JP5211604B2 - ポリエステル組成物、および製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は柔軟性ポリエステル組成物、および製造方法に関するものである。特に、耐熱性、易接着性、色調に優れる成形物を容易に形成し得るポリエステル組成物、および製造方法に関する。
ポリエステルは優れた物理的、化学的特性を有しており、フィルム、繊維、シートなどに広く使用されている。特に、ポリエステルフィルムは耐熱性、耐溶剤性、機械的特性において優れた性質を有するために、磁気記録材料、各種写真材料、包装材料、電気絶縁材料、一般工業材料等、多くの用途に用いられている。
しかしながら、低温や常温での柔軟性、耐衝撃性に欠けており、用途拡大に限界があった。このような欠点を改善するために、ポリエステルにソフトセグメントを共重合する方法が考えられている。
例えば、特許文献1には、テレフタル酸、脂肪族ジカルボン酸、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールを共重合したポリエステル組成物について記載されているが(段落[0080]、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールを同時に仕込んでいるため飛散率が変動し、目的の組成物が得られず、不良品となるケースがある。また、二種のポリマーを二軸押出機にて混練する方法も例示されているが(段落[0084])、押出温度が260℃と高温であるため着色しやすく、特に相溶化剤としてオキサゾリンを使用した場合、エステルアミド結合により着色する可能性がある。さらに、相溶化剤を重縮合反応前に共重合ポリエステルに添加する方法が挙げられているが、オキサゾリンの場合は重縮合反応中に反応し、混練時には一部活性を失っている可能性があり、有機酸の場合は共重合ポリエステル中のリン化合物によって一部失活している可能性があり、効率的でない。
特許文献2にはダイマージオールを全グリコール成分に対し、5〜50モル%含有させた共重合ポリエステルについて記載されているが(請求項1、段落[0005])、[0008]、[0009])、酸成分として柔軟成分を含有させる処方に比べ、柔軟化の効率が悪く、ダイマージオールがダイマー酸を原料にして製造されていることからコスト面においても不利である。
特許文献3にはダイマー酸を5〜50mol%共重合したポリブチレンテレフタレートについて記載されている。しかし、実施例には高純度のダイマー酸ジメチルを用いたDMT法によるものであり、比較的純度の低い非水素添加のダイマー酸を用いた具体例の記載はない。
特開2004−359945号公報 特開平6−128363号公報 特開平5−1133号公報
本発明の目的は、これら従来技術の欠点を解消せしめ、耐ピンホール性、柔軟性、耐衝撃性、色調に優れたポリエステル組成物、その製造方法、およびポリエステルシートを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸及び水素添加していないダイマー酸、グリコール成分として1,3プロパンジオールまたは1,4ブタンジオールを含むポリエステル組成物であって、全酸成分に対し、テレフタル酸を40〜90mol%、イソフタル酸を0〜30mol%、ダイマー酸を10〜30mol%、ポリエステル組成物に対し、チタン原子を100ppm以上200ppm以下、リン原子を20ppm以上150ppm以下、ヒンダートフェノール系酸化防止剤0.01重量%以上0.1重量%以下含有し、ガラス転移点0℃以下、固有粘度0.6〜1.2、降温結晶化温度130℃未満であるポリエステル組成物により達成される。
本発明によれば、耐ピンホール性、柔軟性、耐衝撃性、色調に優れ、包装材料、壁紙などの建材用途、鋼板貼り合わせ用途、保護フィルムやキャリアテープなどの工程フィルム用途、ワッペンなどのアパレル用途、シーリング材などに適し、特に少量多品種の製品を製造するのに好適なポリエステル組成物の製造方法を提供することができる。
