JP4706808B2 - 脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、生分解性を有する高分子量の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造法に関し、詳しくは、成形加工時の熱安定性に優れ、フィルム、シート、フィラメント、射出、発泡など各種の成形に適する生分解性を有する高分子量脂肪族ポリエステルカーボネートの簡便な製造法に関する。
【0002】
本発明に係る脂肪族ポリエステルカーボネートは、流動性、射出成形性に優れ、フィルム、シート、フィラメントあるいは繊維などの成形品を得るのに好適であり、得られる成形品は十分な機械的強度を有すると共に、土中または活性汚泥処理により高い生分解性を示し、包装材料やその他の成形体に広く利用できる。
たとえば、農業分野では土壌表面を被覆して土壌の保温を行うマルチフィルム、植木用の鉢や紐、または肥料のコーティング材料などに利用でき、あるいは漁業分野では釣糸、魚網に、さらには医療分野の医療用材料、生理用品などの衛生材料として利用できる。
【0003】
【従来の技術】
近年、地球的規模での環境問題に対して、自然環境の中で分解する高分子素材の開発が要望されるようになり、その中でも特に微生物によって分解されるプラスチックは、環境適合性材料や新しいタイプの機能性材料として大きな期待が寄せられている。
【0004】
従来より、脂肪族ポリエステルカーボネートに生分解性があることはよく知られており、その中でも特に、コハク酸を主原料とする脂肪族2塩基酸と脂肪族ジヒドロキシ化合物から得られる脂肪族ポリエステカーボネートが成型性および物性が良好であることから注目されている。
【0005】
しかしながら、コハク酸を主原料とした脂肪族ポリエステルカーボネートはコハク酸の製造プロセスが煩雑であり、製造コストが高く普及の妨げとなっている。
【0006】
一方、製造面では、コハク酸およびグリコールからの脱水重縮合による製造の場合、コハク酸1モルから2モルの水が生成し、その除去のため、反応時間の長期化、エネルギーのロスが問題となっており無水コハク酸からの製造が期待されている。しかし、通常コハク酸は、無水マレイン酸の水素添加により製造されているが、工業的には水溶媒中での水素添加となり無水物での単離は難しい。
【0007】
無水マレイン酸を原料とした脂肪族ポリエステルカーボネートの製造は、従来、無水マレイン酸を水中で水素添加し、次いで結晶化、濾過、洗浄、乾燥という工程を経てコハク酸を生成した後、該コハク酸とグリコールと重縮合を行い大量の水の留去を行いエステル化を行うプロセスで行われており、極めて煩雑でありその簡便化が求められていた。また、無水マレイン酸の水中での水添反応の場合、副反応として不飽和結合に水1分子が付加しリンゴ酸を生じ、リンゴ酸の量が多い場合は、ポリマー化した場合にゲルの発生等の問題が発生する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、無水マレイン酸とグリコールを原料として、反応時間が短く、反応工程が簡略化され、且つ、エネルギーロスの少ない、実用上十分な成型性および物性を有する脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法を提供することにある。
【0009】
さらに、本発明の目的は、無水マレイン酸の副反応による3官能以上の化合物の生成およびグリコールの副反応による環化を抑えた脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法を提供することにある。
【0010】
【問題点を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、無水マレイン酸とグリコールを混合し特定条件で水素添加反応を行うことにより、副反応を低く制御し、水素添加反応後の精製プロセスを省略することが可能で、更にエステル交換反応も同時に進行できることを見出し本発明に至った。
【0011】
すなわち本発明は、水素添加触媒存在下、無水マレイン酸と炭素数2〜20のグリコールと水素とを反応させて得られた反応生成物を、エステル交換触媒存在下に重縮合させて数平均分子量200〜5,000の脂肪族ポリエステルオリゴマーを得、次いで該脂肪族ポリエステルオリゴマーと、ジ炭酸エステルを反応させることを特徴とする重量平均分子量100,000以上の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法に関する。
【0012】
本発明による脂肪族ポリエステルカーボネートの製造は、無水マレイン酸とグリコール化合物を水素添加と同時にエステル交換する第1工程、得られた反応生成物を重縮合し脂肪族ポリエステルオリゴマーとする第2工程、および脂肪族ポリエステルオリゴマーとジ炭酸エステルとを反応させる第3工程より構成される。
【0013】
本発明の、第1工程はバッチ式でも流通式でも実施が可能である。
【0014】
バッチ式で行う場合は、水素添加触媒存在下に無水マレイン酸1モルに対して、炭素数2から20のグリコール1〜4モルの比率の混合物を、60度〜250度の温度範囲で1〜100kg/cm2 の水素圧力下に流通させて、水素添加と初期重合を同時に行い反応生成物を得、その後触媒を分離し、次いでエステル交換触媒存在下に重縮合反応を行い脂肪族ポリエステルカーボネートを製造する。
【0015】
流通式で行う場合は、固定床水素添加触媒存在下に無水マレイン酸1モルに対して、炭素数2から20のグリコール1〜4モルの比率の混合物を、60度〜250度の温度範囲で1〜100kg/cm2 の水素圧力下に流通させて、水素添加と初期重合を同時に行い反応生成物を得、その後、エステル交換触媒存在下に重縮合反応を行い脂肪族ポリエステルカーボネートを製造する。
【0016】
以下、一例としてバッチ式について詳細を説明する。
【0017】
第1工程は、無水マレイン酸1モルに対して1〜4倍モルのグリコールを混合し、水素添加触媒の存在下、温度60〜250℃、好ましくは80〜170℃、水素圧力1〜100kg/cm2 、好ましくは5〜50kg/cm2 にて攪拌し、水素添加と同時にオリゴマー化して反応生成物(以下、脂肪族オリゴエステルと称する)を得る工程である。
【0018】
必要により副生する水およびグリコールの環化物等を系外に除去する。この第1工程において生成する脂肪族オリゴエステルの分子量は、条件により多少異なり数平均分子量(Mn)で200〜5,000程度となり、脂肪族オリゴエステル中の、グリコールの脱水環化反応による副生成物の含有量が仕込みグリコールに対してモル比で10%未満である。反応温度が170℃以上の場合は、3官能以上の副成物の生成量が多くなり、最終ポリマー中のゲルの含有量が著しく増加する。 また、ここで用いるグリコールは、無水グリコール1モルに対し好ましくは1〜2倍モル程度であるが、発熱量が大きいときには、グリコールを増加することができる。事前に無水マレイン酸とグリコールを重縮合させた後に水素添加触媒存在下に水素添加を行うと、グリコールの環化による副反応が増加するので好ましく無い。
【0019】
さらに、本第1工程を、炭素担体の触媒で行うと、第3工程での反応速度を著しく向上させることができる。炭素以外の担体を使用し、最終工程での反応速度を向上させたい場合は、別途、活性炭等の炭素を水添反応中もしくは終了後に添加することにより同様の効果が得られる。
【0020】
本工程で、使用する水素添加触媒は、Pd、Pd化合物、白金、白金化合物、ルテニウムおよびルテニウム化合物が挙げられる。
具体的には、Pdの単体(Pd黒)、Pd炭素、Pdアルミナ、Pdシリカアルミナ、Pd硫酸バリウム、Pdゼオライト、酸化Pd、白金の単体(白金黒)、白金炭素、白金アルミナ、酸化白金、ルテニウムの単体(ルテニウム黒)、ルテニウム炭素、ルテニウムアルミナ、酸化ルテニウム等が例示される。
担体中の金属触媒の濃度については、特に限定されるものではないが、その取扱い上、10%未満のものが推奨される。触媒の添加量についても特に限定されるものではないが反応液に対し、0.1%から10%程度の範囲が推奨される。
【0021】
また、本工程で使用されるグリコールは炭素数が2から20の直鎖、分岐、脂環式構造を有する脂肪族グリコールが使用される。具体的には、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカジメタノール、ペンタシクロデカジメタノール等が例示されるが、脂肪族ポリエステルカーボネートの微生物分解性及び融点の観点から好ましくはブタンジオールである。
【0022】
本第1工程をバッチ式で行った場合の、触媒の分離方法は水分、外気に触れない状況下で、濾過、加圧濾過、遠心分離、デカンテーション等の手法で分離でき、分離した触媒は再度使用可能である。反応器にフィルターを装着して行うことも可能であるし、外部に濾過槽を設けて濾過し、触媒ケーキを次の反応液と混合しながら反応器に戻すプロセスも推奨される。
また、ペレット状の触媒を反応器内に設置した籠等に入れて反応することにより、濾過等のプロセスを省略することもできる。
【0023】
本第1工程を流通式で行う場合、ペレット状の触媒を充填したトリクルベット形式が推奨される。反応による発熱量が問題となる場合があるが、その場合は、グリコール成分を増加させることと、反応液による希釈が推奨される。また、反応器内に熱交換機を設置し除熱する事も可能である。
【0024】
第2工程は、第1工程で得られた脂肪族オリゴエステルをエステル交換触媒の存在下、重縮合を行い脂肪族ポリエステルオリゴマーを製造する工程である。重縮合反応に伴って副生する水もしくはアルコールおよび過剰のグリコールを除去する工程である。反応温度100〜280℃で最終的には減圧条件下で行われる。圧力は上記目的が達成される圧力が選ばれ、反応を促進する目的で300mmHg以下の減圧とすることが好ましい。この工程で別途グリコール、ジカルボン酸化合物およびヒドロキシカルボン酸化合物を添加し、共重合化することができる。
【0025】
脂肪族ポリエステルオリゴマーの分子量、酸価、ジヒドロキシ化合物の残存量は、未反応のジヒドロキシ化合物の留去速度と反応速度を適当にバランスさせることにより制御可能であり、仕込モル比、触媒、温度、減圧度、反応時間の条件を適宜選択して組合せる方法や、不活性気体を適当な流量で吹き込む方法も現実的である。通常は、触媒の存在下、反応温度100〜280℃で段階的に減圧度を調節することにより行うことができる。たとえば、まず常圧でエステル化を行い縮合反応によって生じた水を除去し、次いで200〜80mmHg程度の減圧度でさらに脱水縮合反応を行わせ、酸価を低減させ、最終的に、5mmHg以下の真空度とする方法が用いられる。
【0026】
過剰のジヒドロキシ化合物の留去と減圧度の増加速度を早くすることにより、反応時間の短縮およびオリゴマー中のジヒドロキシ化合物の残存量の低減化が可能である。
第2工程および第3工程で用いるエステル交換触媒はZr化合物またはHf化合物と、Y化合物、La化合物、Zn化合物およびSn化合物から選ばれる少なくとも一種からなるものであり、原料化合物100重量部に対して5×10-5〜1重量部の範囲で添加される。
【0027】
本発明で使用されるエステル交換触媒は、公知のエステル交換触媒が使用できるが、特に、ジルコニウム(Zr)化合物もしくはハフニウム(Hf)化合物と、Y化合物,La化合物,Zn化合物およびSn化合物から選ばれる1種以上との組み合わせからなる複合系が、好ましい。この複合系の触媒を使用することにより、脂肪族ポリエステルカーボネートの色調を向上させ、カルボン酸末端の量を減らし、さらに反応時間を短縮することができる。エステル交換触媒の使用量は、原料混合物100重量部に対して、5×10-5〜1重量部の範囲で用いられる。触媒として好ましい化合物の形態としては、脂肪酸塩類、水酸化物、アルコラート、フェノラート、アセチルアセトナート等種々あげられる。
【0028】
第3工程は、第2工程で得られた脂肪族ポリエステルオリゴマーとジ炭酸エステルとを反応させ、スチレン換算のGPCによる重量平均分子量(Mw)が少なくとも100,000で、融点が60〜200℃のである脂肪族ポリエステルカーボネートを製造する工程である。通常150〜280℃、好ましくは200〜220℃で行われ、反応に伴って副成するヒドロキシ化合物または水が除去される。150℃以下の温度では、十分な反応速度が得られず、280℃以上の温度では、重合反応を速く進めることができるが重合体を着色させることがあり好ましくない。反応は、必要に応じて徐々に減圧度を調節して最終的には3mmHg以下の減圧とすることが好ましい。
【0029】
本発明の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造に用いられるジ炭酸エステルの具体的な例としては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネートジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジアミルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、ジオクチルカーボネートなどを挙げることができる。上記ジ炭酸エステルの他に、2種のヒドロキシ化合物からなるジ炭酸エステルも含まれる。これらのジ炭酸エステルの中で特にジフェニルカーボネートが好ましい。ジ炭酸エステルの使用量は、脂肪族ポリエステルオリゴマーの末端水酸基に対して0.40〜0.60倍モル量用いるが、より好ましくは0.45〜0.55倍モル量であり、0.47〜0.52倍モル量が特に好ましい。
【0030】
第3工程でジ炭酸エステルを添加する際、グリコール成分を添加することにより、ブロック共重合化が可能である。添加するグリコールは第1工程で使用したグリコールと同一でも異なっても良い。
【0031】
第3工程でジ炭酸エステルと併用してジカルボン酸化合物を併用することも出来る。ジカルボン酸化合物の具体的な例としては、コハク酸、蓚酸、マロン酸、アジピン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸およびそれらの無水物、モノエステル、ジエステル類、また、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、等の芳香族カルボン酸化合物およびそれらの無水物、モノエステル、ジエステル類などを挙げることができる。特にジエステル化合物が好ましい。添加量としては、脂肪族ポリエステルオリゴマーの末端水酸基に対して0.40〜0.60倍モル量用いるが、より好ましくは0.45〜0.55倍モル量であり、0.47〜0.52倍モル量が特に好ましい。
【0032】
本発明の脂肪族ポリエステルカーボネートは、射出成形、押出成形、インフレーション法、T−ダイス法、紡糸、フィラメント成形、ブロー成形、真空圧空成形あるいは発泡成形等の通常の成形手法による成形が可能である。また、必要に応じて通常ポリマーに添加される充填材、酸化防止剤、安定剤、核剤、紫外線吸収剤、滑材、ワックス類、色剤、着色剤、含量、フィラー等の添加剤を添加することができる。
【0033】
本発明の脂肪族ポリエステルカーボネートを用いて成形品を得る際、使用されるポリマーの分子量は成形加工条件、成形品の種類により、また成形温度などにより適宜選択される。射出成形用途では特別な場合を除いてGPCで測定されるスチレン換算の重量平均分子量Mw120,000〜350,000の範囲のものが用いられる。
【0034】
また、本発明の脂肪族ポリエステルカーボネートは、溶融粘度として、2,000〜50,000ポイズである。この溶融粘度はフローテスターにより温度190℃、60kg荷重の条件で測定した溶融粘度である。溶融粘度が2,000ポイズ以下では樹脂が流れ過ぎ安定な成形ができない。50,000ポイズ以上では充分な流動性が得られず成形が困難になる。一般的には、2,000〜30,000のものが好ましい。特に、フィルム成形において均質で良質なフィルムを得るには、5,000〜30,000ポイズが好ましい。
【0035】
本発明の脂肪族ポリエステルカーボネート中の3官能以上の化合物の含有量は、仕込み無水マレイン酸に対してモル比で3%未満である。
【0036】
本発明の脂肪族ポリエステルカーボネートは融点が70〜200℃の高結晶性ポリマーであり、クロロホルム、メチレンクロライドなどには溶解するが、テトラヒドロフラン、メタノール、アセトン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ヘキサン、トルエン、キシレン、等の大部分のアルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、脂肪族および芳香族炭化水素類には溶解しない優れた耐溶解性を示す。
【0037】
また、生分解性は、分子量、カーボネート単位含有量により影響を受けるが、得られたフィルムの、25℃、60%RHの条件での土壌埋設試験を行った場合高い分子量を有するにもかかわらず、ポリマー中のカーボネート単位含有量が少なくとも5モル%以上である場合にカーボネート単位を有しない脂肪族ポリエステルに比べ、高い分解性を示す。ポリマー中のカーボネート単位含有量が7.0モル%以上である場合には、18週間で半分以上が分解し、さらに20.0モル%以上含有するものにあっては15週間で完全に消失する。これはカーボネート単位を有しない脂肪族ポリエステルに比べ5倍以上の分解性である。
【0038】
以上のごとく、本発明によれば、耐熱性、耐溶剤性と実用上の使用に十分な高分子量を有する脂肪族ポリエステルカーボネートを製造することができる。しかも、本発明者等の知見によれば、脂肪族ポリエステルカーボネートの生分解性は、カーボネート単位含有量によって高められるのであり、カーボネート単位含有量により土壌中など環境中の生分解速度を適宜選択することができる。
【0039】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。ここでは、グリコール成分として1,4−ブタンジオールを用い、ジ炭酸エステルとしてジフェニルカーボネートを使用した場合について主に例示する。
【0040】
本実施例において、分子量はクロロホルムを溶媒としてGPC(昭和電工(株)製GPC System−11使用)によりスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)として測定した。
また、不飽和結合残存量はNMR(日本電子(株)製NMR EXー270)を使用し測定した。
【0041】
脂肪族ポリエステルカーボネートのメルトフローレートはメルトインデクサー(東洋精機)を用いて温度190℃、荷重2.16kgにて測定した。
3官能以上の化合物の含有量については、事前にトリメチロールプロパンの添加量を変えて製造した脂肪族ポリエステルカーボネートの分子量と、メルトフローレートの関係より検量線を作成し、トリメチロールプロパン換算の値とした。
【0042】
脂肪族ポリエステルオリゴマーの水酸基価、酸価はJIS K−1557に準じて測定した。水酸基価の測定値から、単位重量あたりの末端水酸基モルが求められ、その1/2量をジ炭酸エステルおよび/またはジカルボン酸化合物の理論量とした。
【0043】
実施例1
第1工程
攪拌機、圧力測定装置を装着した、耐圧反応器に無水マレイン酸39.2g(0.4モル)1,4−ブタンジオール54.1g(0.6モル)および5%パラジウム/カーボン触媒を0.4g仕込み、水素により圧力50kg/cm2 にて3回置換を行った。圧力35kg/cm2 とした後、攪拌下に反応器を昇温し130℃にて圧力を20から50kg/cm2 の範囲として、2時間30分反応を行った。
圧力低下が無くなったのを確認した後、反応液を加圧下に濾過し90gの脂肪族オリゴエステルを得た。得られた白色の脂肪族オリゴエステルはスチレン換算の数平均分子量が600でありNMRより不飽和結合が無いことが確認された。また、1,4−ブタンジオールの環化により副成したテトラヒドロフラン(THF)は添加した1,4−ブタンジオールに対して2モル%であった。反応と濾別に3時間を要し、収率は触媒吸着分を失い98%であった。
【0044】
第2工程
第1工程で得られた90gの脂肪族オリゴエステルを攪拌機、留出コンデンサー、温度計を装着した、300mlの反応器に仕込み、エステル交換触媒として酢酸亜鉛10mg、ジルコニウムアセチルアセトナート5mgを添加して攪拌下に加熱した。温度は100℃から225℃まで45分で昇温した後225℃一定で保持した。圧力は常圧で1時間保持した後150mmHgにて1時間、その後1時間で5mmHgまで減圧し5mmHg15分保持後に反応を停止し65gの脂肪族ポリエステルオリゴマーを得た。得られた脂肪族ポリエステルオリゴマーの数平均分子量は3600であり末端OH基濃度は75.1KOHmg/gであった。反応時間は4時間であった。
【0045】
第3工程
第2工程で有られた脂肪族ポリエステルオリゴマー25.1gを攪拌機、留出コンデンサー、温度計を装着した、100mlの反応器に仕込み、ジフェニルカーボネート(DPC)3.73gを添加し減圧下に加熱攪拌した。
反応温度は225℃とし、減圧度は、150mmHgにて30分、100mmHgにて1時間20分その後1時間かけてフル真空とし、フル真空下30分反応し、スチレン換算の重量平均分子量(Mw)250,000の脂肪族ポリエステルカーボネートを得た。得られた脂肪族ポリエステルカーボネート中の3官能成分はMwとメルトフローレイトの関係から、0.4%と推定された。第3工程の反応時間は3時間20分、第1工程から第3工程までのトータルの反応時間は、10時間20分であった。
【0046】
比較例1
コハク酸の製造
攪拌機、圧力測定装置を装着した、耐圧反応器に無水マレイン酸39.2g(0.4モル)水60gおよび5%パラジウム/カーボン触媒を0.4g仕込み、水素により圧力50kg/cm2 にて3回置換を行った。圧力40kg/cm2 とした後、攪拌下に反応器を昇温し130℃にて圧力を20〜50kg/cm2 の範囲として、2時間30分反応を行った。
圧力低下が無くなったのを確認した後、反応液を熱時、加圧下に濾過し濾液を3時間放冷した。その後、析出した白色結晶を濾別し真空乾燥機にて5時間乾燥した。得られた、コハク酸は37.7gで無水マレイン酸からの収率は80%であった。反応、晶析、濾過、乾燥に要した時間は12時間であった。
【0047】
脂肪族ポリエステルオリゴマーの製造
攪拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付けた300mlの反応容器に、得られたコハク酸37.48g(0.32モル)、1,4−ブタンジオール42.86g(0.48モル)およびジルコニウムアセチルアセトネート4mg、酢酸亜鉛8mgを仕込み、窒素雰囲気下で温度150〜220℃で2時間反応し水を留出させた。つづいて、減圧度150〜80mmHgの減圧度で2時間反応し脱水反応を進行させ、更に最終的に減圧度5mmHg以下となるよう徐々に減圧度を増してさらに水と1、4−ブタンジオールを留出させ、脂肪族ポリエステルオリゴマーを得た。得られたオリゴマーの数平均分子量は1,020、末端水酸基価は76KOHmg/gであった。反応時間は5時間30分であった。
【0048】
脂肪族ポリエステルカーボネートの製造
次に得られたオリゴマー25gを攪拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付けた100mlの反応容器に仕込み、ジフェニルカーボネート3.71gを添加した。実施例1の第3工程と同様の操作でフル真空とし、その後高分子量化まで2.5時間を要し重量平均分子量240,000の脂肪族ポリエステルカーボネートを得た。得られた脂肪族ポリエステルカーボネート中の3官能成分はMwとメルトフローレイトの関係から、0.2%と推定された。本工程の反応時間は5時間、コハク酸製造工程から本工程までのトータルの反応時間は、22時間30分であった。
【0049】
比較例2
無水マレイン酸とグリコールの事前オリゴマー化反応
攪拌機、留出コンデンサー、温度計を装着した、200mlの反応器に無水マレイン酸39.2g(0.4モル)1,4−ブタンジオール54.1g(0.6モル)を仕込み、窒素置換を3回置換を行った。温度150℃から徐々に昇温し最終的に220℃として無水マレイン酸の開環および脱水反応を行い不飽和脂肪族ポリエステルオリゴマーを製造した。得られたオリゴマーは重量平均分子量780であったが、1,4−ブタンジオールの副成によるTHFの生成は仕込みブタンジオールに対して25モル%であった。
得られた不飽和脂肪族ポリエステルオリゴマー40gを耐圧容器に仕込み、パラジウム/カーボン触媒0.2gと共に圧力20〜50kg/cm2 にて水素添加反応を行い、脂肪族ポリエステルオリゴマーを得た。
【0050】
【本発明の効果】
本発明の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法は、簡便かつ高収率で単時間のうちに有用なポリマーを製造することが可能であり、得られたポリマーは、実用上充分な成型性、物性を有し、射出成形品、フィルム、シート、ボトル、発泡体あるいは繊維などの成形品を得るのに好適であり、成形品は耐熱性、耐溶剤性ならびに機械的強度に優れており、土中また活性汚泥処理でも高い生分解性を示すものである。
【産業上の利用分野】
本発明は、生分解性を有する高分子量の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造法に関し、詳しくは、成形加工時の熱安定性に優れ、フィルム、シート、フィラメント、射出、発泡など各種の成形に適する生分解性を有する高分子量脂肪族ポリエステルカーボネートの簡便な製造法に関する。
【0002】
本発明に係る脂肪族ポリエステルカーボネートは、流動性、射出成形性に優れ、フィルム、シート、フィラメントあるいは繊維などの成形品を得るのに好適であり、得られる成形品は十分な機械的強度を有すると共に、土中または活性汚泥処理により高い生分解性を示し、包装材料やその他の成形体に広く利用できる。
たとえば、農業分野では土壌表面を被覆して土壌の保温を行うマルチフィルム、植木用の鉢や紐、または肥料のコーティング材料などに利用でき、あるいは漁業分野では釣糸、魚網に、さらには医療分野の医療用材料、生理用品などの衛生材料として利用できる。
【0003】
【従来の技術】
近年、地球的規模での環境問題に対して、自然環境の中で分解する高分子素材の開発が要望されるようになり、その中でも特に微生物によって分解されるプラスチックは、環境適合性材料や新しいタイプの機能性材料として大きな期待が寄せられている。
【0004】
従来より、脂肪族ポリエステルカーボネートに生分解性があることはよく知られており、その中でも特に、コハク酸を主原料とする脂肪族2塩基酸と脂肪族ジヒドロキシ化合物から得られる脂肪族ポリエステカーボネートが成型性および物性が良好であることから注目されている。
【0005】
しかしながら、コハク酸を主原料とした脂肪族ポリエステルカーボネートはコハク酸の製造プロセスが煩雑であり、製造コストが高く普及の妨げとなっている。
【0006】
一方、製造面では、コハク酸およびグリコールからの脱水重縮合による製造の場合、コハク酸1モルから2モルの水が生成し、その除去のため、反応時間の長期化、エネルギーのロスが問題となっており無水コハク酸からの製造が期待されている。しかし、通常コハク酸は、無水マレイン酸の水素添加により製造されているが、工業的には水溶媒中での水素添加となり無水物での単離は難しい。
【0007】
無水マレイン酸を原料とした脂肪族ポリエステルカーボネートの製造は、従来、無水マレイン酸を水中で水素添加し、次いで結晶化、濾過、洗浄、乾燥という工程を経てコハク酸を生成した後、該コハク酸とグリコールと重縮合を行い大量の水の留去を行いエステル化を行うプロセスで行われており、極めて煩雑でありその簡便化が求められていた。また、無水マレイン酸の水中での水添反応の場合、副反応として不飽和結合に水1分子が付加しリンゴ酸を生じ、リンゴ酸の量が多い場合は、ポリマー化した場合にゲルの発生等の問題が発生する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、無水マレイン酸とグリコールを原料として、反応時間が短く、反応工程が簡略化され、且つ、エネルギーロスの少ない、実用上十分な成型性および物性を有する脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法を提供することにある。
【0009】
さらに、本発明の目的は、無水マレイン酸の副反応による3官能以上の化合物の生成およびグリコールの副反応による環化を抑えた脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法を提供することにある。
【0010】
【問題点を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、無水マレイン酸とグリコールを混合し特定条件で水素添加反応を行うことにより、副反応を低く制御し、水素添加反応後の精製プロセスを省略することが可能で、更にエステル交換反応も同時に進行できることを見出し本発明に至った。
【0011】
すなわち本発明は、水素添加触媒存在下、無水マレイン酸と炭素数2〜20のグリコールと水素とを反応させて得られた反応生成物を、エステル交換触媒存在下に重縮合させて数平均分子量200〜5,000の脂肪族ポリエステルオリゴマーを得、次いで該脂肪族ポリエステルオリゴマーと、ジ炭酸エステルを反応させることを特徴とする重量平均分子量100,000以上の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法に関する。
【0012】
本発明による脂肪族ポリエステルカーボネートの製造は、無水マレイン酸とグリコール化合物を水素添加と同時にエステル交換する第1工程、得られた反応生成物を重縮合し脂肪族ポリエステルオリゴマーとする第2工程、および脂肪族ポリエステルオリゴマーとジ炭酸エステルとを反応させる第3工程より構成される。
【0013】
本発明の、第1工程はバッチ式でも流通式でも実施が可能である。
【0014】
バッチ式で行う場合は、水素添加触媒存在下に無水マレイン酸1モルに対して、炭素数2から20のグリコール1〜4モルの比率の混合物を、60度〜250度の温度範囲で1〜100kg/cm2 の水素圧力下に流通させて、水素添加と初期重合を同時に行い反応生成物を得、その後触媒を分離し、次いでエステル交換触媒存在下に重縮合反応を行い脂肪族ポリエステルカーボネートを製造する。
【0015】
流通式で行う場合は、固定床水素添加触媒存在下に無水マレイン酸1モルに対して、炭素数2から20のグリコール1〜4モルの比率の混合物を、60度〜250度の温度範囲で1〜100kg/cm2 の水素圧力下に流通させて、水素添加と初期重合を同時に行い反応生成物を得、その後、エステル交換触媒存在下に重縮合反応を行い脂肪族ポリエステルカーボネートを製造する。
【0016】
以下、一例としてバッチ式について詳細を説明する。
【0017】
第1工程は、無水マレイン酸1モルに対して1〜4倍モルのグリコールを混合し、水素添加触媒の存在下、温度60〜250℃、好ましくは80〜170℃、水素圧力1〜100kg/cm2 、好ましくは5〜50kg/cm2 にて攪拌し、水素添加と同時にオリゴマー化して反応生成物(以下、脂肪族オリゴエステルと称する)を得る工程である。
【0018】
必要により副生する水およびグリコールの環化物等を系外に除去する。この第1工程において生成する脂肪族オリゴエステルの分子量は、条件により多少異なり数平均分子量(Mn)で200〜5,000程度となり、脂肪族オリゴエステル中の、グリコールの脱水環化反応による副生成物の含有量が仕込みグリコールに対してモル比で10%未満である。反応温度が170℃以上の場合は、3官能以上の副成物の生成量が多くなり、最終ポリマー中のゲルの含有量が著しく増加する。 また、ここで用いるグリコールは、無水グリコール1モルに対し好ましくは1〜2倍モル程度であるが、発熱量が大きいときには、グリコールを増加することができる。事前に無水マレイン酸とグリコールを重縮合させた後に水素添加触媒存在下に水素添加を行うと、グリコールの環化による副反応が増加するので好ましく無い。
【0019】
さらに、本第1工程を、炭素担体の触媒で行うと、第3工程での反応速度を著しく向上させることができる。炭素以外の担体を使用し、最終工程での反応速度を向上させたい場合は、別途、活性炭等の炭素を水添反応中もしくは終了後に添加することにより同様の効果が得られる。
【0020】
本工程で、使用する水素添加触媒は、Pd、Pd化合物、白金、白金化合物、ルテニウムおよびルテニウム化合物が挙げられる。
具体的には、Pdの単体(Pd黒)、Pd炭素、Pdアルミナ、Pdシリカアルミナ、Pd硫酸バリウム、Pdゼオライト、酸化Pd、白金の単体(白金黒)、白金炭素、白金アルミナ、酸化白金、ルテニウムの単体(ルテニウム黒)、ルテニウム炭素、ルテニウムアルミナ、酸化ルテニウム等が例示される。
担体中の金属触媒の濃度については、特に限定されるものではないが、その取扱い上、10%未満のものが推奨される。触媒の添加量についても特に限定されるものではないが反応液に対し、0.1%から10%程度の範囲が推奨される。
【0021】
また、本工程で使用されるグリコールは炭素数が2から20の直鎖、分岐、脂環式構造を有する脂肪族グリコールが使用される。具体的には、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカジメタノール、ペンタシクロデカジメタノール等が例示されるが、脂肪族ポリエステルカーボネートの微生物分解性及び融点の観点から好ましくはブタンジオールである。
【0022】
本第1工程をバッチ式で行った場合の、触媒の分離方法は水分、外気に触れない状況下で、濾過、加圧濾過、遠心分離、デカンテーション等の手法で分離でき、分離した触媒は再度使用可能である。反応器にフィルターを装着して行うことも可能であるし、外部に濾過槽を設けて濾過し、触媒ケーキを次の反応液と混合しながら反応器に戻すプロセスも推奨される。
また、ペレット状の触媒を反応器内に設置した籠等に入れて反応することにより、濾過等のプロセスを省略することもできる。
【0023】
本第1工程を流通式で行う場合、ペレット状の触媒を充填したトリクルベット形式が推奨される。反応による発熱量が問題となる場合があるが、その場合は、グリコール成分を増加させることと、反応液による希釈が推奨される。また、反応器内に熱交換機を設置し除熱する事も可能である。
【0024】
第2工程は、第1工程で得られた脂肪族オリゴエステルをエステル交換触媒の存在下、重縮合を行い脂肪族ポリエステルオリゴマーを製造する工程である。重縮合反応に伴って副生する水もしくはアルコールおよび過剰のグリコールを除去する工程である。反応温度100〜280℃で最終的には減圧条件下で行われる。圧力は上記目的が達成される圧力が選ばれ、反応を促進する目的で300mmHg以下の減圧とすることが好ましい。この工程で別途グリコール、ジカルボン酸化合物およびヒドロキシカルボン酸化合物を添加し、共重合化することができる。
【0025】
脂肪族ポリエステルオリゴマーの分子量、酸価、ジヒドロキシ化合物の残存量は、未反応のジヒドロキシ化合物の留去速度と反応速度を適当にバランスさせることにより制御可能であり、仕込モル比、触媒、温度、減圧度、反応時間の条件を適宜選択して組合せる方法や、不活性気体を適当な流量で吹き込む方法も現実的である。通常は、触媒の存在下、反応温度100〜280℃で段階的に減圧度を調節することにより行うことができる。たとえば、まず常圧でエステル化を行い縮合反応によって生じた水を除去し、次いで200〜80mmHg程度の減圧度でさらに脱水縮合反応を行わせ、酸価を低減させ、最終的に、5mmHg以下の真空度とする方法が用いられる。
【0026】
過剰のジヒドロキシ化合物の留去と減圧度の増加速度を早くすることにより、反応時間の短縮およびオリゴマー中のジヒドロキシ化合物の残存量の低減化が可能である。
第2工程および第3工程で用いるエステル交換触媒はZr化合物またはHf化合物と、Y化合物、La化合物、Zn化合物およびSn化合物から選ばれる少なくとも一種からなるものであり、原料化合物100重量部に対して5×10-5〜1重量部の範囲で添加される。
【0027】
本発明で使用されるエステル交換触媒は、公知のエステル交換触媒が使用できるが、特に、ジルコニウム(Zr)化合物もしくはハフニウム(Hf)化合物と、Y化合物,La化合物,Zn化合物およびSn化合物から選ばれる1種以上との組み合わせからなる複合系が、好ましい。この複合系の触媒を使用することにより、脂肪族ポリエステルカーボネートの色調を向上させ、カルボン酸末端の量を減らし、さらに反応時間を短縮することができる。エステル交換触媒の使用量は、原料混合物100重量部に対して、5×10-5〜1重量部の範囲で用いられる。触媒として好ましい化合物の形態としては、脂肪酸塩類、水酸化物、アルコラート、フェノラート、アセチルアセトナート等種々あげられる。
【0028】
第3工程は、第2工程で得られた脂肪族ポリエステルオリゴマーとジ炭酸エステルとを反応させ、スチレン換算のGPCによる重量平均分子量(Mw)が少なくとも100,000で、融点が60〜200℃のである脂肪族ポリエステルカーボネートを製造する工程である。通常150〜280℃、好ましくは200〜220℃で行われ、反応に伴って副成するヒドロキシ化合物または水が除去される。150℃以下の温度では、十分な反応速度が得られず、280℃以上の温度では、重合反応を速く進めることができるが重合体を着色させることがあり好ましくない。反応は、必要に応じて徐々に減圧度を調節して最終的には3mmHg以下の減圧とすることが好ましい。
【0029】
本発明の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造に用いられるジ炭酸エステルの具体的な例としては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネートジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジアミルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、ジオクチルカーボネートなどを挙げることができる。上記ジ炭酸エステルの他に、2種のヒドロキシ化合物からなるジ炭酸エステルも含まれる。これらのジ炭酸エステルの中で特にジフェニルカーボネートが好ましい。ジ炭酸エステルの使用量は、脂肪族ポリエステルオリゴマーの末端水酸基に対して0.40〜0.60倍モル量用いるが、より好ましくは0.45〜0.55倍モル量であり、0.47〜0.52倍モル量が特に好ましい。
【0030】
第3工程でジ炭酸エステルを添加する際、グリコール成分を添加することにより、ブロック共重合化が可能である。添加するグリコールは第1工程で使用したグリコールと同一でも異なっても良い。
【0031】
第3工程でジ炭酸エステルと併用してジカルボン酸化合物を併用することも出来る。ジカルボン酸化合物の具体的な例としては、コハク酸、蓚酸、マロン酸、アジピン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸およびそれらの無水物、モノエステル、ジエステル類、また、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、等の芳香族カルボン酸化合物およびそれらの無水物、モノエステル、ジエステル類などを挙げることができる。特にジエステル化合物が好ましい。添加量としては、脂肪族ポリエステルオリゴマーの末端水酸基に対して0.40〜0.60倍モル量用いるが、より好ましくは0.45〜0.55倍モル量であり、0.47〜0.52倍モル量が特に好ましい。
【0032】
本発明の脂肪族ポリエステルカーボネートは、射出成形、押出成形、インフレーション法、T−ダイス法、紡糸、フィラメント成形、ブロー成形、真空圧空成形あるいは発泡成形等の通常の成形手法による成形が可能である。また、必要に応じて通常ポリマーに添加される充填材、酸化防止剤、安定剤、核剤、紫外線吸収剤、滑材、ワックス類、色剤、着色剤、含量、フィラー等の添加剤を添加することができる。
【0033】
本発明の脂肪族ポリエステルカーボネートを用いて成形品を得る際、使用されるポリマーの分子量は成形加工条件、成形品の種類により、また成形温度などにより適宜選択される。射出成形用途では特別な場合を除いてGPCで測定されるスチレン換算の重量平均分子量Mw120,000〜350,000の範囲のものが用いられる。
【0034】
また、本発明の脂肪族ポリエステルカーボネートは、溶融粘度として、2,000〜50,000ポイズである。この溶融粘度はフローテスターにより温度190℃、60kg荷重の条件で測定した溶融粘度である。溶融粘度が2,000ポイズ以下では樹脂が流れ過ぎ安定な成形ができない。50,000ポイズ以上では充分な流動性が得られず成形が困難になる。一般的には、2,000〜30,000のものが好ましい。特に、フィルム成形において均質で良質なフィルムを得るには、5,000〜30,000ポイズが好ましい。
【0035】
本発明の脂肪族ポリエステルカーボネート中の3官能以上の化合物の含有量は、仕込み無水マレイン酸に対してモル比で3%未満である。
【0036】
本発明の脂肪族ポリエステルカーボネートは融点が70〜200℃の高結晶性ポリマーであり、クロロホルム、メチレンクロライドなどには溶解するが、テトラヒドロフラン、メタノール、アセトン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ヘキサン、トルエン、キシレン、等の大部分のアルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、脂肪族および芳香族炭化水素類には溶解しない優れた耐溶解性を示す。
【0037】
また、生分解性は、分子量、カーボネート単位含有量により影響を受けるが、得られたフィルムの、25℃、60%RHの条件での土壌埋設試験を行った場合高い分子量を有するにもかかわらず、ポリマー中のカーボネート単位含有量が少なくとも5モル%以上である場合にカーボネート単位を有しない脂肪族ポリエステルに比べ、高い分解性を示す。ポリマー中のカーボネート単位含有量が7.0モル%以上である場合には、18週間で半分以上が分解し、さらに20.0モル%以上含有するものにあっては15週間で完全に消失する。これはカーボネート単位を有しない脂肪族ポリエステルに比べ5倍以上の分解性である。
【0038】
以上のごとく、本発明によれば、耐熱性、耐溶剤性と実用上の使用に十分な高分子量を有する脂肪族ポリエステルカーボネートを製造することができる。しかも、本発明者等の知見によれば、脂肪族ポリエステルカーボネートの生分解性は、カーボネート単位含有量によって高められるのであり、カーボネート単位含有量により土壌中など環境中の生分解速度を適宜選択することができる。
【0039】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。ここでは、グリコール成分として1,4−ブタンジオールを用い、ジ炭酸エステルとしてジフェニルカーボネートを使用した場合について主に例示する。
【0040】
本実施例において、分子量はクロロホルムを溶媒としてGPC(昭和電工(株)製GPC System−11使用)によりスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)として測定した。
また、不飽和結合残存量はNMR(日本電子(株)製NMR EXー270)を使用し測定した。
【0041】
脂肪族ポリエステルカーボネートのメルトフローレートはメルトインデクサー(東洋精機)を用いて温度190℃、荷重2.16kgにて測定した。
3官能以上の化合物の含有量については、事前にトリメチロールプロパンの添加量を変えて製造した脂肪族ポリエステルカーボネートの分子量と、メルトフローレートの関係より検量線を作成し、トリメチロールプロパン換算の値とした。
【0042】
脂肪族ポリエステルオリゴマーの水酸基価、酸価はJIS K−1557に準じて測定した。水酸基価の測定値から、単位重量あたりの末端水酸基モルが求められ、その1/2量をジ炭酸エステルおよび/またはジカルボン酸化合物の理論量とした。
【0043】
実施例1
第1工程
攪拌機、圧力測定装置を装着した、耐圧反応器に無水マレイン酸39.2g(0.4モル)1,4−ブタンジオール54.1g(0.6モル)および5%パラジウム/カーボン触媒を0.4g仕込み、水素により圧力50kg/cm2 にて3回置換を行った。圧力35kg/cm2 とした後、攪拌下に反応器を昇温し130℃にて圧力を20から50kg/cm2 の範囲として、2時間30分反応を行った。
圧力低下が無くなったのを確認した後、反応液を加圧下に濾過し90gの脂肪族オリゴエステルを得た。得られた白色の脂肪族オリゴエステルはスチレン換算の数平均分子量が600でありNMRより不飽和結合が無いことが確認された。また、1,4−ブタンジオールの環化により副成したテトラヒドロフラン(THF)は添加した1,4−ブタンジオールに対して2モル%であった。反応と濾別に3時間を要し、収率は触媒吸着分を失い98%であった。
【0044】
第2工程
第1工程で得られた90gの脂肪族オリゴエステルを攪拌機、留出コンデンサー、温度計を装着した、300mlの反応器に仕込み、エステル交換触媒として酢酸亜鉛10mg、ジルコニウムアセチルアセトナート5mgを添加して攪拌下に加熱した。温度は100℃から225℃まで45分で昇温した後225℃一定で保持した。圧力は常圧で1時間保持した後150mmHgにて1時間、その後1時間で5mmHgまで減圧し5mmHg15分保持後に反応を停止し65gの脂肪族ポリエステルオリゴマーを得た。得られた脂肪族ポリエステルオリゴマーの数平均分子量は3600であり末端OH基濃度は75.1KOHmg/gであった。反応時間は4時間であった。
【0045】
第3工程
第2工程で有られた脂肪族ポリエステルオリゴマー25.1gを攪拌機、留出コンデンサー、温度計を装着した、100mlの反応器に仕込み、ジフェニルカーボネート(DPC)3.73gを添加し減圧下に加熱攪拌した。
反応温度は225℃とし、減圧度は、150mmHgにて30分、100mmHgにて1時間20分その後1時間かけてフル真空とし、フル真空下30分反応し、スチレン換算の重量平均分子量(Mw)250,000の脂肪族ポリエステルカーボネートを得た。得られた脂肪族ポリエステルカーボネート中の3官能成分はMwとメルトフローレイトの関係から、0.4%と推定された。第3工程の反応時間は3時間20分、第1工程から第3工程までのトータルの反応時間は、10時間20分であった。
【0046】
比較例1
コハク酸の製造
攪拌機、圧力測定装置を装着した、耐圧反応器に無水マレイン酸39.2g(0.4モル)水60gおよび5%パラジウム/カーボン触媒を0.4g仕込み、水素により圧力50kg/cm2 にて3回置換を行った。圧力40kg/cm2 とした後、攪拌下に反応器を昇温し130℃にて圧力を20〜50kg/cm2 の範囲として、2時間30分反応を行った。
圧力低下が無くなったのを確認した後、反応液を熱時、加圧下に濾過し濾液を3時間放冷した。その後、析出した白色結晶を濾別し真空乾燥機にて5時間乾燥した。得られた、コハク酸は37.7gで無水マレイン酸からの収率は80%であった。反応、晶析、濾過、乾燥に要した時間は12時間であった。
【0047】
脂肪族ポリエステルオリゴマーの製造
攪拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付けた300mlの反応容器に、得られたコハク酸37.48g(0.32モル)、1,4−ブタンジオール42.86g(0.48モル)およびジルコニウムアセチルアセトネート4mg、酢酸亜鉛8mgを仕込み、窒素雰囲気下で温度150〜220℃で2時間反応し水を留出させた。つづいて、減圧度150〜80mmHgの減圧度で2時間反応し脱水反応を進行させ、更に最終的に減圧度5mmHg以下となるよう徐々に減圧度を増してさらに水と1、4−ブタンジオールを留出させ、脂肪族ポリエステルオリゴマーを得た。得られたオリゴマーの数平均分子量は1,020、末端水酸基価は76KOHmg/gであった。反応時間は5時間30分であった。
【0048】
脂肪族ポリエステルカーボネートの製造
次に得られたオリゴマー25gを攪拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付けた100mlの反応容器に仕込み、ジフェニルカーボネート3.71gを添加した。実施例1の第3工程と同様の操作でフル真空とし、その後高分子量化まで2.5時間を要し重量平均分子量240,000の脂肪族ポリエステルカーボネートを得た。得られた脂肪族ポリエステルカーボネート中の3官能成分はMwとメルトフローレイトの関係から、0.2%と推定された。本工程の反応時間は5時間、コハク酸製造工程から本工程までのトータルの反応時間は、22時間30分であった。
【0049】
比較例2
無水マレイン酸とグリコールの事前オリゴマー化反応
攪拌機、留出コンデンサー、温度計を装着した、200mlの反応器に無水マレイン酸39.2g(0.4モル)1,4−ブタンジオール54.1g(0.6モル)を仕込み、窒素置換を3回置換を行った。温度150℃から徐々に昇温し最終的に220℃として無水マレイン酸の開環および脱水反応を行い不飽和脂肪族ポリエステルオリゴマーを製造した。得られたオリゴマーは重量平均分子量780であったが、1,4−ブタンジオールの副成によるTHFの生成は仕込みブタンジオールに対して25モル%であった。
得られた不飽和脂肪族ポリエステルオリゴマー40gを耐圧容器に仕込み、パラジウム/カーボン触媒0.2gと共に圧力20〜50kg/cm2 にて水素添加反応を行い、脂肪族ポリエステルオリゴマーを得た。
【0050】
【本発明の効果】
本発明の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法は、簡便かつ高収率で単時間のうちに有用なポリマーを製造することが可能であり、得られたポリマーは、実用上充分な成型性、物性を有し、射出成形品、フィルム、シート、ボトル、発泡体あるいは繊維などの成形品を得るのに好適であり、成形品は耐熱性、耐溶剤性ならびに機械的強度に優れており、土中また活性汚泥処理でも高い生分解性を示すものである。
Claims (5)
- 水素添加触媒存在下、無水マレイン酸と炭素数2〜20のグリコールと水素とを反応させて得られた反応生成物を、エステル交換触媒存在下に重縮合させて数平均分子量200〜5,000の脂肪族ポリエステルオリゴマーを得、次いで該脂肪族ポリエステルオリゴマーとジ炭酸エステルを反応させることを特徴とする重量平均分子量100,000以上の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法。
- 脂肪族ポリエステルカーボネート中の3官能以上の化合物の含有量が、仕込み無水マレイン酸に対してモル比で3%未満である請求項1記載の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法。
- 反応生成物中のグリコールの脱水環化反応による副生成物の含有量が、仕込みグリコールに対してモル比で10%未満である請求項1記載の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法。
- 水素添加触媒が、Pd、Pd化合物、白金、白金化合物、ルテニウムおよびルテニウム化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法。
- エステル交換触媒が、Zr化合物またはHf化合物と、Y化合物、La化合物、Zn化合物およびSn化合物から選ばれる少なくとも1種からなる請求項1記載の脂肪族ポリエステルカーボネートの製造方法。
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