JP2003002963A - 脂肪族ポリエステルの製造方法 - Google Patents

脂肪族ポリエステルの製造方法

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JP2003002963A JP2001183919A JP2001183919A JP2003002963A JP 2003002963 A JP2003002963 A JP 2003002963A JP 2001183919 A JP2001183919 A JP 2001183919A JP 2001183919 A JP2001183919 A JP 2001183919A JP 2003002963 A JP2003002963 A JP 2003002963A
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Kunitoshi Mimura
邦年 三村
Hiroshi Kurata
浩志 倉田
Eiji Koshiishi
英二 輿石
Noriko Momo
典子 百々
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】無水マレイン酸とグリコールを原料として、反
応時間が短縮され、水素添加触媒のろ過性能が向上し、
且つ、反応熱の除熱も効率良く出来る、実用上十分な成
型性および物性を有する脂肪族ポリエステルの製造方法
を提供することにある。 【解決手段】無水マレイン酸とグリコールと希釈剤を混
合し、特定条件で水素添加反応を行うことにより、副反
応を低く制御し、水素添加反応後の精製プロセスの省略
が可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生分解性を有する高分
子量の脂肪族ポリエステルの製造法に関し、詳しくは、
成形加工時の熱安定性に優れ、フィルム、シート、フィ
ラメント、射出、発泡など各種の成形に適する生分解性
を有する高分子量脂肪族ポリエステルの簡便な製造法に
関する。
【0002】本発明に係る脂肪族ポリエステルは、流動
性、射出成形性に優れ、フィルム、シート、フィラメン
トあるいは繊維などの成形品を得るのに好適であり、得
られる成形品は十分な機械的強度を有すると共に、土中
または活性汚泥処理及び堆肥処理により高い生分解性を
示し、包装材料やその他の成形体に広く利用できる。た
とえば、農業分野では土壌表面を被覆して土壌の保温を
行うマルチフィルム、植木用の鉢や紐、または肥料のコ
ーティング材料などに利用でき、あるいは漁業分野では
釣糸、魚網に、さらには医療分野の医療用材料、生理用
品などの衛生材料として利用できる。
【0003】
【従来の技術】近年、地球的規模での環境問題に対し
て、自然環境の中で分解する高分子素材の開発が要望さ
れるようになり、その中でも特に微生物によって分解さ
れるプラスチックは、環境適合性材料や新しいタイプの
機能性材料として大きな期待が寄せられている。
【0004】従来、脂肪族ポリエステルに生分解性があ
ることはよく知られており、その中でも特に、コハク酸
を主原料とする脂肪族2塩基酸と脂肪族ジヒドロキシ化
合物から得られる脂肪族ポリエステルが成型性および物
性が良好であることから注目されている。
【0005】しかしながら、コハク酸を主原料とした脂
肪族ポリエステルはコハク酸の製造プロセスが煩雑であ
り、製造コストが高く普及の妨げとなっている。無水マ
レイン酸を原料とした脂肪族ポリエステルの製造は、従
来、無水マレイン酸を水中で水素添加し、次いで結晶
化、濾過、洗浄、乾燥という工程を経てコハク酸を生成
した後、該コハク酸とグリコールと重縮合を行い大量の
水の留去を行うエステル化のプロセスで行われており、
極めて煩雑でありその簡便化が求められていた。
【0006】この問題を解決すべく本発明者らは、無水
マレイン酸とグリコールを混合し特定条件下で水素添加
反応を行うことにより、副反応を低く制御し、水素添加
反応後の精製プロセスを省略することが可能な方法を見
いだし出願した(特願2000−121560号)。
【0007】しかしながら上記発明においては、実用
上、水素添加反応での反応時間、バッチ式反応での触媒
ろ過性、反応熱の除熱等に問題があり、さらなる製造法
の改良が求められていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、無水
