JP5886083B2 - 成形品のアセトアルデヒド含有量が少ない共重合ポリエステルの製造方法 - Google Patents

成形品のアセトアルデヒド含有量が少ない共重合ポリエステルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5886083B2
JP5886083B2 JP2012045330A JP2012045330A JP5886083B2 JP 5886083 B2 JP5886083 B2 JP 5886083B2 JP 2012045330 A JP2012045330 A JP 2012045330A JP 2012045330 A JP2012045330 A JP 2012045330A JP 5886083 B2 JP5886083 B2 JP 5886083B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copolyester
reaction
copolymerized polyester
represented
aromatic dicarboxylic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012045330A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013181092A5 (ja
JP2013181092A (ja
Inventor
安彦 友成
安彦 友成
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2012045330A priority Critical patent/JP5886083B2/ja
Publication of JP2013181092A publication Critical patent/JP2013181092A/ja
Publication of JP2013181092A5 publication Critical patent/JP2013181092A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5886083B2 publication Critical patent/JP5886083B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

本発明は悪臭、異臭の原因となったり、内容物の風味を変質させる恐れのあるアセトアルデヒドの含有量が少ない成形品を固相重合を用いずに溶融重合のみで低減させることができる共重合ポリエステル製造方法に関するものである。
ポリエステル特にポリエチレンナフタレート(PEN)やポリエチレンテレフタレート(PET)は、その優れた機械的性質、化学的物性から、繊維、フィルム、工業用樹脂、ボトル、カップ、およびトレイなどに成形され広く用いられている。しかしながら、飲料充填用の中空容器の成形時においてアセトアルデヒド量が増加し悪臭や異臭、内容物の風味、香りが変化する恐れがある。
これらの問題を解決するために、ポリエステル中に含有されているアセトアルデヒドを低減する方法が種々検討され、成形時に生成するオリゴマーとアセトアルデヒドを低減させるため、固相重合を行ったり、固相重合後のポリエチレンテレフタレートを熱水や酢酸カリウム、さらにはホスホニウム化合物で処理することが提案されているが(例えば、特許文献1〜4参照。)、ポリマーの製造工程が増えたり、コストアップに繋がるといったデメリットが生じる。
特許第3681493号公報 特開平3−72524号公報(特許請求の範囲) 特許第3809131号公報 特許第4649221号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するために検討した結果達成されたものであって、溶融成形により得られた成形品に必要な強度と耐熱性を有しながら、悪臭、異臭の原因となったり、内容物の風味を変質させる恐れがあるアセトアルデヒドの含有量が少ない共重合ポリエステル製造方法を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸の誘導体と、下記式(I)で示される脂環族ジオール全ジオール成分中90モル%以上共重合さ、固有粘度が0.60〜0.80dL/g以下であり、エチレンテレフタレート単位を含有する共重合ポリエステルであって、ガラス転移温度が110℃以上である共重合ポリエステルの製造方法において、少なくとも下記の工程を含んでなり、前記共重合ポリエステル中に下記式(III)で表されるリン化合物を、前記共重合ポリエステルを構成する2価のカルボン酸に対して10〜200mmоl%含有することを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法により上記課題を解決できることを見出した。
Figure 0005886083
工程1前記芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸の誘導体と、エチレングリコールおよび記式(I)で示される脂環族ジオールとを溶融状態で反応させ、共重合ポリエステルを得る工程
工程2:前記工程1で製造した共重合ポリエステルと下記式(II)で示される重合促進剤との反応で共重合ポリエステルの固有粘度を重合促進剤との反応前の固有粘度より増大させる工
Figure 0005886083
Figure 0005886083
[上記式中、R 、R およびR は、同一または異なって炭素数原子数1〜4のアルキル基を示し、Xは、−CH −または―CH(Y)−を示す(Yは、ベンゼン環を示す)。]
すなわち、上記式(I)で表されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールを芳香族ジカルボン酸および/またはそのエステル成形性誘導体、さらにはエチレングリコールと熱安定剤とチタン化合物を使用して重縮合せしめる工程、さらには下記式(II)で表されるジフェニルカーボネートを使用して重縮合せしめる工程、といった2つの製造工程を経て得られる共重合ポリエステルの製造方法である。
