスからガスが吹かない。
△:20時間の連続運転中に、ダイスからガスが吹くが、トランドは切れない。
×:20時間の連続運転中に、ダイスからガスが吹き、ストランドが切れる。
(製造例1)
撹拌機付き8L重合機に次の物質を仕込んだ。
水 200部
ソジウムオクチルスルホサクシネート 0.2部
エチレンジアミン・2Na 0.001部
硫酸第一鉄 0.00025部
ソジウムホルムアルデヒドスルフォキシレート 0.15部
脱酸素後、内温を60℃にした後、表1に示した単量体混合物(a)[BA90%、MMA7.6%およびALMA2.4%からなる単量体混合物100重量%に対し、CHP0.2重量%を添加した単量体混合物21部]を10部/時間の割合で連続的に滴下し、その後30分間後重合を行い、アクリル酸エスエル系ゴム状重合体を得た。重合転化率は99.5%であった。
その後、ソジウムオクチルスルホサクシネート0.2部を仕込んだ後、表1に示した単量体混合物(b)[BA10%、MMA90%からなる単量体混合物100重量%に対し、CHP0.3%およびtDM0.3%を添加した単量体混合物79部]を12部/時間の割合で連続的に滴下し、その後1時間後重合を行い、アクリル系グラフト共重合体(A)を得た。アクリル系グラフト共重合体(A)の重合転化率は99.0%、グラフト率は135%、メチルエチルケトン可溶分の還元粘度は0.35dl/gであった。
得られたラテックスを酢酸カルシウムで塩析・凝固した後、水洗・乾燥して、樹脂粉末1を得た。
得られた樹脂粉末の粒子径、還元粘度、グラフト率を測定して、表1に示した。
(製造例2〜6)
表1に示す重合処方にて、製造例1と同様の操作により、樹脂粉末2〜6を得た。
得られた樹脂粉末の粒子径、還元粘度、グラフト率を測定して、表1に示した。
(樹脂ペレット7)
樹脂ペレット7として、懸濁重合で製造したMMA−EA共重合体[住友化学工業(株)製、スミペックスEX:MMA/EA=95/5(重量比:H−NMR測定による分析結果)、還元粘度0.30dl/g、ゴム状重合体不含]を用いた。
(実施例1)
[樹脂ペレットの製造]
製造例1で得られた樹脂粉末1・100部に対して、紫外線吸収剤としてチヌビン234(チバスペシャルケミカル社製)1.0部を混合した。
ペレット製造工程で用いた押出機としては、ベント式90mmφ単軸押出機を用い、押出機先端に、ギアポンプを使用せずに、直接リーフディスクタイプ・ステンレス繊維焼結フィルター(商品名デナフィルター、長瀬産業(株)製)をセットしたハウジングを取り付けた。
ステンレス繊維焼結フィルターとしては、ろ過精度10μmの7インチサイズのフィルターを40枚使用(x/y=5.7)し、横置き構造とし、260℃の設定温度で使用した。
上記混合物を上記押出機に供給して、シリンダ設定温度150℃〜260℃にて溶融混練を行い、吐出量150kg/hrにて、樹脂ペレットを得た。
[フィルムの製造]
流路面およびリップ先端部にハードクロムメッキ処理を施し、リップ部の隙間を0.4〜0.7mmの間に調整したTダイ付き90mmφ単軸押出機(400メッシュのスクリーンメッシュを使用)を用いて、得られた樹脂ペレットを、シリンダ設定温度150℃〜240℃、ダイス温度240℃の条件にて押出した。Tダイから押し出された溶融樹脂の両面を、弾性金属ロール(金属ロールの温度:一方を90℃、他の一方を60℃に設定)に接触させて、厚さ125μmのフィルムを作製した。なお、フィルム厚は、122〜127μmの範囲であった。
作製したフィルムを用いて、種々の物性を評価した結果を、表2に示した。
(実施例2)
ステンレス繊維焼結フィルターのろ過精度を3μmに変更した以外は、実施例1と同様の操作により、フィルムを作製した。
得られたフィルムを用い、種々の物性を評価した結果を、表2に示した。
(実施例3)
ステンレス繊維焼結フィルターのろ過精度を5μmに変更した以外は、実施例1と同様の操作により、フィルムを作製した。
得られたフィルムを用い、種々の物性を評価した結果を、表2に示した。
(実施例4)
ステンレス繊維焼結フィルターのろ過精度を15μmに変更した以外は、実施例1と同様の操作により、フィルムを作製した。
得られたフィルムを用い、種々の物性を評価した結果を、表2に示した。
(実施例5)
ステンレス繊維焼結フィルターのろ過精度を25μmに変更した以外は、実施例1と操作により、フィルムを作製した。
得られたフィルムを用い、種々の物性を評価した結果を、表2に示した。
(実施例6)
フィルムにおける樹脂種を樹脂粉末2に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、フィルムを作製した。
得られたフィルムを用い、種々の物性を評価した結果を、表2に示した。
(実施例7)
フィルムにおける樹脂種を樹脂粉末3に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、フィルムを作製した。
得られたフィルムを用い、種々の物性を評価した結果を、表2に示した。
(実施例8)
フィルムにおける樹脂種を、樹脂粉末4および樹脂ペレット7を表2に示す比率にて混合したものに変更した以外は、実施例1と同様の操作により、フィルムを作製した。
得られたフィルムを用い、種々の物性を評価した結果を、表2に示した。
(実施例9)
フィルムにおける樹脂種を、樹脂粉末1・100部に対して、メタブレンP−551A(三菱レイヨン(株)製)を2重量部配合したものに変更した以外は、実施例1と同様の操作により、フィルムを作製した。
得られたフィルムを用い、種々の物性を評価した結果を、表2に示した。
