JP2009202518A - リーフディスクフィルタ組立体および熱可塑性樹脂シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルタ組立体内において滞留時間の長い場所を減らし、ゲル状体などの異物発生を抑え、欠点の少ない熱可塑性樹脂シートを製造することができるリーフディスクフィルタ組立体およびそれを用いた熱可塑性樹脂シートの製造方法を提供する。
【解決手段】支柱に組み付けられた複数のリーフディスクフィルタ1と、前記リーフディスクフィルタのうち最上流部に位置するリーフディスクフィルタに相対するように配置された保護板5と、前記リーフディスクフィルタのうち最下流部に位置するリーフディスクフィルタに相対するように配置された底板10と、を備えたリーフディスクフィルタ組立体60であって、保護板と最上流部に位置するリーフディスクフィルタとの間隔、および、底板と最下流部に位置するリーフディスクフィルタとの間隔の少なくとも一方が、リーフディスクフィルタ間の間隔よりも狭いリーフディスクフィルタ組立体とする。
【選択図】図1

Description

本発明は熱可塑性樹脂をろ過するために使用するリーフディスクフィルタ組立体および熱可塑性樹脂シートの製造方法に関する。
従来より、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂のシート化は一般に図12に示すような製造装置により製造している。
図12は、熱可塑性樹脂シートの製造装置を示す概略図であり、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂シートの移動方向について上流から順に、押出機21、ギヤポンプ22、フィルタ23、口金24、冷却ドラム(支持体)25、延伸装置26、厚み計27およびワインダ28が配置されている。また、厚み制御装置29が口金24と厚み計27とに接続されている。
熱可塑性樹脂シート製造装置40において、熱可塑性樹脂(図示せず)は、押出機21により熱とせん断力が加えられ、溶融した状態で押出機21から押し出されてギヤポンプ22に送出される。そして、このギヤポンプ22により一定量の溶融樹脂が吐出され、フィルタ23により異物等が除去された後、口金24を通じてシート状に押し出され、次いで冷却ドラム25上において冷却・固化される。この冷却・固化されたシートは、引き続き延伸装置26により所定の方向に延伸され、熱可塑性樹脂シート30として、ワインダ28により巻き取られる。その際、熱可塑性樹脂シート30は、厚み計27によりシート幅方向の厚みが測定され、この厚み測定データに基づいて口金24のリップ間隙を厚み制御装置29により調整し、幅方向の厚みが均一な熱可塑性樹脂シートが製造される。
光学用途に使用する熱可塑性樹脂シートは異物欠点の存在に極めて敏感であり、数十ミクロンの異物があれば製品とならないことが多い。したがって、上述したような熱可塑性樹脂シートの製造装置においては、フィルタ23の性能が非常に重要であり、高精度の濾過を行うことが一般に必要となる。
高精度濾過は、通常は濾過精度20ミクロン程度のフィルタを用いるが、特に異物等の欠点に敏感な用途に関しては10ミクロン以下の濾過精度を備えたフィルタが使用される。なお、濾過精度とは、捕捉率が99%以上となる捕捉物の大きさで示している。このように、高い濾過精度を有するフィルタを用いると、濾圧が高くなるため、濾過面積が広いリーフディスクフィルタを用いるのが一般的である。
このリーフディスクフィルタは、通常、図4に示すように複数枚のリーフディスクフィルタ1を支柱4に組み付けた組立体として使用される。ここで、図4において、リーフディスクフィルタ組立体50は、ケーシング3内に、先の支柱4に組み付けた複数のリーフディスクフィルタ1と共に納められ、上蓋2によりケーシング内流路11が確保される状態で組み立てられる。支柱4に組み付けられたリーフディスクフィルタ1はその最上流部と最下流部とにそれぞれ相対する形で保護板5と底板10とが配置され、止めネジ6にて固定されている。図5および図6は、それぞれリーフディスクフィルタ1の最上流部付近と最下流部付近を拡大した概略断面図であり、厚みBを有するリーフディスク1がリーフディスクフィルタ間の間隔Aが等間隔となるように、一定の厚みを有するガスケット7を介して順に組み付けられている。
