JP5220331B2 - 油性化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、油性化粧料に関し、更に詳しくは、ツヤ感に優れかつ適度で均一な膜厚感を有する化粧膜を形成し、滑らかな使用感とべたつきの無さと潤い感の持続性に優れた油性化粧料に関する。
従来、口紅に代表される油性化粧料は、様々な官能や化粧効果を得るために配合成分の選択やその配合比が検討されてきた。近年、ツヤや透明感のある化粧膜が好まれる傾向があり、ツヤのある化粧膜を得るために、油剤として液状のポリオレフィンポリマーを配合した油性化粧料が提案されている。例えば、ポリブテンを配合した油性化粧料(特許文献1)、イソパラフィン、ノルマルパラフィン及びポリブテンを配合した油性化粧料(特許文献2)が提案されている。これらの油剤を配合した油性化粧料には、該油剤をゲル化させるゲル化剤が配合されるが、特許文献1では、油ゲル化剤として、デキストリン脂肪酸エステル及び/又は12−ヒドロキシステアリン酸を用いており、ポリブテンとの相乗効果によって、ツヤ、のびがよく、使用性、安定性に優れたオイルゲル化粧料が得られるとしている。また、油剤としてリンゴ酸ジイソステアリルを用い、ゲル化剤としてデキストリン脂肪酸エステルを併用して配合した油性化粧料が提案され(特許文献3)、この併用によって、ツヤがよく、臭いが無く、重い使用感やべたつき感が少なく、形状保持性、安定性などに優れた油性化粧料が得られたとしている。一方、イヌリン糖脂肪酸エステルを揮発性環状シリコーンのゲル構造付与剤に用いることが提案されている(特許文献4)。
特開2002−3340号公報 特開2002−316910号公報 特開2003−113024号公報 特開2002−265328号公報
特許文献1や特許文献2に示されるような、ポリブテンやパラフィンと油ゲル化剤を配合した油性化粧料は、ツヤが良いという点では優れているが、化粧膜のべたつきやのびの重さなど使用性においては満足できるものではなかった。また、特許文献3に示されるリンゴ酸ジイソステアリルのような油剤は、ポリブテンに比べべたつきは低減できるが、ツヤや密着感、潤い感など、未だ満足のいくものではなかった。本発明は、化粧膜が適度で均一な膜厚感を有し、ツヤ感に優れ、しかも滑らかな使用感とべたつきの無さと潤い感の持続に優れた油性化粧料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の糖重合度と特定の脂肪酸エステル化度を持つフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルが、α−オレフィンオリゴマーと共に、ツヤを維持しつつ、べたつきの無さやのびがよいなど使用性にも優れた化粧膜を形成することを見出し、更にフェニル基含有オルガノポリシロキサンを配合することによって、より一層べたつきを低減でき、またツヤを向上させ得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、次の成分(A)〜(C):
(A)糖平均重合度が10以上60以下で、一単糖単位あたりの脂肪酸エステル化度が2.2以上のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル0.1〜30質量%
(B)重量平均分子量が500〜5000の炭素数4〜12の直鎖脂肪族α−オレフィンの重合物、或はその水素添加物0.1〜90質量%
(C)25℃における屈折率が1.48以上のフェニル基含有オルガノポリシロキサン0.1〜30質量%
を含有することを特徴とする油性化粧料である。
上記の成分(A)は、糖平均重合度が10以上60以下で、一単糖単位あたりの脂肪酸エステル化度が2.2以上のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルであって、且つ該脂肪酸エステルの総アシル基の60モル%以上が、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、エイコサノイル基及びドコサノイル基から選ばれる1種又は2種以上のアシル基であるフラクトオリゴ脂肪酸エステルが好ましい。
本発明の油性化粧料は、化粧膜のツヤ感を良くするために、油剤として重量平均分子量が500〜5000の炭素数4〜12の直鎖脂肪族α−オレフィンの重合物、或はその水素添加物を用い、そのゲル化剤として、糖平均重合度が10以上60以下で、一単糖単位あたりの脂肪酸エステル化度が2.2以上のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルを用い、更にフェニル基含有オルガノポリシロキサンを配合したので、ツヤ感に優れ且つ適度で均一な膜厚感を有し、べたつきの無い化粧膜を形成でき、且つ滑らかな使用感と潤い感の持続性に優れている。
