JP4010022B2 - 脂肪族ポリエステルカーボネート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はゲルの少ない、熱安定性、色調の優れた、脂肪族ポリエステルカーボネート樹脂及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリエステルカ−ボネ−トとしては、脂環式化合物を用いるポリエステルカ−ボネ−トあるいは芳香族化合物と脂肪族化合物を使用するポリエステルカーボネートなどが、通常高い融点を持つか、あるいは高いガラス転移点を示すため成形体として使用できることが知られている。しかしながら、これらは一般には微生物分解性はなく、生分解性ポリマーには分類されていない。
生分解性ポリマーに分類されているものとしては、環状モノマーを用いた開環重合法による脂肪族ポリエステルカーボネートがある。これらは、ヒドロキカルボン酸単位と脂肪族カーボネート単位をその構成要素としており、生体適合性があり、医療分野で使用されるものがあるが、加水分解性を有するため成形体としての使用には制限がある。
【0003】
一方、脂肪族ジカルボン酸化合物および/またはその酸無水物やジアルキルエステル化物の様な誘導体と脂肪族ジオ−ルとジアリルカ−ボネ−トとから脂肪族ポリエステルカ−ボネ−トを製造することは公知であるが、この脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールを構成成分とする脂肪族ポリエステルカーボネートは、一般的に融点が低くゴム状の性質を示し、接着剤、シーリング剤、塗布コーティング剤、さらにはその他の樹脂とのポリマーアロイの材料として利用することが提案されているものの、主な用途は、液状の低分子量体としてウレタン原料に使用することであり、高分子量を要求される、フィルム、シート等の成形体に加工され実用に供された例は見いだされていなかった。
【0004】
本発明者らは、特開平7ー53695号公報、同7ー53693号公報、同8ー27362号公報に示した様に、高分子量脂肪族ポリエステルカーボネートが微生物分解性を有し、フィルム、シート、繊維その他の各種成形体として利用できることを見いだした。
これら高分子量脂肪族ポリエステルカーボネートは、成形性、生分解性等が良好なポリマーである。しかしながら、更なる検討の結果、ポリエステルカーボネート樹脂製造時の分子量、得られたポリエステルカーボネート樹脂のゲル含有量、熱安定性、色調、成形性に再現性が無いという問題があった。このため、製造時の安定した分子量コントロール、ゲルを含まない、熱安定性、色調の優れたポリエステルカーボネートの製造方法の確立が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術における上記したような課題を解決し、ゲルの少ない、熱安定性、色調の優れた、脂肪族ポリエステルカーボネート樹脂及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、主としてコハク酸からなる脂肪族ジカルボン酸化合物および/またはこれらの誘導体と、脂肪族ジヒドロキシ化合物とを用いて得られる脂肪族ポリエステルオリゴマーと、カーボネート化合物とを溶融重縮合させることにより得られる脂肪族ポリエステルカーボネートの熱安定性、ゲルの発生、着色を改善すべく鋭意研究を重ねた結果、コハク酸を主とする脂肪族ジカルボン酸化合物および/またはこれらの誘導体中の微量の不純物であるリンゴ酸および/またはその誘導体が、製造時の分子量再現性、得られたポリエステルカーボネート樹脂のゲル含有量、熱安定性、色調、成形性等に大きく影響することを見出した。
即ちリンゴ酸のヒドロキシル基が重合中に脱水反応を起こし不飽和結合を生成し、樹脂中に残ることが成型時の熱安定性、ゲルの発生、着色、溶融粘度変化の原因となる。さらに、コハク酸を主とする脂肪族ジカルボン酸化合物および/またはこれらの誘導体中にはリンゴ酸に加えて不飽和結合を持つマレイン酸、フマル酸および/またはその誘導体も含まれることがあり、上記と同様の理由で熱安定性等を損なうことも明らかとなった。したがって、このマレイン酸等が含まれる場合には、ジカルボン酸化合物及び/またはその誘導体中のリンゴ酸、マレイン酸、フマル酸およびこれらの誘導体の合計の濃度を0.4重量%以下とすることにより上記目的を達成できることを見いだし、本発明に到達した。
尚、本明細書中でいう、誘導体とは、酸無水物やエステル化物をいう。
