JP3431042B2 - 微生物分解性樹脂組成物 - Google Patents

微生物分解性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微生物分解性樹脂組成
物に関する。さらに詳しくは、脂肪族2塩基酸、脂肪族
ジヒドロキシ化合物およびジアリルカーボネートを縮合
して得られる脂肪族ポリエステルカーボネートとポリ−
β−ヒドロキシ酪酸からなる微生物分解性樹脂組成物に
関する。本発明の微生物分解性樹脂組成物は、機械的強
度、流動性、射出成形性などの性質に優れており、包装
材料や成形体などに利用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチック廃棄物の解決策の一
つとして、プラスチックに微生物分解性のでんぷんを混
入したものを成形材料として用いることが提案されてい
る。このような組成物は、でんぷんが分解して形状が崩
壊するもののプラスチックは分解されず微小プラスチッ
クの環境への散乱の問題が残る。
【0003】また、ポリカプロラクトンや微生物産生の
ポリ−β−ヒドロキシ酪酸( PHB )などの生分解性ポ
リマーが公知であるが、ポリカプロラクトンは融点が6
0℃と低く、一方PHBは硬くて脆い性質があり実用化
されていない。
【0004】一般的には、脂肪族化合物のエステル結合
が、微生物により分解されることが知られており、これ
ら脂肪族化合物のエステル結合を含むものとして脂肪族
化合物のポリエステルカーボネートがある。しかしなが
ら、脂環式化合物を用いるポリエステルカーボネートあ
るいは芳香族化合物と脂肪族化合物を使用するポリエス
テルカーボネートなどは、通常高い融点を持つかあるい
は高いガラス転移点を示すため成形体として使用できる
ことが知られているものの、一般的には生分解性がな
い。生分解性ポリマーに分類されているものとしては、
環状モノマーを用いた開環重合法による脂肪族ポリエス
テルカーボネートがあるにすぎない。これらは、ヒドロ
キシカルボン酸単位と脂肪族カーボネート単位をその構
成要素としており、生体適合材として使用されるもので
あるが加水分解性を有するため成形体としては使用方法
に制限がある。
【0005】脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオール及び
ジアリルカーボネートからポリエステルカーボネートを
製造することは公知であるが、生分解性ポリマーとして
利用することはこれまで知られていなかった。脂肪族2
塩基酸と脂肪族ジオールを構成成分とする脂肪族ポリエ
ステルカーボネートは、一般的に融点が低くゴム状の性
質をもつとされ、接着剤、シーリング剤、塗布コーティ
ング剤さらには他樹脂とのポリマーアロイとして利用す
ることが提案されているものの、フィルムあるいは繊維
等に成形し実用化された例は見いだされない。脂肪族ポ
リエステルカーボネートの実用的な応用としては、むし
ろ液状の低分子量体としてウレタン原料に使用すること
が主であった。
【0006】これら従来の用途には、通常アジピン酸な
どの比較的長鎖の2塩基酸と炭素数5以上の脂肪族ジオ
ールが選ばれ、高分子量体の製造方法として、例えば特
開昭60-13811号公報において、低分子量のポリエステル
ジオールあるいはポリエーテルジオールとジフェニルカ
ーボネートから脂肪族ポリエステルカーボネートを製造
する方法が開示されているが、炭素数4以下のジオール
をジオール成分として使用する場合は、ジオールの閉環
反応や環状カーボネートの生成などの副反応があるた
め、実用的高分子量体の工業的製造法としては不十分で
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、包装材料や
成形体などに利用でき、機械的強度、流動性、射出成形
性などの性質に優れる、脂肪族ポリエステルカーボネー
トを用いた微生物分解性樹脂組成物を提供するものであ
る。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、先に特
定のジオール、脂肪族ジカルボン酸およびジアリルカー
ボネートから得られる脂肪族ポリエステルカーボネート
が優れた生分解性を示すこと、なかでも、1,4−ブタ
ンジオ−ル、琥珀酸およびジフェニルカーボネートから
