JP2000327847A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP2000327847A
JP2000327847A JP11135682A JP13568299A JP2000327847A JP 2000327847 A JP2000327847 A JP 2000327847A JP 11135682 A JP11135682 A JP 11135682A JP 13568299 A JP13568299 A JP 13568299A JP 2000327847 A JP2000327847 A JP 2000327847A
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Japan
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aliphatic
resin composition
carbonate
polyolefin
aliphatic polyester
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JP11135682A
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Kyohei Takakuwa
恭平 高桑
Atsushi Hirashima
敦 平島
Maki Ito
真樹 伊藤
Mitsuru Nakamura
充 中村
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】実用上十分な耐熱温度を有し、成形性、耐溶剤
性、低透湿性、生分解性ならびに高い機械的強度を有す
る樹脂組成物およびその成形品を提供すること。 【解決手段】脂肪族エステル構造を持つ重合体と、ポレ
オレフィンとからなり、脂肪族エステル構造を持つ重合
体が5〜95重量%及びポレオレフィンが95〜5重量
%である樹脂組成物およびその成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脂肪族エステル構造を
持つ重合体とポリオレフィンからなる樹脂組成物および
その成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球的規模での環境問題に対し
て、自然環境の中で崩壊する高分子素材の開発が要望さ
れるようになり、その中でも特に微生物によって分解さ
れ原型を留めないまでに崩壊するプラスチックは、環境
適合性材料や新しいタイプの機能性材料として大きな期
待が寄せられている。
【0003】従来より、脂肪族エステル構造を持つ重合
体に生分解性があることはよく知られており、微生物に
よって生産されるポリ−3−ヒドロキシ酪酸エステル
(PHB)、合成高分子であるポリカプロラクトン(P
CL)、コハク酸およびブタンジオールを主成分とする
ポリブチレンサクシネート(PBS)並びに発酵により
生産されるL乳酸を原料としたポリ乳酸(PLLA)等
が代表的なものである。また、本発明者らは、特開平7
−53693号公報および特開平7−53695号公報
に記載の高い熱安定性を有する、流動性および成形性に
優れ、充分な機械的強度を有する生分解性ポリエステル
カーボネートおよびその製造方法を開発した。
【0004】脂肪族エステル構造を持つ重合体はポリ乳
酸を除くと、一般にポリエチレン類似の物性を有する成
形性・生分解性の良好なポリマーである。しかし、透湿
性が高く、フィルム、ボトル等の低透湿性が要求される
分野では、十分な能力を持たずその改善が望まれてい
た。また、微生物による分解速度が早く、特に薄いフィ
ルムでは分解が早すぎる場合がありその緩和が求められ
ている。さらに、比較的高価な材料であるためその低価
格化が望まれている。
【0005】一方、ポリオレフィンは長い歴史を有する
汎用ポリマーであり、主として石油原料から誘導され、
物性的に優れ、安価である。しかしながら、自然環境中
では分解せず環境負荷の高い材料と考えられている。燃
焼熱も高く燃焼した際に焼却炉を傷める危険性も指摘さ
れている。従って、環境中で崩壊し、燃焼熱を抑える改
良が望まれていた。また、酸素透過率が高く包装用途等
ではその改善の必要性が指摘されている。ポリオレフィ
ンに生分解性を付与し燃焼熱を抑える試みとしては、で
んぷん等とのブレンドにより古くから検討されている