溶融した樹脂は、ケーシング内流路11を通って各リーフディスクフィルタ1に至り、リーフディスクフィルタ1を通過した後、順に支柱溝9、支柱孔8および支柱内流路4’を通ってリーフディスクフィルタ組立体の外へ流れてゆく。このような樹脂の流れを適用したフィルタの例としては、例えば特許文献1に記載の濾過装置がある。
このように、リーフディスクフィルタを通過せしめることにより、樹脂内に存在する異物を除去できることになるが、熱可塑性樹脂は一般に熱劣化し易いため、滞留時間が長いと変色したり、ゲル状となったりして異物となりやすい(フィルタ自身が異物の発生源となる)。特に樹脂の流れに対し最上流部に位置するリーフディスクフィルタと保護板との間や、最下流部に位置するリーフディスクフィルタと底板との間では、熱可塑性樹脂の流れが悪くなり、滞留して異物の発生箇所となる問題があった。そして、発生した異物が固形体ではなくゲル状体であると、たとえ高精度のフィルタを用いてもゲル状の異物が変形してフィルタをすり抜けてしまい、シートに欠点を発生させることがわかってきた。
特開2002−307529号公報
本発明の目的は、最上流部に位置するリーフディスクフィルタと保護板との間隔や、最下流部に位置するリーフディスクフィルタと底板との間隔を、リーフディスクフィルタ間の隙間より狭くすることで滞留時間の長い場所を減らし、ゲル状体などの異物発生を抑え、欠点の少ない熱可塑性樹脂シートを製造することができるリーフディスクフィルタ組立体およびそれを用いた熱可塑性樹脂シートの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、支柱に組み付けられた複数のリーフディスクフィルタと、前記リーフディスクフィルタのうち最上流部に位置するリーフディスクフィルタに相対するように配置された保護板と、前記リーフディスクフィルタのうち最下流部に位置するリーフディスクフィルタに相対するように配置された底板と、を備えたリーフディスクフィルタ組立体であって、保護板と最上流部に位置するリーフディスクフィルタとの間隔、および、底板と最下流部に位置するリーフディスクフィルタとの間隔の少なくとも一方が、リーフディスクフィルタ間の間隔よりも狭いリーフディスクフィルタ組立体であることを特徴とする。
ここで、リーフディスクフィルタの濾過精度が20μm以下であることも好ましく、また、上記したリーフディスクフィルタ組立体に流通せしめた熱可塑性樹脂を支持体上に押し出してシートを成形する熱可塑性樹脂シートの製造方法であることも好ましい。
本発明によれば、以下に示すとおり、フィルタ内に熱可塑性樹脂が滞留する部分を少なくすることができるため、熱可塑性樹脂の熱劣化を防止し、それにともなう異物の発生を抑止することで、異物欠点の少ない熱可塑性樹脂シートの製造に好適に適用できるリーフディスクフィルタ組立体を提供することができる。また、そのようなリーフディスクフィルタ組立体を用いて異物欠点の少ない熱可塑性樹脂シートの製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明について、図面を参考にしながら説明する。もちろん、以下の説明は一例であり、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施態様にかかるリーフディスクフィルタ組立体の概略断面図である。図1において、リーフディスクフィルタ組立体60は、ケーシング3内に、支柱4に組み付けた複数のリーフディスクフィルタ1と共に納められ、上蓋2によりケーシング内流路11が確保される状態でボルト(図示せず)で固定・組み立てがなされる。支柱4に組み付けられたリーフディスクフィルタ1はその最上流部と最下流部とにそれぞれ相対する形で保護板5と底板10とが配置され、油圧等で上下方向にプレスされた後、止めネジ6にて固定されている。図2および図3は、それぞれリーフディスクフィルタ1の最上流部付近と最下流部付近を拡大した概略断面図であり、厚みBを有するリーフディスク1がリーフディスクフィルタ間の間隔Aが等間隔となるように、一定の厚みを有するガスケット7を介して順に組み付けられている。また、最上流部のリーフディスクフィルタ1’と保護板5との間隔C1は、A>C1となるようにガスケット7aの厚みが調整されている。同様に、最下流部のリーフディスクフィルタ1’’と底板10との間隔C2も、A>C2となるようにガスケット7bの厚みが調整されている。