マレイン酸とグリコールを原料として、さらに希釈剤を
混合する事により、反応時間が短縮され、且つ、水素添
加触媒のろ過性及び反応熱の除熱を効率良く行い、実用
上十分な成型性および物性を有する脂肪族ポリエステル
の製造方法を提供することにある。
【0009】さらに、本発明の目的は、無水マレイン酸
の副反応による3官能以上の化合物の生成およびグリコ
ールの副反応による環化を抑えた脂肪族ポリエステルの
製造方法を提供することにある。
【0010】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、無水マレイン酸とグリ
コールと希釈剤を混合し、特定条件で水素添加反応を行
うことにより、副反応を低く制御し、水素添加反応後の
精製プロセスの省略が可能であることを見出し、本発明
に至った。
【0011】水素添加触媒存在下、無水マレイン酸と炭
素数2〜20のグリコール及び希釈剤と水素とを反応さ
せて得られた反応生成物を、エステル交換触媒存在下に
重縮合させることを特徴とする脂肪族ポリエステルの製
造方法に関する。
【0012】本発明による脂肪族ポリエステルの製造
は、無水マレイン酸とグリコール化合物及び希釈剤を水
素添加する第1工程、得られた反応生成物を重縮合する
第2工程より構成される。
【0013】本発明の、第1工程はバッチ式でも流通式
でも実施が可能である。
【0014】バッチ式で行う場合は、水素添加触媒存在
下に無水マレイン酸1モルに対して、炭素数2〜20の
グリコール0.1〜4モルと0.5〜20モルの希釈剤
との混合物を、60度〜250度の温度範囲で1〜10
0kg/cm2 の水素圧力下に撹拌して水素添加を行
い、反応生成物を得る。その後触媒を分離し、次いでエ
ステル交換触媒存在下に重縮合反応を行い、脂肪族ポリ
エステルを製造する。
【0015】流通式で行う場合は、固定床水素添加触媒
存在下に無水マレイン酸1モルに対して、炭素数2〜2
0のグリコール0.1〜4モルと0.5〜20モルの希
釈剤との混合物を、60度〜250度の温度範囲で1〜
100kg/cm2 の水素圧力下に流通させて水素添加
を行い、反応生成物を得る。その後、エステル交換触媒
存在下に重縮合反応を行い、脂肪族ポリエステルを製造
する。
【0016】以下、一例としてバッチ式について詳細を
説明する。
【0017】第1工程は、無水マレイン酸1モルに対し
て0.1〜4モルのグリコールと0.5〜20モルの希
釈剤を混合し、水素添加触媒の存在下、温度60〜25
0℃、好ましくは80〜170℃、水素圧力1〜100
kg/cm2 、好ましくは5〜50kg/cm2 にて攪
拌し、水素添加して反応生成物を得る工程である。
【0018】必要により副生する水およびグリコールの
環化物等を系外に除去する。反応温度が170℃以上の
場合は、3官能以上の副成物の生成量が多くなり、最終
ポリマー中のゲルの含有量が著しく増加する。また、こ
こで用いるグリコールは、無水マレイン酸1モルに対
し、好ましくは0.5〜2モル程度であるが、発熱量が
大きいときには、グリコール及び/または希釈剤を増加
することができる。
【0019】さらに、水素添加反応前に無水マレイン酸
とグリコールと希釈剤の混合物を、活性炭、イオン交換
樹脂等により不純物を除去する事で、第1工程における
触媒寿命を延ばす事も可能である。
【0020】本工程で、使用する水素添加触媒は、P
d、Pd化合物、白金、白金化合物、ルテニウムおよび
ルテニウム化合物が挙げられる。具体的には、Pdの単
体(Pd黒)、Pd炭素、Pdアルミナ、Pdシリカア
ルミナ、Pdシリカ、Pd硫酸バリウム、Pdゼオライ
ト、酸化Pd、白金の単体(白金黒)、白金炭素、白金
アルミナ、酸化白金、ルテニウムの単体(ルテニウム
黒)、ルテニウム炭素、ルテニウムアルミナ、酸化ルテ
ニウム等が例示される。担体中の金属触媒の濃度につい
ては、特に限定されるものではないが、その取扱い上、
10%未満のものが推奨される。触媒の添加量について
も特に限定されるものではないが反応液に対し、0.1
〜10%程度の範囲が推奨される。
【0021】また、本工程で使用されるグリコールは炭
素数が2〜20の直鎖、分岐、脂環式構造を有する脂肪
族グリコールが使用される。具体的には、エチレングリ
コール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタン
ジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ト
リシクロデカジメタノール、ペンタシクロデカジメタノ
ール等が例示されるが、脂肪族ポリエステルの生分解性
および融点の観点から好ましくはブタンジオールであ
る。
【0022】本工程で使用される希釈剤は、反応を阻害
せず、液粘度の低下をもたらし、水素添加反応後、蒸留
等の方法により、容易に反応生成物から分離できるグリ
コール以外の溶媒である。具体的には、水、アセトン、
テトラヒドロフラン、トルエン等が例示されるが、より
好ましくは水である。水は、通常、脱イオン水、蒸留
水、または水道水であるが、不純物の少ない脱イオン水
が好ましい。また、2種類以上の希釈剤を組み合わせて
使用する事も可能である。希釈剤の添加量に関しては、
特に限定されるものではないが、無水マレイン酸1モル
に対し0.5モル〜20モル程度の範囲が推奨される。
【0023】本第1工程をバッチ式で行った場合の触媒
の分離方法は、水分、外気に触れない状況下で、濾過、
加圧濾過、遠心分離、デカンテーション等の手法で分離
でき、分離した触媒は再度使用可能である。反応器にフ
ィルターを装着して行うことも可能であるし、外部に濾
過槽を設けて濾過し、触媒ケーキを次の反応液と混合し
ながら反応器に戻すプロセスも推奨される。また、ペレ
ット状の触媒を反応器内に設置した籠等に入れて反応す
ることにより、濾過等のプロセスを省略することもでき
る。
【0024】本第1工程を流通式で行う場合、ペレット
状の触媒を充填したトリクルベット形式が推奨される。
反応による発熱量が問題となる場合があるが、その場合
は、希釈剤及び/またはグリコール成分を増加させるこ
とと、反応液による希釈が推奨される。また、反応器内
に熱交換機を設置し除熱する事も可能である。
【0025】第2工程は、第1工程で得られた反応生成
物をエステル交換触媒の存在下、重縮合を行い脂肪族ポ
リエステルを製造する工程である。重縮合反応に伴って
副生する水もしくはアルコールおよび過剰のグリコール
を除去する工程である。反応温度100〜280℃で最
終的には減圧条件下で行われる。圧力は上記目的が達成
される圧力が選ばれ、反応を促進する目的で300mm
Hg以下の減圧とすることが好ましい。この工程で別途
グリコール、ジカルボン酸化合物およびヒドロキシカル
ボン酸化合物を添加し、共重合化することができる。
【0026】脂肪族ポリエステルの分子量、酸価、ジヒ
ドロキシ化合物の残存量は、未反応のジヒドロキシ化合
物の留去速度と反応速度を適当にバランスさせることに
より制御可能であり、仕込モル比、触媒、温度、減圧
度、反応時間の条件を適宜選択して組合せる方法や、不
活性気体を適当な流量で吹き込む方法も現実的である。
通常は、触媒の存在下、反応温度100〜280℃で段
階的に減圧度を調節することにより行うことができる。
たとえば、まず常圧でエステル化を行い縮合反応によっ
て生じた水を除去し、次いで200〜80mmHg程度
の減圧度でさらに脱水縮合反応を行わせ、酸価を低減さ
せ、最終的に、5mmHg以下の真空度とする方法が用
いられる。
【0027】過剰のジヒドロキシ化合物の留去と減圧度
の増加速度を早くすることにより、反応時間の短縮、お
よび脂肪族ポリエステル中のジヒドロキシ化合物残存量
の低減化が可能である。
【0028】第2工程で使用されるエステル交換触媒
は、公知のエステル交換触媒が使用できるが、特にTi
化合物、Sn化合物、Ge化合物が好ましい。エステル
交換触媒の使用量は、原料化合物100重量部に対し
て、5×10-5〜1重量部の範囲で用いられる。触媒と
して好ましい化合物の形態としては、脂肪酸塩類、水酸
化物、アルコラート、フェノラート、アセチルアセトナ
ート等種々あげられる。
【0029】さらに本発明は得られた脂肪族ポリエステ
ルに、多価イソシアナ−ト化合物、ジエポキシ化合物、
酸無水物、芳香族ジカルボン酸化合物を添加し反応さ
せ、分子量をさらに高めることもできる。
【0030】多価イソシアナ−ト化合物としては、例え
ばイソシアナ−ト基を2個以上有する化合物で、具体例
としては、ヘキサメチレンジイソシアナ−ト、キシレン
ジイソシアナ−ト、イソホロンジイソシアナート等が挙
げられる。
【0031】多価イソシアナ−ト化合物の添加量は、脂
肪族ポリエステル100重量部に対し、多価イソシアナ
−ト化合物0.1〜3重量部である。
【0032】本発明の脂肪族ポリエステルは、射出成
