JP3484819B2 - 生分解性脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法 - Google Patents
生分解性脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法Info
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Description
ト、その他の成形体に成形された場合に表面析出物が無
く、外観特性および熱安定性に優れた生分解性脂肪族ポ
リエステルカーボネート樹脂およびその製造方法に関す
る。本発明により得られる脂肪族ポリエステルカーボネ
ートは成形後の外観特性に優れており、さらに生分解性
(微生物分解性)を有するので包装材料、農業分野、漁
業分野、その他の成形品などに利用できる有用なもので
ある。たとえば農業分野では土壌表面を被覆して土壌の
保温をするマルチフィルム、植林用の鉢やひも、また肥
料のコーティング材料などに利用でき、あるいは漁業分
野では釣り糸、漁網に、さらには、医療分野の医療材
料、生理用品などの衛生材料として利用できる。
は、脂環式化合物を用いるポリエステルカーボネートあ
るいは芳香族化合物と脂肪族化合物を使用するポリエス
テルカーボネートなどが、通常高い融点を持つか、ある
いは高いガラス転移点を示すため成形体として使用でき
ることが知られている。しかしながら、これらは一般に
は微生物分解性はなく、生分解性ポリマーには分類され
ていない。ここでいう生分解性ポリマーとは、たとえ
ば、成形品を土中または水中に放置した場合に、微生物
の作用でポリマーが分解、消失する性質を意味する。生
分解性ポリマーに分類されているものとしては、環状モ
ノマーを用いた開環重合法による脂肪族ポリエステルカ
ーボネートがある。これらは、ヒドロキシカルボン酸単
位と脂肪族カーボネート単位をその構成要素としてお
り、生体適合性があり、医療分野で使用されるものがあ
るが、加水分解性を有するため成形体としての使用には
制限がある。
ル及びジアリールカーボネートから脂肪族ポリエステル
カーボネートを製造することは公知であるが、この脂肪
族ジカルボン酸と脂肪族ジオールを構成成分とする脂肪
族ポリエステルカーボネートは、一般的に融点が低くゴ
ム状の性質を示し、接着剤、シーリング剤、塗布コーテ
ィング剤、さらにはその他の樹脂とのポリマーアロイの
材料として利用することが提案されているものの、主な
用途は、液状の低分子量体としてウレタン原料に使用さ
れることであり、高分子量を要求される、フィルム、シ
ート、繊維等の成形体に加工され実用に供された例は未
だ見いだされていない。
ルカーボネートが微生物分解性を有し、フィルム、シー
ト、繊維等の各種成形体として利用できることを見い出
した。これら高分子量脂肪族ポリエステルカーボネート
は、溶融成形性、生分解性等が良好なポリマーである
が、物性、用途等の更なる研究の結果、フィルム等に成
形した後長時間放置すると、成形品表面への析出物によ
る外観特性の低下が見られることが明かとなった。
マーであることが見出された。環状オリゴマーの析出に
ついては、例えばポリエチレンテレフタレート(PE
T)において知られており(J.Polymer Sc
i.,vol,13、406頁、1954年)、表面析
出物は主に環状3量体であることが確認されている。環
状3量体は分子量が大きく、PETからの減圧処理等に
よる物理的除去は困難である。一方、環状オリゴマーの
含有量の少ない高分子量のPETを得る方法として、融
点以下の温度での固相重合法が実用化されている。この
方法によれば、PET中の環状3量体量は0.3重量%
程度まで低減できることが知られている。脂肪族ポリエ
ステルオリゴマーとジアリールカーボネートの溶融重縮
合によって得られる脂肪族ポリエステルカーボネート
は、それ自体は公知のポリマーである。しかし、ポリマ
ー中に環状オリゴマーが含有されていること、およびそ
の除去に関する記載は見当たらない。一般的に、脂肪族
ポリエステルカーボネートは融点が低く、固相重合を行
うための実用的な重合温度を確保できないことから、前
記のPETで実用化されている固相重合法は、本発明の
脂肪族ポリエステルカーボネートには適当ではない。
定性を向上させる方法が、特開平7−53700号公報
に開示されている。すなわち、この方法は末端基が実質
的にヒドロキシル基である脂肪族ポリエステルを合成し