得られる脂肪族ポリエステルカーボネートが、機械的強
度、成形性などの性質にも優れていることを示した(
願平5-200602号,特願平5-200603号)。さらに生分解性フ
ィルム等の成形品について検討を重ね、脂肪族2塩基
酸、脂肪族ジヒドロキシ化合物およびジアリルカーボネ
ートから得られる脂肪族ポリエステルカーボネートとポ
リ−β−ヒドロキシ酪酸からなる樹脂組成物は、微生物
による分解性および、機械的物性において一層優れたプ
ラスチック成形材料として適用し得ることを見い出し本
発明を完成させた。
【0009】すなわち、本発明は、エステル交換触媒の
存在下、脂肪族2塩基酸と脂肪族ジヒドロキシ化合物か
ら合成されたポリエステルオリゴマーと、ジアリルカー
ボネートを反応させて得られる重量平均分子量が120
000以上の脂肪族ポリエステルカーボネートとポリ−
β−ヒドロキシ酪酸からなる微生物分解性樹脂組成物で
ある。本発明に使用する脂肪族ポリエステルカーボネー
トの製造は、カーボネート結合の分解を回避するために
2段階に分けて実施する。
【0010】すなわち、第1工程はエステル交換触媒の
存在下に、脂肪族2塩基酸もしくはそのエステルと脂肪
族ジヒドロキシ化合物を、温度100〜250℃、好ま
しくは150〜220℃で、副生する水もしくはアルコ
ール及び過剰の脂肪族ジヒドロキシ化合物を除去しポリ
エステルオリゴマーを製造する工程である。第1工程で
は、上記のごとく反応にともなって副生する水もしくは
アルコール及び過剰の脂肪族ジヒドロキシ化合物を除去
する必要があるから、最終的には減圧条件下で行われ
る。圧力は上記目的が達成される圧力が選ばれ、反応を
促進する目的で300mmHg以下の減圧とすることが好ま
しい。
【0011】第2工程は第1工程で得られたポリエステ
ルオリゴマーにジアリルカーボネートを添加して高分子
量体とする工程であり、この工程では副生するフェノー
ルが除去される。反応温度は、150〜250℃、好ま
しくは200〜220℃である。反応温度が高いと重合
は早いが、重合体を着色させることがあり好ましくな
い。反応は、必要に応じて徐々に減圧度を調節して最終
的には3mmHg以下の減圧とすることが好ましい。
【0012】ポリエステルカーボネート中のカーボネー
ト成分量は、脂肪族ポリエステルオリゴマーの末端水酸
基量を制御することにより所望の割合とすることができ
る。ポリエステルカーボネート中のカーボネート成分量
が多くなると、得られるポリエステルカーボネートの融
点が低くなり、実用的な耐熱性を有するポリマーが得ら
れない。一方、ポリエステルカーボネート中のカーボネ
ート成分量が少ない場合は、融点は高くなるが生分解性
が低下する。従って、ポリエステルカーボネート中のカ
ーボネート成分量は、適度の生分解性を有し、かつ実用
的な耐熱性を発現し得る量とすることが好ましい。通
常、ポリエステルカーボネート中のカーボネート成分量
は、1〜30%の範囲が選ばれ、たとえば、琥珀酸とブ
タンジオールからなるポリエステルオリゴマーの場合
は、ポリエステルカーボネート中のカーボネート成分量
は1〜20%とすることが好ましい。
【0013】本発明の脂肪族ポリエステルカーボネート
の製造に用いられる脂肪族ジヒドロキシ化合物は、例え
ば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,3および1,4−ブタンジオ
ール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコール、シクロヘキサンジオール等が例示され
る。
【0014】また、脂肪族2塩基酸としては、例えば、
琥珀酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸等が例示され、これらのエステルあるいは酸無水物
も使用可能である。これらの脂肪族2塩基酸と脂肪族ジ
ヒドロキシ化合物は、それぞれ単独であるいは2種以上
の混合物として用いることができ、所望の組合せが可能
であるが、適度の生分解性を有し、かつ実用的な耐熱性
を実現するために高い融点のものが好ましい。従って、
脂肪族2塩基酸としては琥珀酸、また、脂肪族ジヒドロ
キシ化合物としては1,4−ブタンジオールを、それぞ
れ60%以上含むことが好ましく、80%以上含む組合