本発明の成分(A)について説明する。成分(A)は、糖平均重合度が10以上60以下で、一単糖単位あたりの脂肪酸エステル化度が2.2以上のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルである。フラクトオリゴ糖脂肪酸エステルは公知である(特開平3−197409号公報、特開2002−193732号公報)。成分(A)のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルの原料であるフラクトオリゴ糖は、フルクトースを主要構成糖とするオリゴ糖である。フラクトオリゴ糖はいろいろな植物、例えばキク科、イネ科およびユリ科の根、茎、葉、種子等に含まれており、その構造は主鎖の結合様式が2→1結合のものと、2→6結合のものの2種類がある。2→1結合のものとしてはイヌリン、アスパラゴシン、アスホデラン、トリチカン、クリテザン、バクモンドウ由来のフラクトオリゴ糖等が挙げられ、2→6結合のものとしてはフレアン、レバン、セラカン等が挙げられる。いずれも使用できる。これらのフラクトオリゴ糖の中でも、とりわけイヌリンが物性面からも供給面からも好ましい。
本発明で用いる成分(A)のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルは、その糖平均重合度が10以上60以下である。糖平均重合度の測定法は、例えばL. De Leenheer, Starch 46(5),p193-196(1994)、Carbohydrates as Organic Raw Materials,Vol.III,p67-92(1996)に記載されている。糖平均重合度を10以上60以下の範囲にすることによって、後述するように、成分(B)の炭化水素油に対し高いゲル化能力を発揮し、所期のゲル硬度を付与できる。
フラクトオリゴ糖脂肪酸エステルは、フラクトオリゴ糖の水酸基の水素原子をアシル基RCO−(ここでRは炭素数7〜32の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示す)で置換したものである。すなわち、このフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルは、フラクトオリゴ糖に式RCOOH(ここでRは前記と同じ)で表される脂肪酸またはその反応性誘導体、具体的には酸ハライド、酸無水物等を反応させることにより製造される。この反応は、従来公知の方法により行なうことができる。例えば、フラクトオリゴ糖をジメチルホルムアミド及びピリジン中に分散させ、これに脂肪酸ハライド又は脂肪酸無水物を加え、60℃前後で約2時間反応させることにより得ることができる。
そして、本発明の成分(A)では、一単糖単位あたりの脂肪酸エステル化度が2.2以上、すなわち一単糖単位当たり平均2.2個以上の水酸基が置換されたものを用いる。置換度が2.2以上であると、成分(B)の炭化水素油を含有する油性基材への溶解性がよいためゲル構造をよりつくりやすいものとなり、安定性がより向上して分離などが起きにくい。一方、置換度が2.2より低いと、油性基材への溶解性が低いためゲル構造をつくりにくく、安定性の確保が困難な場合がある。
また、本発明の成分(A)のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルにおいて、その総アシル基の60モル%以上が、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、エイコサノイル基又はドコサノイル基から選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。これらのアシル基の総量が60モル%以上であれば、本発明のゲル組成物や化粧料の安定性がより向上する。アシル基の炭素鎖長に関し、ヘキサデカノイル基より炭素数の少ないアシル基ではゲル硬度の付与が充分でない場合があり、反対にドコサノイル基より炭素数の多いアシル基では使用時に重い感触を伴ったり、経時的にゲル化剤が析出する場合がある。
総アシル基の60モル%以上がヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、エイコサノイル基及びドコサノイル基から選ばれる1種又は2種以上であるフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルにおいて、他のアシル基としてはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、テトラデカノイル基、テトラコサノイル基、ヘキサコサノイル基、オクタコサノイル基、トリアコンタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基等を例示することができる。
本発明の成分(A)の糖平均重合度が10以上60以下で一単糖単位あたりの脂肪酸エステル化度が2.2以上のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルは、本発明の成分(B)の特定の炭化水素油に対するゲル化能が優れ、均一かつ滑らかで光沢に優れ、べたつきを抑えたゲル組成物を得ることが可能であり、低い粘性からペースト状そしてハードゲルまで幅広い範囲で粘性をコントロールすることができる。
なお、本発明の油性化粧料に、安定性の確保と同時にゲルの収縮や亀裂を抑制したり、柔らかいゲル状にしたい場合には、成分(A)の糖平均重合度が10以上60以下で一単糖単位あたりの脂肪酸エステル化度が2.2以上のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルのアシル基において、分岐炭化水素骨格を有するアシル基を含有させれば良い。この場合、分岐炭化水素骨格を有するアシル基は炭素数22以下であることが好ましく、炭素数18以下が特に好ましい。好適に使用される分岐炭化水素骨格を有するアシル基を例示すると、イソステアロイル基、イソヘキサデカノイル基、イソデカノイル基、イソオクタノイル基等を挙げることができる。
