生分解性 (ォキサレート一アミ ド) 共重合体 技術分野
本発明は、 生分解性 (ォキサレ一トーアミ ド) 共重合体に関する ものである。 更に詳しく述べるならば、 本発明は脂肪族ォキサレ一 ト構造含有繰り返し単位と、明脂肪族アミ ド構造を有する繰り返し単 位とを含む、 生分解性 (ォキサレ田一トーアミ ド) 共重合体に関する ものである。 本発明の生分解性 (ォキ書サレート一アミ ド) 共重合体 は、 溶融成形加工性に優れ、 フィルム、 シート、 繊維、 不織布、 及 び容器などの各種成形体の原料として有用である。 背景技術
ナイロン 6、 ナイロン 66、 ナイロン 1 2及び、 これらのコポリマ一 などのような高分子量ポリアミ ド樹脂は、 繊維、 フィルム及び各種 成形品の成形原料として、 大量に使用されている。 しかし、 これら 従来のポリアミ ド樹脂は、 生分解性がないため、 これを地中に埋め て廃棄することは地球環境保全の観点から不適当であり、 またコン ポス ト処理することもできないものである。
高分子量ポリアミ ド樹脂に生分解性を付与する手段として、 ポリ アミ ド分子中に、 脂肪族エステル構造を導入することが知られてお り、 例えば、 特開平 7 — 10206 1号公報 (特許文献 1 ) には、 ポリア ミ ド分子中に、 ジオール—ジカルボン酸エステル型の脂肪族エステ ル構造を導入した脂肪族 (エステル一アミ ド) 共重合体が記載され ている。 この脂肪族 (エステル—アミ ド) 共重合体は、 脂肪族エス テル構造含有繰り返し単位 (E ) と、 脂肪族アミ ド構造含有繰り返
し単位 (A) との含有質量比率 (E) / ( A) 力 30/ 70以上、 70 Z30以下であり、 その融点は 75°C以上であった。 前記特許文献 1の 記載によれば、 前記脂肪族ジカルボン酸はシユウ酸を包含するもの である。
しかし、 特許文献 1 には脂肪族ジカルボン酸として脂肪族〇2ジ カルボン酸を用い得ることは記載されているカ^ シユウ酸が具体的 に用いられている共重合体の記載も実施例の記載もない。 また本発 明の発明者が、 特許文献 1 に記載の方法により、 ポリアミ ドにシュ ゥ酸エステルを特許文献 1 に記載の重量比率の範囲内で共重合させ る反応を行ったところ、 得られた共重合体は、 加水分解性が高く大 気条件下における耐久性の低いものであり、 しかも生分解速度が著 しく速いため、 実用性に欠けるものであった。
〔特許文献 1〕 特開平 7 — 102061号公報 発明の開示
本発明の目的は、 実用上十分な耐久安定性を有し、 かつ、 廃棄又 はコンポス ト処理に際しては実用上十分な生分解性を有する (ォキ サレート一アミ ド) 共重合体を提供することにある。
本発明の生分解性 (ォキサレート一アミ ド) 共重合体は、 脂肪族 アミ ド構造を有する少なく とも 1種の繰り返しアミ ド単位 (A) と
、 脂肪族ォキサレート構造を有する少なく とも 1種の繰り返しォキ サレート単位 (B) とを含む共重合体であって、
前記繰り返しォキサレート単位 (B) の、 前記繰り返しアミ ド単 位 (A) に対する質量比 (B) / (A) 力 下記関係式 ( I ) :
5 /95≤ (B) / (A) く 30 70
を満足することを特徴とするものである。
本発明の生分解性 (ォキサレート一アミ ド) 共重合体において、
前記繰り返しアミ ド単位 (A) 、 及び前記繰り返しォキサレート単 位 (B) 力 それぞれブロックを形成して共重合していることが好 ましい。
本発明の生分解性 (ォキサレート一アミ ド) 共重合体において、 前記繰り返しアミ ド単位 (A) ブロック力 300〜2000の範囲内の 数平均分子量を有することが好ましい。
本発明の生分解性 (ォキサレ一トーアミ ド) 共重合体は、 3000〜 100, 000の範囲内の数平均分子量を有することが好ましい。
本発明の成形体は、 前記本発明の生分解性 (ォキサレート一アミ ド) 共重合体を含むものである。
本発明の生分解性 (ォキサレ一トーアミ ド) 共重合体は、 既知の 生分解性 (ォキサレート一アミ ド) 共重合体にく らべて、 機械的強 度が高く、 実用上強靭であって、 実用上十分な耐久性を有し、 かつ 生分解速度が、 実用上適度である。 すなわち本発明において、 初め て、 実用可能な生分解性 (ォキサレ一トーアミ ド) 共重合体の提供 に成功したものである。 発明を実施するための最良の形態
本発明の生分解性 (ォキサレ一トーアミ ド) 共重合体は、 脂肪族 アミ ド構造を有する少なく とも 1種の繰り返しアミ ド単位 (A) と 、 脂肪族ォキサレート構造を有する少なく とも 1種の繰り返しォキ サレート単位 (B) とを含む共重合体であって、 この共重合体中の 前記繰り返しォキサレート単位 (B) 含有量の、 前記繰り返しアミ ド単位 (A) の含有量に対する質量比 (B) / ( A) は、 5Z95以 上であり、 しかし、 30/70未満であり、 好ましくは 10/90以上、 25 Z75以下であり、 より好ましくは 15Z85以上、 25/ 75以下である。 質量比 (B) / (A) が、 5 95未満であると、 得られる (ォキサ
レート一アミ ド) 共重合体の生分解性が実用上不十分になり、 また それが 30Z70以上になると、 生分解速度が過度に速く、 実用上十分 な耐久性を確保することができない。
本発明の生分解性 (ォキサレート一アミ ド) 共重合体に含まれる 繰り返しアミ ド単位 (A) は、 脂肪族アミ ド構造を、 有するもので あって、 例えば下記の化学式 ( 1 ), (2 )
R1— CO題 · ~ ( 1 )
又は
— ^NH- R2-NHC0 - R3-C0 - ( 2 )
