JP2007106842A - 耐汚れ付着性に優れた乳酸系樹脂組成物よりなる成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の成形体は、乳酸系樹脂(A)30〜70重量部と、ポリプロピレン系樹脂(B)70〜30重量部と、該成分(A)および(B)の合計100重量部に対して無機フィラー(C)3〜30重量部とを含む樹脂組成物(D)から形成される成形体であって、汚れ促進試験前後の色相変化ΔEが15以下であり、かつ、汚れ促進試験後における輝度の平均粗さRaが10以下および最大高さRtが70以下であることを特徴とする。前記無機フィラー(C)は、マイカ、炭酸カルシウムおよびタルクからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機フィラーが好ましく、その平均粒子径が2〜10μmであることがより好ましい。本発明の成形体は自動車部品などに適している。
【選択図】なし
Description
.25重量%となるように分散させた汚れ物質分散水を、該成形体表面に、均一に汚れ物質分散水が存在するように20cm3程度噴霧し、
(2)室温にて17時間放置後、キセノンランプ式促進耐候性試験機を用いて、ブラックパネル温度89℃、放射照度0.55W/m2、相対湿度50%および試験槽内温度6
0℃の条件で6時間光照射し、
(3)該工程(1)および(2)を1サイクルとして4サイクル実施し、
(4)表面上に残存する汚れを水洗する。
本発明に係る成形体は、乳酸系樹脂(A)、ポリプロピレン系樹脂(B)および無機フィラー(C)を含む樹脂組成物(D)から形成される。
本発明において、「乳酸系樹脂」とは、L−乳酸および/またはD−乳酸を主たる構成成分とする重合体および該重合体を主成分とする重合体組成物を意味する。
レングリコール、エチレングリコール/プロピレングリコール共重合体、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の二官能以上の多価アルコール;キシリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート等の多価イソシアネート;セルロース、アセチルセルロース、エチルセルロース等の多糖類などが共重合されたものでもよい。さらに、少なくとも一部が、線状、環状、分岐状、星形、三次元網目構造などのいずれの構造をとってもよい。
本発明において、「ポリプロピレン系樹脂」とは、構成単位としてプロピレン単位を少なくとも1モル%以上含有するポリオレフィンを意味する。
よい。これらの中では、特に3−メチル−1−ブテンが好ましい。このような分岐状オレフィン類から導かれる予備重合体は、ポリプリピレンの核剤として作用するので、アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)を高くすることができるほか、成形性を向上させることができる。
〔無機フィラー(C)〕
本発明で用いられる無機フィラー(C)としては、一般的に公知なものを使用できる。具体的には、タルク、シリカ、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、亜硫酸カルシウム、ホワイトカーボン、クレー、モンモリロナイト、
硫酸カルシウムなどが挙げられる。これらの中では、マイカ、タルクおよび炭酸カルシウムが好ましく、得られる成形品の耐熱性および耐衝撃強度が高くなることから、タルクが特に好ましく用いられる。
本発明の成形体の製造に用いられる樹脂組成物(D)は、上記乳酸系樹脂(A)、ポリプロピレン系樹脂(B)および無機フィラー(C)を含有する。各成分の含有量としては、乳酸系樹脂(A)およびポリプロピレン系樹脂(B)の合計を100重量部とした場合、乳酸系樹脂(A)の含有量は30〜70重量部、好ましくは40〜60重量部、特に好ましくは45〜55重量部であり、プロピレン系樹脂(B)の含有量は70〜30重量部、好ましくは60〜40重量部、特に好ましくは55〜45重量部である。また、無機フィラー(C)については、本発明の目的を損なわない範囲内で用途に応じて適宜添加量を決定することができるが、乳酸系樹脂(A)およびポリプロピレン系樹脂(B)の合計100重量部に対し、好ましくは3〜30重量部、より好ましくは5〜30重量部、特に好ましくは8〜30重量部の範囲の量で用いることが望ましい。各成分の含有量が上記範囲内にあることにより、耐汚れ付着性に優れた成形体を得ることができる。
本発明に係る成形体は、上記樹脂組成物(D)を、公知の方法および装置を用いて成形することにより得られる。
上記成形条件を適宜調整することにより、上記のような耐汚れ付着性に優れた成形体を得ることができる。
上記汚れ促進試験は、特開平7−35680号公報に記載の方法に従って行われる。具体的には、下記工程(1)〜(4)を行う。
かまわない。
度50%、試験槽内温度60℃の条件で6時間光照射する。
工程(4)として、上記4サイクル終了後、試験板表面に残存する汚れをスポンジを用いて10回程度水洗する。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、色相変化および輝度は以下のようにして測定した。
汚れ促進試験前後の角板を、ミノルタ製分光測色計「CM−3700d」を用いて、光源:C、観察条件:2°視野、測定範囲:φ25.4mm、表色モード:L・a・b系の条件で測定し、色差(ΔE)を求めた。
汚れ促進試験後の角板をデジタルカメラで撮影しその画像を、デジタル・ビーイング・キッズ製「PopImaging(Ver.3.20)」を用い、YIQ系の輝度(Y値)にて8bitグレースケール(黒=0、白=255)に変換し、得られた8bitグレースケール画像の8箇所の任意断面データを計算し、この断面データから平均粗さRaおよび最大高さRtを算出した。