本発明の油性化粧料において、成分(A)のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルは、必要に応じてその1種又は2種以上を組み合わせて配合することができ、その配合量は、油性化粧料の安定性、特に高温での安定性、また製品が硬くなり、塗布時の肌や口唇へのつきやのびが重くなるなどの点から、油性化粧料中の0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%が特に好ましい。
本発明の成分(B)は、重量平均分子量が500〜5000の炭素数4〜12の直鎖脂肪族α−オレフィンの重合物、或はその水素添加物である。この炭化水素油は、常温で液状から高粘度液状であり、成分(A)と相俟って、化粧膜のツヤ感や膜厚感の良い化粧膜を形成し、潤い感の持続を向上させる。ここで重量平均分子量は、既知分子量ポリスチレンを標準とし、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により求めた値である。これらは、NIKKOLシンセラン4(日光ケミカルズ社製)、Puresyn 6,Puresyn 8(いずれも、エクソンモービル社製)、ノムコートHPD-C(日清オイリオグループ社製)等として市販されている。
本発明の成分(B)の配合量は、充分なツヤや膜厚感、潤い感、塗布時の肌や口唇へのつきやのびの重さの点から、油性化粧料中の0.1〜90質量%が好ましく、1〜80質量%が特に好ましい。
本発明の成分(C)のフェニル基含有オルガノポリシロキサンは、具体的には、ジフェニルジメチコンやフェニルトリメチコン、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン、テトラフェニルテトラメチルトリシロキサンなどが挙げられ、必要に応じて1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。市販品としては、KF‐50−100CS、KF‐53、KF‐54、KF‐56(いずれも信越化学工業社製)、SH556、PH‐1555 HRI Cosmetic Fluid(いずれも東レ・ダウコーニング社製)、TSF437、TSF431、TSF433、SF1550(いずれもモーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)等が例示される。成分(C)は、化粧膜のべたつき感を低減させ、ツヤ感を付与する効果がある。この成分(C)は、フェニル基を有しているため、他のシリコーンに比し成分(B)との親和性がよく、そのため上記の効果をより一層向上させる。成分(C)のフェニル基含有オルガノポリシロキサンとして、25℃における屈折率が1.48以上のものを用いると、化粧膜のツヤ感を一層高めることができる。
本発明の成分(C)の配合量は、べたつき感を充分低減する効果、化粧膜にツヤ感を付与する効果、均一な膜厚感や潤い感の点から、油性化粧料中の0.1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%が特に好ましい。
本発明の油性化粧料では、成分(A)の糖平均重合度が10以上60以下で一単糖単位あたりの脂肪酸エステル化度が2.2以上のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルと成分(B)の特定の炭化水素油と成分(C)のフェニル基含有オルガノポリシロキサン以外に、化粧品で使用される天然動植物油、半合成油、エステル油、グリセライド油、シリコーン油などの液状油、また天然ロウ、鉱物系ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸、脂肪などの固形油を配合することができる。また、通常、化粧品で使用される界面活性剤、アルコール類、保湿剤、成分(A)以外のゲル化剤及び増粘剤、粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、酸化防止剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸等を配合することができる。
本発明の油性化粧料に配合される液状の油性成分は、具体的には天然動植物油及び半合成油としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、カヤ油、肝油、キョウニン油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サザンカ油、サフラワー油、シナギリ油、シナモン油、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、日本キリ油、胚芽油、パーシック油、パーム油、レッドパーム油、パーム核油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、綿実油、ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、落花生油、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。