が、製造過程で品質の劣化をともない、微生物による分
解も均一ではなく分解せずに残る部分が多く、水性動物
への被害等が報告されている。さらに、でんぷんによる
物性の低下が避けられず、満足のいくものでは無かっ
た。また、酸素透過率の低減のため、アルミ、シリコン
の蒸着等での対応も可能であるが高コストとなる。
【0006】以上のように、既存のプラスチックはそれ
ぞれ特徴を有する反面、不十分な部分が多いので、強
度、崩壊性、透湿性、酸素透過率およびコストのバラン
スの取れたプラスチックの開発が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術における上記したような課題を解決し、実用上十分
な耐熱温度を有し、成形性、耐溶剤性、低酸素透過率、
低透湿性、透明性、適度な崩壊性ならびに高い機械的強
度を有する、樹脂組成物およびその成形品を提供するこ
とにある。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、耐熱性および機械的強
度が高く、透湿係数の低いポリオレフィンと、柔軟性、
耐加水分解性および生分解性が高く、酸素透過率の低い
脂肪族エステル構造を持つ重合体とを混合することによ
り、実用上の使用に十分な機械的強度を有し、成形性、
耐熱性、耐溶剤性、低い透湿係数と酸素透過率を示す、
微生物により原型を留めないまでに崩壊する樹脂組成物
が得られることを見出した。中でも、脂肪族ポリエステ
ルカーボネートがポリオレフィンとの相溶性が高く、得
られた樹脂組成物中のポリオレフィンの結晶化度を低下
させることにより充分な生崩壊性を発現するとともに、
機械物性に優れ、透湿係数、酸素透過率の低い樹脂組成
物が得られることを見出し本発明に至った。
【0009】すなわち本発明は、脂肪族エステル構造を
持つ重合体とポリオレフィンからなる樹脂組成物および
その成形品に関する。さらに詳しくは、脂肪族エステル
構造を持つ重合体とポリオレフィンからなる樹脂組成物
は、脂肪族エステル構造を持つ重合体が脂肪族ポリエス
テルカーボネート及び/または脂肪族ポリエステルであ
る。また樹脂組成物中の脂肪族エステル構造を持つ重合
体の含有量は5〜95重量%、ポリオレフィンの含有量
は95〜5重量%である。さらに、熱変形温度が60度
以上、引張伸度が50%以上、引張強度が20MPa以
上、酸素透過率が200cc・ mm/m2 ・ day 以下、透湿係
数が20gmm/m2・ day 以下およびヘイズが50以下であ
る。
【0010】
【発明実施の形態】本発明における脂肪族エステル構造
を持つ重合体としては、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸エス
テル(PHB)、ポリカプロラクトン(PCL)、コハ
ク酸およびブタンジオールを主成分とするポリブチレン
サクシネート(PBS)またはポリブチレンサクシネー
ト・アジペート、L乳酸を主原料としたポリ乳酸(PL
LA)等の脂肪族ポリエステルや、脂肪族ポリエステル
カーボネート等が例示される。中でも、脂肪族ポリエス
テルカーボネートが特に好ましい。
【0011】本発明における脂肪族ポリエステルカーボ
ネートとは、脂肪族2塩基酸及び/またはその誘導体、
脂肪族ジヒドロキシ化合物及び/またはヒドロキシカル
ボン酸化合物を反応させて得られる数平均分子量10,
000以下の脂肪族ポリエステルオリゴマーと、カーボ
ネート化合物とを反応させて得られるカーボネート単位
含有量が少なくとも5モル%以上であり、重量平均分子
量が少なくとも100,000で、温度190℃、荷重
60kgにおける溶融粘度が2,000〜50,000
ポイズで、融点が70〜180℃であることを特徴とす
る。
【0012】本発明による脂肪族ポリエステルカーボネ
ートの製造法は、脂肪族2塩基酸および/またはその誘
導体と脂肪族ジヒドロキシ化合物及び/またはヒドロキ
シカルボン酸化合物とから脂肪族ポリエステルオリゴマ
ーを得る第1工程、および脂肪族ポリエステルオリゴマ
ーとカーボネート化合物を反応させ脂肪族ポリエステル
カーボネートを得る第2工程より構成される。
【0013】第1工程は、触媒の存在下、温度100〜
250℃で、反応に伴って副生する水及び過剰のジヒド
ロキシ化合物を除去しながら、数平均分子量10,00
0以下のポリエステルオリゴマーを製造する工程であ
る。反応を促進する目的で300mmHg以下の減圧と
することが好ましい。