また、リーフディスクフィルター1は図9に示すように2枚のろ材12、12’で構成され、内部にろ圧でフィルターがつぶれないように金網13が挿入されている。リーフディスクフィルター1の外周は溶接で固定されており(溶接部15)、内周は半径方向に多数の孔が穿たれた接続部材14(図2参照)に溶接されている。この孔は、ろ材12、12’を通過した溶融樹脂をリーフディスクフィルタ外に導出する機能を有している。
図11は、支柱4付近の概略横断面図である。支柱4は、外形の横断面形状が6角形であり、中心部に支柱内流路4’を備えた筒状の形態を有している。また、側面に支柱孔8が穿たれ、接続部材14との間に支柱溝9を形成するようにそれぞれの部材が配置されている。
溶融した樹脂(図示せず)は、矢印で示されるように上流(図1における上部)からケーシング内流路11を通って各リーフディスクフィルタ1にほぼ均等に分配される。分配された樹脂は、ろ材12、12’により濾過され、金網13が挿入された空間を通って中心方向へ流れ、接続部材14に穿たれた孔を通って、以後、順に支柱溝9、支柱孔8および支柱内流路4’を通ってリーフディスクフィルタ組立体の外へ流れてゆく。
さて、以下に、フィルタ内の溶融樹脂の流れについて、詳細に説明する。
従来のフィルタにおいては、図4、図5、図6に示すように、リーフディスクフィルタ間の間隔Aはほぼ均等に維持されており、保護板と最上流部に位置するリーフディスクフィルタとの間隔および底板と最下流部に位置するリーフディスクフィルタとの間隔についても、同様に間隔Aが維持されている。これは、通常は、同一の厚みを有するガスケット7を使用しているためである。光学用途に使用するシートは異物欠点の存在を非常に嫌うため、通常は濾過精度の高いフィルタ(ろ材)を使用することが多く、この場合、間隔Aを有する各隙間を流れる樹脂の流量はほぼ等しくなる。なお、リーフディスクフィルタの半径方向で流速が異なるため、ここでは各隙間を通過する樹脂の総和として流量を定義する。
ここで、図7〜10に示すように、各リーフディスクフィルタ間を流れる樹脂の流量をQ1とし、各リーフディスクフィルタ内を流れる樹脂の流量をQ2とする。厳密には、ケーシング内流路11と支柱内流路4’の圧損によって各リーフディスクフィルタ間および各リーフディスクフィルタ内を流れる樹脂の流量は多少異なるが、ろ材の濾過精度が高い場合、これらの圧損は非常に小さいため、ここでは考慮しない。各リーフディスクフィルタ内に流れる樹脂の流量Q2は、リーフディスクフィルタの上下の隙間から[Q1]/2ずつ流れ込むため、結果的にQ1=Q2となる。
ところが、保護板5と最上流部に位置するリーフディスクフィルタ1とで形成される隙間を流れる樹脂の流量Q11、および、底板10と最下流部に位置するリーフディスクフィルタ1とで形成される隙間を流れる樹脂の流量Q12は状況が異なる。すなわち、ろ過されるフィルタろ材が一面しかないので、ろ圧が上がり、流量が下がる。この場合、おおよそではあるが、Q1>Q11=[Q1]/2、Q1>Q12=[Q1]/2となる。この影響で、最上流部に位置するリーフディスクフィルタ1’内を通過する樹脂の流量Q21と、最下流部に位置するリーフディスクフィルタ1’’内を通過する樹脂の流量Q22は減少し、Q2>Q21、Q2>Q22となる。厳密にはこれらを補正するため、その他のリーフディスクフィルタ内を流れる樹脂の流量は徐々に変化するが、その変化量はわずかであり、ここではQ2としている。ここで、リーフディスクフィルタ間の体積をVと置くと、ここを流れる樹脂の滞留時間Tは、V/[Q1]となる。一方、保護板5と最上流部に位置するリーフディスクフィルタとで形成される隙間を流れる樹脂の滞留時間はT=V/[Q11]=2V/[Q1]となり、同様に、底板10と最下流部に位置するリーフディスクフィルタとで形成される隙間を流れる樹脂の滞留時間はT=V/[Q12]=2V/[Q1]となり、いずれも、リーフディスクフィルタ間を流れる樹脂に対し2倍の滞留時間となる。