また、脂肪族ジカルボン酸化合物の一例として、工業用として市販されているコハク酸は、不純物としてリンゴ酸、マレイン酸、フマル酸およびこれらの酸水物等の誘導体を合計で約0.5重量%程度含有している。
【0007】
【発明の実施の形態】
脂肪族ジカルボン酸化合物中のリンゴ酸、マレイン酸、フマル酸およびこれらの誘導体の合計の濃度を減少させる精製方法として公知の水添法、活性炭処理法、溶剤(水)洗浄法、再結晶法等が挙げられる。
リンゴ酸は、脂肪族ジカルボン酸化合物中のマレイン酸、フマル酸等と水との反応により生成すると考えられるため、基本的には残存する不飽和化合物を低減することによりリンゴ酸の含有量も低減可能である。
上記精製法の中で、水添法は徹底して残存する2重結合を水添することによりリンゴ酸、マレイン酸、フマル酸およびこれらの誘導体を除くことが出来るが、水添を長時間行うことで、その他の不純物量が増加する。また、反応圧力の増加が必要な場合も生じ、コスト的にも割高となる。好適な精製方法としては、溶剤(水)洗浄法と再結晶法との組み合わせが有効である。具体的には、無水マレイン酸からコハク酸の製造を例に説明すると、無水マレイン酸を水溶液中で、80℃、8kg/cm2 程度の圧力で、触媒存在下に、水素添加反応を行う。所定量の水素の吸収後に熱時に触媒を濾過し徐冷してコハク酸の結晶を得る。スラリーの濾過により得られたコハク酸ケーキを純水で良く洗浄する。リンゴ酸はコハク酸に比べ、水への溶解度が高いため、効率良く除去可能である。しかし、水洗の洗浄量を多くすることによりリンゴ酸の低減が可能であるが、コハク酸も流出するため収率が低下し、コスト高となる。このため、水添反応の転化率、結晶の析出量、洗浄水の量をバランス良く調節することにより、コストを低く抑える必要がある。また、得られたコハク酸を再度水に溶解し再結晶することにより更に、コハク酸中のリンゴ酸、マレイン酸、フマル酸およびこれらの誘導体の合計濃度を減少させることが可能である。さらに、活性炭を混合し熱時濾過することによっても上記不純物の低減化は可能である。
【0008】
本発明における脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法は、まず、エステル交換触媒の存在下に、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸およびこれらの誘導体の合計の濃度が0.4重量%以下であるコハク酸を主成分とする脂肪族ジカルボン酸化合物及び/またはその誘導体と、1,4ーブタンジオールを主成分とする脂肪族ジヒドロキシ化合物とを反応させて脂肪族ポリエステルオリゴマーを得る第1工程と、該オリゴマーとカーボネート化合物とを反応させる第2工程からなる。
【0009】
以下、脂肪族ジカルボン酸化合物と脂肪族ジヒドロキシ化合物の反応例について詳細に説明する。
【0010】
第1工程は、触媒の存在下、温度100〜250℃、好ましくは150〜220℃で、反応に伴って副生する水及び過剰の脂肪族ジヒドロキシ化合物を除去しながら、数平均分子量500〜5,000のポリエステルオリゴマーを製造する工程である。ポリエステルオリゴマーの分子量が上記より高い場合は、最終ポリマー中のカーボネート結合の割合が著しく低くなり生分解性が低下するので、上記の分子量を越えることは好ましくない。しかしながら、カーボネート結合はオリゴマーの結合剤としてポリエステルの分子量を容易に高分子量体とすることが可能であり、生分解性を特に考慮する必要のない場合には上記の分子量を越えるポリエステルオリゴマーであっても良い。また、ポリエステルオリゴマーの分子量が500以下の場合は最終ポリマーの融点が低下し実用的な使用に耐えない。
【0011】
反応が行われる圧力は上記目的が達成される圧力が選ばれ、反応を促進する目的で300mmHg以下の減圧としてもよい。
【0012】
上記第1工程におけるコハク酸を主成分とする脂肪族ジカルボン酸化合物と、脂肪族ジヒドロキシ化合物との反応は、脂肪族ジヒドロキシ化合物を理論量より過剰で使用される。具体的には、該脂肪族ジカルボン酸化合物1に対して、該脂肪族ジヒドロキシ化合物を1.05〜2.00のモル比の範囲で使用される。該脂肪族ジヒドロキシ化合物が多い方が反応時間は長くなるが、酸価が小さくなる傾向にある。得られる脂肪族ポリエステルオリゴマーの分子量、酸価、脂肪族ジヒドロキシ化合物残存量のコントロ−ルは、未反応の脂肪族ジヒドロキシ化合物の留去速度と反応速度を適当にバランスさせることにより可能であり、仕込みモル比、触媒、温度、減圧度、反応時間の条件を適当に組合せる方法や、不活性気体を適当な流量で吹き込むような方法が現実的である。