により表されるものを包含する
上 §ή式 1 ) 及び ( 2 ) に いて、 R R2, R3は、 好ましくは
1〜 12個の 、 より好ましくは 3〜 12個の炭素原子を有する二価の脂 肪族炭化水素基を表す なお 、 前記脂肪族炭化水素基は、 脂環式炭 化水素基を包含する
上 Ρ己式 1 ) により表される繰り返しアミ ド単位 (A) は、 後述 するよ 5に 、 例えば下 isd式 1一 a) により表される脂肪族環状ァ
S ド (ラクタム) の開環重合により形成される。
また、 上 式 される繰り返しアミ ド単位 (A) は 、 例えば NH2— R2— NH2 ( 2— a) により表される脂肪族ジァミン と、 HOOC— R3— C00H ( 2— b) により表される脂肪族ジカルボン 酸とのアミ ド化反応により生成するものである。
本発明の生分解性 (ォキサレート一アミ ド) 共重合体の繰り返し アミ ド単位は 1種以上のラクタムの開環により形成されたものであ つてもよく、 或は、 1種以上の脂肪族ジァミンと、 1種以上の脂肪 族ジカルボン酸とのアミ ド化縮合反応により形成されたものであつ
てもよい。
本発明の生分解性 (ォキサレート一アミ ド) 共重合体に含まれる 脂肪族ォキサレート構造を有する繰り返し単位 (B ) は、 下記一般 式 ( 3 ) :
- - O - R4- O -C0-C0^— ( 3 )
により表される化学構造を有し、 この繰り返し単位 (B ) は、 一般 式 ( 3 — a ) の脂肪族ジオール :
H0 - R4 - 0H ( 3 - a )
と、 化学式 ( 3— b ) のシユウ酸 :
C00H
I ( 3 — b )
C00H
(又はそのジエステル) とのエステル化縮合反応により生成するも のである。 式 ( 3 ) 及び ( 3 — a ) における、 R4は、 好ましくは 3〜 12個の、 より好ましくは 4〜 8個の炭素原子を有する二価の脂 肪族炭化水素基を表すものである。
本発明の (ォキサレート一アミ ド) 共重合体において、 前記、 1 種以上の繰り返しォキサレート単位 (A) 及び繰り返しアミ ド単位
(B ) の、 共重合体中における分布状態については、 その質量比 ( B ) / ( A) が 5 /95以上 30/ 70未満の範囲内にある限り、 格別の 制限はなく、 両単位 (A), (B) がランダムに重合していてもよい し、 或は、 両単位 (A) 及び (B ) の 1種以上が、 ブロックを形成 していてもよい。 例えばォキサレート単位 (A) のブロックと、 ァ ミ ド単位 (B) のブロックとが共重合してマルチブロック構造を形 成していてもよい。 前記繰り返しアミ ド単位 (A) が、 複数個のブ ロックを形成しているとき、 このアミ ド単位 (A) ブロックの数平 均分子量は 300〜 2000の範囲内にあることが好ましく、 500〜 1500の 範囲内にあることがより好ましい。 前記繰り返しォキサレート単位
( B ) は、 ブロックを形成していてもよいが、 その数平均分子量に は格別の制限はなく、 一般に、 120〜800程度であることが好ましく 、 150〜700程度であることがより好ましい。
前記繰り返しアミ ド単位は、 環状アミ ド (力プロラクタム、 ラウ ロラクタム等) の開環や、 脂肪族ァミノカルボン酸 (アミノ ドデ力 ン酸等) の縮合や、 脂肪族ジカルボン酸又はそのジエステル (例え ばアジピン酸、 又はアジピン酸ジメチル等) と脂肪族ジァミン (へ キサメチレンジァミン等) との縮合などにより形成される。 また、 繰り返しォキサレート単位は、 シユウ酸又はシユウ酸ジエステル ( シユウ酸ジメチル、 シユウ酸ジブチル、 シユウ酸ジフエ二ル等) と 脂肪族ジオール ( 1, 4 一ブタンジオール、 1, 6 —へキサンジォ —ル等) 又は脂環式ジオール ( 1 , 4—シクロへキサンジメタノー ル等) との縮合により形成される。 これら繰り返しアミ ド単位及び 繰り返しォキサレート単位は、 本発明の効果を損なわない範囲内に おいて、 その一部が芳香族構造 (例えばテレフタルアミ ド構造又は テレフ夕レート構造) で置換されていてもよい。
本発明の生分解性 (ォキサレ一トーアミ ド) 共重合体は、 繰り返 しアミ ド単位と繰り返しォキサレート単位を含有させることができ ればどのような方法で製造しても差し支えないが、 一般には前記の ような脂肪族アミ ド構造及び脂肪族ォキサレー卜構造の構成成分の 重縮合反応によって製造される。 この重縮合反応には公知の種々の
(エステル一アミ ド) 共重合体の製造方法を適用できる。 以下に代 表的なものを述べる。
( 1 ) ポリアミ ドポリマ一 (例えば、 環状アミ ドの開環重合により 合成したもの) を、 シユウ酸ジエステル及び脂肪族ジオールと重縮 合反応させる方法。
( 2 ) 両末端に力ルポキシル基を有するポリアミ ドオリゴマー (例
えば環状アミ ドと脂肪族ジカルボン酸から合成したもの) を、 両末 端に水酸基を有するポリオキサレートオリゴマー (例えばシユウ酸 ジエステルと脂肪族ジオールから合成したもの) と重縮合反応させ る方法。
( 3 ) 両末端に力ルポキシル基を有するポリアミ ドオリゴマーを、 シユウ酸ジエステル及び脂肪族ジオールと重縮合反応させる方法。
( 4 ) 両末端に水酸基を有するポリアミ ドオリゴマー (例えば両末 端に力ルポキシル基を有するポリアミ ドオリゴマーと脂肪族ジォー ルから合成したもの) を、 シユウ酸ジエステルと重縮合反応させる 方法。