せが特に好ましい。
【0015】また、ジアリルカーボネートの具体的な例
としては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボ
ネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−ク
レジルカーボネートなどを挙げることができる。これら
のジアリールカーボネートの中で特にジフェニルカーボ
ネートが好ましい。ジアリールカーボネートの使用量
は、脂肪族ポリエステルオリゴマーの末端水酸基に対し
て0.40〜0.60倍モル量用いるが、より好ましく
は0.45〜0.55倍モル量である。
【0016】また、使用されるエステル交換触媒は、所
望の反応時間内に容易に高分子量体をもたらす触媒から
選ばれるが、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土
類金属化合物、亜鉛化合物、錫化合物、チタン、ジルコ
ニウム、ハフニウム等のIVB族化合物等が例示される。
【0017】アルカリ金属化合物としては、例えば、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢
酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、水素化ほ
う素ナトリウム、水素化ほう素カリウム、水素化ほう素
リチウム、フェニル化ほう素ナトリウム、ステアリン酸
ナトリウムなどが例示される。
【0018】アルカリ土類金属化合物としては、例え
ば、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシ
ウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭
酸水素バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、
炭酸バリウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マ
グネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マ
グネシウム、ステアリン酸バリウムなどが例示される。
【0019】また亜鉛化合物としては、例えば、塩化亜
鉛、酢酸亜鉛、蓚酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、ステアリン
酸亜鉛、安息香酸亜鉛などの他、亜鉛アセチルアセトナ
ートなどのような錯化合物が例示される。さらに錫化合
物としては、例えば、酢酸錫、蓚酸錫、オクタン酸錫、
ジブチル錫ジラウリレート、トリフェニル錫クロライ
ド、テトラフェニル錫などが例示される。
【0020】また、チタン、ジルコニウム、ハフニウム
等のIVB族化合物としては、チタンアセチルアセトネー
ト、チタンオキシアセチルアセトネート、テトラノルマ
ルブトキシチタネート、ジルコニウムアセチルアセトネ
ート、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテ
トライソプロポキシド、ハフニウムアセチルアセトナー
ト、ハフニウムテトラブトキシド、ハフニウムテトライ
ソプロポキシドなどが例示される。
【0021】これらのうち、亜鉛アセチルアセトナー
ト、ジルコニウムアセチルアセトネート、ハフニウムア
セチルアセトナートが特に好ましい。
【0022】本発明においては、使用した触媒は重合後
に樹脂中に残留するため、過剰に用いると樹脂の熱安定
性を損ない好ましくなく、少なすぎればオリゴマー製造
および重合の終了までに長時間を要し、着色の原因など
にもなり好ましくない。また、例えば食品関係に用いら
れる包装材料には、触媒量は極力少ないことが望まれ
る。従って、重合体に対して10〜500ppm になるよ
うに用いることが好ましい。上記の点を考慮し、触媒の
使用量は原料混合物100重量部に対して、1x10-4
〜1重量部が使用されるが、好ましくは1x10-4
0.1重量部、さらに 好ましくは1x10-3〜0.0
3重量部である。
【0023】上記方法により得られる脂肪族ポリエステ
ルカーボネートは、重量平均分子量が120000以上
