JP6034084B2 - 溶融成形時の分子量低下が低い共重合芳香族ポリエステルの製造方法 - Google Patents
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工程1:芳香族ジカルボン酸またはその誘導体と、脂肪族ジオールおよび下記式(I)で示される芳香族ジオールとをカルシウム化合物および/またはマグネシウム化合物であるエステル交換反応触媒を使用し0.05MPa以上の加圧下でエステル交換反応させる工程
工程2:工程1で製造した反応物をリン化合物とゲルマニウム化合物を使用して重縮合させる工程
工程1:芳香族ジカルボン酸またはその誘導体と、脂肪族ジオールおよび下記式(I)で示される芳香族ジオールとをエステル交換反応触媒を使用し0.05MPa以上の加圧下でエステル交換反応させる工程
工程2:工程1で製造した反応物をリン化合物とゲルマニウム化合物を使用して重縮合させる工程
常法に従って、溶媒であるオルトクロロフェノール中、35℃で測定した。
25℃で24時間減圧乾燥した共重合芳香族ポリエステルを示差走査型熱量計(DSC)を用いて昇温速度10℃/分で昇温しながら測定した。測定試料はアルミニウム製パン(TA Instruments社製)に約10mg計量し、窒素雰囲気下で測定した。
本発明の製造方法により得られた共重合芳香族ポリエステル中の共重合率は、日本電子製JEOLA−600を用いて600MHzの1H−NMRスペクトルを測定し、上記式(I)に帰属するメチレン基のピーク面積をA、エチレングリコール中のメチレン基のピーク面積をB、ジエチレングリコール中のメチレン基のピーク面積をCとすると、上記式(I)芳香族ジオールの共重合率は、A/(A+2B+C)×100で算出できる。エチレングリコールの共重合率は、2B/(A+2B+C)×100で算出し、残りのジオール成分であると考えられるジエチレングリコールの共重合率は、100%からそれらの成分の共重合率を差し引いて算出した。
共重合芳香族ポリエステルをベンジルアルコールに溶解して、0.1N−NaOHにて滴定した値であり、1×106g当たりのカルボキシル当量である。
共重合芳香族ポリエステルの流動性の指標としてメルトボリュームレート(MVR)を測定した。得られたペレットをISO 1133の規格に従い測定を行った。MVRの値が大きいほど流動性が良好で成形しやすく、逆にMVRの値が小さいほど流動性が悪く成形しにくいことを示す。
本発明により得られた共重合芳香族ポリエステルをISO 75の方法に従い測定を行った。
プレッシャークッカー槽と呼ばれる試験槽を使用して、成形品をその試験槽の中にて110℃×100時間処理し、その前後のIVを測定し、その保持率を算出した。
IV保持率(%)=(処理後のIV)/(処理前のIV)×100
IV保持率が95%以上のものを耐加水分解性良好と判断し○と、90%以上95%未満のものを耐加水分解性がやや良好と判断し△と、90%未満のものを耐加水分解性不良と判断し×を付与した。
実施例2〜3および5〜6、参考例1および4、比較例1〜5で得られた共重合芳香族ポリエステルはシリンダ温度265℃、金型温度70℃に設定し、比較例6〜7で得られたポリエチレンナフタレートはシリンダ温度300℃、金型温度80℃で溶融させ射出成形した。本条件で成形した成形品のIVを測定し下記式を用いてΔIVを算出した。
ΔIV=(チップのIV)−(成形品のIV)
共重合ポリエステルの成形品から蛍光X線(理学製、Rataflex RU200)で定法により測定した。
2価ジカルボン酸として、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルを60重量部、2価ジオールとしてエチレングリコールを22重量部、さらには共重合成分として、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホンを50重量部、エステル交換反応触媒として酢酸カルシウム一水塩を2価ジカルボン酸のモル数に対して総量として20ミリモル%、酢酸マグネシウム四水塩を2価ジカルボン酸のモル数に対して総量として50ミリモル%加え、0.08MPaの加圧下で反応温度が245℃となるように昇温しながらエステル交換反応を行った。反応温度が245℃になった時点で10分かけてエステル交換反応槽内を常圧に戻しさらに40分間反応を保持した。40分後に非晶性二酸化ゲルマニウムを2価ジカルボン酸のモル数に対して総量として60ミリモル%加え、さらに15分後にトリメチルホスフェートを2価ジカルボン酸のモル数に対して総量として70ミリモル%加えて反応させた。反応温度が250℃に到達した時点で反応生成物を重縮合反応槽へ移して重縮合反応を開始した。