( 5 ) 両末端にアミノ基を有するポリアミ ドオリゴマー (例えば環 状アミ ドと脂肪族ジァミンから合成したもの) を、 両末端にシユウ 酸エステル基 (― O— C O— C O— OR5 ; R 5はシユウ酸ジエステルを構 成するアルキル基又はァリール基であり、 例えば、 メチル基、 プチ ル基、 フエ二ル基等を表す。 ) を有するポリオキサレートオリゴマ 一 (例えばシユウ酸ジエステルと脂肪族ジオールから合成したもの ) と重縮合反応させる方法。
( 6 ) 両末端にアミノ基を有するポリアミ ドオリゴマーを、 シユウ 酸ジエステル及び脂肪族ジオールと重縮合反応させる方法。
( 7 ) 両末端にシユウ酸エステル基を有するポリアミ ドオリゴマー (例えば前記の両末端にアミノ基を有するポリアミ ドオリゴマーと シユウ酸ジエステルから合成したもの) を、 脂肪族ジオールと重縮 合反応させる方法。
前記方法 ( 2 ) 〜 ( 7 ) に用いられるポリアミ ドオリゴマーは、 従来既知の方法、 例えば特開平 7— 188476号公報等に記載されてい る方法 (例えば、 水分存在下における加圧溶融重合法) により合成 できる。 このとき、 ポリアミ ドオリゴマーの数平均分子量は 500〜3
000程度であることが好ましい。 また、 前記 ( 2 ) 及び ( 5 ) の方 法に用いられるポリオキサレートオリゴマーも、 従来既知の方法、 例えば特開 2000— 335837号公報等に記載されている方法 (例えば、 エステル化触媒存在下での常圧 · 減圧溶融重合法) により合成でき る。 このとき、 ポリオキサレートオリゴマーの数平均分子量は、 30 0〜 2000程度であることが好ましい。
本発明の生分解性 (ォキサレート一アミ ド) 共重合体は、 前記方 法 ( 1 ) 〜 ( 7) のように重縮合反応 (好ましくは溶融重合) をバ ツチ式又は連続式で行う ことにより製造することができる。 具体的 には、 この製造方法は、 ( i ) 前重縮合工程、 及び (ii) 後重縮合 工程が、 順次に、 下記操作によって行われることが好ましい。
( i ) 前重縮合工程 : 原料成分を反応器に仕込んで、 反応器内を 窒素置換した後、 攪拌及び/又は窒素バブリングしながら突沸させ ないように徐々に昇温する。 反応圧力は常圧でよいが、 反応温度を 、 最終到達温度が 120〜 250°Cになるように制御することが好ましく 、 より好ましくは更に 130〜 230°Cの範囲になるように制御する。 反 応液中には、 反応の進行に伴って生成したアルコール (メタノール 又はフエノール等) 又は水が含まれてく る。
なお、 この重縮合反応では、 反応促進のために必要に応じて触媒 を用いることが好ましく、 その際には、 前記工程 ( i ) において添 加することが好ましい。 このような触媒としては、 P, Ti, Ge, Zn , Fe, Sii, Mn, Co, Zr, V, Ir, La, Ce, Li, Ca, Hiなどの化合物 が好ましい。 特に、 有機チタン化合物、 有機スズ化合物が好ましく 、 例えば、 チタンアルコキシド (チタンテトラブトキシド、 チタン テトライソプロボキシド等) 、 ジス夕ノキサン化合物 ( 1ーヒ ドロ キシー 3—イソチオシァネート一 1, 1 , 3 , 3—テトラブチルジ ス夕ノキサン等) 、 酢酸スズ、 ジラウリン酸ジブチルスズ、 ブチル
チンヒ ドロキシドォキシドヒ ドレートなどが高活性で好適である。 触媒添加量や触媒添加時期は、 反応促進を図ることができる条件で あれば特に制限されない。
(ii) 後重縮合工程 : 前重縮合工程の最終到達温度に達した後、 反応器内を攪拌及び/又は窒素バプリ ングしながら突沸させないよ うに徐々に減圧して、 圧力を 500〜100mmHg ( 66.5〜 13.3Pa) にして 数時間保持し、 生成したアルコール又は水を留出させる。 その後、 更に昇温及び減圧して、 アルコール又は水を完全に留出させる。 最 終到達圧力は、 1. OmmHg (133Pa) より低い圧力であることが好まし く 、 より好ましくは 0.1匪 Hg (13.3Pa) 以上で l. OnunHg (133Pa) よ り低い圧力、 さらに好ましくは 0. ImmHg (13.3Pa) 〜0.8腿 Hg (106P a) の範囲の圧力である。 また、 反応温度は、 最終到達温度を好ま しくは 160〜 300°Cに制御し、 さらに好ましくは 180〜 250°Cの範囲に なるように制御する。
このようにして得られる本発明の生分解性 (ォキサレ一トーアミ ド) 共重合体では、 脂肪族ォキサレート構造を有する繰り返しォキ サレート単位 (B) と脂肪族アミ ド構造を有する繰り返しアミ ド単 位 (A) の質量比率 (B) / (A) (脂肪族ォキサレート構造 Z脂肪 族アミ ド構造) が特定の範囲内になければならない。 即ち、 前記両 単位の質量比率 (B) / (A) は、 前述のように 5 /95以上 30Z70 未満でなければならず、 好ましくは 10Z90〜25Z75であり、 さらに 好ましくは 15 85〜25Z75である。
本発明の生分解性 (ォキサレート一アミ ド) 共重合体はそれ単独 で使用することができるが、 必要に応じて 1種以上の他の成分 (添 加剤、 他の重合体等) を配合して組成物 (当該 (ォキサレートーァ ミ ド) 共重合体を含む材料 ; 粉末、 チップ、 ビーズ等) として使用 することもできる。 配合できる添加剤としては、 例えば、 結晶核剤
、 顔料、 染料、 耐熱剤、 耐加水分解性改良剤、 着色防止剤、 酸化防 止剤、 耐候剤、 滑剤、 帯電防止剤、 安定剤、 充填剤 (タルク、 クレ ィ、 モンモリ ロナイ ト、 マイ力、 ゼォライ ト、 ゾノ トライ ト、 炭酸 カルシウム、 カーボンブラック、 シリカ粉末、 アルミナ粉末、 酸化 チタン粉末等) 、 強化材 (ガラス繊維、 炭素繊維、 シリカ繊維、 セ ルロース繊維等) 、 難燃剤、 可塑剤、 防水剤 (ワックス、 シリコン オイル、 高級アルコール、 ラノ リ ン等) などが挙げられ、 本発明の 効果を損なわない添加量範囲内で添加することができる。