【0014】第2工程は、第1工程で得られたポリエス
テルオリゴマーとカーボネート化合物を反応させて高分
子量体とする工程であり、触媒の存在下、通常150〜
250℃で行われ、反応に伴って副成するヒドロキシ化
合物が除去される。カーボネート化合物の沸点によって
は反応初期には加圧とする。減圧度を調節して最終的に
は3mmHg以下の減圧とすることが好ましい。
【0015】脂肪族ポリエステルカーボネート中のカー
ボネート単位含有量は、脂肪族ポリエステルオリゴマー
の末端水酸基量を制御することにより所望の割合とする
ことができる。カーボネート単位含有量が多すぎると、
得られる脂肪族ポリエステルカーボネートの融点が低く
なり、実用的耐熱性を有するポリマーが得られない。一
方、カーボネート単位含有量が多くなると微生物による
分解性が高くなる。従って、カーボネート単位含有量
は、適度の生分解性を有し、かつ実用的な耐熱性を実現
し得る量とすることが好ましく、本発明においては脂肪
族ポリエステルカーボネート中のカーボネート単位含有
量を、少なくとも5モル%以上、通常5〜30モル%と
することが好ましい。
【0016】本発明の脂肪族ポリエステルカーボネート
の製造に用いられる脂肪族2塩基酸としては、コハク酸
が必須成分として使用され、それ以外に例えば、シュウ
酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、
セバシン酸、ドデカン酸、アゼライン酸等を適宜併用す
るこてができる。なお上記の脂肪族2塩基酸はそれらの
エステルあるいは酸無水物であってもよい。
【0017】本発明の脂肪族ポリエステルカーボネート
の製造に用いられる脂肪族ジヒドロキシ化合物は、1,
4−ブタンジオールが必須成分として使用され、それ以
外に例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオ
ール、シクロヘキサンジメタノール等を適宜併用するこ
とができる。
【0018】本発明で使用されるヒドロキシカルボン酸
化合物としては、乳酸、グリコール酸、β−ヒドロキシ
酪酸、ヒドロキシピバリン酸、ヒドロキシ吉草酸等が例
示され、これらはエステル、環状エステル等の誘導体で
も使用できる。
【0019】これらの脂肪族2塩基酸、脂肪族ジヒドロ
キシ化合物およびヒドロキシカルボン酸化合物は、それ
ぞれ単独であるいは混合物として用いることができ所望
の組合せが可能であるが、本発明においては適度の生分
解性を有し、かつ実用的な耐熱性を実現し得る締度の高
い融点のものが好ましい。従って、本発明においては、
脂肪族ジヒドロキシ化合物として1,4−ブタンジオー
ル、脂肪族2塩基酸としてコハク酸を、それぞれ50モ
ル%以上含むことが必要である。
【0020】また、本発明の脂肪族ポリエステルカーボ
ネートの製造に用いられるカーボネート化合物の具体的
な例としては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカ
ーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m
−クレジルカーボネートなどのジアリールカーボネート
を、また、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネー
ト、ジアミルカーボネート、ジオクチルカーボネート等
の脂肪族カーボネート化合物を挙げることができるがこ
れらに限定されるものではない。また、上記の同種のヒ
ドロキシ化合物からなるカーボネート化合物の他に、異
種のヒドロキシ化合物からなる非対称カーボネート化合
物や環状カーボネート化合物も使用できる。
【0021】本発明において、ポリオレフィンとは一般
に市販されているポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、P
MMAおよびABS樹脂から選ばれる1種単独、2種以
上の混合物、または2種以上の共重合体が使用される。
【0022】本発明の樹脂組成物は、主として上記の脂
肪族エステル構造を持つ重合体とポリオレフィンからな
り、改質剤、充填剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、安定剤、顔料、着色剤、各種フィラー、静電気防止
剤、離型剤、可塑剤、香料、抗菌剤、等の各種添加剤の
他に、エステル交換触媒、各種モノマー、カップリング
剤、末端処理剤、その他の樹脂、木粉、でんぷん、等を