重縮合反応は常圧から0.133kPa(1Torr)まで50分掛けて徐々に減圧し、同時に所定の反応温度295まで昇温し、以降は所定の重合温度、0.133kPa(1Torr)の状態を維持して30分間重縮合反応を行った。重縮合反応開始から180分間が経過した時点で重縮合反応を終了して共重合ポリエチレンナフタレートを抜き出した。得られた共重合ポリエチレンナフタレートの固有粘度、ガラス転移温度、末端カルボキシル基濃度、共重合率、含有されているリン元素濃度・ゲルマニウム元素濃度を測定し、さらには流動性、成形品の固有粘度、荷重たわみ温度を測定し、その結果を表1に示した。なお測定の結果、共重合ポリエチレンナフタレート中のリン元素濃度、ゲルマニウム元素濃度はカルボン酸に対してそれぞれ70ミリモル%、60ミリモル%であった。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルを56重量部、エチレングリコールを20重量部、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホンを54重量部に変更した以外は参考例1と同様にして共重合ポリエチレンナフタレートを得た。得られた共重合ポリエチレンナフタレートの固有粘度、ガラス転移温度、末端カルボキシル基濃度、共重合率、含有されているリン元素濃度・ゲルマニウム元素濃度を測定し、さらには流動性、成形品の固有粘度、荷重たわみ温度、耐加水分解性を評価し、その結果を表1に示した。なお測定の結果、共重合ポリエチレンナフタレート中のリン元素濃度、ゲルマニウム元素濃度はカルボン酸に対してそれぞれ69ミリモル%、58ミリモル%であった。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルを53重量部、エチレングリコールを17重量部、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホンを59重量部に変更した以外は参考例1と同様にして共重合ポリエチレンナフタレートを得た。得られた共重合ポリエチレンナフタレートの固有粘度、ガラス転移温度、末端カルボキシル基濃度、共重合率、含有されているリン元素濃度・ゲルマニウム元素濃度を測定し、さらには流動性、成形品の固有粘度、荷重たわみ温度、耐加水分解性を評価し、その結果を表1に示した。なお測定の結果、共重合ポリエチレンナフタレート中のリン元素濃度、ゲルマニウム元素濃度はカルボン酸に対してそれぞれ72ミリモル%、59ミリモル%であった。
リン化合物をホスホノ酢酸トリエチルに変更した以外は参考例1と同様にして共重合ポリエチレンナフタレートを得た。得られた共重合ポリエチレンナフタレートの固有粘度、ガラス転移温度、末端カルボキシル基濃度、共重合率、含有されているリン元素濃度・ゲルマニウム元素濃度を測定し、さらには流動性、成形品の固有粘度、荷重たわみ温度、耐加水分解性を評価し、その結果を表1に示した。なお測定の結果、共重合ポリエチレンナフタレート中のリン元素濃度、ゲルマニウム元素濃度はカルボン酸に対してそれぞれ70ミリモル%、61ミリモル%であった。
リン化合物をホスホノ酢酸トリエチルに変更した以外は実施例2と同様にして共重合ポリエチレンナフタレートを得た。得られた共重合ポリエチレンナフタレートの固有粘度、ガラス転移温度、末端カルボキシル基、共重合率、含有されているリン元素濃度・ゲルマニウム元素濃度を測定し、更には流動性、成形品の固有粘度、荷重たわみ温度、耐加水分解性を評価し、その結果を表1に示した。なお測定の結果、共重合ポリエチレンナフタレート中のリン元素濃度、ゲルマニウム元素濃度はカルボン酸に対してそれぞれ71ミリモル%、62ミリモル%であった。