本発明の共重合ポリエステルは耐熱透明性に優れており、押出成形や射出成形にも優れ、さらには成形品からの悪臭、異臭、内容物の風味の変質の原因となるアセトアルデヒド含有量が低減されることが大きな特徴となっている。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明に使用する共重合ポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル成形性誘導体と、脂肪族ジオールおよび脂環族ジオールを重縮合反応させて得られる共重合ポリエステルである。芳香族ジカルボン酸としては具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸を表す。あるいは置換基が4,4’−の位置に限定されず、2,4’−、3,4’−、2,5’−、2,2’−、3,3’−などの位置にある芳香族ジカルボン酸であってもよい。また、芳香族ジカルボン酸のエステル成形性誘導体とは炭素数1〜6個の低級ジアルキルエステル、炭素数6〜8個の低級ジアリールエステル、ジ酸ハライドを表す。より具体的にはジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル、ジブチルエステル、ジペンチルエステル、ジヘキシルエステル、ジフェニルエステル、ジベンジルエステル、ジ酸クロライド、ジ酸ブロマイドを挙げることができる。その炭素数1〜20のアルキルエステルや炭素数6〜20のアリールエステルは更にその水素原子の1個または2個以上がハロゲン原子、アルキルエーテル基、アリールエーテル基、アルキルエステル基、アリールエステル基、アセチル基等のアルキルカルボニル基、ベンゾイル基等のアリールカルボニル基で置換されているものであっても良い。炭素数6〜20のアリールエステルは更にその水素原子の1個または2個以上が炭素数1〜10のアルキル基で置換されているものであっても良い。
脂肪族ジオールとしては具体的には、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘプタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ビス(トリメチレングリコール)、ビス(テトラメチレングリコール)、トリエチレングリコールを挙げることができる。
また、本発明においては共重合ポリエステルを構成する全ジオール成分(グリコール成分)のうち90モル%以上を下記式(I)で示される脂環族ジオール、すなわちトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールが共重合されていることを特徴とする。より好ましくは91モル%以上であり、更に好ましくは92モル%以上である。
Figure 0005886083
このトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールの具体例としては、ジメタノール部分の結合する位置により各種の構造異性体があるが、下記式(1a)〜(1c)(式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していてもよい)で示されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3,8−、3,9−及び4,8−ジメタノール類から選択された少なくとも1種のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール類を含むジオール成分を好ましく挙げることができる。ジメタノール部分が他の位置に結合している構造異性体によるトリシクロデカンジメタノールが共重合されていても良い。
Figure 0005886083
本発明の共重合ポリエステルに共重合されているジオール成分には、前記式(I)で表される少なくとも1種のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール類が含まれている。上記式(I)中に示される2つのヒドロキシメチル基はトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環を構成する何れの炭素原子(橋頭位又は非橋頭位の炭素原子)に結合していてもよい。例えば、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環をノルボルナン環とシクロペンタン環とに分けた場合、2つのヒドロキシメチル基がともにノルボルナン環側の炭素原子に結合していてもよく、2つのヒドロキシメチル基がともにシクロペンタン環側の炭素原子に結合していてもよい。また、一方のヒドロキシメチル基がノルボルナン環側の炭素原子に結合し、他方のヒドロキシメチル基がシクロペンタン環側の炭素原子に結合していてもよい。これらの位置異性体は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。また、式(1a)〜(1c)で表されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール類にはエンド体とエキソ体とが存在し得るが、本発明ではこれらの一方又は混合物の何れをも使用できる。
上記式(I)において、環を構成する炭素原子(橋頭位又は非橋頭位の炭素原子)は、前記2つのヒドロキシメチル基に加えて、他の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、デシル基などのアルキル基(例えば、C1−10のアルキル基、好ましくはC1−4のアルキル基);シクロペンチル、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル、ナフチル基などのアリール基;メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ基などのアルコキシ基(例えば、C1−4のアルコキシ基);メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基(例えば、C1−4のアルコキシ−カルボニル基);アセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル基などのアシル基;ヒドロキシル基;カルボキシル基;ニトロ基;置換又は無置換アミノ基;ハロゲン原子;オキソ基などが挙げられる。