のものである。重量平均分子量が120000より低い
場合には十分な機械的強度が達成されず好ましくなく、
好ましくは150000以上、より好ましくは2000
00以上である。このようにして得られたポリエステル
カーボネートは、本発明の樹脂組成物を構成する一成分
として使用される。
【0024】また、本発明のもうひとつの構成成分であ
るポリ−β−ヒドロキシ酪酸( PHB )は、PHB生成
菌を用いてPHBを菌体内に蓄積させ、菌体からPHB
を抽出精製するなどの方法で製造することができる。P
HBは、生分解性を有しまた融点が高いが、結晶性が高
くもろいためにプラスチック成形材料としては実用化さ
れていない。本発明では、脂肪族ポリエステルカーボネ
ートとPHBを溶融混合して実用性のある生分解性プラ
スチック成形材料を得るものであり、ポリ−β−ヒドロ
キシ酪酸は分子量が10000〜2000000、好ま
しくは20000〜1000000のものが用いられ
る。
【0025】脂肪族ポリエステルカーボネートとポリ−
β−ヒドロキシ酪酸の使用割合は、樹脂組成物の使用目
的により適宜選択される。脂肪族ポリエステルカーボネ
ート99〜1重量部に対して、ポリ−β−ヒドロキシ酪
酸1〜99重量部の範囲が用いられるが、脂肪族ポリエ
ステルカーボネート99〜50重量部に対して、ポリ−
β−ヒドロキシ酪酸1〜50重量部の範囲が好ましい。
【0026】本発明の樹脂組成物には、無機充填剤や顔
料、酸化防止剤などの慣用の補助添加物を配合すること
ができ、従来公知の方法に従って各種の形状に成形する
ことができる。また、土壌中また活性汚泥処理でも高い
生分解性を示すものであり、農業分野では土壌表面を被
覆して土壌の保温をするマルチフィルム、植林用の鉢や
紐、また肥料のコーティング材料などに利用でき、ある
いは漁業分野では釣り糸、漁網に、さらには、医療分野
の医療材料、生理用品などの衛生材料として利用でき
る。
【0027】本発明により、包装材料や成形体などに利
用でき、機械的強度ならびに流動性、射出成形性などの
性質に優れ、生分解性を有する樹脂組成物が提供され
る。
【0028】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。
【0029】融点は、セイコー電子(株)製DSCを用
いて測定した。また、分子量はクロロホルムを溶媒とし
て昭和電工製GPCで測定した。また、カーボネート結
合含有量は日本電子 (株)製NMRを用いて13CNMR
の測定により、ジカルボン酸エステル単位およびカーボ
ネート単位の合計に対するカーボネート単位の割合(重
量%)として測定した。
【0030】また、生分解性の評価は、樹脂組成物を用
いて厚み150μm のフィルムを作製し、20×90mm
の短冊に切り出したのち、この短冊状試験片を土壌中の
深さ5cmに埋設し25℃、60%RHにて分解試験を実
施した。分解による重量減少を測定し、フィルムの重量
が初期重量の50%となる期間を重量半減期とした。
【0031】PHBの調整 細菌Metylobacerium extorqen
sをメタノールを炭素源とし、窒素制限下で培養して菌
体内にPHBを蓄積させ、得られた培養液から遠心分離
により菌体スラリーを得た。続いて、高圧ホモジナイザ
ーにより菌体を粉砕したのち、PHB顆粒を破砕液より
分離した。分離したPHB顆粒をさらにアセトンで処理
し、乾燥して精製PHBを得た。
【0032】合成例1 攪拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付け
たガラス製フラスコ(内容量13L )に、琥珀酸4.5
8Kg、1, 4−ブタンジオール7.0Kgおよびジルコニ
ウムアセチルアセトネート1.4g を仕込み、窒素雰囲
気下で温度150〜220℃で3時間反応し水を留出さ
せた。つづいて、最終的に3mmHg以下の減圧としさらに
水と1,4−ブタンジオールを留出させ、未反応1,4
−ブタンジオール量を0.5%とした。得られたプレポ
リマーの、末端水酸基価は5.1であり、酸価は0.5
mgKOH/gであった。
【0033】つづいて、攪拌機、分留コンデンサーを備
えた金属製反応釜( 内容量10L )に得られたプレポリ
マー4.05Kgを仕込、ジフェニルカーボネート1.2
8Kgを添加した。温度210〜220℃で最終的に0.