形、押出成形、インフレーション法、T−ダイス法、紡
糸、フィラメント成形、ブロー成形、真空圧空成形ある
いは発泡成形等の通常の成形手法による成形が可能であ
る。また、必要に応じて通常ポリマーに添加される充填
材、酸化防止剤、安定剤、核剤、紫外線吸収剤、滑材、
ワックス類、色剤、着色剤、含量、フィラー等の添加剤
を添加することができる。
【0033】本発明の脂肪族ポリエステルを用いて成形
品を得る際、使用されるポリマーの分子量は成形加工条
件、成形品の種類により、また成形温度などにより適宜
選択される。射出成形用途では特別な場合を除いてGP
Cで測定されるスチレン換算の重量平均分子量(Mw)
120,000〜350,000の範囲のものが用いら
れる。
【0034】また、本発明の脂肪族ポリエステルは、溶
融粘度として、2,000〜50,000ポイズであ
る。この溶融粘度はフローテスターにより温度190
℃、60kg荷重の条件で測定した溶融粘度である。溶
融粘度が2,000ポイズ以下では樹脂が流れ過ぎ安定
な成形ができない。50,000ポイズ以上では充分な
流動性が得られず成形が困難になる。一般的には、2,
000〜30,000ポイズのものが好ましい。特に、
フィルム成形において均質で良質なフィルムを得るに
は、5,000〜30,000ポイズが好ましい。
【0035】本発明の脂肪族ポリエステルは融点が70
〜200℃の高結晶性ポリマーであり、クロロホルム、
メチレンクロライドなどには溶解するが、テトラヒドロ
フラン、メタノール、アセトン、酢酸エチル、ジエチル
エーテル、ヘキサン、トルエン、キシレン、等の大部分
のアルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、
脂肪族および芳香族炭化水素類には溶解しない優れた耐
溶解性を示す。
【0036】以上のごとく、本発明によれば、耐熱性、
耐溶剤性と実用上の使用に十分な高分子量を有する脂肪
族ポリエステルを製造することができる。
【0037】次に実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。ここでは、グリコール成分として1,4−ブタ
ンジオール、希釈剤として水を用いた場合について主に
例示する。
【0038】本実施例において、分子量はクロロホルム
を溶媒としてGPC(昭和電工(株)製GPC Sys
tem−11使用)によりスチレン換算の重量平均分子
量(Mw)および数平均分子量(Mn)として測定し
た。また、不飽和結合残存量はNMR(日本電子(株)
製NMR EXー270)を使用し測定した。
【0039】脂肪族ポリエステルのメルトフローレート
はメルトインデクサー(東洋精機)を用いて温度190
℃、荷重2.16kgにて測定した。3官能以上の化合
物の含有量については、事前にトリメチロールプロパン
の添加量を変えて製造した脂肪族ポリエステルの分子量
と、メルトフローレートの関係より検量線を作成し、ト
リメチロールプロパン換算の値とした。
【0040】実施例1 第1工程 攪拌機、圧力測定装置を装着した、耐圧反応器に無水マ
レイン酸39.2g(0.4モル)1,4−ブタンジオ
ール54.1g(0.6モル)、水14.4g(0.8
モル)および5%パラジウム/カーボン触媒を0.4g
仕込み、水素により圧力20kg/cm2 にて3回置換
を行った。圧力20kg/cm2 とした後、毎分108
0回転の攪拌下に反応器を昇温し、90℃にて圧力を2
0kg/cm2 として、1時間43分反応を行った。圧
力低下が無くなったのを確認した後、反応液を窒素加圧
下(0.3kg/cm2)に濾過し103gの反応生成
物を得た。ろ過時間は1分20秒であった。得られた濾
液は、NMRより不飽和結合が無いことが確認された。
また、1,4−ブタンジオールの環化により副成したテ
トラヒドロフラン(THF)は添加した1,4−ブタン
ジオールに対して2モル%であった。
【0041】第2工程 第1工程で得られた103gの反応生成物を攪拌機、留
出コンデンサー、温度計を装着した、300mlの反応
器に仕込み、エステル交換触媒としてチタニウムテトラ
ブトキサイド7mgを添加して攪拌下に加熱した。温度
は100℃から225℃まで20分で昇温した後225
℃一定で保持した。圧力は常圧で2時間保持した後15
0mmHgにて1時間、その後1時間で5mmHgまで
減圧し、フル真空下4時間反応を行い、脂肪族ポリエス