た後、さらにモノイソシアナート化合物を反応させた反
応生成物から低分子量オリゴマーを除去することに関す
る。しかし、この方法では、モノイソシアナートとの反
応工程が増え、工程が複雑になること、また、重合触媒
がポリマー中にそのまま残存しているため、加熱溶融時
のポリマーの分子量低下の抑制が充分でないこと等、未
だ十分な方法とは言えない。そこで、新たな環状オリゴ
マーの低減化方法の開発が必要となった。
維、フィルム、シート、その他の成形体に成形された場
合に表面析出物が実用上問題とならない量まで低減さ
れ、外観特性の優れた、後加工、用途分野で障害のない
生分解性脂肪族ポリエステルカーボネートおよびその製
造方法を提供することにある。
リエステルカーボネート、特に1,4−ブタンジオール
を主成分とした脂肪族ジヒドロキシ化合物と、コハク酸
を主成分とした脂肪族ジカルボン酸化合物とから得られ
る脂肪族ポリエステルオリゴマーと、ジフェニルカーボ
ネートとを溶融重縮合させることにより得られる脂肪族
ポリエステルカーボネートの成形品の表面析出物につい
て鋭意検討した結果、表面析出物が主として、コハク酸
と1,4−ブタンジオールからなる環状2量体(各々2
分子反応したもの)を主成分とする環状オリゴマーであ
り、重合反応終了後、リン系化合物を添加、混合し、融
点以上の温度で減圧下、脱揮処理することにより、樹脂
中から除去できることを見い出した。さらに、脂肪族ポ
リエステルカーボネート中の環状オリゴマーの含有量を
0.6重量%以下に減少させることにより、成形品の表
面への析出物を抑制できることを見いだし、本発明に至
ったものである。
ルを主成分とする脂肪族ジヒドロキシ化合物とコハク酸
を主成分とする脂肪族ジカルボン酸化合物とからなる脂
肪族ポリエステルオリゴマーを得、該オリゴマーとジフ
ェニルカーボネートとから得られる、重量平均分子量が
100000以上で、環状オリゴマーの含有量が0.6
重量%以下であることを特徴とする、生分解性脂肪族ポ
リエステルカーボネートである。
を主成分とする脂肪族ジヒドロキシ化合物とコハク酸を
主成分とする脂肪族ジカルボン酸化合物とを反応させて
脂肪族ポリエステルオリゴマーを得、該オリゴマーとジ
フェニルカーボネートとから脂肪族ポリエステルカーボ
ネートを得るに際し、重合反応終了後、リン系化合物を
添加、混合した後、温度130〜300℃、減圧度10
mmHg以下の条件で、脱揮処理し、環状オリゴマーの
含有量が0.6重量%以下とすることを特徴とする、生
分解性脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法であ
る。
カーボネートの製造は、1,4−ブタンジオールを主成
分とする脂肪族ジヒドロキシ化合物とコハク酸を主成分
とする脂肪族ジカルボン酸化合物とから脂肪族ポリエス
テルオリゴマーを得る第1工程と、第1工程で得られた
脂肪族ポリエステルオリゴマーとジフェニルカーボネー
トとを反応させる第2工程、さらに得られた脂肪族ポリ
エステルカーボネートから環状オリゴマーを除去する第
3工程より構成される。以下には便宜上、1,4−ブタ
ンジオールとコハク酸とを原料とした場合について記述
する。
250℃、好ましくは150〜220℃で、反応に伴っ
て副生する水及び過剰の1,4−ブタンジオールを除去
しながら、数平均分子量(Mn)500〜10000の
ポリエステルオリゴマーを製造する工程である。ポリエ
ステルオリゴマーの分子量が上記より高い場合は、最終
ポリマー中のカーボネート結合の割合が著しく低くな
り、生分解性が低下するので、上記の分子量を越えるこ
とは好ましくない。しかしながら、カーボネート結合は
オリゴマーの結合剤として、オリゴマーを容易に高分子
量体とすることが可能であり、生分解性を特に考慮する
必要のない場合には、上記の分子量を越えるポリエステ
ルオリゴマーであっても良い。また、ポリエステルオリ
ゴマーの分子量が500未満の場合は最終ポリマーの融
点が低下し、実用的な使用に耐えない。
る圧力が選ばれ、反応を促進する目的で300mmHg
以下の減圧としてもよい。
とコハク酸との反応は、1,4−ブタンジオールを理論
量より過剰で使用される。具体的には、コハク酸1に対
して、1,4−ブタンジオールを1.05〜2.00の
モル比の範囲で使用される。1,4−ブタンジオールが
多い方が反応時間は長くなるが、酸価が小さくなる傾向
にある。得られる脂肪族ポリエステルオリゴマーの分子
量、酸価、1,4−ブタンジオール残存量のコントロー