また、 本発明の共重合体に配合できる他の重合体としては、 天然 又は合成高分子が挙げられる。 天然高分子としては、 例えば、 デン プン、 セルロース、 キトサン、 アルギン酸、 天然ゴムなどが挙げる ことができ、 合成高分子としては、 例えば、 ポリ力プロラク トン又 はその共重合体、 ポリ乳酸又はその共重合体、 ポリダリコール酸、 ポリコハク酸エステル、 コハク酸 アジピン酸コポリエステル、 コ ハク酸/テレフタル酸コポリエステル、 ポリ ( 3 —ヒ ドロキシブ夕 ン酸) 、 ( 3 —ヒ ドロキシブタン酸 Z 4—ヒ ドロキシブタン酸) コ ポリマー、 ポリ ビニルアルコール、 ポリエチレン、 ポリアミ ド、 ポ リエチレンテレフ夕レート、 ポリブチレンテレフ夕レー卜、 ポリ酢 酸ビニル、 ポリ塩化ビニル、 ポリスチレン、 ポリグルタミン酸エス テル、 ポリエステルゴム、 ポリアミ ドゴム、 スチレン—ブタジエン 一スチレンブロック共重合体 (SB S ) 、 水添 S B S等のゴム又はエラス トマ一などを挙げることができる。
本発明の生分解性 (ォキサレート一アミ ド) 共重合体は、 押出成 形、 射出成形、 プレス成形、 中空成形、 真空成形などの一般的な溶 融加工法を適用して、 成形品、 フィルム、 シート、 繊維、 不織布、 容器などの成形物に加工することができる。 更に、 この成形物を一 軸又は二軸延伸加工することもできる。
実施例
実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。 実施例及 び比較例の原料化合物及び生成物に対して適用された評価方法はそ れぞれ下記の通りであった。 '
1. ポリアミ ドオリゴマー及びポリオキサレートオリゴマー
( 1 - 1 ) ポリアミ ドオリゴマーの末端基の濃度と数平均分子量
( 1 — 1 — 1 ) 末端アミノ基の濃度
フエノール Zメタノール ( 4 / 1 ; 体積比) 混合溶媒 40ml中に試 料を溶解し、 この溶液にチモールブル一を指示薬として数滴加えた 後、 0.05N塩酸を用いて室温で滴定した。 末端アミノ基の濃度 [題 2] (単位 : eQ/ g ) は下式により求めた。 ここで、 は試料溶液 の滴定量 (ml) 、 L2は溶媒のみの滴定量 (ml) 、 は 0.05N塩酸 のファクタ一、 は試料量 ( g ) をそれぞれ表す。
[NH2] -一 (L L2) X f ,X 10"4/ ( 2 X S ,)
( 1 — 1 一 2 ) 末端力ルポキシル基濃度
180°Cにおいて、 ベンジルアルコール 40ml中に、 試料を溶解し、 フエノールフタレインを指示薬として数滴加えた後、 エタノール性 0.05 N水酸化カリウムを用いて滴定した。 末端力ルポキシル基濃度
[C00H] (単位 : eaZ g ) は下式により求 た。 ここで、 L3は試 料溶液の滴定量 (ml) 、 L4は溶媒のみの滴定量 (ml) を表し、 f 2 は 0.05N水酸化カリウムのファクターを表し、 S 2は試料量 ( g ) を表す。
[C00H] = (L3— L4) X f 2X 10" / ( 2 X S 2)
( 1 — 1 一 3 ) 数平均分子量 (Ma)
供試オリゴマーの数平均分子量 (Ma) を、 上記方法により測定 された末端アミノ基濃度 [NH2] と末端力ルポキシル基濃度 [COOH ] とから下式により求めた。
Ma= [ ( [NH2] + CCOOH] ) Z 2 ] 一1
( 1 — 2 ) ポリオキサレートオリゴマーの末端基濃度と数平均分子 量
( 1 - 2 - 1 ) 数平均分子量 (Mb)
供試オリゴマーの1 H-NMRスぺク トルを下記測定条件において測定 した。
• 使用機種 : 日本電子製; 1匪- EX400WB
• 溶媒 : CDC13
• 積算回数 : 32回
• 試料濃度 : 5質量%
測定された1 H- NMRスぺク トルから求められたシグナル強度をもと にして、 供試オリゴマーの数平均分子量 (Mb) を算出するための 計算式の各項を算出し、 さらに数平均分子量 (Mb) を算出した。 例えば、 1 , 6 —へキサンジオール (HDL) とシユウ酸ジフエニル とから得られたポリオキサレートオリゴマーの数平均分子量 (Mb ) は下記式から求めた。
Mb= npXMp+ n0HX (M0L- 17) + nOCHOXl29. 18+ nOPhX165. 1
2
但し、 上記式中の各項は下記のように定義される。
• np=Np/ [ (NoH+NOCHo+ NOPh) / 2 ]
• n。H=N。 [ (N。H+ N0CH。+ N。Ph) / 2 ]
• n 0CH0= N0CH0Z L (N 0H+ N OCHO + 1\ 0ph/ / ]
•
[ (N
0H+ N
0CHO+ N
0Ph) / 2 ]
• Np= [ (S p/ s p) - 1 ] / s p
' N 0H= OH, S OH
• N 0CH0= S OCHO^ S OCHO
' N 0Ph = oPhZ S OPh
上式中の記号の意味は下記のとおりであった。
• N P: ポリオキサレートオリゴマーの末端を除いた、 分子鎖中の 繰り返しユニッ トの総数。 なお、 この繰り返しユニッ トは前記式 ( I I I ) で表される (以下同様) 。
• n p: 分子 1本当たりの分子鎖中の繰り返しュニッ 卜の数。