加え変成することができる。
【0023】製造に際しては、少なくとも一方の樹脂の
溶融する温度以上で機械的に混合することにより得るこ
とができる、また、両樹脂を機械的に粉砕したものを混
合し加圧することにより製造する方法や、両樹脂を溶剤
に溶解した後に貧溶媒と混合し沈殿化することにより得
るか、または両樹脂を溶剤に溶解したものをキャストし
て溶媒を除去することにより製造することも可能である
がそれらに限定されるものではない。混合装置に関して
は特に限定されるものではないが、押出機を用いて混合
する方法が短時間で連続的に処理できる点で工業的には
推奨される。
【0024】混合時の温度は、100度以下では樹脂の
溶融粘度が高いかまたは溶融しないため、具体的には1
00度から300度の範囲が好適である。300度以上
では樹脂の熱分解が起こるため好ましくない。300度
以下であっても高温下での着色や劣化、熱分解等を防止
するために窒素雰囲気下で短時間に混合することが好ま
しい。具体的な混合時間としては、20分以内が推奨さ
れる。また、樹脂中のオリゴマー、残存モノマー、発生
ガス等の除去のためにベント口を設置し減圧下に混合す
ることもできる。
【0025】本発明の樹脂組成物は、脂肪族エステル構
造を持つ重合体とポリオレフィンの単純ブレンドのみに
限定されるものではなく、触媒の存在下に溶融状態での
エステル交換反応等により生成する共重合体等も含まれ
る。
【0026】組成物中の脂肪族エステル構造を持つ重合
体の含有量は95〜5重量%が好ましく、さらに好まし
くは80〜20重量%が好ましい。ポリオレフィンの含
有量は5〜95重量%が好ましく、さらに好ましくは2
0〜80重量%が好ましい。脂肪族エステル構造を持つ
重合体の含有量が5%以下では充分な微生物による崩壊
性を付与することができない。また、ポリオレフィンの
含有量が5%以下では透湿性が改善できない。ここで使
用される脂肪族エステル構造を持つ重合体の分子量はス
チレン換算のGPCによる重量平均分子量で10万以上
が望ましい。10万以下では所望の強度が達成されな
い。
【0027】脂肪族エステル構造を持つ重合体の割合が
高い場合は、微生物による崩壊性、柔軟性が高くなり酸
素透過率を低くすることが可能であり、ポリオレフィン
の割合が高い場合は透明性、透湿性が改善される。用
途、目的に応じた樹脂設計が可能である。
【0028】本発明の成形品は、本発明の樹脂組成物を
用いて成形された物品であり、具体的な成形形態、成形
方法としては、射出成形品、押し出し成形品、インフレ
ーション成形法、真空圧空成形品、ブロー成形品、繊
維、マルチフィラメント、モノフィラメント、ロープ、
網、織物、編み物、不織布、フィルム、シート、ラミネ
ート、容器、発泡体、各種部品その他の成形品が例示さ
れるがそれらに限定されるものではない。特に、本発明
の樹脂組成物はフィルム成形性が良く、農業用マルチフ
ィルム用途では分解速度が緩和され用途、地域、気候に
応じた適切な崩壊速度のフィルム設計が可能となる。
【0029】樹脂の均一性、強度、外観性等からは成形
前に脂肪族エステル構造を持つ重合体とポリオレフィン
を混合ペレット化する事が好ましいが、脂肪族エステル
構造を持つ重合体とポリオレフィンをペレットの状態
で、場合によっては各種添加剤も同時に混合し直接成形
器に投入し成形品を得ることもできる。さらには、両樹
脂を溶媒に溶解し溶液状態でキャスティングまたは塗布
し溶媒を除去することによりフィルム、シートその他の
成形品を得ることも可能である。
【0030】得られる樹脂組成物および成形品は高い機
械的強度と実用上充分な軟化温度を有すると共に、土
中、活性汚泥中、コンポスト中で微生物により原型を留
めないまでに崩壊する。
【0031】本発明の樹脂組成物および成形品の生分解
性は、分子量、脂肪族エステル構造を持つ重合体とポリ
オレフィンの配合量、成形品の厚さにより調節可能であ
る。
【0032】以上のごとく、本発明によれば、実用上充
分な耐熱性と強度と微生物による崩壊性、低透湿性、低
酸素透過率を有する樹脂組成物および成形品を得ること
ができる。
【0033】次に実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0034】本実施例において、融点は、DSC(セイ
コー電子(株)製SSC 5000)を用いて測定し
た。また、分子量はクロロホルムを溶媒としてGPC