ルは、未反応の1,4−ブタンジオールの留去速度と反
応速度を適当にバランスさせることにより可能であり、
仕込みモル比、触媒、温度、減圧度、反応時間の条件を
適当に組合せる方法や、不活性気体を適当な流量で吹き
込むような方法が現実的である。
とにより、反応時間の短縮およびオリゴマー中の1,4
−ブタンジオールの残存量の低減化が可能であるが未反
応のカルボン酸量すなわち酸価が増大する。酸価の増加
は、ジフェニルカーボネートの副反応による分解および
着色等の問題から好ましくない。一方、触媒量の増加は
反応速度を増加させるが、最終的には生成したポリマー
の熱安定性に問題が生じる。このため、反応は少量の触
媒を用いて、3段階に分けて減圧度を調節することによ
り行う。第1段階は主に縮合によって生じた水の除去で
常圧で行われる。第2段階は脱水縮合反応の完結、すな
わち酸価の低減のための熟成工程で、200〜80mm
Hg程度の減圧度で水および少量の1,4−ブタンジオ
ールの留去を行う。第3段階は過剰の1,4−ブタンジ
オールの留去による高分子量化の工程で最終的には5m
mHg以下の減圧度とする。分子量すなわち末端水酸基
価の調節は、1,4−ブタンジオールの留出量によって
行うことができる。末端水酸基価は20〜200KOH
mg/gの範囲が好ましい。
ルオリゴマーとジフェニルカーボネートとを反応させて
高分子量体とする工程であり、温度150〜250℃、
好ましくは200〜230℃で、反応に伴って副成する
フェノールおよび若干量の1,4−ブタンジオール、あ
るいは1,4−ブタンジオールの転化物等を除去する工
程である。ここで、使用するジフェニルカーボネートの
量は、ポリエステルオリゴマーの末端水酸基量に対し
て、0.45〜0.55倍モル量、より好ましくは0.
47〜0.51倍モル量の範囲で使用される。得られる
ポリエステルカーボネート中のカーボネート結合の含有
量はポリエステルオリゴマーの末端水酸基価により決定
され、1.8〜33モル%の範囲、好ましくは3〜25
モル%の範囲である。カーボネート結合の量が増加する
と生分解性は向上するが、融点は低下するので、用途に
応じて制御することが必要である。また、ここで使用さ
れるポリエステルオリゴマーは1種類に限定されるもの
ではなく、原料の異なる2種類以上のポリエステルオリ
ゴマーを独立に製造し、適当量を混合することによりブ
ロック共重合体を製造することも可能である。
反応は速いが、得られる重合体を着色させることがあ
り、上記の範囲を越えるような高い温度は好ましくな
い。反応は、必要に応じて徐々に減圧度を調節して行わ
れ、最終的には3mmHg以下の減圧とすることが好ま
しい。
ボネートには、1〜3重量%の環状オリゴマーが含まれ
ている。この他に300ppm程度の副成フェノール及
び20ppm未満の未反応ジフェニルカーボネートが含
まれている。本発明の脂肪族ポリエステルカーボネート
の製造における第3工程は、重合工程で得られた脂肪族
ポリエステルカーボネートから、上記の環状オリゴマー
を除去する工程である。
の製造における環状オリゴマーの除去に際しては、重合
反応終了後、リン系化合物を添加、混合した後、減圧下
に脱揮し、環状オリゴマーを留去する。すなわち、目標
分子量に到達した溶融状態の脂肪族ポリエステルカーボ
ネートに、窒素雰囲気下でリン系化合物を添加、混合
し、続いて表面更新能力の高い装置で減圧下に、脱揮
し、環状オリゴマーの濃度が0.6重量%以下となるよ
うに行われる。このような除去操作過程で、前記の副成
フェノール及び未反応ジフェニルカーボネートは、環状
オリゴマーと同時に除去され、副成フェノールは20p
pm以下の濃度に、また未反応ジフェニルカーボネート
は10ppm以下となる。環状オリゴマー濃度が0.6
重量%を越えると、成形後のフィルムおよびシートの表
面に約1カ月の保存期間後、白色の結晶が析出し透明性
を損なう。また、20ppm以上のフェノール量では、
成形加工時にフェノール臭の問題があり、作業上好まし
くない。
ーボネートが溶融状態で、減圧下の操作であるから、ポ
リマーの分子量の変動を抑制するためにリン系化合物の
添加が不可欠である。すなわち、リン系化合物の添加
は、オリゴマー除去操作中の分子量の変動を抑制し、環
状オリゴマーの再生を抑制する。また、溶融状態におけ
るポリマーの熱安定性の向上にも効果がある。リン系化
合物の添加量は、前述の第1および第2工程で使用した
触媒1モルに対し0.3〜10倍モル、好ましくは0.