• S p: ポリオキサレー卜オリゴマーの末端を除いた、 分子鎖中の 繰り返しュニッ ト中の任意の水素の積分値 (HDLを用いた場合は 4. 3 ppm付近のメチレンプロ トンに基づくシグナルの積分値) 。
• s p: 水素積分値 S pにカウントされる水素の数 (HDLの場合は 2
• N 0H: ポリオキサレートオリゴマーの末端水酸基の総数。
• n 0H: 分子 1本当たりの末端水酸基の数。
• S 0H : ポリオキサレートオリゴマーの末端水酸基を特定できる任 意の水素の積分値 (HDLの場合は 3. 65ppm付近のメチレンプロ トンに 基づくシグナルの積分値) 。
• s DH: 水素積分値 S QHにカウントされる水素の数 (HDLの場合は 2
• N OCHO: ポリオキサレートオリゴマーの末端ホルメート基の総数
• n 0CH0: 分子 1本当たりの末端ホルメート基の数。
• S OCHO: ポリオキサレートオリゴマーの末端ホルメート基を特定 できる水素の積分値 (HDLの場合は 8. l ppm付近のプロ トンに基づく シグナルの積分値) 。
• s ( Ηα: 水素積分値 S OCHOにカウントされる水素の数 (HDLの場合 は 1 ) 。
• N 0P H: ポリオキサレートオリゴマーの末端フエノキシ基の総数。
• : 分子 1本当たりの末端フエノキシ基の数。
• s DPh : ポリオキサレートオリゴマーの末端フエノキシ基を特定で きる任意の水素の積分値 (HDLの場合は 7.43ρρπι付近のメタ位プロ ト ンに基づくシグナルの積分値) 。
• s QPh: 水素積分値 S QPhにカウントされる水素の数 (メタ位プロ ト ンより 2 ) 。
• M0L: ポリオキサレー卜オリゴマーの脂肪族ジオールュニッ 卜と なる脂肪族ジオールの分子量。 なお、 脂肪族ジオールユニッ トは前 記式 (III) における 「一 O— R4—」 に相当する。
• Mp: 分子鎖中の繰り返しュニッ トの分子量。
( 1 - 2 - 2 ) 末端水酸基濃度
供試オリゴマー中の水酸基の濃度 [0H] (単位 : ed/ g) を下記 式により求めた。 なお式中の各項は前記と同じである。
[OH] = n0H/Mb
( 1 — 2 — 3 ) 末端フエノキシ基濃度
供試オリゴマーの末端フエノキシ基の濃度 [OPh] (単位 : edZ g ) は、 下記式から求めた。 なお、 式中の各項は前記と同じである
[OPh] = n0Ph/Mb
( 1 — 3 ) 融点 (Τπ)
供試化合物の融点は、 DSCにより、 窒素気流下で室温から 10°CZ 分で昇温して測定した。
( 1 - 4 ) 生分解特性
都市下水処理場の活性汚泥を使用し、 JIS K6950に準拠して生分 解率 (%) を求めた。
2. (ォキサレート一アミ ド) 共重合体
( 2 - 1 ) 相対粘度 ( 77 r)
25°Cにおいて m—クレゾール溶液 (濃度 : 0. Sg Zdl) を使用し
て測定した。
( 2 — 2 ) 数平均分子量 (Mn)
供試共重合体の1 H-NMRスぺク トルを測定した。 その測定条件は下 記の通りである。
• 使用機種 : 日本電子製 JNM- EX400WB
• 溶媒 : d- TFE (トリフルォロエタノール)
• 積算回数 : 32回
• 試料濃度 : 5質量%
- NMRスぺク トルから求めたシグナル強度をもとに下記式の各項 を算出し、 その値から供試共重合体の数平均分子量 (Μη) を算出 した。
Mn= (W。x+ Wny+ W。xny+ W。H+ W隱 + Wc剛) / N total 但し、 式中の各項は以下のように定義される。
• Wox= (S。x/ 4 ) X 172. 2
' Wny= (S ny/ 2 ) X 113. 18
• Woxny= ( S oxny/ 2 ) X 228. 32
• W0H= (S 0H/ 2 ) X 117. 19
• W0CH0= S OCHOX 45. 2
' WC00H= [ (S圆一 S。xny) / 2 ] X 129. 15
• N total= [ ( QHZ S l + S ocHo+ iS cooH— S oxny) / Δ /
また、 各項は以下の意味を有する。
• wox: ポリォキサレートブロックの質量。
• S。x: ポリオキサレートブロックの末端を除いた、 分子鎖中の繰 り返しュニッ ト中の任意の水素の積分値 (HDLを用いた場合は 4. 3pp m付近のメチレンプロ トンに基づくシグナルの積分値) 。 この繰り 返しユニッ トは前記式 (III) で表される。
• Wny: ポリアミ ドブロックの質量。
• S ny: ポリアミ ドブロックの末端を除いた、 分子鎖中の繰り返し ユニッ ト中の任意の水素の積分値 (例えば、 ε —力プロラクタムと アジピン酸から得たポリアミ ドオリゴマーを用いた場合、 3.22ppm 付近のアミ ド基 (N側) に隣接するメチレンプロ トンに基づくシグ ナルの積分値) 。 この繰り返しユニッ トは前記式 ( I ) で表される
• WOXNY: ポリオキサレートとポリアミ ドのブロック間ユニッ ト (H DL系ポリオキサレートオリゴマーと、 ε 一力プロラクタムとアジピ ン酸から得たポリアミ ドオリゴマーとを用いた場合は一 CO— (CH2) 4 - COO- (CH2) 6—〇—) の質量。
• S。xny: ポリォキサレー卜とポリアミ ドのブロック間ュニッ ト中 の任意の水素の積分値 (例えば、 4. 12ppm付近の上記ブロック間ュ ニッ ト中のエステル基 (〇側) に隣接するメチレンプロ トンに基づ くシグナルの積分値) 。
• WoH: 水酸基末端ユニッ ト (HDLの場合は— 0— (CH2) 6— 0H) の質