上記式(I)で表されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール類の中でも、前記式(1a)〜(1c)で表されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3,8−ジメタノール類、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3,9−ジメタノール類及びトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−4,8−ジメタノール類が好ましい。なお、式(1a)〜(1c)において、環を構成する炭素原子が有していてもよい置換基は前記と同様である。上記式(I)で表されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール類は公知乃至慣用の方法により得ることができる。例えば、ヒドロキシルメチルシクロペンタジエン2分子をディールス・アルダー反応により付加環化反応させ、更に水素添加により不飽和結合を飽和結合にする製造方法を挙げることができる。あるいは市販されている当該化合物を使用しても良い。また本発明においては、当該トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール類をポリエチレンナフタレートおよびポリエチレンテレフタレートに共重合することによって、ポリエチレンナフタレートおよびポリエチレンテレフタレートの透明性を保ちつつ、高い耐熱性と耐衝撃性を付与することができ、さらにはアセトアルデヒド含有量も低減する事ができると出願人は考える。本発明では、上記式(I)で表されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール類から1種の化合物のみを選択して使用してもよく、ジメタノール部分の置換基の位置の異なる複数の化合物を併用してもよい。
本発明の目的を害さない範囲で上記式(I)以外の脂環族ジオールが共重合されていても良い。そのような脂環族ジオールとしては、具体的には1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジメタノールを挙げることができる。
中でも本発明の共重合ポリエステルを構成する全繰り返し単位あたり80モル%以上が、ナフタレンジカルボン酸等又はテレフタル酸等と、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールを重縮合反応させて得られたトリシクロデカンジメチレンナフタレート単位又はトリシクロデカンジメチレンテレフタレート単位であることを好ましい。より好ましくは、これらの共重合成分が共重合ポリエステルを構成する全繰り返し単位のジオール成分の90モル%以上である事である。この中でも本発明の実施に好適なジオールはエチレングリコールおよびトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールがあり、好適なカルボン酸エステルはナフタレン酸ジカルボン酸ジメチルエステルやテレフタル酸ジメチルがある。さらに、本発明の実施に好ましい共重合ポリエステルはエチレンナフタレート単位又はエチレンテレフタレート単位を含有していても良い。
本発明により得られる共重合ポリエステルの固有粘度は機械的強度、成形性の点から0.60〜0.80dL/gが好ましい。固有粘度が0.60dL/g未満では機械的強度に劣り、0.80dL/gを超える場合には流動性が低下して成形加工性に劣るので好ましくない。共重合ポリエステルの固有粘度をこの数値範囲にするためには、高真空の反応槽内にて熱分解を起こさない範囲内の高温下で時間をかけて溶融重縮合を行うことにより達成することができる。なお、比較的低い固有粘度の段階で結晶化度の高いオリゴマーまたはポリエステルを得ることができるのであれば、いわゆる固相重縮合反応を行って固有粘度を上記の数値範囲に調整しても良い。またガラス転移温度は100℃以上であることが好ましく、より好ましくは110℃以上である。上記の十分な固有粘度値範囲を達成し、式(I)で表される化合物の共重合率を上述の範囲にすることによって、このガラス転移温度の値の範囲を達成することができる。
また、重縮合反応により共重合ポリエステルを得るときの重合触媒としては種々の金属化合物が用いられるが、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルには三酸化アンチモンなどのようなアンチモン(Sb)化合物が安価でかつ高重合活性を持つことから広く用いられる。しかし、Sb化合物は、その一部が反応中に還元されて金属Sbやその他の異物を生成し、その結果ポリマーの色を黒ずませたり、製造工程を不安定化させたりして成形品の品質を悪化させるといった問題を抱えている。
アンチモン化合物以外の重合触媒としては、ゲルマニウム(Ge)化合物、テトラ−n−ブトキシチタンのようなチタン(Ti)化合物が提案されている。Ge化合物は高価であるために、共重合ポリエステルの製造コストが高くなるという問題がある。一方Ti化合物を重合触媒として使用した場合、上記のような金属Sbやその他の異物の生成が抑制され、上述の異物に対する問題は改善される。しかし、チタン化合物を重合触媒として用いた場合、ポリマーが黄色く着色されたり、溶融熱安定性が乏しかったりするといったTi化合物特有の問題がある。そこで、Ti化合物による着色や溶融熱安定性を付与するために特定のリン化合物を加えた(特開2004−175837号公報参照)。これにより、ポリマーの着色は抑えられ、かつ溶融熱安定性が付与される。この安定剤の添加量は共重合ポリエステル樹脂中のリン含有量として60ppm以上であることが好ましい。
上述した安定剤として本願の共重合ポリエステルに含有されるリン化合物としては、下記一般式(III)により表されるリン化合物を用いることが好ましい。