5〜5倍モルの範囲で使用され、本発明ではリン系化合
物としてリン酸、ポリリン酸、亜リン酸およびそれらの
エステル等が好適に用いられる。環状オリゴマー除去の
ためには高温度、高減圧度が好ましく、操作温度は13
0〜300℃、好ましくは180〜280℃であり、減
圧度は10mmHg以下、好ましくは5mmHg以下、
より好ましくは2mmHg以下で行われる。
の製造における環状オリゴマーの除去に際しては、脂肪
族ポリエステルカーボネートの重合に使用した装置内で
そのままつづけて行っても良いし、別途準備した装置を
用いても可能である。本発明の方法では、脂肪族ポリエ
ステルカーボネートが溶融状態で行われ、環鎖平衡の存
在から環状オリゴマーの生成も考慮しなければならない
から、高い除去速度が得られる装置を用いることが好ま
しい。このため環状オリゴマーの脱揮装置は、表面更新
性の高い、加熱及び減圧可能な装置から選ばれるが、例
えば通常の高粘度溶液撹拌装置を備えた槽型反応器が使
用可能である。上記の高粘度溶液撹拌装置としては、格
子翼、ヘリカルリボン翼、ログボーン翼などを用いたも
のが例示される。
2軸押出機などの当該業者に公知の脱揮装置を使用する
ことも出来、それらを組み合わせて使用することも可能
である。上記横型撹拌反応装置とは単軸または2軸以上
の水平な回転軸を有し、この回転軸には、円板型、車輪
型、櫂型、棒型、窓枠型などの撹拌翼を1種または2種
以上組み合わせて、回転軸当たり少なくとも2段以上取
付けてあり、この撹拌翼により反応溶液をかき上げ、ま
たは押し広げて反応溶液の表面更新を行う横型高粘度液
処理装置であり、これらの装置の使用による脱揮操作
は、バッチ式でも連続式でも良い。前記「表面更新」と
は液表面の樹脂液が液表面下部の樹脂液と入れ替わるこ
とを意味する。
ルカーボネートの製造方法は、1,4−ブタンジオール
と下記一般式(1)で表される脂肪族ジヒドロキシ化合
物の少なくとも1種とを併用する場合、またコハク酸と
下記一般式(2)で表される脂肪族ジカルボン酸化合物
の少なくとも1種とを併用する場合も同様に採用され
る。 HO−R1−OH (1) R2OOC−R3−COOR4 (2) (式中R1およびR3は炭素数1〜8のアルキル基であ
り、これらは同一であっても異なっていてもよい。R2
およびR4は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基
である。)
ロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、
トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、
ペンタンジオール、ヘキサメチレングリコール、プロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール等が例示され
る。
ジカルボン酸化合物としては、例えば、蓚酸、マロン
酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、ジグリコ
ール酸、セバシン酸およびこれらのアルキルエステル等
が例示される。
(2)で表される化合物の少なくとも1種をそれぞれ併
用する場合、1,4−ブタンジオールおよびコハク酸の
量をそれぞれ60モル%以上とすることが得られるポリ
マーの物性上の観点から望ましい。
ウム化合物あるいはハフニウム化合物とY,La,Z
n,Snから選ばれる少なくとも1種との組み合わせか
らなる複合触媒とすることにより、ジルコニウム化合物
またはハフニウム化合物単独使用の場合より全体の触媒