炭化水素油としては、スクワラン、スクワレン、軽質流動イソパラフィン、流動パラフィン等が挙げられる。エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−ジ−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジ−2−エチルへキサン酸エチレングリコール、ジ−2−エチルへキサン酸ネオペンチルグリコール、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、炭酸ジアルキル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸−2−ヘプチルウンデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸−2−オクチルドデシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。
グリセライド油としては、アセトグリセライド、トリイソオクタン酸グリセライド、トリイソステアリン酸グリセライド、トリイソパルミチン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、モノステアリン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、トリミリスチン酸グリセライド、ジグリセリンテトライソステアリル、ジグリセリントリイソステアリル、ジグリセリンジイソステアリル等が挙げられる。シリコーン油としては、揮発性オルガノポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
固形状の油性成分は、具体的には、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、ラノリン等の天然ロウ類、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の鉱物系ワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、エチレン・プロピレンコポリマー等の合成ワックス、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸、カカオ脂、モクロウなどの油脂類、キャンデリラレジン等の樹脂類、硬化ひまし油、12−ヒドロキシステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、ロジン酸ペンタエリスリットエステル、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル、ステアリル変性シリコーン、ベヘニル変性シリコーン等のシリコーンワックスが挙げられる。
界面活性剤としては通常化粧料に使用されるものであれば特に制限はなく、何れのものも使用することができる。界面活性剤はアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が例示されるが、これらを必要に応じて1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アニオン性界面活性剤として、具体的にはステアリン酸ナトリウムやパルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩とそのホルマリン縮合物のスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステル硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては長鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム塩、長鎖アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム塩、ジポリオキシエチレンアルキルエーテルジメチルアンモニウム塩、ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム塩等のアルキル4級アンモニウム塩や芳香族4級アンモニウム塩をはじめ、アルキルピリジニウム塩等のピリジニウム塩、アルキルジヒドロキシエチルイミダゾリン塩等のイミダゾリン塩、N−アシル塩基性アミノ酸低級アルキルエステル塩、そしてアルキルアミン塩、ポリアミン、アミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としてはソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられる。