Figure 0005886083
[上記式中、R、R及びRは、同一又は異なって炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、Xは、−CH−又は−CH(Y)−を示す(Yは、ベンゼン環を示す)。]
ここで、前記一般式(III)により表されるリン化合物としては、カルボメトキシメタンホスホン酸、カルボエトキシメタンホスホン酸、カルボプロポキシメタンホスホン酸、カルボプトキシメタンホスホン酸、カルボメトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸、カルボエトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸、カルボプロトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸若しくはカルボブトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸のジメチルエステル類、ジエチルエステル類、ジプロピルエステル類又はジブチルエステル類から選ばれることが好ましい。より具体的にはトリメチルホスホノアセテート、トリエチルホスホノアセテート(ホスホノ酢酸トリエチル)、トリプロピルホスホノアセテート、トリブチルホスホノアセテート、カルボエトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸ジメチルエステル、カルボエトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸ジエチルエステルが好ましく選択される。
上述のリン化合物は、共重合ポリエステルを構成する芳香族ジカルボン酸に対して10〜200mmol%含有することが好ましい。より好ましくは20〜150mmol%、更に好ましくは30〜100mmol%含有することである。またリン元素換算とすると5〜120ミリモル%、好ましくは10〜100ミリモル%、更に好ましくは20〜80ミリモル%の範囲とすることが好ましい。該リン化合物が含有量が微量であるために、当該化合物を含有するとしても当業者であれば、本発明を共重合ポリエステルと称することもあるであろう。該リン化合物が下限値未満であるとポリエステルの色調が低下しやすくなり、また上限値を超えると重合反応が進行しにくくなる為好ましくない。上記のリン化合物は、通常安定剤として使用されるリン化合物に比較して、チタン化合物又はチタン化合物成分(以下「チタン化合物等」と略称する。)との反応が比較的緩やかに進行するので、反応中におけるチタン化合物等の触媒活性持続時間が長く、結果として該チタン化合物のポリエステルへの添加量を少なくすることができ、また、本発明のように触媒に対し多量に安定剤を添加する場合であっても、共重合ポリエステルの熱安定性を損ない難い特性を有している。
本発明において重合触媒成分として用いられるチタン化合物としては、テトラアルキルチタネートが好ましく、具体的にはテトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−t−ブチルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラベンジルチタネートなどが挙げられ、これらの混合チタネートとして用いても良い。これらのチタン化合物のうち、特にテトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートが好ましく、最も好ましいのはテトラ−n−ブチルチタネートである。チタン化合物の添加量は生成共重合ポリエステル中のチタン原子含有量として、60ppm以下であることが好ましく、より好ましくは40ppm以下である。生成共重合ポリエステル中のチタン原子量が60ppmを超える場合は共重合ポリエステルの色調、透明性、および熱安定性が低下するために好ましくない。
また、本発明の共重合ポリエステルの特性を損なわない範囲において、例えば、オクタアルキルトリチタネートもしくはヘキサアルキルジチタネートなどのテトラアルキルチタネート以外のアルキルチタネート、酢酸チタンやシュウ酸チタンなどのチタンの弱酸塩、酸化チタンなどのチタン酸化物、ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチルスズ、ヘキサエチルジスズオキサイド、シクロヘキサヘキシルジスズオキサイド、ジドデシルスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、トリフェニルスズハイドロオキサイド、トリイソブチルスズアセテート、ジブチルスズジアセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、ジブチルスズジクロライド、トリブチルスズクロライド、ジブチルスズサルファイド、ブチルヒドロキシスズオキサイドなどの有機スズ化合物、塩化カリウム、カリウムミョウバン、ギ酸カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸水素二カリウム、クエン酸二水素カリウム、グルコン酸カリウム、コハク酸カリウム、酪酸カリウム、シュウ酸二カリウム、シュウ酸水素カリウム、ステアリン酸カリウム、フタル酸カリウム、フタル酸水素カリウム、メタリン酸カリウム、リンゴ酸カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、亜硝酸カリウム、安息香酸カリウム、酒石酸水素カリウム、重蓚酸カリウム、重フタル酸カリウム、重酒石酸カリウム、重硫酸カリウム、硝酸カリウム、酢酸カリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸カリウムナトリウム、炭酸水素カリウム、乳酸カリウム、硫酸カリウム硫酸水素カリウム、塩化ナトリウム、ギ酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸二水素ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、酪酸ナトリウム、シュウ三二ナトリウム、シュウ酸