JP5213114B2 - 導通検査方法及び導通検査装置 - Google Patents
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Description
ここで、図8は上記検査対象部の説明図であり、R11〜R13は検査対象部、T1〜T4はプローブが接触する検査対象部両端の端子を示す。なお、同電位である一または複数の検査対象部から構成される配線パターンの全体をネットNといい、例外的に、1個の端子のみからなるパターンもネットNに含めるものとする。
すなわち、図7に破線で示すように、電流源11から導線Hc上の接続部31→プローブ21a→検査対象部R1→プローブ21b→導線Hp上の接続部32,33→プローブ22a→検査対象部R2→プローブ22b→導線Lc上の接続部34→電流検出部13→グラウンドの経路で電流を流し、その時の導線Hc,Lc間の電圧を電圧検出部12により検出してオームの法則に従い上記直列接続回路の抵抗値を求めることにより、直列接続された2個の検査対象部R1,R2の導通検査を一度に行っている。
そこで本発明は、n倍速導通検査を効率的に実現可能として検査時間の短縮を図った導通検査方法及び導通検査装置を提供することにある。
複数のネットを、未検査状態の検査対象部の数が多いものから順に並べ替える第1ステップと、
第1ステップにより並べ替えた複数のネットを対象として、未検査状態の端子数の多いネットから順に、一対の端子をそれぞれ選択してこれら一対の端子間の検査対象部をn(nは2以上の整数)個、特定する第2ステップと、
第2ステップにより特定したn個の検査対象部からなる直列接続回路に電流を通流して当該直列接続回路の抵抗値を測定し、導通状態の良否を判定する第3ステップと、
第3ステップにより良否を判定した前記直列接続回路に含まれる検査対象部を検査済みとして処理する第4ステップと、
前記第1〜第4ステップを未検査状態の検査対象部がなくなるまで順次繰り返し実行した後、全ての検査対象部が検査済みであることを判定する第5ステップと、を有し、
前記第1〜第5ステップをコンピュータシステムにより実行するものである。
前記第2ステップにより特定される未検査状態の検査対象部の数がn個未満である場合は、その不足分だけ、検査済みであって導通状態が良と判定された前記直列接続回路内の検査対象部を用いて、直列接続回路を構成するものである。
前記直列接続回路を構成する複数の検査対象部を対象として、2個の検査対象部からなる一以上の直列接続回路にそれぞれ電流を通流して当該直列接続回路の抵抗値を測定することにより導通状態の良否を判定する2倍速導通検査と、最大でm個の検査対象部のそれぞれに電流を通流して当該検査対象部の抵抗値を測定することにより導通状態の良否を判定する標準導通検査と、を実行し、導通状態が不良である検査対象部を特定するものである。
検査装置本体を構成するコンピュータシステムが、
複数の前記ネットについて、前記検査対象部の数を含むネット情報を入力するネット情報入力手段と、
前記ネット情報に基づいて、未検査状態の検査対象部の数が多いものから順に前記ネットを並び替えるネット並び替え手段と、
並び替え後のネットを対象として、未検査状態の端子数の多いネットから順に、一対の端子をそれぞれ選択してこれら一対の端子間の検査対象部をn(nは2以上の整数)個、特定する検査対象部特定手段と、
特定したn個の検査対象部の直列接続回路を形成し、この直列接続回路に電流を通流したときの電圧を測定して前記直列接続回路の抵抗値を算出すると共に、この抵抗値を閾値と比較して前記直列接続回路の導通状態の良否を検査するn倍速導通検査実行手段と、
前記n倍速導通検査実行手段による検査結果を出力する出力手段と、
全ての検査対象部について前記直列接続回路の導通状態の良否を検査済みか否かを判定する検査済み判定手段と、を備えたものである。
まず、図1は、10個のネットを対象としてn倍速導通検査を行う場合の手順を説明する図である。ここで、各ネットは、一または複数の端子を有しており、複数の端子を有する場合には、一対の端子間に前述した検査対象部が形成されている。
例えば、図1におけるネットN1は図2のように構成され、端子T1〜T5と検査対象部R1〜R4とからなっている。なお、図1では、便宜的に各ネットが有する端子をその添字の番号のみで示してある。また、ネットN4は端子T15のみからなり、検査対象部を持たないため、導通検査の対象からは除外される。
いま、図1(a)に示すように、端子数が1個から6個までの10個のネットN1〜N10があるものとし、第1ステップでは、これらのネットN1〜N10を対象として、後述する検査済みフラグが立っていない端子数の多いもの、つまり、未検査状態の検査対象部の多いものから順に並び替える(図3のステップS1)。開始当初は全てのネットの検査対象部について未検査であるので、図1(a)のネットN1〜N10を並び替えると図1(b)のようになる。