従って、熱劣化する傾向のある樹脂の場合は、滞留時間が長い上記の領域(保護板5と最上流部に位置するリーフディスクフィルタ1’とで形成される隙間、底板10と最下流部に位置するリーフディスクフィルタ1’’とで形成される隙間)では、樹脂の劣化が顕著となりやすく、たとえば、ゲル状体となって、異物としてシート製品に混入する問題が発生する。
そこで、本発明では、図1、図2、図3に示すように、保護板5と最上流部に位置するリーフディスクフィルタ1’との間隔C1、および底板10と最下流部に位置するリーフディスクフィルタ1’’との間隔C2の少なくとも一方を、リーフディスクフィルタ間の間隔Aより狭くすることで従来の問題を解決する。
この場合、一見、間隔が狭くなったことで、その部分における樹脂の流量が低下するように思えるが、実際には高い濾過精度を有するろ材を使用するため、ろ材の圧損は、この隙間の圧損より圧倒的に高くなり、流量変化はほんんど無視できる。すなわち、間隔A、間隔C1、間隔C2を流れる流量は、図9、図10に示すように、C1=C2=Aの場合(図7、図8)とほぼ同等と見なすことができる。そこで、例えばC1=A/2、C2=A/2に設定すると、それぞれ隙間の体積がV/2となるため、滞留時間T=(V/2)/([Q1]/2)=V/[Q1]となり、リーフディスクフィルター間に流れる樹脂の滞留時間と同等となる。したがって、滞留時間が長い部分をなくすことができ、異物の少ない良好な樹脂シートを得ることができる。
なお、上記では、C1=C2=A/2の場合について説明したが、C1<A、および/または、C2<Aの関係が満たされていれば、本発明の効果を得ることができる。好ましい間隔としては、C1≦0.6A、C2≦0.6Aであり、これにより十分に滞留時間が短くなり、異物の発生を防止することができる。最も好ましい間隔としては、C1=A/2、C2=A/2であり、この場合、Q11=Q1=Q12となり異常滞留部分がほぼ解消され、欠点の極めて少ない良好なシートを得ることができる。
また、間隔A、C1、C2を調整する方法としては、例えば、上記したように使用するガスケットの厚みを適宜変更することで調整可能であるし、この場合、厚みの薄いガスケットを複数枚用い、その使用枚数により各間隔を調整することが簡便であり好ましい。また、他にも、接続部材14の厚みを変更することでも調整可能であるし、もちろんリーフディスクフィルタの厚みBを調整して間隔を制御することも可能である。さらに、間隔C1およびC2を調整する方法として、保護板や底板のリーフディスクフィルタに相対する面に凸部を設けて間隔を狭めたり、ガスケットの厚みを薄くしておいて、保護板や底板のリーフディスクに相対する面を削るなどして調整する手法も例示できる。
なお、数値解析によって最適なリーフディスクフィルタ間の間隔を個別に求めることはできるが、実際に使用する場合はリーフディスクフィルタの厚みを変えたり、ガスケットの厚みを変えることは煩雑に過ぎることが多い。もちろん、そのような手法を採用しても構わないが、好ましくは、リーフディスクフィルタ間の間隔Aは等間隔とし、C1および/またはC2を適宜調整する方法がよい。
リーフディスクフィルタ間の間隔Aは、相対するリーフディスクフィルタのろ材間の距離をいうが、実際には溶接構成であるため円周方向で間隙のバラツキが大きい。したがって、本発明においては、各間隔の平均値をもって間隔Aとする。
また、上記において、支柱4は外形の断面形状が6角形のものを例示したが、もちろん、他の多角形でもよいし、楕円でも構わない。
底板10については、支柱4と別体であっても一体であっても構わない。また、ケーシング3と一体化されていてもよい。好ましい態様としては、リーフディスクフィルタのケーシング内への挿入や取り出しを一括して行える(ハンドリング性が向上する)ことから、リーフディスクフィルタ、支柱、保護板、底板、止めネジ等をまとめてケーシング内へ挿入したり取り出したりできるように構成されていることである。この場合、特に、支柱と底板とが一体成形されていることが好ましい。