本発明のポリエステル組成物は、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸及び水素添加していないダイマー酸、グリコール成分として1,3プロパンジオールまたは1,4ブタンジオールを含むポリエステル組成物であって、全酸成分に対し、テレフタル酸を40〜90mol%、イソフタル酸を0〜30mol%、ダイマー酸を10〜30mol%、ポリエステル組成物に対し、チタン原子を100ppm以上200ppm、リン原子を20以上150ppm以下、ヒンダートフェノール系酸化防止剤0.01重量%以上0.1重量%以下含有し、ガラス転移点0℃以下、固有粘度0.6〜1.2、降温結晶化温度130℃未満である。
本発明のポリエステルとはテレフタル酸、イソフタル酸、1,3プロパンジオールまたは1,4ブタンジオール、およびダイマー酸を含んでなる。
テレフタル酸成分の含有量は、全酸成分に対して、40〜90mol%であることが必要である。40mol%未満では十分な機械強度が得られないことがあり、90mol%を越えると十分な柔軟性が得られない。
イソフタル酸成分の含有量は、全酸成分に対して、0〜30mol%である必要があり、異素材との熱接着性の観点から5〜30mol%であることが好ましい。30mol%を越えると、ポリエステル組成物の結晶性が著しく低下し、カッティング、乾燥、保管などのハンドリングが困難になる。
本発明におけるダイマー酸とは、炭素数16以上の不飽和脂肪族カルボン酸の二量体をいう。このダイマー酸は、例えば、大豆油や菜種油、牛脂、トール油などの非石油原料から抽出された炭素数16以上の不飽和カルボン酸(例えば、リノール酸やオレイン酸を主成分とする不飽和脂肪族カルボン酸)の混合物を粘土触媒を用い、二量体化して得ることができる。このような製法を用いてダイマー酸を得る場合には、不純物として、過剰に反応した三量体、未反応物である不飽和脂肪族カルボン酸が生成し、更に芳香環、脂肪環を有するダイマー酸と鎖状の環状構造を持たないダイマー酸の混合物となるのが通常である。未反応の不飽和脂肪酸、三量体、芳香環および脂肪環を有するダイマー酸は、ポリエステル組成物中には含まれないことが望ましいが、ダイマー酸の製造方法によっては上記したように不可避的に含まれてしまう。この場合、不飽和脂肪族カルボン酸、二量体、三量体の合計量を100重量%としたとき、未反応の不飽和脂肪族カルボン酸として1重量%未満、三量体として3重量%未満であることが好ましく、より好ましくは、三量体として2重量%未満であることが望ましい。未反応の不飽和脂肪族カルボン酸が1重量%以上含まれる場合、重合反応性の低下、成形品の機械物性低下、成形後にブリードアウトによる物性変化、白化が起こる可能性がある。また、三量体の含有量が3重量%以上の場合、ゲル化により、リサイクル時に著しく異物が発生することがある。さらに、三量体の含有量を1〜2重合%のダイマー酸を用いると、結晶性が低下し、熱接着しやすくなる。
ダイマー酸は種々の方法で製造可能であり、例えば、230〜250℃の範囲で粘土触媒、助触媒としてのリチウム塩の存在下で1〜3時間反応を行った後、リン酸水溶液を加えて触媒をリン酸塩とし、濾過によりリン酸金属塩を除去、回転薄膜式蒸留によって不飽和脂肪族カルボン酸を分離することによって製造することができる。
ダイマー酸の色調は、ガードナー色差計での値で、1.0以下であることが好ましい。ガードナー色差計で1.0を超えるとポリエステル組成物のb値(黄味)が高くなり、外観が損なわれる可能性がある。ガードナー色差計で1.0以下のダイマー酸を得るには、原料を選択したり、不飽和脂肪酸を精製することで可能であるが、更に低くしたい場合には、合成時の反応を緩やかに行ったり(反応温度を下げ時間をかける)、蒸留条件を厳しくすることで得ることができる。
上記したダイマー酸は、包装用など食品安全性の観点から水素添加をしていない(非水添である)ことが必要である。
ダイマー酸の含有量はポリエステル組成物に対して10〜30mol%であることが必要であるが、10〜25mol%であることが耐熱性の点からは好ましい。ダイマー酸の含有量が10mol%未満である場合、十分な柔軟性が得られない可能性があり、30mol%を超えると、十分な機械強度が得られず、工程通過性が低下する可能性がある。
本発明におけるグリコール成分としては、1,3プロパンジオール、または1,4ブタンジオールである必要がある。結晶性が必要な用途においては1,4ブタンジオールを用いることが好ましく、より柔軟性を追求する用途においては1,3プロパンジオールを用いることが好ましい。