導通検査が進んでいくと、未検査の検査対象部が徐々に少なくなっていき、ある時点からは未検査の検査対象部がn個より少なくなる(ステップS2 NO)。この場合には、後述するようにn個より不足する分の検査対象部を検査済みの検査対象部の中から補完することにより(ステップS3)、常にn個の検査対象部を形成するようにする。
なお、検査の開始当初は未検査状態の検査対象部をn個特定可能であるため(ステップS2 YES)、次のステップに進む。
図1(c)は、5倍速導通検査を行うために、端子数の多い5個のネットN3,N7,N1,N2,N6について、それぞれ一対の端子を選択した状態を示しており、選択された端子を○によって囲んである。これにより、ネットN3については端子T9,T10により挟まれた検査対象部が、ネットN7については端子T21,T22により挟まれた検査対象部が、ネットN1については端子T1,T2により挟まれた検査対象部が、ネットN2については端子T6,T7により挟まれた検査対象部が、ネットN6については端子T18,T19により挟まれた検査対象部が、それぞれ特定される。つまり、合計5個の検査対象部が特定されることになる。
具体的には、前述したように検査装置本体の複数の導線及びプローブを用いて、上記5個の検査対象部の直列接続回路を形成し、この回路に電流源から電流を通流した際の両端電圧を測定して直列接続回路の抵抗値を算出することにより、直列接続回路の導通検査を行う。
なお、上記抵抗値を閾値と比較して「PASS」または「FAIL」を示す信号を出力する点は従来と同様である。
その後、全ての端子が検査済みであるか否かを判断し(ステップS7)、図1(d)のように未検査の端子(検査対象部)が残っている場合には、ステップS1に戻ってネットの並び替えを再び行う。このステップS7は、請求項1における第5ステップに相当する。
すなわち、図1(f)に示すように、ネットN3については端子T9,T11により挟まれた検査対象部が、ネットN7については端子T21,T23により挟まれた検査対象部が、ネットN1については端子T1,T3により挟まれた検査対象部が、ネットN10については端子T31,T32により挟まれた検査対象部が、ネットN2については端子T6,T8により挟まれた検査対象部がそれぞれ特定され、これら5個の検査対象部の直列接続回路について5倍速導通検査が行われると共に、その後、図1(g)に示すように、検査済みフラグが端子T11,T23,T3,T32,T8に立てられる。
これにより、導通検査に当たって直列接続される検査対象部の数が常に一定数nとなるので、検査装置本体におけるスキャナスイッチの制御プログラム等を単純化することができる。また、不足分の検査対象部として「PASS」判定であった端子を使用するので、「FAIL」(導通不良)判定であった場合に、不足を補った箇所以外の検査対象部が不良であることが明確になる。
いま、図4に示すように5個のネットN11〜N15があり、これらのネットの全20個の端子をT1〜T20とする。この場合、本実施形態のようにn倍速導通検査を行わず、標準導通検査により各端子間の検査対象部の導通検査を個別に行うとすると、図4のネットN11では、端子T1,T2間、端子T1,T3間、……、端子T1,T6間というように端子T1を基準として5回、以下同様にネットN12,N13では各3回、ネットN14,N15では各2回の検査が必要であり、全ネットN11〜N15の合計で15回の検査が必要である。これを数式により表すと、ネット数N=5、端子数T=20とした場合、検査回数X’はX’=T−N=15となる。
なお、図4のネット構成に対して図1と同様な手順で処理を行うと、第3回目の検査でネットN11の端子T1,T4間、ネットN12の端子T7,T10間、ネットN13の端子T11,T14間の合計3個の検査対象部を検査することになり、ネットN11の端子T5,T6が余ってしまう。しかし、前述したように検査対象部を常にn個(5個)としてn倍速(5倍速)導通検査を行うために、例えば、検査済みの端子T2と端子T5とによって4個目の検査対象部を形成し、同じく端子T2と端子T6とによって5個目の検査対象部を形成すれば、第3回目の検査においても5倍速導通検査が可能になり、これにより全ての端子T1〜T20(検査対象部)の導通検査を完了できることとなる。上述した着想は、請求項2に相当するものである。
また、200は導通検査を行う回路基板等の被検査物を示している。
検査対象部特定手段130は、並び替え後のネットを対象として、直列接続する検査対象部をn個特定する(ステップS2〜S4)。
表示出力手段160は、直列接続回路の導通検査結果を「PASS」または「FAIL」として表示出力する。
検査済み判定手段150は、前述したフラグ処理(ステップS6)や全端子の検査済み判断(ステップS7)等を実行し、検査済み端子情報を前記ネット並び替え手段120に出力する。