リーフディスクフィルタの濾過精度の好ましい範囲としては、20μm以下であり、より好ましくは0.5〜5μmである。ろ過精度を0.5μm未満とすると樹脂が通過する圧力が高くなりリーフディスクフィルターの耐圧を超えてしまうことがある。これを防止するためにはリーフディスクフィルター枚数を増やすか、リーフディスクフィルター外径を大きくする必要があるが、リーフディスクフィルター枚数が例えば200枚を超えるようになると、上流と中間と下流の位置にあるリーフディスクフィルターにおいて、それぞれ通過する樹脂流量が異なるため、異常滞留が発生する傾向が強くなる。一方、リーフディスクフィルター外径を大きくするとリーフディスクフィルター最外周部を通過する樹脂の流れが遅くなるため、異常滞留が発生することが多い。
リーフディスクフィルタの好ましい使用枚数の範囲としては、20〜200枚であり、より好ましくは20〜100枚である。
また、本発明に適用可能な光学用熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース、等である。
熱可塑性樹脂シートの構成は、単層構成でもよいし、複層構成を有していてもよい。また、延伸工程を採用する場合は、縦延伸と横延伸を順次組み合わせた逐次二軸延伸機を用いて行ってもよいし、縦延伸と横延伸を同時に行う同時二軸延伸機を用いて行ってもよい。もちろん、延伸工程を経ない未延伸シートとしても構わない。
上記した製法により得られる熱可塑性樹脂シートは、例えば、フラットディスプレイパネル用の光学フィルム等、異物欠点に敏感な用途に好適に用いることができる。
[比較例]
図4〜6、図12に記載のリーフディスクフィルタ組立体、熱可塑性樹脂の製造装置を利用して製膜を行った。樹脂はアクリル系(メタクリル酸メチル、グルタル酸無水物およびメタクリル酸をポリマー構成成分として用いた樹脂組成物)を使用した(粘度は、せん断速度10sec−1で約6〜7万poise)。押出機は、1軸ベント付きでスクリュー径φ90のものを使用した。吐出量はギヤポンプで計量して100kg/hrとした。フィルターはベカルト製の濾過精度7ミクロン(99%以上カット)、直径12インチ、厚み(B)12mmのリーフディスクフィルターを50枚使用した。ガスケットは0.5mm厚のものを6枚一組として各リーフディスクフィルタ間、保護板と最上流部のリーフディスクフィルタとの間、および底板と最下流部のリーフディスクフィルタとの間において使用し、リーフディスクフィルター同士の間隔Aを3mm、保護板と最上流部のリーフディスクフィルタとの間隔を間隔Aと同じ3mm、底板と最下流部のリーフディスクフィルタとの間隔も間隔Aと同じ3mmとした。口金の幅は1,780mmである。なお、延伸工程は採用せず未延伸シートとしてワインダーで巻き取った。
製膜を初めて約15時間後から異物(2〜3個/m)が増加し、24時間後には製品とならない程度に異物(20〜30個/m)が発生した。なお、この異物は、樹脂が変質したもので、茶褐色をしており、大きさが100μm以上のものも存在した。ろ過精度が7μmのフィルタを使用しているが、異物形状が変形してろ材を構成している金属ファイバーの隙間をすり抜けるため、肉眼で観察できる程度の大きな欠点が発生したものと思われる。製膜終了直後にフィルタを解体した結果、保護板と最上流部のリーフディスクフィルタとの隙間や、底板と最下流部のリーフディスクフィルタとの隙間に変色した樹脂が存在した。なお、リーフディスクフィルタ同士の隙間など、他の箇所には特に変色した樹脂は認められなかった。
[実施例]
図1〜3に記載のリーフディスクフィルタ組立体を使用した。保護板と底板の一部を改造することで、保護板と最上流部のリーフディスクフィルタとの間隔C1を1.7mm、底板と最下流部のリーフディスクフィルタとの間隔C2を1.7mmとし、それ以外は比較例と同じ条件として製膜した。間隔調整は、具体的には、使用したガスケット厚みはすべて同じであるが、保護板とガスケットとの当接面を削って間隙C1を3mmから1.7mmに狭め、同様に底板とガスケットとの当接面を削って間隙C2を3mmから1.7mmに狭めた。