• S OH: 水酸基末端ュニッ ト中の任意の水素の積分値 (HDLを用い た場合は 3.65ppm付近の水酸基末端隣接メチレンプロ トンに基づく シグナルの積分値) 。
• WQCHO: ホルメ—ト基末端ュニッ ト (HDLの場合は—〇一 (CH2) 6— 0 CH0) の質量。
• S QCHO: ホルメー卜基末端ュニッ 卜中の任意の水素の積分値 (例 えば、 8.03ppm付近のホルメ一トプロ トンに基づくシグナルの積分 値) 。
• WC00H: カルボキシル基末端ユニッ ト ( ε —力プロラクタムとァ ジピン酸から得たポリアミ ドオリゴマーを用いた場合は— CO— (CH2 ),,— C00H) の質量。
• S C00H: 力ルポキシル基末端ュニッ ト中の任意の水素の積分値 ( 例えば、 1.36PPD1付近のカルボキシル基末端隣接メチレンプロ トン に基づくシグナルの積分値。 但し、 この場合、 ブロック間ユニッ ト 中のエステル基 (C =〇側) に隣接するメチレンプロ トンも含むた め、 水素積分値 S。xnyを差し引く必要がある。 ) 。
- NlotaI : (ォキサレート一アミ ド) 共重合体の数平均分子数。 ( 2 — 3 ) ポリアミ ドブロック及びポリオキサレートブロックの数 平均分子量
( 2 — 3 — 1 ) ポリアミ ドブロックの数平均分子量
供試ポリアミ ドブロックの数平均分子量 (Mny) を求めるために 、 供試ポリアミ ドブロックの、 'Η-匪 Rスぺク トルから求めたシグナ ル強度をもとに下記式の各項の値を算出しこの値から前記数平均分 子量 (Mny) を算出した。 ^-NMRの測定条件は前記 ( 2 — 2 ) の記 載と同様である。
Mny= { Nn y/ [ (Noxny+ 1 ) / 2 ] } X 113. 18+ 112. 14 但し、 式中の各項は以下のように定義される。
• Nny= (S ny/ 2 ) /Nl0lal
また、 各項は以下の意味を有する。
• Nny : ポリアミ ドプロック当たりの平均繰り返しュニッ ト数。
• Noxny: 分子鎖当たりの平均ブロック間ュニッ ト数。
なお、 この繰り返しユニッ トは前記式 ( I ) で表され、 ブロック 間ユニッ トは前記と同様である。
( 2 — 3 — 2 ) ポリオキサレートブロックの数平均分子量
供試ポリオキサレートブロックの数平均分子量 (M。x) を求める ために、 供試ポリオキサレートブロックの、 'H- NMRスぺク トルから 求めたシグナル強度をもとに下記式の各項-を算出し、 その値を用い
て前記数平均分子量 (M。x) を算出した。 'H- NMRの測定条件は前記 ( 2 — 2 ) 項の記載と同様である。
Μοχ= {Ν。ノ { (Noxny+ 1 ) / 2 } X172.2+ 116. 18
但し、 式中の各項は以下のように定義される。
' Nox= (S 0X/ 2 ) /Nl0 1
また、 各項は以下の意味を有する。
• Nox: ポリオキサレートブロック当たりの平均繰り返しュニッ 卜 数
• Noxny: 分子鎖当たりの平均ブロック間ュニッ ト数
なお、 この繰り返しユニッ トは前記式 (III) で表され、 ブロッ ク間ュニッ トは前記と同様である。
( 2 — 4 ) 繰り返しォキサレート単位 (B) と繰り返しアミ ド単位 (A) の質量比率 (繰り返しォキサレート単位/繰り返しアミ ド単 位)
下記式により、 繰り返しォキサレート単位 (B) /繰り返しアミ ド単位 (A) を求めた。
B/A= [ OXX100/ ( ox+ ny) ] / [MnyX lOO/ (Mox+ ny)
]
( 2 — 5 ) ガラス転移温度 (Tg) 、 融点 (Tm) 、 結晶化温度 (Tc
)
DSCにより、 窒素気流下で 10°C/分で室温から昇温して Tgと TB を測定した。 次いで、 完全溶融後に 10で 分で降温して Tcを測定 した。
( 2— 6 ) シートの作製
ホッ トプレスを使用し、 供試共重合体を 210°Cで 3.5分間予熱して lOMPaで 1分間加熱した後、 18 で冷却して、 厚さ約 ΠΟ ΠΙのシー
トを作製した。
( 2 - 7 ) 引張特性
引張試験機を使用し、 23°C、 50 % H, 引張速度 Ι ΟΟππηΖ分の条件 で、 試験片のヤング率、 破断強度、 及び破断伸びを求めた。 なお、 前記試験片は上記シートから切り出した (J I S 2号試験片) 。
( 2 - 8 ) 生分解特性
上記シートから 2 cm x 1 cmの寸法に切り出した試験片について、 下記の試験を行った。
( 2 - 8 - 1 ) コンポス 卜埋設試験
プラスチック製簡易コンポス ト容器にコンポス ト約 5 kg (約 10 L ) を入れ、 その中に試験片を埋設した後、 該容器を 58°C恒温槽中に 置き、 所定時間経過後に試験片を採取して、 試験片の状態を内眼観 察し、 かつ質量残存率を測定した。
( 2 - 8 - 2 ) 土壌埋設試験
畑地土壌中 5 cmの深さに試験片を埋設し、 所定時間経過後に試験 片を採取して外観と質量残存率を前記と同様にして観察し測定した 参考例 1
両末端にカルボキシル基を有するポリアミ ドオリゴマー (COOH · PA- 1 ) の合成
5 L容オートクレープに、 ε —力プロラクタム 853. 85 g ( 7. 5モ ル) 、 アジピン酸 146. 12 g ( 1モル) 及び水 28. 64 gを仕込み、 窒 素雰囲気下で 1. 5時間かけて室温から 250°Cまで昇温し、 0. 68MPaの 加圧下で 5時間反応させた。 反応終了後、 降温及び降圧し、 反応物 を窒素気流下でイオン交換水中に抜き出した。 次いで、 これにィォ ン交換水洗浄、 ろ過、 粉砕、 真空乾燥 (80で、 48時間) を施して、 粉末状の両末端力ルポキシル基のポリアミ ドオリゴマー (C00H · P