乳酸系樹脂(A)としてポリ乳酸(A−1)[重量平均分子量:16万、比重:1.25、L体/D体=98.7/1.3]50重量部と、ポリプロピレン系樹脂(B)としてポリプロピレン(B−1)[230℃測定MFR:25g/10分、比重:0.91、ノルマルデカンに可溶な成分量:8%]50重量部と、無機フィラー(C)としてタルク(C−1)[富士タルク工業株式会社製;平均粒子径:4.2μm、見掛け密度:0.13g/ml、白色度:98.5%]10重量部とを、ヘンシェルミキサーで均一にブレンドし、二軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM35BS」)を用いて、シリンダー温度200℃で溶融混練した後、ペレット化して樹脂組成物(D)を得た。得られたペレットを除湿乾燥機を用いて80℃で8時間乾燥した。次に、得られたペレットを、射出成形機(東洋機械金属株式会社製「Ti−80G2」)を用いて、シリンダー設定温度200℃、金型温度30℃、射出および保圧の合計時間10秒、冷却時間15秒の条件にて射出成形し、2mm厚の角板(120mm×130mm)を得た。得られた角板の汚れ促進試験前後の色相変化ΔEは14であり、汚れ促進試験後において、汚れ物質であるカーボンブラックの汚れによる輝度の平均粗さRaは7であり、最大高さRtは59であった。結果を表1に示す。また、汚れ促進試験後の試験板表面の状態を図1に示す。なお、汚れ促進試験は以下のようにして行った。
した。次に、室温にて17時間放置後、キセノンランプ式促進耐候性試験機(アトラス社製「Ci4000」)を用いて、ブラックパネル温度89℃、放射照度0.55W/m2
、相対湿度50%、試験槽内温度60℃の条件で6時間光照射した。このサイクルを4サイクル実施した後、表面上に残存する汚れをスポンジ(東和産業株式会社製「New KS バ
ブクリーナー」)を用いて10回程度水洗した。なお、汚れ物質分散水は以下のようにして調製した。
一般的に自動車内装材と使用されているタルク含有ポリプロピレン(三井化学製「LA604」、230℃測定MFR:30g/10min、比重:1.04)を、実施例1と同様の方法で射出成形して2mm厚の角板(120mm×130mm)を得た。得られた角板の汚れ促進試験前後の色相変化ΔEは19であり、汚れ促進試験後における輝度の平
均粗さRaは20であり、最大高さRtは91であった。結果を表1に示す。また、汚れ促進試験後の試験板の表面の状態を図1に示す。
Claims (4)
- 乳酸系樹脂(A)30〜70重量部と、ポリプロピレン系樹脂(B)70〜30重量部と、該成分(A)および(B)の合計100重量部に対して無機フィラー(C)3〜30重量部とを含む樹脂組成物(D)から形成される成形体であって、
下記工程(1)〜(4)からなる汚れ促進試験前後の色相変化ΔEが15以下であり、かつ、該汚れ促進試験後における輝度の平均粗さRaが10以下および最大高さRtが70以下であることを特徴とする成形体;
(1)粒径が0.02μm以下のカーボンブラック(a)と、JIS Z 8901に規定の試験用粉体1第12種のカーボンブラック(b)と、JIS Z 8901に規定の試験用粉体1第8種の粘土物質(c)とを、各成分の重量比[(a):(b):(c)]が1:4:5となるように混合した汚れ物質を、硫酸でpH2.8に調整された蒸留水に0.25重量%となるように分散させた汚れ物質分散水を、該成形体表面に、均一に汚れ物質分散水が存在するように20cm3程度噴霧し、
(2)室温にて17時間放置後、キセノンランプ式促進耐候性試験機を用いて、ブラックパネル温度89℃、放射照度0.55W/m2、相対湿度50%および試験槽内温度60
℃の条件で6時間光照射し、
(3)該工程(1)および(2)を1サイクルとして4サイクル実施し、
(4)表面上に残存する汚れを水洗する。 - 前記無機フィラー(C)が、マイカ、炭酸カルシウムおよびタルクからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機フィラーであり、その平均粒子径が2〜10μmであることを特徴とする請求項1に記載の成形体。
- 射出成形により成形されたことを特徴とする請求項1または2に記載の成形体。
- 自動車用部品であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形体。
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JP2005297907A JP2007106842A (ja) | 2005-10-12 | 2005-10-12 | 耐汚れ付着性に優れた乳酸系樹脂組成物よりなる成形体 |
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Citations (2)
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---|---|---|---|---|
JPH10251498A (ja) * | 1997-03-17 | 1998-09-22 | Kanebo Ltd | 自然分解性樹脂組成物及びその成形物 |
JP2000327847A (ja) * | 1999-05-17 | 2000-11-28 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 樹脂組成物 |
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2005
- 2005-10-12 JP JP2005297907A patent/JP2007106842A/ja active Pending
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