水素ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸水素ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酒石酸水素ナトリウム、重シュウ酸ナトリウム、重フタル酸ナトリウム、重酒石酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、乳酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、塩化リチウム、ギ酸リチウム、クエン酸三リチウム、クエン酸水素二リチウム、クエン酸二水素リチウム、グルコン酸リチウム、コハク酸リチウム、酪酸リチウム、シュウ酸二リチウム、シュウ酸水素リチウム、ステアリン酸リチウム、フタル酸リチウム、フタル酸水素リチウム、メタリン酸リチウム、リンゴ酸リチウム、リン酸三リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸二水素リチウム、亜硝酸リチウム、安息香酸リチウム、酒石酸水素リチウム、重シュウ酸リチウム、重フタル酸リチウム、重酒石酸リチウム、重硫酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、乳酸リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウムなどのアルカリ金属塩、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、コハク酸カルシウム、酪酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、リン酸カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化マグネシウム、ギ酸マグネシウム、コハク酸マグネシウム、酪酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩の1種もしくは2種以上をチタン化合物と組み合わせても良い。
本発明における上記組成の共重合ポリエステルの製造方法において、好ましい製造方法の一態様は、芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸の誘導体と、前記式(I)で示される脂環族ジオールを原料とし、前記式(I)で示される脂環族ジオールが全ジオール成分中90モル%以上共重合され、固有粘度が0.60〜0.80dL/g以下である共重合ポリエステルであって、ガラス転移温度が110℃以上である共重合ポリエステルの製造方法において、少なくとも下記の工程を含んでなることを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法である。
工程1:芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸の誘導体と、脂肪族ジオールおよび前記式(I)で示される脂環族ジオールとを溶融状態で反応させ、共重合ポリエステルを得る工程
工程2:工程1で製造した共重合ポリエステルと下記式(II)で示される重合促進剤との反応で、共重合ポリエステルの固有粘度を重合促進剤との反応前の固有粘度より増加させる工程
Figure 0005886083
Figure 0005886083
上記の本発明の共重合ポリエステルの製造方法における工程1における製造方法においては、上記の芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸の誘導体、脂肪族ジオールおよび上記式(I)で示される脂環族ジオールを上記の重合触媒の存在下で加熱溶融反応せしめることにより製造される。その芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸の誘導体とは、上述した芳香族ジカルボン酸又はそのエステル成形性誘導体と同じ化合物を用いることが好ましい。脂肪族ジオールおよび上記式(I)で示される脂環族ジオールについても上述した化合物と同じ化合物を用いることが好ましい。重合反応の初期は常圧下で、反応温度は150℃以上、好ましくは200℃以上、特に好ましくは240℃以上とし、反応の進行とともに昇温するのが好ましい。この場合の上限は350℃、好ましくは320℃程度である。この常圧反応の際には、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下とすることが好ましい。220℃以上320℃以下、好ましくは240℃以上300℃以下とした後減圧することが好ましい。重合反応の反応時間は固有粘度が0.30dL/g以上に達するに足る時間であればよく、またこの時間は反応条件によっても異なるが、30分〜10時間程度である。なお、この工程1における反応槽は縦型反応槽、横型反応槽のいずれであっても構わず、その他通常のポリエステルの製造工程で用いられる製造設備を使用することができる。
本発明の工程1の製造方法において、共重合ポリエステルの固有粘度は後述する重合促進剤を添加することなく力学的強度などの物性が十分な程度にまで上昇させることができることが好ましい。しかし、溶融粘度が非常に上がることによって反応時間を要したり、加えられる熱によって共重合ポリエステルの分解反応も進行するなどして、共重合ポリエステルの透明性などの物性に悪影響を及ぼすことがある。そこで我々は後述の重合促進剤を使用することによって、短時間で且つ透明性などの物性に悪影響を及ぼすことなく重合促進剤添加前よりも高い固有粘度の共重合ポリエステルを製造する方法を見出すに至った。
従来技術においては、芳香族ジカルボン酸と脂肪族および脂環族ジオールとを溶融状態で反応させる工程1のみにより製造されていたが、本発明の共重合ポリエステルの製造方法においては、工程1で反応した共重合ポリエステルと重合促進剤との反応で共重合ポリエステルの分子量を増大させることが大きな特徴となっている。該対応により、従来技術で得られていた共重合ポリエステルの抱えていた特性が大幅に改善され高品質な共重合ポリエステルを経済的に、かつ効率的に安定して製造できるようになった。なお、この工程1の反応と工程2の反応は同一槽内にて実施することが好ましい。別の反応槽に移送している間に共重合ポリエステルが熱劣化し、上記の物性らが低下することを抑制でき、また低コストで製造できる可能性があるからである。