特に発酵法による1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオールを用いると、ダイマー酸と併せてポリエステル組成物の植物度を60%以上にすることができるため、環境保護の観点から、好ましい。
本発明におけるチタン原子の含有量は、ポリエステル組成物に対し、100ppm以上200ppm以下であることが必要である。100ppm未満では十分な重合反応性が得られず、200ppmを越えると、耐熱性が低下し、着色するため好ましくない。チタン化合物としては、チタンキレート化合物、チタンアルコキシドが
あげられるが、中でもチタンアルコキシドが反応性、色調の点から好適である。グリコール成分として1,3プロパンジオールを用いる場合には、チタンイソプロポキシド、またはチタン−n−プロポキシドが反応性の点から好ましい。また、グリコール成分として1,4ブタンジオールを用いる場合にはチタン−n−ブトキシドが反応性、ハンドリング性の点から好ましい。
本発明におけるリン原子の含有量は、20ppm以上150ppm以下であることが色調、耐熱性、反応性の点から好ましい。リン化合物としては、リン酸、リン酸二水素アルカリ金属塩、リン酸水素二アルカリ金属塩、亜リン酸、亜リン酸アルカリ金属塩、リン酸トリメチル、エチルジエチルホスホノアセテートなどのリン酸エステルなどをあげることができるが、中でもリン酸、リン酸二水素アルカリ金属塩、リン酸水素二アルカリ金属塩であることが耐熱性、色調、耐加水分解性の点から好ましい。特に、リン酸、リン酸水素二アルカリ金属塩、リン酸二水素アルカリ金属塩を併用することが耐加水分解性の点から好ましい。
本発明におけるアルカリ金属原子の含有量は30ppm以上150ppm以下であることが耐加水分解性の点から好ましく、より好ましくは50ppm以上120ppm未満である。30ppm未満では十分な耐加水分解性が得られないことがあり、150ppmを越えると耐熱性か低下し、色調が悪化することがある。アルカリ金属化合物としては、リン酸アルカリ金属塩、亜リン酸アルカリ金属塩などがあげられるが、重合反応性、耐加水分解性の点からリン酸水素二アルカリ金属塩、リン酸二水素アルカリ金属塩から選ばれる少なくとも一種以上であることが好ましく、特にリン酸水素二アルカリ金属塩、リン酸二水素アルカリ金属塩の併用であることが好ましい。
本発明のヒンダートフェノール系酸化防止剤の含有量は0.01重量%以上0.1重量%以下であることが耐熱性の点から必要であり、より好ましくは0.01重量%以上0.05重量%以下である。ヒンダートフェノール系酸化防止剤としては、例えばチバスペシャリティーケミカルズ(株)製の「IRGANOX」シリーズをあげることができ、中でも「IRGANOX 1010 FP」が好ましい。
ポリエステル組成物のガラス転移点は0℃以下であることが柔軟性の点から必要であり、さらには−40〜0℃であることが好ましい。特に−30〜0℃とすると、室温で使用する場合に良好な柔軟性を示し、且つ成形加工性が良好となる。ガラス転移点が0℃を超えると十分な柔軟性が得られない。
ポリエステル組成物の降温結晶化温度としては120℃以下であることが熱接着性の点から必要であり、さらには100℃以下であることが好ましい。降温結晶化温度は、イソフタル酸含有量、ダイマー酸含有量およびダイマー酸に含まれる三量体の量によって制御することができる。特に、三量体の含有量の多いダイマー酸を用いると、融点を維持したまま、降温結晶化温度を下げることができる。
ポリエステル組成物の固有粘度は0.6〜1.2であることが必要である。他のポリエステルとの相溶性を良好にするには0.7〜0.9とするとよい。また、他のポリエステルと共押出して積層シートにする際は、0.8〜1.2とすることが積層ムラ抑制、安定製膜性のてんから好ましい。固有粘度が0.6未満の場合、十分な機械強度、柔軟性、耐熱性が得られず、1.2を超えると、重合時間が長すぎてポリマーが着色するため、好ましくない。