リン化合物をホスホノ酢酸トリエチルに変更した以外は実施例3と同様にして共重合ポリエチレンナフタレートを得た。得られた共重合ポリエチレンナフタレートの固有粘度、ガラス転移温度、末端カルボキシル基、共重合率、含有されているリン元素濃度・ゲルマニウム元素濃度を測定し、更には流動性、成形品の固有粘度、荷重たわみ温度、耐加水分解性を評価し、その結果を表1に示した。なお測定の結果、共重合ポリエチレンナフタレート中のリン元素濃度、ゲルマニウム元素濃度はカルボン酸に対してそれぞれ69ミリモル%、60ミリモル%であった。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルを63重量部、エチレングリコールを44重量部、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホンを45.5重量部に変更した以外は参考例1と同様にして共重合ポリエチレンナフタレートを得た。得られた共重合ポリエチレンナフタレートの固有粘度、ガラス転移温度、末端カルボキシル基、共重合率、含有されているリン元素濃度・ゲルマニウム元素濃度を測定し、更には流動性、成形品の固有粘度、荷重たわみ温度、耐加水分解性を評価し、その結果を表1に示した。なお測定の結果、共重合ポリエチレンナフタレート中のリン元素濃度、ゲルマニウム元素濃度はカルボン酸に対してそれぞれ68ミリモル%、59ミリモル%であった。
リン化合物をホスホノ酢酸トリエチルに変更した以外は比較例1と同様にして共重合ポリエチレンナフタレートを得た。得られた共重合ポリエチレンナフタレートの固有粘度、ガラス転移温度、末端カルボキシル基、共重合率、含有されているリン元素濃度・ゲルマニウム元素濃度を測定し、更には流動性、成形品の固有粘度、荷重たわみ温度、耐加水分解性を評価し、その結果を表1に示した。なお測定の結果、共重合ポリエチレンナフタレート中のリン元素濃度、ゲルマニウム元素濃度はカルボン酸に対してそれぞれ69ミリモル%、61ミリモル%であった。
2価ジカルボン酸として、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルを60重量部、2価ジオールとしてエチレングリコールを22重量部、さらには共重合成分として、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホンを50重量部、エステル交換反応触媒として酢酸カルシウムと酢酸マグネシウムを2価ジカルボン酸のモル数に対して総量としてそれぞれ20、70ミリモル%加え、反応温度が220℃となるように昇温しながら常圧にてエステル交換反応を行った。反応温度が220℃になった時点から40分間反応を保持し、40分後に二酸化ゲルマニウムを2価ジカルボン酸のモル数に対して総量として60ミリモル%加え、さらに15分後にトリメチルホスフェートを2価ジカルボン酸のモル数に対して総量として70ミリモル%加えて反応させた。反応温度が240℃に到達した時点で反応生成物を重縮合反応槽へ移して重縮合反応を開始した。
重縮合反応は常圧から0.133kPa(1Torr)まで50分掛けて徐々に減圧し、同時に所定の反応温度295まで昇温し、以降は所定の重合温度、0.133kPa(1Torr)の状態を維持して30分間重縮合反応を行った。重縮合反応開始から180分間が経過した時点で重縮合反応を終了して共重合ポリエチレンナフタレートを抜き出し、固有粘度、ガラス転移温度、末端カルボキシル基濃度、共重合率、含有されているリン元素濃度・ゲルマニウム元素濃度を測定し、さらには流動性、成形品の固有粘度、荷重たわみ温度、耐加水分解性を評価し、その結果を表1に示した。なお測定の結果、共重合ポリエチレンナフタレート中のリン元素濃度、ゲルマニウム元素濃度はカルボン酸に対してそれぞれ70ミリモル%、60ミリモル%であった。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルを56重量部、エチレングリコールを20重量部、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホンを54重量部に変更した以外は比較例3と同様にして共重合ポリエチレンナフタレートを得た。得られた共重合ポリエチレンナフタレートの固有粘度、ガラス転移温度、末端カルボキシル基濃度、共重合率、含有されているリン元素濃度・ゲルマニウム元素濃度を測定し、さらには流動性、成形品の固有粘度、荷重たわみ温度、耐加水分解性を評価し、その結果を表1に示した。なお測定の結果、共重合ポリエチレンナフタレート中のリン元素濃度、ゲルマニウム元素濃度はカルボン酸に対してそれぞれ71ミリモル%、58ミリモル%であった。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルを53重量部、エチレングリコールを17重量部、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホンを59重量部に変更した以外は比較例3と同様にして共重合ポリエチレンナフタレートを得た。得られた共重合ポリエチレンナフタレートの固有粘度、ガラス転移温度、末端カルボキシル基濃度、共重合率、含有されているリン元素濃度・ゲルマニウム元素濃度を測定し、さらには流動性、成形品の固有粘度、荷重たわみ温度、耐加水分解性を評価し、その結果を表1に示した。なお測定の結果、共重合ポリエチレンナフタレート中のリン元素濃度、ゲルマニウム元素濃度はカルボン酸に対してそれぞれ68ミリモル%、60ミリモル%であった。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100重量部とエチレングリコール49重量部とを酢酸コバルト四水塩を2価ジカルボン酸のモル数に対して総量として3ミリモル%、酢酸カルシウム一水塩を2価ジカルボン酸のモル数に対して総量として20ミリモル%および酢酸マグネシウム四水塩を2価ジカルボン酸のモル数に対して総量として50ミリモル%をエステル交換触媒として用い、常圧反応によりエステル交換反応させ、非晶性二酸化ゲルマニウムを2価ジカルボン酸のモル数に対して総量として35ミリモル%添加したのち、トリメチルホスフェートを2価ジカルボン酸のモル数に対して総量として100ミリモル%添加し、エステル交換反応を終了せしめた。次に引き続き常法通り高温高真空下で70分間重縮合反応を行い、その後ストランド型のチップとした。得られたポリマーの固有粘度、ガラス転移温度、末端カルボキシル基濃度、共重合率、含有されているリン元素濃度・ゲルマニウム元素濃度を測定し、さらには流動性、成形品の固有粘度、荷重たわみ温度、耐加水分解性を評価し、その結果を表1に示した。なお測定の結果、共重合ポリエチレンナフタレート中のリン元素濃度、ゲルマニウム元素濃度はカルボン酸に対してそれぞれ100ミリモル%、35ミリモル%であった。
比較例6で得られたチップを196℃で15時間固相重合した。得られたポリマーの固有粘度、ガラス転移温度、末端カルボキシル基濃度、共重合率、含有されているリン元素濃度・ゲルマニウム元素濃度を測定し、さらには流動性、成形品の固有粘度、荷重たわみ温度、耐加水分解性を評価し、その結果を表1に示した。なお測定の結果、共重合ポリエチレンナフタレート中のリン元素濃度、ゲルマニウム元素濃度はカルボン酸に対してそれぞれ100ミリモル%、35ミリモル%であった。
Claims (2)
- 芳香族ジカルボン酸またはその誘導体と、脂肪族ジオールおよび下記式(I)で示される芳香族ジオールを原料として用い、該下記式(I)で示される芳香族ジオールを全ジオール成分に対して65〜99.9モル%共重合させた、固有粘度が0.50〜0.65dL/gである共重合芳香族ポリエステルの製造方法において、少なくとも下記の工程を含んでなることを特徴とする共重合芳香族ポリエステルの製造方法。
工程1:芳香族ジカルボン酸またはその誘導体と、脂肪族ジオールおよび下記式(I)で示される芳香族ジオールとをカルシウム化合物および/またはマグネシウム化合物であるエステル交換反応触媒を使用し0.05MPa以上の加圧下でエステル交換反応させる工程
工程2:工程1で製造した反応物をリン化合物とゲルマニウム化合物を使用して重縮合させる工程
- 前記工程2の終了後において、該リン化合物に由来するリン元素が該共重合芳香族ポリエステルを構成する全てのジカルボン酸成分に対して10〜150mmol%含有し、該ゲルマニウム化合物に由来するゲルマニウム元素が該共重合芳香族ポリエステルを構成する全てのジカルボン酸成分に対して30〜100mmol%含有することを特徴とする請求項1に記載の共重合芳香族ポリエステルの製造方法。
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