5mmHgの減圧とし4時間反応した。得られた高分子量体
( A )は、GPCの測定による重量平均分子量が246
000であり、13CNMR測定によりポリカーボネート
成分として15.8%のカーボネート結合を有してい
た。
【0034】合成例2 合成例1と同じガラス製フラスコ( 内容量13L )に、
琥珀酸4.58Kg、1, 4−ブタンジオール7.0Kgお
よびジルコニウムアセチルアセトネート0.7g を仕込
み、窒素雰囲気下で温度150〜220℃で3時間反応
し水を留出させた。つづいて、最終的に3mmHg以下の減
圧としさらに水と1, 4−ブタンジオールを留出させ、
未反応1,4−ブタンジオール量を0.5%とした。得
られたプレポリマーの、末端水酸基価は3.1であり、
酸価は0.5mgKOH/gであった。
【0035】つづいて、攪拌機、分留コンデンサーを備
えた金属製反応釜( 内容量10L )に得られたプレポリ
マー4.1Kgを仕込、ジフェニルカーボネート0.53
Kgを添加した。温度210〜220℃で最終的に0.5
mmHgの減圧とし4時間反応した。得られた高分子量体(
B )は、GPCの測定による重量平均分子量が2580
00であり、13CNMR測定によりポリカーボネート成
分として11.1%のカーボネート結合を有していた。
【0036】合成例3 合成例1と同じガラス製フラスコ( 内容量13L )に、
琥珀酸4.11Kg、アジピン酸0.57Kg、1, 4−ブ
タンジオール7.0Kgおよびジルコニウムアセチルアセ
トネート0.7g を仕込み、窒素雰囲気下で温度150
〜220℃で2時間反応し水を留出させた。つづいて、
最終的に3mmHg以下の減圧としさらに水と1、4ーブタ
ンジオールを留出させ、未反応1,4−ブタンジオール
量を0.5%とした。得られたプレポリマーの、末端水
酸基価は3.1であり、酸価は0.5mgKOH/gで
あった。
【0037】つづいて、攪拌機、分留コンデンサーを備
えた金属製反応釜( 内容量10L )に得られたプレポリ
マー4.1Kgを仕込、ジフェニルカーボネート0.53
Kgを添加した。温度210〜220℃で最終的に0.5
mmHgの減圧とし4時間反応した。得られた高分子量体(
C )は、GPCの測定による重量平均分子量が2580
00であり、13CNMR測定によりポリカーボネート成
分として10.9%のカーボネート結合を有していた。
【0038】実施例1〜5 合成例1〜3において得られた、ポリエステルカーボネ
ートとポリ−β−ヒドロキシ酪酸(融点178゜C,重
量平均分子量940000,純度98%)を表1に示す
割合で押出機内(スクリュー径20mmφ,L/D=2
5)に供給し、溶融混合した後にペレット化した。
【0039】対照例1〜2 合成例2〜3において得られた、ポリエステルカーボネ
ートを押出機内(スクリュー径20mmφ,L/D=2
5)に供給し、実施例1〜5と同様に溶融混合した後に
ペレット化した。
【0040】得られたペレットを用いて、試験片を成形
(東芝機械製成形機−IS55EPN)し、機械的強度
を測定した。その結果を表1に併せて示す。表1に示し
た結果より、本発明の組成物はPHBを含有させること
により、微生物による分解性に優れるとともに成形体の
剛性が増し、耐熱性が向上することがわかる。
【0041】
【発明の効果】本発明により、包装材料や成形体などに
利用でき、機械的強度ならびに流動性、成形性に優れた
生分解性を有する樹脂組成物が提供される。
【表1】 PEC* :ポリエステルカーボネート *表1中、実施例1に使用したPECは合成例1で得ら
れた高分子量体(A)を使用した。同様に実施例2〜4と
対照例1は合成例2で得られた高分子量体(B) を、実施
例5と対照例2は合成例3で得られた高分子量体 (C)を
それぞれ使用した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−192550(JP,A) 特開 平5−125266(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 C08L 67/04 C08L 69/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族2塩基酸、脂肪族ジヒドロキシ化
    合物およびジアリルカーボネートを縮合して得られる脂
    肪族ポリエステルカーボネートとポリ−β−ヒドロキシ
    酪酸からなる微生物分解性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 脂肪族2塩基酸が琥珀酸であり、脂肪族
    ジヒドロキシ化合物が1,4−ブタンジオールである請
    求項1記載の微生物分解性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 脂肪族ポリエステルカーボネートが99
    〜50重量部に対してポリ−β−ヒドロキシ酪酸が1〜
    50重量部の範囲である請求項1記載の微生物分解性樹
    脂組成物。
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