ポリエステル組成物の耐熱性としては窒素雰囲気下、240℃で30分処理したときのΔIVが0.01以下であることが好ましい。ΔIVを0.01以下とするには、例えば、リン化合物をリン原子換算で40ppm以上とする事で達成することができるが、チタン触媒はリン化合物により失活しやすいため、チタン触媒に対して不活性であるリン化合物を用いることが好ましく、特にリン酸アルカリ金属塩を用いることが重合反応性、耐加水分解性の点から好ましい。
ポリエステル組成物のカルボン酸末端基としては25当量/ton以下であることが耐熱性、耐加水分解性の点から好ましく、特に15当量/ton以下とすることが好ましい。カルボン酸末端基を25当量/ton以下とするためには、例えば、ポリエステル組成物の融点が190℃以上である場合、固相重合することにより達成することができる。しかし、固相重合を行うとコストアップとなること、融点190℃未満のポリエステル組成物では固相重合が困難であるため、リン酸アルカリ金属塩を0.01重量%以上添加することが好ましい。
ダイマー酸を共重合したポリエステル組成物は、ガラス転移点が低下し、柔軟性があるため、成型性、熱接着性などに優れるが、ホモのポリエステルに比べ結晶化度が低く、未延伸シートとして用いられることも多いことから、耐加水分解性パラメータは0.6以下であることが好ましく、さらには0.5以下であることが好ましい。耐加水分解性パラメータとは、ポリマーを155℃で4時間、水蒸気下で加水分解処理したときに、処理前後での極限粘度を比較し、パラメーター化したものであり、値が小さいほど耐加水分解性が良好となる。耐加水分解性パラメータを0.6以下とするためには、例えば、リン化合物をリン原子換算で40ppm以上添加することで達成できるが、チタン触媒はリン化合物により失活しやすいため、チタン触媒に対して不活性であるリン化合物を用いることが好ましく、特にリン酸アルカリ金属塩を用いることが重合反応性の点から好ましい。
本発明のポリエステル組成物の製造方法としては、直重法で製造することが生産性の点から好ましい。具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、1,3プロパンジオールまたは1,4ブタンジオールを仕込み、チタン化合物の存在下、140〜230℃でエステル化反応を行い、次いで従来の方法により重縮合反応を行うことができる。
このとき、ダイマー酸の添加時期は、エステル化反応の後半から重合初期の間に添加することが色調、耐熱性の点から好ましい。特に、エステル化反応後半において、反応系を200℃〜220℃に制御しながらダイマー酸を徐々に添加することが生産性の点から好ましく、特に200〜210℃に制御することが色調の点から好ましい。ダイマー酸の添加方法は、加温して低粘度化して添加することがハンドリング性の点から好ましく、その温度は50℃〜70℃であることがハンドリング性の点から好ましい。また、ダイマー酸は単独で添加してもよいが、反応性の点から、1,3プロパンジオール、または1,4ブタンジオールと混合して添加することが反応性の点から好ましい。このときのダイマー酸とグリコール成分の混合比は、ダイマー酸1molに対して0.8〜1.2molであることが反応性、生産性の点から好ましい。このようなダイマー酸は少量ずつバッチ式で添加しても、ポンプで連続供給してもかまわない。
本発明のポリエステル組成物は通常のダイスから押出し、チップ化して用いても構わないが、直接未延伸シートとしてもよい。この際、キャスティングドラム上に、溶融した本発明のポリエステル組成物を押し出し、冷却固化したり、必要に応じて延伸や各種の熱処理を行ってポリエステルシートに成形することができる。このようにして得られたポリエステルシートは、各種の包装材料、壁紙などの建材用途、鋼板貼り合わせ用途、保護フィルムやキャリアテープなどの工程フィルム用途などに好適である。
以下本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。なお、実施例中の特性は次のようにして測定した。
(A.固有粘度)
o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
(B.熱特性の分析)
パーキンエルマー社製 DSC7型を用いて、以下の条件でガラス転移点、結晶融解温度、降温結晶化温度の分析を行った。
雰囲気 :窒素(30ml/min)
温度校正:高純度インジウム(Tm=156.61℃)