(昭和電工(株)製GPC System−11使用)
によりスチレン換算のMw、Mnとして測定した。ま
た、カーボネート単位含有量はNMR(日本電子(株)
製NMR EXー270)を使用し、13CNMRにより
ジカルボン酸エステル単位およびカーボネート単位の合
計に対するカーボネート単位の割合(モル%)として測
定した。
【0035】溶融粘度はフローテスター(島津製作所製
CFT−500C)を用いて、温度190℃、荷重60
kgにて測定した。脂肪族ポリエステルカーボネートの
オリゴマーの水酸基価、酸価はJIS K−1557に
準じて測定した。熱変形温度はASTM−D648、引
張物性はJIS−K7113に準じて測定した。ヘイズ
は50ミクロンのフィルムで測定した。酸素透過率はM
OCON法を用いて、透湿係数はJIS−Z208に準
じて測定した。
【0036】脂肪族ポリエステルカーボネートの製造例
攪拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付け
た50リットルの反応容器に、コハク酸18,740g
(158.7モル)、1,4−ブタンジオール21,4
30g(237.8モル)、ジルコニウムアセチルアセ
トネート745mgおよび酢酸亜鉛1.40gを仕込
み、窒素雰囲気下で温度150〜220℃で2時間反応
し水を留出させた。つづいて、減圧度150〜80mm
Hgの減圧度で3時間熟成し脱水反応を進行させ、更に
最終的に減圧度2mmHg以下となるよう徐々に減圧度
を増してさらに水と1、4−ブタンジオールを留出さ
せ、総留出量が10,460gになったところで反応を
停止した。得られたオリゴマーの数平均分子量は1,7
80、末端水酸基価は102KOHmg/gであり、酸
価は0.51KOHmg/gであった。
【0037】次に得られたオリゴマー24,000gを
攪拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付け
た50リットルの反応容器に仕込み、ジフェニルカーボ
ネート4,680gを添加した。温度210〜220℃
で最終的に1mmHgの減圧とし5時間反応を行った。
得られた高分子量体は、融点が104℃で、GPCの測
定による重量平均分子量(Mw)が188,000であ
り、13CNMR測定により、ポリカーボネート成分とし
て14.3%のカーボネート単位を有していた。溶融粘
度は10000poiseであり、クロロホルムには完
全に溶解し、ゲル分はなかった。
【0038】実施例1 製造例で得られた脂肪族ポリエステルカーボネートペレ
ットを真空乾燥機により温度90℃で10時間乾燥し、
ポリエチレンと重量比で50/50となるようにV型ブ
レンダーにて混合し、2軸押出機(スクリュー径25m
mφ、L/D=30)に供給し連続的にストランド化、
ペレタイズし樹脂混合物を得た。該樹脂混合物のペレッ
トを90度の温度で5時間以上乾燥した後、射出成形機
(型締め圧1000トン)に供給し、物性試験用の試験
片を成形した。得られた試験片の評価結果は、熱変形温
度は、85度、引張伸びは430%、引張強度は40M
Paであった。さらに、該ペレットをT−ダイ法にて5
0ミクロンのフィルムを作成し物性測定を行った。ヘイ
ズが20、酸素透過率が20cc・mm/m2 ・day
・atmであり透湿係数が12g・mm/m2 ・day
であった。また、同フィルムの土中での崩壊性試験で
は、60日で30%の分解が進行していた。物性評価結
果を表−1に示す。
【0039】実施例2〜7 実施例1と全く同様の操作で、脂肪族エステル構造を持
つ重合体(A)とポリオレフィン(B)の種類と混合比
を替えて物性評価を行った結果をそれぞれ実施例2〜7
とし、結果を表−1に示す。
【0040】比較例1〜3 実施例1と全く同様の成形および物性測定を脂肪族ポリ
エステルカーボネート100%で行ったものを比較例
1、ポリエチレン100%で行ったものを比較例2、ポ
リプロピレン100%で行ったものを比較例3として結
果を表−1に示す。
【0041】
【本発明の効果】本発明に係る脂肪族エステル構造を持
つ重合体とポリオレフィンからなる樹脂組成物は、成形
性に優れ、射出成形品、押し出し成形品、真空圧空成形
品、ブロー成形品、繊維、マルチフィラメント、モノフ
ィラメント、ロープ、網、織物、編み物、不織布、フィ
ルム、シート、ラミネート、容器、発泡体、各種部品そ
の他の成形品を得るのに好適であり、得られる成形品は
十分な機械的強度と耐熱性および低い酸素透過率と透湿