【0013】
たとえば、減圧度の増加速度を早くすることにより、反応時間の短縮およびオリゴマー中の脂肪族ジヒドロキシ化合物の残存量の低減化が可能であるが未反応のカルボン酸すなわち酸価が増大する。酸価の増加は、カーボネート化合物の副反応による分解および着色等の問題から好ましくない。
一方、触媒量の増加は反応速度を増加させるが、最終的には生成したポリマーの熱安定性に問題が生じる。このため、反応は少量の触媒を用いて、3段階に分けて減圧度を調節することにより行う。第1段階は主に縮合によって生じた水の除去で常圧で行われる。第2段階は脱水縮合反応の完結、すなわち酸価の低減のための熟成工程で、200〜80mmHg程度の減圧度で水および少量の脂肪族ジヒドロキシ化合物の留去を行う。第3段階は過剰の脂肪族ジヒドロキシ化合物の留去による高分子量化の工程で最終的には10mmHg以下の真空度とする。分子量すなわち末端水酸基価の調節は、脂肪族ジヒドロキシ化合物の留出量によって行うことができる。末端水酸基価は20〜200KOHmg/gの範囲が好ましい。
【0014】
第2工程は、第1工程で得られたポリエステルオリゴマーとカ−ボネ−ト化合物とを反応させて高分子量体とする工程であり、温度150〜250℃、好ましくは200〜230℃で、反応に伴って副成するフェノール類若しくはアルコール類、若干量の脂肪族ジヒドロキシ化合物等を除去する工程である。ここで、使用するカーボネート化合物の量は、ポリエステルオリゴマーの末端水酸基量に対して、0.45〜0.55倍モル量で使用される。より好ましくは0.47〜0.51倍モル量の範囲である。得られるポリエステルカーボネート中のカーボネート結合の含有量は、1.8〜33モル%の範囲、好ましくは3〜25モル%の範囲である。カーボネート結合の量が増加すると生分解性は向上するが、融点は低下するので、用途に応じて制御することが必要である。
また、ここで使用されるポリエステルオリゴマーは1種類に限定されるものではなく、原料の異なる2種類以上のポリエステルオリゴマーを独立に製造し、適当量を混合することによりブロック共重合体を製造することも可能である。
【0015】
これらの高分子量化工程においては反応温度が高いと重合反応は速いが、得られる重合体を着色させることがあり、上記の範囲を越えるような高い温度は好ましくない。反応は、必要に応じて徐々に減圧度を調節して行われ、最終的には3mmHg以下の減圧とすることが好ましい。
【0016】
第2工程終了後の脂肪族ポリエステルカーボネートには、1〜3重量%の環状オリゴマーが含まれるが、この他に300ppm程度の副成フェノール類またはアルコール類、及び20ppm未満の未反応カーボネート化合物が含まれることがある。
環状オリゴマーの中でも1,4ーブタンジオール2分子、コハク酸2分子からなる環状オリゴマーは、オリゴマー濃度が0.6重量%を越えると、成形後のフィルム、シートの表面上に約1カ月の保存期間後、白色の結晶が析出し透明性を損なう。よって、溶融状態の脂肪族ポリエステルカーボネートに、窒素雰囲気下で触媒失活剤を添加、混合し、反応触媒を失活させ、続いて、表面更新能力の高い装置で減圧下に、脱揮し、環状オリゴマーの濃度が0.6重量%以下となるように脱揮除去するのが好ましい。また、副生するフェノール類についても、20ppm以上の量では、成形加工時の臭気の問題があり、環状オリゴマーと共に脱揮除去することが好ましい。
【0017】
触媒失活剤の添加量は、触媒1モルに対し0.3〜10倍モル、好ましくは0.5〜5倍モルの範囲で使用され、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸およびそれらのエステル等のリン系化合物が好適に用いられる。また、環状オリゴマー除去のためには高温度、高真空度が好ましく、操作温度は130〜300℃、好ましくは180〜280℃であり、減圧度は10mmHg以下、好ましくは5mmHg以下、より好ましくは2mmHg以下で行われる。
【0018】
本発明において、脂肪族ジカルボン酸化合物は、コハク酸および/またはこの誘導体と一般式(1)で表される脂肪族ジカルボン酸化合物および/またはこの誘導体とを併用し、脂肪族ジヒドロキシ化合物は、1,4−ブタンジオールと一般式(2)で表される脂肪族ジヒドロキシ化合物とを併用する。
R1 OCO−R2 −COOR3 (1)
HO−R4 −OH (2)
(式中R2 およびR4 は炭素数1〜8のアルキル基であり、これらは同一であっても異なっていてもよい。R1 およびR3 は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。)