昇温速度:10℃/min
降温速度:10℃/min
試料量 :10mg
試料容器:アルミニウム製標準型容器
前熱処理:300℃で5min
(C.ダイマー酸の分析)
高速液体クロマトグラフィーにより分析し、各成分のピーク面積より組成比を求めた。
測定条件は既知の方法で実施することができるが、以下に一例を示す。
カラム :Interstil ODS−3 2.0mmφ×250mm
移動相 :HPO水溶液/メタノール=80/20−(20min)
20/80−(40min)
流速 :0.4mL/min
カラム温度:45℃
検出器 :フォトダイオードアレイ(200〜400nm)
クロマトグラムは21512を使用
(D.ポリエステル組成物中の金属原子量)
チタン原子、リン原子については蛍光X線分析法による定量を行った。
アルカリ金属原子(Na、K)については原子吸光分析法にて定量を行った。
(E.ポリエステルの組成分析)
ポリエステルをアルカリにより加水分解し、各成分をガスクロマトグラフィーあるいは高速液体クロマトグラフィーにより分析し、各成分のピーク面積より組成比を求めた。
ダイマー酸の定量は高速液体クロマトグラフィーによる分析することができ、本実施例においては、上記Dの条件で行った。
その他のカルボン酸成分は、1mol/Lの濃度のナトリウムメチラート、及び酢酸メチルを加えて環流加熱で2時間処理した後、高速液体クロマトグラフィーにて測定を行った。測定条件は既知の方法で分析することができる。例えば以下に一例を示す。
装置:島津LC−10A
カラム:YMC−Pack ODS−A 150×4.6mm S−5μm
120A
カラム温度:40℃
流量:1.2ml/min
検出器:UV 240nm
グリコール成分の定量はガスクロマトグラフィーを用いて既知の方法で分析することができる。例えば以下に一例を示す。
装置 :島津9A(島津製作所製)
カラム:SUPELCOWAX−10 キャピラリーカラム30m
カラム温度:140℃〜250℃(昇温速度5℃/min)
流量 :窒素 25ml/min
検出器:FID
その他のカルボン酸成分は高速液体クロマトグラフィーにて測定を行った。
(F.熱接着性の評価)
ラミネーターにより、1kg/cm3の圧力で2秒間処理したときの発砲塩ビとの接着開始温度を測定した。
(G.耐加水分解性の評価)
150℃、8時間真空乾燥したポリマーを、155℃、飽和水蒸気中において4時間処理した後の固有粘度、カルボン酸末端基の測定を行った。
耐加水分解性指標を下記式によって算出した。
耐加水分解性指標=0.27(1/[ηt]1.3−1/[η]1.3)
[η]:処理前の固有粘度
[ηt]:処理後の固有粘度
(H.カルボン酸末端基量)
Mauliceの方法によって測定した。(文献 M.J.Maulice,F.Huizinga.Anal.Chim.Acta,22 363(1960))
(I.重合反応性評価)
固有粘度0.85に到達するまでの時間をブランク(実施例5)と比較して以下の様に評価した。
◎・・・遅延が15分未満
○・・・遅延が15分以上30分未満
△・・・遅延が30分以上45未満
×・・・遅延が45分以上
(J.カルボン酸末端基定量)
Mauliceの方法によって測定した。(文献 M.J.Maulice,F.Huizinga.Anal.Chim.Acta,22 363(1960))
実施例1
テレフタル酸39.2重量部、イソフタル酸8.6重量部、1,4−ブタンジオール51.8量部、テトラブチルチタネート0.03重量部、“IRGANOX1010FP”0.011重量部を仕込み昇温を開始した。210℃に達した時点で60℃に加温したダイマー酸(PRIPOL1098:ユニケマ製)33.4重量部と1,4ブタンジオール5.3重量部の混合物を、反応系が210±5℃になるように、ポンプにて45分かけて添加した。ダイマー酸添加終了後、速やかに225℃まで昇温し、エステル化反応を終了した。リン酸0.01重量部を添加し、その10分後にテトラブチルチタネートを0.066重量部、“IRGANOX1010FP”0.025重量部を添加し、10分間攪拌してから重縮合反応釜へ移行、常法に従って重縮合反応を行った。最終的には240℃、1Torr以下で重縮合反応を行い、ポリエステル組成物を得た。
実施例2〜5