テルを得た。得られた脂肪族ポリエステルの重量平均分
子量(Mw)は18万であり、ポリマー中の3官能成分
は、Mwとメルトフローレートの関係から、0.25%
と推定された。
【0042】比較例1 第1工程 攪拌機、圧力測定装置を装着した、耐圧反応器に無水マ
レイン酸39.2g(0.4モル)1,4−ブタンジオ
ール54.1g(0.6モル)および5%パラジウム/
カーボン触媒を0.4g仕込み、水素により圧力20k
g/cm2 にて3回置換を行った。圧力20kg/cm
2 とした後、毎分1080回転の攪拌下に反応器を昇温
し、90℃にて圧力を20kg/cm2 として、6時間
40分反応を行った。圧力低下が無くなったのを確認し
た後、反応液を窒素加圧下(0.3kg/cm2)に濾
過し90gの反応生成物を得た。ろ過に5分10秒の時
間がかかった。得られた濾液は、NMRにより不飽和結
合が無いことが確認された。また、1,4−ブタンジオ
ールの環化により副成したテトラヒドロフラン(TH
F)は添加した1,4−ブタンジオールに対して2モル
%であった。
【0043】第2工程 第1工程で得られた90gの反応生成物を攪拌機、留出
コンデンサー、温度計を装着した、300mlの反応器
に仕込み、エステル交換触媒としてチタニウムテトラブ
トキサイド7mgを添加して攪拌下に加熱した。温度は
100℃から225℃まで20分で昇温した後225℃
一定で保持した。圧力は常圧で2時間保持した後150
mmHgにて1時間、その後1時間で5mmHgまで減
圧し、フル真空下4時間反応を行い、脂肪族ポリエステ
ルを得た。得られた脂肪族ポリエステルの重量平均分子
量(Mw)は17万であり、ポリマー中の3官能成分
は、Mwとメルトフローレートの関係から、0.25%
と推定された。
【0044】
【本発明の効果】本発明の脂肪族ポリエステルの製造方
法は、簡便かつ高収率で単時間のうちに有用なポリマー
を製造することが可能であり、得られたポリマーは、実
用上充分な成型性、物性を有し、射出成形品、フィル
ム、シート、ボトル、発泡体あるいは繊維などの成形品
を得るのに好適であり、成形品は耐熱性、耐溶剤性なら
びに機械的強度に優れており、土中また活性汚泥処理で
も高い生分解性を示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 69/42 C07C 69/42 69/60 69/60 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 百々 典子 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC11 AC48 BA22 BA23 BA26 4H039 CA66 CB10 4J029 AA03 AB04 AC01 AE01 AE02 AE03 BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA10 BD00 BD01 BD03A BD10 CA04 JB131 JB181 JB201 JF321 JF361 JF371 KA00 KA02 KE02 KE05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素添加触媒存在下、無水マレイン酸と炭
    素数2〜20のグリコール及び希釈剤と水素とを反応さ
    せて得られた反応生成物を、エステル交換触媒存在下に
    重縮合させることを特徴とする脂肪族ポリエステルの製
    造方法。
  2. 【請求項2】脂肪族ポリエステル中の3官能以上の化合
    物含有量が、仕込み無水マレイン酸に対してモル比で3
    %未満である請求項1記載の脂肪族ポリエステルの製造
    方法。
  3. 【請求項3】水素添加触媒が、Pd、Pd化合物、白
    金、白金化合物、ルテニウムおよびルテニウム化合物か
    らなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記
    載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
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Cited By (3)

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