量が少量で、充分な反応速度が得られる。触媒として、
好ましい化合物の形態としては、脂肪酸塩類、水酸化
物、アルコラート、フェノラート、アセチルアセトナー
ト等種々あげられる。
しては、ジルコニウムアセチルアセトネート、アセチル
アセテートジルコニル、ジルコニウムテトラエトキシ
ド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウ
ムテトラノルマルブトキシド、ジルコニウムテトラター
シャリーブトキシド、ジルコニルクロライド、塩化ジル
コニウム、硫酸ジルコニウム、ジルコニウムオキシアセ
テート、オクタン酸ジルコニウム、ジルコニウムオキシ
ステアレート、ハフニウムアセチルアセトネート、ハフ
ニウムテトラブトキシド、ハフニウムテトライソプロポ
キシドなどが例示されるが、ジルコニウムアセチルアセ
トネート、ハフニウムアセチルアセトネートが、特に好
ましく用いられる。
酢酸イットリウム、ナフテン酸イットリウム、トリス
(アセチルアセトナト)イットリウム、酢酸ランタン、
酢酸亜鉛、亜鉛アセチルアセトナート、安息香酸亜鉛、
ステアリンサン亜鉛、酸化亜鉛、燐酸亜鉛、蓚酸錫、錫
アセチルアセトナート、ジブチル錫ラウレート、ジブチ
ル錫オキサイド、塩化錫などが例示されるが、亜鉛アセ
チルアセトナート、酢酸亜鉛、ジブチル錫オキサイド
が、特に好ましく用いられる。
で、触媒を最初から上記の組み合わせで使用する方法
と、第1工程では、ジルコニウム化合物またはハフニウ
ム化合物を使用し、前述の第2工程では、Y,La,Z
n,Sn化合物から選ばれる少なくとも1種を追加して
反応する方法があるが、どちらの方法でも良い。触媒量
は極力少ないことが望まれ、通常原料(反応)混合物1
00重量部に対して、5×10-5〜1重量部、好ましく
は1×10-4〜1×10-2重量部が使用される。
マー濃度を0.6重量%以下、重量平均分子量(Mw)
30000以上の脂肪族ポリエステルカーボネートが製
造可能なだけではなく、広い範囲で重合度の調節が可能
であり、反応時間、温度、触媒量等の反応条件の一部を
変更するだけで、重量平均分子量(Mw)30000〜
350000付近までの脂肪族ポリエステルカーボネー
トを用途に応じて適宜製造することが可能である。しか
し、成形加工性等を考慮すると、Mwは100000〜
250000の範囲のものが実際には使用される。
肪族ポリエステルカーボネートの使用に際しては、安定
剤、酸化防止剤、無機充填剤などの補助添加剤を配合す
ることができ、従来公知の方法に従ってフィルム、シー
ト、発泡体、フィラメントなどの各種の形状に成形する
ことができる。
する。
ー、ポリエステルカーボネートの分子量はクロロホルム
を溶媒として、GPC(昭和電工(株)製GPC、Sy
stem−11)を使用し、スチレン換算のMw、Mn
として測定した。また、カーボネート結合含有量はNM
R(日本電子(株)製NMR、EXー270)を使用
し、13CNMRによりジカルボン酸エステル単位および
カーボネート単位の合計に対するカーボネート単位の割
合(モル%)として測定した。水酸基価および酸価はJ
IS−K1557に従って定量した。ポリマー中の環状
オリゴマー量はポリマーのジクロルメタン溶液をメタノ
ールで再沈澱後、ポリマーを分離した母液を濃縮し、ガ
スクロマトグラフィー(島津製作所GC14B)により
分析した。また、フィルムの曇価(ヘイズ)は色差計
(日本電色工業製、1001DP)により測定した。
た50リットルの第1反応器に、コハク酸18.74k
g(158.7モル)、1,4−ブタンジオール21.