その結果、24時間後であっても異物の発生を抑えることができ(2〜3個/m以下)、製膜終了直後にフィルタを解体した結果、保護板と最上流部のリーフディスクフィルタとの隙間や、底板と最下流部のリーフディスクフィルタとの隙間には変色した樹脂は認められなかった。他の部分についても同様に変色した樹脂は認められなかった。
本発明は特に光学用途の熱可塑性樹脂シートを製造する際に用いるリーフディスクフィルタ組立体および熱可塑性樹脂シートの製造方法に利用することができる。
本発明の一実施態様にかかるリーフディスクフィルタ組立体を示す概略断面図である。 図1のリーフディスクフィルタ組立体の最上流部付近を示す概略断面図である。 図1のリーフディスクフィルタ組立体の最下流部付近を示す概略断面図である。 従来のリーフディスクフィルタ組立体を示す概略断面図である。 図4のリーフディスクフィルタ組立体の最上流部付近を示す概略断面図である。 図4のリーフディスクフィルタ組立体の最下流部付近を示す概略断面図である。 図4のリーフディスクフィルタ組立体の最上流部付近を示す概略断面図である。 図4のリーフディスクフィルタ組立体の最下流部付近を示す概略断面図である。 図1のリーフディスクフィルタ組立体の最上流部付近を示す概略断面図である。 図1のリーフディスクフィルタ組立体の最下流部付近を示す概略断面図である。 図1の支柱付近を示す概略横断面図である。 熱可塑性樹脂シートの製造装置を示す概略図である。
符号の説明
1 リーフディスクフィルタ
1’ 最上流部に位置するリーフディスクフィルタ
1’’ 最下流部に位置するリーフディスクフィルタ
2 上蓋
3 ケーシング
4 支柱
4’ 支柱内流路
5 保護板
6 止めネジ
7 ガスケット
7a ガスケット
7b ガスケット
8 支柱穴
9 支柱溝
10 底板
11 ケーシング内流路
12 ろ材
12’ ろ材
13 金網
14 接続部材
15 溶接部
21 押出機
22 ギヤポンプ
23 フィルタ
24 口金
25 冷却ドラム(支持体)
26 延伸装置
27 厚み計
28 ワインダ
29 厚み制御装置
30 熱可塑性樹脂シート
40 熱可塑性樹脂シートの製造装置
50 リーフディスクフィルタ組立体
60 リーフディスクフィルタ組立体
A リーフディスクフィルタ間の間隔
B リーフディスクフィルタの厚み
C1 保護板と最上流部に位置するリーフディスクフィルタとの間隔
C2 底板と最下流部に位置するリーフディスクフィルタとの間隔
Q1 リーフディスクフィルタ間を流れる樹脂の流量
Q2 リーフディスクフィルタ内を流れる樹脂の流量
Q11 保護板と最上流部に位置するリーフディスクフィルタとの間隙を流れる樹脂の流量
Q12 底板と最上流部に位置するリーフディスクフィルタとの間隙を流れる樹脂の流量
Q21 最上流部に位置するリーフディスクフィルタ内を流れる樹脂の流量
Q22 最下流部に位置するリーフディスクフィルタ内を流れる樹脂の流量

Claims (3)

  1. 支柱に組み付けられた複数のリーフディスクフィルタと、前記リーフディスクフィルタのうち最上流部に位置するリーフディスクフィルタに相対するように配置された保護板と、前記リーフディスクフィルタのうち最下流部に位置するリーフディスクフィルタに相対するように配置された底板と、を備えたリーフディスクフィルタ組立体であって、保護板と最上流部に位置するリーフディスクフィルタとの間隔、および、底板と最下流部に位置するリーフディスクフィルタとの間隔の少なくとも一方が、リーフディスクフィルタ間の間隔よりも狭いことを特徴とするリーフディスクフィルタ組立体。
  2. リーフディスクフィルタの濾過精度が20μm以下である、請求項1に記載のリーフディスクフィルタ組立体。
  3. 請求項1または2に記載のリーフディスクフィルタ組立体に流通せしめた熱可塑性樹脂を支持体上に押し出してシートを成形する熱可塑性樹脂シートの製造方法。
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