【0019】
上記一般式(1)で表される脂肪族ジカルボン酸化合物としては、例えば、蓚酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、ジグリコール酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ペンタデカン二酸等が挙げられる。またこれらの誘導体として、酸無水物、アルキルエステル、フェニルエステル等が例示される。
【0020】
また、上記一般式(2)で表される脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサメチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール等が例示される。
【0021】
本発明において、上記一般式(1)および(2)の脂肪族ジヒドロキシ化合物および脂肪族ジカルボン酸化合物は、1,4−ブタンジオールおよびコハク酸の量をそれぞれ50モル%以上とすることが得られるポリマーの物性上の観点から望ましい。
【0022】
本発明において使用する脂肪族ジカルボン酸化合物および/またはその誘導体中のリンゴ酸および/またはその誘導体の濃度は0.4重量%以下、好ましくは0.3重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下のものが用いられる。
脂肪族ジカルボン酸化合物および/またはその誘導体中のリンゴ酸および/またはその誘導体の濃度が0.4重量%を越える場合は、重合反応の分子量コントロールが難しく、多量のゲルおよび不飽和結合を含む重合物となる。このため、得られた重合物は伸び等の物性、熱安定性、色調の著しく劣るものとなる。
脂肪族ジカルボン酸化合物および/またはその誘導体中のリンゴ酸濃度が0.4重量%以下の場合は、ポリマー中にある程度の量の分岐、不飽和結合を生じるが、発泡成形等の高い溶融張力を必要とする用途には使用できる範囲の分岐量である。また、樹脂中の不飽和結合も、成型時の溶融粘度変化、熱安定性、着色に影響を与えるものの酸化防止剤等の添加剤により有る程度防止でき、実用的には使用可能な範囲である。リンゴ酸の含有量を把握することにより分子量のコントロールも可能である。
さらに、ポリマー中の分岐、不飽和結合を低下させ、成型時の溶融粘度変化、着色を抑え、熱安定性を向上させるためには、脂肪族ジカルボン酸化合物および/またはその誘導体中のリンゴ酸濃度を0.3重量%以下にすることが好ましく、より好ましくは0.1重量%以下とすることが望ましい。
【0023】
リンゴ酸に加え、マレイン酸、フマル酸、これらの誘導体等が不純物として存在する場合は、これらの不純物の合計の濃度が、上記のリンゴ酸の場合と同様の理由から、0.4重量%以下、好ましくは0.3重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下のものが用いられる。本発明により、ゲル生成量が少なく高分子量のポリエステルカーボネート樹脂が容易に製造できる。しかし、用途、成形加工性等を考慮すると、重量平均分子量(Mw)が100,000〜350,000のものが好適に使用される。
【0024】
本発明で使用されるカーボネート化合物としては、具体的には、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m-クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチレンカーボネート、ジアミルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどが例示されるがこれに限定されるものではなく、フェノール類、アルコール類のようなヒドロキシ化合物から誘導される、同種、または異種のヒドロキシ化合物からなるカーボネート化合物が使用可能である。
【0025】
本発明による脂肪族ポリエステルカーボネートにおいては、成形用途によっては、溶融張力を高めるため、多官能モノマーを添加することが出来る。分子内に水酸基を3個以上含有する多価アルコールとして、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,4ーブタントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオ−ル、1,2,6−ヘキサントリオ−ル、フロログルシン等が例示される。
【0026】