43kg(237.8モル)、ジルコニウムアセチルア
セトネート745mgおよび亜鉛アセチルアセトナート
1.50gを仕込み、窒素雰囲気下で温度150〜22
0℃で2時間反応し水を留出させた。つづいて、150
〜80mmHgの減圧度で3時間熟成し、脱水反応を進
行させた。更に、最終的に減圧度を2mmHg以下とな
るよう徐々に減圧度を増し、さらに水と1,4−ブタン
ジオールを留出させ、総留出量が10.40kgになっ
たところで反応を停止した。総反応時間は7.0時間で
あった。得られたオリゴマーの数平均分子量は170
0、末端水酸基価は106KOHmg/gであり、酸価
は0.59KOHmg/gであった。
拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付けた
50リットルの第2反応器に仕込み、ジフェニルカーボ
ネート4.86kgを添加した。温度210〜220℃
で、最終的に1mmHgの減圧とし、フェノールを留去
しながら5時間反応した。窒素により減圧を解除し、ポ
リリン酸0.7gを含む300gのポリエステルカーボ
ネートマスターバッチを添加し、撹拌混合後にストラン
ド状に取り出しペレット化を行った。得られた高分子量
体は、無着色でGPCの測定による重量平均分子量(M
w)が200000であり、13CNMR測定によりポリ
カーボネート成分として14.3%のカーボネート結合
を有していた。また、樹脂中に、環状2量体が0.91
重量%、フェノールが200ppm含まれていた。但
し、ジフェニルカーボネートは検出できなかった。
ン翼付き撹拌機を備えた、8リットルの槽型反応器に仕
込み加熱溶融した。温度230℃、減圧度0.9mmH
gで、30rpmの撹拌速度で撹拌しながら1時間脱揮
操作を行った。脱揮終了後、反応器底部から220℃の
温度でストランド状に取り出し、水冷固化したのちにペ
レット化した。GPCの測定による重量平均分子量(M
w)は205000であった。得られたペレット中の環
状2量体量は、0.53重量%に減少していた。また、
フェノールは検出されなかった。得られたペレット1.
2kgを、成形温度190℃でダイ幅20cm、ダイリ
ップ0.7mmのT−ダイから押出し、厚み0.05m
mのフィルムに成形し、フィルムの外観特性を目視で観
察し、また、ヘイズの測定を行った。また、成形から1
週間後、2週間後、4週間後に、同様に外観特性の観察
およびヘイズの測定を行い、表面析出物の時間変化を追
ったが、外観の変化は認められなかった。結果を表1に
示す。
ン翼付き撹拌機を備えた、8リットルの槽型反応器に仕
込み加熱溶融した。温度230℃、減圧度0.6mmH
gで、45rpmの撹拌速度で撹拌しながら2時間脱揮
操作を行った。脱揮終了後、反応器底部から220℃の
温度でストランド状に取り出し、水冷固化したのちにペ
レット化した。GPCの測定による重量平均分子量(M
w)は209000であった。得られたペレット中の環
状2量体量は、0.25重量%に減少していた。また、
フェノールは検出されなかった。また、実施例1と同様
にTーダイ法によりフィルムに成形し、外観特性の観察
およびヘイズの測定を行った。外観の変化と、フィルム
のヘイズに変化は認められなかった。結果を表1に示
す。
に、そのまま成形温度190℃でダイ幅20cm、ダイ
リップ0.7mmのT−ダイから押出し、厚み0.05
mmのフィルムに成形した。実施例1と同様に外観特性
の観察およびヘイズの測定を行った。1週間後には、フ
ィルムの表面に析出物が認められるようになり、またヘ
イズも増加した。結果を表1に示す。
出機(スクリュー径35mmφ)を用いて、押出温度23
0℃、1〜2mmHgの減圧下に脱揮押出を行い、ペレ
ット化した。GPCの測定による重量平均分子量(M
w)は202000であった。得られたペレット中の環
状2量体量は0.65重量%に減少しており、フェノー
ルは20ppm含有していた。また、実施例1と同様に
Tーダイ法によりフィルムに成形し、外観特性の観察お
よびヘイズの測定を行った。結果を表1に示す。
リリン酸を含むポリエステルカーボネートマスターバッ
チを添加しないこと以外は、合成例と同様にして、ペレ
ット状のリン系化合物を添加しないポリエステルカーボ
ネートを得た。得られた高分子量体は、GPCの測定に
よる重量平均分子量(Mw)は195000であり、13
CNMR測定により、ポリカーボネート成分として1
3.9%のカーボネート結合を有していた。また、樹脂
中の環状2量体は0.88重量%であり、フェノールは
300ppm含有していた。但し、ジフェニルカーボネ
ートは検出されなかった。
リカルリボン翼付攪拌機を備えた、8リットルの槽型反
応器に仕込み、加熱溶融した。温度230℃、減圧度