また本発明の共重合ポリエステルの製造方法において、工程2の共重合ポリエステルと重合促進剤との反応は工程1における溶融重合反応時の温度範囲内で行うことが好ましい。更に好ましくは、重合促進剤との反応により生成する低分子化合物を除去するために減圧下で反応を行うことである。
本発明により得られる工程2終了後の共重合ポリエステルの固有粘度は機械的強度、成形性の点から0.60〜0.80dL/gが好ましい。固有粘度が0.60dL/g未満では機械的強度に劣り、0.80dL/gを超える場合には流動性が低下して成形加工性に劣るので好ましくない。またガラス転移温度は110℃以上であることが好ましく、より好ましくは120℃以上である。十分な固有粘度値と上記式(I)で表される化合物の共重合率によって、このガラス転移温度の値の範囲を達成することができる。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法における重合促進剤としては、例えばジフェニルカーボネート、2,6−ジフェニルナフタレートが挙げられる。ジフェニルカーボネートに替えて、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネートなどのカーボネート化合物を用いてもよいが、ジフェニルカーボネートが最も好ましい。ジフェニルカーボネートの添加量は工程1で得られた共重合ポリエステルに対して5.0重量%以上が好ましく、40.0重量%以下が最も好適である。添加量が5.0重量%以下であれば規定の固有粘度まで上げることが難しく、40.0重量%を超えて添加すると溶融重合時の粘度が高くなり過ぎてしまい好ましくない。より好ましい範囲は7.0〜39.0重量%であり、更に好ましくは10.0〜37.0重量%である。
本発明により得られる共重合ポリエステルのアセトアルデヒド量は3.0ppm以下が好ましい。3.0ppmを超える場合には、内容物の風味が低下するので好ましくない。尚、アセトアルデヒド量をこの値の範囲にするためには、共重合ポリエステルを製造する際に上記式(I)で表される化合物の共重合率を共重合ポリエステルを構成する全ジオール成分中90モル%以上にし、あかつ固有粘度が0.60〜0.80dL/g、ガラス転移温度が110℃以上である共重合ポリエステルとすることにより達成することができる。より好ましくは、上記式(II)で表されるジフェニルカーボネートを添加するにより固有粘度を添加前より上昇させ0.60〜0.80dL/gの間に調整することによってこのアセトアルデヒド含有量の値の範囲を達成することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。実施例中、「部」は質量部、「%」は質量%を意味する。なお、得られた共重合ポリエステルの諸物性の測定は以下の方法により実施した。
1)固有粘度(IV)測定
常法に従って、溶媒であるオルトクロロフェノール中、35℃で測定した。
2)共重合率の算出
本発明により得られた共重ポリエステル中の共重合率は、日本電子製JEOLA−600を用いて600MHzのH−NMRスペクトルを測定し、上記式(I)に帰属するメチレン基のピーク面積をA、エチレングリコール中のメチレン基のピーク面積をBとすると、式(I)の共重合率は、A/(A+B)×100で算出した。エチレングリコールの共重合率は、B/(A+B)×100で算出した。
3)ガラス転移温度測定
25℃で24時間減圧乾燥した共重合ポリエステル試料を示差走査型熱量計(DSC)を用いて昇温速度10℃/分で昇温しながら測定した。測定試料はアルミニウム製パン(TA Instruments社製)に約10mg計量し、窒素雰囲気下で測定した。
4)アセトアルデヒド含有量測定
本発明により得られた共重合ポリエステル試料を冷凍粉砕しバイアル瓶に仕込み、150℃×60分保持し、株式会社パーキンエルマージャパン製ヘッドスペースガスクロマトグラフィーでアセトアルデヒド(AA)含有量を測定した。
参考例1]
2価芳香族ジカルボン酸として、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルを22.5部、2価ジオールとしてエチレングリコールを5.7部、さらには共重合成分として、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールを20.0部、重合触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを2価ジカルボン酸のモル数に対して総量として5ミリモル%加え、反応温度が200℃以上となるように昇温しながら60分間エステル交換反応を行った。ついで、熱安定剤としてホスホノ酢酸トリエチル(以下、TEPAと称することがある)を2価芳香族ジカルボン酸のモル数に対して総量として20ミリモル%を加えて重縮合反応槽に移して重縮合反応を開始した。
重縮合反応は常圧から0.13kPa(1Torr)まで40分掛けて徐々に減圧し、同時に所定の反応温度290℃まで昇温し、以降は所定の重合温度、0.13kPa(1Torr)の状態を維持して30分間重縮合反応を行った。重縮合反応開始から180分間が経過した時点での固有粘度は0.421dL/gであった。得られた共重合ポリエステル33.0部に対しジフェニルカーボネートを7.0加えてさらに20分間反応した後に重縮合反応を終了して共重合ポリエステルを抜き出し、固有粘度、ガラス転移温度、アセトアルデヒド含有量を測定し、その結果を表1と表2に示した。
[実施例2]
2価芳香族ジカルボン酸として、テレフタル酸ジメチルエステルを20.0部、2価ジオールとしてエチレングリコールを6.4部、さらには共重合成分として、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールを22.0部、重合触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを2価ジカルボン酸のモル数に対して総量として5ミリモル%加え、反応温度が200℃以上となるように昇温しながら60分間エステル交換反応を行った。ついで、熱安定剤としてホスホノ酢酸トリエチル(以下、TEPAと称することがある)を2価芳香族ジカルボン酸のモル数に対して総量として20ミリモル%を加えて重縮合反応槽に移して重縮合反応を開始した。