前述した実施形態によれば、n個の検査対象部の直列接続回路の導通不良を検出することは可能であるが、その場合に、どの検査対象部が不良であるか、つまり不良箇所を特定することができない。
以下、m=n=5の場合について説明する。
上記の処理は、検査対象部Rc,Rdについても同様である。
一方、余りの検査対象部Reについては標準導通検査のみを行い、その結果に応じて検査対象部Reの「良」、「不良」を判断する。
この方法では、mが偶数の場合、奇数の場合を問わず、2個の検査対象部からなる一以上の直列接続回路に対する2倍速導通検査と、最大でm個の検査対象部に対する標準導通検査とを実行することになる。
一般に、mが3以上の場合には上述した方法を類推適用して不良の検査対象部を特定することができる。なお、mが3である場合(3倍速導通検査の結果、不良と判断された場合)には、第1回目検査において、個々の検査対象部につき標準導通検査を行っても良い。
11:電流源
12:電圧検出部
13:電流検出部
21a,21b,22a,22b:プローブ
31,32,33,34:接続点
110:ネット情報入力手段
120:ネット並び替え手段
130:検査対象部特定手段
140:n倍速導通検査実行手段
150:検査済み判定手段
160:表示出力手段
200:被検査物
Hc,Hp,Lp,Lc:導線
Gp,Gc:ガードライン
S1,S2:切替スイッチ
R1〜R5,R11〜R14:検査対象部
T1〜T5:端子
N1〜N15:ネット
Claims (4)
- 被検査物が、一対の端子間に形成される検査対象部を一以上、有するネットを複数備え、
前記検査対象部に電流を流してその抵抗値を測定することにより前記検査対象部の導通状態を検査する導通検査方法において、
複数のネットを、未検査状態の検査対象部の数が多いものから順に並べ替える第1ステップと、
第1ステップにより並べ替えた複数のネットを対象として、未検査状態の端子数の多いネットから順に、一対の端子をそれぞれ選択してこれら一対の端子間の検査対象部をn(nは2以上の整数)個、特定する第2ステップと、
第2ステップにより特定したn個の検査対象部からなる直列接続回路に電流を通流して当該直列接続回路の抵抗値を測定し、導通状態の良否を判定する第3ステップと、
第3ステップにより良否を判定した前記直列接続回路に含まれる検査対象部を検査済みとして処理する第4ステップと、
前記第1〜第4ステップを未検査状態の検査対象部がなくなるまで順次繰り返し実行した後、全ての検査対象部が検査済みであることを判定する第5ステップと、を有し、
前記第1〜第5ステップをコンピュータシステムにより実行することを特徴とする導通検査方法。
- 請求項1に記載した導通検査方法において、
前記第2ステップにより特定される未検査状態の検査対象部の数がn個未満である場合は、その不足分だけ、検査済みであって導通状態が良と判定された前記直列接続回路内の検査対象部を用いて、直列接続回路を構成することを特徴とする導通検査方法。 - 請求項1または2に記載した導通検査方法により、m(mは3以上の整数)個の検査対象部からなる直列接続回路の導通状態が不良と判定された場合に、
前記直列接続回路を構成する複数の検査対象部を対象として、2個の検査対象部からなる一以上の直列接続回路にそれぞれ電流を通流して当該直列接続回路の抵抗値を測定することにより導通状態の良否を判定する2倍速導通検査と、最大でm個の検査対象部のそれぞれに電流を通流して当該検査対象部の抵抗値を測定することにより導通状態の良否を判定する標準導通検査と、を実行し、導通状態が不良である検査対象部を特定することを特徴とする導通検査方法。 - 被検査物が、一対の端子間に形成される検査対象部を一以上、有するネットを複数備え、
前記検査対象部に電流を流して前記検査対象部の抵抗値を測定することにより導通状態の良否を検査する導通検査装置において、
検査装置本体を構成するコンピュータシステムが、
複数の前記ネットについて、前記検査対象部の数を含むネット情報を入力するネット情報入力手段と、
前記ネット情報に基づいて、未検査状態の検査対象部の数が多いものから順に前記ネットを並び替えるネット並び替え手段と、
並び替え後のネットを対象として、未検査状態の端子数の多いネットから順に、一対の端子をそれぞれ選択してこれら一対の端子間の検査対象部をn(nは2以上の整数)個、特定する検査対象部特定手段と、
特定したn個の検査対象部の直列接続回路を形成し、この直列接続回路に電流を通流したときの電圧を測定して前記直列接続回路の抵抗値を算出すると共に、この抵抗値を閾値と比較して前記直列接続回路の導通状態の良否を検査するn倍速導通検査実行手段と、
前記n倍速導通検査実行手段による検査結果を出力する出力手段と、
全ての検査対象部について前記直列接続回路の導通状態の良否を検査済みか否かを判定する検査済み判定手段と、
を備えたことを特徴とする導通検査装置。
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