ダイマー酸、イソフタル酸の含有量を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物を得た。
実施例6
グリコール成分を1,3プロパンジオール、チタン化合物をチタン−n−プロポキシドとする以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物を得た。
実施例7
リン化合物をリン酸0.01重量部、リン酸二水素ナトリウム0.013重量部、リン酸水素二ナトリウム0.016重量部に変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物を得た。
実施例8
イソフタル酸の含有量を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物を得た。
実施例9
リン化合物をリン酸0.01重量部、リン酸二水素ナトリウム0.013重量部、リン酸水素二ナトリウム0.016重量部に変更する以外は実施例5と同様にしてポリエステル組成物を得た。
実施例10、11、12
リン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムの添加量を変更する以外は実施例5と同様にしてポリエステル組成物を得た。
比較例1
ダイマー酸の含有量を変更する以外は実施例6と同様にしてポリエステル組成物を得た。
比較例2
グリコール成分を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物を得た。
Figure 0005211604
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Claims (7)

  1. 酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸及び水素添加していないダイマー酸、グリコール成分として1,3プロパンジオールまたは1,4ブタンジオールを含むポリエステル組成物であって、全酸成分に対し、テレフタル酸を40〜90mol%、イソフタル酸を0〜30mol%、ダイマー酸を10〜30mol%、ポリエステル組成物に対し、チタン原子を100ppm以上200ppm以下、リン原子を20ppm以上150ppm以下、ヒンダートフェノール系酸化防止剤0.01重量%以上0.1重量%以下含有し、ガラス転移点0℃以下、固有粘度0.6〜1.2、降温結晶化温度130℃未満であるポリエステル組成物。
  2. 1,3プロパンジオールまたは1,4ブタンジオールが発酵法によって合成されている請求項1記載のポリエステル組成物。
  3. アルカリ金属原子を30ppm以上150ppm以下含有する請求項1または2記載のポリエステル組成物。
  4. リン化合物が、リン酸、リン酸アルカリ金属塩である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエステル組成物。
  5. 窒素雰囲気下、240℃で溶融保持したときのΔIVが0.01以下、カルボン酸末端基が25当量/ton以下、耐加水分解性パラメータが0.6以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステル組成物。
  6. 全酸成分に対し、テレフタル酸を40〜90mol%、イソフタル酸を0〜30mol%、ダイマー酸を10〜30mol%、ポリエステル組成物に対し、チタン原子を100ppm以上200ppm以下、リン原子を20ppm以上150ppm以下、ヒンダートフェノール系酸化防止剤0.01重量%以上0.1重量%以下含有し、ガラス転移点0℃以下、固有粘度0.6〜1.2、降温結晶化温度130℃未満であるポリエステル組成物の製造方法であって、エステル化反応系内または重合反応系内を200℃以上、220℃以下に保ちながらダイマー酸を添加するポリエステル組成物製造方法。
  7. ダイマー酸と1,3プロパンジオールまたは1,4ブタンジオールを1:0.8〜1.2(モル比)で混合して添加することを特徴とする請求項6記載のポリエステル組成物製造方法。
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