両性界面活性剤としてはアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン等のカルボベタイン型両性界面活性剤、アルキルスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤、N−脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩、N−脂肪酸アシル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルエチレンジアミン二塩等のアミドアミン型(イミダゾリン型)両性界面活性剤、N−[3−アルキルオキシ−2−ヒドロキシプロピル]アルギニン塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、アルキルイミノジカルボン酸塩型両性界面活性剤等が挙げられる。
アルコール類として、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール等の多価アルコール、ソルビトール、マルトース、キシリトール、マルチトール等の糖アルコール、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール等のステロール類等が例示される。
保湿剤としては尿素、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩等が挙げられる。また、ゲル化剤のうち、水性のものとしては、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、キャロブガム、グァーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド共重合体、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系ゲル化剤増粘剤が挙げられる。
ゲル化剤のうち、油性のものとしては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸混合エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー等の有機変性粘土鉱物が挙げられる。
粉体としては無機粉体、有機粉体、金属石鹸粉末、有色顔料、パール顔料、金属粉末、タール色素、天然色素等が挙げられ、その粒子形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、何れのものも使用することができる。無機粉体として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等が挙げられる。
有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロースパウダー、シルクパウダー、ナイロンパウダー(12ナイロン、6ナイロン)、スチレン・アクリル酸共重合体パウダー、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体パウダー、ビニル樹脂パウダー、尿素樹脂パウダー、フェノール樹脂パウダー、フッ素樹脂パウダー、ケイ素樹脂パウダー、アクリル樹脂パウダー、メラミン樹脂パウダー、エポキシ樹脂パウダー、ポリカーボネイト樹脂パウダー、微結晶繊維粉体パウダー、コメデンプン、ラウロイルリジン等が挙げられる。
金属石鹸粉末(界面活性剤金属塩粉末)としてはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等の各粉末が挙げられる。有色顔料としては酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの及びこれらの粉体を複合化した複合粉体等が挙げられる。
パール顔料としては酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等が挙げられ、また、金属粉末としてはアルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等が挙げられる。タール色素としては赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等が挙げられ、天然色素としてはカルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等が挙げられる。
これらの粉体はそのまま使用しても良いが、これらを粉体を複合化したり、油剤やシリコーン、フッ素化合物等で表面処理を行なって使用してもよい。上記粉体は必要に応じて1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
紫外線吸収剤としてはパラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸メチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤等が挙げられる。
防腐剤、抗菌剤としてはパラオキシ安息香酸エステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
酸化防止剤としてはトコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン等、pH調整剤としては乳酸、乳酸塩、クエン酸、クエン酸塩、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等、キレート剤としてはアラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸塩、ヒドロキシエタンジホスホン等、清涼剤としてはL−メントール、カンファ、薄荷油、ペパーミント油、ユーカリ油等、抗炎症剤としてはアラントイン、グリチルレチン酸塩、グリチルレチン誘導体、トラネキサム酸、アズレン等が夫々挙げられる。