また、分子内にカルボキシル基を3個以上含有する多価カルボン酸化合物として、例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、プロパントリカルボン酸、トリメシン酸等が例示される。
【0027】
本発明で使用される触媒として、ジルコニウム化合物あるいはハフニウム化合物とY,La,Zn,Snから選ばれる少なくとも1種との組み合わせからなる触媒とすることにより、ジルコニウム化合物またはハフニウム化合物単独使用の場合より全体の触媒量が少量で、充分な反応速度が得られる。
触媒として、好ましい化合物の形態としては、脂肪酸塩類、水酸化物、アルコラート、フェノラート、アセチルアセトナート等種々あげられる。
【0028】
ジルコニウム化合物、ハフニウム化合物としては、ジルコニウムアセチルアセトネート、アセチルアセテートジルコニル、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラノルマルブトキシド、ジルコニウムテトラターシャリーブトキシド、ジルコニルクロライド、塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、ジルコニウムオキシアセテート、オクタン酸ジルコニウム、ジルコニウムオキシステアレート、ハフニウムアセチルアセトネート、ハフニウムテトラブトキシド、ハフニウムテトライソプロポキシドなどが例示されるが、ジルコニウムアセチルアセトネート、ハフニウムアセチルアセトネートがとくに好ましく用いられる。
【0029】
Y,La,Zn,Snの化合物としては、酢酸イットリウム、ナフテン酸イットリウム、トリス(アセチルアセトナト)イットリウム、酢酸ランタン、酢酸亜鉛、亜鉛アセチルアセトナート、安息香酸亜鉛、ステアリンサン亜鉛、酸化亜鉛、燐酸亜鉛、蓚酸錫、錫アセチルアセトナート、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫オキサイド、塩化錫などが例示されるが、亜鉛アセチルアセトナート、酢酸亜鉛、ジブチル錫オキサイドが特に好ましく用いられる。
【0030】
また、触媒の添加時期は、前述の第1工程で、触媒を最初から上記の組み合わせで使用する方法と、第1工程では、ジルコニウム化合物またはハフニウム化合物を使用し、前述の第2工程では、Y,La,Zn,Sn化合物から選ばれる少なくとも1種を追加して反応する方法があり、どちらの方法でも製造可能であるが、第一工程の反応時間短縮のためには、最初から組み合わせで使用する方法が好ましい。触媒量は極力少ないことが望まれ、通常原料(反応)混合物100重量部に対して、5×10-5〜1重量部、好ましくは1×10-4〜2×10-2重量部が使用される。
【0031】
本発明によれば、成型時の溶融粘度変化、着色の少ない、熱安定性に優れた重量平均分子量30,000以上の脂肪族ポリエステルカーボネートが製造可能であり、得られた脂肪族ポリエステルカーボネート樹脂中のリンゴ酸残基、フマル酸残基およびマレイン酸残基の合計濃度はリンゴ酸換算で0.30重量%以下、好ましくは0.15重量%以下、さらに好ましくは0.05重量%以下であることが望ましい。
【0032】
樹脂中のリンゴ酸残基、フマル酸残基、マレイン酸残基の合計濃度がリンゴ酸換算で0.30重量%を越える場合は熱安定性が著しく劣り、190℃程度の温度で数分滞留しただけでゲル化する。樹脂中のリンゴ酸残基、フマル酸残基、マレイン酸残基の合計濃度がリンゴ酸換算で0.30重量%以下の場合は、成型時の溶融粘度変化、熱安定性、着色に影響を与えるものの酸化防止剤等の添加剤により通常の成形条件では問題なく使用できる。さらに、熱安定性の高い樹脂を得るためには、樹脂中のリンゴ酸残基、フマル酸残基およびマレイン酸残基の合計濃度がリンゴ酸換算で0.15重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下であることが望ましい。
【0033】
本発明で用いる酸化防止剤はヒンダードフェノール系化合物および/またはホスファイト系化合物が好ましく、ヒンダードフェノール系化合物としては具体的に、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノールブチルヒドロキシトルエン、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール等が例示されるがこれに限定されるものではない。
【0034】