重縮合反応は常圧から0.13kPa(1Torr)まで40分掛けて徐々に減圧し、同時に所定の反応温度270℃まで昇温し、以降は所定の重合温度、0.13kPa(1Torr)の状態を維持して30分間重縮合反応を行った。重縮合反応開始から180分間が経過した時点での固有粘度は0.10dL/g以下であった。得られた共重合ポリエステル33.0部に対しジフェニルカーボネートを12.0加えてさらに20分間反応した後に重縮合反応を終了して共重合ポリエステルを抜き出し、固有粘度、ガラス転移温度、アセトアルデヒド含有量を測定し、その結果を表1と表2に示した。
[比較例1]
2価芳香族ジカルボン酸成分として、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルを35.0部、2価ジオールとしてエチレングリコールを17.8部、重合触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを2価ジカルボン酸のモル数に対して総量として5ミリモル%加え、反応温度が200℃以上となるように昇温しながら60分間エステル交換反応を行った。ついで、熱安定剤としてホスホノ酢酸トリエチル(以下、TEPAと称することがある)を2価ジカルボン酸のモル数に対して総量として20ミリモル%加えて重縮合反応槽に移して重縮合反応を開始した。
重縮合反応は常圧から0.13kPa(1Torr)まで40分掛けて徐々に減圧し、同時に所定の反応温度295℃まで昇温し、以降は所定の重合温度、0.13kPa(1Torr)の状態を維持して30分間重縮合反応を行った。
重縮合反応開始から70分間が経過した時点で重縮合反応を終了してストランド型のチップとした。得られたプレポリマーの固有粘度は0.52dL/gであった。更に、常法によりこのプレポリマーを固相重合し、得られたペレットの固有粘度、ガラス転移温度、アセトアルデヒド含有量を測定し、その結果を表1と表2に示した。
[比較例2]
2価芳香族ジカルボン酸として、テレフタル酸ジメチルエステルを35.0部、2価ジオールとしてエチレングリコールを22.4部に変更した以外は比較例1と同様にしてポリエチレンテレフタレートを得た。得られたポリマーの固有粘度、ガラス転移温度、アセトアルデヒド含有量を測定し、その結果を表1と表2に示した。
Figure 0005886083
Figure 0005886083
本発明により得られた共重合ポリエステルは耐熱透明性に優れており、押出成形や射出成形にも優れ、さらには成形品からの悪臭、異臭、内容物の風味の変質の原因となるアセトアルデヒド含有量が低減されることが大きな特徴となっている。このような事項が達成できることは産業上の意義が極めて大きい。

Claims (5)

  1. 芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸の誘導体と、記式(I)で示される脂環族ジオールを原料とし、記式(I)で示される脂環族ジオールが全ジオール成分中90モル%以上共重合され、固有粘度が0.60〜0.80dL/g以下であり、エチレンテレフタレート単位を含有する共重合ポリエステルであって、ガラス転移温度が110℃以上である共重合ポリエステルの製造方法において、少なくとも下記の工程を含んでなり、前記共重合ポリエステル中に下記式(III)で表されるリン化合物を、前記共重合ポリエステルを構成する2価のカルボン酸に対して10〜200mmоl%含有することを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法。
    Figure 0005886083
    工程1:前記芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸の誘導体と、エチレングリコールおよび前記式(I)で示される脂環族ジオールとを溶融状態で反応させ、共重合ポリエステルを得る工程
    工程2:前記工程1で製造した共重合ポリエステルと下記式(II)で示される重合促進剤との反応で、共重合ポリエステルの固有粘度を重合促進剤との反応前の固有粘度より増加させる工程
    Figure 0005886083
    Figure 0005886083
    [上記式中、R 、R およびR は、同一または異なって炭素数原子数1〜4のアルキル基を示し、Xは、−CH −または―CH(Y)−を示す(Yは、ベンゼン環を示す)。]
  2. 前記工程1と前記工程2を同一反応槽内で行なうことを特徴とする請求項に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  3. 前記重合促進剤の添加量が工程1で得られた共重合ポリエステルに対して5.0重量%以上40.0重量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  4. 重合触媒としてチタン化合物を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  5. 共重合ポリエステル中のチタン原子含有量が60ppm以下であることを特徴とする請求項4に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
JP2012045330A 2012-03-01 2012-03-01 成形品のアセトアルデヒド含有量が少ない共重合ポリエステルの製造方法 Expired - Fee Related JP5886083B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012045330A JP5886083B2 (ja) 2012-03-01 2012-03-01 成形品のアセトアルデヒド含有量が少ない共重合ポリエステルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012045330A JP5886083B2 (ja) 2012-03-01 2012-03-01 成形品のアセトアルデヒド含有量が少ない共重合ポリエステルの製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2013181092A JP2013181092A (ja) 2013-09-12