性を有すると共に、土中、活性汚泥中、コンポスト中で
容易に微生物により原形を留めないまでに崩壊する。こ
のため、包装材料、農業、漁業、食品分野その他のリサ
イクルが困難な用途に広く利用できる。たとえば、包装
材料分野では、フィルムとして各種包装が可能で、ヒー
トシールも可能である。農業分野では土壌表面を被覆し
て土壌の保温を行うマルチフィルム、植木用の鉢や紐、
または肥料のコーティング材料などに利用でき、あるい
は漁業分野では釣糸、魚網に、さらには医療分野の医療
用材料、生理用品などの衛生材料として利用できる。
【0042】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33/00 C08L 33/00 55/02 55/02 67/00 ZAB 67/00 ZAB 69/00 69/00 // C08G 63/64 C08G 63/64 (72)発明者 中村 充 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4F071 AA15 AA20 AA22 AA24 AA29 AA33 AA44 AA50 AA80 AA81 AA88 AF08Y AF09Y AF15Y AF30Y AF43Y AH12 AH17 AH19 BA01 BB05 BB06 BB09 BC01 BC04 BC07 4J002 BB032 BB122 BC032 BD042 BE022 BG062 BN152 CG04W 4J029 AA02 AA03 AA08 AB01 AC01 AC03 AD01 AE01 BA05 CA04 CA06 EA05 EG09 HC03 HC04A HC05A HC05B HD03 HD07 HE01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂肪族エステル構造を持つ重合体とポリオ
    レフィンからなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】脂肪族エステル構造を持つ重合体が5〜9
    5重量%及びポリオレフィンが95〜5重量%である請
    求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】脂肪族エステル構造を持つ重合体が、脂肪
    族ポリエステルカーボネート及び/または脂肪族ポリエ
    ステルである請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】脂肪族ポリエステルカーボネートが、脂肪
    族2塩基酸および/またはその誘導体と、脂肪族ジヒド
    ロキシ化合物及び/またはヒドロキシカルボン酸化合物
    とを反応させて得られた数平均分子量10,000以下
    の脂肪族ポリエステルオリゴマーと、カーボネート化合
    物を反応させて得られる脂肪族ポリエステルカーボネー
    トであり、カーボネート単位含有量が5モル%以上、重
    量平均分子量が100,000以上、温度190℃、荷
    重60kgにおける溶融粘度が2,000〜50,00
    0ポイズ、融点が70〜180℃であることを特徴とす
    る請求項3記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】ポリオレフィンが、ポリエチレン、ポリプ
    ロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポ
    リスチレン、PMMAおよびABS樹脂から選ばれる1
    種単独、2種以上の混合物、または2種以上の共重合体
    である請求項1〜4記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】熱変形温度が60度以上、引張伸度が50
    %以上、引張強度が20MPa以上、酸素透過率が20
    0cc・ mm/m2 ・ day 以下、透湿係数が20gmm/m2・ day
    以下およびヘイズが50以下である請求項1〜5記載の
    樹脂組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6記載の樹脂組成物からなる成
    形品。
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