美肌用成分としてはアルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
本発明において油性化粧料とは、油性成分を主骨格とし、油性成分が連続相である化粧料を意味するものであり、非水系の化粧料のみならず、油性成分を主骨格とするものであれば、水や水溶性成分を含む油中水型の化粧料も含む。本発明の油性化粧料は、他の成分との併用により種々の剤型にて実施することができ、アイクリーム、ヘアクリーム、ヘアワックス等の基礎化粧品や頭髪化粧品や、口紅やリップクリーム、コンシーラー、ファンデーション、アイ製品等のメイクアップ製品等に用いることができる。とりわけ、本発明の技術は特に口紅やリップクリームにおいて好適に用いることができ、発明の効果を十分に利用することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に説明する。まず、フラクトオリゴ糖脂肪酸エステルの製造例を示す。
合成例1
イヌリン(商品名「ラフティリンLS」ORAFTI社製、糖平均重合度10)10.8gにジメチルホルムアミド500gを加え、60℃で攪拌して溶解した。これにピリジン16gを加えて攪拌しながら塩化ステアロイル60.5gを滴下し、2時間反応後ピリジン塩を濾別し、ジメチルホルムアミドを留去した。残渣にトルエンを加えて抽出し、ボウ硝にて乾燥後溶媒を留去した。残渣をメタノールで洗浄し、目的物のイヌリンステアリン酸エステル45gを得た。このイヌリンステアリン酸エステルの脂肪酸平均置換度(一単糖単位あたりにアシル化した脂肪酸の分子数を示す)は2.7であった。
合成例2
イヌリン(商品名「ラフティリンHP」ORAFTI社製、糖平均重合度23)16.2gにジメチルホルムアミド200g、ピリジン30gを加え、60℃で攪拌しながら溶解した。これに、攪拌しながら塩化ステアロイル91gを滴下し、5時間反応後、精製水1L中に投入して固形分を析出させた。これを濾別し、残渣をメタノールで洗浄し、目的物のイヌリンステアリン酸エステル57gを得た。このイヌリンステアリン酸エステルの脂肪酸平均置換度(一単糖単位あたりにアシル化した脂肪酸の分子数を示す)は2.8であった。
合成例3
イヌリン(商品名「ラフティリンHP」ORAFTI社製、糖平均重合度23)16.2gにジメチルホルムアミド200g、ピリジン30gを加え、60℃で攪拌しながら溶解した。これに、攪拌しながら塩化ステアロイル73gを滴下し、5時間反応後、精製水1L中に投入して固形分を析出させた。これを濾別し、残渣をメタノールで洗浄し、目的物のイヌリンステアリン酸エステル53gを得た。このイヌリンステアリン酸エステルの脂肪酸平均置換度(一単糖単位あたりにアシル化した脂肪酸の分子数を示す)は2.2であった。
合成例4
イヌリン(商品名「ラフティリンHP」ORAFTI社製、糖平均重合度23)16.2gにジメチルホルムアミド200g、ピリジン30gを加え、60℃で攪拌しながら溶解した。これに、攪拌しながら塩化ベヘノイル108gを滴下し、5時間反応後、精製水1.5L中に投入して固形分を析出させた。これを濾別し、残渣をメタノールで洗浄し、目的物のイヌリンベヘン酸エステル67gを得た。このイヌリンベヘン酸エステルの脂肪酸平均置換度(一単糖単位あたりにアシル化した脂肪酸の分子数を示す)は2.7であった。
比較合成例1
加水分解イヌリン(商品名「ラフティローズP−95」ORAFTI社製、糖重合度2〜7)を用いる以外は、合成例2と同様の操作を行い、目的物のイヌリンステアリン酸エステル56gを得た。このイヌリンステアリン酸エステルの脂肪酸平均置換度(一単糖単位あたりにアシル化した脂肪酸の分子数を示す)は2.8であった。
本発明は、化粧膜のツヤを向上させるため、重質流動イソパラフィン、重量平均分子量が500〜5000のα−オレフィンオリゴマーから選ばれる1種又は2種以上の炭化水素油を配合した油性化粧料について、そのツヤ感を維持しつつ、均一な膜厚感、滑らかな使用感、べたつき感の無さ付与すべく、成分(A)の糖平均重合度が10以上60以下で、一単糖単位あたりの脂肪酸エステル化度が2.2以上のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルを、上記炭化水素油のゲル化剤に用いたものである。上記の効果は、次に示す成分(A)、成分(B)、成分(C)からなる油性ゲル組成物についての実験から分るように、上記の特定のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルのゲル化効果に基づくものである。
〔実験〕
表1に示す実験例1〜4及び比較実験例1〜8の成分を加温溶解混合後、冷却して油性ゲル組成物を調製した。この油性ゲル組成物のゲル硬度を測定した。また、専門パネル10名により油性ゲル組成物を前腕内側部に塗布し、膜厚感、ツヤ感、滑らかさ、べたつきの無さを官能評価にてパネル各人が下記評価基準aを用いて評点を付け、各試料毎にパネル全員の評点合計からその平均値を算出したものを、下記判定基準bを用いて判定した。その結果を併せて表1に示した。