JP2013181092A5 JP2013181092A5 (ja) 2015-01-29
JP5886083B2 true JP5886083B2 (ja) 2016-03-16

Family

ID=49271991

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012045330A Expired - Fee Related JP5886083B2 (ja) 2012-03-01 2012-03-01 成形品のアセトアルデヒド含有量が少ない共重合ポリエステルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5886083B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI745107B (zh) * 2020-09-29 2021-11-01 長春人造樹脂廠股份有限公司 聚碳酸酯聚酯
CN115093551B (zh) * 2022-08-23 2022-11-29 宁波长阳科技股份有限公司 一种共聚酯、聚酯薄膜及其制备方法与应用

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3365450B2 (ja) * 1994-08-18 2003-01-14 三菱化学株式会社 高重合度ポリエステルの製造方法
JP3484819B2 (ja) * 1995-05-12 2004-01-06 三菱瓦斯化学株式会社 生分解性脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法
JP2003119259A (ja) * 2001-10-12 2003-04-23 Nippon Ester Co Ltd ポリエステル樹脂
JP5549268B2 (ja) * 2009-07-28 2014-07-16 東レ株式会社 結晶性ポリエステル樹脂の製造方法
JP2011190349A (ja) * 2010-03-15 2011-09-29 Unitika Ltd 可溶性共重合ポリエステル樹脂
JP5650581B2 (ja) * 2011-04-27 2015-01-07 帝人株式会社 共重合ポリエステルの製造方法および共重合ポリエステル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013181092A (ja) 2013-09-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100217955B1 (ko) 공중합 폴리에스테르 및 이것으로 이루어진 중공 용기 및 연신필름
TWI313275B (en) High iv melt phase polyester polymer catalyzed with antimony containing compounds
JP2000504770A (ja) 中性色相、高透明度及び増加した明るさを示す、テレフタル酸、エチレングリコール及び1,4―シクロヘキサンジメタノールのコポリエステルの製造方法
JP3717392B2 (ja) ポリエステル樹脂
TW201731908A (zh) 聚酯樹脂、聚酯樹脂製備方法以及其所製備之樹脂模造物件
JP5598162B2 (ja) 共重合ポリエステル製成形体
NL1040265C2 (en) SEMI-CRYSTALLINE POLYESTER.
JP6251065B2 (ja) 共重合ポリエステルおよびその製造方法
JP3685042B2 (ja) ポリエステル樹脂の製造方法
JP3679264B2 (ja) ポリエステル樹脂の製造方法
JP5886083B2 (ja) 成形品のアセトアルデヒド含有量が少ない共重合ポリエステルの製造方法
JP4003595B2 (ja) 脂肪族或いは脂環式ポリエステル及びその製造方法
JP7033553B2 (ja) ポリエステル、その製造方法及びそれからなる成形品
JP3331719B2 (ja) ダイレクトブローボトル用共重合ポリエステル
JP5650581B2 (ja) 共重合ポリエステルの製造方法および共重合ポリエステル
JP5918063B2 (ja) 共重合芳香族ポリエステルの製造方法
JP5956148B2 (ja) 共重合芳香族ポリエステルの製造方法
JP2015147830A (ja) 全脂環族ポリエステルおよびその製造方法
JP4618246B2 (ja) ポリエステル樹脂
JP5251789B2 (ja) 共重合ポリエステル
JP7435842B1 (ja) ケミカルリサイクルポリエチレンテレフタレート樹脂及びその成形体
JP2012162648A (ja) 共重合芳香族ポリエステル
JP3770792B2 (ja) ポリエステル樹脂の製造方法及びそれより得られるポリエステル樹脂
JP7494450B2 (ja) ポリエステル
JP6034084B2 (ja) 溶融成形時の分子量低下が低い共重合芳香族ポリエステルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141205

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151027

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160119

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5886083

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees