JP6231549B2 - ポリマー、それを合成するためのプロセスおよびそれを含む組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、魅力ある機械的性質を有するコポリマー、特にポリ(ブチレンサクシネート−コ−フラノエート(furanoate))(PBSF)に関する。本発明はまた、これらのポリマーを調製するためのプロセスおよびこれらを含む組成物にも関する。
今日のポリマー分野における重要な優先事項の1つが、天然由来(生物由来)であり、および/または生分解性を有するポリマーを供給することである。この目的を達成するべく、ポリマーの合成に使用することができる生物由来のモノマーに関心が寄せられている。
ポリエステルは、大別すると、性状の異なる、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、ポリ(ブチレンサクシネート−コ−アジペート)(PBSA)またはポリ−ε−カプロラクトン(PCL)等の脂肪族ポリエステルと、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(トリメチレンテレフタレート)(PTT)またはポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)等の芳香族ポリエステルとの2種類に分けられる。
一般に、脂肪族ポリエステルは、ポリオレフィンの融点に近い融点を有していることから、特にフィルムおよび包装の分野に使用することが可能であり、この分野においては、生分解性を有している方が使い捨て用途において明らかに有利である。ところが、これらは非常に加水分解を受けやすい。脂肪族ポリエステルの合成に使用されているモノマーの一部、例えばPBSの合成に使用されているコハク酸および1,4−ブタンジオールに生物由来のものを用いることができる。芳香族ポリエステルの場合は、ポリオレフィンに意図されている用途に機械的性質を適合させるのが容易ではない。さらに、このようなポリエステルの組成において芳香族モノマーの比率を高くすると、樹脂の親水性が大幅に低下して、生分解性という特徴が生かされなくなってしまう。
脂肪族ポリエステルの耐加水分解性を増強すると同時にポリオレフィンに近い機械的性質を維持するように、脂肪族−芳香族ポリエステルが開発された。これは、脂肪族のみまたは芳香族のみのポリエステルの欠点の一部を解消することができるものである。
この見地からBASFによって開発されたEcoflex(登録商標)の名称で市販されているPBAT(ポリ(ブチレンアジペート−コ−テレフタレート))は、生分解性ポリマー、特に生分解性包装に使用することを意図したポリマーの需要が欧州において増大していることに応えるものであり、これは、少なくとも特定の用途においてポリオレフィンの替わりに使用することが可能である。PBATはまた、機械的性質、特に伸びおよび破断応力という点でも非常に優れている。
一方、欧州の特定の国々では、使い捨て可能な包装材に生分解性ポリマーを使用することを求める法律が強化されたことによってPBATの需要が増加しているが、生産量は市場全体の需要に追いついていないのが現状である。さらに、PBATは現時点では石油由来であり、カーボンフットプリントに相当な影響を及ぼすものであるため、使い捨て包装に使用することの環境面への利点が小さくなってしまう。さらに、機械的性質、特に伸び特性を改善するためには、テレフタル酸単位を比較的多量に添加する必要がある。
国際公開第2009/135921A1号パンフレットには、芳香族単位をフラノエート単位にすることができる生分解性脂肪族−芳香族ポリエステルが記載されている。ここに記載されているポリエステルは、二酸から誘導された単位のモル数の合計に対し35mol%を十分に上回る量のフラノエート単位を含んでいる。このポリエステルをブロー成形により成形することができることは記載されていない。ここで、本特許出願人らは、当該文献に記載されているポリエステル、特に実施例1に記載されているものは、結晶化速度が不十分なことから、ブロー成形による成形ができないことを確信した(本文献の実施例4.2参照)。現在、工業分野においては、ブロー成形により成形されるポリマー、特に大判のポリマーフィルムに成形されるポリマーが必要とされている。
このことに関連して、本出願人らは、PBATに性状が似ているかまたはそれを上回る性状さえ有し、ブロー成形によって成形することが可能な他の脂肪族−芳香族ポリエステルを創生することが可能であることを実証した。これらは特に、生物由来の原料を用いることができる、ブタンジオールから誘導された単位、コハク酸から誘導された単位および2,5−フランジカルボン酸(FDCA)から誘導された単位を含む、ポリ(ブチレンサクシネート−コ−フラノエート)(PBSF)のポリエステルである。
これらのポリマーは、その機械的性質により、フィルムおよび/または包装体の製造に有利に使用することができる。
さらに驚くべきことに、本出願人らは、他の脂肪族−芳香族ポリエステルの合成に関し記載されているプロセスよりも明らかに有利な、これらのポリマーを合成するためのプロセスを考案した。
本発明は、2,5−フランジカルボン酸と、少なくとも1種の脂肪族二酸と、少なくとも1種の脂肪族ジオールとを含むモノマーから誘導された単位を含むポリマーであって、上記ポリマーは:
2,5−フランジカルボン酸から誘導された単位を、脂肪族二酸から誘導された単位および2,5−フランジカルボン酸から誘導された単位のモル数の合計に対し、2.5〜35%の範囲、例えば5〜30%の範囲、有利には6〜25%の範囲、好ましくは7〜20%の範囲のモル分率で含み、
2,5−フランジカルボン酸から誘導された単位および脂肪族二酸から誘導された単位のモル分率は、単位全体に対し40〜60%であり、
脂肪族ジオールから誘導された単位の合計のモル分率は、単位全体に対し40〜60%である、ポリマーに関する。
これらのモル分率の範囲、特に好ましい範囲においては、ポリマーの性状、特にこれらの機械的性質が、2,5−フランジカルボン酸から誘導された単位を含まない脂肪族ポリマーと比較して改善されている。特に、このポリマーは、弾性率および破断伸びが改善されており、これは、従来の脂肪族ポリエステルよりも幅広い用途に使用できることを意味している。これらのポリマーはまた、良好な生分解性および/または良好な加水分解挙動も有することができる。さらに、その量および構成モノマーを具体的に選択することにより、ブロー成形で容易に成形可能なポリマーを得ることが可能になる。
脂肪族ジオールおよび二酸は、直鎖、分岐または環状であってもよい。これらはまた、飽和であっても不飽和であってもよい。
有利には、脂肪族二酸は、直鎖飽和二酸である。これらはコハク酸およびアジピン酸から選択することができ、好ましくはコハク酸である。
有利には、脂肪族ジオールは、直鎖飽和ジオールである。これらはエチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールから選択することができ、好ましくは1,4−ブタンジオールである。
有利には、2,5−フランジカルボン酸から誘導された単位、脂肪族二酸から誘導された単位および脂肪族ジオールから誘導された単位の合計はポリマーの単位全体の90mol%を超え、好ましくは95%を超え、より好ましくは100%である。
本発明はまた、
オリゴマーを形成するために、少なくとも1種の脂肪族二酸、例えば、コハク酸、2,5−フランジカルボン酸と、少なくとも1種の脂肪族ジオール、例えば1,4−ブタンジオールとを含むモノマーをエステル化するステップと、
ポリマーを形成するために、第1のステップにおいて形成されたオリゴマーをエステル交換することによりカップリングさせるステップと
を含む、ポリマーを調製するためのプロセスにも関する。
本プロセスにより、2,5−フランジカルボン酸を使用しないこと以外は同一である、脂肪族二酸および脂肪族ジオールを反応させるプロセスよりも速やかにポリマーが形成されるという利点が得られる。
本発明はまた、本プロセスに従い得られるポリマー、好ましくはポリ(ブチレンサクシネート−コ−フラノエート)すなわちPBSFポリマーにも関する。他の目的はまた、本発明による少なくとも1種のポリマーを含むポリマー組成物にも関する。本発明はまた、これらのポリマーのフィルムまたはこれらの組成物のフィルムにも関する。
2,5−フランジカルボン酸の化学式を示す。 反応器に導入された様々な量の2,5−フランジカルボン酸モノマーを含むポリ(ブチレンサクシネート−コ−ブチレンフラノエート)(破線:PBS、四角形:BF5mol%、三角形:BF10mol%、丸:BF20mol%、菱形:BF60mol%)のエステル交換の最中のトルクΔCの変化を示す。エステル交換温度は230℃であり、ジルコニウム触媒対二酸(コハク酸+2,5−フランジカルボン酸の総和)のモル比は1.8×10−3である。 反応器に導入された様々な量のテレフタル酸モノマーを含むポリ(ブチレンサクシネート−コ−ブチレンテレフタレート)(破線:BT(Zr触媒)10mol%、四角形:BT(Zr触媒)5mol%、三角形:BT(Ti触媒)10mol%、点線:BT(Ti触媒)20mol%)のエステル交換の最中のトルクΔCの変化を示す。各合成の実験条件を実施例3に示す。 反応器に導入された2,5−フランジカルボン酸モノマー(20mol%)を含むポリ(ブチレンセバケート−コ−ブチレンフラノエート)のエステル交換の最中のトルクΔCの変化を示す。エステル交換温度は230℃であり、チタン触媒対二酸(セバシン酸+2,5−フランジカルボン酸の総和)のモル比は2.1×10−3である。 実施例2.3に従い得られたポリ(ブチレンサクシネート−コ−ブチレンフラノエート)のH NMRスペクトルを示す。
本発明は、2,5−フランジカルボン酸と、4〜10個の炭素原子を含む少なくとも1種の脂肪族二酸と、2〜8個の炭素原子を含む少なくとも1種の脂肪族ジオールとを含むモノマーから誘導された単位を含むポリマーであって、上記ポリマーは、
2,5−フランジカルボン酸から誘導された単位を、脂肪族二酸から誘導された単位および2,5−フランジカルボン酸から誘導された単位のモル数の合計に対し、2.5〜35%の範囲、例えば5〜30%の範囲、有利には6〜25%の範囲、好ましくは7〜20%の範囲のモル分率で含み、
2,5−フランジカルボン酸から誘導された単位および脂肪族二酸から誘導された単位の合計のモル分率は、単位全体に対し40〜60%であり、
脂肪族ジオールから誘導された単位の合計のモル分率は、単位全体に対し40〜60%である、ポリマーに関する。
これらのモル分率の範囲、特に好ましい範囲においては、ポリマーの性状、特に機械的性質が、2,5−フランジカルボン酸から誘導された単位を含まないポリマーと比較して改善されている。
本発明における「2,5−フランジカルボン酸から誘導された単位」とは、式:

の単位(折れ線は、この単位をポリマーの残部に結合させている結合を指す)を指し、この単位は、実際に2,5−フランジカルボン酸から誘導されたもの、またはこの酸のエステル等の他の試剤から誘導されたもののどちらであってもよい。
本発明における「脂肪族二酸から誘導された単位」とは、式:

の単位(脂肪族基Rは、直鎖、分岐または環状であってもよい飽和または不飽和脂肪族基であり、折れ線は、この単位をポリマーの残部に結合させている結合を指す)を指し、この単位は、実際に式COOH−R−COOHの脂肪族二酸から誘導されたもの、またはこの酸のエステル等の他の試剤から誘導されたもののどちらであってもよい。
有利には、Rは、2〜8個の炭素原子、好ましくは2、3または4個の炭素原子を含み、特に、Rは2個の炭素原子を含む。
有利には、脂肪族二酸は、4〜10個の炭素原子、好ましくは4、5または6個の炭素原子を含み、特に、Rは2個の炭素原子を含む。
本発明における「脂肪族ジオールから誘導された単位」とは、式:

の単位(脂肪族基R’は、直鎖、分岐または環状であってもよい飽和または不飽和脂肪族基であり、折れ線は、この単位をポリマーの残部に結合させている結合を指す)を指し、この単位は、実際に式OH−R’−OHの脂肪族ジオールから誘導されたもの、または他の試剤から誘導されたもののどちらであってもよい。
有利には、R’は、2〜8個の炭素原子、好ましくは2、3または4または6個の炭素原子を含み、特に、R’は4個の炭素原子を含む。脂肪族ジオールに含まれる炭素原子の個数はR’と同じである。
本発明における「脂肪族基」とは、非環状または環状の、直鎖または分岐の、飽和または不飽和炭化水素基を指す(芳香族化合物を除く)。
本発明における「脂肪族−芳香族ポリエステル」とは、脂肪族単位および芳香族単位、特に2,5−フランジカルボン酸から誘導された単位を含むポリエステルを指し、芳香族単位の量は、ポリマーの単位全体に対し50mol%未満である。
好ましくは、脂肪族二酸は飽和脂肪族二酸である。
飽和環状脂肪族二酸の例として、1,4−シクロヘキサン二酸を挙げることができる。
有利には、脂肪族二酸は飽和直鎖脂肪族二酸である。これらは、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸およびセバシン酸から選択することができる。好ましくは、脂肪族二酸は、コハク酸およびアジピン酸から選択され、より好ましくはコハク酸である。
好ましくは、脂肪族ジオールは飽和ジオールである。
飽和環状脂肪族ジオールの例として、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を挙げることができる。有利には、脂肪族ジオールは、直鎖飽和ジオールである。これらは、エチレングリコール、1,3−プロパンジオールおよび1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールから選択することができ、好ましくは1,4−ブタンジオールである。
有利には、2,5−フランジカルボン酸から誘導された単位、脂肪族二酸から誘導された単位および脂肪族ジオールから誘導された単位の合計は、ポリマーの単位全体の90mol%を超え、好ましくは95%を超え、より好ましくは100%である。
有利には、本発明によるポリマーは、生物由来の脂肪族ジオールおよび/または脂肪族二酸から得られる。
本発明によるポリマーの合成
これらのポリマーは、従来の重縮合プロセスにより製造することができる。
好ましくは、本発明によるポリマーは、次に説明する少なくとも2つのステップ(ステップ1および2)を含むプロセスによって合成される。
本発明はまた、本発明によるポリマーを合成するためのステップ1および2を含むプロセスにも関する。
コハク酸のモノマー、2,5−フランジカルボン酸のモノマーおよび1,4−ブタンジオールのモノマーを用いる本発明によるプロセスのステップ1および2を次に説明するが、本発明は、コハク酸を本発明に関し説明する任意選択される脂肪族二酸と置き換え、および/または1,4−ブタンジオールを本発明に関し説明する任意選択される脂肪族ジオールと置き換えることにより実施されるプロセスも包含する。
本発明における「脂肪族二酸」は、式COOH−R−COOH(R基は上記と同義である)の化合物を指す。
本発明における「脂肪族ジオール」は、式OH−R’−OH(R’基は上記と同義である)の化合物を指す。
さらに、脂肪族二酸を、この脂肪族二酸の1種もしくは複数のモノエステルもしくはこの脂肪族二酸のジエステルに置き換えるか、または脂肪族二酸のエステルと二酸との混合物に置き換えることにより実施されるプロセスも本発明に包含される。特に、本発明によるプロセスに使用可能な二酸のエステルとして、脂肪族二酸、好ましくはコハク酸のエチルまたはメチルジエステルを用いることができる。
好ましくは、本発明のプロセスにおいては、脂肪族二酸をエステルに置き換えない。
さらに、2,5−フランジカルボン酸をこの酸の1種または複数のモノエステルまたはジエステルと置き換えるかまたは2,5−フランジカルボン酸のエステルおよびこの酸の混合物と置き換えることにより実施されるプロセスも本発明の範囲に包含される。特に、本発明によるプロセスにおいて使用可能なエステルは、2,5−フランジカルボン酸のエチルまたはメチルジエステルとすることができる。
好ましくは、本発明のプロセスにおいては、2,5−フランジカルボン酸はエステルに置き換えない。
ステップ1:
本発明によるポリマーを合成するための本プロセスの第1ステップは、オリゴマーを形成するために、コハク酸のモノマー、2,5−フランジカルボン酸のモノマーおよび1,4−ブタンジオールのモノマーをエステル化することである。
例えば、ステップ1は、次に示すスキームに従い実施することができる。
ステップ1は、コハク酸または2,5−フランジカルボン酸の分子と1,4−ブタンジオールの分子とのエステル化反応の最中に生成した水の一部または全部を除去しながら行われる。
ステップ1は、1種または複数のエステル化触媒からなる触媒系の存在下に実施することができる。好ましくは、この触媒系は、水に対し不活性である。触媒系は、特に、反応速度を加速するために使用することができる。触媒系は、ステップ1の開始時に導入することができる。触媒系は、好ましくは、パラ−トルエンスルホン酸(PTSA)および/またはメタンスルホン酸(MSA)を含むことができる。
ステップ1は、コハク酸および/または2,5−フランジカルボン酸全体に対し、非常に幅広く変化させることができる当量の1,4−ブタンジオール、特に、コハク酸および/または2,5−フランジカルボン酸全体に対し、0.5〜10当量、有利には0.8〜2当量、好ましくは0.9〜1.2当量の1,4−ブタンジオールの存在下に実施される。好ましくは、第1ステップは、コハク酸および/または2,5−フランジカルボン酸全体に対し過剰の、例えば1.02〜1.2当量の1,4−ブタンジオールの存在下に行われる。
ステップ1は、コハク酸のモル数および2,5−フランジカルボン酸のモル数の合計に対し幅広く変化させることができるモル分率、特に、2.5〜80%、その中でも特に2.5〜50%の2,5−フランジカルボン酸を用いて実施される。本発明の一実施形態においては、2,5−フランジカルボン酸のモル分率は25%以下であり、好ましくは5%以上、好ましくは5%を確実に超え、10%以上でさえある。好ましくは、2,5−フランジカルボン酸のモル分率は22%以下であるかまたは20%でさえある。
重合される単位の量、したがって、本プロセスにより得られるポリマー中に存在する単位の量は、合成プロセスの運転条件に応じて変化し得る。したがって、反応器に導入されるモノマーのモル量は、一般に、合成された最終ポリマー中に存在する量とは異なっている。この現象を例示するために、本特許出願の実施例を参照することができる。
当業者は、運転条件、特に、各モル量の所望の単位を有するポリマーを得るために反応器に導入されるモノマーの量を容易に修正することができるであろう。
ポリマー中に存在する各単位の割合は、従来法により、H NMR(核磁気共鳴)にて異なるピークの積分値の比を計算することにより求めることができる。2,5−フランジカルボン酸を含むコポリマーのH NMR分析は、Hプローブを備えたNMR分光器で行うことができる。分光器の共鳴周波数は100〜1000MHzの間で変化させることができる。分析を行うために、ポリマー試料を好適な重水素化溶媒、例えば重水素化クロロホルムに予め溶解しておくことができる。当業者は、スペクトルを得るための収集条件を容易に適応させることができるであろう。例えば、少なくとも1秒間の緩和時間で512回の積算を行うことができる。
ステップ1の終了後に生成するオリゴマーは、好ましくはOH末端を有している。
pおよびqの単位の数はオリゴマーの数平均分子量に直接関係している。オリゴマーの数平均分子量は、特に、オリゴマーに所望される特性に応じて幅広く変化させることができ、一般には、1000〜5000g/mol、好ましくは2000〜4000g/molの範囲にある。
当業者は、ステップ1の終了時に得られるオリゴマーが所望の分子量を有するように反応条件を最適化する。
ステップ1は、有利には、不活性雰囲気中で実施することができる。ステップ1は、大気圧下でもわずかに加圧しても行うことができ、例えば1〜4バールで行うことができる。ステップ1の温度は、有利には190〜235℃、好ましくは200℃〜225℃で行われる(両端の値を含む)。
ステップ1の最中に、1,4−ブタンジオール、コハク酸および/または2,5−フランジカルボン酸と反応することができる、アルファ−ヒドロキシ酸のモノマー等の他のモノマーを導入することもできる。好ましくは、反応器に導入されるこれらのモノマーの量は、導入されるモノマーの総モル数に対し10mol%未満または5mol%未満でさえある。本発明の一実施形態においては、ステップ1の開始時にもその最中にもアルファ−ヒドロキシ酸のモノマーは反応器に導入されない。
本発明の一実施形態において、ステップ1の開始時またはその最中に反応器に導入されるモノマーは、コハク酸のモノマー、2,5−フランジカルボン酸のモノマーおよび1,4−ブタンジオールのモノマーのみである。
ステップ2:
本発明によるポリマーを合成するためのプロセスの第2ステップは、ポリマーを生成させるために、第1ステップで生成したオリゴマーをエステル交換によりカップリングさせることである。例えば、ステップ2は、次に示すスキームに従い実施することができる。
ステップ2は、好ましくは、1種または複数のエステル交換触媒からなる触媒系の存在下に行われる。触媒系は、反応速度を加速するためまたはより高い分子量を達成するために使用することができる。この触媒系は、ステップ1の開始時またはその最中に導入することができる。あるいは、特に、触媒系がステップ1の最中に生成する水の影響を受けやすい場合は、触媒系をステップ2の開始時またはその最中に添加することができる。好ましくは、触媒系は、ステップ2の開始時に導入される。この触媒系は、好ましくは、ジルコニウムまたはチタンをベースとし、好ましくはジルコニウムをベースとする触媒を含むことができる。
第2ステップは、有利には、減圧下に、特に5ミリバール未満、好ましくは0.01〜1ミリバールの圧力下、例えば0.5〜1ミリバールで実施される。
第2ステップは、2種類のオリゴマーをカップリングさせる最中に生成した1,4−ブタンジオールの一部または全部を除去しながら実施される。
ステップ2の最中の温度は、有利には200〜260℃、好ましくは210〜230℃である(両端の値を含む)。
本発明において、反応により生成した構成成分を「一部または全部除去する」場合、この構成成分のモル数の少なくとも90%を反応器から除去するか、または少なくとも95%さえ、または少なくとも99%さえ除去することが好ましい。除去は、反応の最中に連続的に、例えば蒸留によって行うことができる。
単位mおよびnの数はポリマーの数平均分子量と直接関係している。ステップ2の終了時に得られるポリマーの数平均分子量は、20000g/mol超、有利には30000g/mol超、好ましくは35000g/mol超、より好ましくは40000g/mol超とすることができる。一般には、150000g/mol未満、例えば100000g/mol未満である。
これらの分子量の範囲、特に好ましい範囲において、ポリマーの性状、特に機械的性質が改善される。
分子量は、従来法、例えばサイズ排除クロマトグラフィーにより測定することができる。ポリマーの分子量は、屈折率検出器を備えたサイズ排除クロマトグラフィーにより推定することができる。ポリマーは、好適な溶媒、例えば1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールに溶解する。試料の濃度は1g/Lとすることができる。これらは流速0.75mL/分で溶出させることができる。平均分子量(MnおよびMw)はポリメタクリル酸メチル標準物質を用いて校正を行うことにより測定される。
ステップの「開始時」という表現は、そのステップの試剤が反応を開始していない時点を表す。ステップの「最中」という表現は、試剤同士の反応が既に開始しているがまだ完了していない時点を表す。この時点では、試剤のある比率が既に生成物および/または中間体に変換されている。
本発明の1つの目的は、上述したステップ1および2を含む、ポリマーを調製するためのプロセスにある。
本発明の1つの目的は、
オリゴマーを形成するために、飽和直鎖二酸、好ましくはコハク酸のモノマー、2,5−フランジカルボン酸のモノマーと、直鎖飽和ジオール、好ましくは1,4−ブタンジオールのモノマーとをエステル化するステップと、
ポリマーを形成するために、第1ステップで形成したオリゴマーをエステル交換することによりカップリングさせるステップと
を含む、ポリマーを調製するためのプロセスである。
触媒
本発明のプロセスの各重合ステップに使用可能な触媒系および触媒は、PBSを重合する各ステップに従来使用されている任意の触媒であっても、この触媒を含むものであってもよい。
エステル化の第1ステップに有用な触媒は、特に、パラ−トルエンスルホン酸(PTSA)およびメタンスルホン酸(MSA)から選択することができる。
第2ステップであるエステル交換時に使用することができる触媒は、例えば、欧州特許第1882712B1号明細書の第[0090]〜[0094]段落に記載されているものである。その例として、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、スズ、ビスマス、ハフニウム、マグネシウム、アルミニウム、リチウムから選択される化学元素を含む有機または無機の触媒またはこれらの触媒の混合物を挙げることができる。これらは、例えば、酸化ゲルマニウム、ジルコニウムテトラ−n−ブチラートまたはチタンテトラ−n−ブチラートとすることができる。使用される触媒の量は、得られるポリマーの総重量に対し元素の重量を50ppm〜1500ppm、好ましくは100〜1200ppmとすることができる。本発明の一実施形態においては、元素としてジルコニウムを含む触媒は、好ましくはジルコニウムテトラ−n−ブチラートである。好ましくは、ジルコニウム触媒の量は、得られるポリマーの総重量に対し元素の重量が600〜1200ppmとなる量である。特に、ジルコニウムを使用することで、得られる組成物の着色を制限することが可能になる。
コハク酸
本発明によるプロセスの合成を行うために使用されるコハク酸は、好ましくは農業資源由来であるかまたは生物由来であるが、石油原料由来であってもよい。例えば、コハク酸は、非化石系の再生可能原料を用いて、特に、国際公開第2011064151号パンフレットの教示に従い発酵を行うことにより製造することができる。本プロセスにコハク酸のエステルを用いる場合、後者は、好ましくは農業資源由来であるかまたは生物由来であるが、石油由来であってもよい。
1,4−ブタンジオール
本発明によるプロセスの合成を行うために使用される1,4−ブタンジオールは、好ましくは、生物由来のコハク酸を水素化するかまたは適切な微生物を用いた発酵プロセスから誘導されたものである。石油由来の1,4−ブタンジオールを使用することも可能である。
2,5−フランジカルボン酸
本発明によるプロセスの合成を行うために使用される2,5−フランジカルボン酸は、好ましくは農業資源由来であるかまたは生物由来であるが、石油由来であってもよい。
本プロセスに2,5−フランジカルボン酸のエステルを用いる場合も、後者は、好ましくは農業資源由来であるかまたは生物由来であるが、石油由来であってもよい。
予想に反して、本出願人らは、2,5−フランジカルボン酸のモノマーを、PBSの合成に使用されるコハク酸のモノマーおよび1,4−ブタンジオールのモノマーに添加すると、一定の重合温度を維持しながらエステル交換速度をかなり増大させることが可能であることを見出した(本プロセスのステップ2)。脂肪族ポリマーの合成に芳香族コモノマーを添加する場合の影響としては、寧ろ重合速度を低下させることが予想されたであろう。
エステル交換反応の速度は、例えば、機械的撹拌機のトルクを監視することによって評価することができる。実際、エステル交換反応によってポリマーの分子量が増大することになる。後者には粘度の増加が伴い、これは、溶融した反応混合物中の機械的撹拌機のシャフトに作用するトルクにより監視することができる。
したがって、予期せぬことに、本発明によるプロセスにおいては、芳香族モノマーが存在することによってエステル交換の速度が加速されるので、先行技術の脂肪族−芳香族ポリマーを調製するためのプロセスに対し明らかな利点がある。
さらに、本発明によるプロセスは、特に、芳香族モノマーが存在しても、反応が一層進行しにくくなるという予想された影響を受けないので、脂肪族−芳香族ポリマーを合成するための他のプロセスよりも高い分子量のポリマーを得ることが可能である。したがって、所望に応じて高分子量に到達するまで問題なくエステル交換を行うことができる。
本発明によるポリマーの機械的性質
本発明によるポリマーに想定されている使用には、主として、機械的性質が重要である使用が含まれる。本発明によるポリマーに想定されて使用の中では、例えばフィルムの形成を挙げることができる。
本発明によるポリマーおよび本発明によるプロセスにより得られるポリマーは、興味深い機械的性質を有している。例えば、本発明によるポリマーは破断伸びが高い。特に、本発明によるポリマー、特に、本発明によるPBSFポリマーの破断伸びは、PBSよりも高い。さらに、芳香族単位の数が理想的な数である場合、本発明によるPBSFポリマーの破断伸びは、他の脂肪族−芳香族ポリエステル、特にポリ(ブチレンサクシネート−コ−テレフタレート)(PBST)およびポリ(ブチレンアジペート−コ−テレフタレート)(PBAT)と比較しても向上している。さらに、PBSFすなわち本発明によるポリエステルは、高温における機械的性質が本発明による他のポリマーよりも優れており、特にポリ(ブチレンセバケート−コ−フラノエート)よりも優れている点が特に興味深い。これは、脂肪族モノマーおよび芳香族モノマーのモル量が同一であるポリ(ブチレンセバケート−コ−フラノエート)と比較すると、PBSFの融点の方が高いことに関連している。本発明によるポリマーの融点は、好ましくは80℃を超え、非常に好ましくは90℃を超える。融点は、実施例の運転条件に従い決定することができる。
本発明の他の目的は、本発明によるプロセスにより得ることができるポリマー、特にポリ(ブチレンサクシネート−コ−フラノエート)すなわちPBSFポリマーである。
本発明の他の目的は、本発明によるプロセスにより得られるポリマー、特にポリ(ブチレンサクシネート−コ−フラノエート)すなわちPBSFポリマーである。
本発明の他の目的は、本発明による少なくとも1種のポリマー、特に本発明によるプロセスにより得られるポリマーを含むポリマー組成物である。
「ポリマー組成物」とは、好ましくは本発明によるプロセスにより合成される本発明による1種または複数のポリマーを含み、場合により他の成分(例えば、プラスチック技術分野で従来使用されているポリマーまたは添加剤等)が混合されている組成物を意味する。
一実施形態においては、本発明によるポリマー組成物は、本発明による1種または複数種のポリマー以外の成分を含まない。
他の実施形態においては、本発明によるポリマー組成物は、ポリマーとして、本発明による少なくとも1種のポリマー、好ましくは本発明によるプロセスにより得られるポリマーのみを含む。
好ましくは、本発明によるポリマー組成物は、本発明による少なくとも1種のポリマー、好ましくは、本発明によるプロセスにより得られるポリマーからなる。
本発明によるポリマーまたはポリマー組成物は、あらゆる種類の物体の製造に使用することができる。これらは様々な方法、特に、押出成形、フィルムのバブルもしくは中空体の押出ブロー(ブロー成形)もしくは押出ブロー成形、射出、紡織(textile spinning)またはカレンダー成形で成形することができる。ブロー成形による成形により、熱可塑性ポリマーの大判フィルムを製造することができる。
本発明によるポリマーおよびポリマー組成物は、ブロー成形による成形に特に適している。
本発明の1つの目的は、本発明によるポリマーまたはポリマー組成物のフィルムのブロー成形にある。ブロー成形プロセスは、ブロー成形(「インフレーション」とも呼ばれる)によってこれらを成形するプロセスを含む。
このプロセスは当業者によく知られており、一般に、溶融状態にあるポリマーを押出機を用いて成形したバブルを連続供給することにより実施される。これは、フィルム押出またはインフレーション成形(film blow molding)とも呼ばれる。
実際、本発明によるポリマーは、国際公開第2009/135921A1号パンフレットのポリマーとは異なり、これらの技法を用いて特に良好に加工することができる。
本発明の他の目的は、本発明によるポリマーまたはポリマー組成物のフィルム、好ましくは本発明によるブロー成形プロセスにより得られるフィルムにある。
したがって、本ポリマーまたは本組成物は、フィルムの形態とすることができる。本発明によるフィルムは、一般に、厚みが5〜1000μm、好ましくは10〜50μmである。
次に示す実施例は、例示を目的として提供するものであって、本発明の実施形態を制限するものではない。
ポリマーの性状を次に示す技法により調査した。
末端カルボニル基の量(酸価、AV)を電位差滴定により測定する。最初にポリマーをクロロホルムに溶解し、次いで水酸化ナトリウムのメタノール溶液で滴定する。次いでその結果を、溶液を中和するのに要した水酸化カリウムの当量(mg/g)で表す。
様々なポリエステルの溶融粘度(MFR、メルトフローレート)を、Ats Farr押出し式プラストメータ型の評価装置(grader)を使用して調査する。測定は全て、ASTM D 1238−82標準に準拠し、190℃で2.16kgの錘を使用して行った。
さらに、ポリマーを、等重量のフェノールおよびオルト−ジクロロベンゼンの混合物に130℃で撹拌しながら溶解した後、この溶液中の還元粘度を、ウベローデ毛細管粘度計を用いて25℃で評価する。この測定において導入したポリマーの濃度は0.5g/Lである。
ポリマーの分子量を、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール中でサイズ排除クロマトグラフィーを行うことにより推定する。濃度1g/Lの試料を0.75mL/分の流速で溶出させ、シグナルをAgilent−RI−1100a型のRI検出器で記録する。最後にポリメタクリル酸メチル標準物質で校正して平均分子量(MnおよびMw)を求める。
熱的性質(ガラス転移温度、結晶化温度、融点および結晶化度)を、示差熱測定にて10℃/分で走査することにより(DSC、示差走査熱量分析)測定する。
押出ブロー成形により得られたフィルムの機械的性質を、一軸引張試験により、速度を50mm/分として求めた。次に示す寸法のダンベル型試験片を使用した:厚み約30〜50μm、幅4mm、長さ(公称値)10mm。
2,5−フランジカルボン酸を含むコポリマーのH NMR分析を、QNPプローブを取り付けたBruker 400 MHz分光器を用いて行う。分析を行うために、ポリマー試料をまず重水素化クロロホルムに溶解した。
特定の試料のコンポスト化可能性を、集約的な好気的コンポスト化のプロセスを模擬したISO 14855−1:2005標準に従い調査した。これらの試験を行うために、熟成コンポストを含む植種源を1〜6(w/w)の割合で試料と混合した。このプロセスにおいては、温度を58±1℃に維持し、湿度を50%に調整する。培養液のpHおよび連続的な通気の監視および制御も行う。反応器から放出されるCOの量を赤外線分析装置を用いて測定する。次いで、放出されたCO量の累計を、試料中に最初に含まれていた有機炭素の量と比較することにより生分解の程度を算出する。
実施例1:本発明によるプロセス
本発明によるポリマーを、加熱系、トルクΔCを測定する機械的撹拌機、蒸留塔、真空ラインおよび窒素ガス導入口を備えた7.5L容の反応器内で2ステップの重縮合反応を行うことにより合成する。反応器に、所望の比率のコハク酸および2,5−フランジカルボン酸の混合物を16molおよび1,4−ブタンジオール(ジオール過剰率5mol%)を16.8molを装入する。反応混合物を2バールの窒素で加圧し、一定速度(150回転/分)で撹拌しながら225℃に加熱する。ブタンジオールの脱水に応じて生成する水およびテトラヒドロフラン(THF)の混合物を反応器から留去する。第1ステップのエステル化の収率を回収した水の量に応じて評価する。
第2ステップにおいては、0.7ミリバールで120分間減圧し、温度を230℃に昇温する。圧力が約20ミリバールになったらZr(OBu)触媒を添加する。その比率は、二酸全体対触媒のモル比が1.8×10−3となるようにする。所望のトルクΔCに達するまで(撹拌機で測定)このような低圧条件を維持する。最後に、反応器底部の弁を介してポリマーの棒状体を注型し、温度制御された水槽内で冷却し、切断して約15mgの顆粒にする。
実施例2:本発明および比較によるポリブチレンサクシネートおよびポリ(ブチレンサクシネート−コ−フラノエート)の調製
実施例2.1(比較例):
実施例1に記載したプロセスに従い、1,4−ブタンジオールを1514.0gおよびコハク酸を1889.0gから出発してポリマーを合成する。エステル化終了後、ジルコニウムテトラ−n−ブチラートを11.586gを触媒として添加する。エステル交換ステップを、0.7ミリバール、230℃で250分間行う。
こうして得られた樹脂の溶融粘度は35g/10分(190℃、2.160kg)であり、溶液中の還元粘度は201mL/gであり、数平均分子量は59000g・mol−1である。最終ポリマーの酸性度は51μeq・g−1である。ポリマーの融点は115℃であり、ガラス転移温度は−30℃であり、結晶化温度は59℃であり、結晶化度は31%である。
実施例2.2(本発明によるポリマー):
実施例1に記載したプロセスに従い、1,4−ブタンジオールを1514.0g、コハク酸を1795.0gおよび2,5−フランジカルボン酸を124.9gから出発してポリマーを合成する。エステル化終了後、ジルコニウムテトラ−n−ブチラートを11.586gを触媒として添加する。エステル交換ステップを0.7ミリバール、230℃で40分間行う。
こうして得られた樹脂の溶融粘度は43g/10分(190℃、2.160kg)であり、溶液中の還元粘度は191mL/gであり、数平均分子量は58200g・mol−1である。最終ポリマーの酸性度は71μeq・g−1である。ポリマーの融点は111℃であり、ガラス転移温度は−31℃であり、結晶化温度は63℃であり、結晶化度は27%である。NMRにより定量化された、ポリマーに導入された2,5−フラン酸(furanic acid)の量は、二酸の合計に対し2.7mol%である。
実施例2.3(本発明によるポリマー):
実施例1に記載したプロセスに従い、1,4−ブタンジオールを1514.0g、コハク酸を1700.5gおよび2,5−フランジカルボン酸を249.7gから出発してポリマーを合成する。エステル化終了後、ジルコニウムテトラ−n−ブチラートを11.586gを触媒として添加する。エステル交換ステップを0.7ミリバール、230℃で50分間行う。
こうして得られた樹脂の溶融粘度は48g/10分(190℃、2.160kg)であり、溶液中の還元粘度は179mL/gであり、数平均分子量は59200g・mol−1である。最終ポリマーの酸性度は76μeq・g−1である。ポリマーの融点は103℃であり、ガラス転移温度は−24℃であり、結晶化温度は50℃であり、結晶化度は24%である。NMRにより定量化された、ポリマー中に導入された2,5−フラン酸の量は、二酸の合計に対し8.1mol%である。
実施例2.4(本発明によるポリマー):
実施例1に記載したプロセスに従い、1,4−ブタンジオールを1514.0g、コハク酸を1511.6gおよび2,5−フランジカルボン酸を499.5gから出発してポリマーを合成する。エステル化終了後、ジルコニウムテトラ−n−ブチラートを11.586gを触媒として添加する。エステル交換ステップを0.7ミリバール、230℃で90分間行う。
こうして得られた樹脂の溶融粘度は42g/10分(190℃、2.160kg)であり、溶液中の還元粘度は167mL/gであり、数平均分子量は61700g・mol−1である。最終ポリマーの酸性度は76μeq・g−1である。ポリマーの融点は90℃であり、ガラス転移温度は−17℃であり、結晶化度は14%である。NMRにより定量化された、ポリマーに導入された2,5−フラン酸の量は、二酸の合計に対し15.0mol%である。
実施例2.5(比較例):
実施例1に記載されたプロセスに従い、1,4−ブタンジオールを1514.0g、コハク酸を755.8gおよび2,5−フランジカルボン酸を1498.5gから出発してポリマーを合成する。エステル化終了後、ジルコニウムテトラ−n−ブチラートを11.586gを触媒として添加する。エステル交換ステップを0.7ミリバール、230℃で150分間行う。
こうして得られた樹脂の溶液中の還元粘度は22mL/gであり、数平均分子量は1250g・mol−1である。ポリマーの融点は54℃であり、ガラス転移温度は−21℃であり、結晶化度は15%である。NMRで定量化された、ポリマー中に導入された2,5−フラン酸の量は、二酸の合計に対し50.6mol%である。
こうして合成されたポリマーは、溶融挙動および結晶化速度が十分ではないため、押出ブロー成形に使用することができなかった。
表1に、機械的性質および実際にポリマー鎖中に導入された2,5−フランジカルボン酸の量を示す。
2,5−フランジカルボン酸から誘導された単位および脂肪族二酸から誘導された単位の合計の、単位全体に対するモル分率は、すべて40〜60%の間にある(表1には記載されていない)。
脂肪族ジオールから誘導された単位の合計の、単位全体に対するモル分率は、すべて40〜60%の間にある(表1には記載されていない)。
実施例3:比較例、他の脂肪族−芳香族ポリマーの調製
実施例3.1
実施例1に記載したプロセスに従い、1,4−ブタンジオールを1514.0g、コハク酸を1700.5gおよびテレフタル酸を265.8gから出発してポリマーを合成する。エステル化終了後、ジルコニウムテトラ−n−ブチラートを11.586gを触媒として添加する。エステル交換ステップを0.7ミリバール、230℃で100分間行う。
こうして得られた樹脂の溶液中の還元粘度は29mL/gである。ポリマーの融点は106℃であり、ガラス転移温度は−42℃であり、結晶化温度は59℃であり、結晶化度は37%である。
こうして生成したポリマーは、同一条件(エステル交換温度および触媒)で合成した様々なPBSFと比較すると、還元粘度が非常に低く、分子量も同程度に低い。図3の実施例3.1はこの現象とよく一致している。こうして合成されたポリマーは、十分な溶融挙動および結晶化速度を有していないため、押出ブローに使用することができなかった。
したがって、次の実施例3.2においては、より高い分子量を有するポリマーを生成させることができるように合成条件を修正した(温度を高くする)。
実施例3.2
実施例1に記載したプロセスに従い、1,4−ブタンジオールを1514.0g、コハク酸を1795gおよびテレフタル酸を132.9gから出発してポリマーを合成する。エステル化終了後に、ジルコニウムテトラ−n−ブチラートを11.586gを触媒として添加する。エステル交換ステップを0.7ミリバール、250℃で36分間行う。
こうして得られた樹脂の溶融粘度は37g/10分(190℃、2.160kg)であり、溶液中の還元粘度は200mL/gであり、数平均分子量は52400g・mol−1である。最終ポリマーの酸性度は70μeq・g−1である。ポリマーの融点は110℃であり、ガラス転移温度は−31℃であり、結晶化温度は50℃であり、結晶化度は29%である。
NMRで定量化された、ポリマー中に導入されたテレフタル酸の量は、二酸の合計に対し4.1mol%である。
実施例3.3
次に示すプロセスに従い、ポリマーを生成するために、触媒も変更した。
実施例1に記載したプロセスに従い、1,4−ブタンジオールを1514.0g、コハク酸を1700.5gおよびテレフタル酸を265.8gから出発してポリマーを合成する。エステル化終了後、チタンテトラ−n−ブチラート7.831gを触媒として添加する。エステル交換ステップを0.7ミリバール、250℃で240分間行う。
こうして得られた樹脂の溶融粘度は40g/10分(190℃、2.160kg)であり、溶液中の還元粘度は174mL/gであり、数平均分子量は49700g・mol−1である。最終ポリマーの酸性度は45μeq・g−1である。ポリマーの融点は105℃であり、ガラス転移温度は−28℃であり、結晶化温度は34℃であり、結晶化度は25%である。
NMRにより定量化された、ポリマー中に導入されたテレフタル酸の量は、二酸の合計に対し7.5mol%である。
実施例3.4
次に示すプロセスに従い、ポリマーを生成するために、重合温度および触媒の量をさらに増加した。
実施例1に記載したプロセスに従い、1,4−ブタンジオールを1514.0g、コハク酸を1511.6gおよびテレフタル酸を531.6gから出発してポリマーを合成する。エステル化終了後、チタンテトラ−n−ブチラート15.661gを触媒として添加する。エステル交換ステップを0.7ミリバール、270℃で320分間行う。
こうして得られた樹脂の溶融粘度は55g/10分(190℃、2.160kg)であり、溶液中の還元粘度は132mL/gであり、数平均分子量は34900g・mol−1である。最終ポリマーの酸性度は58μeq・g−1である。ポリマーの融点は97℃であり、ガラス転移温度は−27℃であり、結晶化温度は20℃であり、結晶化度は21%である。
NMRにより定量化された、ポリマー中に導入されたテレフタル酸の量は、二酸の合計に対し13.9mol%である。
実施例4:ポリ(ブチレンセバケート−コ−フラノエート)の調製
実施例4.1(本発明によるポリマー):
実施例1に記載したプロセスに従い、1,4−ブタンジオールを1514.0g、セバシン酸を2588.2gおよび2,5−フランジカルボン酸を499.5gから出発してポリマーを合成する。エステル化終了後、チタンテトラ−n−ブチラートを11.237gを触媒として添加する。エステル交換ステップを0.7ミリバール、230℃で59分間行う。
こうして得られた樹脂の溶液中の還元粘度は183mL/gであり、数平均分子量は51500g・mol−1である。ポリマーの融点は57℃であり、ガラス転移温度は42℃であり、結晶化度は33%である。NMRにより定量化された、ポリマー中に導入された2,5−フラン酸の量は、二酸の合計に対し18.8mol%である。
最終ポリマーは押出ブロー成形で成形することが可能であった。しかしながら、最終コポリマーは融点が低く(Tm=57℃)、特定の用途には使用することができない。耐熱性もコハク酸をベースとするコポリマーよりも低い。
実施例4.2(比較例):
このポリマーを、国際公開第2009135921A1号パンフレットの実施例1に記載されているプロセスに従い、1,4−ブタンジオールを2019.3g、セバシン酸を1294.1gおよびフランジカルボン酸ジメチルを1766.4gから出発して合成する。混合物を200℃に加熱し、連続撹拌する。この温度を1時間維持した後、チタン酸テトラオルトブチル(Tyzor)を100ppmを加える。この添加に続いて温度を3時間で235℃に昇温する。このエステル化ステップの最中にメタノール、水およびテトラヒドロフランの混合物を回収する。
エステル化終了後、チタン酸テトラ−オルトブチル(Tyzor)を1000ppmを再び添加し、次いで圧力を1ミリバールに減圧する。次いで温度を240℃に昇温する。これらの減圧および温度条件を120分間維持する。
こうして得られた樹脂の溶液中の還元粘度は159mL/gであり、数平均分子量は59090g・mol−1である。ポリマーの融点は101℃であり、ガラス転移温度は12℃であり、結晶化度は9%である。NMRで定量化された、ポリマー中に導入された2,5−フラン酸の量は、二酸の合計に対し58.0mol%である。
こうして合成されたポリマーは、押出ブロー成形により成形を行うのに十分な結晶化速度を有していない。
次に示す表1には、異なるポリマーフィルムの2方向(バブルの成形軸に対し長手方向および横断方向)の弾性率、破断応力および破断伸びの値を示す。ポリマーP(BS−co−BF)は本発明によるものである。
2,5−フランジカルボン酸から誘導された単位および脂肪族二酸から誘導された単位の合計のモル分率は、単位全体に対し、すべて40〜60%の間にある(表1には記載されていない)。
脂肪族ジオールから誘導された単位の合計のモル分率は、単位全体に対しすべて40〜60%の間にある(表1には記載されていない)。
様々な脂肪族−芳香族ポリエステルのコンポスト化可能性の比較
表2(次表)に特定の試料のコンポスト化条件における90%分解時間を示す。ポリ(ブチレンサクシネート−コ−フラノエート)の試料が生分解性に関するEN 13432の基準を満たしていることが明白である。
PBSを合成するためのプロセスと本発明によるプロセスとの速度の比較
図2は、本発明によるプロセスにおいて2,5−フランジカルボン酸コモノマーの比率を変化させた場合の(5、10および20%)トルクの測定値を、コモノマーの非存在下にPBSを合成したプロセスにおけるトルクの測定値と比較し、エステル交換時間に対し示したものである。触媒Zr(OBu)は、二酸の合計対触媒のモル比が1.8×10−3となる比率で使用し、エステル交換温度は230℃とする。
トルクは、2,5−フランジカルボン酸コモノマーを含むポリマーの方がPBS単独の場合よりも急速に増大する。したがって、例えば、
−2,5−フランジカルボン酸コモノマーが5%である場合は約140分後、
−2,5−フランジカルボン酸コモノマーが10%である場合は約150分後、
−2,5−フランジカルボン酸コモノマーが20%である場合は約190分後、
−2,5−フランジカルボン酸コモノマーが0%である場合は約340分後
にトルクが12Nmに到達する。
この増大は、2,5−フランジカルボン酸コモノマーを添加することによりエステル交換速度が加速されるという特徴を表している。
得られる多分散指数は、PBS単独の場合は1.9であり、2,5−フランジカルボン酸コモノマーを5〜10%含むPBSの場合は1.8であり、2,5−フランジカルボン酸コモノマーを20%含むPBSの場合は1.9であることから、重合速度が加速しても重合の品質は犠牲にならない。さらに、得られる分子量は、
−PBSの場合は59000g/molであり、
−2,5−フランジカルボン酸コモノマーを5%含むPBSの場合は58200g/molであり、
−2,5−フランジカルボン酸コモノマーを10%含むPBSの場合は59200g/molであり、
−2,5−フランジカルボン酸コモノマーを20%含むPBSの場合は61700g/molである。
比較のため、図3に、異なる比率のテレフタル酸コモノマー(5、10および20%)を含むPBSを異なる合成条件(触媒の量および種類ならびに温度)で合成するプロセスにおけるトルクの測定値をエステル交換時間に対し示す。各比率ごとに重合条件を最適化することが必要である。これらの条件を次に示す:
5%:
−触媒:Zr(OBu)
−二酸の合計対触媒のモル比:1.8×10−3
−エステル交換温度:250℃
10%:
−触媒:Ti(OBu)
−二酸の合計対触媒のモル比:1.4×10−3
−エステル交換温度:250℃
20%:
−触媒:Ti(OBu)
−二酸の合計対触媒のモル比:2.9×10−3
−エステル交換温度:270℃。
この場合は、コモノマーを添加することによってエステル化速度が遅くなる。さらに、多分散指数は、コモノマーが5%の場合は1.9へ、コモノマーが10および20%ではそれぞれ2.1および3.8へと変化する。さらに、得られるポリマーの分子量の範囲は、コモノマーが5%の場合は52400g/molであり、コモノマーが10および20%の場合はそれぞれ49700および34900g/molである。

Claims (13)

  1. 2,5−フランジカルボン酸と、4〜10個の炭素原子を含む少なくとも1種の脂肪族二酸と、2〜8個の炭素原子を含む少なくとも1種の脂肪族ジオールとを含むモノマーから誘導された単位を含むポリマーであって、前記ポリマーは、
    2,5−フランジカルボン酸から誘導された単位を、脂肪族二酸から誘導された単位および2,5−フランジカルボン酸から誘導された単位のモル数の合計に対し5〜30%の範囲のモル分率で含み、
    前記2,5−フランジカルボン酸から誘導された単位および前記脂肪族二酸から誘導された単位の合計のモル分率は、前記単位全体に対し40〜60%であり、
    前記脂肪族ジオールから誘導された単位の合計のモル分率は、前記単位全体に対し40〜60%である、ポリマー。
  2. 前記脂肪族二酸が直鎖飽和二酸であり、および/または前記脂肪族ジオールが直鎖飽和ジオールである、請求項1に記載のポリマー。
  3. 前記脂肪族二酸がコハク酸である、請求項2に記載のポリマー。
  4. 前記脂肪族ジオールが1,4−ブタンジオールである、請求項2または3に記載のポリマー。
  5. 前記2,5−フランジカルボン酸から誘導された単位、前記脂肪族二酸から誘導された単位および前記脂肪族ジオールから誘導された単位の合計が、前記ポリマーの単位全体に対し90mol%超である、請求項1〜のいずれか一項に記載のポリマー。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載のポリマーを調製するためのプロセスであって、
    オリゴマーを形成するために、脂肪族二酸のモノマーと、2,5−フランジカルボン酸のモノマーと、脂肪族ジオールのモノマーとをエステル化する、ステップ1と、
    ポリマーを形成するために、前記第1ステップにおいて形成した前記オリゴマーをエステル交換によりカップリングさせる、ステップ2と
    を含むプロセス。
  7. 前記脂肪族二酸が直鎖飽和脂肪族二酸であり、および/または前記脂肪族ジオールが直鎖飽和脂肪族ジオールである、請求項に記載のプロセス。
  8. 前記直鎖飽和二酸がコハク酸である、請求項に記載のプロセス。
  9. 前記直鎖飽和ジオールが1,4−ブタンジオールである、請求項またはに記載のプロセス。
  10. 前記2,5−フランジカルボン酸、前記脂肪族二酸および/または前記脂肪族ジオールが、農業資源由来であるかまたは生物由来である、請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
  11. ステップ2が、ジルコニウム触媒の存在下に行われる、請求項10のいずれか一項に記載のプロセス。
  12. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の少なくとも1種のポリマーを含むポリマー組成物。
  13. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリマーまたは請求項12に記載のポリマー組成物を含むフィルム。
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