A-l) を得た。 その物性を表 1に示す。
参考例 2
両末端に力ルポキシル基を有するポリアミ ドオリゴマー ( C00H · PA-2) の合成
80mL容オートクレープに、 ε—力プロラクタム 21.53 g (0.19モ ル) 、 アジピン酸 3.47g ( 0.024モル) 及び水 0.71gを仕込み、 容 器内を充分窒素置換した後、 250°Cまで昇温しその温度で 5時間反 応を行った。 容器内の圧力は 0.6MPaに到達した。 反応終了後、 降温 及び降圧して反応物を取り出し、 これに粉碎、 イオン交換水洗浄 ( 95°C、 8時間) 、 ろ過、 乾燥を施して、 粉末状の両末端カルポキシ ル基のポリアミ ドオリゴマー (COOH ' PA- 2) を得た。 その物性を表 1に示す。
参考例 3
両末端にカルボキシル基を有するポリアミ ドオリゴマー ( C00H · PA-3) の合成
参考例 2の工程において、 ε—力プロラクタムの仕込み量を Π.4 8g (0.15モル) に変更し、 アジピン酸の仕込み量を 7.52g (0.051 モル) に変更し水の仕込み量を 0.58gに変更し、 容器内の到達圧力 を 0.5MPaに変えたこと以外は参考例 2と同様に行って、 粉末状の両 末端に力ルポキシル基を有するポリアミ ドオリゴマー (COOH* PA-3 ) を得た。 その物性を表 1に示す。
参考例 4
両末端にカルボキシル基を有するポリアミ ドオリゴマー (C00H · PA-4) の合成
参考例 2の原料仕込み量において ε—力プロラクタムの仕込み量 を 23.24 g (0.21モル) に変更し、 アジピン酸の仕込み量を 1.77g (0.012モル) に変更し、 水の量を 0.77gに変え、 容器内の到達圧
力を 0.8MPaに変えたこと以外は参考例 2と同様に行って、 粉末状の 両末端力ルポキシル基のポリアミ ドオリゴマー (C00H * PA- 4) を得 た。 その物性を表 1に示す。
参考例 5
両末端にアミノ基を有するポリアミ ドオリゴマー — (ΝΗ2 · PA)—の _ 合成
参考例 2において、 原料として、 ε—力プロラクタム 22.16g (0 .20モル) 、 へキサメチレンジァミン 2.84g (0.024モル) 及び、 水 0.73gを用い、 容器内の到達圧力を 0.7MPaに変えたこと以外は参考 例 2と同様に行って、 粉末状の両末端アミノ基のポリアミ ドオリゴ マ一 (ΝΗ2 · ΡΑ) を得た。 その物性を表 1に示す。
参考例 6
両末端に水酸基を有するポリオキサレートオリゴマー (0Η · POX - 1) の合成
攪拌機及び蒸留塔を設置した内容積 3 Lのガラス製反応器に、 1 , 6—へキサンジオール ( 1 , 6— HDL) 590.9 g ( 5モル) 、 シュ ゥ酸ジフエニル (DP0) 968.92 g (4モル) 及び触媒としてブチル チンヒ ドロキシドォキシドヒ ドレート (BuSn(O)OH) 0.08g ( 1, 6— HDLと DP0との合計量に対して 50ppm) を仕込み、 常圧で 1時間 かけて室温から 160°Cまで、 更に 1時間かけて 160°Cから 190°Cまで 昇温した。 続いて、 圧力を 300腿 Hg (39, 9kPa) にして 1時間反応さ せ、 次いで、 圧力を lOOmmHg (13.3kPa) に減圧して 1時間、 更に温 度を 200°Cに上げて 1 mmHg (133Pa) で 2時間反応させ、 両末端水酸 基のポリオキサレートオリゴマー (0Η · Ρ0Χ- 1) を得た。 その物性 を表 1に示す。 なお、 上記反応は生成するフエノールを抜き出しな がら行った (以下同様) 。
参考例 7
両末端に水酸基を有するポリオキサレートオリゴマー (0Η · Ρ0Χ-
2) の合成
攪拌機及び蒸留塔を設置した内容積 300mLのガラス製反応器に、 1 , 6 -HDL 94.544 g (0.8モル) 、 DP0 96.892 g (0.4モル) 及 び触媒として BuSn(0)0H 8.4mg (DP0に対して 0.01モル%) を仕込 み、 常圧で 1時間かけて室温から 150°Cまで昇温した。 続いて、 圧 力を 300mmHg (39.9kPa) にして 1時間反応させ、 次いで、 圧力を 10 OmmHg (13.3kPa) に減圧して 1時間、 更に 1匪 Hg ( 133Pa) 以下ま で減圧して 2時間反応させた。 最後に、 170°Cまで昇温して 0.5時間 反応させ、 両末端水酸基のポリオキサレートオリゴマー (0Η· Ρ0Χ - 2) を得た。 その物性を表 1に示す。
〔表 1〕
〔註〕 * ---参考例 1〜 5においては、 ポリアミ ドオリゴマーの数平均分子量 (Ma) を示し、
参考例 6 , 7においては、 ポリオキサレートオリゴマーの数平均分子量 (Mb) を示す。
実施例 1
空冷管及び窒素バブリング用チューブを備えた直径約 30mm Φのガ ラス製反応管に、 両末端に力ルポキシル基を有するポリアミ ドオリ ゴマ一 (COOH ' PA - 1) 22.12g (0.02mol) 、 両末端に水酸基を有す るポリオキサレートオリゴマー (0Η · Ρ0Χ_2) 9.98g (0.02mol) 及 び触媒として BuSn (0)0H 2. Img (COOH · PA- 1に対して 0.05モル%) を仕込み、 反応管の内部を窒素で置換した後、 下記のように重縮合 反応 (前重縮合工程と後重縮合工程) を行った。 昇温及び反応中は 窒素バブリング (50ml/分) を行った。
( i ) 前重縮合工程 : 前記反応管をオイルバス中に設置して、 室温 から 190°Cまで昇温し、 昇温時間も含めて 0.5時間反応させた。