Figure 0005220331
<ゲル硬度>
表1に示す組成物を80℃で加温溶解後、25℃の恒温槽に3時間静置した後に、ゲル硬度の測定を実施した。ゲル硬度はFUDOH社製レオメーターでΦ10mmのプランジャーを用い、6cm/分の進入速度で3mm進入時の荷重ピーク値(g)をゲル硬度とした。
<官能評価>
(評価基準a)
(評点) : (評価)
6 : 非常に良い
5 : 良い
4 : やや良い
3 : 普通
2 : やや悪い
1 : 悪い
0 : 非常に悪い
(判定基準b)
(判定) : (評点平均値)
◎ : 5点を超える
○ : 3.5点を超え、かつ、5点以下
△ : 1.5点を超え、かつ、3.5点以下
× : 1.5点以下
表1の結果から、本発明で用いる特定の糖重合度範囲で特定の脂肪酸エステル化度以上のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルは、本発明の成分(B)の重質流動イソパラフィン及びα−オレフィンオリゴマーに対して優れたゲル化能を有し、膜厚感、ツヤ感、滑らかさ、べたつきの無さに優れた油性ゲルを形成することが分る(実験例1〜3)。一方、糖重合度が本発明の範囲外のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル又はデキストリンパルミチン酸エステルは、上記本発明の成分(B)に対してゲル化能がなく、官能的にも滑らかさに欠け、べたつきがひどい組成物であった(比較実験例1〜6)。また、本発明で用いるフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルは、成分(B)とジフェニルジメチコンの混合物に対しても優れたゲル化能を有し、ツヤ感のよい、膜厚感、滑らかさ、べたつきの無さに優れた油性ゲルを形成するが(実験例4)、糖重合度が本発明の範囲外のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル又はデキスリンパルミチン酸エステルは、ジフェニルジメチコンの混合物に対するゲル化能が著しく劣り、官能的にも滑らかさに欠け、べたつきがひどかった(比較実験例7,8)。
下記組成及び製法にて油性固形ファンデーションを調製した。
(成分) (質量%)
1.フラクトオリゴ糖脂肪酸エステル(合成例3) 20
2.シリコーン分岐型ポリエーテル変性シリコーン(注15) 2
3.パーフルオロポリエーテル(注16) 10
4.重質流動イソパラフィン(注3) 2
5.α−オレフィンオリゴマー(注4) 2
6.流動パラフィン 10
7.フェニルトリメチコン(注9) 5
8.トリイソオクタン酸グリセリル 残量
9.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
10.モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 0.8
11.酸化チタン 8
12.微粒子酸化亜鉛 1
13.硫酸バリウム 2
14.セリサイト 15
15.ベンガラ 1
16.黄酸化鉄 2
17.黒酸化鉄 0.5
18.ナイロンパウダー 5
19.防腐剤 適量
20.香料 適量
注9:KF-56(信越化学工業社製)
注15:KF-6028(信越化学工業社製)
注16:フォンブリンHC/04(アウシモント社製)
(製法)
A:成分1〜10を加温溶解後、成分11〜19を加えて均一に混合する。
B:Aに成分20を加えて均一に混合し、容器に加熱充填後冷却し、油性固形ファンデーションを得た。
以上のようにして得られた実施例3の油性固形ファンデーションは、化粧膜の均一な膜厚感、ツヤ感、滑らかな使用感とべたつきの無さ、潤い感の持続にも極めて優れた品質を有するものであった。

Claims (2)

  1. 次の成分(A)〜(C):
    (A)糖平均重合度が10以上60以下で、一単糖単位あたりの脂肪酸エステル化度が2.2以上のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル0.1〜30質量%
    (B)重量平均分子量が500〜5000の炭素数4〜12の直鎖脂肪族α−オレフィンの重合物、或はその水素添加物0.1〜90質量%
    (C)25℃における屈折率が1.48以上のフェニル基含有オルガノポリシロキサン0.1〜30質量%
    を含有することを特徴とする油性化粧料。
  2. 成分(A)が、糖平均重合度が10以上60以下で、一単糖単位あたりの脂肪酸エステル化度が2.2以上のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルであって、且つ該脂肪酸エステルの総アシル基の60モル%以上が、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、エイコサノイル基及びドコサノイル基から選ばれる1種又は2種以上のアシル基であるフラクトオリゴ脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1記載の油性化粧料。
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