ホスファイト系化合物としては具体的に、トリフェニルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリル−ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト等が例示されるがこれに限定されるものではない。
【0035】
本発明で用いる酸化防止剤はヒンダードフェノール系化合物および/またはホスファイト系化合物が好ましく、添加方法は、それぞれ単独の使用でも効果が有るが、ヒンダードフェノール系とホスファイト系の併用がより好ましい。
【0036】
本発明の方法により製造された脂肪族ポリエステルカーボネートの使用に際しては、核剤、滑剤、安定剤、無機充填剤などの補助添加剤を配合することができ、従来公知の方法に従ってフィルム、シート、フィラメント、マルチフィラメント、テープ、不織布、網状体、ラミネート、発砲体、発砲シート、ボトル、トレー、延伸ブロー成形体、射出成形体などの各種の形状に成形することができる。
【0037】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0038】
本実施例において、ポリエステルオリゴマー、ポリエステルカーボネートの分子量はクロロホルムを溶媒としてGPC(昭和電工(株)製GPC System−11使用)によりスチレン換算のMw(重量平均分子量)、Mn(数平均分子量)として測定した。水酸基価および酸価はJIS−K1557に従って定量した。原料ジカルボン酸化合物中のリンゴ酸、マレイン酸、フマル酸濃度は高速液体クロマトグラフ(ポンプ:日立L−6200、検出器:UVおよびRI、カラム:GLサイエンス社製イナートジルODS−3)を用いてpH2.5のリン酸酸性緩衝水溶液を移動相として測定した。このため、無水マレイン酸はマレイン酸として分析された。無水マレイン酸の分析は別途に、ガスクロマトグラフィー(島津製作所GC−14B)によりGLサイエンス社製メガボアカラムTC−1700を用いて行った。樹脂中のリンゴ酸残基、フマル酸残基、マレイン酸残基は270MHzのFT−NMR(JEOL、EX−270型)により重クロロホルム溶媒にて分析した。滞留安定性試験はフローテスタ(島津製作所、CFT−500C)を用いて190℃、6分滞留後の粘度および分子量で測定した。
【0039】
以下に、本発明の実施例及び比較例を示す。尚、以下の実施例および比較例の結果を、表1にまとめて示した。
【0040】
実施例1
撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付けた50リットルの第1反応器に、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸および無水マレイン酸を含まないコハク酸18.74kg(158.7モル)、1,4−ブタンジオール21.43kg(237.8モル)、ジルコニウムアセチルアセトネート745mgおよび亜鉛アセチルアセトナート1.50gを仕込み、窒素雰囲気下で温度150〜220℃で2時間反応し水を留出させた。つづいて、150〜80mmHgの減圧度で3時間熟成し、脱水反応を進行させた。更に、最終的に減圧度を2mmHg以下となるよう徐々に減圧度を増し、さらに水と1,4−ブタンジオールを留出させ、総留出量が10.40kgになったところで反応を停止した。総反応時間は6.5時間であった。得られたオリゴマーの数平均分子量は1800、末端水酸基価は106KOHmg/gであり、酸価は1.08KOHmg/gであった。
【0041】
次に得られたオリゴマ−24.0kgを撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付けた50リットルの第2反応器に仕込み、ジフェニルカ−ボネ−ト4.71kgを添加した。温度210〜220゜Cで最終的に1mmHgの減圧とし、フェノールを留去しながら4.5時間反応した。窒素により減圧を解除し、ポリリン酸0.7gを含む300gのポリエステルカーボネートマスターバッチを添加し、撹はん混合後にストランド状に取り出しペレット化を行った。
得られた高分子量体は、無着色でGPCの測定による重量平均分子量(Mw)が213,000であり、FT−NMRによりリンゴ酸、フマル酸およびマレイン酸残基は検出されなかった。フローテスターによる6分滞留後の粘度は6,200ポイズであり滞留後の重量平均分子量(Mw)も211,000と変化がなく滞留後の色調も良好であった。
【0042】
実施例2
撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付けた50リットルの第1反応器に、リンゴ酸0.09重量%を含有するコハク酸18.74kg(158.7モル)、1,4−ブタンジオール21.43kg(237.8モル)、ジルコニウムアセチルアセトネート745mgおよび酢酸亜鉛1.50gを仕込み、実施例1と同様に、窒素雰囲気下で温度150〜220℃で2時間反応し水を留出させた。つづいて、150〜80mmHgの減圧度で3時間熟成し、脱水反応を進行させた。更に、最終的に減圧度を2mmHg以下となるよう徐々に減圧度を増し、さらに水と1,4−ブタンジオールを留出させ、総留出量が10.40kgになったところで反応を停止した。総反応時間は6.5時間であった。得られたオリゴマーの数平均分子量は1800、末端水酸基価は106KOHmg/gであり、酸価は1.08KOHmg/gであった。
【0043】
次に得られたオリゴマ−24.0kgを撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付けた50リットルの第2反応器に仕込み、ジフェニルカ−ボネ−ト4.71kgを添加した。温度210〜220゜Cで最終的に1mmHgの減圧とし、フェノールを留去しながら4.5時間反応した。窒素により減圧を解除し、リン酸0.7gを含む300gのポリエステルカーボネートマスターバッチを添加し、撹はん混合後にストランド状に取り出しペレット化を行った。
得られた高分子量体は、無着色でGPCの測定による重量平均分子量(Mw)が221,000であり、FT−NMRによりリンゴ酸、フマル酸およびマレイン酸残基の合計濃度はリンゴ酸換算で0.057重量%であった。フローテスターによる6分滞留後の粘度は6,940ポイズであり滞留後の重量平均分子量(Mw)も221,000と変化がなく滞留後の色調も良好であった。
【0044】
実施例3
実施例1と同様の装置を用いて、原料脂肪族ジカルボン酸としてリンゴ酸を0.23重量%、フマル酸、マレイン酸および無水マレイン酸の合計量を0.003重量%含むコハク酸を使用した以外は、実施例1と全く同様の操作をして、ポリエステルカーボネート樹脂ペレットを得た。得られた高分子量体は、無着色でGPCの測定による重量平均分子量(Mw)が223,000であり、ゲル化はしなかった。FT−NMRによるリンゴ酸、フマル酸およびマレイン酸残基の合計濃度はリンゴ酸換算で0.14重量%であった。得られた樹脂のフローテスターによる6分滞留後の粘度は7,300ポイズであり滞留後の重量平均分子量(Mw)も229,000とほとんど変化がなく、滞留後の色調も良好であった。
【0045】
実施例4
実施例1と同様の装置を用いて、原料脂肪族ジカルボン酸としてリンゴ酸を0.34重量%、フマル酸、マレイン酸および無水マレイン酸の合計量を0.003重量%含むコハク酸を使用した以外は、実施例1と全く同様の操作をして、ポリエステルカーボネート樹脂ペレットを得た。得られた高分子量体は、無着色でGPCの測定による重量平均分子量(Mw)が225,000であり、ゲル化はしなかった。FT−NMRによるリンゴ酸、フマル酸およびマレイン酸残基の合計濃度はリンゴ酸換算で0.21重量%であった。得られた、ペレットに、安定剤としてテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(C.Geigy イルガノックス1010)およびトリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(C.Geigy イルガフォス168)の1対2混合物0.05重量%を2軸押出機にて添加した。得られた樹脂のフローテスターによる6分滞留後の粘度は7,220ポイズであり滞留後の重量平均分子量(Mw)も228,000とほとんど変化がなく、滞留後の色調も微かに黄色を帯びたが良好であった。
【0046】
比較例1
実施例1と同様の装置を用いて、原料脂肪族ジカルボン酸としてリンゴ酸を0.49重量%、フマル酸、マレイン酸および無水マレイン酸の合計量を0.004重量%含むコハク酸を使用した以外は、実施例1と全く同様の操作をして、ポリエステルカーボネート樹脂ペレットを得た。得られた高分子量体は、無着色でGPCの測定による重量平均分子量(Mw)が220,000であり、ゲル化はしなかった。FT−NMRによるリンゴ酸、フマル酸およびマレイン酸残基の合計濃度はリンゴ酸換算で0.32重量%であった。得られた樹脂のフローテスターによる6分滞留後の粘度は11,480ポイズであり一部ゲル化していた。滞留後のクロロホルム可溶部分の重量平均分子量(Mw)も262,000と上昇しており、滞留後の色調も黄色を帯びていた。