0.8mmHgで、30rpmの速度で攪拌した。20
分後に、攪拌トルクが上昇し始め、1時間後に攪拌不能
となり、反応器底部から取り出し、ペレット化するのは
困難であった。反応器上部から抜き取った樹脂の分子量
はMwで、390000であった。また、樹脂中の環状
2量体は0.95重量%となり、かえってオリゴマーの
含有率は増大していた。
を各々5.0gずつガラスビンに取り、220℃で30
分間溶融加熱した。その結果、それぞれの分子量はMw
で、197000、162000となり、リン系化合物
を添加していないものは、分子量が著しく低下してお
り、添加したものは分子量の低下率は少なかった。
ーボネートは、成形後の外観に優れているので、フィル
ム、シート、発泡体あるいは繊維などの成形品を得るの
に好適である。また、流動性、射出成形性、熱安定性に
も優れ、得られる成形品は高い機械的強度を有してお
り、従来の汎用樹脂の代替物として使用できる。土中ま
たは活性汚泥処理でも高い生分解性を示すものであり、
生分解性の要求される包装材料や成形体などに広く利用
できる。
Claims (7)
- 【請求項1】 1,4−ブタンジオールを主成分とする
脂肪族ジヒドロキシ化合物とコハク酸を主成分とする脂
肪族ジカルボン酸化合物とを反応させて脂肪族ポリエス
テルオリゴマーを得、該オリゴマーとジフェニルカーボ
ネートとを反応させて得られる、重量平均分子量が10
0000以上で、環状オリゴマーの含有量が0.6重量
%以下であることを特徴とする、生分解性脂肪族ポリエ
ステルカーボネート。 - 【請求項2】 環状オリゴマーが主として、1,4−ブ
タンジオールとコハク酸からなる環状2量体である、請
求項1記載の脂肪族ポリエステルカーボネート。 - 【請求項3】 脂肪族ポリエステルオリゴマ−の数平均
分子量が、10000以下であることを特徴とする、請
求項1または2記載の脂肪族ポリエステルカーボネー
ト。 - 【請求項4】 1,4−ブタンジオールを主成分とする
脂肪族ジヒドロキシ化合物とコハク酸を主成分とする脂
肪族ジカルボン酸化合物とを反応させて脂肪族ポリエス
テルオリゴマーを得、該オリゴマーとジフェニルカーボ
ネートとを反応させて脂肪族ポリエステルカーボネート
を得るに際して、重合反応終了後、リン系化合物を添
加、混合した後、温度130〜300℃、減圧度10m
mHg以下の条件で、脱揮処理し、環状オリゴマーの含
有量が0.6重量%以下とすることを特徴とする、生分
解性脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法。 - 【請求項5】 リン系化合物がリン酸、ポリリン酸、亜
リン酸およびそれらのエステル等の化合物である、請求
項4記載の製造方法。 - 【請求項6】 1,4−ブタンジオールと一般式(1)
で表される脂肪族ジヒドロキシ化合物の少なくとも1種
とを併用し、コハク酸と一般式(2)で表される脂肪族
ジカルボン酸化合物の少なくとも1種とを併用すること
を特徴とする、請求項4記載の製造方法。 HO−R1−OH (1) R2OOC−R3−COOR4 (2) (式中、R1、R3、は炭素数1〜8のアルキル基であ
り、これらは同一であっても異なっていてもよい。R2
およびR4は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基
である。) - 【請求項7】 1,4−ブタンジオールおよびコハク酸
がそれぞれ、少なくとも60%(モル)である、請求項
6記載の製造方法。
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JP11445295A JP3484819B2 (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | 生分解性脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法 |
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JPH08301999A JPH08301999A (ja) | 1996-11-19 |
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WO2024122159A1 (ja) * | 2022-12-08 | 2024-06-13 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 生分解性ポリエステルカーボネート樹脂及びそれを含む成形体 |
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