(ii) 後重縮合工程 : バス温を 190°Cに保ったままで前記反応管の 圧力の減圧を開始して約 1.5時間で 1匪 Hg (133Pa) 以下に減圧した 。 この間に水が徐々に留出してきた。 この条件で 7時間反応させた 後、 バス温を 200°Cへ上げて更に 0.5時間反応させた。 得られた (ォ キサレート一アミ ド) 共重合体の物性を表 2に示す。
実施例 2
実施例 1 と同様にして (ォキサレ一トーアミ ド) 共重合体を製造 した。 但し、 BuSn (0) 0Hの量を 32. Img (C00H · PA- 1と 0H · P0X- 2の合 計量に対して lOOOppm) に変え、 後重縮合工程 (ii) の条件を下記 のように変えた。
(ii) 後重縮合工程 : バス温を 190°Cに保ったままで減圧を開始し て約 0.5時間で 1龍 Hg (133Pa) 以下に減圧した。 この間に水が徐々 に留出してきた。 この条件で 4.5時間反応させた後、 バス温を 220°C へ上げて更に 3時間反応させた。 得られた (ォキサレート一アミ ド ) 共重合体の物性を表 2及び 3 に示す。
実施例 3
実施例 2 と同様にして (ォキサレ一トーアミ ド) 共重合体を製造 した。 但し、 触媒をチタンテトラブトキシド 54. 5mg ( COOH · PA- 1と OH · POX- 2の合計量に対して ΠΟΟρριη) に変えた。 得られた (ォキサ レー卜一アミ ド) 共重合体の物性を表 2に示す。
実施例 4
実施例 1 において、 前重縮合工程と後重縮合工程を下記のように 変更したこと以外は、 実施例 1 と同様に重縮合反応を行って (ォキ サレート一アミ ド) 共重合体を製造した。
( i ) 前重縮合工程 : 前記反応管に両末端に力ルポキシル基を有す るポリアミ ドオリゴマー (COOH ' PA- 1) 10. 00 g ( 8. 99ミ リモル) 、 1 , 6 - HDL 3. 18 g ( 26. 93ミ リモル) 及び触媒として BuSn (0) 0 H 5. 6 nig ( COOH · PA- 1と 1 , 6— HDLと DP0の合計量に対して 320ppm ) を仕込んで、 オイルバス中に設置し、 室温から 160°Cまで 1時間 かけて昇温した。 その後、 190°Cに昇温して 5時間反応させた。
( i i ) 後重縮合工程 : 前重縮合工程で得られた反応物に、 DP0 4. 3 5 g ( 17. 95ミ リモル) を混合して 1時間反応させた。 次いで、 減圧 を開始し、 300mmHg ( 39. 9kPa) にして 1時間、 更に 100龍 Hg ( 13. 3k Pa) にして 1時間反応させた後、 バス温を 200°Cに上げて 20匪 Hg ( 2 . 66kPa) で 2時間反応させた。 得られた (ォキサレート一アミ ド) 共重合体の物性を表 2 に示す。
実施例 5
実施例 4において、 前重縮合工程の 190°Cでの反応時間を 1時間 に変えたこと以外は実施例 4と同様に重縮合反応を行った。 得られ た (ォキサレー卜一アミ ド) 共重合体の物性を表 2に示す。
実施例 6
実施例 5において、 DP0を、 後重縮合工程において使用せずに、 他の原料及び触媒と共に前重縮合工程で仕込んだこと以外は、 実施
例 5 と同様に重縮合反応を行った。 得られた (ォキサレー卜一アミ ド) 共重合体の物性を表 2に示す。
実施例 7
実施例 6において、 原料として、 両末端にアミノ基を有するポリ アミ ドオリゴマー (腿 2 · PA) 7.00 g (5.22ミ リモル) 、 1 , 6 — H DLL 23g (10.44ミ リモル) を用い、 DP0の仕込み量を 3.79 g (15.6 6ミ リモル) に変え、 かつ BuSn (0) 0Hの仕込み量を 3.8mg (匪 2 · PAと 1 , 6 — HDLと DP0の合計量に対して 320ppm) に変えたことを除き、 他は実施例 6 と同様に重縮合反応を行った。 得られた (ォキサレー トーアミ ド) 共重合体の物性を表 2 に示す。
比較例 1
実施例 1 において、 両末端に水酸基を有するポリオキサレートォ リゴマー (0Η · Ρ0Χ- 1) の仕込み量を 28.6g (0.02niol) に変え、 Bu Sn(0)0Hの仕込み量を 14. Img (C00H · PA-1と OH · POX-1の合計量に対 して 0.17モル%) に変え、 後重縮合工程の反応条件を下記のように 変更したこと以外は実施例 1 と同様に重縮合反応を行った。
(ii) 後重縮合工程 : 約 2時間かけてバス温を 190°Cから 220°Cに昇 温すると共に l mmHg (133Pa) 以下に減圧し、 この条件で 4時間反 応させた。 得られた (ォキサレート一アミ ド) 共重合体の物性を表 2及び 3 に示す。
〔表 2〕
1) 繰り返しォキサレート単位(B)/繰り返しアミ ド単位(A)質量比
2) Mny : ポリアミ ドブロックの数平均分子量
3) M。x : ポリオキサレートブロックの数平均分子量
〔表 3〕
〔註〕 4) 微劣化…着色が認められた。
5) 劣化…着色及び脆化が認められた。
' 6) 崩壊…着色及び脱落が認められ、 形状を保持していなかつ
産業上の利用可能性
本発明の生分解性 (ォキサレ一トーアミ ド) 共重合体は、 生分解 性に優れたプラスチックとしての公知の各種用途に利用することが できる。 また、 本発明の生分解性 (ォキサレート一アミ ド) 共重合 体はアミ ド成分を、 主成分として含むポリマーであるので、 従来、 ポリアミ ドが使用されている公知の各種用途において広く使用する ことができる。