【0047】
比較例2
実施例1と同様の装置を用いて、原料脂肪族ジカルボン酸としてリンゴ酸を0.78重量%、フマル酸、マレイン酸および無水マレイン酸の合計量を0.005重量%含むコハク酸を使用した以外は、実施例1と全く同様の操作をして、ポリエステルカーボネート樹脂ペレットを得た。得られた高分子量体は、若干黄色を帯びており、GPCの測定による重量平均分子量(Mw)が226,000で、ゲル化はしなかった。FT−NMRによるリンゴ酸、フマル酸およびマレイン酸残基の合計濃度はリンゴ酸換算で0.49重量%であった。得られた樹脂はフローテスターにより滞留試験を行った。6分滞留後の樹脂はゲル化しており分子量の測定は不可能であった。また、滞留後の色調は黄色を帯びていた。
【0048】
比較例3
実施例1と同様の装置を用いて、原料脂肪族ジカルボン酸としてリンゴ酸を0.10重量%、フマル酸、マレイン酸および無水マレイン酸の合計量を0.45重量%含むコハク酸を使用した以外は、実施例1と全く同様の操作をして、ポリエステルカーボネート樹脂ペレットを得た。得られた高分子量体は、若干黄色を帯びており、GPCの測定による重量平均分子量(Mw)が224,000で、ゲル化はしなかった。FT−NMRによるリンゴ酸、フマル酸およびマレイン酸残基の合計濃度はリンゴ酸換算で0.32重量%であった。得られた樹脂はフローテスターにより滞留試験を行った。6分滞留後の樹脂はゲル化しており分子量の測定は不可能であった。また、滞留後の色調は黄色を帯びていた。
【表1】
Figure 0004010022
【0049】
【発明の効果】
本発明の脂肪族ポリエステルカーボネートは、高い熱安定性を持ち、成形時の滞留安定性、色調に優れているので、フィルム、シート、発泡体あるいは繊維などの成形品を得るのに好適である。得られる成形品は高い機械的強度を有しており従来の汎用樹脂の代替物として使用できる。土中また活性汚泥処理でも高い生分解性を示すものであり、生分解性の要求される包装材料や成形体などに広く利用できる。例えば農業分野において、土壌表面を被覆して土壌の保温をするマルチフィルム、フィルム固定用冶具、植林用の鉢やひも、また肥料のコーティング材料などに利用でき、あるいは漁業分野では釣り糸、漁網に、包装分野ではコンポストバッグ、ショッピングバッグ、各種梱包用フィルム、多層フィルム、発泡シート、緩衝材、保温用容器、食品分野では、食品用トレー、紙のラミネート、使い捨て食器、さらには、手術用糸、手袋等の医療材料、生理用品、紙おむつなどの衛生材料として利用できる。

Claims (6)

  1. コハク酸を主成分とする脂肪族ジカルボン酸化合物および/またはこれらの誘導体と1,4−ブタンジオールを主成分とする脂肪族ジヒドロキシ化合物とを反応させて脂肪族ポリエステルオリゴマーを得、該オリゴマーとカーボネート化合物とを反応させて脂肪族ポリエステルカーボネートを得る方法において、コハク酸を主成分とする脂肪族ジカルボン酸化合物および/またはその誘導体中のリンゴ酸、マレイン酸、フマル酸およびこれらの誘導体の合計濃度が0.4重量%以下であることを特徴とする脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法。
  2. 脂肪族ポリエステルオリゴマ−の数平均分子量が、5,000以下である請求項1記載の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法。
  3. 脂肪族ジヒドロキシ化合物中の1,4−ブタンジオール及び脂肪族ジカルボン酸化合物中のコハク酸の濃度がそれぞれ、50モル%以上である請求項1記載の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法。
  4. 重量平均分子量が100,000以上である請求項1記載の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法。
  5. 脂肪族ポリエステルカーボネートに、リン系化合物を添加する請求項1記載の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法。
  6. 脂肪族ポリエステルカーボネートに、ヒンダードフェノール系化合物および/またはホスファイト系化合物を添加する請求項1記載の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法。
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