(実施例10)
リーフディスクタイプ・ステンレス繊維焼結フィルターのサイズを5インチ、枚数を20枚とし(x/y=4)、押出吐出量を60kg/hrに変更した以外は、実施例1と同様の操作により、フィルムを作製した。
得られたフィルムを用い、種々の物性を評価した結果を、表2に示した。
(実施例11)
リーフディスクタイプ・ステンレス繊維焼結フィルターのサイズを12インチ、枚数を120枚とし(x/y=10)、押出吐出量を300kg/HRに変更した以外は、実施例1と同様の操作により、フィルムを作製した。
得られたフィルムを用い、種々の物性を評価した結果を、表2に示した。
(実施例12〜13)
フィルムにおける樹脂種を、樹脂粉末5と樹脂ペレット7を表2で示した比率にて混合したものに変更した以外は、実施例1と同様の操作により、フィルムを作製した。
得られたフィルムを用い、種々の物性を評価した結果を、表2に示した。
(実施例14)
ペレット製造工程において、押出機とリーフディスクタイプ・ステンレス繊維焼結フィルターとの間に、ギアポンプを設置し、且つ、リーフディスクフィルターを押出機に対して直列方向にセッティングすることに変更した以外は、実施例1と同様の操作により、フィルムを作製した。
得られたフィルムを用い、種々の物性を評価した結果を、表2に示した。
(比較例1)
ステンレス繊維焼結フィルターのろ過精度を2μmに変更した以外は、実施例1と同様の操作により、フィルムを作製した。
得られたフィルムを用い、種々の物性を評価した結果を、表2に示した。
(比較例2)
ステンレス繊維焼結フィルターのろ過精度を30μmに変更した以外は、実施例1と同様の操作により、フィルムを作製した。
得られたフィルムを用い、種々の物性を評価した結果を、表2に示した。
(比較例3)
フィルムにおける樹脂種を、樹脂粉末1・100部に対して、メタブレンP−530A(三菱レイヨン(株)製)を30重量部配合したものとした以外は、実施例1と同様の操作を行った。しかしながら、フィルターでの圧力損失が大きく、且つ、メルトフラクチャ−が発生し、安定的にペレットを作製することができなかった。
(比較例4)
ステンレス繊維焼結フィルターのサイズを12インチ、枚数を24枚とし(x/y=2)、押出吐出量を100kg/hrに変更した以外は、実施例1と同様の操作により、フィルムを作製した。
得られたフィルムを用い、種々の物性を評価した結果を、表2に示した。
(比較例5)
ステンレス繊維焼結フィルターのサイズを5インチ、枚数を80枚に(x/y=16)変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。しかし、ステンレス繊維焼結フィルターを支えるセンターポストが変形し、ペレットを作製することができなかった。
(比較例6)
ペレット製造工程において、押出機の先端に、リーフディスクタイプ・ステンレス繊維焼結フィルターの代わりに、ステンレス平織りの400メッシュのスクリーンメッシュをセットした以外は、実施例1と同様の操作により、フィルムを作製した。
得られたフィルムを用い、種々の物性を評価した結果を、表2に示した。
表2に示す結果から、滞留による樹脂分解を引き起こすことなく、きょう雑物が取り除かれフィルムの外観意匠性が改善されていることが判る。
本発明に係るリーフディスクタイプのポリマーフィルター構造の一例を示す説明図である。 本発明に係るリーフディスクタイプのポリマーフィルター内での溶融ポリマーの流れを示す説明図である。 本発明に係るろ過工程の一例を示す説明図である。
符号の説明
1 リーフディスクタイプのポリマーフィルター
2 フィルター容器
3 センターポスト
4 押出機側
5 外周部
6 中心部
7 ダイス側
P 溶融ポリマー
20 リーフディスクタイプのポリマーフィルター装置一式
21 ベント付単軸押出機
22 ダイス
23 ストランド
24 水槽
25 ストランドカッター
26 ストランド選別機
27 タンク
28 フレコン

Claims (5)

  1. 温度260℃およびせん断速度120(1/sec)での溶融粘度が2500Pa・sec以下であるアクリル系樹脂組成物(C)を、ろ過精度が3〜25μmであるリーフディスクタイプのフィルターを用いた押出機を用いてろ過精製する工程を含む、アクリル系樹脂フィルムの製造方法であって、
    リーフディスクタイプのフィルター連結枚数をx枚、フィルター直径をyインチとした場合に、x/y=3〜15の関係式を満たすことを特徴とする、アクリル系樹脂フィルムの製造方法。
  2. フィルム中に存在する100μm以上のきょう雑物の個数が10個/m以下であることを特徴とする、請求項1記載のアクリル系樹脂フィルムの製造方法。
  3. ろ過精製工程がペレット製造工程であり、アクリル系樹脂組成物(C)が、全体量を100重量部とした場合、アクリル系グラフト共重合体(A)を20重量部以上含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のアクリル系樹脂フィルムの製造方法。
  4. 押出機がベント付き単軸押出機であり、ギアポンプを使用しないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル系樹脂フィルムの製造方法。
  5. フィルム中のメタクリル酸メチルモノマーの残存量が1.2%以下であることを特徴とする、請求項3または4に記載のアクリル系樹脂フィルムの製造方法。
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